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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138175
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20220915BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220915BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220915BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/55
A61K8/34
A61Q19/00
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037893
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
(72)【発明者】
【氏名】河内 洋一
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC342
4C083AC372
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC492
4C083AC532
4C083AC552
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC682
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD202
4C083AD212
4C083AD222
4C083AD242
4C083AD281
4C083AD282
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD412
4C083AD432
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD622
4C083AD632
4C083AD662
4C083BB01
4C083BB36
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC19
4C083DD12
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE11
4C083EE12
4C083EE17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ニコチン酸アミドを高配合した場合に生じるベタツキ等の使用感、使用・保管時に生じる析出を改善し、さらに高温での乳化安定性を向上させた、肌のハリ・弾力を向上させる皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】次の成分(A)~(D);
(A)ニコチン酸アミド1~10質量%
(B)耐塩性水溶性高分子0.05~2質量%
(C)リン酸エステル系界面活性剤
(D)多価アルコール5~25質量%
を含む皮膚外用剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)ニコチン酸アミド 1~10質量%
(B)耐塩性水溶性高分子 0.05~2質量%
(C)リン酸エステル系界面活性剤
(D)多価アルコール 5~25質量%
を含む皮膚外用組成物。
【請求項2】
成分(D)と成分(A)の配合質量割合が、
(D)/(A)≧2である請求項1記載の皮膚外用組成物。
【請求項3】
成分(B)の耐塩性水溶性高分子が
セルロース誘導体、疎水変性ポリエーテルウレタンおよびアクリロイルジメチルタウリン塩を単量体として含む共重合体から選択される1種以上
である請求項1乃至請求項3いずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
成分(B)の耐塩性水溶性高分子がヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、(PEG-240/デシルテトラデセス -20/HDI)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーの中から選択される1種以上である請求項1乃至請求項4いずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項5いずれかに記載の皮膚外用組成物を含浸させたシート状皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌のハリ・弾力を向上させ、ベタツキがない使用感触に優れ、かつ結晶析出抑制効果に優れ、高温での乳化安定性の良好な皮膚外用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、化粧品の製品コンセプトとして、加齢やストレス、紫外線や空気の乾燥などにより、しみやシワ、たるみ、色素沈着等を改善することを目的とした製品が多く発売されている。特にシワやたるみといった形態的変化は、加齢が進んだ印象をあたえるため改善を望む人は多い。効果成分としてニコチン酸アミドを配合することは、肌荒れ改善効果、角質改善効果を有し、高配合しても安全性が高く、肌のハリ・弾力を向上させることができる(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、ニコチン酸アミドを多く配合することでベタツキやキシミなどが発生し、良好な使用感触が得られないということが知られている(特許文献2)。特にニコチン酸アミドを1質量%以上配合した皮膚外用組成物の場合には、中身が口部や、キャップに付着した後乾燥した場合、容器側面に付着した時などでニコチン酸アミドの結晶が析出することが知られている(特許文献3、特許文献4)。
