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特開2022-138153異なる種類の物品を包装する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138153
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】異なる種類の物品を包装する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/06 20120101AFI20220914BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
B65B9/06
B65B57/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022036219
(22)【出願日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】102021000005534
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】522093959
【氏名又は名称】シトマ マシナリー ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ デッラ カーザ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリオ ギッツォーニ
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA01
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA04
3E050DC02
3E050DG04
3E050FA02
3E050FB02
3E050FB07
3E050GB02
3E050GC03
3E050GC07
3E050HA07
3E050HB01
3E050HB02
3E050HB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物品、特に一つの物品と次の物品との間で可変な寸法を有する物品を包装するための方法及び装置を改良する。
【解決手段】本発明の方法は、中間コンベヤ19に沿って前進する物品2の流れにおいて、物品2が欠落している空の位置があるか否かを確認するステップを有する。空位置が検出された場合、空位置に先行する物品2に対して空位置に追従する物品2を加速させることにより、空位置を充填する物品を充填する。中間コンベヤ19は、前進方向Fに沿って順番に配置された複数のコンベヤベルトを備える。なお、中間コンベヤ19に到着した物品2の単位時間当たりの数が予め定めた以上であれば、包装ユニット20の製造速度は、中間コンベヤ19内を予め定めた平均充填レベルに保つように調節される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる寸法を有する複数の物品(2)を供給コンベヤ(3)上に位置決めするステップと、
前記供給コンベヤ(3)から来て前進方向(F)に沿って移動可能である、前記複数の物品(2)の流れを中間コンベヤ(19)に送るステップと、
前記中間コンベヤ(19)から来る前記複数の物品(2)を包装ユニット(20)に供給し、前記包装ユニット(20)は、包装材(28)のウェブから出発して、複数の包装(36)を製造し、各包装(36)は、前記複数の物品(2)の内の1つを収容する、ステップとを備える、方法において、
前記方法は、
前記中間コンベヤ(19)に沿って前進する前記複数の物品(2)の流れにおいて、物品(2)が欠落している空位置が存在するか否かを確認し、空位置が検出された場合に、前記空位置に先行する前記物品(2)に対して前記空位置に追従する前記物品(2)を加速させて前記空位置を満たし、
前記中間コンベヤ(19)は、前記前進方向(F)に沿って順次配置された複数のコンベヤベルト(21)を備え、
前記中間コンベヤ(19)上に到着する前記物品(2)の単位時間当たりの数が予め定めた値以上である場合には、前記中間コンベヤ(19)において予め定めた平均充填レベルを保つように、前記包装ユニット(20)の製造速度が調節される、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記包装ユニット(20)の供給部において互いに制御された間隔で複数の前記物品(2)を配置するように前記コンベヤベルト(21)の速度を制御するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空位置に先行する前記物品(2)を運搬する少なくとも1つの更なるコンベヤベルト(21)の速度に対して、前記空位置に追従する前記物品(2)を運搬する少なくとも1つのコンベヤベルト(21)の速度を上げることによって前記空位置に追従する前記物品(2)が加速させられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記中間コンベヤ(19)が、前記包装ユニット(20)に入るのを待っている間に複数の前記物品(2)が一時的に蓄積される緩衝装置として作用する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記予め定めた平均充填レベルは、前記中間コンベヤ(19)上に制御された相互距離で位置決めされた前記物品(2)によって占められた、前記前進方向(F)において測定される、前記中間コンベヤ(19)の長手方向寸法と、前記物品(2)を受け入れるために利用可能である、前記前進方向(F)に沿った前記中間コンベヤ(19)の合計長手方向寸法との間の比の予め定めた値に対応する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記予め定めた平均充填レベルは、前記物品(2)で充填された前記コンベヤベルト(21)の予め定めた平均数に対応する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記平均充填レベルは、前記物品(2)が充填された前記コンベヤベルト(21)の半分に対応する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記包装材(28)のウェブは、前記包装ユニット(20)が前記中間コンベヤ(19)から受け入れる前記物品(2)の数に基づいて、かつ、前記前進方向(F)における各々の前記物品(2)の長さに基づいて決定される可変線形速度で、前記包装ユニット(20)に供給される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
