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特開2022-138127デュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計
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  • 特開-デュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138127
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】デュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計
(51)【国際特許分類】
   G01B 9/02 20220101AFI20220914BHJP
【FI】
G01B9/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027057
(22)【出願日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】202110252667.0
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514316204
【氏名又は名称】ハルビン インスティテュート オブ テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】HARBIN INSTITUTE OF TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.92,West Da-Zhi Street,Nangang District,Heilongjiang, Harbin 150001 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡鵬程
(72)【発明者】
【氏名】于亮
【テーマコード(参考)】
2F064
【Fターム(参考)】
2F064AA01
2F064AA07
2F064CC04
2F064EE01
2F064FF01
2F064FF05
2F064GG12
2F064GG18
2F064GG22
2F064GG23
2F064GG33
2F064GG38
2F064HH02
2F064HH06
2F064HH07
(57)【要約】
【課題】デュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計を提供する。
【解決手段】本発明は、レーザー応用の技術分野に属し、単一周波数のレーザービームをマイケルソン干渉構造に入力し、基準平面反射鏡の角度を設定することによって測定ビームと基準ビームを非同軸干渉させて単一ビーム空間干渉縞画像を形成し、デュアルラインスキャンカメラを選択して単一ビーム空間干渉縞画像を効果的に受信し、最終的に、3自由度デカップリング方法により、各フレームの単一ビーム空間干渉縞画像に対して3自由度信号の線形デカップリングを実現する。本発明のレーザー干渉計は、角度デカップリング非線形を持たず、周期的非線形誤差を顕著に低減させ、他の従来の3自由度レーザー干渉計に比べて、構造がシンプルで、角度測定範囲が広く、集積しやすいという利点があり、3自由度レーザー干渉計の変位及び角度測定に対する高精度のニーズを満たす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一周波数の第1の入力ビーム、マイケルソン干渉構造、デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュールを含むデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計であって、
前記マイケルソン干渉構造は、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板、第1の分光面、固定された基準平面反射鏡及び移動可能な目標平面反射鏡を含み、前記第1の分光面に偏光分光膜がめっきされ、
前記第1の入力ビームは、直線偏光レーザーであり、マイケルソン干渉構造に入射した後に第1の測定ビーム及び第1の基準ビームに分割され、第1の測定ビームは、目標平面反射鏡によって少なくとも1回反射され、第1の基準ビームは、基準平面反射鏡によって少なくとも1回反射され、第1の測定ビーム及び第1の基準ビームは、出力走行経路において少なくとも一部が重なり合って第1の単一ビーム空間干渉縞画像を形成することを特徴とするデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計。
【請求項2】
固定された基準平面反射鏡の反射面は、第1の基準ビームに垂直ではないため、第1の測定ビーム及び第1の基準ビームは出力走行経路において非同軸に伝搬することを特徴とする請求項1に記載のデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計。
【請求項3】
デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュールは、第1のラインスキャンカメラ及び第2のラインスキャンカメラを含み、第1のラインスキャンカメラの検出面の中心は、前記第1の単一ビーム空間干渉縞画像の中心に位置し、第2のラインスキャンカメラの検出面の中心は、前記第1の単一ビーム空間干渉縞画像の中心に位置しないことを特徴とする請求項1に記載のデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計。
【請求項4】
前記デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュールはさらに、
3自由度デカップリング方法により、各フレームの第1の単一ビーム空間干渉縞画像に対して3自由度信号の線形デカップリングを行い、目標平面反射鏡の固定された基準平面反射鏡に対するヨー角、ピッチ角及び変位情報を取得するために用いられるホストコンピュータを含むことを特徴とする請求項3に記載のデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計。
【請求項5】
前記3自由度デカップリング方法は、
デュアルラインスキャンカメラによって検出された空間干渉縞画像において、第1のラインスキャンカメラは、空間干渉縞画像の中心を通過するラインを第1の水平独立成分として選択し、第2のラインスキャンカメラは、空間干渉縞画像の中心を通過しないラインを第2の水平独立成分として選択する第1ステップと、
目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対する変位は、第1の水平独立成分の位相に正比例し、第1の水平独立成分に対して離散フーリエ変換を行った後、信号位相スペクトルの対応する周波数成分でその位相値を取得し、位相値に基づいて目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対する変位を計算する第2ステップと、
目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するヨー角は、第1の水平独立成分の空間周波数に正比例し、第1の水平独立成分に対して離散フーリエ変換を行った後、信号振幅スペクトルでその空間周波数を取得し、空間周波数に基づいて目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するヨー角を計算する第3ステップと、
目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するピッチ角は、第1の水平独立成分と第2の水平独立成分の位相差に正比例し、第1の水平独立成分と第2の水平独立成分に対してそれぞれ離散フーリエ変換を行った後、信号位相スペクトルの対応する周波数成分でその位相値をそれぞれ取得し、かつ第1の水平独立成分と第2の水平独立成分の位相差を取得し、位相値に基づいて目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するピッチ角を計算する第4ステップと、を含む請求項4に記載のデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年03月09日付けで中国特許庁に出願された、出願番号202110252667.0、発明の名称が「デュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体は参照により本出願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、レーザー応用の技術分野に属し、主にデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザー干渉測定技術は、精密工学の基本的なコア技術であり、精密計測、ハイエンド機器製造及び大型科学機器等の分野で非常に重要な役割を果たしている。近年の上記分野の急速な発展に伴い、変位測定の精度をナノメートルレベルからサブナノメートルレベル、さらにはピコメートルレベルまで高める必要があるだけでなく、変位測定の形式を単軸変位測定から多軸/角変位3自由度複合測定に変換する必要もある。
【0004】
現在、多軸レーザー干渉測定の分野で最も広く使用されているのは、平行ビーム測定に基づくレーザー干渉計である。平行ビーム測定に基づくレーザー干渉計は、原理に従ってホモダイン/ヘテロダインレーザー干渉測定に分けることができ、通常は3軸(又は多軸)の互いに平行な測定ビームで測定対象目標の様々な部分を同時に測定し、各軸の測定ビームは、単軸変位測定を実現し、測定スポットは測定対象目標面に「品」字型又は「L」字型等のように配列されている。各測定軸から得られた変位結果を用いて、変位、ヨー角及びピッチ角を含む測定対象目標の3自由度情報を計算することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第112857209号明細書
【0006】
