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特開2022-138132タービンブレード先端シュラウドの表面プロファイル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138132
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】タービンブレード先端シュラウドの表面プロファイル
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/20 20060101AFI20220914BHJP
   F01D 11/08 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
F01D5/20
F01D11/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031997
(22)【出願日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】63/158,605
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/651,824
(32)【優先日】2022-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】デレック・カノア・タン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・スコット・ゼミティス
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ライアン・ピルソン
(72)【発明者】
【氏名】フェリペ・ロマン-モラレス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ステファン・グレイ
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202BA02
3G202BB01
3G202KK04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タービンブレード先端シュラウドを提供する。
【解決手段】先端シュラウド220は、その半径方向外側端部222で翼形部202に結合するように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィング232、234を含む。先端シュラウドはまた、一対の対向して軸方向に延在するウィングから半径方向に延在する先端レール250を含む。先端シュラウド表面プロファイルは、先端レールの下流側254および/または上流側252、先端シュラウドの前方Zノッチ276、および/またはウィング234の下流側半径方向内面242の表面プロファイルであってもよい。表面プロファイルは、それぞれの表に記述されているXおよびY、場合によってはZのデカルト座標値の少なくとも一部、ならびに厚さに実質的に一致する公称プロファイルを有することができる。
【選択図】図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンブレード先端シュラウド(220)であって、
翼形部(202)の半径方向外側端部(222)で前記翼形部(202)に結合するように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィング(232、234)であって、前記翼形部(202)は、正圧側面(204)および前記正圧側面(204)に対向する負圧側面(206)、前記正圧側面(204)と前記負圧側面(206)との間に広がる前縁(208)、ならびに前記前縁(208)に対向し、前記正圧側面(204)と前記負圧側面(206)との間に広がる後縁(210)を有する、一対の対向して軸方向に延在するウィング(232、234)と、
前記一対の対向して軸方向に延在するウィング(232、234)から半径方向に延在する先端レール(250)であって、上流側(252)、前記上流側(252)に対向する下流側(254)、および最も前方かつ半径方向に最も外側の原点(260)を有する先端レール(250)と
を備え、
前記タービンブレード先端シュラウド(220)の少なくとも1つの領域は、表I、II、III、およびIVの対応する表に記述され、前記最も前方かつ半径方向に最も外側の原点(260)を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、前記デカルト座標値は、前記X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールX方向最小範囲(270)を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、前記少なくとも1つの領域の前記公称プロファイルを画定し、
前記少なくとも1つの領域は、
表Iに記述されるX、Y、およびZのデカルト座標値を有する、前記先端レール(250)の前記上流側(252)、
表IIに記述されるX、Y、およびZのデカルト座標値を有する、前記先端レール(250)の前記下流側(254)、
表IIIに記述されるX、Y、およびZのデカルト座標値、ならびに厚さ値を有する前方Zノッチ表面(276)であって、各XおよびY座標値における前記前方Zノッチ表面の前記公称プロファイルの厚さ(Thk)は、対応するZ値から半径方向内側に延在する、Zノッチ表面(276)、ならびに
表IVに記述されるX、Y、およびZのデカルト座標値を有する、前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の半径方向内面(242)
から選択される、タービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項2】
前記タービンブレード先端シュラウド(220)が結合するように構成された前記翼形部(202)は、第二段ブレードの一部である、請求項1に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記上流側(252)である、請求項1または2に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記下流側(254)をさらに含む、請求項3に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの領域が、前記前方Zノッチ表面(276)をさらに含む、請求項3に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の前記半径方向内面(242)をさらに含む、請求項3に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項7】
前記先端レール(250)の前記上流側(252)に加えて、前記少なくとも1つの領域は、前記先端レール(250)の前記下流側(254)、前記前方Zノッチ表面(276)、および前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の前記半径方向内面(242)のうちの2つを含む、請求項3に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記下流側(254)、前記前方Zノッチ表面(276)、および前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の前記半径方向内面(242)をさらに含む、請求項3に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記下流側(254)である、請求項1または2に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの領域が、前記前方Zノッチ表面(276)をさらに含む、請求項9に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の前記半径方向内面(242)をさらに含む、請求項9に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの領域が、前記前方Zノッチ表面(276)と、前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の前記半径方向内面(242)とをさらに含む、請求項9に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの領域が、前記前方Zノッチ表面(276)である、請求項1または2に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の前記半径方向内面(242)をさらに含む、請求項13に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの領域が、前記先端レール(250)の前記下流側(254)上の前記ウィング(234)の前記半径方向内面(242)である、請求項1または2に記載のタービンブレード先端シュラウド(220)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、ターボ機械に関する。より詳細には、本明細書に開示される主題は、タービンブレード先端シュラウドの表面プロファイルおよびウィングの下に突出部を有する先端シュラウドに関する。