塗布装置(30)は、少なくとも1つの接合部(39、45)を生成しかつ対応する包装(36)を閉鎖するために、前記包装材(28)のウェブ上に接着剤を塗布し、
前記中間コンベヤ(19)上に到着する前記物品(2)の単位時間当たりの数が予め定めた値以下である場合、前記接着剤の開放時間未満の長さの間、前記少なくとも1つの接合部(39、45)に圧力を加える前に、前記接着剤が前記包装材(28)上に残るように計算された線形速度で、前記包装材(28)のウェブを前記包装ユニット(20)に供給する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記物品(2)は、インターネットを通じて購入され、発注者に発送される前に前記包装ユニット(20)において包装される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記包装材が紙である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
互いに異なる寸法を有する複数の物品(2)を受け入れるための供給コンベヤ(3)と、
前記供給コンベヤ(3)の下流側に位置しかつ前記供給コンベヤ(3)から前進方向(F)に前記複数の物品(2)の流れを受け入れる中間コンベヤ(19)と、
包装材(28)のウェブから始まって複数の包装(36)を製造するための前記中間コンベヤ(19)の下流側に位置する包装ユニット(20)であって、各包装(36)は1つの前記物品(2)を収容する、包装ユニット(20)と、
前記中間コンベヤ(19)に沿って前進する前記物品(2)の流れにおいて前記物品(2)が欠落している空位置があるか否かを制御するためにセンサ手段(23)が前記中間コンベヤ(19)に沿って配置されており、
前記中間コンベヤ(19)が、前記空位置が検出された場合に前記空位置に追従する前記物品(2)が加速させられて前記空位置を充填するように、前記前進方向(F)に沿って順次配置された複数のコンベヤベルト(21)を備え、
前記包装ユニット(20)の製造速度が前記中間コンベヤ(19)内で予め定めた平均充填レベルを保つように調節可能である、装置。
【請求項13】
前記装置は、前記供給コンベヤ(3)と前記中間コンベヤ(19)との間に配置された物品排除装置(14)を更に備え、
前記物品排除装置(14)は、傾斜可能なコンベヤ(15)が前記物品(2)を前記供給コンベヤ(3)から前記中間コンベヤ(19)に搬送するために水平に配置される、第1の構成(C1)に位置決めすることができる、傾斜可能なコンベヤ(15)を備え、
前記傾斜可能なコンベヤ(15)は、前記傾斜可能なコンベヤ(15)が下方に傾斜して前記物品(2)を除去コンベヤ(16)上に転換する、第2の構成(C2)において更に位置決めすることができる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記包装ユニット(20)が、
前記包装材(28)の前記ウェブ上に接着剤を塗布するための塗布装置(30)と、
前記包装材(28)の前記ウェブを折って前記物品(2)の周囲に管状のエンクロージャ(38)を形成するための複数の偏向要素(37)と、
前記接着剤が存在する前記包装材(28)の前記ウェブの上にある部分に圧力を加えるための押え手段(40、46)と、
連続する包装(36)を前記包装材(28)の前記ウェブから分離するための切断ブレード(43)とを備える、請求項12又は13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品と物品の間で寸法が一般に可変である、異なる種類の物品を順々に包装する方法及び装置に関する。
【0002】
本発明による方法及び装置は、依頼する顧客に配送される前に包装しなければならない、インターネットを使用して注文された物品を包装するために、電子商取引分野で使用されるのに特に適している。
【背景技術】
【0003】
電子商取引分野では、様々な顧客から注文されて発送しなければならない、互いに異なる物品を包装するための装置が知られている。
【0004】
従来技術の装置は、可撓性の包装、例えばエンクロージャに各々の物品を包装するための包装機を備える。可撓性の包装は、紙のウェブを用いて行うことができ、このウェブは、リールから繰り出された後、接着剤を紙に塗布する接着剤塗布装置と相互作用する。次いで、紙は、包装を作るように物品の周囲に折られ、次いで、包装を次の包装から分離するための切断操作に供される。
【0005】
包装機の上流側には、作業者が包装すべき物品を手で積み込むための供給コンベヤと、不適合物品を排除するための排除部署と、ある物品と他の物品との間に一定の寸法の空き空間があるようにこれらの物品を位置決めするための位相調節コンベヤとが、順番に位置決めされている。
【0006】
位相調節コンベヤに入る物品の流れの中には、様々な理由により物品が欠落している位置が存在することがあり得る。これは、例えば、排除部署において物品が排除されたという事実、又は、操作者が全ての位置を充填することができなかったという事実、又は、他の理由に起因し得る。
【0007】
位相調節コンベヤに入る物品の流れにおいて空の位置がある場合、その空の位置は、機械で処理できる最小の長さを有する物品に対応するものとして扱われる。その結果、包装機は空包装を生成し、次いで、この空包装を排除しなければならない。
【0008】
これにより、様々な欠点をもたらす。
【0009】
第1に、空包装を排除することは、空包装が作られる梱包材料を廃棄しなければならないので、材料の無駄を生じる。
【0010】
さらに、排除された空包装は、一時的な保管領域に搬送され、そこから定期的に除去しなければならないため、装置を停止させる必要があり、その結果、生産性が低下する。
【0011】
第三に、空包装の排除のため、装置の制御ユニットによって包装材の線形前進速度を計算するために使用されるであろう、包装工程を設定しなければならない時間毎の生産性を十分な精度で決定することは困難となる場合がある。
【0012】
従来技術の装置では、装置の動作が何らかの理由で停止しなければならない場合に接着剤の挙動に関連する別の欠点がある。接着によって接合される紙のフラップは、接着剤が塗布された瞬間から、通常数十秒である予め定めた最大時間内に、互いに対して接触させて適切な圧力をかけなければならない。この条件が満たされない場合、接着剤が乾燥し、包装が適切に閉鎖されたままになることが保証されない。したがって、接着された接合部を閉鎖しなければならない期間よりも長く装置が停止した場合には、接着された接合部を閉鎖するためにまだ圧力を受けていない、包装機内に存在する包装は排除しなければならない。これにより、包装材の無駄や時間の損失が発生し、生産性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、物品、特に、一つの物品と次の物品との間で可変な寸法を有する物品を包装するための方法及び装置を改良することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、包装材、特に紙と接着剤の無駄を減らすことである。
