(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138137
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】漏れ試験を行うためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20220914BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20220914BHJP
G01M 3/06 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
H01R43/00 Z
H01R13/52 B
G01M3/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022033182
(22)【出願日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】102021000005513
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519223712
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ イタリア ディストリビューション エッセ エッルレ エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】スタニスラス ディ マッジオ
(72)【発明者】
【氏名】マルチェロ ファリノラ
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ ジェンタ
【テーマコード(参考)】
2G067
5E051
5E087
【Fターム(参考)】
2G067AA22
2G067BB04
2G067BB31
2G067CC04
2G067DD15
5E051GA09
5E051GB09
5E087EE11
5E087LL03
5E087LL04
5E087LL12
5E087LL17
5E087MM08
5E087RR12
5E087RR13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電線の漏れ試験を加速させ容易にするためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】電気部品と結合するように構成されているカバーと、プラグアセンブリ100とを備えるシーリングアセンブリ1000が提供される。カバー200は、電気部品の漏れ試験中に空気を注入するための貫通孔220と、プラグアセンブリ100をカバー200に固定するための係合要素とを有する。プラグアセンブリ100は、貫通孔220を封止するためのシングルワイヤシールと、係合要素に可逆的に係合するロック要素とを含み、プラグアセンブリ100が貫通孔220に挿入されると、カバー200は、電気部品の開口部を気密に封止するように構成されている。シーリングアセンブリによって封止されている電気部品で漏れ試験を行うための方法も記載される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する電気部品を封止するためのシーリングアセンブリ(1000)であって、
-前記電気部品と結合するように構成されているカバー(200)と、
-プラグアセンブリ(100)とを備え、
前記カバー(200)は、前記電気部品の漏れ試験中に空気を注入するための貫通孔(220)と、前記プラグアセンブリ(100)を前記カバー(200)に固定するための係合要素(230)とを有し、
前記プラグアセンブリ(100)は、前記貫通孔(220)を封止するためのシングルワイヤシール(110)と、前記係合要素(230)に可逆的に係合するロック要素(124)とを含み、
前記プラグアセンブリ(100)が前記貫通孔(220)に挿入されると、前記カバー(200)は、前記電気部品の前記開口部を気密に封止するように構成されている、シーリングアセンブリ。
【請求項2】
前記プラグアセンブリ(100)は、前記シングルワイヤシール(110)が装着されるピン(123)と、前記ピン(123)における前記シングルワイヤシール(110)の位置を固定するために前記ピン(123)の基部に形成された保持要素(125)とを含む、請求項1に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項3】
前記保持要素(125)は、前記シングルワイヤシール(110)に形成された嵌合凹部(111)に係合するように構成されている突出要素である、請求項2に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項4】
前記保持要素(125)は、前記ピン(123)の周囲に対称に形成された少なくとも3つの突出要素を含む、請求項3に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項5】
前記貫通孔(220)は、前記ピン(123)に取り付けられた前記シングルワイヤシール(110)を挿入するための挿通チャネル(221)を含む、請求項2から4のいずれか一項に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項6】
前記ロック要素(124)は対応するフラップ(124b)を含み、前記貫通孔(220)は、前記挿通チャネル(221)を囲み、かつ前記プラグアセンブリ(100)の前記ロック要素(124)の前記フラップ(124b)を受け入れるように構成されているキャビティ(222)をさらに含む、請求項5に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項7】
前記カバー(200)は、前記貫通孔(220)を含む少なくとも1つの第1の面(201)と、前記第1の面(201)に垂直な4つの側面(202)とを含むことにより、前記電気部品の一部を収容するためのハウジングを画定する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項8】
