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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138150
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】簡易口腔ケア具
(51)【国際特許分類】
   A61C 15/04 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
A61C15/04 502
A61C15/04 505
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035626
(22)【出願日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2021037534
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521100690
【氏名又は名称】古見 太和
(71)【出願人】
【識別番号】521100704
【氏名又は名称】古見 用大
(74)【代理人】
【識別番号】100076082
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 康文
(72)【発明者】
【氏名】古見 輝夫
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯だけに限らず、口腔内の全体のケアに際し、フロスと爪楊枝状とを併用して、安全かつ容易にフロスを利用可能とする爪楊枝状の簡易な形状をした口腔ケア具を提供する。
【解決手段】爪楊枝状の棒状体3の断面の形状が多角形であり、また、平偏状でかつ薄い断面形状を有していて、弓形に湾曲し易い形状であることを特長とする簡易口腔ケア具。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪楊枝状の棒状体の断面の形状が多角形であり、また、平偏状でかつ薄い断面形状を有していて、弓形に湾曲し易い形状であることを特長とする簡易口腔ケア具。
【請求項2】
前記の棒状体の一端がフロスを勘入し易いようにV形又はU形に割れた二股状であることを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具。
【請求項3】
前記棒状体の両端又は任意の2か所において、夫々が二股状であり、環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部に引っ掛けて支持できることを特長とする請求項1又は2に記載の易口腔ケア具。
【請求項4】
前記のフロスを綱状に撚ってあることを特長とする請求項2又は請求項3に記載の簡易口腔ケア具。
【請求項5】
前記の棒状体の外面の表面積を増大すべく凹凸面又は雄螺子山状又は植毛状の表面としたことを特長とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の簡易口腔ケア具。
【請求項6】
前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、前記の簡易口腔ケア具の一端には、前記柄の受け部に着脱する部分を有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易口腔ケア具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪楊枝状の簡易な形状をした口腔ケア具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のようにフロスを用いた糸楊枝と呼ばれている歯面ケア具は、歯ブラシとは異なった利点が有り、多用されている。ところが、日本人には馴染みが薄く、歯ブラシと違ってあまり普及していない。特に、フロスの挿入時にフロスで歯茎を傷めないか不安がある。このような欠点を克服してフロスを横から挿入可能とし、フロスと歯間ブラシや爪楊枝と併用可能としたい。通常のフロスは指に捲いて操作するなど、特別な技術を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-143189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は特許文献1のように、フロスを用いた歯面ケア具と異なり、歯と歯の間に爪楊枝のように横から挿入するのが安全である。日本人が慣れ親しんだ爪楊枝状の簡易な口腔ケア具には抵抗が無い。虫歯を十分にケアしないと、歯周病菌が血液に乗って全身の病を引き起こすと言われている。従って、歯だけに限らず、口腔内の全体をケアする必要がある。本発明は、このような問題を考慮し、フロスと爪楊枝状とを併用して、安全かつ容易にフロスを利用可能とする。しかも、口腔内の全体をケアしたい。しかし、柄が付いてないと不便なため、柄を着脱できる構造とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は、次のような手段によって解決される。請求項1は、爪楊枝状の棒状体の断面の形状が多角形であり、また、平偏状でかつ薄い断面形状を有していて、弓形に湾曲し易い形状であることを特長とする簡易口腔ケア具である。
【0006】
請求項2は、前記の棒状体の一端がフロスを嵌入し易いようにV形又はU形に割れた二股状であることを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具である。
