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特開2022-138130いくつかのホイール上の計時器ディスプレイデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138130
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】いくつかのホイール上の計時器ディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
   G04B 9/00 20060101AFI20220914BHJP
   G04B 13/02 20060101ALI20220914BHJP
   G04B 19/02 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
G04B9/00
G04B13/02 Z
G04B19/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031471
(22)【出願日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】21161610.7
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・バッハマン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】いくつかのホイール上の計時器ディスプレイデバイスを提供する。
【解決手段】計時器メカニズムと、計時器メカニズムの少なくとも1つの出力によって、同じ回転方向の回転運動で駆動されるホイール1;2上に組み合わせた計時器メカニズムに関連する大きさを表示するためのディスプレイデバイスとを含む計時器であって、少なくともホイールは、ホイール間、またはホイールと固定目盛りとの間の角度差によってこの大きさの表現を表示するインジケータ60と一体的に回転し、計時器メカニズムは、所与の時間に、単一の出力によって、単一のホイールを駆動し、ディスプレイデバイスは、ホイールの一方を他方によって駆動するための内部手段を含み、ディスプレイデバイスおよび/または計時器メカニズムは、ホイールの少なくとも1つの移動端位置に解放のための手段を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器メカニズム(200)と、前記計時器メカニズム(200)に関連する少なくとも1つの大きさを表示するためのディスプレイデバイス(100)とを含む計時器(1000)であって、前記ディスプレイは、前記計時器メカニズム(200)に含まれる少なくとも1つの出力(3;4)によって、同じ回転方向の回転運動で駆動されるように配置された複数のホイール(1;2)上に組み合わせて製造され、少なくとも前記ホイール(1;2)は、インジケータ(60;61;62)間、または前記インジケータ(60;61;62)と固定目盛りとの間の角度差によって前記大きさの表現を表示できるように、前記インジケータ(60;61;62)と一体的に回転し、前記計時器メカニズム(200)は、所与の時間に、単一の前記出力(3;4)によって、前記ホイール(1;2)のうちの一方のみを駆動するように配置され、前記ディスプレイデバイス(100)は、前記ホイール(1;2)を、他方の前記ホイール(2;1)によって駆動するための内部手段を含み、前記ディスプレイデバイス(100)および/または前記計時器メカニズム(200)は、前記ホイール(1;2)の少なくとも1つの移動端位置に解放のための手段を含むことを特徴とする、計時器(1000)。
【請求項2】
前記計時器メカニズム(200)は、前記ホイール(1;2)の各移動端位置に解放のための手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の計時器(1000)。
【請求項3】
内部駆動手段は、他方の前記ホイール(2;1)に含まれる相補的な停止面(7;8)と協働するように配置された前記ホイール(1;2)の停止面(5;6)によって形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の計時器(1000)。
【請求項4】