【0015】
本発明の別の目的は、排除しなければならない包装の数を減らすことであり、これにより、排除すべき包装を装置から除去するための停止を最小限に抑えることを可能にすることである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、装置の時間毎の生産性をより容易に予測できるようにすることである。
【0017】
本発明の更なる目的は、装置の停止中に確実な方法で接着及び閉鎖されていない包装の排除を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の態様では、
異なる寸法を有する複数の物品を供給コンベヤ上に位置決めするステップと、
供給コンベヤから来る物品の流れを中間コンベヤに送るステップと、
中間コンベヤから来る物品を包装ユニットに供給し、包装ユニットは、包装材のウェブから出発して、複数の包装を製造し、各包装は、前記物品の内の1つを収容するステップとを備える方法において、
前記方法は、前記中間コンベヤに沿って前進する物品の流れにおいて、物品が欠落している空位置があるか否かを確認するステップを更に備え、前記空位置が検出された場合には、前記空位置に追従する物品を前記空位置に先行する物品に対して加速させることにより、前記空位置を充填する、方法が提供される。
【0019】
本発明の第1の態様により、中間コンベヤ上に積まれた物品の流れに存在し得る空位置は、物品が包装ユニットに到着する前に充填される。このように、包装ユニットは、物品の連続的な流れによって、すなわち、物品が欠けていない流れによって供給することができ、これは、包装ユニットによって製造された全ての包装がその内部に物品を有することを意味する。
【0020】
従って、包装ユニットに入る物品の流れの中の任意の空の位置が空包装をもたらし、その後に排除されなければならなかったという、従来技術の欠点は、実用的に排除される。
【0021】
このようにして、包装材の無駄を減らし、排除すべき空包装を除去する必要性に関連する装置の停止を最小限に抑えるか又はさらには排除することが可能である。
【0022】
更に、多くの空包装を排除する必要が無くなったので、排除すべき包装の数が劇的に減少し、装置の時間毎の生産性を正確に決定することが容易になった。
【0023】
一実施形態によると、中間コンベヤは、包装ユニットに入るのを待っている間に複数の物品が一時的に蓄積される、緩衝装置として作用する。
【0024】
中間コンベヤを緩衝装置として使用することにより、中間コンベヤに供給される供給コンベヤに積まれる物品の数に生じるばらつきの影響を受けにくくなるように、包装ユニットの生産性を最適化することができる。
【0025】
一実施形態によると、中間コンベヤは、前進方向に沿って順次配置された複数のコンベヤベルトを備える。
【0026】
一実施形態によると、単位時間における中間コンベヤに到着する物品の数が予め定めた値以上である場合には、その中間コンベヤで予め定めた平均充填レベルを保つように、包装ユニットの製造速度が調節される。
【0027】
これにより、装置の動作をより良好に制御することができる。
【0028】
特に、包装ユニットは、適応の生産性で、すなわち、中間コンベヤ上に存在する物品の数に適応する生産性で、すなわち、中間コンベヤの包装すべき物品の充填レベルで、包装を生産するように制御しうる。
【0029】
一実施形態によると、塗布装置は、少なくとも1つの接合部を生成し、対応する包装を閉鎖するために、包装材のウェブ上に接着剤を塗布する。中間コンベヤ上に物品が存在しない場合、接着剤の作業寿命よりも短い時間、少なくとも1つの接合部に圧力を加える前に、接着剤が包装材上に残るように計算された線形速度で包装ユニットに包装材のウェブが供給される。
【0030】
これにより、供給コンベヤが物品を十分に速い方法で供給することができず、その結果、確実な方法で閉鎖されていない包装を排除する必要がある場合に、塗布装置によって包装材に塗布されていた接着剤が乾燥することを防止する。
【0031】
本発明の第2の態様では、
互いに異なる寸法を有する複数の物品を受け入れるための供給コンベヤと、
供給コンベヤの下流側に配置されておりかつ、供給コンベヤから来る物品の流れを前進方向において受け入れるための中間コンベヤと、
複数の包装を生産するために中間コンベヤの下流側に位置しかつ、複数の包装の各々が包装材のウェブから出発して物品を収容する、包装ユニットとを備える、装置において、
前記中間コンベヤセンサ手段は、前記中間コンベヤに沿って前進する物品の流れの中に、物品が欠落している空位置が存在するか否かを制御するように配置され、
前記中間コンベヤは、前記前進方向に沿って複数のコンベヤベルトを順に配置し、空位置が検出されると、前記空位置を充填するように、前記空位置に追従する物品が加速させられる、装置が提供される。
【0032】
本発明の第2の態様により、包装材の無駄を減らし、装置の停止を減らすという点で、上述した利点を得ることができる。
【0033】
本発明は、その非限定的な実施例を図示する添付の図面を参照して、より良く理解しかつ実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、可変寸法を有する製品を包装するための装置を示す概略斜視図である。
図2図2は、図1の装置の第1の部分を示す拡大斜視図であり、分かりやすくするために一部の構成要素が除去されている。
図3図3は、図1の装置の第2の部分を示す拡大斜視図であり、分かりやすくするために一部の構成要素が除去されている。
図4図4は、図1の装置の切断ユニットを示す拡大斜視図である。
図5図5は、図4の切断ユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、物品2を包装するための装置1を示しており、これらの物品2は、一般的に互いに異なる種類のものであり、物品によって異なる寸法を有する。装置1は、これらの物品を依頼した顧客に発送する前に、インターネットを利用して注文された物品を包装するために、電子商取引分野で使用されるように設計されている。非限定的な例として、装置1が包装することができる物品は、本、CD、衣類品、家庭用品又は自由時間用の品目、及び、多くの他の品である。
【0036】
