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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138155
(43)【公開日】2022-09-22
(54)【発明の名称】排便誘導座台付きおむつセット
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/495 20060101AFI20220914BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20220914BHJP
   A61F 13/68 20060101ALI20220914BHJP
   A61F 13/70 20060101ALI20220914BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20220914BHJP
   A61F 13/472 20060101ALI20220914BHJP
   A61F 13/505 20060101ALI20220914BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
A61F13/495
A61F13/49 413
A61F13/68 100
A61F13/70
A61F13/47 100
A61F13/472 200
A61F13/505 100
A61F5/44 H
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036473
(22)【出願日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0031070
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522094347
【氏名又は名称】カン、ヨンジャ
【氏名又は名称原語表記】Young Ja, Kang
【住所又は居所原語表記】68-7, Chungmu-ro, Jung-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】カン、ヨンジャ
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA08
3B200CA11
3B200CB02
3B200DB27
3B200DF20
4C098AA09
4C098CC02
4C098CC14
4C098CD01
4C098CE06
4C098CE14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】排便誘導座台付きおむつセットを提供する。
【解決手段】おむつカバーの上側には排便袋部付きフリップ分離型おむつ1-1を載置し、おむつの排便袋の後端には「コ」字状の排便誘導座台25を配設する。おむつカバーは、腰ベルト部110とおむつ受け部120とに分割して面ファスナー113,114,122,123により着脱できるようにし、おむつ(フリップ分離型おむつまたはフリップ一体型おむつ)は、排便袋の後端に座台収納袋を設けて座台を座台収納袋に収納して配設できるようにし、「コ」字状の座台は、底面の後端部に後端の上側に傾いた斜面を形成してなることを特徴とする排便誘導座台付きおむつセット100。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつカバーの上側には排便袋部付きフリップ分離型おむつを載置し、前記おむつの排便袋の後端には「コ」字状の排便誘導座台を配設したものにおいて、
前記おむつカバーは、腰ベルト部とおむつ受け部に分割して面ファスナーにより着脱できるようにし、
前記フリップ分離型おむつは、排便袋の後端には座台収納用の座台収納袋を形成し、
前記「コ」字状の排便誘導座台は、底面の後端部には後端の上側に∠θに見合う分だけ斜面を形成したことを特徴とする排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項2】
フリップ一体型おむつに形成された排便袋の上側に「コ」字状の排便誘導座台を配設したものにおいて、
前記フリップ一体型おむつは、排便袋の後端に座台収納用の座台収納袋を形成し、
前記「コ」字状の排便誘導座台は、底面の後端部に後端の上側に∠θに見合う分だけ斜面を形成したことを特徴とする排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項3】
分割されたおむつカバーの腰ベルト部は、
腰ベルトを長尺に、かつ、幅の方を長さよりも相対的に短く形成し、
腰ベルトの両端に腰帯結束用面ファスナーをそれぞれ取り付け、腰ベルトの長手方向の一方の端に一対のおむつ受け帯結束用面ファスナーを離間させて取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項4】
分割されたおむつカバーのおむつ受け部は、
おむつ受けを長尺に、かつ、幅の方を長さよりも相対的に短く形成するが、長さと幅をおむつよりも大きく形成し、
おむつ受けの上端と下端に結束用面ファスナーをそれぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項5】
フリップ分離型おむつとフリップ一体型おむつは、
排便袋の先端に小便収容部をさらに形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項6】
排便誘導座台の斜面がなす角度∠θは、
10~45°であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項7】
排便誘導座台は、
斜面、尻部背面受け部の底面、尻部側面受け部の底面のうちのいずれか一つの面または2以上の底面に接着剤層を塗布し、接着剤層の外面に剥離紙を貼着したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項8】
排便誘導座台は、
尻部背面受け部の上面、尻部側面受け部の上面、斜面のうちのいずれか一つの面またはこれらの3面に不織布、織物地、紙類のうちのいずれか一つを貼着したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項9】
排便誘導座台は、