前記解放手段は、前記計時器メカニズム(200)に含まれる制御ギアトレイン(201;202)に組み込まれる摩擦手段(9)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【請求項5】
前記ホイール(1;2)は、同軸であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【請求項6】
前記メカニズム(200)は、実質的に同じ角速度で各前記ホイール(1;2)を駆動するように配置されることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【請求項7】
前記ホイール(1;2)のうちの少なくとも一方は、リングまたはディスクである前記ホイール(2;1)のうちの他方を囲むリングであることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【請求項8】
第1の前記ホイール(1)は、少なくとも第1の横方向の停止面(5;6)を含む内側突起(56)によって遮られる内側回転領域(58)を内側に含む外側リングであり、前記内側突起(56)は、前記内側回転領域(58)よりも共通軸に近い内側径方向端部(560)を含み、第2の前記ホイール(2)は、少なくとも第2の横方向の停止面(7;8)を含む外側突起(78)によって遮られる外側回転領域(76)を外側に含む内側リングまたはディスクであり、前記外側突起(78)は、前記外側回転領域(76)よりも、前記内側径方向端部(560)よりも、前記共通軸から遠い外側径方向端部(780)を含み、互いに隣接することによって前記内側突起(56)と前記外側突起(78)との間の相対駆動を可能にすることを特徴とする、請求項3、請求項5、および請求項7に記載の計時器(1000)。
【請求項9】
前記外側径方向端部(780)は、前記内側回転領域(58)の直径よりも小さい直径内に適合し、前記内側径方向端部(560)は、前記外側回転領域(76)の直径に等しい直径を越えて径方向に延在することを特徴とする、請求項8に記載の計時器(1000)。
【請求項10】
第2の前記ホイール(2)は、中央文字盤(26)を動かすように配置された内側リングであることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の計時器(1000)。
【請求項11】
前記中央文字盤(26)は、非対称な脚部(28,280)によってインデクス付けされることを特徴とする、請求項10に記載の計時器(1000)。
【請求項12】
前記ホイール(1;2)のうちの少なくとも一方は、最小大きさ(61)および最大大きさ(62)を画定する目盛りに面して移動可能なインジケータ(60)を動かし、前記目盛りは、他方の前記ホイール(2;1)、または前記計時器メカニズム(200)に含まれるプラテン(40)または保持プレート(50)によって動かされることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【請求項13】
前記ディスプレイデバイス(100)は、直列に取り付けられ、前記計時器メカニズム(200)に含まれるバレル(30)またはバレル(30)のセットを含むエネルギ源のエネルギレベルを表示するためのパワーリザーブディスプレイデバイスであり、前記計時器メカニズム(200)は、前記バレル(30)またはバレル30の前記セットに含まれるコイリングシャフト(310)によって駆動されるロードギアトレイン(201)であって、前記ホイール(1;2)のうちの一方を構成するコイリングインジケータ(1)を駆動するロードギアトレイン(201)と、前記ディスプレイメカニズム(100)のすぐ上流の前記バレル(30)に含まれるカバー(310)またはドラムによって駆動されるアンロードギアトレイン(202)であって、前記ホイール(2;1)のうちの他方を構成するアンコイリングインジケータ(2)を駆動するアンロードギアトレイン(202)とを含むことを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【請求項14】
前記摩擦手段(9)は、前記コイリングシャフト(301)と前記コイリングインジケータ(1)との間、または/および前記カバー(310)またはドラムと、前記アンコイリングインジケータ(2)との間に挿入されることを特徴とする、請求項4および請求項13に記載の計時器(1000)。
【請求項15】