装置1は、物品2毎に、物品2を収容しかつ包装材からなる包装を作製することを可能にするものであり、この包装は、図示の例では、紙で示されている。しかし、例えばプラスチックフィルム又はバイオフィルムなどの他の包装材を使用することも可能である。
【0037】
装置1は、供給コンベヤ3上に物品2を手で配置する1人又は複数人の操作者から物品2を受け入れるように配置された、供給コンベヤ3を備えうる。供給コンベヤ3は、物品2を前進方向Fに沿って前進させるように構成されている。
【0038】
供給コンベヤ3は、前進方向Fに沿って順次配置された、複数の供給ベルト4を備えうる。図示の例では、4本の供給ベルト4が設けられているが、供給ベルト4の本数が異なりうる。
【0039】
各供給ベルト4には、複数の位置決め用切欠き部又は位置決め用マーク5が設けられており、これらは図2においてより明確に見えるものであり、供給ベルト4上に印刷することができる。位置決め用マーク5は、各々の物品2が位置決めされなければならない位置の視覚的表示を操作者に提供するように、前進方向Fに沿って予め定めた一定距離で位置決めされる。
【0040】
供給コンベヤ3に沿って、複数の作業部署6があり、各作業部署において、操作者は、連続した複数の物品2を、自分の前方に位置決めされた供給ベルト4上に積むために作業することができる。図示の例では、4つの作業部署6があり、各供給ベルト4に対して1つであるが、この条件は必須ではない。供給ベルト4の数に等しい、例えば4つとは異なる数の作業部署を設けることが可能である。
【0041】
各作業部署6は、対応する操作者が供給ベルト4上に物品2を配置するために自分自身を位置決めできるプラットフォーム7を備えうる。
【0042】
各作業部署6は、さらに、包装すべき物品2を収容するクレート9を支持するのに適した支持要素8を備える。供給コンベヤ3の上方には、物品2を満載した複数のクレート9がその上に載置された、載置平面10が設けられている。載置平面10は、モータ駆動のローラコンベヤによって又はモータ駆動のコンベヤベルトによって形成されうる。
【0043】
操作者は、載置平面10から手でクレート9を拾い上げ、作業シフトの開始時、又は供給コンベヤ3上に全てのそれぞれの物品2を位置決めした後で前のクレート9を空にしたときに、クレート9を支持要素8上に位置決めする。
【0044】
各作業部署6は、さらに、ポータル11を備え、このポータル11は、図2により詳細に示すように、物品2の前縁が検出器12の前を通過するときに信号を生成するように配置された、検出器12、例えばフォトセルを有する。検出器12は、さらに、検出されたばかりの物品2の後縁が検出器12の前方を通過するときに更なる信号を生成するように構成される。同一の物品2に対して検出器12で生成された2つの信号の間の時間と、供給コンベヤ3の線形速度とに基づいて、各々の物品2の前進方向Fにおける長さを測定することができる。
【0045】
各々の物品2の長さは、各々の物品2が包まれなければならない紙の長さを決定するために後で使用されるパラメータである。紙の長さは、検出器12によって測定される対応する物品2の長さに等しく、この長さに付加的な値を付加しなければならず、これにより、各包装を閉鎖することができると同時に、包装材、すなわち紙の消費を最小限に抑えることができることを保証する。
【0046】
各作業部署6は、さらに、対応する操作者が自らのシフト開始時に自分を識別できるようにするためのデータ入力装置を備えうる。
【0047】
更に、各作業部署6は、供給コンベヤ3上に位置決めされた各製品2上に存在する識別コードを読み取るためのコードリーダ56を備えうる。識別コードは、例えば、一次元バーコード、又は、QRコード(登録商標)などの二次元コード、又は、他のコードとしうる。
【0048】
前進方向Fに沿ったより前方の位置に位置する作業部署6には、各々の物品2の幅、すなわち、前進方向Fに直交する物品2の水平寸法と、各々の物品2の高さとを測定するための更なる検出器13が設けられている。
【0049】
各々の物品2の幅及び高さは、物品2の寸法が、供給コンベヤ3の下流側に位置する、物品2を包装するための装置1の装置によって処理することができる寸法範囲内にあることを確認するために主に使用される。
【0050】
装置1は、不適合の物品2を排除するために、供給コンベヤ3の下流側に位置する排除装置14をさらに備える。物品排除装置14は、特に、検出器12及び更なる検出器13によって実行される測定の後に、装置1によって処理することができる寸法範囲外の寸法を有することが判明した物品2を排除することが意図されている。物品排除装置14は、さらに、コードリーダ56による各々の物品の識別コードの読み取りに基づいて、装置1に誤って積まれたことが判明しておりかつ他の場所で処理されることを意図している物品2を排除することが意図されている。
【0051】
図2に示すように、物品排除装置14は、例えばベルト型の傾斜可能なコンベヤ15を備え、このコンベヤ15は、搬送構成C1に位置決めしうるし、あるいは、排除構成C2に位置決めしうる。搬送構成C1では、傾斜可能なコンベヤ15は、実質的に水平であり、前進方向Fに沿って物品2を搬送することができる。他方で、排除構成C2では、傾斜可能なコンベヤ15は、供給コンベヤ3から来る排除すべき物品2が、排除すべき物品を装置1から離れるように移動させるために配置された下にある除去コンベヤ16上に転換されるように、下方に傾斜される。除去コンベヤ16からの排出部において、図1に示す容器17が、排除された物品2を収集するために位置決めされうる。操作者は、容器17が排除された物品で満杯になったときに容器17を除去し、空の容器と交換するか、又は、容器17を空にした後に除去コンベヤ16の排出部に容器17を再び位置決めする。この動作は、装置1を停止させる必要がなく、その結果、生産性の損失を招くことはない。
【0052】
物品排除装置14は、さらに、供給コンベヤ3と傾斜可能なコンベヤ15との間に配置されたベルト型の通過コンベヤ18を備え、この通過コンベヤ18は、供給コンベヤ3から来る物品2を傾斜可能なコンベヤ15上に搬送することができる。
【0053】
装置1は、さらに、前進方向Fに沿って供給コンベヤ3の下流側に位置する中間コンベヤ19を備える。より正確には、中間コンベヤ19は、物品排除装置14の下流側に位置する。
【0054】
中間コンベヤ19の下流側には、包装材、特に紙で作られた包装を製造するための包装ユニット20が設けられており、この包装はそれぞれ物品2を囲んでいる。
【0055】
中間コンベヤ19は、供給コンベヤ3から来る物品2を前進方向Fに沿って包装ユニット20に向けて運搬することが意図されている。
【0056】