レーザー干渉計の多くの誤差源の中で、周期的非線形誤差は、レーザー干渉計がナノ精度を突破することを制限する主なボトルネックである。Heydemann楕円フィッティング補正方法は、ホモダインレーザー干渉計の周期的非線形誤差をサブナノメートルレベルに抑制することができ(Collett M.J.,Tee G.J.Ellipse Fitting for Interferometry.Part 1:Static Methods[J].J Opt Soc Am A Opt Image Sci Vis,2014,31(12):2573-2583)、多軸レーザー干渉測定の深いサブナノメートル/ピコメートルレベルの精度要件にはまだギャップがある。光学エイリアシングを除去した非共通光路ヘテロダイン干渉構造は、ヘテロダインレーザー干渉計の周期的非線形誤差を深いサブナノメートルレベルに抑制することができ、ここで、ハルビン工業大学の胡鵬程らによって提案された非共通光路ヘテロダイン干渉構造(FuH.,Wu G.,Hu P.,et al.Highly Thermal-Stable Heterodyne Interferometer withMinimized Periodic Nonlinearity[J].Appl Opt,2018,57(6):1463-1467)及びドイツPTBのWeichertらによって提案された非共通光路ヘテロダイン干渉構造(Weichert C., Kochert P., Koning R.,etal.A Heterodyne Interferometer with Periodic Nonlinearities Smaller Than±10pm[J].Measurement Science and Technology,2012,23(9):094005)は、周期的非線形誤差を10pm程度に抑制し、しかし、非共通光路ヘテロダイン干渉構造は、部品構成が複雑であり、その原理により、入力ビームの数は従来の共通光路ヘテロダイン干渉構造の2倍になり、多軸変位測定及び角度測定では、各測定軸の周期的非線形誤差を結合して重畳するため、現在は単軸測定のみに適用されている。
【0007】
それ以外に、平行ビームに基づくレーザー干渉計は、一般的には従来のプリズム群を用いて段階的に分光し、その設計及び加工が非常に難しく、その分光過程における平行度誤差が入射ビーム数の増加に伴って累積される。キーサイト(旧アジレント)、ザイゴ等の少数のレーザー干渉計の大手企業は、プリズム群を用いて段階的に分光することにより達成された高精度の平行分光技術を把握し、これに基づいて単体式多軸干渉鏡群を開発した。キーサイト社の単体三軸干渉鏡群の光軸平行度は25μradに達するが、単体五軸干渉鏡群の光軸平行度は既に100μradまで低下した。また、測定距離が大きい場合、空気の乱流により、各軸の測定ビームに様々な程度の外乱が発生し、変位及び角度の測定安定性に影響を与える。
【0008】
精密な多軸レーザー干渉測定を実現できる別の代表的な技術は、単一ビーム測定に基づく差分波面レーザー干渉計であり、差分波面干渉計において干渉を形成する2つのビームの波面に角度があり、その基準干渉信号と測定干渉信号の4象限検出器の各象限における位相差は異なり、4つの象限の交流信号の合計は変位を計算するために用いることができ、左側の2つの象限と右側の2つの象限の信号の差を用いてヨー角を計算でき、上側の2つの象限と下側の2つの象限の信号の差を用いてピッチ角を計算できる。代表的なものは、米国学者Gillmerらによって提案されたコンパクトな差分波面干渉計であり(Yu X.,Gillmer S.R.,Ellis J.D.Beam Geometry,Alignment,and Wavefront Aberration Effects on Interferometric DifferentialWavefront Sensing[J].Measurement Science and Technology,2015,26(12):125203)、しかし、該差分波前干渉計は、角度デカップリング非線形性の原理誤差があり、かつ角度測定精度及び角度測定範囲を直接制限するため、その角度測定範囲は従来のヘテロダインレーザー干渉計より小さく、通常は0.1mradレベル以下である。
【0009】
要約すると、従来の平行ビーム測定に基づくレーザー干渉計には、複雑な構造、非常に困難な加工及び多軸周期的非線形結合の問題があり、単一ビーム測定に基づく差分波面干渉計には、角度結合の非線形及び小さな角度測定範囲の問題があり、レーザー干渉計の3自由度測定能力の向上を大幅に制限している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、3自由度レーザー干渉計の測定精度と角度測定範囲を総合的に向上させることができる、デュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する。
【0012】
単一周波数の第1の入力ビーム、マイケルソン干渉構造、デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュールを含むデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計であって、
マイケルソン干渉構造は、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板、第1の分光面、固定された基準平面反射鏡及び移動可能な目標平面反射鏡を含み、第1の分光面に偏光分光膜がめっきされ、第1の入力ビームは直線偏光レーザーであり、マイケルソン干渉構造に入射した後に第1の測定ビームと第1の基準ビームに分割され、第1の測定ビームは、目標平面反射鏡によって少なくとも1回反射され、第1の基準ビームは、基準平面反射鏡によって少なくとも1回反射され、第1の測定ビーム及び第1の基準ビームは、出力走行経路において少なくとも一部が重なり合って第1の単一ビーム空間干渉縞画像を形成する。