【背景技術】
【0002】
一部のジェット航空機および単純または複合サイクル発電プラントシステムは、それらの構成および動作においてタービン、またはいわゆるターボ機械を利用する。これらのタービンの一部は、動作中に流体の流れに曝露される翼形部(例えば、タービンノズル、ブレード、翼形部など)を利用する。これらの翼形部は、流体の流れと空気力学的に相互作用し、発電の一部としてこれらの流体の流れからエネルギーを生成するように構成される。例えば、翼形部は、推力を生成するため、運動エネルギーを機械的エネルギーに変換するため、および/または熱エネルギーを機械的エネルギーに変換するために使用される場合がある。この相互作用および変換の結果として、これらの翼形部の空気力学的特性は、システムおよびタービンの動作、性能、推力、効率、信頼性および動力における損失を引き起こす場合がある。さらに、動作中、翼形部の半径方向外側端部の先端シュラウドは、固定構成要素と相互作用して高温ガスを翼形部に向けて導く。この相互作用および変換により、これらの先端シュラウドの空気力学的特性は、システムおよびタービンの動作、性能、推力、効率、信頼性および動力における損失をもたらす場合がある。
【発明の概要】
【0003】
以下に述べるすべての態様、例、および特徴は、任意の技術的に可能な方法で組み合わせることができる。
【0004】
本開示の一態様は、タービンブレード先端シュラウドを含み、タービンブレード先端シュラウドは、翼形部の半径方向外側端部で翼形部に結合するように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィングであって、翼形部は、正圧側面および正圧側面に対向する負圧側面、正圧側面と負圧側面との間に広がる前縁、ならびに前縁に対向し、正圧側面と負圧側面との間に広がる後縁を有する、ウィングと、一対の対向して軸方向に延在するウィングから半径方向に延在する先端レールであって、下流側、下流側に対向する上流側、ならびに最も前方かつ半径方向に最も外側にある原点を有する、先端レールとを備え、先端レールの上流側は、表Iに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は、線によって接続されて先端レール上流側プロファイルを画定する。
【0005】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、タービンブレードは、第二段ブレードを含む。
【0006】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの下流側は、表IIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの下流側プロファイルを画定する。
【0007】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、表IIIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値および厚さ値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する前方Zノッチ表面をさらに備え、デカルト座標値は、値に先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、XおよびY値は互いに滑らかに接合されて前方Zノッチ表面プロファイルを形成し、各XおよびY座標値における前方Zノッチ表面プロファイルの厚さは、対応するZ値から半径方向内側に延在する。
【0008】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、表IVに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する、先端レールの下流側上のウィングの半径方向内面を含み、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は互いに滑らかに接合されて、下流側半径方向内面のプロファイルを形成する。
【0009】
本開示の別の態様は、タービンブレード先端シュラウドを含み、タービンブレード先端シュラウドは、翼形部の半径方向外側端部で翼形部に結合するように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィングであって、翼形部は、負圧側面および負圧側面に対向する正圧側面、正圧側面と負圧側面との間に広がる前縁、ならびに前縁に対向し、正圧側面と負圧側面との間に広がる後縁を有する、ウィングと、一対の対向して軸方向に延在するウィングから半径方向に延在する先端レールであって、先端レールは、下流側、下流側に対向する上流側、ならびに最も前方かつ半径方向に最も外側にある原点を有する、先端レールとを備え、先端レールの下流側は、表IIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レール上流側プロファイルを画定する。
【0010】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、タービンブレードは、第二段ブレードを含む。
【0011】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの上流側は、表Iに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの上流側プロファイルを画定する。
【0012】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、表IIIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値および厚さ値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する前方Zノッチ表面をさらに備え、デカルト座標値は、値に先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、XおよびY値は互いに滑らかに接合されて前方Zノッチ表面プロファイルを形成し、各XおよびY座標値における前方Zノッチ表面プロファイルの厚さは、対応するZ値から半径方向内側に延在する。
【0013】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、表IVに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する、先端レールの下流側上のウィングの半径方向内面を含み、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は互いに滑らかに接合されて、下流側半径方向内面のプロファイルを形成する。
【0014】