中間コンベヤ19は、前進方向Fに沿って順次配置された複数のコンベヤベルト21を備える。図示の例では、6つのコンベヤベルト21が設けられているが、中間コンベヤ19に含まれるコンベヤベルト21の本数は6本と異なっていてもよい。コンベヤベルト21は、より詳細に後述する理由によって、コンベヤベルト21が前進させる物品2を加速又は減速するように、時間と共に変化し、一方のコンベヤベルト21と他のベルトの間で異なり得る線形速度(すなわち、物品2が前進方向Fに移動させられるそれぞれの移動速度)で駆動することができる。
【0057】
中間コンベヤ19は、コンベヤベルト21の各々に物品2が存在することを検出するためのセンサ手段23を更に備える。センサ手段23は、複数のセンサ要素24、例えば、フォトセルを備え、これは、各々が対象のセンサ要素24に近い物品2の通過を検出するのに適している。センサ要素24は、連続する2つのコンベヤベルト21の間の通過ゾーン内に位置決めすることができる。センサ要素24は、さらに、前進方向Fに沿った最も前方の位置に位置するコンベヤベルト21の下流側に位置しうる。さらに、センサ要素24は、第1のコンベヤベルト21の上流側、すなわち、前進方向Fに沿った最も後方の位置に位置するコンベヤベルト21の上流側に位置決めすることができる。
【0058】
中間コンベヤ19は、物品2が物品排除装置14を通過した後、供給コンベヤ3から来る物品2の流れを受け入れる。中間コンベヤ19上に到着する物品2の流れの中には、空位置、すなわち、予想とは逆に物品2が欠落している位置が存在する場合がある。
【0059】
中間コンベヤ19上に到着する物品2の流れにおける空位置は、様々な理由により、操作者が対象の位置に物品2を積むことができなくなったこと、又は、不適合の物品2が物品排除装置14内で排除されて対応する位置が空のままであったことに起因している可能性がある。
【0060】
中間コンベヤ19上の物品2の存在を検出するセンサ手段23は、中間コンベヤ19上に到着する物品2の流れにおいて空の位置があるときを検出する。このとき、装置1の制御ユニットは、前進方向Fに関して空位置を先行する物品2と前進方向Fに対して空位置を追従する物品2の間の距離を低減するように、前進方向Fに関して空位置の下流側に配置された、複数のコンベヤベルト21の内の1つ以上を加速させる。物品2が中間コンベヤ19に沿って圧縮させられ、空位置が後続の物品2で充填される。このようにして、中間コンベヤ19を出て包装ユニット20に入る物品2の流れは、連続した流れ、すなわち、物品2が欠落している空位置を持たない流れである。
【0061】
制御ユニットは、制御ユニットによって設定されるように、連続する2つの物品2の間の距離(「間隙」とも呼ばれる)が制御されるように、コンベヤベルト21の速度を調節することができる。一般的に言って、連続する2つの物品2の間の距離は必ずしも一定ではない。連続する2つの物品2の間の距離は、包装工程の最適化ロジックの機能として選択することができ、最小値と最大値との間で変化することができる。より詳細には、連続する2つの物品2の間の距離は、物品2の高さ、物品2の長さ、包装ユニット20の線形速度、物品2が存在する中間コンベヤ19のコンベヤベルト21の数、包装ユニット20内にある時点で使用されている紙の基本重量、包装ユニット20内にある時点で使用されている接着剤の特性、作業部署6内に存在する特定のデジタル信号の状態、ライン監視ユニット又は「制御装置」から受信される特定のデジタル信号の状態、及び、他のパラメータなどの、多数のパラメータの機能として、選択することができる。
【0062】
包装ユニット20について説明した後に後述するように、中間コンベヤ19は、緩衝装置として、すなわち、1つ以上の物品2が包装ユニット20に移送される前に一時的に保管される、一時保管システムとして作用する。
【0063】
図3に示すように、包装ユニット20は、物品2を前進方向Fに沿って運搬する包装コンベヤ25を備え、物品2は、図示では紙で示されている包装材に包まれ、各々の物品2の周囲には包装が形成されている。包装コンベヤ25は、前進方向Fに沿って順次配置された複数のコンベヤベルトを備えうる。特に、包装コンベヤ25は、中間コンベヤ19の直下流側に位置する第1のコンベヤベルト33と、包装工程中に物品2を支持する第2のコンベヤベルト34と、それぞれの製品を収容した複数の包装36が包装ユニット20から出て行くことができる第3のコンベヤベルト35とを備えうる。第2のコンベヤベルト34は、第1のコンベヤベルト33と第3のコンベヤベルト35との間に配置されている。
【0064】
包装ユニット20は、包装材、より具体的には紙のリール26を支持するための支持コア(図示せず)をさらに備える。リール26は、図1に示すキャビネット27内に収容され、包装コンベヤ25の一方側に位置し、包装コンベヤ25から間隔を空けて配置される。
【0065】
図示しない繰り出し装置は、キャビネット27と包装コンベヤ25との間に配置されたプラットフォーム29の下を通過する、横方向、より詳細には前進方向Fに対して直角
である繰り出し方向Sに最初に前進する、紙の連続ウェブ28をリール26から繰り出すために配置される。
【0066】
紙の連続ウェブ28は、リール26から包装コンベヤ25への経路に沿って、前進方向Fに直角な繰り出し方向Sと最初は一致した紙の連続ウェブ28の移動方向を修正する目的を有する、複数の転換ローラと相互作用する。紙の連続ウェブ28は、転換ローラと相互作用した後、中間コンベヤ19から来ていて、今は第1のコンベヤベルト33によって移動させられた物品2が紙の連続ウェブ28の上方に位置決めされるように、包装コンベヤ25の直上方(より具体的には、第2のコンベヤベルト34の上方)で前進方向Fと平行に配置される。
【0067】
包装ユニット20は、紙の連続ウェブ28に接着剤、特に感圧接着剤を塗布するための塗布装置30を備え、この塗布装置30は、紙の連続ウェブ28と共に形成される包装を閉鎖されたままにするのに適している。塗布装置30は、1つ以上のノズル又は塗布要素を備えうる。塗布装置30は、紙の連続ウェブ28上に、例えば連続的に紙の連続ウェブ28の長手方向縁部に沿って延びる、接着剤の長手方向帯部31を塗布するように構成される。紙の連続ウェブ28が包装コンベヤ25上に位置決めされると、接着剤の長手方向帯部31は前進方向Fに平行である。塗布装置30は更に、紙の連続ウェブ28上に、横方向に、特に前進方向Fに対して直角に位置決めされた接着剤の2つの横方向帯部32を塗布するように構成されている。横方向帯部32は、紙の連続ウェブ28の長手方向縁部から反対の長手方向縁部まで連続的に延びうる。
【0068】