【0004】
これに対し、特許文献2では、特定の分枝鎖炭化水素、特定の高展性油を併用することで、ニコチン酸アミドを多量に配合した場合のベタツキを押さられたのだが、中身が口部やキャップに付着して結晶が析出しスムーズな容器の開閉を妨げる場合があった。他には、水中油型乳化組成物において、直鎖脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステルを乳化剤として用いて、ワセリンを配合するという対応をおこなうことで、1%以上のニコチン酸アミドを配合しても刺激感・べたつきがなく使用感触に優れ、かつ結晶抑制効果に優れた水中油型乳化組成物を得ることが報告されている(特許文献5)。しかしながら、特許文献5では総合的に良好な皮膚外用組成物が得られているものの、ワセリンを必須とする水中油型乳化物に限定されており充分な汎用性を持つとは言い難い。特許文献3では、特定のカチオン配合ポリマーを配合することにより結晶析出は改善されるが、ベタツキが増し、使用感触の良くないものであった。
【0005】
一方、皮膚外用剤の増粘剤として配合される水溶性高分子としては、カルボマーなどのアクリル酸系増粘剤が挙げられるが、一般に耐塩性に乏しく電解質の種類によっては、著しい粘度低下や凝集をおこすため安定性不良の原因となることはよく知られており様々なアプローチで技術開発されている。例えば、特許文献6のように高温での安定性を得るために、特定の界面活性剤(ポリオキシエチレン付加型ヒマシ油とポリオキシエチレン付加型ソルビット脂肪酸エステル)を用いるといった技術が開示されている。さらに気候の温暖化で夏場の室温が上昇しているため、今まで以上に耐高温性を高めた処方が必要とされている。具体的には、今までであれば50℃以上での安定性で十分と思われていたが、最近では60℃程度までの保管安定性を確認する必要がある場合がある。一般的に保管温度を上げることで低粘度化が進み著しく安定性が低下する。つまり低温での保管より、より高温での保管の方が保管安定性に対する負荷が高い。
【0006】
以上のことにより、ニコチン酸アミドにリン酸エステル系界面活性剤およびその誘導体を配合することで、肌のハリ・弾力を向上させることができるが、ベタツキがなく使用感触に優れ、かつ結晶が析出しない、さらに高温でも乳化安定性の良好な皮膚外用組成物は知られていない状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10-130135号公報
【特許文献2】特表2003-502435号公報
【特許文献3】特表2002-537241号公報
【特許文献4】特開2018-168105号公報
【特許文献5】特開2018-172304号公報
【特許文献6】特開2018-168146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ニコチン酸アミドを高配合した場合に生じるベタツキ等の使用感、使用・保管時に生じる析出を改善し、さらに充分な高温での乳化安定性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる実情を鑑み、本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
次の成分(A)~(D);
(A)ニコチン酸アミド 1~10質量%
(B)耐塩性水溶性高分子 0.05~2質量%
(C)リン酸エステル系界面活性剤
(D)多価アルコール 5~25質量%
を含む皮膚外用剤が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明はさらに成分(D)と成分(A)の配合質量割合が、
(D)/(A)≧2である皮膚外用組成物に関するものである。
【0011】
本発明はさらに成分(B)の耐塩性水溶性高分子が
セルロース誘導体、疎水変性ポリエーテルウレタンおよびアクリロイルジメチルタウリン塩を単量体として含む共重合体から選択される1種以上
である皮膚外用組成物に関するものである。
【0012】
本発明はさらに成分(B)の耐塩性水溶性高分子がヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(PEG-240/デシルテトラデセス -20/HDI)コポリマーの中から選択される1種以上である皮膚外用組成物に関するものである。
【0013】
本発明はさらに上記の皮膚外用組成物を含浸させたシート状皮膚外用剤に関するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の皮膚外用組成物は、肌のハリ・弾力を向上させ、ベタツキがなく使用感触に優れ、かつ結晶析出抑制効果と高温での乳化安定性に優れた効果を有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、%で表記する数値は、特に記載した場合を除き、質量を基準にした値である。
【0016】
成分(A):ニコチン酸アミド
本発明における成分(A)ニコチン酸アミド(C6H6NO/分子量:122.12)は、ニコチン酸(ビタミンB3、ナイアシン)の水溶性のアミド化合物である。本発明では、米ぬかから抽出したものや、合成したものを配合することができる。具体的には、第15改正日本薬局方2008に収載されているものを用いることが出来る。溶状、水やエタノールに易溶で、ジエチルエーテルには難溶である。多価アルコールや油剤にも溶けにくいことが知られている。
【0017】
成分(A)の配合量は、1~10質量%(以下、単に「%」と略す)である。より好ましくは3~8%である。成分(A)の配合量がこの範囲であると肌荒れや肌のハリ・弾力の向上の点で効果感が得られる。尚、10%を超えて配合しても効果面では頭打ちの傾向にあり、加えて組成物中の水分が蒸発した際に結晶析出する恐れがある。