【0007】
請求項3は、前記棒状体の両端又は任意の2か所において、夫々が二股状であり、環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部に引っ掛けて支持してあることを特長とする易口腔ケア具である。
【0008】
請求項4は、前記の両端に支持した糸環状のフロスを綱状に撚ってあることを特長とする請求項3に記載の簡易口腔ケア具である。
【0009】
請求項5は、前記の棒状体の外面の表面積を増大すべく凹凸面又は雄螺子山状又は植毛状の表面としたことを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具である。
【0010】
請求項6は、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、前記の簡易口腔ケア具の一端には、前記柄の受け部に着脱する部分を有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易口腔ケア具である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1のように、爪楊枝状の棒状体の断面の形状が多角形であると、この棒状体を横にして前後動し摺動すると、多角形の角部が当たる部位が擦られて汚れが落ち易く、綺麗になる。また、多角形状であると滑り難く把持し易い。更に、平偏状でかつ薄い断面形状を有し、弓形に湾曲し易い形状であるので、この平偏状でかつ薄い断面形状の部位が歯の表面を移動し摺動する際に擦られて汚れが落ち、綺麗になる。しかも、平偏状部が湾曲し易いので、奥歯のように届き難い部位にも届き易くなる。弓状に湾曲させたり変形させると、フロスを支持する場合にも便利である。
【0012】
請求項2のように、前記爪楊枝状の棒状体の一端が二股状に割れているので、間の凹部にフロス糸の一端を嵌め込んで支持し、歯の横からフロス糸を歯間に挿入できて便利で安全である。従って、通常のフロスにも兼用できる。なお、二股状に割れた一方又は両方にフロス糸を何回も捲くことができる。
【0013】
請求項3のように、前記爪楊枝状の棒状体の両端又は2か所において、夫々が二股状であり、環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部に引っ掛けて支持するので、取っ手部を持って摺動操作し、歯ブラシでは清掃出来ない歯の側面の汚れを落とせる。なお、請求項2の技術で、予めフロス環の一端を歯間に挿通しておく。
【0014】
請求項4のように、前記の両端に支持したフロス環を綱状に撚ってあるので、習動摩擦力が増え、歯の側面 (他の歯側)を清掃する際に汚れが落ち易く、効果的である。
【0015】
請求項5のように、棒状体の外面が凹凸面又は雄螺子山状面又は植毛状の表面にすると、表面積が増え、接着剤を塗布した際に、接着がより確実となり、スポンジ面などを接着する際に有効である。このスポンジ等又は軟質な合成樹脂を植毛状にした表面で口腔内面を優しく擦って汚れを安全に落して口腔ケアできる。なお、棒状体の材質は、合成樹脂、竹や木材、金属などが適しているが、特に限定はしない。ゴムは弾性変形し易いので、弾性変形を期待する平偏状の部分などに適している。合成樹脂は、成型が容易である。
【0016】
請求項6のように、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、前記の簡易口腔ケア具の一端には、前記柄の受け部に着脱する部分を有するので、請求項1以下の各種の簡易口腔ケア具を柄に装着して一体化すると、簡易口腔ケア具の操作か容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】爪楊枝状の口腔ケア具の各種類を示す寸法図で、円形断面と多角形断面形状も示してある。
図2】爪楊枝状の端部のフロス支持部を示した図である。
図3】偏平状の湾曲部でフロスを支持した側面図である。
図4】棒状部の屈曲状態を示した各図で、(3)は縄状に撚ったフロスを示してある。
図5】偏平状部を曲げた状態を示す側面図である。
図6】棒状体をU状に曲げた状態の図である。
図7】爪楊枝状の棒状体の両端を尖らせた実施例である。
図8】専用の柄を示す平面図である。
図9】柄の側面を示す側面図である。
図10】着脱構造を例示する断面図である。
図11】柄側と爪楊枝状又はフロス支持部との着脱構造を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、爪楊枝状の口腔ケア具の各種実施例を示す寸法図である。(1)は、通常の爪楊枝であり、つまみ(取っ手)1の部分の断面は円形又は多角形である。(2)乃至(5)は本発明品であり、つまみ1以外は曲げ易いように平偏状2でかつ薄い断面形状をしている。本発明のつまみ1はまる(円形)又は多角形特に四角形である。断面が多角形のつまみ1は、持ち易く滑り難い。平偏状部2は、歯と歯の間に挿入し易かったり、弓状に湾曲したり、反り易く変形させるためである。
【0019】
図1のような爪楊枝状のつまみ1の断面の形状が多角形であると、特につまみ1のように、滑ると困る部分は、多角形が望まれる。歯に付着した粘着物を剥離する場合も多角形のように角部の有る形状が好ましい。なお、図1の各図は、中心に対し両側を図示してもよいが片側だけを図示してもよい。
【0020】
図1のような棒状体の断面形状は、多角形と平偏状の薄い断面形状2が併存すると有効である。例えば、多角形の部分1を持って平偏状部2を操作する用途は、つまみ1が滑り難く便利である。