本開示の別の態様は、タービンブレード先端シュラウドを含み、タービンブレード先端シュラウドは、翼形部の半径方向外側端部で翼形部に結合するように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィングであって、翼形部は、正圧側面および正圧側面に対向する負圧側面、正圧側面と負圧側面との間に広がる前縁、ならびに前縁に対向し、正圧側面と負圧側面との間に広がる後縁を有する、ウィングと、一対の対向して軸方向に延在するウィングから半径方向に延在する先端レールであって、下流側、下流側に対向する上流側、および最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を有する、先端レールと、表IIIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値、および厚さ値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する前方Zノッチ表面とを備え、デカルト座標値は、値に先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、XおよびY値は互いに滑らかに接合されて前方Zノッチ表面プロファイルを形成し、各XおよびY座標値における前方Zノッチ表面プロファイルの厚さは、対応するZ値から半径方向内側に延在する。
【0015】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、タービンブレードは、第二段ブレードを含む。
【0016】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの上流側は、表Iに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの上流側プロファイルを画定する。
【0017】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの下流側は、表IIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの下流側プロファイルを画定する。
【0018】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、表IVに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する、先端レールの下流側上のウィングの半径方向内面をさらに備え、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は互いに滑らかに接合されて、下流側半径方向内面のプロファイルを形成する。
【0019】
本開示の一態様は、タービンブレード先端シュラウドを含み、タービンブレード先端シュラウドは、翼形部の半径方向外側端部で翼形部に結合するように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィングであって、翼形部は、正圧側面および正圧側面に対向する負圧側面、正圧側面と負圧側面との間に広がる前縁、ならびに前縁に対向し、正圧側面と負圧側面との間に広がる後縁を有する、ウィングと、一対の対向して軸方向に延在するウィングから半径方向に延在する先端レールであって、下流側、および下流側に対向する上流側を有し、最も前方かつ半径方向に最も外側にある原点を有する、先端レールと、先端レールの下流側上のウィングの半径方向内面であって、表IVに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する、半径方向内面とを備え、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は互いに滑らかに接合されて、下流側半径方向内面のプロファイルを形成する。
【0020】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、タービンブレードは、第二段ブレードを含む。
【0021】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの上流側は、表Iに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの上流側プロファイルを画定する。
【0022】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの下流側は、表IIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの下流側プロファイルを画定する。
【0023】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、表IIIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値および厚さ値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する前方Zノッチ表面をさらに備え、デカルト座標値は、値に先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、XおよびY値は互いに滑らかに接合されて前方Zノッチ表面プロファイルを形成し、各XおよびY座標値における前方Zノッチ表面プロファイルの厚さは、対応するZ値から半径方向内側に延在する。
【0024】
本開示の一態様はタービンブレードを含み、タービンブレードは、根元端部から半径方向外側端部まで延在する翼形部であって、正圧側面、および正圧側面に対向する負圧側面を有する翼形部と、半径方向外側端部から延在し、ウィングを含む先端シュラウドと、半径方向外側端部を先端シュラウドに結合する負圧側フィレットと、翼形部の半径方向外側端部、負圧側フィレット、およびウィングの半径方向内面に沿ってウィングの軸方向縁部まで延在する突出部とを備える。
【0025】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、突出部は、翼形部の翼弦長の約25~35%以内の位置において、翼形部の半径方向外側端部に沿って延在する。
【0026】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、翼形部の半径方向外側端部で翼形部に結合するように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィングと、一対の対向して軸方向に延在するウィングから半径方向に延在する先端レールであって、下流側、および下流側に対向する上流側を有し、最も前方かつ半径方向に最も外側にある原点を有する、先端レールと、先端レールの下流側にあり、負圧側フィレットおよび突出部の少なくとも一部を画定するウィングの半径方向内面であって、表IVに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する、半径方向内面とをさらに備え、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は、下流側の半径方向内面プロファイルを形成するために互いに滑らかに接合される。
【0027】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの上流側は、表Iに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの上流側プロファイルを画定する。
【0028】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、先端レールの下流側は、表IIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有し、デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レールの下流側プロファイルを画定する。
【0029】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、表IIIに記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値および厚さ値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する前方Zノッチ表面をさらに備え、デカルト座標値は、値に先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値であり、XおよびY値は互いに滑らかに接合されて前方Zノッチ表面プロファイルを形成し、各XおよびY座標値における前方Zノッチ表面プロファイルの厚さは、対応するZ値から半径方向内側に延在する。
【0030】