前記計時器メカニズム(200)は、前記ユーザに面するように配置された上部パーツを含む腕時計ムーブメントであり、前記ディスプレイデバイス(100)は、少なくとも1つのキー(55)または/および偏心ロック(81;82)によって、前記ムーブメントに含まれるプラテン(40)または保持プレート(50)上に固定化される前記上部パーツの側面の前記ムーブメントに挿入可能な追加のサブアセンブリであることを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【請求項16】
前記腕時計ムーブメントは、ディスプレイを駆動するための少なくとも1つのキャノンピニオンを含み、少なくとも1つのキャノンピニオンは、前記ホイール(1;2)に囲まれることを特徴とする、請求項15に記載の計時器(1000)。
【請求項17】
前記計時器メカニズム(200)は、第1の制御ギアトレイン(201;202)および/またはリセットのトリガを制御して、他方の制御ギアトレイン(201;202)の前記リセットを制御するために、ユーザによって使用可能な少なくとも1つの制御手段(300)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の計時器(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器メカニズムと、この計時器メカニズムに関連する少なくとも1つの大きさを表示するためのディスプレイデバイスとを含む、計時器、特に腕時計に関し、このディスプレイは、この計時器メカニズムに含まれる少なくとも1つの出力によって、同じ回転方向の回転運動によって駆動されるように配置された、複数のホイール上における組み合わせで製造され、少なくとも1つのそのようなホイールは、インジケータ間、またはそのようなインジケータと固定目盛りとの間の角度差によって大きさの表現を表示できるように、インジケータと一体的に回転する。
【0002】
本発明は、計時器、特に複雑構造の計時器のディスプレイメカニズムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
パワーリザーブの表示は、スプリングバレルなどのような少なくとも1つのエネルギ源によって駆動される機械式ムーブメント腕時計の分野において有用な複雑構造である。
【0004】
従来のパワーリザーブの表示では、一般に、差動装置は、バレルから充電情報および放電情報を収集し、しばしばこの差動装置によって駆動される、ホイールと一体化された針からなるインジケータによって、これら情報を変換することを可能にする。その結果、目盛り付きまたは画像化された基準目盛りの前を移動するディスプレイまたはパワーリザーブ表示針は、パワーリザーブのゲイン(腕時計のワインディング)またはロス(腕時計のレート)に応じて、時計回りまたは反時計回りに回転する。
【0005】
最大および最小のパワーリザーブインジケーションは、一般に、文字盤に依存し、それ自体が固定され、プラテンと一体化された基準目盛りで読み取ることができる。これらの末端位置のうちの1つの位置に達すると、(差動装置に組み込まれる)摩擦などのメカニズムは、必要に応じて最大または最小停止の固定位置にある針に対するギアトレインの回転を吸収する。パワーリザーブ針は、差動装置によって制御され、最大または最小のパワーリザーブの2つの末端マーク間の瞬間的なパワーリザーブのレベルを表示する。
【0006】
差動メカニズムは、証明された、正確で信頼できるソリューションであるが、このメカニズムは、特に腕時計の厚さによってはかさばり、衝撃に敏感で、高価である。したがって、単純化の代替案は歓迎される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、時計のムーブメントによって測定される時間に必ずしも関連しない特定の大きさの表示のための、特に、機械式腕時計のパワーリザーブの表示のためのディスプレイメカニズムを含む、特に腕時計用の特定の計時器メカニズムを作成することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるメカニズムは、差動装置の存在を克服し、ギアトレインを単純化する。繰り返しになるが、腕時計のムーブメント上のアセンブリを単純化するように設計される。
【0009】