【0021】
前記爪楊枝状の棒状体3の用途とフロスとを併用出来ると便利であり、口腔内をケアする上で不可欠である。例えば図3のように、棒状体3の両端が二股4に割れていると、フロス糸の中間から送入する従来のようにフロス糸で歯茎を傷める危険は無い。すなわち従来のように、歯と歯の間にフロス糸を上又は下から送入すると、歯と歯の間の隙間にフロス糸を通過させる際に糸の衝撃で歯茎を傷める危険を伴うが、本発明のように歯と歯の隙間に横から先端を送入できると、歯茎を傷める危険は無い。また、従来のようにフロス糸を指に巻いて、汚れを落す方法は、操作性が悪く不衛生でもある。
【0022】
ところが、図2のように、前記爪楊枝状の棒状体3の先端が二つの角を尖らせた二股状の間の凹部4にフロス糸fの一端を嵌め込んで巻いて、歯と歯の間の隙間にフロス糸fと棒状体3を一緒に先端から挿入出来て便利であり、通常のフロスにも兼用できる。なお、凹部4の両側の二つの角には、片方の角だけにフロス糸fを捲いてもよいし、図のように両方の角に捲いてもよい。捲く回数は任意である。
図3のように棒状体3の両端に二股状部と凹部4を形成すると、輪ゴムのように環状に形成したフロス輪5を張ることができる。このとき、図4のように縄6状に撚ると摩擦効果が増えて、歯の汚れが落ち易い。なお、フロス糸を歯面に押し着けるように前後動すると、効果的に清掃でき、指に捲き付ける手法より操作が容易である。
【0023】
請求項5のように、棒状体の外面が凹凸面又は雄螺子山状面又は植毛状面であると、表面積が増大するので、接着面積が増えて接着が確実となり、口腔の肉面を傷付けずに汚れ落とし出来る。例えば、請棒状体3の外面を凹凸面又は雄螺子面又は植毛状面にすると、表面積が増え、接着剤を塗布してスポンジ等に差し込むと、接着がより確実となり、口腔肉面をスポンジ等又は植毛状面で優しくクリーンにする際に有効である。
【0024】
爪楊枝状の棒状体3の両端にフロスfを掛けて取り付けるには、図3のように、棒状体3自体を圧縮して曲げ、フロスfを環状に張る手法と、図4(1)、(2)のように、平偏状部2以外の棒状体1を90度程度屈曲成型する手法がある。なお、環状フロス5の両端を屈曲棒状体の両端に重ねて固定し、取り付けてある。また、平偏状部2に代えて市販の歯間ブラシを接着し接続してもよい。
【0025】
図5のように平偏状部2を多少曲げて、目的とする歯に届き易くでき、自由に変形できる。棒状体1の平偏状部2以外を、図6ようにU状に折り返した形状に形成して、歯の内側をケアできる。銅線やアルミニウム線のような軟質な金属を利用すれば、素人でも直ちに容易に加工形成できる。
【0026】
図1の(2)乃至(5)の棒状体3は、図7のように両端を尖らせると、両側を使用できて、便利である。
【0027】
以上の爪楊枝状の棒状体から成る口腔ケア具は、手に持ち難いという不便が有る。この不便を解消すべく図8以下のような専用の柄7を準備してある。この柄7は手に持ち易いように細長いが、全長が同じ形状たと、どこでも接地できて不潔になり易いので、図9の側面図のように上下に曲がった形状をしている。すなわち、中間部8の片側9はヘの字状をしているのに対し、中間部8の反対側10は逆ヘの字状になっている。したがって、図9のように、歯ブラシ11を本発明の柄7に装着すれば、ヘの字状の低い部分が接地しても、高い側は床から浮くので衛生的となる。
【0028】
なお、口腔ケア具(例えば歯ブラシ11)を柄7に装着するための着脱機構は図10のような長めの凹凸形状で足りる。例えば柄7側を凹の筒状12に形成した場合、簡易口腔ケア具例えば歯ブラシ11側を凸の軸13とする。そして、この軸13を筒状12中に挿入すれば、互いに着脱できる。ただし、軸13や筒状12の断面形が真円形だと自転して不安定となるので、非真円形にする必要がある。例えば、多角形状、特に非対称となる三角形や五角形が適している。あるいは、片側例えば軸13に角状の突起を設け、他側例えば筒状12中に突起の入る溝を形成すれば、自転は防げる。
【0029】
なお、図10の側面図において、下向きと上向きの角14,15を設けてあると、角14又は15を下向きにして置くと、設置面が特定されるので不衛生となることは少ない。この角14,15に代えて皿状にすると、水滴が垂れても受け止めることができる。
柄が全く付いてない場合は、図11のように、簡易口腔ケア具に軸13を設け、柄7側に、軸13の入る筒状12を設ける。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように、本説明によると、歯列の外側からフロス先端を挿入できるので、歯列の横からフロス先端を挿通して、歯と歯の間の側面でも清掃でき、歯間ブラシは要らない。しかも、フロス支持具を用いると容易にフロス操作ができ、使い慣れた歯ブラシは歯の表面と裏面専用として用いるだけで足りる。しかも、棒状体に接着したスポンジ等で口腔内面を優しく擦って汚れを安全に落して口腔ケアでき、衛生的で、健康増進に寄与できる。しかも、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を有すので、簡易口腔ケア具を柄で操作できる。
【符号の説明】
【0031】
1 つまみ
2 平偏状部
3 爪楊枝状の棒状体
4 二股部の凹部
5 フロス輪
6 縄状に撚った部分
7 柄
8 中間部
9 片側
10 反対側
11 歯ブラシ
12 筒状
14,15 角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪楊枝状の棒状体の断面の形状が多角形であり、また、平偏状でかつ薄い断面形状を有していて、弓形に湾曲し易い形状であることを特長とする簡易口腔ケア具。