尻部背面受け部の上面を湾曲凹溝部として形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項10】
排便誘導座台は、
斜面と同じ方向において両側の尻部側面受け部の外周縁に尻部受け三角突片を並ぶようにそれぞれ形成し、
前記尻部受け三角突片が形成された尻部側面受け部の反対面を湾曲斜面として形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項11】
排便誘導座台は、
尻部側面受け部の内側に形成された開放部の内周面に用便収納部を着脱できるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項12】
排便袋の先端にさらに形成される小便収容部は、
上シートに小便袋を取り付け、
小便袋の内部には吸収材を充填し、
小便袋の上面には表面に微孔が穿設された小便収容部カバーシートを貼り付けたことを特徴とする請求項5に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項13】
尻部側面受け部の外周縁に形成される尻部受け三角突片は、
三角形の高さh2を5~30mmに形成したことを特徴とする請求項10に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【請求項14】
尻部側面受け部の開放部の内周面に着脱される用便収納部は、
排便誘導座台の開放部の内周面と底面に垂直結着凹面と水平結着凹面とを互いに連なるように形成するが、垂直結着凹面に結着凹溝を形成し、
前記用便収納部は、外周に結着突片が形成された環状結着突縁を円筒状または四角い形状に形成し、環状結着突縁の外面の下端にフランジを一体に形成し、フランジの底面には吸収部材の内蔵された用便収納筒を一体に形成したことを特徴とする請求項11に記載の排便誘導座台付きおむつセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつの上側に排便誘導座台を備えてなる排便誘導座台付きおむつセットに関する。
【0002】
これについてより詳しく述べると、おむつカバーの上側には排便袋部付きおむつを載置し、前記おむつの排便袋の後端には「コ」字状の座台を配設するが、前記おむつカバーは、腰ベルト部とおむつ受け部とに分割して面ファスナーにより着脱できるようにし、おむつ(フリップ分離型おむつまたはフリップ一体型おむつ)は、排便袋の後端には座台収納袋を設けて座台を座台収納袋に収納して配設できるようにし、「コ」字状の座台は、底面の後端部に後端の上側に傾いた斜面を形成してなる排便誘導座台付きおむつセットを提供することを目指している。
【背景技術】
【0003】
乳幼児用及び成人用に使われる使い捨ておむつ(disposable diaper)は、普通、一回使った後に廃棄されており、使い捨ておむつは、大小便などの体内から排出される分泌物を吸収し、吸収された分泌物を含有して肌などの身体を保護する主な機能を行い、したがって、使い捨ておむつは、身体から排出される分泌物が着用者が着ている服や周りの他の製品を汚したり濡らしたりすることを防ぐことができる。
【0004】
このような機能を有する使い捨ておむつは、通常、着用者の肌に直接的に触れる液体透過性上シート(top sheet)と着用の際に外部の表面を形成する背面シート(back sheet)、及び前記上シート(top sheet)と背面シート(back sheet)との間に介装される吸収体(absorbent core)、並びに弾性体を有する脚フラップ(flap)と締付け手段を基本的な要素として備えてなる。
【0005】
特に、普通使われている使い捨ておむつは、不織布製の吸着シートと防水材質製の防水シートが高吸収材製の吸収層の両側にそれぞれ積み重ねられておむつ本体を構成し、前記おむつ本体を着用するときに着用者の腰と脚との間及び尻部を包み込む部分が着用者に密着されるようにおむつ本体に弾性体が配設されており、前記おむつ本体の一方の側に貼着された接着テープを用いて着用するようになっている。
【0006】
上記のような基本的な構成要素を備えるおむつは、様々な組み合わせによりいろいろな形状(パターン及び模様)におむつを形成することができるが、米国特許第3,860,003号(1975年1月14日)に提案された構成のものが、好適な使い捨ておむつの基本的なタイプとして広く引用されている。
【0007】
しかしながら、上記のような使い捨ておむつは、弾性体を有する脚フラップ(flap)がおむつの周縁に触れる服との間に流体透過性の遮断膜を形成し、着用者の脚近くにガスケッティング作用を与えるという点で、おむつに積載される体内分泌物がおむつの周縁に触れる服に流れ出てしまうということを防ぐ上で有効であるものの、単一の脚フラップ(flap)により多量の水分が含有されている分泌物の漏れを遮断するのには限界がある。
【0008】
このような不都合は、脚フラップの内側に弾性体を有する遮断体をさらに付設することにより解消することができ、遮断体は、様々な組み合わせによるいろいろな実施形態が提案されている。
【0009】
例えば、大韓民国登録特許第1993-000008号公告には弾性部材付き「フラップ」が脚フラップの内側に設けられており、大韓民国登録特許第1994-0008959号公告には「遮断カフ」が脚フラップと吸収体との間に設けられており、大韓民国登録特許第1995-0008172号公告には「うんこバンド」を高さが同じである2重うんこバンドから構成したタイプが提案されている。
【0010】
上述したように、これらの使い捨ておむつの構成要素のうち、上シート(top sheet)は、肌触りが柔らかく、しかも、着用者の肌に刺激を与えなければならず、これだけではなく、液状の体分泌物が速やかに通過して吸収体に流れ込める物性を有していなければならず、このような物性を有する上シートは、気孔プラスチックフィルム、天然繊維、合成繊維、天然及び合成繊維の混合物などといった広範な物質により製造されている。
【0011】
また、吸収体は、液状の体分泌物を吸収及び保持する手段として使われるものであり、吸収体の吸収物質としては、毛羽パルプ(fluff pulp)及び高吸収性樹脂(super absorbent polymer)、これらを包むティッシュ―(tissue)などが挙げられ、吸収体は、液体透過性の上シート(top sheet)を通過する体液を速やかに吸収し、吸収された体液が肌に触れるということを防ぐために体液を保持する機能を行うことになるが、吸収体の大きさ及び形状と構造並びに吸収能などは乳児から成人に至るまで様々な着用者に適するように構成される。