前記電気部品は、複数の電気端子を含む端子箱(600)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項9】
前記カバー(200)は、1本以上の電線(300、301、302、303)をそれぞれ挿入するための1つ以上の入口を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項10】
前記少なくとも1本の電線(300、301、302、303)は前記端子箱(600)の少なくとも1つの端子に接続される、請求項8に従属するときの請求項9に記載のシーリングアセンブリ(1000)。
【請求項11】
封止システム(2000)であって、
請求項1から10のいずれか一項に記載の前記シーリングアセンブリ(1000)と、
複数の電気端子を含む端子箱(600)とを備え、
前記端子箱(600)は開口部を有し、前記カバー(200)は、前記開口部を閉じて前記端子箱(600)を気密に封止するように構成されている、封止システム。
【請求項12】
前記カバー(200)は、複数の電線(300、301、302、303)を気密に挿入するための複数の入口(210)をさらに含み、前記封止システム(2000)は、前記封止システム(2000)が組み立てられ、前記電線(300、301、302、303)が前記入口(210)に挿入されたときに、前記封止システム(2000)が気密に封止されるように構成されている、請求項11に記載の封止システム(2000)。
【請求項13】
前記ロック要素(124)を前記係合要素(230)から係脱し、請求項1から10のいずれか一項に記載の前記シーリングアセンブリ(1000)の前記カバー(200)から前記プラグアセンブリ(100)を取り外すための係脱要素(400)であって、
把持部(410)と、前記ロック要素(124)を前記係合要素(230)から係脱するために前記ロック要素(124)に挿入される2つの突出要素(420)とを備える、係脱要素。
【請求項14】
開口部を有する電気部品の漏れ試験を行うための方法であって、
a)空気を注入するための貫通孔(220)を含むカバー(200)を前記電気部品に取り付けることと、
b)前記電気部品の空気漏れを検出することとを含む、方法において
c)前記貫通孔(220)を通して空気を直接注入することをさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項15】
開口部を有する電気部品で漏れ試験を行うための方法であって、
a)請求項1から10のいずれか一項に記載の前記シーリングアセンブリ(1000)を前記電気部品に取り付けることと、
b)前記プラグアセンブリ(100)を取り外すことと、
c)前記貫通孔(220)を通して空気を直接注入することと、
d)前記電気部品の空気漏れを検出することとを含む、方法。
【請求項16】
e)前記プラグアセンブリ(100)によって前記貫通孔(220)を可逆的に閉じるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記b)のステップは、請求項13に記載の前記係脱要素(400)によって行われる、請求項15または16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタの技術分野に関する。特に、本発明は、電気コネクタの漏れ試験を行うためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
終端の漏れ試験は、一般的に、空気の漏れを検出するために、例えば、電線の長さに沿った空気の漏れを検出し、したがって、電線が気密であり、水および/または埃の侵入から保護されていることを保証するために、先行技術において行われている。
【0003】
独国特許出願公開第3931340号明細書は、長手方向に水密でないポリエチレン絶縁ケーブルの空気圧シース試験の方法を開示しており、これにより、ケーブルトレンチに新しく敷設されたケーブルの動作開始前に、非毒性試験ガスを使用して、現場で漏れの位置を特定して漏れを排除することができる。独国特許出願公開第3931340号明細書はまた、敏感なケーブル表面材料および異なるケーブル外径のための取り外し可能な接続要素を開示しており、これは、一方で、試験ガスでフラッシングするときに確実な気密性を保証し、他方で、工具を使用することなく個々のシステム部品を頻繁かつ迅速に着脱することができる。
【0004】
米国特許出願公開第2016336094号明細書は、シールド層を含むシールド電線に関する。シールド電線の一端を密封し、水で満たされた水槽に浸漬し、10kPaの圧縮空気を他端から圧送する方法によって、シールド電線の空気漏れ試験を行う。具体的には、最初に10kPaの圧縮空気を30秒間圧送し、漏れがない場合(すなわち、電線の一端側から気泡が噴出しない場合)には、圧力を10kPa増加させた圧縮空気を圧送する。その後、漏れがない限り、圧力を10kPa増加させた圧縮空気を連続して圧送し、空気漏れのときの圧縮空気の圧力を測定する。
【0005】
標準的な漏れ試験の主な欠点は、空気がワイヤを通して注入されることである。このように、漏れ試験は時間がかかり、行うことが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、電線の漏れ試験を加速させ容易にするためのシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、漏れ試験中に空気を注入するための貫通孔と、漏れ試験が完了したら貫通孔を可逆的に封止および閉鎖するように特に設計されたプラグアセンブリとを備える、電気部品のためのシーリングカバーを提供するという考えに基づく。このようにして、漏れ試験の動作が加速および簡略化される。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、開口部を有する電気部品を封止するためのシーリングアセンブリであって、
-電気部品と結合するように構成されているカバーと、
-プラグアセンブリとを備え、