【請求項2】
前記の棒状体の一端がフロスを勘入し易いようにV形又はU形に割れた二股状であることを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具。
【請求項3】
前記棒状体の両端又は任意の2か所において、夫々が二股状であり、環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部に引っ掛けて支持できることを特長とする請求項1又は2に記載の易口腔ケア具。
【請求項4】
前記のフロスを綱状に撚ってあることを特長とする請求項2又は請求項3に記載の簡易口腔ケア具。
【請求項5】
前記の棒状体の外面の表面積を増大すべく凹凸面又は雄螺子山状又は植毛状の表面としたことを特長とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の簡易口腔ケア具。
【請求項6】
前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、前記の簡易口腔ケア具の一端には、前記柄の受け部に着脱する部分を有することを特長とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の簡易口腔ケア具。
【請求項7】
前記の簡易口腔ケア具として歯ブラシを適用し、その一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、この柄の前記受け部に、水滴が垂れても受け止められる皿状を有し、前記歯ブラシを床に置いたとき前記皿状が介在して前記歯ブラシが床面と触れず衛生的となることを特長とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の簡易口腔ケア具
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪楊枝状の簡易な形状をした口腔ケア具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のようにフロスを用いた糸楊枝と呼ばれている歯面ケア具は、歯ブラシとは異なった利点が有り、多用されている。ところが、日本人には馴染みが薄く、歯ブラシと違ってあまり普及していない。特に、フロスの挿入時にフロスで歯茎を傷めないか不安がある。このような欠点を克服してフロスを横から挿入可能とし、フロスと歯間ブラシや爪楊枝と併用可能としたい。通常のフロスは指に捲いて操作するなど、特別な技術を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-143189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は特許文献1のように、フロスを用いた歯面ケア具と異なり、歯と歯の間に爪楊枝のように横から挿入するのが安全である。日本人が慣れ親しんだ爪楊枝状の簡易な口腔ケア具には抵抗が無い。虫歯を十分にケアしないと、歯周病菌が血液に乗って全身の病を引き起こすと言われている。従って、歯だけに限らず、口腔内の全体をケアする必要がある。本発明は、このような問題を考慮し、フロスと爪楊枝状とを併用して、安全かつ容易にフロスを利用可能とする。しかも、口腔内の全体をケアしたい。しかし、柄が付いてないと不便なため、柄を着脱できる構造とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は、次のような手段によって解決される。請求項1は、爪楊枝状の棒状体の断面の形状が多角形であり、また、平偏状でかつ薄い断面形状を有していて、弓形に湾曲し易い形状であることを特長とする簡易口腔ケア具である。
【0006】
請求項2は、前記の棒状体の一端がフロスを嵌入し易いようにV形又はU形に割れた二股状であることを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具である。
【0007】
請求項3は、前記棒状体の両端又は任意の2か所において、夫々が二股状であり、環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部に引っ掛けて支持してあることを特長とする易口腔ケア具である。
【0008】
請求項4は、前記の両端に支持した糸環状のフロスを綱状に撚ってあることを特長とする請求項3に記載の簡易口腔ケア具である。
【0009】
請求項5は、前記の棒状体の外面の表面積を増大すべく凹凸面又は雄螺子山状又は植毛状の表面としたことを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具である。
【0010】
請求項6は、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、前記の簡易口腔ケア具の一端には、前記柄の受け部に着脱する部分を有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の簡易口腔ケア具である。
【0011】
請求項7は、前記の簡易口腔ケア具として歯ブラシを適用し、その一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、この柄の前記受け部に、水滴が垂れても受け止められる皿状を有し、前記歯ブラシを床に置いたとき前記皿状が介在して前記歯ブラシが床面と触れず衛生的となることを特長とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の簡易口腔ケア具である