【0018】
成分(B):耐塩性水溶性高分子
本発明における成分(B)耐塩性水溶性高分子は、塩類や金属酸化物などの電解質が水に溶解していても十分な粘度を発現する水溶性の高分子である。具体的な構造としては、セルロース誘導体、セルロース誘導体、疎水変性ポリエーテルウレタンおよびアクリロイルジメチルタウリン塩を単量体として含む共重合体およびアクリロイルジメチルタウリン塩を単量体として含む共重合体等を好適に使用することができ、単独又は2種以上を適宜組み合わせて含有させることができる。
【0019】
セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子が挙げられる。
【0020】
本発明に用いられる疎水変性ポリエーテルウレタンは、疎水基によって変性されたウレタン結合を有する高分子であり、好ましくは次の化学式(I)で表される。
-{(O-R-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R (I)
(式中Rは炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、Rはウレタン結合を有してもよい、直鎖、分岐鎖又は脂肪族環若しくは芳香環を含む炭化水素基を表し、Rは分岐鎖を有する炭化水素基を表し;mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは各々独立に0~1000の範囲の整数でありk+n≧1である)。
【0021】
疎水変性ポリエーテルウレタンの好ましい例として、(PEG-240/デシルテトラデセス -20/HDI)コポリマーが挙げられる。
【0022】
アクリロイルジメチルタウリン塩を単量体として含む共重合体としては、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。
【0023】
前記耐塩性水溶性高分子の市販品として好適なものは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテルとしては、サンジェロース(大同化成社製)、(PEG-240/デシルテトラデセス -20/HDI)コポリマーとしては、アデカノールGT-700(アデカ社製)、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとしては、SIMULGEL EG(セピック社製)、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとしては、SEPINOV EMT10(セピック社製)、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーとしては、ARISTOFLEX AVC(クラリアント社製))等が挙げられる。
【0024】
成分(B)の配合量は、0.05~2%が良好であり、さらには0.1~1.0%がより好ましい。この範囲であればベタツキ低減効果、結晶析出抑制効果にも優れている。
【0025】
成分(C):リン酸エステル系界面活性剤としては、特に限定されないが、高級アルコールリン酸エステル及び/又はその塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル及びその塩が挙げられる。
【0026】
高級アルコールリン酸エステルは、リン酸が有する3つのヒドロキシ基のうちの1以上における水素原子が高級アルコール残基で置換された化合物である。高級アルコールリン酸エステルは、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体のいずれであってもよく、中でも、モノエステル体が好ましい。
【0027】
高級アルコールリン酸エステルにおけるエステル部分を構成する1価の高級アルコール残基の炭素数は、8~30が好ましく、より好ましくは10~25、さらに好ましくは12~20である。さらに飽和炭化水素であっても良いし、不飽和炭化水素であっても良い。上記高級アルコール残基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよいが、直鎖状が好ましい。
【0028】
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、無機塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。無機塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等が挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0029】
高級アルコールリン酸エステル、又は高級アルコールリン酸エステル塩の具体例としては、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸二ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム、リン酸セチル、セチルリン酸カリウム、セチルリン酸ジエタノールアミン等が挙げられる。市販品としては、リン酸セチルである商品名「Hostaphat CC100」(クラリアント社製)、セチルリン酸カリウムである商品名「Hostaphat CK100」(クラリアント社製)、「AMPHISOL K」(DSM ニュートリション社製)等が挙げられる。
【0030】
高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステルは、エチレンオキサイド残基と1価の高級アルコール残基とから構成されるエーテルのリン酸エステルである。また、エチレンオキサイドにおけるオキシアルキレンの平均付加モル数は、例えば2~25、好ましくは2~20である。