塗布装置30は、単一のタイプの接着剤又は互いに異なる2タイプの接着剤を包装材上に塗布するように構成することができる。塗布装置30が2つの異なるタイプの接着剤を包装材に塗布する場合、塗布装置30は、包装材上で異なる位置に塗布することができ、互いに異なる特性及び作業寿命(又は設定時間又は開放時間)を有することができる。
【0069】
紙の連続ウェブ28が物品2の周りに管状のエンクロージャ38を形成するように、包装コンベヤ25に沿って、特に第2のコンベヤベルト34に沿って、紙の連続ウェブ28の2つの反対側の長手方向フラップを物品2の周りに折る機能を有する2つの偏向要素37が設けられている。このように、接着剤の長手方向帯部31を有する紙の連続ウェブ28の長手方向縁部は、前進方向Fに連続的に平行に延びる長手方向接合部39を形成するために、紙の連続ウェブ28の更なる長手方向縁部の上方にもたらされる。長手方向接合部39に沿って、紙の連続ウェブ28の複数の長手方向縁部が互いに重なる。
【0070】
押えローラ40は、接着剤が紙の連続ウェブ28の重なっている2つの長手方向縁部を安定して接着するように長手方向接合部39に圧力を加えるために、特に第2のコンベヤベルト34の上方において包装コンベヤ25に沿って位置決めされている。
【0071】
包装ユニット20は、更に、目に見えるように意図された紙の連続ウェブ28の一部において、紙のその一部が包まれることを意図した特定の物品2に関する情報が関連付けられた識別コードを印刷するための印刷装置41を備えうる。印刷装置41によって印刷される識別コードは、バーコードとしうる。図示の例では、印刷装置41は、押えローラ40の上流側に位置決めされている。
【0072】
印刷装置41は、各包装36を個人向けにするために、すなわち、他の包装36上に印刷された情報とは異なる、その包装36の特定の情報をそれぞれの包装36上に印刷するために使用することができる。例えば、印刷装置41は、製造された各包装36を一意的に識別する、バーコードなどの識別コード(すなわち、装置1が電子商取引分野で使用される場合に消費者によってなされる各注文)を各包装36上に印刷するように構成することができる。さらに、印刷装置41を使用して、対応する包装36を配送しなければならない受領者の名前、及び/又は、その配送住所、及び/又は、包装36を追跡するために又は包装36を発送するために有用な他の任意の情報を、包装材上に印刷することが可能である。
【0073】
包装ユニット20は、さらに、連続した包装36を互いに分離し、包装36を前進方向Fに対して横方向に閉鎖するための切断及び閉鎖装置42を備える。
【0074】
図5に示すように、切断及び閉鎖装置42は、紙の連続ウェブ28を切断するために前進方向Fに対して横方向に、特に直角に延びる、切断ブレード43を備えることができ、この連続ウェブは、隣接する2つの包装36を分離するように管状エンクロージャ38を形成するために折られている。
【0075】
切断ブレード43は、2つの押え要素44の間に配置されており、図示の例では直線形状を有し、前進方向Fに対して横方向に、特に直角に延びる。押え要素44は、接着剤の横方向帯部32が前もって塗布されていた、切断ブレード43の上流側及び下流側それぞれに配置された管状エンクロージャ38の2つの部分に圧力を加えるために配置されている。
【0076】
このようにして、1つの包装36の後端部と次の包装36の前端部とをそれぞれ閉鎖するための2つの横方向接合部45が得られる。
【0077】
切断ブレード43は、包装コンベヤ25の上方に位置決めされている。包装コンベヤ25の下には、突き当て要素46が配置されており、この突き当て要素46に対して、切断ブレード43は、管状エンクロージャ38を切断するために突き当てられ、押え要素44は、接着剤によって接合されることが意図された紙の部分に圧力を加えるために突き当てられる。
【0078】
切断ブレード43及び押え要素44は、包装コンベヤ25の上方で前進方向Fに対して直角に延びる、横方向棒部材47によって支持されている。
【0079】
横方向棒部材47は、包装コンベヤ25の両側面に配置された一対のガイド48に沿って、矢印Gで示すように、垂直方向に移動可能である。また、突き当て要素46は、矢印Hで示すように、垂直方向に移動可能である。
【0080】
このようにして、横方向棒部材47と突き当て要素46は、隣接する2つの包装36を分離してそれらを切断部付近で閉鎖するために互いに向けて移動することができ、又は、紙から離れるために互いに離れるように移動することができる。
【0081】
ガイド48は、一対のキャリッジ49により、矢印Lで示すように、前進方向Fに平行に前後方向に移動可能である。このようにして、切断ブレード43と特に押え要素44は、前進方向Fに沿った管状エンクロージャ38の経路の延伸部のために紙の管状エンクロージャ38に係合したままとすることができ、その結果、押え要素44は、十分な期間だけ接着剤に圧力を加えることができる。
【0082】
切断及び閉鎖装置42が管状エンクロージャ38と相互作用した後、それぞれの製品を収容している個々の包装36が管状エンクロージャ38から分離される。第3のコンベヤベルト35は、個々の包装36を包装ユニット20から除去する。図3に示すように、包装36の寸法、特に前進方向Fに平行に測定された長さは、包装すべき物品2の寸法に応じて、包装36同士の間で可変である。
【0083】
包装ユニット20の下流側には、不適合の包装36を装置1から除去することを可能にするのに適した、包装排除装置57が配置されている。
【0084】
包装排除装置57は、前進方向Fに沿って順次配置された、最初のコンベヤ50と、傾斜可能なコンベヤ51と、最終のコンベヤ52とを備えうる。最初のコンベヤ50は、包装ベルト25から包装36を受け入れるために、包装ユニット20の下流側に配置されている。
【0085】
傾斜可能なコンベヤ51は、最初のコンベヤ50から包装36を受け入れるように意図されており、図3に示されるように、第1の位置P1又は第2の位置P2に配置しうる。第1の位置P1において、傾斜可能なコンベヤ51は、最初のコンベヤ50から最終のコンベヤ52に向かって来る包装36を搬送するために、実質的に水平に配置される。他方、第2の位置P2において、傾斜可能なコンベヤ51は、包装36を下方に転換するように下方に傾斜しており、それによって、包装36を最終のコンベヤ52の下方に位置する除去コンベヤ53に導く。排除されるべき包装36は、除去コンベヤ53から、図1に示されている、それらが蓄積される、下にある箱54上に落下する。箱54は、排除すべき包装36が満杯になると、操作者によって空にしなければならない。生産性を損なわないように、装置1を停止する必要なく、箱54は空にすることができる。
【0086】
包装排除装置57に沿って、複数のフォトセル55を設けることができる。
【0087】