【発明の効果】
【0012】
請求項1のように、爪楊枝状の棒状体の断面の形状が多角形であると、この棒状体を横にして前後動し摺動すると、多角形の角部が当たる部位が擦られて汚れが落ち易く、綺麗になる。また、多角形状であると滑り難く把持し易い。更に、平偏状でかつ薄い断面形状を有し、弓形に湾曲し易い形状であるので、この平偏状でかつ薄い断面形状の部位が歯の表面を移動し摺動する際に擦られて汚れが落ち、綺麗になる。しかも、平偏状部が湾曲し易いので、奥歯のように届き難い部位にも届き易くなる。弓状に湾曲させたり変形させると、フロスを支持する場合にも便利である。
【0013】
請求項2のように、前記爪楊枝状の棒状体の一端が二股状に割れているので、間の凹部にフロス糸の一端を嵌め込んで支持し、歯の横からフロス糸を歯間に挿入できて便利で安全である。従って、通常のフロスにも兼用できる。なお、二股状に割れた一方又は両方にフロス糸を何回も捲くことができる。
【0014】
請求項3のように、前記爪楊枝状の棒状体の両端又は2か所において、夫々が二股状であり、環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部に引っ掛けて支持するので、取っ手部を持って摺動操作し、歯ブラシでは清掃出来ない歯の側面の汚れを落とせる。なお、請求項2の技術で、予めフロス環の一端を歯間に挿通しておく。
【0015】
請求項4のように、前記の両端に支持したフロス環を綱状に撚ってあるので、習動摩擦力が増え、歯の側面 (他の歯側)を清掃する際に汚れが落ち易く、効果的である。
【0016】
請求項5のように、棒状体の外面が凹凸面又は雄螺子山状面又は植毛状の表面にすると、表面積が増え、接着剤を塗布した際に、接着がより確実となり、スポンジ面などを接着する際に有効である。このスポンジ等又は軟質な合成樹脂を植毛状にした表面で口腔内面を優しく擦って汚れを安全に落して口腔ケアできる。なお、棒状体の材質は、合成樹脂、竹や木材、金属などが適しているが、特に限定はしない。ゴムは弾性変形し易いので、弾性変形を期待する平偏状の部分などに適している。合成樹脂は、成型が容易である。
【0017】
請求項6のように、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、前記の簡易口腔ケア具の一端には、前記柄の受け部に着脱する部分を有するので、請求項1以下の各種の簡易口腔ケア具を柄に装着して一体化すれば、簡易口腔ケア具の操作か容易になる。
【0018】
請求項7のように、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を備え、この柄の前記受け部に、水滴が垂れても受け止められる皿状を有するので、皿状にして、水滴が垂れても容易に受け止めることができる。また、歯ブラシの先端部が床面等に触れず衛生的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】爪楊枝状の口腔ケア具の各種類を示す寸法図で、円形断面と多角形断面形状も示してある。
図2】爪楊枝状の端部のフロス支持部を示した図である。
図3】偏平状の湾曲部でフロスを支持した側面図である。
図4】棒状部の屈曲状態を示した各図で、(3)は縄状に撚ったフロスを示してある。
図5】偏平状部を曲げた状態を示す側面図である。
図6】棒状体をU状に曲げた状態の図である。
図7】爪楊枝状の棒状体の両端を尖らせた実施例である。
図8】専用の柄を示す平面図である。
図9】柄の側面を示す側面図である。
図10】着脱構造を例示する断面図である。
図11】柄側と爪楊枝状又はフロス支持部との着脱構造を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、爪楊枝状の口腔ケア具の各種実施例を示す寸法図である。(1)は、通常の爪楊
枝であり、つまみ(取っ手)1の部分の断面は円形又は多角形である。(2)乃至(5)は本発明品であり、つまみ1以外は曲げ易いように平偏状2でかつ薄い断面形状をしている。本発明のつまみ1はまる(円形)又は多角形特に四角形である。断面が多角形のつまみ1は、持ち易く滑り難い。平偏状部2は、歯と歯の間に挿入し易かったり、弓状に湾曲したり、反り易く変形させるためである。
【0021】
図1のような爪楊枝状のつまみ1の断面の形状が多角形であると、特につまみ1のように、滑ると困る部分は、多角形が望まれる。歯に付着した粘着物を剥離する場合も多角形のように角部の有る形状が好ましい。なお、図1の各図は、中心に対し両側を図示してもよいが片側だけを図示してもよい。
【0022】
図1のような棒状体の断面形状は、多角形と平偏状の薄い断面形状2が併存すると有効である。例えば、多角形の部分1を持って平偏状部2を操作する用途は、つまみ1が滑り難く便利である。
【0023】
前記爪楊枝状の棒状体3の用途とフロスとを併用出来ると便利であり、口腔内をケアする上で不可欠である。例えば図3のように、棒状体3の両端が二股4に割れていると、フロス糸の中間から送入する従来のようにフロス糸で歯茎を傷める危険は無い。すなわち従来のように、歯と歯の間にフロス糸を上又は下から送入すると、歯と歯の間の隙間にフロス糸を通過させる際に糸の衝撃で歯茎を傷める危険を伴うが、本発明のように歯と歯の隙間に横から先端を送入できると、歯茎を傷める危険は無い。また、従来のようにフロス糸を指に巻いて、汚れを落す方法は、操作性が悪く不衛生でもある。
【0024】