この概要のセクションで説明されているものを含む、本開示で説明されている2つ以上の態様を組み合わせて、本明細書で具体的に説明されていない実施態様を形成することができる。
【0031】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を図示する添付の図面と併せて、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明から、さらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】例示的なターボ機械の断面図である。
図2図1のターボ機械と共に使用することができる、4つの段を有する例示的なタービンアセンブリの断面図である。
図3】本開示の様々な実施形態による、翼形部の半径方向外側端部に先端シュラウドを含む例示的なタービンブレードの三次元斜視図である。
図4】本開示の様々な実施形態による、図3のような先端シュラウドの平面図である。
図5A】本開示の実施形態による、上流先端レール表面プロファイルの点を含む、図3のような先端シュラウドの前方斜視図である。
図5B】本開示の実施形態による、前方Zノッチ表面プロファイルの点を含む、図3のような先端シュラウドの前方斜視図である。
図6】本開示の実施形態による、下流先端レール表面プロファイルの点を含む、図3のような先端シュラウドの前方斜視図である。
図7】本開示の様々な実施形態による、前方Zノッチ表面プロファイルの点を含む、図3のような先端シュラウドの部分平面図である。
図8A】本開示の様々な実施形態による、半径方向内側ウィング表面プロファイルの点を含む、図3のような先端シュラウドの上方斜視図である。
図8B】本開示の様々な実施形態による、半径方向内側ウィング表面プロファイルの点を含む、図3のような先端シュラウドの上方部分断面図である。
図9】本開示の様々な実施形態による、図8A図8Bの先端シュラウドの拡大前方斜視図および部分断面図である。
図10】本開示の様々な実施形態による、翼形部がその下に重ね合わされた(図9の視線9-9も含む)図9の先端シュラウドの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の図面は、必ずしも原寸に比例しないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを図示することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面では、類似する符号は、図面間で類似する要素を表す。
【0034】
最初の問題として、現在の技術を明瞭に説明するために、ターボ機械内の関連の機械構成要素について言及および説明するときに、特定の専門用語を選択することが必要になると考えられる。可能な限り、一般的な工業専門用語が、その一般に認められている意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広義の解釈を与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載され得るものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0035】
加えて、本明細書ではいくつかの記述的用語をしばしば使用することがあり、このセクションの始めにこれらの用語を定義することが有用であることがわかるはずである。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書で使用する場合、「下流」および「上流」とは、タービンエンジンを通る作動流体、または例えば、燃焼器を通る空気の流れ、もしくはタービンの構成要素システムの1つを通る冷却剤などの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前部または圧縮機端部を指し、「後方」はエンジンの後部またはタービン端部を指す。
【0036】
多くの場合、中心軸線に関して異なる半径方向位置に配置された部品を記述することが要求される。「半径方向」という用語は、軸線に垂直な移動または位置を指す。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線に近接して位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向内側」または「内方」にあると述べる。他方で、第1の構成要素が第2の構成要素と比べて軸線から遠くに位置する場合、本明細書では、第1の構成要素が第2の構成要素の「半径方向外側」または「外方」にあると述べることができる。「軸方向」という用語は、軸A、例えばロータシャフト110に平行な移動または位置を指す。最後に、「円周方向」という用語は、軸周りの移動または位置を指す。このような用語は、タービンの中心軸線に関連して適用することができることが理解されよう。
【0037】
加えて、以下に記載のように、本明細書ではいくつかの記述的用語をしばしば使用することがある。「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の場所または重要性を示すことを意図するものではない。
【0038】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本開示を限定するためのものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意選択の(optional)」または「任意選択的に(optionally)」は、続いて記載された事象または要素が発生してもしなくてもよいし、または存在してしなくてもよいことと、その説明が、事象が発生するかまたは要素が存在する場合、および事象が発生しないかまたは要素が存在しない場合を含むこととを意味する。
【0039】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「係合される」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接上に、係合され、接続され、もしくは結合されてもよいし、または介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に」、「直接係合される」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しない。要素間の関係について説明するために使用される他の語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間に」に対して「直接~の間に」、「~に隣接して」に対して「直接~に隣接して」など)。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0040】
本開示の様々な態様は、回転するタービンロータブレード(以下、「ブレード」または「タービンブレード」)の先端シュラウドの表面プロファイルを対象とする。先端シュラウドの実施形態は、翼形部の半径方向外側端部で翼形部に結合するように構成された、一対の対向して軸方向に延在するウィングを含む。翼形部は、負圧側面および負圧側面に対向する正圧側面、正圧側面と負圧側面との間に広がる前縁、ならびに前縁に対向し、正圧側面と負圧側面との間に広がる後縁を有する。一般に、正圧側面は上流を向き、負圧側面は下流を向く。先端シュラウドはまた、一対の対向して軸方向に延在するウィングから半径方向に延在する先端レールを含む。先端レールは、下流側、および下流側に対向する上流側を有する。先端レールはまた、本明細書で説明するように、表面プロファイルの基準点として機能する最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を含む。先端シュラウドの表面プロファイルは、先端レールの下流側および/または上流側、先端シュラウドの前方Zノッチ、および先端シュラウドのウィングの下流側半径方向内面の表面プロファイルであってもよい。
【0041】
表面プロファイルは、それぞれの表に記述されているXおよびY、場合によってはZのデカルト座標値の少なくとも一部、ならびに厚さに実質的に一致する公称プロファイルを有する形状として記載されている。デカルト座標は、先端レールの最も前方かつ半径方向に最も外側の原点を起点とする。デカルト座標値は、距離の単位で表される特定の正規化パラメータ値を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値である。すなわち、表の座標値は、正規化されたパラメータのパーセンテージであるため、正規化されたパラメータの実際の所望の距離の乗算は、正規化されたパラメータの実際の所望の距離を有する先端シュラウドの表面プロファイルの実際の座標をレンダリングする。