【0013】
選択的に、デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュールは、第1のラインスキャンカメラ及び第2のラインスキャンカメラを含み、第1のラインスキャンカメラの検出面の中心は、第1の単一ビーム空間干渉縞画像の中心に位置し、第2のラインスキャンカメラの検出面の中心は、第1の単一ビーム空間干渉縞画像の中心に位置しない。
【0014】
選択的に、デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュールはさらに、3自由度デカップリング方法により、各フレームの第1の単一ビーム空間干渉縞画像に対して3自由度信号の線形デカップリングを行い、目標平面反射鏡の固定された基準平面反射鏡に対するヨー角、ピッチ角及び変位情報を取得するために用いられるホストコンピュータを含む。
【0015】
選択的に、3自由度デカップリング方法は、
デュアルラインスキャンカメラによって検出された空間干渉縞画像において、第1のラインスキャンカメラは、空間干渉縞画像の中心を通過するラインを第1の水平独立成分として選択し、第2のラインスキャンカメラは、空間干渉縞画像の中心を通過しないラインを第2の水平独立成分として選択する第1ステップと、
目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対する変位は、第1の水平独立成分の位相に正比例し、第1の水平独立成分に対して離散フーリエ変換を行った後、信号位相スペクトルの対応する周波数成分でその位相値を取得し、位相値に基づいて目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対する変位を計算する第2ステップと、
目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するヨー角は、第1の水平独立成分の空間周波数に正比例し、第1の水平独立成分に対して離散フーリエ変換を行った後、信号振幅スペクトルでその空間周波数を取得でき、空間周波数に基づいて目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するヨー角を計算する第3ステップと、
目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するピッチ角は、第1の水平独立成分と第2の水平独立成分の位相差に正比例し、第1の水平独立成分と第2の水平独立成分に対してそれぞれ離散フーリエ変換を行った後、信号位相スペクトルの対応する周波数成分でその位相値をそれぞれ取得し、かつ第1の水平独立成分と第2の水平独立成分の位相差を取得し、位相値に基づいて目標平面反射鏡の基準平面反射鏡に対するピッチ角を計算する第4ステップと、を含む。
【0016】
本発明によって提供された具体的な実施例によれば、本発明は、以下の技術的効果を開示する。
【0017】
(1)本発明のレーザー干渉計は、単一ビーム空間干渉縞画像に対して3自由度信号の線形デカップリングを実現する。
【0018】
(2)本発明のレーザー干渉計は、周期的非線形誤差源が少なく、多重反射のみに由来し、かつ直交検出器を使用しないため、直交検出における交流信号振幅の不均一、直流バイアス、信号非直交等の問題はない。
【0019】
(3)本発明のレーザー干渉計は、10mradまでの角度測定範囲を有する。まず、本発明は、角度デカップリング非線形の問題がなく、角度測定範囲はデカップリング線形区間によって制限されない。次に、角度偏向により生じた空間縞は従来の方法における干渉信号のコントラストを低下させ、本発明は、縞自体を利用して角度測定を行い、原理上はその角度測定範囲を拡大する。
【0020】
(4)本発明のレーザー干渉計は、光路が簡潔で、部品が少なく、偏光デバイスを使用しない等の特徴を有し、工学における実施に役立ち、実施の難しさ、集積性、性能価格比等において利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明のレーザー干渉計測定システムの構造概略図。
図2】本発明の具体的な実施例によるレーザー干渉計測定システムの構造概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、これらの図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得る。
【0023】
以下に本発明の実施例における図面を参照して本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、説明された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例はすべて、本発明の技術的範囲に属する。
【0024】
本発明の目的は、単一ビーム空間干渉縞画像に対して3自由度信号の線形デカップリングを実現することができる、デュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計を提供することである。