カバーは、電気部品の漏れ試験中に空気を注入するための貫通孔と、プラグアセンブリをカバーに固定するための係合要素とを有し、プラグアセンブリは、貫通孔を封止するためのシングルワイヤシールと、係合要素に可逆的に係合するロック要素とを含み、プラグアセンブリが貫通孔に挿入されると、カバーは、電気部品の開口部を気密に封止するように構成されている、シーリングアセンブリが提供される。
【0009】
この構成は、シーリングアセンブリが、電気部品が水および埃の侵入から気密に封止されることを保証するだけでなく、漏れ試験を行うプロセスをより簡単に、より反復可能に、かつより効率的にするため有利である。このようにして、電気部品の使用中に漏れ試験を行うこともでき、電気部品を分解する必要がなく、電線に空気を注入する必要がない。例えば、カバーと電気部品との係合境界面における正しいシーリングを、従来技術で行われているように電気部品に挿入されたワイヤを通してではなく、貫通孔を通して空気を直接注入することによって確認することができる。
【0010】
さらに、この構成の利点は、本発明によるシーリングアセンブリを、水および埃の侵入から気密に閉鎖および封止する必要がある開口部を有する任意の電気部品に採用できることである。このようにして、漏れ試験の実施が簡略化され、動作速度が向上する。
【0011】
シーリングアセンブリは、高電圧用途、すなわち、400V超の電圧で動作する電気部品に使用されることが好ましい。カバーはポリイミド材料から形成されることが好ましく、ポリイミド材料は難燃性材料であり、高いCTI値を特徴とする。
【0012】
好ましい実施形態によれば、電気部品は開口部を含み、開口部は、シーリングアセンブリによって水および塵の侵入から閉鎖および封止される。シーリングアセンブリは、電気部品の開口部に配置された、貫通孔を含むカバーを備え、貫通孔は、プラグアセンブリによって封止および閉鎖されることが好ましい。プラグアセンブリは、カバーを可逆的に封止および閉鎖することが好ましい。
【0013】
好ましい実施形態において、漏れ試験を行う必要があるときに、プラグアセンブリをカバーから取り外すことができ、パイプを貫通孔に挿入して空気を注入し、漏れ試験を行うことができる。カバーと電気部品との境界面における漏れを試験して、シーリングプロセスに関与する部品を試験するようになっていることが好ましい。例えば、カバーとの境界面に位置する電線の部分を試験することもできる。漏れ試験を行った後、プラグアセンブリを再び元の位置に配置して、電気部品がシーリングアセンブリによって再び封止され、異なる用途に使用され得るようになっていることが好ましい。
【0014】
本発明のさらなる実施形態によれば、プラグアセンブリが、シングルワイヤシールが装着されるピンと、ピンにおけるシングルワイヤシールの位置を固定するためにピンの基部に形成された保持要素とを含む、シーリングアセンブリが提供される。
【0015】
この構成の利点は、プラグアセンブリが簡単かつ確実な方法で貫通孔のシーリングを提供することである。さらに、プラグアセンブリが含む部品は、容易に組み立てることおよび分解することができ、損傷の場合またはメンテナンス作業中に容易に交換することができる。さらに、保持要素は、ピンにおけるシングルワイヤシールの位置を固定して、カバーに対するプラグの組立ておよび分解中にシングルワイヤシールを紛失しないようになっている。
【0016】
好ましい実施形態において、プラグアセンブリは、フランジを含む平坦面を含み、フランジからピンが突出する。シングルワイヤシールがピンに装着されて、ピンがシングルワイヤシールによって完全に覆われるようになっている。ピンの基部に保持要素が形成されて、動作中にシングルワイヤシールを所定の位置に保持することが好ましい。
【0017】
シングルワイヤシールは、より良好なシーリングを保証するために、円筒形状を有し、かつ複数のシーリング面を有するゴム要素であり得ることが好ましい。例えば、シングルワイヤシールは、3リッププロファイル形状を含むゴム要素であってよく、設計は3層の冗長シーリングを形成する。
【0018】
好ましい構成において、保持要素の存在によって、ピンにおけるシングルワイヤシールの位置が固定されるので、従来技術で一般的に使用されているように、シールをピンに圧着する必要はない。このようにして、メンテナンス作業中にシングルワイヤシールを容易に取り外して交換することができる。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によれば、保持要素が、シングルワイヤシールに形成された嵌合凹部に係合するように構成されている突出要素である、シーリングアセンブリが提供される。
【0020】
この構成は、シングルワイヤシールをピンに圧着する必要がなく、3リッププロファイル間に形成された少なくとも1つの凹部に係合する突出要素によって、シングルワイヤシールが所定の位置に保持されるという利点を有する。さらに、保持要素は、ピンにおけるシングルワイヤシールの位置を固定して、カバーに対するプラグの組立ておよび分解中にシングルワイヤシールを紛失しないようになっている。
【0021】
さらなる実施形態によれば、保持要素が、ピンの周囲に対称に形成された少なくとも3つの突出要素を含む、シーリングアセンブリが提供される。
【0022】
この構成は、シングルワイヤシールの安定した保持が保証されるという利点を有する。
【0023】
保持要素は、ピンの周囲に対称に配置された、すなわち120°の角度で離間した3つの突出要素であることが好ましい。例えば、突出要素は4つであってもよく、互いに90°に配置されてもよい。
【0024】
本発明のさらなる実施形態によれば、貫通孔が、ピンに取り付けられたシングルワイヤシールを挿入するための挿通チャネルを含む、シーリングアセンブリが提供される。
【0025】
この構成は、プラグアセンブリのピンに取り付けられたシングルワイヤシールを挿入することによって、貫通孔の挿通チャネルが確実に封止されるという利点を有する。
【0026】
好ましい実施形態によれば、貫通孔の挿通チャネルは、ピンに装着されたシングルワイヤシールの直径に対してわずかに小さい直径を有し、シールの外径とキャビティの直径との差が、シールの半径方向圧縮と、それによる、境界面におけるシーリング圧力を発生させるようになっている。