【0042】
本明細書でさらに説明するように、正規化パラメータは、特定の表面プロファイルに応じて変動してもよい。本開示の目的のために、正規化パラメータは、先端レール250の先端レールX方向最小範囲270(図4)であってもよい。先端レール表面プロファイルの実際のX値は、特定の表の値に、実際の所望の先端レールX方向最小範囲270(例えば、2.2センチメートル)を掛けることによってレンダリングすることができる。いずれの場合でも、X値およびY値、ならびに提供される場合にはZ値は、タービン先端シュラウドに適した曲面を生成するために使用される任意の現在知られているまたは後に開発されるカーブフィッティング技術を使用して、滑らかな表面プロファイルを画定するように線および/または円弧によって接続される。カーブフィッティング技術は、外挿、内挿、平滑化、多項式回帰、および/または他の数学的カーブフィッティング関数を含むことができるが、これらに限定されない。カーブフィッティング技術は、手動および/または計算的に、例えば統計的および/または数値解析ソフトウェアを介して実行されてもよい。
【0043】
図面を参照すると、図1は、燃焼タービンまたはガスタービン(GT)システム100(以下「GTシステム100」)の形態の例示的なターボ機械90の概略図である。GTシステム100は、圧縮機102と、燃焼器104とを含む。燃焼器104は、燃焼領域105と、燃料ノズルアセンブリ106とを含む。GTシステム100はまた、タービン108と、共通のロータ圧縮機/タービンシャフト110(以下、「ロータシャフト110」と呼ぶ)とを備える。1つの非限定的な実施形態では、GTシステム100は、サウスカロライナ州グリーンビルのゼネラルエレクトリック社から市販されている9F.03エンジンであってもよい。本開示は、いかなる特定のGTシステムに限定されるものではなく、例えば、ゼネラルエレクトリック社の他のF、HA、B、LM、GT、TM、およびEクラスのエンジンモデル、ならびに他社のエンジンモデルを含む他のエンジンと関連して実施することができる。さらに、本開示の教示は、必ずしもGTシステムのみに適用可能ではなく、他のタイプのターボ機械、例えば、蒸気タービン、ジェットエンジン、圧縮機などに適用することができる。
【0044】
図2は、図1のGTシステム100と共に使用することができる4つの段L0~L3を有するタービン108の例示的な部分の断面図を示す。4つの段は、L0、L1、L2、およびL3と呼ばれる。段L0は、第一段であり、4つの段のうちの(半径方向に)最小の段である。段L1は、第二段であり、軸方向に次の段である。段L2は、第三段であり、軸方向に次の段である。段L3は、第四段で、最後の段であり、(半径方向に)最大の段である。4つの段は非限定的な一例としてのみ示されており、各タービンは4つよりも多いかまたは少ない段を有してもよいことを理解されたい。
【0045】
静止ベーンまたはノズル112のセットは、回転ブレード114のセットと協働してタービン108の各段L0~L3を形成し、タービン108を通る流路の一部を画定する。各セットの回転ブレード114は、回転ブレード114をロータシャフト110に円周方向に結合するそれぞれのロータホイール116に結合される。すなわち、複数の回転ブレード114が、各ロータホイール116に円周方向に間隔を空けて機械的に結合される。静止ブレードセクション115は、ロータシャフト110の周りに円周方向に間隔を置いて配置された固定ノズル112を含む。各ノズル112は、翼形部130と接続された少なくとも1つの端壁(またはプラットフォーム)120、122を含むことができる。図示の例では、ノズル112は、半径方向外側端壁120と、半径方向内側端壁122とを含む。半径方向外側端壁120は、ノズル112をタービン108のケーシング124に結合する。
【0046】
動作中、空気は圧縮機102を通って流れ、圧縮空気が燃焼器104に供給される。具体的には、圧縮空気は、燃焼器104に一体化された燃料ノズルアセンブリ106に供給される。燃料ノズルアセンブリ106は、燃焼領域105と流れ連通している。燃料ノズルアセンブリ106はまた、燃料源(図1には示さず)と流れ連通し、燃料および空気を燃焼領域105に導く。燃焼器104は、燃料を点火して燃焼させる。燃焼器104は、ガス流の熱エネルギーが機械的回転エネルギーに変換されるタービン108と流れ連通する。タービン108は、ロータシャフト110に回転可能に結合されてロータシャフト110を駆動する。圧縮機102はまた、ロータシャフト110に回転可能に結合されてもよい。例示的な実施形態では、複数の燃焼器104および燃料ノズルアセンブリ106が存在する。以下の説明では、特に明記しない限り、各構成要素の1つのみを説明する。回転ロータシャフト110の少なくとも1つの端部は、タービン108から離れて軸方向に延在してもよく、限定はしないが、発電機、負荷圧縮機、および/または別のタービンなどの負荷または機械(図示せず)に取り付けられてもよい。
【0047】
図3は、ブレード200として例示的なタービンロータブレード114の拡大斜視図を詳細に示す。説明の目的のために、X軸が概して軸方向に延在し(すなわち、ロータシャフト110(図1)の軸Aに沿って)、Y軸がロータシャフト110(図1)の軸Aに対して概して垂直に延在し(外周面を示す)、Z軸がロータシャフト110(図1)の軸Aに対して半径方向に延在する凡例が図面に提供されてもよい。図3に対して、各凡例矢印の方向は、正の座標値のそれぞれの方向を示す。
【0048】
ブレード200は、回転可能な(動的な)ブレードであり、タービン(例えば、タービン108)の段のロータシャフト110(図1)の周りに円周方向に分散したタービンロータブレード114のセットの一部である。すなわち、タービンの動作中、作動流体(例えば、ガスまたは蒸気)がブレードの翼形部を横切って導かれると、ブレード200は、ロータシャフト(例えば、ロータシャフト110)の回転を開始し、ロータシャフト110によって画定された軸Aを中心として回転する。ブレード200は、複数の同様のまたは別個のブレード(例えば、ブレード200または他のブレード)と結合(締結具、溶接部、スロット/溝などを介して機械的に結合)して、タービンの段にブレードのセットを形成するように構成されることが理解される。図2を参照すると、様々な非限定的な実施形態において、ブレード200は、第一段(L0)ブレード、第二段(L1)ブレード、第三段(L2)ブレード、または第四段(L3)ブレードを含んでもよい。特定の実施形態では、ブレード200は、第二段(L1)ブレードである。様々な実施形態では、タービン108は、タービン108の第一段(L0)のみ、または第二段(L1)のみ、または第三段(L2)のみ、またはタービン108の第四段(L3)のみにブレード200のセットを含んでもよい。
【0049】
図3に戻ると、ブレード200は、正圧側面204(この図では遮られている)と、正圧側面204に対向する負圧側面206とを有する翼形部202を含んでもよい。ブレード200はまた、正圧側面204と負圧側面206との間に広がる前縁208と、前縁208に対向し、正圧側面204と負圧側面206との間に広がる後縁210とを含んでもよい。上述したように、翼形部202の正圧側面204は一般に上流に面し、負圧側面206は一般に下流に面する。
【0050】
図示のように、ブレード200はまた、根元端部212から半径方向外側端部222まで延在する翼形部202を含んでもよい。より具体的には、ブレード200は、根元端部212で端壁213に結合され、その先端または半径方向外側端部222でタービンブレード先端シュラウド220(以下、「先端シュラウド220」)に結合された翼形部202を含む。根元端部212は、図3ではダブテール224を含むものとして示されているが、根元端部212は、ロータシャフト110に接続するための任意の適切な構成を有してもよい。端壁213は、正圧側面204、負圧側面206、前縁208、および後縁210に沿って翼形部202に接続されてもよい。様々な実施形態では、ブレード200は、翼形部202の半径方向内側端部226に近接するフィレット214を含み、フィレット214は翼形部202と端壁213とを接続する。フィレット214は、従来のMIG溶接、TIG溶接、ろう付けなどを介して形成することができる溶接またはろう付けフィレットを含んでもよい。フィレット214は、インベストメント鋳造プロセスまたは定義に不可欠なそのような形態を含んでもよい。根元端部212は、タービンロータシャフト(例えば、ロータシャフト110)の嵌合スロット(例えば、ダブテールスロット)に嵌入し、他のブレード200の隣接する構成要素と嵌合するように構成される。根元端部212は、翼形部202の半径方向内側に位置し、ロータシャフトと相補的な任意の構成で形成されるように意図されている。