【0025】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより分かりやすくするために、以下に図面及び具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明のデュアルラインスキャンカメラに基づく単一ビーム3自由度レーザー干渉計は、レーザー光源1、デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュール2、第2の1/4波長板3、固定された基準平面反射鏡4、第1の分光面5、第1の1/4波長板6、移動可能な目標平面反射鏡7、ホストコンピュータ8、第2の分光面9、第1のラインスキャンカメラ10、第2のラインスキャンカメラ11を含む。
【0027】
そのうち、レーザー光源1は、第1の入力ビームを提供する。固定された基準平面反射鏡4、第1の分光面5、第2の1/4波長板3、第1の1/4波長板6及び移動可能な目標平面反射鏡7は、マイケルソン干渉構造を構成し、かつ第1の分光面に偏光分光膜がめっきされる。
【0028】
ホストコンピュータ8、第2の分光面9、第1のラインスキャンカメラ10及び第2のラインスキャンカメラ11は、デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュール2を構成し、かつ第2の分光面に非偏光分光膜がめっきされる。固定された基準平面反射鏡4の反射面は、第1の基準ビームに垂直ではないため、第1の測定ビーム及び第1の基準ビームは、出力走行経路において非同軸に伝搬し、該反射面は、図2に示すような破線基準面と小さな角度があり、該角度は、通常、ミリアークのレベルである。
【0029】
該レーザー干渉計の動作原理は以下のとおりである。第1の入力ビームが第1の分光面5に入射した後、その反射ビーム及び透過ビームは、それぞれ第1の測定ビーム及び第1の基準ビームを形成する。第1の入力ビームは直線偏光レーザーである。
【0030】
そのうち、第1の測定ビームは、第1の1/4波長板6を通過し、移動可能な目標平面反射鏡7に接触してから反射され、第1の分光面5を通過した後に透過して出力される。
【0031】
第1の基準ビームは、第2の1/4波長板3を通過し、固定された基準平面反射鏡4に接触してから反射され、第1の分光面5を通過した後に反射して出力される。
【0032】
出力された第1の測定ビーム及び第2の基準ビームは、出力走行経路において少なくとも一部が重なり合って第1の単一ビーム空間干渉縞画像を形成する。第1のラインスキャンカメラ10及び第2のラインスキャンカメラ11は、第2の分光面9の分光作用を介して第1の単一ビーム空間干渉縞画像を同時に受信する。そのうち、第1のラインスキャンカメラ10の検出面の中心は、第1の単一ビーム空間干渉縞画像の中心に位置し、第2のラインスキャンカメラ11の検出面の中心は、第1の単一ビーム空間干渉縞画像の中心に位置しない。
【0033】
ホストコンピュータ8は、目標平面反射鏡7の固定された基準平面反射鏡4に対するヨー角、ピッチ角及び変位情報を得るために、3自由度デカップリング方法により、各フレームの第1の単一ビーム空間干渉縞画像に対して3自由度信号の線形デカップリングを実現する。3自由度デカップリング方法は以下を含む。
【0034】
デュアルラインスキャンカメラによって検出された空間干渉縞画像において、第1のラインスキャンカメラ10は、空間干渉縞画像の中心を通過するラインを第1の水平独立成分として選択し、第2のラインスキャンカメラ11は、空間干渉縞画像の中心を通過しないラインを第2の水平独立成分として選択する第1ステップ。
【0035】
目標平面反射鏡7の固定された基準平面反射鏡4に対する変位は、第1の水平独立成分の位相に正比例し、第1の水平独立成分に対して離散フーリエ変換を行った後、信号位相スペクトルの対応する周波数成分でその位相値を取得でき、この位相値を用いて目標平面反射鏡7の固定された基準平面反射鏡4に対する変位を計算できる第2ステップ。
【0036】
目標平面反射鏡7の固定された基準平面反射鏡4に対するヨー角は、第1の水平独立成分の空間周波数に正比例し、第1の水平独立成分に対して離散フーリエ変換を行った後、信号振幅スペクトルでその空間周波数を取得でき、この空間周波数を用いて目標平面反射鏡7の固定された基準平面反射鏡4に対するヨー角を計算できる第3ステップ。
【0037】
目標平面反射鏡7の固定された基準平面反射鏡4に対するピッチ角は、第1の水平独立成分と第2の水平独立成分の位相差に正比例し、第1の水平独立成分と第2の水平独立成分に対してそれぞれ離散フーリエ変換を行った後、信号位相スペクトルの対応する周波数成分でその位相値をそれぞれ取得し、かつ第1の水平独立成分と第2の水平独立成分の位相差を取得でき、この位相値を用いて目標平面反射鏡7の固定された基準平面反射鏡4に対するピッチ角を計算できる第4ステップ。
【0038】
本明細書において具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその中核思想の理解を助けるためのものに過ぎず、同時に、当業者であれば、本発明の思想に基づき、具体的な実施形態及び応用範囲に変更が生じる。要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0039】
1 レーザー光源、2 デュアルリニアアレイ検出及び画像デカップリングモジュール、3 第2の1/4波長板、4 固定された基準平面反射鏡、5 第1の分光面、6 第1の1/4波長板、7 移動可能な目標平面反射鏡、8 ホストコンピュータ、9 第2の分光面、10 第1のラインスキャンカメラ、11 第2のラインスキャンカメラ。
図1
図2