【0012】
背面シート(back sheet)は、液体に対して不透過性であるため、吸収体に吸収される体分泌物がおむつに触れる着用者の衣服やベッドシートなどの製品を汚したり濡らしたりしないようにする。したがって、背面シート(back sheet)は、液体に対しては不透過性であり、気体に対しては透過性であることが好ましく、このような物性を有するものとして、通常、プラスチックフィルムが使われてきており、近年には、ポリエチレンフィルムに不織布を貼着した素材が汎用されている。
【0013】
脚フラップ(flap)は、おむつを着用したときに着用者の脚に固定されるようにするためにそれぞれの縦の周縁と隣り合うように位置し、前述した米国特許第3,860,003号に具体的に述べられているように、側面フラップ及びフラップ弾性体からなる。
【0014】
うんこバンドは、吸収体に吸収できない体分泌物(大便及び小便など)の漏れを防ぐために、通常の使い捨ておむつの吸収体と隣り合うように形成され、液体透過性または液体不透過性の材質から作製される。
【0015】
上記のような使い捨ておむつについて、添付図面の図5a及び図5bに基づいて説明する。
【0016】
一体に形成された下シート2と上シート3は、背面部6-1と中央部6-2及び前面部6-3により形成されており、上シート3の両側の周縁には漏れ止め用側面フリップ12が形成されており、背面部6-1の両側には接着部9付きバンド部8を形成するが、各バンド部8の下端には弾性部材8-1が配設されており、中央部6-2の途中部分と前面部6-3の各両側には接着部11付き前面添接板10がそれぞれ形成されている。
【0017】
しかしながら、上記のような使い捨ておむつは、当然のことながら、着用に際して着用者の肌に副作用があってはならないはずであるが、使い捨ておむつを着用すれば、掻痒症(肌がかゆい症状)、紅斑(肌の赤い斑点)及び肌のただれが起こる場合がしばしばあり、これにより、激しい痛みと不愉快感を与えてしまうという不都合がある。
【0018】
このような副作用は、排泄物から発せられるアンモニアによる肌への刺激、排泄物が肌に直接的に触れたり吸収体に吸収されたままで肌に触れたりしたことに起因する肌の表面における細菌の活性化による肌への刺激、使い捨ておむつ素材と肌との摩擦を引き起こす物理的及び化学的な刺激、着用中に生じる過剰な湿気などの複合的な要因により起こるだろうと推察されている。
【0019】
上記のような不都合を解消するために、本出願人は、大韓民国登録特許第10-1141853号(用便貯留室が形成された使い捨ておむつ)と大韓民国実用新案登録第20-0467843号(用便袋取換え型おむつ)及び大韓民国公開特許第10-2015-0042920号(排便袋着脱型おむつ)、並びに大韓民国公開特許第10-2000-0068444号(漏れ止め堰付き吸収用品)と日本国公開特許特開第2005-144130号(排泄補助用具)などを提案している。
【0020】
上記において、大韓民国登録特許第10-1141853号(用便貯留室が形成された使い捨ておむつ)は、下シートと上シートとが貼り合わせられて形成される中央部に用便貯留袋を形成するが、上シートの中央部には流込み口が穿設された添接板を固定して上シートと添接板との間に用便貯留室を形成し、用便貯留室には吸収部材を設け、流込み口の上面には一時遮断紙を貼着して形成したものである。
【0021】
大韓民国登録特許第10-1141853号(用便貯留室が形成された使い捨ておむつ)は、一体に形成された下シートと上シートは背面部と中央部及び前面部により形成されており、上シートの両側の周縁には漏れ止め用側面フリップが形成されており、背面部の両側には接着部付きバンド部を形成するが、各バンド部の下端には弾性部材が配設されており、中央部の途中部分と前面部の各両側には接着部付き前面添接板がそれぞれ形成されており、前記中央部には上シートの汚物流込み口により下シートと上シートとの間に汚物貯留室が形成されている。
【0022】
大韓民国実用新案登録第20-0467843号(用便袋取換え型おむつ)及び大韓民国公開特許第10-2015-0042920号(排便袋着脱型おむつ)は、おむつの中央部に排泄袋配設孔を穿孔し、排泄袋配設孔には排泄袋を着脱できるようになっているものである。
【0023】
しかしながら、上記のようなおむつは、たとえ、用便貯留室または排泄袋を設けてはいるものの、排泄物が肌に直接的に触れたり吸収体に吸収されたままで肌に触れたりするがゆえに、肌の表面における細菌による肌のトラブルを排除することができなかった。
【0024】
また、大韓民国公開特許第10-2000-0068444号(漏れ止め堰付き吸収用品)は、円柱状の漏れ止め堰を吸収用品(おむつ)の上面における後部(着用者の尻部の後方部分)に設けたがゆえに、吸収用品(おむつ)を着用したときに漏れ止め堰を固定することができず、着用者が動いてしまうと、着用位置がすぐ変わったり移動したりするという現象が生じ、このため、着用者の用便を効率よく処理しかつ管理することができないという不具合がある。
【0025】
日本国公開特許特開第2005-144130号(排泄補助用具)は、中央が空間部からなる楕円状の空気袋状に形成されたものであって、使用をするときには楕円状の空気袋の内部に空気を一々充填することを余儀なくされるという煩雑さと、使用後には排泄物質が付いている空気袋から空気を自ら抜き出すことを余儀なくされるという煩雑さがあり、これもまた、着用したときに排泄補助用具を固定することができず、着用者が動いてしまうと、着用位置がすぐ変わったり移動したりするという現象が生じ、このため、着用者の用便を効率よく処理しかつ管理することができないという不具合がある。
【0026】
さらに、おむつカバーによりおむつを保護するようになっているものとして、大韓民国実用新案登録第20-0411904号(おむつ)が提案されているが、これは、カバーの上側にパッドを面ファスナーなどの接着手段により着脱できるようになっているものであり、単にパッドをカバーから取り替えながら使える(着用できる)ようになっているものに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】米国特許第3,860,003号
【特許文献2】大韓民国登録特許第1993-000008号公告