この目的のために、本発明は、請求項1に記載の計時器に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の目的、利点、および特徴は、本発明の非限定的な変形例を示す添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むと明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、機械式腕時計のパワーリザーブのディスプレイへの適用において、本発明によるディスプレイのために配置された2つの同心ホイールの概略正面図である。
図2図2は、おのおのがディスプレイデバイスに含まれるそのようなホイールと協働できる、少なくとも2つの出力を含むムーブメントなどの計時器メカニズムを一方に含む、本発明による計時器、特に腕時計を表すブロック図である。
図3図3は、機械式腕時計のパワーリザーブのディスプレイへの適用を表すブロック図であり、ここでは、計時器メカニズムは、バレルまたはバレルのセットに含まれるコイリングシャフトによって駆動されるロードギアトレインを含み、このロードギアトレインは、ホイールのうちの1つのホイールを構成するコイリングインジケータを駆動し、計時器メカニズムは、ディスプレイメカニズムのすぐ上流にあるバレルに含まれるカバーまたはドラムによって駆動されるアンロードギアトレインを含み、このアンロードギアトレインは、ホイールのうちの他方のホイールを構成するアンコイリングインジケータを駆動する。ここでは、摩擦手段は、カバーまたはドラムと、アンコイリングインジケータとの間に挿入される。
図4図4から図6は、2つのホイールの相互の駆動協働を示す図である。図4は、内部に第2のホイールを受け入れる第1の外部ホイールを示す概略平面図であり、ホイールのおのおのは、他方のホイールの軌道と干渉するように意図された径方向の突起を含み、各突起は、両側に2つの停止面を含む。
図5図5は、内部に第2のホイールを受け入れるためのハウジングを含む、第1の外部ホイールを示す概略平面図であり、このハウジングは、第2のホイールの軌道と干渉するように意図された径方向の内側突起によって遮られ、この内側突起は、両側に2つの停止面を含む。
図6図6は、第1のホイールのハウジングと協働できる実質的な外側回転領域を含む、内部の第2のホイールの概略平面図であり、この領域は、第1のホイールの軌道と干渉するように意図された径方向の外側突起によって遮られ、この外側突起は、両側に2つの停止面を有する。
図7図7は、保持プレートが上にあるプラテンを有するムーブメントを含む腕時計の、2つのホイールに共通の軸を通過する部分断面図であり、ムーブメントは、少なくとも1つのバレルを含み、バレルのコイリングシャフトによって駆動されるロードギアトレインを含み、このロードギアトレインは、コイリングインジケータを駆動する。ムーブメントは、ディスプレイメカニズムに最も近いバレルに含まれるカバーまたはドラムによって駆動されるアンロードギアトレインを含み、このアンロードギアトレインは、摩擦接続を介してアンコイリングインジケータを駆動し、第1のホイールは外側文字盤によって囲まれ、キャノンピニオンを中心とする第2のホイールは、中央文字盤を動かす。
図8図8は、図7の摩擦の詳細である。
図9図9および図10は、少なくとも第1および第2のホイールを含む取り外し可能なサブアセンブリを概略的かつ遠近法で示す図である。図9は、従来の制御ロッドを備えたムーブメントの上からのこの取り外し可能なサブアセンブリを表示する図である。
図10図10は、ムーブメント内に配置され、すべて腕時計の上から操作可能なキーとロックによって固定された取り外し可能なサブアセンブリを示す図である。
図11図11は、ムーブメント保持プレートに配置およびロックされた取り外し可能なサブアセンブリを、図7と同様に示す図である。
図12図12は、組立前、2つのホイールに共通の軸を通過するこれら2つのホイールの概略断面図である。
図13図13は、組立後、第2のホイールへの中央文字盤の挿入中におけるこれら2つのホイールを、図12と同様に示す図である。
図14図14は、第2のホイールへの中央文字盤のロックを、図13と同様に示す図である。
図15図15は、ムーブメント内に取り外し可能なサブアセンブリが位置された、中央文字盤が表示されていない腕時計の概略平面図であり、この図は、第1のホイールによって形成された中央リングのロックと、第2のホイールによって形成された中央リングのロックとを示す。
図16図16は、ロック解除位置における、第2ホイールに含まれる下部ウェブを保持するための図15に見える回転式ロックの詳細図である。
図17図17は、ロック位置における、第2ホイールに含まれる下部ウェブを保持するための図15に見える回転式ロックの詳細図である。