【0051】
先端シュラウド220は、正圧側面204、負圧側面206、前縁208、および後縁210に沿って翼形部202に接続されてもよい。様々な実施形態では、ブレード200は、翼形部202の半径方向外側端部222に近接するフィレット228を含み、フィレット228は翼形部202と先端シュラウド220とを接続する。フィレット228は、従来のMIG溶接、TIG溶接、ろう付けなどを介して形成することができる溶接またはろう付けフィレットを含んでもよい。フィレット228は、インベストメント鋳造プロセスまたは定義に不可欠なそのような形態を含んでもよい。特定の実施形態では、フィレット214および/またはフィレット228は、空気力学的効率を高めるように成形されてもよい。
【0052】
図4は、先端シュラウド220の平面図を示す。図5Aは、先端レール250の上流側252の前方斜視図を示す。図5Bは、図5Aと同様の、先端レール250の上流側252の前方斜視図を示すが、前方Zノッチを強調する。図6は、先端シュラウド220の下流側254の前方斜視図を示す。図面、例えば図5A図5B図6図8A図8Bに示されているデータ点は概略的に表されており、後述する表のデータ点と一致しない場合がある。図3図6をまとめて参照すると、先端シュラウド220は、翼形部202の半径方向外側端部222(図3および図5A図5B)で翼形部202に結合する(例えば、フィレット228を介して)ように構成された一対の対向して軸方向に延在するウィング230を含んでもよい。より具体的には、図4図6に示すように、先端シュラウド220は、上流側ウィング232および下流側ウィング234を含んでもよい。上流側ウィング232は、翼形部202の正圧側面204上で先端レール250からほぼ円周方向に離れて延在し、下流側ウィング234は、翼形部202の負圧側面206上で先端レール250からほぼ円周方向に離れて延在する。上流側ウィング232は、ロータシャフト110(図1)の軸Aからほぼ半径方向外側に面する半径方向外面236と、ロータシャフト110(図1)の軸Aに向かってほぼ半径方向内側に面する半径方向内面238とを含む。同様に、下流側ウィング234は、ロータシャフト110の軸Aからほぼ半径方向外側に面する半径方向外面240(図1)と、ロータシャフト110の軸Aに向かってほぼ半径方向内側に面する半径方向内面242(図1)とを含む。
【0053】
先端シュラウド220はまた、一対の対向して軸方向に延在するウィング230から半径方向に延在する先端レール250を含む。先端レール250は、上流側252と、上流側252に対向する下流側254とを有する。先端レール250の上流側252は、翼形部202の正圧側面204に向かってほぼ円周方向に面し、本明細書に記載の表面プロファイルに従って上流側ウィング232の半径方向外面236と滑らかに融合する。同様に、先端レール250の下流側254は、翼形部202の負圧側面206に向かってほぼ円周方向に面し、本明細書に記載の表面プロファイルに従って下流側ウィング234の半径方向外面240と滑らかに融合する。図4図6に示すように、先端レール250はまた、先端レール250の軸方向前方端部において、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点(点)260を含み、先端レール250の軸方向後方端部において、最も後方かつ半径方向に最も外側の原点(点)262(図4のみ)を含む。最も前方かつ半径方向に最も外側の原点260は、本明細書に記載の特定の表面プロファイルの原点として機能することができ、最も後方かつ半径方向に最も外側の点262は、本明細書に記載の特定の他の表面プロファイルの原点として機能することができる。
【0054】
図4はまた、さらに説明するように、先端シュラウド220の様々な表面プロファイルのデカルト座標値を無単位かつスケーラブルにする(逆もまた同様であり、無単位デカルト座標値を先端シュラウドの実際の座標値にする)ために使用することができるいくつかの正規化パラメータを示す。図4に示すように、「先端レール軸方向長さLTR」は、ロータシャフト110(図1)の軸Aに垂直に、すなわちY軸に沿って延在する、最も前方かつ半径方向最も外側の原点260と最も後方かつ半径方向最も外側の原点262との間の距離である。さらに、「先端レールX方向最小範囲」270は、X方向に、すなわちX軸に沿ってロータシャフト110(図1)の軸Aに垂直に延在する、先端レール上流側252と先端レール下流側254との間の最小距離である。特定の位置に示されているが、先端レールX方向最小範囲270は、上流側252および下流側254を平行に含む、すなわち、先端レール250の角度付き端部を除外する先端レール軸方向長さに沿った任意の位置とすることができることが認識される。
【0055】
次に、図4図8Bを参照して、本開示の実施形態による先端シュラウド220の様々な表面プロファイルについて説明する。表面プロファイルはそれぞれ、X、Y座標、場合によってはZ座標および厚さの形式で特定され、これらはいくつかの表、すなわち表I、II、III、およびIVに列挙されている。表I~表IVにおけるX、Y、Z座標値および厚さ値は、0%~100%の値で正規化または無次元化された形式で表されているが、パーセンテージおよび割合が維持されている限り、代わりに値のいずれかまたはすべてを距離単位で表すことができることは明らかである。表I~IVのX、Y、Zまたは厚さの値を、インチまたはメートルなどの距離の単位で、それぞれのデータ点における、関連する原点(例えば、先端レール250上の原点260)からの実際のそれぞれのX、YまたはZ座標値および厚さに変換するために、表I~IVに示す無次元値に正規化パラメータ値を乗算することができる。上述したように、本明細書で使用される正規化パラメータは、先端レールX方向最小範囲270である。いずれにせよ、表面プロファイルに応じて、X、Y、および/またはZ値を滑らかな連続する円弧または線で接続することによって、各表面プロファイルを確認することができ、したがって様々な公称先端シュラウド表面プロファイルを形成することができる。
【0056】
表I~表IVの値は、周囲条件、非動作条件、または非高温条件で先端シュラウド220の様々な公称表面プロファイルを決定するために生成され、小数点以下第3位まで示された無次元化された値であり、コーティングを考慮していないが、実施形態では他の条件および/またはコーティングを考慮することができる。典型的な製造公差および/またはコーティング厚さを可能にするために、表I~IVに列挙した値に±値を加えてもよい。一実施形態では、約10~20パーセントの許容誤差を適用してもよい。例えば、関連する先端シュラウド半径方向外面に沿った任意の表面位置に垂直な方向のZノッチ表面プロファイルの厚さに適用される約10~20%の許容誤差は、低温または室温でのZノッチ厚さ範囲を画定することができる。言い換えれば、関連するZノッチ縁部の厚さの約10~20%の距離は、本開示によって具体化されるように、実際の先端シュラウド表面上の測定点と、特に低温または室温での測定点の理想的な位置との間の変動の範囲を規定することができる。本明細書で具体化される先端シュラウド表面プロファイル構成は、機械的および空気力学的機能を損なうことなく、この変動範囲に対して堅牢である。この変動範囲は、本明細書で使用される特定の表の「デカルト座標に実質的に一致する」という語句に包含される。
【0057】