【特許文献3】大韓民国登録特許第1994-0008959号
【特許文献4】大韓民国登録特許第1995-0008172号公告
【特許文献5】大韓民国登録特許第10-1141853号
【特許文献6】大韓民国実用新案登録第20-0467843号
【特許文献7】大韓民国公開特許第10-2015-0042920号
【特許文献8】大韓民国公開特許第10-2000-0068444号
【特許文献9】日本国公開特許特開第2005-144130号
【特許文献10】大韓民国実用新案登録第20-0411904号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明は、上記のような問題と不都合や不具合を解消できるように構成される排便誘導座台付きおむつセットを提供することをその目的としている。
【0029】
本発明は、おむつカバーの上側には排便袋部付きフリップ分離型おむつを載置し、前記おむつの排便袋の後端には「コ」字状の座台を配設するが、前記おむつカバーは、腰ベルト部とおむつ受け部とに分割して面ファスナーにより着脱できるようにし、おむつ(フリップ分離型おむつまたはフリップ一体型おむつ)は、排便袋の後端には座台収納袋を設けて座台を座台収納袋に収納して配設できるようにし、前記「コ」字状の座台は、底面の後端部に後端の上側に傾いた斜面を形成したことを特徴とする排便誘導座台付きおむつセットを提供するところにその他の目的がある。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、おむつカバーを腰ベルト部とおむつ受け部とに分割して面ファスナーにより着脱できるようにすることで、腰ベルト部とおむつ受け部とを結合した状態では、通常、おむつを着用するときに使い、腰ベルト部とおむつ受け部とを分離した状態では、腰ベルト部は腰を保護する腰ベルトとして使うことができ、おむつ(フリップ分離型おむつまたはフリップ一体型おむつ)は、排便袋の後端には座台収納袋を設けることにより、おむつを着用しようとするときに座台を座台収納袋に収納したうえで着用して着心地を良好に保ち、着用後にも座台が座台収納袋から離脱するという現象を防いで排便を容易にかつ快適に行えるように誘導し、「コ」字状の座台は、底面の後端部に後端の上側に傾いた斜面を形成することにより、座台収納袋に収納して、たとえおむつを着用したままの状態で長時間にわたって横たわっているとしても、座台が尻部と密着されるようにし、座台とおむつと着用者とが一体感を有するようにして着心地を大幅に向上させることができ、たとえ着用者が排泄するとしても、排泄物を座台を介して排便袋に容易に導いて着用者が快適な状態を保つように構成される排便誘導座台付きおむつセットを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の上記及びその他の目的は、おむつカバーの上側には排便袋部付きフリップ分離型おむつを載置し、前記おむつの排便袋の後端には「コ」字状の座台を配設したものにおいて、前記おむつカバーは、腰ベルト部とおむつ受け部とに分割して面ファスナーにより着脱できるようにし、前記フリップ分離型おむつは、排便袋の後端には座台収納袋を設けて座台を座台収納袋に収納して配設できるようにし、前記「コ」字状の座台は、底面の後端部に後端の上側に傾いた斜面を形成したことを特徴とする排便誘導座台付きおむつセットにより成し遂げられる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットは、おむつカバーの上側には排便袋部付きおむつを載置し、前記おむつの排便袋の後端には「コ」字状の座台を配設するが、前記おむつカバーは、腰ベルト部とおむつ受け部とに分割して面ファスナーにより着脱できるようにし、おむつ(フリップ分離型おむつまたはフリップ一体型おむつ)は、排便袋の後端には座台収納袋を設けて座台を座台収納袋に収納して配設できるようにし、「コ」字状の座台は、底面の後端部に後端の上側に傾いた斜面を形成してなることを特徴とする。
【0033】
本発明は、おむつカバーを腰ベルト部とおむつ受け部とに分割して面ファスナーにより着脱できるようにすることで、腰ベルト部とおむつ受け部とを結合した状態では、通常、おむつを着用するときに使い、腰ベルト部とおむつ受け部とを分離した状態では、腰ベルト部は腰を保護する腰ベルトとして使うことができ、おむつ(フリップ分離型おむつまたはフリップ一体型おむつ)は、排便袋の後端には座台収納袋を設けることにより、おむつを着用しようとするときに座台を座台収納袋に収納したうえで着用して着心地を良好に保ち、着用後にも座台が座台収納袋から離脱するという現象を防いで排便を容易にかつ快適に行えるように誘導し、「コ」字状の座台は、底面の後端部に後端の上側に傾いた斜面を形成することにより、座台収納袋に収納して、たとえおむつを着用したままの状態で長時間にわたって横たわっているとしても、座台が尻部と密着されるようにし、座台とおむつと着用者とが一体感を有するようにして着心地を大幅に向上させることができ、たとえ着用者が排泄するとしても、排泄物を座台を介して排便袋に容易に導いて着用者が快適な状態を保つようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットを分解して示す例示斜視図。
図2a図1に例示された本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットの側断面図。
図2b図1に例示された本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットの要部拡大断面図。
図3】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットの他の実施形態を示す斜視図。
図4図3に例示された本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットの側断面図。
図5a】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットから座台を抜き出して示す正面斜視図。
図5b】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットから座台を抜き出して示す背面斜視図
図5c】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットから座台を抜き出して示す一実施形態の側断面図。