作動中、装置1は、物品2が未だ供給コンベヤ3に積まれていない空の構成で作動を開始する。
【0088】
最初に、供給コンベヤ3及び物品排除装置14のコンベヤは、装置1の最大の時間毎の生産性Pmaxに対応する、前進方向Fにおける線形前進速度で移動させられる。装置1の前進方向Fに対して物品排除装置14の下流側に位置する部分は、依然として静止している。
【0089】
それぞれの作業部署6内に位置する1人以上の操作者は、各作業部署6内に存在するデータ入力装置によって識別された後、支持要素8上に位置決めされたそれぞれのクレート9から連続する物品2を拾い上げ、それらの前方に位置する供給ベルト4上に手で置く。各操作者は、自分に割り当てられた供給ベルト4上で、自分の選択した自由な位置に各々の物品2を配置することができる。供給ベルト4は、複数の物品2を、連続して、その供給ベルト4に関連するポータル11に運ぶ。ポータル11において、検出器12は、対応する供給ベルト4に積まれていた各々の物品2の前進方向Fの長さを測定する。さらに、各作業部署6において、コードリーダ56は、各々の物品2に存在する識別コードを読み取る。これにより、装置1の制御ユニットは、物品2を追跡することができる、すなわち、供給コンベヤ3上(したがって、装置1内)の物品2の位置、並びにそれぞれの識別符号に符号化された物品のデータを知ることができる。
【0090】
他の作業部署6よりもさらに下流側のポータル11、すなわち、物品排除装置14の直上流側に配置された作業部署6のポータル11では、さらに、別の検出器13によって、ポータル11で通過する物品2の高さと、前進方向Fに対して直角に物品2の幅とを測定することができる。
【0091】
この時点で、制御ユニットは、各々の物品2の寸法と、装置1が処理することができる限界寸法とを比較する。コードリーダ56によって取得された物品2のデータも分析される。制御ユニットが、物品2の寸法が装置1で処理可能な範囲内にあると判断しかつコードリーダ56により取得された物品2のデータが期待されるものに適合していると判断した場合、物品2は物品排除装置14を通過して中間コンベヤ19に入る。他方、物品2の寸法が、装置1で処理可能な範囲内に収まらない場合、及び/又は、コードリーダ56で取得された物品2のデータが期待されるものに適合しない場合、制御ユニットは、物品2を排除すると判断する。こうして、傾斜可能なコンベヤ15が第2の構成C2に移動され、物品2を除去コンベヤ16上に運ぶ。
【0092】
装置1で処理可能でありかつ期待されるに従っていることが判明した第1の物品2が、物品排除装置14に入ると、中間コンベヤ19に含まれるコンベヤベルト21が移動する。中間コンベヤ19に到着した第1の物品2は、この時点で運動状態にある包装ユニット20に向かって前進方向Fに迅速に運搬される。
【0093】
次に、装置1は、包装36を製造するために物品2の包装を開始することができる。
【0094】
動作中、中間コンベヤ19に沿って位置決めされたセンサ手段23は、前進方向Fに移動する物品2の位置を制御し、物品排除装置14から来る物品2の流れの中に空位置が存在するか否かを判定する。空位置が存在する場合、コンベヤベルト21は、空位置が充填されるように、すなわち、空位置がない、包装ユニット20に入る物品2の流れを発生させるように、空位置に追従する物品2を加速させる。これにより、包装ユニット20において、供給コンベヤ3から来る物品2の流れの中に空の位置が存在することに起因して空包装が生成されることがないことを保証する。
【0095】
他のコンベヤベルト21の線形速度から独立して選択され得る各々のコンベヤベルト21の線形速度に作用することによって、包装ユニット20に入る連続する2つの物品2の間の距離が、前述したパラメータに基づいて制御されることが保証される。
【0096】
コンベヤ19は、包装ユニット20に入る物品2の流れにおいて空位置がなく、かつ、包装ユニット20に入る連続した物品2が制御された距離にあるように、物品2を前進方向Fに順々に位置決めするので、位相及び距離制御コンベヤとして作用する。
【0097】
包装ユニット20に入る各々の物品2は、図3に示す供給検出器58によって検出され、これにより、紙の連続ウェブ28上に、その物品2を包むことになる包装36を形成することを意図した紙のゾーン内に接着剤を塗布するように、塗布装置30を作動させる。
【0098】
物品2の連続した流れ(すなわち、空位置のない)が包装ユニット20内に入るので、包装ユニット20内に物品2の連続した待ち行列が生成され、これら待ち行列の物品2が、包装されて切断閉鎖装置42の上流側で位置決めされるのを待っている。この連続した待ち行列は、リール26から繰り出された紙片に対応し、この紙片は、物品2が封入される予定の包装36を閉鎖するために適切な位置で接着剤が既に塗布されている。
【0099】
接着剤は、作業寿命あるいは設定時間あるいは開放時間を有し、すなわち、接着剤が設定されて密封された接合部を形成することができるように、接合される紙の部分が重ね合わされて互いに押し付けられなければならない時間を有する。開放時間は、使用する接着剤の種類に依存し、通常は数十秒である。包装36が閉鎖されたままであることを妥当な確実性を有するために、接着剤が塗布装置30によって紙の連続ウェブ28に塗布される瞬間と、接着される紙の重ね合わされた部分に押えローラ40及び押え要素44によって圧力が加えられる瞬間との間の時間の間隔は、接着剤の開放時間未満でなければならない。
【0100】
包装ユニット20の速度は、中間コンベヤ19の速度に関連する。より具体的には、以下に説明する論理に従って、包装ユニット20の速度が適応する、すなわち、自動的に減少又は増加する。
【0101】
上述したように、中間コンベヤ19は、緩衝装置として作用する、すなわち、制御された数の物品2が一時的に保管され、包装ユニット20に入るのを待つ一時保管ゾーンとして作用する。
【0102】
物品2の流れが、装置1の最大の時間毎の生産性Pmaxに等しい、1時間当たりの物品2の数として意図された速度で中間コンベヤ19上に到着した場合、予め定めた充填レベルが中間コンベヤ19上で維持される。
【0103】
「予め定めた充填レベル(predetermined filling level)」とは、制御されたそれぞれの相互距離で位置決めされた物品2によって占められる、前進方向Fに沿って測定された、中間コンベヤ19上の空間と、前進方向Fにおける、中間コンベヤ19上の物品2に対して利用可能な合計空間との間の比率の予め定めた値を意味する。
【0104】
換言すれば、充填レベルは、それぞれの制御された相互距離に配置される物品2が存在すると考えられる瞬間における、中間コンベヤ19の長手方向寸法と、中間コンベヤ19の合計長手方向寸法との間の比率である。
【0105】