表面プロファイルは、動作を損なうことなく、幾何学的になど、より大きくまたはより小さくスケーリングすることができる。このようなスケーリングは、正規化された/無次元化された値に共通のスケーリング係数(すなわち、正規化パラメータの実際の所望の距離)を乗算することによって容易に行うことができ、共通のスケーリング係数は、例えば、必要に応じて、所与の先端レールの軸方向長さまたは先端レールのX方向最小範囲の先端シュラウドに最初に使用されたものよりも大きいまたは小さい数の距離単位であってもよい。例えば、表Iの無次元化された値、特にX値およびY値は、2、0.5のスケーリング係数、または関連する正規化されたパラメータの任意の他の所望のスケーリング係数によって均一に乗算されてもよい。様々な実施形態では、X、Y、およびZ距離ならびにZノッチ厚さは、同じ定数または数(例えば、先端レールのX方向最小範囲)の関数としてスケーラブルであり、拡大または縮小された先端シュラウドを提供する。あるいは、値に、より大きいまたはより小さい所望の定数を乗算してもよい。
【0058】
表I~表IVのデカルト値は、所定の位置における座標値を提供するが、各表に記述されたデカルト座標値の一部のみが利用されてもよい。非限定的な一例では、図6を参照すると、先端レール下流側254の表面プロファイルは、表IIで定義されたX、Y、Z座標値の一部、すなわち点16~100を使用してもよい。表I~表IVに記述されたX、Y、Zのデカルト座標値、および厚さの任意の部分が利用されてもよい。図面では、X、Y、Z座標点は、プラス(+)記号で概略的に表されている。
【0059】
図5Aは、先端レール上流側252の表面プロファイルを画定するいくつかのX、Y、およびZ座標点を示す。
【0060】
一実施形態では、先端レール250の上流側252は、表I(以下)に記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点260を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する。デカルト座標値は、X、Y、およびZ値に、距離の単位(例えば、センチメートル)で表される先端レールのX方向最小範囲を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値である。すなわち、X、Y、およびZ座標の正規化パラメータは、先端レールX方向最小範囲270である。拡大または縮小する場合、表IのX、Y、およびZ座標値に実際の所望の先端レールX方向最小範囲270を乗算して、先端シュラウド上流側252の表面プロファイルの対応する実際のX、Y、およびZ座標値を特定することができる。集合的に、作成された実際のX、Y、およびZ座標値は、本開示の実施形態による、任意の所望のサイズの先端シュラウドにおける先端レール上流側252の表面プロファイルを特定する。図5Aに示すように、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レール上流側の表面プロファイルを画定してもよい。図5Aに関して、各凡例矢印の方向は、正の座標値のそれぞれの方向を示す(すなわち、負のZ値は、半径方向最も外側の原点260の半径方向内側にある)。
【0061】
表I-先端レール上流側の表面プロファイル[無次元化された値]
【表1】
【0062】
図6は、先端レール下流側254の表面プロファイルを画定するいくつかのX、Y、およびZ座標点を示す。
【0063】
別の実施形態では、先端レール250の下流側254は、表II(以下)に記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点260を起点とするX、Y、およびZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有する。デカルト座標値は、X、Y、およびZに、距離の単位で表される先端レールX方向最小範囲270を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値である。ここでも、X、Y、およびZ座標の正規化パラメータは、先端レール250の先端レールX方向最小範囲270である。拡大または縮小する場合、表IIのX、Y、およびZ座標値に、先端レール250の所望の先端レールX方向最小範囲270を乗算して、先端シュラウド下流側254の表面プロファイルの対応する実際のX、Y、およびZ座標値を特定することができる。集合的に、作成された実際のX、Y、およびZ座標値は、本開示の実施形態による、任意の所望のサイズの先端シュラウドにおける先端レール下流側254の表面プロファイルを特定する。図6に示すように、X、Y、およびZ値は線によって接続されて、先端レール下流側254の表面プロファイルを画定してもよい。
【0064】
表II-先端レール下流側の表面プロファイル[無次元化された値]
【表2】
【0065】
別の実施形態では、先端シュラウド220はまた、表Iおよび表IIに関して本明細書で説明するように、上流および下流の両方の先端レール表面プロファイルを含むことができる。
【0066】
図7は、前方Zノッチ表面276における先端シュラウド220の部分平面図を示す。当分野で理解されるように、隣接するブレード200(図3)上の隣接する先端シュラウド220の前方および後方Zノッチ表面276、278(後者は図4のみ)は、例えばウィング230を介して、タービン108(図1)の高温ガス経路の半径方向内面を集合的に画定するように嵌合する。図5Bは、前方Zノッチ表面276の点を含む先端シュラウド220の前方斜視図を示す。本開示の実施形態によれば、各Zノッチ表面276は、その長さに沿って変動し、Zノッチ表面プロファイルの一部とすることができる厚さまたは半径方向範囲Thkを有する。
【0067】
前方Zノッチ表面276(図5Bおよび図7)は、表III(以下)に示され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点260を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値、および厚さ(Thk)値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有することができる。デカルト座標(および厚さ)値は、値に、先端レールX方向最小範囲270(図4図5図7)を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値である。すなわち、X、Y、およびZ座標、ならびに厚さ(Thk)に対する正規化パラメータとは同じである、すなわち先端レール250の先端レールX方向最小範囲270である。拡大または縮小する場合、表IIIのX、Y、Z座標および厚さ(Thk)値に実際の所望の先端レールX方向最小範囲270を乗算して、前方Zノッチ表面プロファイルの対応する実際のX、Y、Z座標および/または厚さ(Thk)値を特定することができる。各XおよびY座標値における前方Zノッチ表面プロファイルの記載された厚さ(Thk)は、対応するZ値から半径方向内側に延在する。すなわち、Z座標値は、上流ウィング232の半径方向外側ウィング面236または下流ウィング234の半径方向外側ウィング面240のZ座標値であり、そこから厚さ(Thk)が半径方向内側(紙面の下側)に延在する。実際のXおよびY座標値を互いに滑らかに接合して、前方Zノッチ表面プロファイルを形成することができる。
【0068】
表III-前方Zノッチ表面プロファイル[無次元化された値]
【表3】
【0069】
図8Aは、先端シュラウド220の上方斜視図を示し、図8Bは、先端シュラウド220の上方断面図、すなわち、部分的に翼形部202を通る上方断面図を示す。図8A図8Bは、本開示の様々な実施形態による、翼形部202の負圧側面206上での下流側半径方向ウィング内面242のプロファイルの点を含む。当分野で理解されるように、半径方向内面242はまた、先端シュラウド220を翼形部202に結合する(負圧側)フィレット280の一部を含んでもよい。
【0070】
先端レール250の下流側254上のウィング234の半径方向内面242は、表IV(以下)に記述され、最も前方かつ半径方向に最も外側の原点260(図8A図8Bでは部分的に隠れている)を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に一致する公称プロファイルを有する形状を有することができる。デカルト座標値は、値に、先端レールX方向最小範囲270を乗算することによって距離に変換可能な0%~100%の無次元値である。すなわち、X、Y、およびZ座標に対する正規化パラメータとは同じであり、先端レール250の先端レールX方向最小範囲270である。拡大または縮小する場合、表IVのX、Y、Z座標値に、先端レール250の実際の所望の先端レールX方向最小範囲270を乗算して、下流側半径方向内面242のプロファイルの対応する実際のX、Y、Z座標値を特定することができる。実際のX、Y、およびZ座標値を互いに滑らかに接合されて、下流側半径方向内面242のプロファイルを形成することができる。