図5d】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットから座台を抜き出して示す他の実施形態の側断面図。
図6a】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台の他の実施形態を示す例示図であり、上面から眺めた斜視図
図6b】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台の他の実施形態を示す例示図であり、底面から眺めた斜視図
図6c】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台の他の実施形態を示す例示図であり、一実施形態の側断面図。
図6d】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台の他の実施形態を示す例示図であり、他の実施形態の側断面図。
図7a】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台のさらに他の実施形態を示す例示図であり、倒立斜視図。
図7b】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台のさらに他の実施形態を示す例示図であり、一実施形態の側断面図。
図7c】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台のさらに他の実施形態を示す例示図であり、他の実施形態の側断面図。
図8】本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおいて、排便誘導座台の開放部の内周面に着脱式の用便収納部を直接的に設けた状態を示す断面例示図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の前記及びその他の目的と特徴は、添付図面に基づく次の詳細な説明によりなお一層明確に理解できるはずである。
【0036】
添付図面の図1から図8は、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットの具体的な実現例を示す例示図である。
【0037】
図1図2a及び図2bは、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットを分解して示す例示図、及び分解された腰ベルト部の使用状態を示す例示図と側断面図及び要部拡大断面図であり、図3及び図4は、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットの他の実施形態を示す斜視図及び側断面図である。
【0038】
図5aから図5dは、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットから排便誘導座台25を抜き出して示す一例示図(正面斜視図、背面斜視図、それぞれ異なる実施形態の側断面図)であり、図6aから図6dは、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台25の他の実施形態を示す例示図(正面斜視図、背面斜視図、それぞれ異なる実施形態の側断面図)であり、図7aから図7cは、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台25のさらに他の実施形態を示す例示図であり、倒立斜視図及びそれぞれ異なる実施形態の側断面図である。
【0039】
図8は、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおいて、排便誘導座台25の開放部の内周面30に着脱式の用便収納部35を直接的に設けた状態を示す断面例示図である。
【0040】
まず、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットの構造について説明する。
【0041】
図1から図2bに例示された本発明に係る座台付きおむつセット100(100-1)は、腰ベルト部110とおむつ受け部120、前記おむつ受け部120の上面に載置されるおむつ1(1-1)、及び前記おむつ1(1-1)に結合される排便誘導座台25に大きく分けて形成した。
【0042】
上記において、おむつカバー101は、腰ベルト部110とおむつ受け部120とに分けて形成した。
【0043】
前記腰ベルト部110は、腰ベルト111を長尺に、かつ、幅の方が長さよりも相対的に小さな長方形の形状に形成し、腰ベルト111の両端において対応する面には腰ベルト結束用面ファスナー112(112-1,112-2)をそれぞれ取り付けて腰ベルト111を円滑に着用できるようにした。
【0044】
腰ベルト111の一方の面における下端には一対のおむつ受け帯結束用面ファスナー113,114を左右に離間させてそれぞれ取り付けて腰ベルト111を着用者の腰に着用した状態でフリップ分離型おむつ1(1-1)付きおむつ受け121を着用者の内股に容易に着用できるようにした。
【0045】
特に、前記腰ベルト111は、おむつを着用しないときに腰に着用して、通常、腰を保護するベルトとしても使えるという効果も得られる。
【0046】
前記腰ベルト部110に着脱されるおむつ受け部120は、おむつ受け121の長さと幅をフリップ分離型おむつ1-1の長さと幅よりも相対的に長くかつ広く形成して、おむつ受け121によりフリップ分離型おむつ1-1を十分に包み込めるようにし、おむつ受け121の上端と下端には結束用面ファスナー122,123を取り付けて腰ベルト111に形成されたおむつ受け帯結束用面ファスナー113,114に着脱して着用したり取り外したりできるようにした。
【0047】
前記おむつ受け部120を形成するおむつ受け121の上面に載置されるフリップ分離型おむつ1(1-1)は、次のようにして形成した。
【0048】
おむつ本体を形成する上シート2は、両側の端部に漏れ止めフリップ8を並ぶように形成し、おむつ本体は、中央部5の前後に前面部5-1と背面部5-2を形成し、前記中央部5は、排便袋21の内部に吸収部材22が充填された排便収容部20を後部に形成した。
【0049】
前記排便収容部20の前方(先端)には小便収容部30を配設したが、小便袋31の内部に吸収材32が充填され、表面に微孔34が穿設された小便収容部カバーシート33を貼り付けた。