【0027】
さらなる実施形態によれば、ロック要素がフラップを有し、貫通孔が、挿通チャネルを囲み、かつプラグアセンブリのロック要素のフラップを受け入れるように構成されているキャビティをさらに含む、シーリングアセンブリが提供される。
【0028】
この構成は、プラグアセンブリのロック要素とカバーの係合要素との係合によってだけでなく、貫通孔の幾何形状によっても、プラグアセンブリがその位置に保持されるという利点を有する。
【0029】
好ましい構成によれば、貫通孔は、2つの同心円筒部分、すなわち、中央挿通チャネルおよび周囲のキャビティを含む。キャビティは挿通キャビティではないことが好ましい。
【0030】
プラグアセンブリと貫通孔との相対位置をさらに固定するために、プラグアセンブリは、ロック要素が、キャビティに受け入れられるように構成されている細長いフラップを含むような構成を有することが好ましい。細長いフラップは、係合要素に係合するように構成されているロックタブを含むことが好ましい。
【0031】
本発明のさらなる実施形態によれば、カバーが、孔を含む少なくとも1つの第1の面と、第1の面に垂直な4つの側面とを含むことにより、電気部品の一部を収容するためのハウジングを画定する、シーリングアセンブリが提供される。
【0032】
この構成は、カバーが、電気部品の一部を収容して覆い、水および埃の侵入から保護するように設計されているという利点を有する。
【0033】
好ましい実施形態によれば、電気部品は、シーリングカバーによって閉じられる開口部を有し、シーリングカバーは、4つの側面と側面に対して直角をなす第1の面とを有し、電気部品の一部を収容するための開口部を画定する。カバーの第1の面に貫通孔が配置されることが好ましい。例えば、側面は、電線を受け入れるための入口を含むことができる。
【0034】
本発明のさらなる実施形態によれば、電気部品が、複数の電気端子を含む端子箱を含む、シーリングアセンブリが提供される。
【0035】
この構成は、カバーの貫通孔を通して加圧空気を直接注入することができるので、シーリングアセンブリによって端子箱を水および埃の侵入から覆って封止することができ、漏れ試験を行うプロセスを簡略化および迅速化することができるという利点を有する。
【0036】
端子箱は、複数の電気端子および/またはワイヤおよび/またはプリント回路基板を収容するための任意の電気部品を示すことが好ましい。例えば、端子箱は開口部を有することができ、この開口部をシーリングカバーで覆うことができる。このようにして、カバーと端子箱との境界面は、水および埃の侵入から封止される。例えば、カバーと端子箱との境界面が気密であることを確認するために漏れ試験を行うことができる。
【0037】
本発明のさらなる実施形態によれば、カバーが、1本以上の電線をそれぞれ挿入するための1つ以上の入口を備える、シーリングアセンブリが提供される。
【0038】
この構成は、シーリングアセンブリのカバーが電気部品を覆って封止することができ、同時に、電気部品と、シーリングカバーの入口に挿入された電線との間に、電気的接続を確立することができるという利点を有する。
【0039】
好ましい構成によれば、カバーに挿入される電線を、電気部品に含まれる端子に接続することができる。例えば、電線は、異なる直径および寸法を有することができる。本発明のシーリングアセンブリは、高電圧用途に使用されることが好ましい。
【0040】
本発明のさらなる実施形態によれば、少なくとも1本の電線が端子箱の少なくとも1つの電気端子に接続される、シーリングアセンブリが提供される。
【0041】
この構成は、電線に接続される電気端子を含む端子箱が封止され、水および埃の侵入から保護されるという利点を有する。カバーと端子箱との境界面が気密であることを確認および試験する必要があるときに、カバーのプラグアセンブリを取り外すことによって、かつ従来技術で行われているようにカバーに接続されたワイヤを通してではなく、貫通孔に空気を直接注入することによって、漏れ試験を容易かつ迅速に行うことができる。
【0042】
電線は、高電圧用途に使用されることが好ましい。電線を端子に対して90°または180°に設定可能な構成を実現できることが好ましい。
【0043】
本発明のさらなる実施形態によれば、封止システムであって、
-前述したシーリングアセンブリと、
-複数の電気端子を含む端子箱とを備え、
端子箱が開口部を有し、カバーが、開口部を閉じて端子箱を気密に封止するように構成されている、封止システムが提供される。
【0044】
この構成は、端子箱が水および埃の侵入から封止され、漏れ試験を行う必要があるときに、シーリングアセンブリのカバーの貫通孔に空気を直接注入することができるので、漏れ試験を簡単かつ迅速に行うことができるという利点を有する。
【0045】
例えば、漏れ試験を、端子箱の寿命の間に行うことができ、従来技術で行われているように、端子箱を分解し、端子箱の電線を通して空気を注入する必要はない。
【0046】
好ましい実施形態によれば、封止システムであって、
-前述したシーリングアセンブリと、
-電気部品とを備え、
電気部品は開口部を有し、カバーは、開口部を閉じて電気部品を気密に封止するように構成されている、封止システムが提供される。
【0047】
本発明のさらなる実施形態によれば、カバーが、1本以上の電線を気密に挿入するための1つ以上の入口をさらに含み、封止システムは、封止システムが組み立てられ、電線が入口に挿入されたときに、封止システムが気密に封止されるように構成されている、前述した封止システムが提供される。
【0048】
この構成の利点は、端子箱と電線とを含む電気システム全体が封止され、水および埃の侵入から保護されること、および、端子箱とカバーとの境界面が気密であることを確認する必要があるときに、空気漏れ試験を容易かつ迅速に行うことができることである。
【0049】