【0071】
表IV-下流側半径方向内面プロファイル[無次元化された値]
【表4】
【0072】
本開示の他の実施形態は、本明細書に記載の表面プロファイルの任意の組み合わせを含むことができる。
【0073】
図9は、図8A図8Bの先端シュラウド220を含むタービンブレード200の拡大前方斜視図および部分断面図を示す。特定の実施形態では、タービンブレード200は、根元端部212(図3)から半径方向外側端部222まで延在する翼形部202を含む。上述したように、翼形部202は、正圧側面204(図9では不明瞭である)と、正圧側面204に対向する負圧側面206とを有する。先端シュラウド220は、半径方向外側端部222から延在し、下流側ウィング234を含む。タービンブレード200はまた、半径方向外側端部222を先端シュラウド220に結合する負圧側フィレット280を含む。表IVの座標によって画定された前述の表面プロファイルにより、タービンブレード200はまた、翼形部202の半径方向外側端部222、負圧側フィレット280、およびウィング234の半径方向内面242に沿って、ウィング234の軸方向縁部284(図9に描写されるような紙の縁)まで延在する膨出部または突出部282を含む。この実施形態では、先端レール250の下流側254上のウィング234の半径方向内面242は、表IVの座標による負圧側フィレット280および突出部282の少なくとも一部を画定する。
【0074】
図10は、翼形部202がその下に重ね合わされた先端シュラウド220の概略平面図を示しており、図9の線9-9も参照されたい。図示のように、突出部282は、翼形部202の翼弦長286の約25~35%の位置において、翼形部202の半径方向外側端部222に沿って延在してもよく、翼形部202の長さを通る中心線を参照されたい。突出部282は、いくつかの利点を提供する。例えば、突出部282は、ガス経路の上方の構造先端レール250の有効高さを増加させ、これにより引っ張り荷重による半径方向の曲げの方向の二次モーメントを増加させる。突出部282は、ウィング234の縁部まで延在することができ、ウィング234の先端からの半径方向荷重が、先端レール250のみによって担持されるのではなく、負圧側フィレット280に伝達されることを可能にする。その結果、突出部282は、正味のガス圧力負荷をウィング234の半径方向内側に移動させるように作用する。このようにして、突出部282は、突出部282を提供する表面プロファイルを有さない翼形部と比較して、ウィング234の引っ張り荷重を約1%低減することができる。したがって、突出部282は、先端シュラウド220の剛性およびクリープ損傷に対する耐性を高め、修理コストを低減する。突出部282は、上流および下流で先細になっているため、必要な箇所にのみ材料が追加され、全体的な質量追加が減少する。突出部282はまた、より大きな冷却通路をウィング234に設けることを可能にし、したがってブレードがより高い温度で有利に機能することを可能にする。
【0075】
開示された表面プロファイルは、例えば、1)タービン108(図1)の他の段の間の相互作用の改善、2)クリープの低減によるタービンの寿命および信頼性の改善、ならびに3)正規化された空気力学的および機械的ブレードまたは先端シュラウド荷重を達成するための固有の形状を提供する。表I~IVに定義された開示された点の位置は、GTシステム100または任意の他の適切なタービンシステムが効率的、安全かつ円滑に動作することを可能にする。また述べたように、1)タービン108(図1)の圧力における他の段の間の相互作用、2)空気力学的効率、ならびに3)正規化された空気力学的および機械的ブレードまたは翼形部の負荷がスケーリングされたタービン内で維持される限り、先端シュラウド220の任意のスケールを採用することができる。
【0076】
したがって、本明細書に記載の先端シュラウド220の表面プロファイルおよび突出部は、GTシステム100全体の信頼性および効率を改善する。先端シュラウド220の表面プロファイルはまた、すべての空気力学的および応力の要件を満たす。本明細書に記載の先端シュラウド220を含むタービンブレードは、非常に特殊な空気力学的要件を有する。これらの目標を達成するためには、著しい機能横断的努力が必要であった。したがって、タービンブレード200の先端シュラウド220の表面プロファイルは、効率的かつ費用効果の高い方法で空気力学的、機械的、および熱伝達の要件を満たすための特殊な形状を有する。とりわけ、ウィング234の下流側半径方向内面242は、翼形部202の負圧側面206のウィングレットの引っ張りを従来のシステムと比較して約1%減少させる空気力を誘発する。
【0077】
本開示の装置およびデバイスは、任意の1つの特定のターボ機械、エンジン、タービン、ジェットエンジン、発電システム、または他のシステムに限定されず、航空機システムなどのターボ機械、発電システム(例えば、単純サイクル、複合サイクル)、および/または他のシステム(例えば、原子炉)と共に使用することができる。加えて、本開示の装置は、本明細書で説明される装置およびデバイスの効率の向上から利益を得ることができる、本明細書で説明されない他のシステムと共に使用することができる。
【0078】
本明細書および特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための計測器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせおよび/または置き換えが可能であり、文脈または文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両端の値に適用され、値を測定する計測器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0079】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作、および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、または動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの修正および変形が明らかであろう。本開示の原理および実際の用途を最良に説明し、想定される特定の使用に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態の本開示を他の当業者が理解することができるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【符号の説明】
【0080】
90 ターボ機械
100 ガスタービン(GT)システム、GTシステム
102 圧縮機
104 燃焼器
105 燃焼領域
106 燃料ノズルアセンブリ
108 タービン
110 回転ロータシャフト、ロータ圧縮機/タービンシャフト
112 固定ノズル
114 タービンロータブレード、回転ブレード
115 静止ブレードセクション
116 ロータホイール
120 半径方向外側端壁
122 半径方向内側端壁
124 ケーシング
130 翼形部
200 タービンブレード
202 翼形部
204 正圧側面
206 負圧側面
208 前縁
210 後縁
212 根元端部
213 端壁
214 フィレット
220 タービンブレード先端シュラウド
222 半径方向外側端部
224 ダブテール
226 半径方向内側端部
228 フィレット
230 ウィング
232 上流側ウィング、上流ウィング
234 下流側ウィング、下流ウィング
236 半径方向外面、半径方向外側ウィング面
238 半径方向内面
240 半径方向外面、半径方向外側ウィング面
242 下流側半径方向内面、下流側半径方向ウィング内面
250 構造先端レール
252 上流側
254 下流側
260 原点
262 原点
270 先端レールX方向最小範囲
276 前方Zノッチ表面
278 後方Zノッチ表面
280 負圧側フィレット
282 突出部
284 軸方向縁部
286 翼弦長
A 軸
LTR 先端レール軸方向長さ
L0 段
L1 段
L2 段
L3 段
Thk 厚さまたは半径方向範囲
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
【外国語明細書】