【0050】
また、前記フリップ分離型おむつ1(1-1)の下シート3の長手方向の中央線の上には、具体的に図示はしないが、接着剤を塗布し、剥離紙を貼り付けて、剥離紙を引き剥がした状態で接着剤によりフリップ分離型おむつ1(1-1)をおむつ受け121に手軽に接着し、接着された状態が解除されたり、フリップ分離型おむつ1(1-1)がおむつ受け121から分離されたりするという現象を防げるようにした。
【0051】
図3から図4bは、本発明に係る座台付きおむつセット100(100-2)の他の実施形態を示すものであり、フリップ一体型おむつ1(1-2)と前記フリップ一体型おむつ1(1-2)に結合される排便誘導座台25とに大きく分けて形成した。
【0052】
上記において、フリップ一体型おむつ1(1-2)は、次のようにして形成した。
【0053】
おむつ本体を形成する上シート2は、両側の端部に漏れ止めフリップ8を並ぶように形成し、おむつ本体は、中央部5の前後に前面部5-1と背面部5-2を形成した。
【0054】
上シート2を形成する前面部5-1の両側と背面部5-2の両側には接着部11,10付きバンドフリップ部7,6をそれぞれ一体形に形成し、背面部5-1とバンドフリップ部6,7の適宜な個所には弾性部材9-1,9-2を配設した。
【0055】
フリップ分離型おむつ1(1-1)とフリップ一体型おむつ1(1-2)において、上記のような構成は通常的によく知られている構成であるため、これらの構成についての具体的な説明は省略する。
【0056】
前記図1から図2b、及び図3から図4bに例示されたように形成された本発明に係る座台付きおむつセット100(100-2)に係るフリップ一体型おむつ1(1-2)とフリップ一体型おむつ1(1-2)において、中央部5の後部には排便袋21の内部に吸収部材22が充填された排便収容部20を形成し、前記排便収容部20の前方(先端)には小便袋31の内部に吸収材32が充填され、表面に微孔34が穿設された小便収容部カバーシート33を貼り付けてなる小便収容部30を配設した。
【0057】
特に、前記排便収容部20における排便袋21の上部の後側には座台収納袋23を排便袋21の方向に開かれるように取り付けて、座台収納袋23に排便誘導座台25を収納・配設して使いやすいようにし、座台収納袋23は、上シート2と同じ材質(不織布など)または弾力性のある材質から形成して着用者の肌にトラブルが生じないようにすることが好ましい。
【0058】
また、前記中央部5の底面には排便収容部20の排便袋21と小便収容部30の小便袋31が外部に晒されないようにしながら、これら(排便袋21と小便袋31)を受け止めて保護できるように下シート3を配設した。
【0059】
上記のようにして形成された本発明に係る座台付きおむつセット100(100-2)のフリップ一体型おむつ1(1-2)とフリップ一体型おむつ1(1-2)にそれぞれ形成された座台袋23に結合されて使われる排便誘導座台25は、図5aから図5d及び図6aから図6dに例示されたようにして形成した。
【0060】
図5aから図5d及び図6aから図6dに例示された排便誘導座台25は、尻部背面受け部26の両側に尻部側面受け部27を並ぶように形成して全体的に「∩」字状に形成するが、中央には開放部29が形成されるようにし、尻部背面受け部26の底面の後端を後方の上側に傾いた斜面28として形成した。
【0061】
上記のように、排便誘導座台25を、尻部背面受け部26の両側に尻部側面受け部27が並ぶように形成された「∩」字状に形成することにより、着用者の尻部と尻部の側部を完全に受け止めて支持できるようにし、中央に開放部29を形成することにより、着用者の内股(鼠径部)が拒否感を感じないようにした。
【0062】
排便誘導座台25は、発泡樹脂をはじめとしてシリコン、合成樹脂、ゴム材などから形成して柔らかくて着心地を良好にし、着用者の体重及び外部の衝撃を吸収して緩衝力を有するようにした。
【0063】
排便誘導座台25は、図5d及び図6dに例示されたように、尻部背面受け部26の上面を穏やかな湾曲凹溝部26-1として形成して良好な肌触り性を有するようにした。
【0064】
特に、尻部背面受け部26の底面の後端に形成された斜面28がなす角度∠θは、10~45°、好ましくは、20~35°の角度に保って、着用者が横たわったり座ったりした状態で排便誘導座台25の着用に伴う異質感と拒否感を全く感じないようにした。
【0065】
これだけではなく、排便誘導座台25の高さh1を5~40mm、好ましくは、10mm、15mm、20mm、25mm、30mmの高さに保って、乳児、幼児、成人など使用者に応じて様々な高さに保つようにした。
【0066】
また、本発明に係る排便誘導座台25は、図5aから図5dに例示されたように、排便誘導座台25の外面の全体にコーティング膜25-1を被覆するか、または具体的に図示はしないが、尻部背面受け部26と尻部側面受け部27の上面にコーティング膜25-1を被覆するか、または尻部側面受け部27の上面にのみコーティング膜25-1を被覆するなどしてもよい。
【0067】
このように、排便誘導座台25の全体の外面、または尻部背面受け部26と尻部側面受け部27の上面、または尻部側面受け部27の上面にコーティング膜25-1として不織布、織物、紙類などを被覆すると、排便誘導座台25を着用したときに肌との接触に伴う肌のトラブルを予防することが可能になる。
【0068】
また、本発明に係る排便誘導座台25は、図6aから図6dに例示されたように、尻部背面受け部26の底面と斜面28に接着剤層40を塗布し、剥離紙41を貼り付けた。
【0069】
具体的に図示はしないが、尻部側面受け部27の底面と尻部背面受け部26の底面及び斜面28に接着剤層40を塗布し、剥離紙41を貼り付けたり、尻部側面受け部27の底面と尻部背面受け部26の底面に接着剤層40を塗布し、剥離紙41を貼り付けたりしてもよい。
【0070】
このように、本発明に係る排便誘導座台25において、尻部背面受け部26の底面と斜面28・尻部側面受け部27の底面と尻部背面受け部26の底面及び斜面28・尻部側面受け部27の底面と尻部背面受け部26の底面に接着剤層40をそれぞれ塗布し、剥離紙41を貼り付けると、排便誘導座台25を排便収容部20の上側に配設するときに剥離紙41を引き剥がした状態で接着剤層40により排便誘導座台25を排便収容部20の上側外面(上シート2)に強固に接着することができ、したがって、着用者が体を動いたり(寝返りを打ったり)移動したりするときに排便誘導座台25が排便収容部20から離脱したり変形されたりするという現象を根本的に防ぐことが可能になる。