【0031】
高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステルを構成する1価の高級アルコール残基の炭素数は、例えば、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基等の8~30が好ましく、より好ましくは10~25、さらに好ましくは12~20の高級アルコール残基が挙げられる。さらに飽和炭化水素であっても良いし、不飽和炭化水素であっても良い。上記1価の高級アルコール炭化水素基は、直鎖状であってもよく分岐鎖状であってもよい。
【0032】
高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステルは、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体のいずれであってもよい。
【0033】
高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩としては、例えば、無機塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。無機塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等が挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0034】
高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル、又は高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩の具体例としては、ラウレス-2リン酸、ラウレス-4リン酸、ジラウレス-10リン酸、トリラウレス-4リン酸等のエチレンオキサイドラウリルエーテルリン酸;セテス-10リン酸、セテス-20リン酸等のエチレンオキサイドセチルエーテルリン酸; ステアレス-2リン酸、ステアレス-3リン酸等のエチレンオキサイドステアリルエーテルリン酸;オレス-3リン酸、オレス-4リン酸、オレス-7リン酸、オレス-8リン酸、オレス-20リン酸、ジオレス-8リン酸等のエチレンオキサイドオレイルエーテルリン酸;(C12-15)パレス-3リン酸、(C12-15)パレス-6リン酸、ジ(C12-15)パレス-4リン酸、ジ(C12-15)パレス-6リン酸、トリ(C12-15)パレス-2リン酸等のエチレンオキサイドアルキル(C12-15)エーテルリン酸;及びこれらの塩等が挙げられる。中でも、エチレンオキサイドラウリルエーテルリン酸、エチレンオキサイドアルキル(C12-15)エーテルリン酸、エチレンオキサイドセテアリルエーテルリン酸、エチレンオキサイドオレイルエーテルリン酸、及びこれらの塩が好ましく、より好ましくは、ラウレス-4リン酸、トリラウレス-4リン酸、(C12-15)パレス-3リン酸、トリセテアレス-4リン酸、オレス-3リン酸、オレス-7リン酸、オレス-20リン酸、ジオレス-8リン酸、トリ(C12-15)パレス-2リン酸及びこれらの塩である。これらの市販品としては、オレス-3リン酸である商品名「Hostaphat O300」(クラリアント社製)、トリ(C12-15)パレス-2リン酸である商品名「NIKKOL TDP-2」(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。
【0035】
成分(C)は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
成分(C)の配合量は、特に限定されないが、0.1~3%であることが望ましく、さらに好ましくは、0.2~2%であり、より好ましくは、0.3~1%である。
【0037】
成分(D):多価アルコール
本発明における成分(D)多価アルコールは、成分(A)を溶解させ結晶析出を抑制するために配合される。多価アルコールだけでは、結晶析出抑制効果はほとんどないが耐塩性水溶性高分子と併用することで良好な結果が得られる。成分(D)は、外用組成物に一般に用いられるものであれば、特に制限されないが、例えば、2価のアルコールである1,3ブチレングリコールのようなアルカンジオール類でもよく、3価以上のアルコールであるグリセリンやジグリセリン、水酸基が多い糖類や糖アルコールでもよく、必要に応じて一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0038】
成分(D)の配合量は、多量の多価アルコールを配合すると使用感的にベタツキが発生しやすくなるため25%以下が望ましい。一方、成分(A)を溶解させ結晶析出を抑制するために、成分(D)は組成物全体の5%以上含まれる必要があり、さらには成分(A)に対し2倍量以上配合されているとより好ましく結晶析出を抑制できる。
【0039】
本発明の皮膚外用組成物は、上記成分(A)~(D)を配合することにより、肌のハリ・弾力を向上させ、シワ・たるみといった老化の形態的変化を予防・改善すると共に、刺激感・ベタツキがない使用感触に優れ、かつ結晶析出抑制効果、および高温の乳化安定性に優れた皮膚外用組成物にすることが可能となる。
【0040】
本発明の皮膚外用組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で通常の皮膚外用組成物に配合される任意成分、すなわち、上記必須成分以外の、水性成分、油剤、粉体、皮膜形成剤、界面活性剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、着色剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、美容成分等を配合することができる。
【0041】