図18図18は、第1のホイールを囲む外側文字盤の表示後の組立を、概略的かつ遠近法で示す図である。
図19図19は、第1のホイールを囲む外側文字盤の表示後の組立を、概略的かつ遠近法で示す図である。
図20図20は、外側文字盤がロックされたディスプレイデバイス全体を図18と同様に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、計時器メカニズム200と、この計時器メカニズム200に関連する少なくとも1つの大きさを表示するためのディスプレイデバイス100とを含む計時器1000、特に腕時計に関する。この計時器メカニズムは、ムーブメント、クロノグラフメカニズムなどを含むか、またはそれらであり得る。
【0013】
このディスプレイは、この計時器メカニズム200に含まれる少なくとも1つの出力3、4によって、同じ回転方向の回転運動で駆動されるように配置された複数のホイール1、2上に組み合わせて製造され、少なくとも1つのそのようなホイール1、2は、インジケータ60、61、62間、またはそのようなインジケータ60、61、62と固定目盛りとの間の角度差によって大きさの表現を表示できるように、インジケータ60、61、62と一体的に回転する。
【0014】
本発明によれば、計時器メカニズム200は、所与の時間に、単一の出力3、4によって、ホイール1、2のうちの一方のみを駆動するように配置される。そして、ディスプレイデバイス100は、そのようなホイール1、2を、他方のホイール2、1によって駆動するための内部手段を含む。そして、ディスプレイデバイス100および/または計時器メカニズム200は、ホイール1、2の少なくとも1つの移動端位置に解放のための手段を含む。
【0015】
より具体的には、計時器メカニズム200は、そのようなホイール1、2の各移動端位置に解放のための手段を含む。
【0016】
より具体的には、内部駆動手段は、他方の可動装置2、1に含まれる相補的な停止面7、8と協働するように配置されたホイール1、2の停止面5、6によって形成される。
【0017】
より具体的には、解放手段は、計時器メカニズム200に含まれる制御ギアトレイン201、202に組み込まれる摩擦手段9を含む。たとえば、これら摩擦手段9は、少なくとも1つのカップスプリングなどを含む。
【0018】
より具体的には、そして図に示されるバージョンに見られるように、2つのホイール1、2は同軸である。より具体的には、計時器メカニズム200が、計時器1000のディスプレイのうちの少なくとも1つのディスプレイのムーブメントである、主出力軸を備えたムーブメントを含む特定の変形例では、ホイール1、2は、この主軸に同軸である。他の変形例では、それらの共通軸は、この主軸に対して偏心しており、この共通軸は好ましくは平行を維持する。
【0019】
より具体的には、メカニズム200は、実質的に同じ角速度で各ホイール1、2を駆動するように配置される。
【0020】
より具体的には、ホイール1、2のうちの少なくとも一方は、リングまたはディスクであるホイール2、1のうちの他方を囲むリングである。
【0021】
より具体的には、図4から図6に見られるように、第1のホイール1は、少なくとも第1の横方向の停止面5、6を含む内側突起56によって遮られる内側回転領域58を内側に含む外側リングであり、この内側突起56は、内側回転領域58よりも共通軸に近い内側径方向端部560を含む。より具体的には、内側突起56は、第1の横方向の停止面5、6を越えた第1の窪み59によって縁取られている。
【0022】
そして、第2のホイール2は、少なくとも第2の横方向の停止面7、8を含む外側突起78によって遮られる外側回転領域76を外側に含む内側リングまたはディスクであり、この外側突起78は、外側回転領域76よりも、内側径方向端部560よりも、共通軸から遠い外側径方向端部780を含み、互いに隣接することによって内側突起56と外側突起78との間の相対駆動を可能にする。より具体的には、外側径方向端部780は、内側回転領域58の直径よりも小さい直径内に適合し、内側径方向端部560は、外側回転領域76の直径に等しい直径を越えて径方向に延在する。より具体的には、外側突起78は、第2の横方向の停止面7、8を越えた第2の窪み79によって縁取られている。
【0023】