【0071】
図7aから図7cは、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおける排便誘導座台25のさらに他の実施形態を示す例示図である。
【0072】
斜面28と同じ方向(尻部側面受け部27の底面)において、両側尻部側面受け部27の外周縁には尻部受け三角突片27-1を並ぶようにそれぞれ形成し、前記尻部受け三角突片27-1が形成された尻部側面受け部27の反対面(表面)を湾曲斜面26-1として形成し、前記両側尻部側面受け部27の外周縁に形成される尻部受け三角突片27-1は、乳児と成人を考慮に入れて、高さh2を5~30mmに保つことが好ましい。
【0073】
排便誘導座台25を図7aから図7cに例示されたように配設すると、排便誘導座台25をひっくり返してフリップ分離型おむつ1-1及びフリップ一体型おむつ1-1の座台収納袋23に配設することができる。
【0074】
上記のように、図7aから図7cに例示された排便誘導座台25を座台収納袋23にひっくり返して配設すれば、着用者の尻部が斜面と尻部受け三角突片27-1の上に受け止められるので、着用者の肛門が開放部29に位置することになり、その結果、用便をしやすくなり、用便が開放部29を介して排便収容部20に円滑に収容されて、たとえ着用者は排便をするとしても、清潔かつ快適な状態を保つことが可能になる。
【0075】
図8は、本発明に係る排便誘導座台付きおむつセットにおいて、排便誘導座台25の開放部の内周面30に着脱式の用便収納部35を直接的に設けた状態を示す断面例示図である。
【0076】
排便誘導座台25の開放部の内周面30と底面に垂直結着凹面31と水平結着凹面32を互いに連なるように形成するが、垂直結着凹面31には結着凹溝31-1を形成した。
【0077】
前記結着凹溝31-1が形成された垂直結着凹面31及び水平結着凹面32に結合される用便収納部35は、外周に結着突片39が形成された環状結着突縁38を円筒状または四角い形状に形成し、環状結着突縁38の外面の下端にはフランジ33を一体に形成し、フランジ33の底面には吸収部材36-1の内蔵された用便収納筒36を一体に形成した。
【0078】
上記のように、排便誘導座台25の開放部の内周面30に着脱式の用便収納部35を直接的に配設できるようにすれば、排便収容部20が形成されていな通常のおむつ(具体的に図示せず)に用便収納筒36が組み付けられた排便誘導座台25を設けて使うことが可能になる。
【0079】
以下、上記のようにして形成された本発明に係る本発明に係る座台付きおむつセット100(100-1,100-2)を形成するフリップ一体型おむつ1(1-2)とフリップ一体型おむつ1(1-2)の使用状態について説明する。
【0080】
まず、図1から図2bに例示された本発明に係る座台付きおむつセット100(100-1)を形成するフリップ分離型おむつ1(1-1)の使用状態について説明する。
【0081】
前記フリップ分離型おむつ1(1-1)の下シート3の長手方向の中央線の上に塗布された接着剤紙(具体的に図示せず)に貼り付けられた剥離紙(具体的に図示せず)を引き剥がし、接着剤をおむつ受け121に接着してフリップ分離型おむつ1(1-1)をおむつ受け121に取り付ける。
【0082】
フリップ分離型おむつ1(1-1)をおむつ受け121に取り付けた状態で、フリップ分離型おむつ1(1-1)の座台収納袋23に排便誘導座台25を結合するが、尻部背面受け部26と斜面28を座台収納袋23に嵌合する。
【0083】
上記のように、座台収納袋23に排便誘導座台25を結合するときに、排便誘導座台25の斜面28に剥離紙41が貼り付けられている剥離紙41を引き剥がすか、または尻部背面受け部26及び尻部側面受け部27の底面に塗布された接着剤層に剥離紙(具体的に図示せず)が貼り付けられている場合には、剥離紙(具体的に図示せず)を引き剥がした状態で、尻部背面受け部26と斜面28を座台収納袋23に嵌合する。
【0084】
次いで、腰ベルト部110を形成する腰ベルト111を使用者の腰に巻き回し、両端に備えられている腰帯結束用面ファスナー112(112-1,112-2)を接着して着用させるが、腰帯結束用面ファスナー112(112-1,112-2)が着用者の一方の側の脇腹に位置するように保たせる。
【0085】
上記のように、腰ベルト111を使用者の腰に巻き回した状態で、フリップ分離型おむつ1(1-1)が取り付けられていおむつ受け121を、腰ベルト111のおむつ受け帯結束用面ファスナー113,114のうちの腰に位置するおむつ受け帯結束用面ファスナー113に、おむつ受け121の結束用面ファスナー122,123のうちの排便収容部20と排便誘導座台25が配設されている側の結束用面ファスナー122を接着する。
【0086】
次いで、フリップ分離型おむつ1(1-1)とおむつ受け121を着用者の内股を介して腹部に移動させた状態で、取り付けられていない結束用面ファスナー123をおむつ受け帯結束用面ファスナー114に取り付けることにより、腰ベルト111とおむつ受け121を用いてフリップ分離型おむつ1(1-1)の着用を終えることになるが、排便誘導座台25と排便収容部20が肛門に位置し、小便収容部30が睾丸部分に位置することになる。
【0087】
また、図3から図4bに例示された本発明に係る座台付きおむつセット100(100-2)を形成するフリップ一体型おむつ1(1-2)の使用状態について説明する。
【0088】
本発明に係る座台付きおむつセット100(100-2)のフリップ一体型おむつ1(1-2)は、上シート2の左右の両側にバンドフリップ部6,7がそれぞれ一体に形成されているため、中央部5に形成された座台袋23に排便誘導座台25を結合するが、尻部の背面受け部26と斜面28を座台収納袋23に嵌合する。
【0089】
上記のように、座台収納袋23に排便誘導座台25を結合するときに、排便誘導座台25の斜面28に剥離紙41が貼り付けられている剥離紙41を引き剥がすか、または尻部背面受け部26及び尻部側面受け部27の底面に塗布された接着剤層に剥離紙(具体的に図示せず)が貼り付けられている場合には、剥離紙(具体的に図示せず)を引き剥がした状態で尻部背面受け部26と斜面28を座台収納袋23に嵌合する。
【0090】