本発明の皮膚外用組成物は、他の成分との併用により種々の剤型とすることもできる。具体的には、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状、固形状、シート状等、種々の剤型にて実施することができる。
【0042】
本発明の皮膚外用組成物は、化粧料の他、特に抗老化効果を期待してニコチン酸アミドを高配合する医薬部外品を調製するのに適している。具体的には、例えば化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ化粧料、パック化粧料、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリームなどに用いることができる。その使用方法は、手や指、コットンで使用する、不織布等に含浸させて使用する、噴射剤を用いてエアゾール化させるなどの方法が挙げられる。
【実施例0043】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0044】
実験1:増粘剤に与えるニコチン酸アミドの影響
1%カルボマーゲルを用いて、ニコチン酸アミド配合量による粘度変化を確認した。結果を表1に示す。
(実験方法)
1:1%カルボマー水溶液を、水酸化カリウムを用いてPH6.5に調整して、ゲル化させ1%カルボマーゲルとした。
2:上記1%カルボマーゲルに所定量のニコチン酸アミドを添加し、均一に溶解した後、20℃で4時間放置し粘度を測定した。粘度低下度は数1の式に基づいて算出した。
(測定条件)
測定機器:東機産業社製 VISCOTESTER TVB-10
測定条件:ローター M3、回転数 12rpm、60sec後 at20℃
【0045】
【数1】
【0046】
【表1】
【0047】
(考察)
ニコチン酸アミドの配合量が1%に達しないような低濃度領域では、粘度低下が少なかった。ニコチン酸アミドは電解質であるが、化粧料の増粘安定剤として汎用されているカルボマーのような、電解質に敏感な水溶性高分子ゲルの粘度低下に対して比較的影響が少ないことが示唆された。しかし配合量が1%を超えて高濃度になった場合には、明らかな粘度低下が起こることが本実験で示されている。そのため分離などの安定性不良が起こりやすくなることが懸念された。
尚、塩化ナトリウムを用いて同様の試験を行った場合は以下のとおりであった。
1%カルボマーゲルに代表的電解質である塩化ナトリウムを0.1%加えた時の粘度は、35.3mPa.s(測定条件:ローター M1、回転数 60rpm、60sec後 at20℃)粘度低下度=99.4%
【0048】
本発明品1~10及び比較品1~11:水中油型乳化クリーム
下記表2に示す処方の水中油型乳化クリームを調製し、肌のハリ・弾力、ベタツキ、結晶析出抑制効果について下記の方法により評価した。その結果も併せて表2に示す。
【0049】
(評価項目)
肌のハリ・弾力
ベタツキのなさ
結晶析出抑制効果
高温での乳化安定性
【0050】
(評価方法)
[肌のハリ・弾力、ベタツキのなさの官能評価方法]
20代~40代の女性で官能評価の訓練を受けた、専門パネラーを10名にて評価を行った。各試料について専門パネラーが皮膚に塗布した後の直後のベタツキ、および翌朝に感じる肌のハリ・弾力を評価した。
下記絶対評価にて5段階評価をおこない、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
【0051】
(肌のハリ・弾力の評価方法)
(点数):(評価)
5点:非常に肌のハリ・弾力があると感じる
4点:肌のハリ・弾力があると感じる
3点:普通(変化を感じない)
2点:肌のハリ・弾力にやや不満で好ましくない
1点:肌のハリ・弾力が感じられない
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点以上
○ :3点以上~4点未満
△ :2点以上~3点未満
× :2点未満
【0052】
(ベタツキのなさの評価方法)
(点数):(評価)
5点:ベタツキを感じない
4点:ほとんどベタツキを感じない
3点:ややベタツキを感じる
2点:ベタツキを感じる
1点:非常にベタツキを感じる
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点以上
○ :3点以上~4点未満
△ :2点以上~3点未満
× :2点未満
【0053】
[結晶析出抑制効果の評価方法]
結晶析出抑制効果の評価については、滅菌シャーレ(ポリスチレン製:90mmΦ×15mm)に試料4gを底面に塗布し、30℃インキュベーター内に解放状態(蓋をしない状態)で24時間静置した。その後、各試料を顕微鏡観察した。結晶析出状態は、光学顕微鏡40倍にて偏光フィルターを用いて観察した。
<判定基準>
(判定):(評価)
◎ :結晶の析出がない。
○ :わずかに結晶の析出がみられる。
× :結晶の析出が明らかに見られる。
【0054】
[高温での乳化安定性の評価方法]
(乳化安定性の評価)
実施例1~、比較例1~の各試料を、60℃の温度条件下に2週間保存し、外観変化を目視により観察し、下記3段階の判定基準により判定した。
3段階判定基準
(判定):(評価結果)
◎ :変化なし、均一:非常に良好
○ :1週間は変化がないが、2週間後には分離が認められる:良好
× :1週間以内に分離が認められる:不良
【0055】
【表2】
【0056】
セチルリン酸カリウム*1 AMPHISOL K DSM ニュートリション社製
トリ(C12-15)パレス-2リン酸*2 NIKKOL TDP-2 日光ケミカルズ社製
37.5%(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80/水混合品*3 SIMULGEL EG:セピック社製
(PEG-240/デシルテトラデセス -20/HDI)コポリマー*4 アデカノールGT-700:アデカ社製
ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル*5 サンジェロース 60L:大同化成社製
【0057】
製造方法
(a):1~10を70℃で均一に溶解混合する。
(b):24の精製水に順次その他成分を加え、70℃で均一に溶解混合する。
(c):(b)に(a)を添加し70℃で乳化する。
(d):40℃まで攪拌冷却して目的の組成物とする。
【0058】
表2の結果から明らかなように、本発明品の実施例1~8の皮膚外用組成物は、比較例1~7の皮膚外用組成物に比べ、肌のハリ・弾力、ベタツキのなさ、結晶抑制効果、60℃で2週間の経時安定性試験の全てにおいて良好な結果が得られた。
これに対して(C)リン酸系界面活性剤を配合していない比較品1、2は経時安定性を行ったところ2日後には顕著な分離が見られた。(A)ニコチン酸アミドが配合されていない比較例3は、肌のハリ・弾力の評価が低かった。(B)耐塩性高分子を配合していない比較例4は経時安定性が不良で翌日には分離が見られた、さらに結晶析出も見られた。(D)多価アルコール/(A)ニコチン酸アミドが1である比較例5については、結晶析出が見られた。(B)耐塩性水溶性高分子の代わりに一般的な増粘剤であるカルボマーを用いた比較例6も同様に、製造後は問題のない状態であったが、経時安定性を確認したところ分離が発生した。さらに結晶析出も生じた。(D)多価アルコールの代わりに一価のアルコールであるエタノールを配合した比較例7については、ベタツキの少ない良好な使用感だったが、結晶析出を生じた。
【0059】
実施例9:水中油型日焼け止めクリーム
(成分) (質量%)
1.1,3-ブチレングリコール 12.0
2.ジグリセリン 3.0
3.精製水 適量
4.ニコチン酸アミド 6.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
6.ステアリン酸スクロース 1.0
7.(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー*3 0.1
8.キサンタンガム 0.05
9.30%ジラウロイルグルタミン酸リシンNa水溶液 0.3
10.モノステアリン酸グリセリル 1.5
11.セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
12.水添レシチン 0.1
13.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 3.0
14.セチルリン酸ジエタノールアミン *6 0.5
15.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
16.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.0
17.ホホバ油 5.0
18.シアバター 2.0
19.スクワラン 1.0
20.セラミド3 0.1
21.トコフェロール 0.05
22.セトステアリルアルコール 2.0
23.コレステロール 0.3
24.ユビキノン 0.001
25.水添ポリイソブテン 2.0
26.40%ポリアクリルアミド溶液 0.3

(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー *3 SEPINOV EMT10:セピック社製
セチルリン酸ジエタノールアミン*6 AMPHISOL (DSM ニュートリション社製)
【0060】
(製造方法)
(a):成分1~9を70℃で均一に溶解混合する。
(b):成分10~25を80℃で均一に溶解混合する。
(c):(a)に(b)を添加し70℃で乳化する。
(d):(c)に26を加えて均一になるまで混合する。
(e):40℃まで冷却して水中油型日焼け止めクリームを得た。
【0061】
実施例9の水中油型乳化乳液は、肌のハリ・弾力、ベタツキ、結晶析出抑制効果、経時安定性が優れた皮膚外用組成物であった。
【0062】
実施例10:水中油型乳化美容液
(成分) (質量%)
1.1,3-ブチレングリコール 5.0
2.ジプロピレングリコール 5.0
3.キシリトール 3.0
4.精製水 適量
5.ニコチン酸アミド 4.0
6.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.1
7.92%(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー/(t-ブタノール/水混合品)*7 0.1
8.ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
9.マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 2.0
10.軽質流動イソパラフィン 3.0
11.ジメチルポリシロキサン(5CS) 3.0
12.オレス-3リン酸 0.2
13.ミリスチン酸ポリグリセリル-5 1.0
14.トコフェロール 0.1
15.グリチルレチン酸ステアリル 0.05
16.10%水酸化ナトリウム水溶液 0.5
17.フェノキシエタノール 0.2
18.エタノール 5.0
19.0.3%水溶性コラーゲン水溶液 0.1
20.0.4%水溶性エラスチン水溶液 0.1
21.1%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 0.1
22.シロキクラゲ多糖体 0.1

92%(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー (t-ブタノール/水混合品) *7 ARISTOFLEX AVC:クラリアント社製
オレス-3リン酸*8 Hostaphat O300 クラリアント社製
【0063】
(製造方法)
(a):成分1~8を70℃で均一に溶解混合する。
(b):成分9~15を80℃で均一に溶解混合する。