好ましい実施形態によれば、カバーは、第1の面と、第1の面に垂直な4つの側面とを含む。複数の電線が、カバーの1つ以上の側面に配置された対応する入口に挿入されることが好ましい。ケーブルが端子箱の端子に対して90°または180°に設定される構成を実現できることが好ましい。電線が入口に挿入されたときに、カバーがこの境界面で封止されることを理解されたい。このようにして、入口に挿入された電線を備えたカバーを使用して端子箱を閉じると、貫通孔とプラグアセンブリとの境界面および入口と電線との境界面の両方が封止されるので、システム全体が気密に封止される。漏れ試験は、カバーと電気部品との境界面における潜在的な漏れを試験するために行われ、シーリングプロセスに関与する部品を試験するようになっている。端子箱が電線を既に備えているのであれば、カバーを使用して端子箱を閉じることが好ましい。
【0050】
本発明のさらなる実施形態によれば、ロック要素を係合要素から係脱し、前述したシーリングアセンブリのカバーからプラグアセンブリを取り外すための係脱要素であって、把持部と、ロック要素を係合要素から係脱するためにロック要素に挿入される1つ以上の突出要素とを備える係脱要素が提供される。
【0051】
この構成は、漏れ試験を行う必要があるときに、プラグアセンブリをカバーから容易に取り外すことができるという利点を有する。係脱要素は、好ましくはカバーおよびプラグアセンブリと同じ材料である、ポリイミドから形成されることが好ましい。
【0052】
好ましい実施形態によれば、係脱要素は、操作者によって把持される平坦部である把持部を含む。突出要素は、例えば、2つのくさび形要素を含み、これらのくさび形要素は、把持部から突出し、プラグアセンブリのロック要素に挿入されてロック要素をカバーの係合要素から係脱するように構成されている。突出要素は、把持部と突出要素との間の分割線に対してわずかに傾斜していることが好ましい。突出要素は、カバーの係合要素に沿って摺動し、ロック要素を押圧し、ロック要素を係合要素から係脱するように、曲げられることが好ましい。
【0053】
本発明のさらなる実施形態によれば、開口部を有する電気部品で漏れ試験を行うための方法であって、
a)空気を注入するための貫通孔を含むカバーを電気部品に取り付けることと、
b)電気部品の空気漏れを検出することと、
c)貫通孔を通して空気を直接注入することとを含む方法が提供される。
【0054】
この構成は、電気部品で漏れ試験を簡単かつ効率的に行うことができ、漏れ試験の速度と保守性も向上するという利点を有する。実際には、電気部品に接続された電線を通して空気を注入する必要はなく、電気部品を封止するために使用されるカバーに配置された貫通孔を通して空気を直接注入することができる。
【0055】
この方法は、高電圧用途の電気部品を試験するために使用されることが好ましい。この方法によれば、電気部品を封止するためのカバーは、加圧空気をカバーに注入するための封止可能な貫通孔を既に含むので、電気部品の寿命の間に漏れ試験を行うことができ、漏れ試験を行うために電気部品を分解する、かつ/またはその構造を変更する必要がないことが好ましい。
【0056】
漏れ試験は、カバーと電気部品との境界面が封止されているかどうかを試験するために行われて、シーリングプロセスに関与する部品を試験するようになっていることが好ましい。例えば、カバーとの境界面に位置する電線の部分を試験することもできる。
【0057】
本発明のさらなる実施形態によれば、開口部を有する電気部品で漏れ試験を行うための方法であって、
a)前述したシーリングアセンブリを電気部品に取り付けることと、
b)プラグアセンブリを取り外すことと、
c)貫通孔を通して空気を直接注入することと、
d)電気部品の空気漏れを検出することとを含む方法が提供される。
【0058】
この構成の利点は、前述したシーリングアセンブリを、封止される開口部を有する任意の電気部品に容易に取り付けることができ、簡単かつスマートで反復可能な方法で漏れ試験を行うために使用できることである。実際には、カバーの貫通孔を通して空気を直接注入することができ、電気部品の漏れを容易に検出することができる。
【0059】
この方法は、高電圧用途の電気部品を試験するために使用されることが好ましい。この方法によれば、電気部品を封止するためのカバーは、加圧空気をカバーに注入するための封止可能な貫通孔を既に含むので、電気部品の寿命の間に漏れ試験を行うことができ、漏れ試験を行うために電気部品を分解する、かつ/またはその構造を変更する必要がないことが好ましい。
【0060】
漏れ試験は、カバーと電気部品との境界面が封止されているかどうかを試験するために行われて、シーリングプロセスに関与する部品を試験するようになっていることが好ましい。例えば、カバーとの境界面に位置する電線の部分を試験することもできる。
【0061】
プラグアセンブリを、前述した係脱要素によって容易に取り外すことができることが好ましい。
【0062】
好ましい実施形態において、加圧空気は、貫通孔に直接挿入されたパイプによって注入される。
【0063】
本発明のさらなる実施形態によれば、プラグアセンブリによって貫通孔を可逆的に閉じるステップをさらに含む、前述した漏れ試験を行うための方法が提供される。
【0064】
この構成は、漏れ試験を行った後に、システムを水および埃から密に封止することができるという利点を有する。実際には、シングルワイヤシールの構成は、プラグアセンブリの挿入後に貫通孔の完全なシーリングを保証する。したがって、漏れ試験により電気部品が気密に封止されていることを確認した場合、プラグアセンブリをカバーの貫通孔に入れた後に、システム全体が気密に封止される。
【0065】
プラグアセンブリは、カバーに配置され、ロック要素および係合要素によってカバーに固定されることが好ましい。プラグアセンブリのシングルワイヤシールは、貫通孔が密に封止および閉鎖され、水および埃の侵入から保護されることを保証する。本発明によるプラグアセンブリは、シーリングアセンブリのカバーに容易に取り付けることができ、取り外すことができるため、有利である。さらに、プラグアセンブリのシングルワイヤシールは簡単な構造を有し、動作中に故障または損傷が発生した場合に容易に交換することができる。
【0066】