より具体的には、第2のホイール2は、脚部28、280によってインデクス付けされた中央文字盤26を動かすように配置された内側リングであり、より具体的には、これらの脚部は非対称であり、組立中の確実性と、基準要素の正しい位置とを保証する。
【0024】
より具体的には、ホイール1、2のうちの少なくとも一方は、最小大きさMINおよび最大大きさMAXを画定する目盛りに面して移動可能な、針、印などのインジケータ60を動かし、この目盛りは、それぞれ他方のホイール2、1、または計時器メカニズム200に含まれるプラテン40または保持プレート50によって動かされる。
【0025】
より具体的には、ディスプレイデバイス100は、直列に取り付けられ、計時器メカニズム200に含まれるバレル30またはバレル30のセットを含むエネルギ源のエネルギレベルを表示するためのパワーリザーブディスプレイデバイスである。この計時器メカニズム200は、バレル30またはバレル30のセットに含まれるコイリングシャフト301によって駆動されるロードギアトレイン201を含み、このロードギアトレイン201は、ホイール1、2のうちの一方を形成するコイリングインジケータ1を駆動する。
【0026】
特定の非限定的な実施形態では、保持プレート50内で案内されるコイリングシャフト301によって動かされるロードギアトレイン201は、駆動中間ホイール303を含み、駆動中間ホイール303は、第1の減速ホイール304と噛み合い、第1の減速ホイール304は、第2の減速ホイール305と噛み合い、これによって、第1のホイール1、特に、図7に示される用途におけるコイリングパワーリザーブインジケータを駆動する。
【0027】
計時器メカニズム200は、ディスプレイメカニズム100のすぐ上流のバレル30に含まれるカバー310またはドラムによって駆動されるアンロードギアトレイン202を含み、このアンロードギアトレイン202は、ホイール2、1のうちの他方を構成するアンコイリングインジケータ2を駆動する。特定の非限定的な実施形態では、アンロードギアトレイン202は、特に少なくとも1つのスプリングなどの摩擦9によって結合されるこの一次ホイール31と二次ホイール32とからなる中間摩擦ホイールに含まれる一次ホイール31と噛み合うバレルカバー310を含み、二次ホイール32は、第3の減速ホイール33と噛み合い、これは、第2のホイール2、特に図7に示される用途におけるアンコイルパワーリザーブインジケータを駆動する。
【0028】
より具体的には、摩擦手段9は、コイリングシャフト301とコイリングインジケータ1との間、または/およびカバー310またはドラムと、アンコイリングインジケータ2との間に挿入される。
【0029】
図は、ディスプレイメカニズム100が計時器の中央に配置されたパワーリザーブ表示を提供する、特定の非限定的な変形例を示す。要するに、本発明は、一方はバレルをロードするときのみ回転し、他方はアンロードするときのみ回転する2つの同心ディスクを使用して、パワーリザーブを表示することを可能にする。ここではリングである2つのホイールは、例示されるバリエーションでは時計回り方向である同じ方向に回転する。
【0030】
パワーリザーブの最小および最大の末端の両側の停止面の協働により、一方では、摩擦手段9を使用して、パワーリザーブが最大である場合、ユーザがコイリングの制御を続けるのであれば、制御ロッドにおける動作によって、または、振動ウェイトを備えた自動ワインディングメカニズムの場合は手首の動きによって、ディスクは同時に回転でき、他方では、パワーリザーブデバイスがゼロ値を表示したとき、ディスクは静止したままになる。2つの組合せにより、残りのパワーリザーブレベルを表示できる。ホイールの一方が他方に追いつくときの機械的停止の第1の組合せは、(バレルがすでに十分にロードされているにも関わらず、ユーザが、ロッドを回転させ続けるか、または振動している重りを動かし続ける)ムーブメントの完全かつ強制的なロードの間に、(第1のホイールが駆動しており、第2のホイールが停止を使っている)回転中の2つのホイールを同時に駆動することを可能にし、ギアトレインにおける摩擦手段9の存在によって、解放を可能にし、あらゆる破損を回避することが理解される。
【0031】
機械的停止の第2の組合せは、第2のホイールが、第1のホイールに追いつくと、ゼロ値を表示した時に、ホイールを所定の位置に固定する。ゼロ情報の表示にも関わらず、ムーブメントに数時間のパワーリザーブがあり、ムーブメントが動き続ける場合、上記と同じ摩擦が回転を吸収し、真空中でスピンする。このタイプのパワーリザーブディスプレイでは、ディスクは、同じ方向に平均して同じ速度で回転する必要があることに注意することが重要である。