ところが、図2のように、前記爪楊枝状の棒状体3の先端が二つの角を尖らせた二股状の間の凹部4にフロス糸fの一端を嵌め込んで巻いて、歯と歯の間の隙間にフロス糸fと棒状体3を一緒に先端から挿入出来て便利であり、通常のフロスにも兼用できる。なお、凹部4の両側の二つの角には、片方の角だけにフロス糸fを捲いてもよいし、図のように両方の角に捲いてもよい。捲く回数は任意である。
図3のように棒状体3の両端に二股状部と凹部4を形成すると、輪ゴムのように環状に形成したフロス輪5を張ることができる。このとき、図4のように縄6状に撚ると摩擦効果が増えて、歯の汚れが落ち易い。なお、フロス糸を歯面に押し着けるように前後動すると、効果的に清掃でき、指に捲き付ける手法より操作が容易である。
【0025】
請求項5のように、棒状体の外面が凹凸面又は雄螺子山状面又は植毛状面であると、表面積が増大するので、接着面積が増えて接着が確実となり、口腔の肉面を傷付けずに汚れ落とし出来る。例えば、請棒状体3の外面を凹凸面又は雄螺子面又は植毛状面にすると、表面積が増え、接着剤を塗布してスポンジ等に差し込むと、接着がより確実となり、口腔肉面をスポンジ等又は植毛状面で優しくクリーンにする際に有効である。
【0026】
爪楊枝状の棒状体3の両端にフロスfを掛けて取り付けるには、図3のように、棒状体3自体を圧縮して曲げ、フロスfを環状に張る手法と、図4(1)、(2)のように、平偏状部2以外の棒状体1を90度程度屈曲成型する手法がある。なお、環状フロス5の両端を屈曲棒状体の両端に重ねて固定し、取り付けてある。また、平偏状部2に代えて市販の歯間ブラシを接着し接続してもよい。
【0027】
図5のように平偏状部2を多少曲げて、目的とする歯に届き易くでき、自由に変形できる。棒状体1の平偏状部2以外を、図6ようにU状に折り返した形状に形成して、歯の内側をケアできる。銅線やアルミニウム線のような軟質な金属を利用すれば、素人でも直ちに容易に加工形成できる。
【0028】
図1の(2)乃至(5)の棒状体3は、図7のように両端を尖らせると、両側を使用できて、便利である。
【0029】
以上の爪楊枝状の棒状体から成る口腔ケア具は、手に持ち難いという不便が有る。この不便を解消すべく図8以下のような専用の柄7を準備してある。この柄7は手に持ち易いように細長いが、全長が同じ形状だと、どこでも接地できて不潔になり易いので、図9の側面図のように上下に曲がった形状をしている。すなわち、中間部8の片側9はヘの字状をしているのに対し、中間部8の反対側10は逆ヘの字状になっている。したがって、図9のように、歯ブラシ11を本発明の柄7に装着すれば、ヘの字状の低い部分が接地しても、高い側は床から浮くので衛生的となる。
【0030】
なお、口腔ケア具(例えば歯ブラシ11)を柄7に装着するための着脱機構は図10のような長めの凹凸形状で足りる。例えば柄7側を凹の筒状12に形成した場合、簡易口腔ケア具例えば歯ブラシ11側を凸の軸13とする。そして、この軸13を筒状12中に挿入すれば、互いに着脱できる。ただし、軸13や筒状12の断面形が真円形だと自転して不安定となるので、非真円形にする必要がある。例えば、多角形状、特に非対称となる三角形や五角形が適している。あるいは、片側例えば軸13に角状の突起を設け、他側例えば筒状12中に突起の入る溝を形成すれば、自転は防げる。
【0031】
なお、図10の側面図において、下向きと上向きの角14,15を設けてあると、角14又は15を下向きにして置くと、設置面が特定されるので不衛生となることは少ない。この角14,15に代えて皿状にすると、水滴が垂れても受け止めることができる。
柄が全く付いてない場合は、図11のように、簡易口腔ケア具に軸13を設け、柄7側に、軸13の入る筒状12を設ける。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように、本説明によると、歯列の外側からフロス先端を挿入できるので、歯列の横からフロス先端を挿通して、歯と歯の間の側面でも清掃でき、歯間ブラシは要らない。しかも、フロス支持具を用いると容易にフロス操作ができ、使い慣れた歯ブラシは歯の表面と裏面専用として用いるだけで足りる。しかも、棒状体に接着したスポンジ等で口腔内面を優しく擦って汚れを安全に落して口腔ケアでき、衛生的で、健康増進に寄与できる。しかも、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を有するので、簡易口腔ケア具を柄で操作できる。
【符号の説明】
【0033】
1 つまみ
2 平偏状部
3 爪楊枝状の棒状体
4 二股部の凹部
5 フロス輪
6 縄状に撚った部分
7 柄
8 中間部
9 片側
10反対側
11歯ブラシ
12筒状
14,15 角
【手続補正書】
【提出日】2022-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪楊枝状の棒状体の取っ手部の断面形状が多角形又は円形であり、前記取っ手部以外は歯と歯の間に挿入できるように薄い断面の平偏状であり、しかも前記平偏状部に形成したV形又はU形に割れた二股状の凹部にフロス糸を重ねて嵌め込んで支持し、歯と歯の間にフロス糸を横から挿入できる構造としたことを特長とする簡易口腔ケア具。
【請求項2】
前記棒状体の両端又は任意の2か所が平偏状の二股状であり、かつ環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部の凹部に引っ掛けて支持し歯と歯の間にフロス糸環を横から挿入できる構造としたことを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具。
【請求項3】