添付図面を参照しながら、本発明について説明する。図中、同一の参照番号および/または符号は、機械の同じ部分および/または同様の部分および/または対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明の一実施形態による、貫通孔を備えたシーリングカバーと、対応するプラグアセンブリとを備えるシーリングアセンブリの概略立体図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、端子箱に取り付けられたシーリングアセンブリの概略立体図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、プラグアセンブリの概略立体図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、プラグアセンブリの概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、ロック要素を含むプラグアセンブリの概略立体上面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、シーリングカバーの対応する孔に挿入されたプラグアセンブリの概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、係脱要素の概略立体図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、対応する入口に挿入された電線を備えるシーリングアセンブリの概略立体図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、漏れ試験中の、対応する入口に挿入された電線を備えるシーリングアセンブリの概略立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下で、添付図面に示す特定の実施形態を参照しながら、本発明について説明する。それにもかかわらず、本発明は、以下の詳細な説明に記載され図示される特定の実施形態に限定されず、代わりに、記載される実施形態は、添付の特許請求の範囲によってその範囲が定義される、本発明のいくつかの態様を単に例示する。
【0069】
本発明のさらなる変更および変形形態が、当業者に明らかであろう。したがって、本説明は、添付の特許請求の範囲によってその範囲が定義される、本発明のすべての変更および/または変形形態を含むものとして考慮されなければならない。
【0070】
簡単にするために、同一または対応する構成要素は同じ参照番号で図示されている。
【0071】
本発明により実現可能な、電気部品を封止するためのカバー200と、プラグアセンブリ100とを備えるシーリングアセンブリ1000が、
図1に概略的に示されている。本発明によるシーリングアセンブリ1000は、高電圧用途に使用される電気部品を封止するために使用されることが好ましい。シーリングアセンブリ1000は、電気部品を封止し、同時に、電気部品に対して行われる漏れ試験を簡略化および迅速化するように構成されているという利点を有する。
【0072】
カバー200は、電気部品の開口部を水および埃の侵入から封止する必要がある、開口部を有する任意の電気部品を封止するように設計される。例えば、電気部品は、端子箱であってよい。
図1に示すカバー200は、シーリングカバーによって閉じられた電気部品の端子に接続可能な電線を収容するための4つの入口210をさらに含む。入口210は側面202に形成されている。対応するワイヤを収容するための4つの入口210が
図1に示されていても、本発明によるカバー200において任意の数の入口、例えば1つ、2つ、3つ、5つ、6つ、またはそれ以上の入口を実現できることが明らかである。さらに、入口210をカバー200の任意の面201、202に形成することができる。
【0073】
代替実施形態(図示せず)において、カバー200は、電線を挿入するための入口を含まなくてもよく、電気部品の開口部を単に覆って封止するように構成されていてもよい。
【0074】
図2は、本発明の一実施形態による、端子箱600に取り付けられたシーリングアセンブリ1000を備える封止システム2000を示す。端子箱600は、電気端子、プリント回路基板、および/または電気接続部を含む任意の電気部品を示すことができる。端子箱600の電気接続部を、カバー200の入口210に挿入された電線に接続することができる。
【0075】
端子箱600は、4つの側面602と、4つの側面に対して直角をなす第1の面601とを含み、これらの面は、電気端子を収容するためのハウジングを画定する。端子箱600の第1の面601の反対側は、カバー200によって封止され、水および埃の侵入から保護される。カバー200と端子箱600との間のさらに確実なシーリングを保証するために、側面602によって画定された端子箱600の内周に沿って第2のシーリング材料のリップが配置されることが好ましい。カバー200と端子箱600との境界面における正しいシーリングを試験するために、漏れ試験を行うことができる。シーリングアセンブリ1000のカバー200の構成は、保守性を向上させ、漏れ試験を簡略化するという利点を有する。
【0076】
図1に示すように、カバー200は、4つの側面202と、4つの側面に対して直角をなす第1の面201とを含み、これらの面は、カバー200が電気部品または端子箱600の開口部に取り付けられると、電気部品または端子箱600の一部を収容するためのハウジングを画定する。漏れ試験中に空気を注入するための貫通孔220が、カバー200の第1の面201に組み込まれている。2つの係合要素230が、プラグアセンブリ100の対応するロック手段に係合するように貫通孔220の周囲に配置されている。プラグアセンブリ100は、カバー200の貫通孔220を可逆的に閉じるように構成されている。カバー200は、プラグアセンブリ100がカバー200の貫通孔220に挿入されるときに、カバー200が取り付けられている電気部品を気密に封止するように構成されていることを理解されたい。
一方、プラグアセンブリ100が貫通孔220から取り外されると、空気がカバー200を通過して電気部品に到達することができる。
【0077】
本発明によるプラグアセンブリ100は、