上記のように、座台袋23に排便誘導座台25を結合した状態で、背面部5-2を着用者の尻部を介して腰部分まで移動させ、中央部5と前面部5-1を内股(鼠径部)に通過させて前面部5-1を着用者の下腹部まで移動させる。
【0091】
下腹部まで移動させた前面部5-1のバンドフリップ部7において接着部11を着用者の尻部の両側に晒されている背面部5-2のバンドフリップ部6にそれぞれ接着し、前面部5-1のバンドフリップ部7が接着された背面部5-2の両側のバンドフリップ部6を着用者の腹部に位置する前面部5-1に移動させて覆った状態で、バンドフリップ部6の接着部10を前面部5-1の外面に接着することにより、フリップ一体型おむつ1(1-2)の着用を終えることになるが、排便誘導座台25と排便収容部20が肛門に位置し、小便収容部30が睾丸部分に位置することになる。
【0092】
上記のように、本発明に係る座台付きおむつセット100(100-1,100-2)を形成するフリップ一体型おむつ1(1-2)を着用した状態で排便または体分泌物を排出すると、汚物(排便または体分泌物)は排便誘導座台25を通過して排便収容部20に収容されるか、あるいは、小便収容部30に流れ込む。
【0093】
前記排便誘導座台25は、体内から汚物(排便または体分泌物)を排出するときに汚物(排便または体分泌物)が肌に触れるということを防ぐことになり、排便収容部20と小便収容部30に浸透されている汚物(排便または体分泌物)が肌に触れるということをも防ぐことになり、したがって、着用者は、肌が汚物(排便または体分泌物)により汚れてしまうということを防いで清潔に保持させることができ、肌にトラブル(trouble)が生じることをも防ぐことが可能になる。
【0094】
特に、具体的に図示はしないが、斜面28に接着剤層40が塗布され、剥離紙41が貼着されている排便誘導座台25と、尻部背面受け部26及び尻部側面受け部27の底面に塗布された接着剤層に剥離紙(具体的に図示せず)が貼り付けられている排便誘導座台(具体的に図示せず)を座台収納袋23のないおむつまたは通常的に使っている一般おむつに直接的に取り付けて使ってもよい。
【0095】
すなわち、排便誘導座台25の斜面28に接着剤層40が塗布され、剥離紙41が貼り付けられている場合には、剥離紙41を引き剥がした状態で、排便誘導座台25を通常的に使われるおむつに取り付けて使ってもよい。
【0096】
また、尻部背面受け部26及び尻部側面受け部27の底面に塗布された接着剤層に剥離紙(具体的に図示せず)が貼り付けられている場合には、剥離紙(具体的に図示せず)を引き剥がした状態で、排便誘導座台(具体的に図示せず)を通常的に使われるおむつに取り付けて使ってもよい。
【0097】
本発明に係る座台付きおむつセット100(100-1,100-2)において、排便誘導座台25を図7aから図7cに例示されたように配設すると、排便誘導座台25をひっくり返してフリップ分離型おむつ1-1及びフリップ一体型おむつ1-1の座台収納袋23に配設することができる。
【0098】
上記のように、図7aから図7cに例示された排便誘導座台25を座台収納袋23にひっくり返して配設すると、着用者の尻部が斜面と尻部受け三角突片27-1の上に受け止められるので、着用者の肛門が開放部29に位置することになり、その結果、用便をしやすくなり、用便が開放部29を介して排便収容部20に円滑に収容されて、たとえ着用者は排便をするとしても、清潔かつ快適な状態を保つことができる。
【0099】
さらに、本発明に係る座台付きおむつセット100(100-1,100-2)において、図8に例示されたように、排便誘導座台25の開放部の内周面30に着脱式の用便収納部35を直接的に設けて使ってもよい。
【0100】
排便誘導座台25は、開放部の内周面30と底面に垂直結着凹面31と水平結着凹面32を互いに連なるように形成するが、垂直結着凹面31に結着凹溝31-1を形成し、前記結着凹溝31-1が形成された垂直結着凹面31及び水平結着凹面32に結合される用便収納部35は、外周に結着突片39が形成された環状結着突縁38を円筒状または四角い形状に形成し、環状結着突縁38の外面の下端にはフランジ33を一体に形成し、フランジ33の底面には吸収部材36-1の内蔵された用便収納筒36を一体に形成したものである。
【0101】
上記のように、排便誘導座台25の開放部の内周面30に着脱式の用便収納部35を直接的に配設できるようにすれば、排便収容部20が形成されていない通常のおむつ(具体的に図示せず)に用便収納筒36が組み付けられた排便誘導座台25を設けて使うことができる。
【0102】
このように、たとえ、斜面28に接着剤層40が塗布された排便誘導座台25と、尻部背面受け部26及び尻部側面受け部27の底面に接着剤層が塗布された排便誘導座台を一般のおむつに取り付けて着用するとしても、排便誘導座台25が汚物(排便または体分泌物)により着用者の肌が汚れることを防ぐことになり、したがって、肌とおむつを清潔に保つことができるだけではなく、肌にトラブル(trouble)が生じることをも防ぐことか可能になる。
【0103】
本発明は、記載されている具体的な実施形態についてのみ詳しく説明したが、本発明の技術思想の範囲内において種々に変形及び修正することができるということは当業者にとって自明なことであり、このような変形及び修正は、添付の特許請求の範囲に属するということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0104】
1 おむつ
1-1 フリップ分離型おむつ
1-2 フリップ一体型おむつ
2 上シート
3 下シート
5 中央部
5-1 前面部
5-2 背面部
6,7 バンドフリップ部
8 漏れ止めフリップ
9-1,9-2 弾性部材
10,11 接着部
20 排便収容部
21 排便袋
22,32 吸収材
23 座台収納袋
25 排便誘導座台
26 尻部背面受け部
26-1 湾曲凹溝部
27 尻部側面受け部
28 斜面
29 開放部
30 小便収容部
31 小便袋
33 小便収容部カバーシート
34 微孔
40 接着剤層
41 剥離紙
100,100-1,100-2 座台付きおむつセット
101 おむつカバー
110 腰ベルト部
111 腰ベルト
112,112-1,112-2 腰帯結束用面ファスナー
113,114 おむつ受け帯結束用面ファスナー
120 おむつ受け部
121 おむつ受け
122,123 結束用面ファスナー
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図7c
図8