【0032】
逆運動学を想像し、摩擦の振る舞いを逆転させることが可能である。すなわち、ワインディングが完了して強制されたときにホイールは静止したままであり、インジケーションがゼロを表示したときにホイールはともに回転する。
【0033】
計時器メカニズム200は、ホイール1、2の回転を同時に制御しない少なくとも2つの制御ギアトレイン201、202を含むが、単一の制御ギアトレイン201、202は、所与の時間において、ホイール1、2のうちの一方のみの回転を制御することが理解される。図示される例では、制御ギアトレイン201、202はそれぞれ、強制ではないが、反対方向に回転する出力3、4を含む。パワーリザーブのディスプレイは、特にこの腕時計が、カレンダ複雑構造を含んでいる場合、特に年次または永久日付の場合に、ユーザがカレンダデータの面倒なリセットを回避できるため、機械式腕時計にとって有用な複雑構造である。
【0034】
他の用途は、本発明を有益に使用することができ、操作を禁止する適切なインシュレータが、ミニッツリピータ腕時計に装備されていないのであれば、たとえば、ミニッツリピータ腕時計に打撃パワーリザーブを表示し、実行中の打撃が終了していない別の打撃制御をトリガすることが禁止されていることをユーザに通知し、その後、ボルトなどによって制御されるコイリングを見た後、打撃バレルの漸進的なアンロードを見ることができる。
【0035】
別の用途は、クロノグラフメカニズムのための特定のディスプレイに関連し、ホイールのうちの一方は、瞬間経過時間を表示し、他方のホイールは、同じイベントに関連するカウントのセットで測定された最大値(または最小値をそれぞれ)を表示する。
【0036】
さらに別の用途は、ダイビング腕時計またはハイキング腕時計のための高度値の表示に関し、ホイールのうちの一方は、基準に対する瞬間的な深さまたは高さを表示し、他方のホイールは、到達した深さまたは最大高度を表示する。第2のギアトレインは、高度インジケーションをリセットするために使用される。
【0037】
本発明によるメカニズムの単純さおよびコンパクトさによって、他の多くの用途が可能である。
【0038】
より具体的には、計時器メカニズム200は、ユーザに面するように配置された上部パーツを含む腕時計ムーブメントであり、ディスプレイデバイス100は、上部パーツの側面のムーブメントに挿入可能な追加のサブアセンブリであり、保持プレート50またはプラテン40に含まれるボア51および/またはベアリング面52と協働する少なくとも1つのキー55および/または偏心ロック81、82によって、ムーブメントに含まれるプラテン40または保持プレート50上に容易に配置および固定化される。より具体的には、このムーブメントは、ディスプレイを駆動するための少なくとも1つのキャノンピニオンを含み、少なくとも1つのキャノンピニオンは、ホイール1、2に囲まれる。
【0039】
より具体的には、計時器メカニズム200は、第1の制御ギアトレイン201、202および/またはリセットのトリガを制御して、他方の制御ギアトレイン201、202のリセットを制御するために、制御ロッドなどのような、ユーザによって使用可能な少なくとも1つの制御手段300を含む。
【0040】
本発明は、ディスクの事前組立に良好に役立ち、このディスプレイデバイス100を受け入れ、制御する時計のムーブメントに対する容易な組立および分解のために、取り扱いが容易な取り外し可能なサブアセンブリを生成する。
【0041】
文字盤側からアクセス可能なボルト/偏心器の使用は、このサブアセンブリをムーブメントにロックすることを可能にし、それ以上の取り扱い力なしに前述のサブアセンブリの分解を可能にする。
【0042】
スペース要件および合理的なコストに関するその関心に加えて、システムの単純さ、製造が容易な構成要素の使用、取り外し可能なサブアセンブリの形態での製造のおかげで、本発明はまた、衝撃への耐性、調整のしやすさ、スイングの制御に関して満足できる回答を提供し、ホイールは、他の文字盤やディスプレイ要素から軸方向および径方向に独立しており、互いに軸方向に独立しており、それらの唯一の協働は、径方向の依存性と相互の角度駆動である。
【0043】
様々な固定方法を使用することができ、すべてが腕時計の上側から調整および固定される変形例は、初期組立ならびにアフタセールスを単純化するので有利である。
【0044】