図3に詳細に示されている。プラグアセンブリ100は、キャビティ122とフランジ121とを有するプラグ本体120を含む。ピン123がキャビティ122内に形成され、フランジ121とは反対側から突出している。2つのロック要素124が、プラグ本体120に形成されている。各ロック要素124aの端部は、カバー200の対応する係合要素230に係合し、カバー200に対するプラグアセンブリ100の相対位置を固定するように構成されている。プラグアセンブリ100がカバー200の貫通孔220に挿入されたときに貫通孔220のシーリングを保証するために、シングルワイヤシール110がピン123に装着されている。
【0078】
プラグアセンブリ100は
図4にも示され、プラグ本体120およびシングルワイヤシール110の断面が示されている。プラグ本体120はフランジ121とピン123とを含み、ピン123は、フランジ121においてキャビティ122内に形成され、フランジ部121とは反対側の部分から突出している。シングルワイヤシール110をピン123に装着することができる。
【0079】
シングルワイヤシール110は、複数の凹部111によって分離された複数のリップ112を含む、内側リッププロファイルを特徴とする。内側リッププロファイルは、
図4に示すような3リップ形状を含む。3リップ形状により、3層の冗長シーリングが形成されるため、連続したシーリング面および気密シーリングが保証される。シングルワイヤシール110は、シリコンゴムから形成されることが好ましく、このゴムは高い機械抵抗を示し、非常に広範な動作温度で動作することができる。
【0080】
プラグアセンブリ100が組み立てられると、シングルワイヤシール110は、ピン123に装着され、プラグ本体120のキャビティ122に挿入される。シングルワイヤシール110の外径とキャビティ122の直径との差が、シングルワイヤシール110の半径方向圧縮と、それによる、キャビティ122との境界面におけるシーリング圧力を発生させる。この境界面は、ピン123の境界面に追加の閉鎖圧力を発生させ、ピン123に向かう気密度を増加させる。
【0081】
キャビティ122内でシングルワイヤシール110の位置を固定するための保持機構125が、フランジ部121の基部においてピン123の周囲に形成されている。保持機構125は、カバー200に対するプラグアセンブリ100の組立ておよび分解中にシングルワイヤシール110を紛失しないことを保証する。保持機構は突出要素125を含み、突出要素125は、フランジ121に対して曲げられ、シングルワイヤシール110の第1の凹部111に嵌入するように構成されている。突出要素125は、ピン123の周囲で対称にずれている、互いに120°離間した3つの突出要素から構成されていることが好ましい。4つ以上の突出要素125がピン123の周囲に対称に配置されている他の構成、例えば、4つの突出要素125がピンの周囲で互いに90°離間している構成も可能である。
【0082】
プラグアセンブリ100の上面図が、
図5に概略的に示され、カバー200の外側を向くプラグアセンブリ100の部分が示されている。
図5では、2つのロックタブ124aを含む2つのロック手段124が、フランジ部121の両側に配置されていることがわかる。タブ部124aは、カバー200の相補的な係合要素230に係合し、カバー200に対するプラグアセンブリ100の相対位置を固定するように構成されている。例えば、係合要素230は係合先端部であってよく、ロックタブ124aは、係合先端部230を収容し、かつ2つの要素をスナップ係合するためのスリットを有することができる。
【0083】
カバー200の貫通孔220に挿入されたプラグアセンブリ100の断面図が、
図6に概略的に示されている。
図6に見られるように、カバー200の貫通孔220は、2つの同心円筒部分、特に中央挿通チャネル221および周囲のキャビティ222を含む。シーリングアセンブリ1000は、プラグアセンブリ100がカバー200に取り付けられたときに、シングルワイヤシール110を収容するピン123が、挿通チャネル221に挿入されるように構成されている。シングルワイヤシール110の内側リッププロファイルは、プラグ120が貫通孔220に挿入されたときに、挿通チャネル221の良好なシーリングを保証する。シングルワイヤシール110は、第1の凹部111がプラグ本体120の保持機構125に係合するように向けられ、シーリングアセンブリ1000の組立ておよび分解中にシングルワイヤシール110がその位置にとどまるようになっている。
【0084】
プラグアセンブリ100がカバー200の貫通孔220に挿入されると、シングルワイヤシール110の構成によって、挿通チャネル221の完全なシーリングが保証される。シングルワイヤシール110をその位置に保持することが、保持要素125によって保証される。この場合、動作中にシングルワイヤシール110が破損しても、プラグアセンブリ100全体を交換する必要なく、新しいシングルワイヤシール110と容易に交換することができる。
【0085】
図6に見られるように、プラグアセンブリ100は、貫通孔220のキャビティ222に挿入されるように構成されているフラップ部124bを有するロック要素124をさらに含む。このようにして、フラップ部124bがキャビティ222に安定して挿入されるため、カバー200に対するプラグアセンブリ100の位置は、係合要素230に係合するロックタブ124aによってだけでなく、ロック要素124によっても固定される。
【0086】
本発明によるシーリングアセンブリ1000は、プラグアセンブリ100をカバー200から容易に取り外すための係脱要素400をさらに備えることができる。係脱要素400は、
図7に概略的に示されている。係脱要素400は、把持部410と、ロック要素124を係合要素230から係脱するためにロック要素124に挿入される2つの突出要素420とを含む。把持部410は、操作者が容易に把持し取り扱うことができる平坦部である。突出要素420は、2つのくさび形要素であり、平坦要素410の基部を画定する線に対してわずかに曲げられている。2つの突出要素420は、ロック要素124を係合要素230に対する係合位置から取り外すために、ロック要素124のタブ124aに挿入されるように構成されている。