図示の実施形態では、中間コンベヤ19上で維持される予め定めた充填レベルは、例えば、6つの内の約3つのコンベヤベルト21に等しい、平均充填レベルとすることができる。これは、包装ユニット20に隣接する予め定めた数のコンベヤベルト21が物品2によって占有されたままに保たれつつ物品排除装置14に最も近い残りのコンベヤベルト21が空である、ことを意味する。
【0106】
その結果、対象の時間の間隔において、実質的に一定である(且つ、装置1の最大の時間毎の生産性Pmaxに等しい)1時間当たりのいくつかの物品が供給される包装ユニット20は、前進方向Fにおける連続する物品2の異なる長さのみを考慮して、その線形速度、すなわち、第1のコンベヤベルト33、第2のコンベヤベルト34及び第3のコンベヤベルト35の線形速度を適応させる。換言すれば、包装ユニット20の線形速度は、包装すべき物品2の長さを考慮して、設定された時間毎の生産性が遵守され、対象のケースでは、最大の時間毎の生産性Pmaxに等しいことを保証するように、瞬時に調節される。包装ユニット20の線形速度は、包装ユニット20から来る包装36の数が、最大の時間毎の生産性Pmaxに対応するように調節される。
【0107】
現実的に起こるように、例えばこの流れにおいて空位置があるので、中間コンベヤ19に入る物品2の流れが連続的に変化する場合、空位置に追従する物品2を空位置に先行する物品2に対して加速させることにより、空位置が充填されるように、コンベヤベルト21の線形速度が調節される。コンベヤベルト21の線形速度を修正することによって、包装ユニット20に入る連続した物品2の間の距離を所望の値に等しく制御下で保持することができる。包装ユニット20は、単位時間当たりの包装ユニット20が中間コンベヤ19から受け入れる物品2の数及び寸法に応じて、線形速度及び時間当たりの生産性の両方を意味する可変速度で作動する。
【0108】
包装ユニット20の速度は、この場合、中間コンベヤ19において予め定めた充填レベルを保つように選択される、すなわち、中間コンベヤ19上で制御された相互距離で位置決めされた物品2が占める、前進方向Fで測定された、中間コンベヤ19の長手方向寸法と、前進方向Fに沿って測定された、物品2を受け入れるために利用可能な中間コンベヤ19の合計長手方向寸法との間の比率の予め定めた値を保つように選択される。
【0109】
図示の例では、予め定めた充填レベルは、物品2が占める予め定めた数のコンベヤベルト21に対応している。この充填レベルは、例えば、50%としうる、すなわち、物品2によって占められている、6つのコンベヤベルト21の内の3つのコンベヤベルト21に対応するものとしうる。
【0110】
例えば作業部署6内に存在する操作者の数が減少したために、中間コンベヤ19から単位時間で受け入れられる物品2の数が非常に著しく減少して予め定めた数を下回った場合、制御ユニットは、物品2が存在するコンベヤベルト21の数が最小であることを保証するように構成されている。例えば、物品2が、包装ユニット20の直上流側のコンベヤベルト21上にのみ蓄積されること、又は、物品2がコンベヤベルト21上に蓄積されることなく、包装ユニット20に即座に移送されることさえ保証することができる。この結果は、包装ユニット20の速度を適応させることによって得られる。
【0111】
より具体的には、包装ユニット20は、この場合、生産性、すなわち、単位時間当たりに形成される包装の数を意味する、速度を減速する。特に、包装ユニット20の生産性は、この場合、塗布装置30によって塗布される接着剤の作業寿命又は開放時間に基づいて決定される。換言すれば、中間コンベヤ19に入る物品2の流れが少ない条件下では、包装ユニット20の速度を決めるパラメータは、もはや中間コンベヤ19の充填レベルではなく、接着剤の作業寿命又は開放時間となる。すなわち、これらの条件では、包装ユニット20は、接着剤の開放時間と適合する最低の生産速度で作動する。換言すれば、包装ユニット20の速度は、それぞれの接合部が閉鎖される前の、接着剤が紙上に残る時間が接着剤の開放時間よりも短くなるように調節される。
【0112】
中間コンベヤ19上に他の物品が到着しない場合、包装ユニット20は、接着剤の開放時間と適合するように、上述したように低速で進行し、切断閉鎖装置42の上流側にある包装ユニット20内に存在する全ての物品2を包装する。従って、包装ユニット20は次第に空にされる。
【0113】
包装すべき物品2が包装ユニット20内に存在しなくなると、包装ユニット20は、中間コンベヤ19から新しい物品2を受け入れるのを待つ間、停止する。
【0114】
中間コンベヤ19上の物品2の流れが再び作動させられると、包装ユニット20は動作に戻り、しかしながら、リール26から既に繰り出されておりかつ物品2が存在しなかった空位置に対応する包装ユニット20に存在する紙は、空包装であるかのように、包装ユニット20の排出部で包装排除装置57を用いて排除されることを保証する。
【0115】
包装ユニットの開始は、装置1の空の構成から、上述したものよりも高度な他のタイプのロジックを採用することによってさらに制御することができる。例えば、包装ユニット20は、予め定めた数の物品2が中間コンベヤ19上に蓄積されたときのみ再始動するように制御することができる。次いで、この予め定めた最小数の物品2は、様々なパラメータ、例えば、作業部署6に存在する操作者の数、供給コンベヤ3に入っている物品2の数、装置1の予め定めた初期部分に存在する全ての物品の長さのミリメートル単位の合計、及び、その他を考慮に入れる、基準又はアルゴリズムに基づいて定義され得る。この目的は、不必要な紙の浪費をもたらすことになるであろう、短時間の間に包装ユニット20が再び停止することを防止するように、供給部において相当数の物品2が存在することに妥当な確実性がある場合にのみ包装ユニット20を再始動させることである。
【0116】
以上で説明してきた装置1の実施形態では、前進方向Fに沿って順番に配置された複数のコンベヤベルト21を備える中間コンベヤ19であって、空位置に続いて物品2を搬送する少なくとも1つのコンベヤベルト21の速度を、空位置に先行して物品2を搬送する少なくとも1つの更なるベルトコンベヤ21の速度に対して上げることによって、中間コンベヤ19に沿った任意の空位置が充填される、中間コンベヤ19を常に言及してきた。
【0117】
しかしながら、また、先行するコンベヤベルト19に対する後続のコンベヤベルト21の速さを増すこととは異なる手順を採用することによっても、中間コンベヤ19に沿った任意の空の位置を充填すること、及び/又は、中間コンベヤ19に沿った制御された相互距離で物品2を位置決めすることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】