簡易口腔ケア具の一端に軸部を設け、この軸部を着脱する筒状の受け部を有する柄を備えた構造としたことを特長とする請求項1又は請求項2に記載の簡易口腔ケア具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪楊枝状の簡易な形状をした口腔ケア具とその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のようにフロスを用いた糸楊枝と呼ばれている歯面ケア具は、歯ブラシとは異なった利点が有り、多用されている。ところが、日本人には馴染みが薄く、歯ブラシと違ってあまり普及していない。特に、フロスの挿入時にフロスで歯茎を傷めないか不安がある。このような欠点を克服してフロスを横から挿入可能とし、フロスと歯間ブラシや爪楊枝と併用可能としたい。通常のフロスは指に捲いて操作するなど、特別な技術を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-143189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は特許文献1のように、フロスを用いた歯面ケア具と異なり、歯と歯の間に爪楊枝のように横から挿入するのが安全である。日本人が慣れ親しんだ爪楊枝状の簡易な口腔ケア具には抵抗が無い。虫歯を十分にケアしないと、歯周病菌が血液に乗って全身の病を引き起こすと言われている。従って、歯だけに限らず、口腔内の全体をケアする必要がある。本発明は、このような問題を考慮し、フロスと爪楊枝状とを併用して、安全かつ容易にフロスを利用可能とする。しかも、口腔内の全体をケアしたい。しかし、柄が付いてないと不便なため、柄を着脱できる構造とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は、次のような手段によって解決される。請求項1は、爪楊枝状の棒状体の取っ手部の断面形状が多角形又は円形であり、前記取っ手部以外は歯と歯の間に挿入できるように薄い断面の平偏状であり、しかも前記平偏状部に形成したV形又はU形に割れた二股状の凹部にフロス糸を重ねて嵌め込んで支持し、歯と歯の間にフロス糸を横から挿入できる構造としたことを特長とする簡易口腔ケア具である。
【0006】
請求項2は、前記棒状体の両端又は任意の2か所が平偏状の二股状であり、かつ環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部の凹部に引っ掛けて支持し歯と歯の間にフロス糸環を重ねて横から挿入できる構造としたことを特長とする請求項1に記載の簡易口腔ケア具である。
【0007】
請求項3は、簡易口腔ケア具の一端に軸部を設け、この軸部を着脱する筒状の受け部を有する柄を備えた構造としたことを特長とする請求項1又は請求項2に記載の簡易口腔ケア具である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1のように、爪楊枝状の棒状体の断面の形状が多角形であると、滑り難く把持し易い。更に、平偏状でかつ薄い断面形状を有しているので、この平偏状でかつ薄い断面形状の部位が歯の表面を移動し摺動する際に擦られて汚れが落ち、綺麗になる。しかも、平偏状部が湾曲し易いので、奥歯のように届き難い部位にも届き易くなる。弓状に湾曲させたり変形させると、フロスを支持する場合にも便利である。
【0009】
請求項2のように、前記棒状体の両端又は任意の2か所が平偏状の二股状であり、かつ環状に結合されたフロス糸環を前記の二股状部の凹部に引っ掛けて支持し歯と歯の間にフロス糸環を重ねて横から挿入できるので、歯の横からフロス糸環を歯間に挿入できて便利で安全である。なお、二股状に割れた一方又は両方にフロス糸を何回も捲くことができる。
【0010】
請求項3のように、簡易口腔ケア具の一端に軸部を設け、この軸部を着脱する筒状の受け部を有する柄を備えたので、各簡易口腔ケア具の一端の軸部を柄の筒状の受け部に挿入して柄を着けると簡易口腔ケア具の操作が容易となり、便利である
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】爪楊枝状の口腔ケア具の各種類を示す寸法図で、円形断面と多角形断面形状も示してある。
図2】爪楊枝状の端部のフロス支持部を示した図である。
図3】偏平状の湾曲部でフロスを支持した側面図である。
図4】棒状部の屈曲状態を示した各図で、(3)は縄状に撚ったフロスを示してある。
図5】偏平状部を曲げた状態を示す側面図である。
図6】棒状体をU状に曲げた状態の図である。
図7】爪楊枝状の棒状体の両端を尖らせた実施例である。
図8】専用の柄を示す平面図である。
図9】柄の側面を示す側面図である。
図10】着脱構造を例示する断面図である。
図11】柄側と爪楊枝状又はフロス支持部との着脱構造を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、爪楊枝状の口腔ケア具の各種実施例を示す寸法図である。(1)は、通常の爪楊枝であり、つまみ(取っ手)1の部分の断面は円形又は多角形である。(2)乃至(5)は本発明品であり、つまみ1以外は曲げ易いように平偏状2でかつ薄い断面形状をしている。本発明のつまみ1はまる(円形)又は多角形特に四角形である。断面が多角形のつまみ1は、持ち易く滑り難い。平偏状部2は、歯と歯の間に挿入し易かったり、弓状に湾曲したり、反り易く変形させるためである。
【0013】
図1のような爪楊枝状のつまみ1の断面の形状が多角形であると、特につまみ1のように、滑ると困る部分は、多角形が望まれる。歯に付着した粘着物を剥離する場合も多角形のように角部の有る形状が好ましい。なお、図1の各図は、中心に対し両側を図示してもよいが片側だけを図示してもよい。