言い換えると、突出要素420は、フラップ部124bを押圧して、ロックタブ124aを係合先端部230から離れるように摺動させることにより、2つの要素を係脱する。
【0087】
図8および
図9を参照しながら、本発明によるシーリングアセンブリ1000の動作について概略的に説明する。
【0088】
図8において、対応する電線300、301、302、303を収容する4つの入口210を含む、本発明によるシーリングアセンブリ1000が概略的に示されている。
図8の電線300、301、302、303は異なる寸法を有し、入口210は、対応する電線の直径に一致する異なる直径を有する。プラグアセンブリ100は、最初にカバー200に挿入され、このようにして、貫通孔220はプラグアセンブリ100によって気密に封止され、空気がカバー200の第1の面201を通過できないようになっている。さらに、入口210は、電線300、301、302、303と入口210との境界面が気密に封止され、空気が入口210を通過できないように構成されている。電線300、301、302、303を含むシーリングアセンブリ1000を、
図2に示すような、開口部を有する電気部品、例えば端子箱600に取り付けることができる。
プラグアセンブリ100が貫通孔220に挿入されるときの初期構成において、封止システム2000は気密に封止されているため、カバー200内、したがって電線300、301、302、303および/または端子箱600内への水または埃の侵入が防止されることを理解されたい。
【0089】
空気漏れ試験を行う必要がある場合、係脱要素400を使用して、ロック要素124を係合要素230から係脱し、プラグアセンブリ100をカバー200におけるその位置から取り外すことができる。プラグアセンブリ100が取り外されると、貫通孔220は開口し、例えば、貫通孔220の内部およびカバー200内に加圧空気を入れるためのパイプ500を自由に収容することができる。パイプ500を、例えば、漏れ試験用に加圧空気を注入するために使用することができる。漏れ試験を行うプロセス中、パイプ500と挿通チャネル221との間の隙間を、シングルワイヤシール、例えばプラグアセンブリ100に挿入されたものと同様のシングルワイヤシールによって封止することができると好ましい。加圧空気がパイプ500を通して注入されると、空気は貫通孔220を通過し、カバー200の内部を満たす。
このようにして、端子箱600に漏れがある場合、例えば、カバー200と端子箱600との境界面に漏れが発生した場合に、適切な手段を用いて漏れを容易に検出することができる。例えば、水で満たされた容器にアセンブリを浸漬し、潜在的な気泡の形成を検出することによって、漏れ試験を行うことができる。
【0090】
漏れ試験が行われた後、パイプ500を貫通孔220から取り外すことができ、プラグアセンブリ100を再び貫通孔に挿入してカバー200を閉じることができる。プラグアセンブリ100の位置は、カバー200の係合要素230に係合するロック要素124によって固定される。システムの完全なシーリングが、挿通チャネル221を封止するプラグアセンブリ100のシングルワイヤシール110によって再び保証される。このようにして、漏れ試験プロセスは簡略化され、より迅速かつ効率的に行われる。
【0091】
プラグアセンブリ100の挿入中およびカバー200からのプラグアセンブリ100の取外し中に、シングルワイヤシール110が損傷した場合またはシングルワイヤシール110を紛失した場合、所望の機構を有する新しいシングルワイヤシール110をプラグアセンブリ100のピン123に装着することによって、シングルワイヤシール110を容易に交換することができる。
【0092】
図2、
図8、および
図9において、シーリングアセンブリ1000を、電線300、301、302、303に接続された端子箱600を封止および試験するために使用できることが示されていても、この解決策は、すべての新世代の充電入口プラットフォームだけでなく、漏れ試験が必要な他のすべてのシステムにも適用できることを理解されたい。
【0093】
本発明を、本発明に従って構成される好ましい物理的実施形態に関して説明したが、上記の教示に照らして、本発明の趣旨および意図する範囲から逸脱することなく添付の特許請求の範囲内で、本発明の様々な変更、変形形態、および改良を行うことができることが当業者には明らかであろう。
【0094】
例えば、電線と電気部品の端子との接続を90°に設定した構成のみが開示されていても、180°の構成も可能であることが明らかである。さらに、カバーの表面の貫通孔および/または入口の位置を、特定の必要性に応じて変更することができること、および、例えば、貫通孔を任意の側面に形成することができ、かつ/または、1つ以上の入口を任意の側面もしくは第1の面に形成することができることが明らかである。電線およびプラグアセンブリの挿入を簡略化するために、入口および貫通孔が異なる面に形成されることが好ましい。
【0095】
加えて、記載された本発明を不必要に曖昧にしないために、当業者が精通していると考えられる部分は本明細書に記載されていない。したがって、本発明は、特定の例示的な実施形態によって制限されるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることを理解されたい。
【0096】
例えば、漏れ試験プロセスは、当業者に既知であると考えられているため、詳細には説明されていない。
【符号の説明】
【0097】
100 プラグアセンブリ
110 シングルワイヤシール(SWS)
111 シングルワイヤシールの凹部
112 シングルワイヤシールのリップ
120 プラグ本体
121 フランジ
122 中空体
123 ピン
124 ロック要素
124a ロックタブ
124b ロック要素のフラップ
200 カバー
201 第1の面
202 側面
210 ケーブル入口
220 プラグ挿入のための貫通孔
230 係合要素
300、301、302、303 ケーブル
400 係脱要素
500 パイプ
600 端子箱
601 端子箱の第1の面
602 端子箱の側面
1000 シーリングアセンブリ
2000 封止システム
【外国語明細書】