第1の変形例では、第1のホイール1は環状であり、中間文字盤を構成し、ユーザに見える上面11に含まれ、計時器1000の固定された外側文字盤210によって囲まれ、第2の環状ホイール2は、上面21がユーザに見える中央文字盤26を動かし、この中央文字盤26は、第2のホイール2のハウジング29、290と協働する脚部28、280を含み、第2の環状ホイール2は、その後、第1のホイール1、第2のホイール2、中央文字盤26、および偏心キーを含む取り外し可能なサブアセンブリの事前組立中に操作される偏心キーによって遮断され、第1のホイールセット1は、第2のホイール2と中央文字盤26との間に軸方向に有利に囲まれ、したがって、その軸方向の動きは、構造によって決定され、厳密に遵守される。この取り外し可能なサブアセンブリは、プラテン40、またはそのようなプラテンに固定された保持プレート50上に容易に配置することができ、計時器メカニズム200、特にムーブメントに含まれ、いくつかのロック81または82、特に、たとえば保持プレート50に含まれるクリアランス820内の回転式ロック82によって固定化され、保持プレート50は、第2のホイール2の周辺ウェブ24の保持を示す図16および図17に見られるように、回転式ロック82に含まれる制御アームの角度移動を制限するための少なくとも1つの停止ボス850を含む。有利には、従来の機械式ムーブメントの場合にキャノンピニオンを囲み、第2のホイール2に含まれるボア27と低クリアランスで、またはその逆で協働する座面57を含む、または保持プレート50が実装される。
【0045】
第2の変形例は、正確には、図16および図17によって示され、取り外し可能なサブアセンブリは、同じ手法で事前に組み立てられ、第2のホイール2は、図11にも見られるように、その下部にウェブ24を含み、したがって、少なくとも2つの回転式ロック82によってロックされる。計時器1000が、第1の環状ホイール1の周りに外側文字盤を含む場合、その周囲からアクセス可能な少なくとも2つのキーによって、この外側文字盤を保持プレート50上に維持するのは容易である。
【0046】
前述した例と組み合わせることができる第3の変形例では、図11に示すように、第1のホイール1は依然として固定されているか、またはキー81によって、または保持プレート50と係合されたロックによって、少なくとも軸方向に制限されている。
【0047】
いずれの場合も、計時器メカニズム200の反転を必要としないので、組立シーケンスは非常に単純であり、すべてが片側から行われる。図に例示される特定の非限定的な例では、取り外し可能なサブアセンブリは、第1のホイール1および第2のホイール2を係合することによって事前に組み立てられ、中央文字盤26が取り付けられ、その脚部によって位置され、キー、特にジョーキーによって停止され、このサブアセンブリは、保持プレート50に配置され、その上にロックされ、機能的な揺れと仕切りが確保され、位置は正確であり、衝撃に対してロックが効果的である。
【符号の説明】
【0048】
1 第1のホイール、コイリングインジケータ
2 第2のホイール、アンコイリングインジケータ
3 出力
4 出力
5 停止面
6 停止面
7 停止面
8 停止面
9 摩擦手段
11 上面
21 上面
24 ウェブ
26 中央文字盤
27 ボア
28 脚部
29 ハウジング
30 バレル
31 一次ホイール
32 二次ホイール
33 第3の減速ホイール
40 プラテン
50 保持プレート
51 ボア
52 ベアリング面
55 キー
56 内側突起
57 座面
58 内側回転領域
59 第1の窪み
60 インジケータ
61 インジケータ
62 インジケータ
76 外側回転領域
78 外側突起
79 第2の窪み
81 偏心ロック、キー
82 回転式ロック、偏心ロック
100 ディスプレイメカニズム、ディスプレイデバイス
200 計時器メカニズム
201 ロードギアトレイン、制御ギアトレイン
202 アンロードギアトレイン、制御ギアトレイン
210 外側文字盤
280 脚部
290 ハウジング
300 制御手段
301 コイリングシャフト
303 駆動中間ホイール
304 第1の減速ホイール
305 第2の減速ホイール
310 カバー、コイリングシャフト
560 内側径方向端部
780 外側径方向端部
820 クリアランス
850 停止ボス
1000 計時器
図1
図2
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【外国語明細書】