【0014】
図1のような棒状体の断面形状は、多角形と平偏状の薄い断面形状2が併存すると有効である。例えば、多角形の部分1を持って平偏状部2を操作する用途は、つまみ1が滑り難く便利である。
【0015】
前記爪楊枝状の棒状体3の用途とフロスとを併用出来ると便利であり、口腔内をケアする上で不可欠である。例えば図3のように、棒状体3の両端が二股4に割れていると、フロス糸の中間から送入する従来のようにフロス糸で歯茎を傷める危険は無い。すなわち従来のように、歯と歯の間にフロス糸を上又は下から送入すると、歯と歯の間の隙間にフロス糸を通過させる際に糸の衝撃で歯茎を傷める危険を伴うが、本発明のように歯と歯の隙間に横から先端を送入できると、歯茎を傷める危険は無い。また、従来のようにフロス糸を指に巻いて、汚れを落す方法は、操作性が悪く不衛生でもある。
【0016】
ところが、図2のように、前記爪楊枝状の棒状体3の先端が二つの角を尖らせた二股状の間の凹部4にフロス糸fの一端を嵌め込んで巻いて、歯と歯の間の隙間にフロス糸fと棒状体3を一緒に先端から挿入出来て便利であり、通常のフロスにも兼用できる。なお、凹部4の両側の二つの角には、片方の角だけにフロス糸fを捲いてもよいし、図のように両方の角に捲いてもよい。捲く回数は任意である。
図3のように棒状体3の両端に二股状部と凹部4を形成すると、輪ゴムのように環状に形成したフロス輪5を張ることができる。このとき、図4のように縄6状に撚ると摩擦効果が増えて、歯の汚れが落ち易い。なお、フロス糸を歯面に押し着けるように前後動すると、効果的に清掃でき、指に捲き付ける手法より操作が容易である。
【0017】
棒状体の外面が凹凸面又は雄螺子山状面又は植毛状面であると、表面積が増大するので、接着面積が増えて接着が確実となり、口腔の肉面を傷付けずに汚れ落とし出来る。例えば、請棒状体3の外面を凹凸面又は雄螺子面又は植毛状面にすると、表面積が増え、接着剤を塗布してスポンジ等に差し込むと、接着がより確実となり、口腔肉面をスポンジ等又は植毛状面で優しくクリーンにする際に有効である。
【0018】
爪楊枝状の棒状体3の両端にフロスfを掛けて取り付けるには、図3のように、棒状体3自体を圧縮して曲げ、フロスfを環状に張る手法と、図4(1)、(2)のように、平偏状部2以外の棒状体1を90度程度屈曲成型する手法がある。なお、環状フロス5の両端を屈曲棒状体の両端に重ねて固定し、取り付けてある。また、平偏状部2に代えて市販の歯間ブラシを接着し接続してもよい。
【0019】
図5のように平偏状部2を多少曲げて、目的とする歯に届き易くでき、自由に変形できる。棒状体1の平偏状部2以外を、図6ようにU状に折り返した形状に形成して、歯の内側をケアできる。銅線やアルミニウム線のような軟質な金属を利用すれば、素人でも直ちに容易に加工形成できる。
【0020】
図1の(2)乃至(5)の棒状体3は、図7のように両端を尖らせると、両側を使用できて、便利である。
【0021】
以上の爪楊枝状の棒状体から成る口腔ケア具は、手に持ち難いという不便が有る。この不便を解消すべく図8以下のような専用の柄7を準備してある。この柄7は手に持ち易いように細長いが、全長が同じ形状だと、どこでも接地できて不潔になり易いので、図9の側面図のように上下に曲がった形状をしている。すなわち、中間部8の片側9はヘの字状をしているのに対し、中間部8の反対側10は逆ヘの字状になっている。したがって、図9のように、歯ブラシ11を本発明の柄7に装着すれば、ヘの字状の低い部分が接地しても、高い側は床から浮くので衛生的となる。
【0022】
なお、口腔ケア具(例えば歯ブラシ11)を柄7に装着するための着脱機構は図10のような長めの凹凸形状で足りる。例えば柄7側を凹の筒状12に形成した場合、簡易口腔ケア具例えば歯ブラシ11側を凸の軸13とする。そして、この軸13を筒状12中に挿入すれば、互いに着脱できる。ただし、軸13や筒状12の断面形が真円形だと自転して不安定となるので、非真円形にする必要がある。例えば、多角形状、特に非対称となる三角形や五角形が適している。あるいは、片側例えば軸13に角状の突起を設け、他側例えば筒状12中に突起の入る溝を形成すれば、自転は防げる。
【0023】
なお、図10の側面図において、下向きと上向きの角14,15を設けてあると、角14又は15を下向きにして置くと、設置面が特定されるので不衛生となることは少ない。この角14,15に代えて皿状にすると、水滴が垂れても受け止めることができる。
柄が全く付いてない場合は、図11のように、簡易口腔ケア具に軸13を設け、柄7側に、軸13の入る筒状12を設ける。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上のように、本説明によると、歯列の外側からフロス先端を挿入できるので、歯列の横からフロス先端を挿通して、歯と歯の間の側面でも清掃でき、歯間ブラシは要らない。しかも、フロス支持具を用いると容易にフロス操作ができ、使い慣れた歯ブラシは歯の表面と裏面専用として用いるだけで足りる。しかも、棒状体に接着したスポンジ等で口腔内面を優しく擦って汚れを安全に落して口腔ケアでき、衛生的で、健康増進に寄与できる。しかも、前記の簡易口腔ケア具の一端を着脱する受け部を形成した柄を有するので、簡易口腔ケア具を柄で操作できる。
【符号の説明】
【0025】
1 つまみ
2 平偏状部
3 爪楊枝状の棒状体
4 二股部の凹部
5 フロス輪
6 縄状に撚った部分
7 柄
8 中間部
9 片側
10反対側
11歯ブラシ
12筒状
14,15 角