(c):(a)に(b)を添加し70℃で乳化する。
(d):(c)を冷却開始後、45℃で成分18~22を順次添加した後、40℃まで冷却して水中油型乳化美容液を得た。
【0064】
実施例10の水中油型乳化美容液は、肌のハリ・弾力、ベタツキ、結晶析出抑制効果、経時安定性が優れた皮膚外用組成物であった。
【0065】
実施例11:水系保湿ジェル
(成分) (質量%)
1.1,2ペンタンジオール 0.5
2.1,3ブチレングリコール 12.0
3.メチルグルセスー10 3.0
4.37.5%(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80/水混合品*3 0.3
5.5%ポリクオタニウムー51水溶液 0.3
6.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
7.(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー *7
0.7
8.ニコチン酸アミド 3.0
9.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
10.カルボマー 0.1
11.10%水酸化カリウム水溶液 1.0
12.セチルリン酸カリウム 0.2
13.PEG-100水添ヒマシ油 0.5
14.エチルヘキシルグリセリン 0.3
15・精製水 適量

(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー *7 アデカノールGT-700:アデカ社製
セチルリン酸カリウム AMPHISOL K*1 DSM ニュートリション社製
【0066】
(製造方法)
(a):あらかじめ成分12~14を加熱溶解しておく。
(b):成分15に(a)および、1~11の各成分を添加混合し透明均一になるまで攪拌し水系保湿ジェルを得た。
【0067】
実施例11の水系保湿ジェルは、肌のハリ・弾力、ベタツキ、結晶析出抑制効果、経時安定性の優れた皮膚外用組成物であった。
【0068】
実施例12:シートマスク(不織布含浸美容液)
(成分) (質量%)
1.1,2-ヘキサンジオール 0.5
2.1,3-ブチレングリコール 10.0
3.メチルグルセスー10 1.0
4.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.05
5.37.5%(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80/水混合品*3 0.1
6.キサンタンガム 0.2
7.PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン 0.3
8.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
9.ニコチン酸アミド 7.0
10.オクテニルコハク酸デンプンAl 0.5
11.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
12.グリセリン 5.0
13.δ-トコフェロール 0.05
14.リン酸セチル 0.1
15.PPG-6デシルテトラデセス-30 0.5
16.エチルヘキシルグリセリン 0.2
17.メチルパラベン 0.1
18.精製水 適量
19・10%水酸化カリウム水溶液 0.2
リン酸セチル Hostaphat CC100*9 クラリアント社製
37.5%(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80/水混合品*3 SIMULGEL EG:セピック社製
【0069】
(製造方法)
(a):あらかじめ成分12~17を加熱溶解しておく。
(b):成分18に(a)および、1~11の各成分を添加混合し均一になるまで攪拌し美容液を得た。
(c):(b)に19を入れて混合しシートマスク用原液とした。
(d):本美容液を、顔状に成形した不織布(500cm2,目付60g/m2,レーヨン/ポリプロピレン=70%/30%)に30g含浸させ、アルミシート袋に充填して、シートマスクを調整した。
【0070】
実施例12のシートマスクは、肌のハリ・弾力、ベタツキ、使用時に結晶析出がない、経時安定性の優れたものであった。
【0071】
実施例13:オールインワンゲル
(成分) (質量%)
1.リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
2.ベヘニルアルコール 1.0
3.エチルヘキサン酸セチル 4.0
4.ジメチコン 1.5
5.スクワラン 4.0
6.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) 1.0
7.セチルリン酸カリウム 1.0
8.セスキオレイン酸ソルビタン 0.8
9.ステアリン酸スクロース 2.0
10.ステアリン酸ポリグリセリル-10 1.5
11.PEG-50水添ヒマシ油 1.0
12.トコフェロール 0.1
13.水 適量
14.1,3-ブチレングリコール 10.0
15.ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル*5 0.1
16.グリセリン 15.0
17.カルボマー 0.1
18.EDTA-2Na 0.005
19.ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル 0.003
20.エチルヘキシルグリセリン 0.2
21.ナイアシンアミド 4.0
22.フェノキシエタノール 0.2
23.ポリメタクリル酸メチル 2.0
24.パルミチン酸レチノール/コーン油混合物 0.001
25.10%アルギニン水溶液 1.0
26.グルタミン酸Na 0.01
27.クレアチニン 0.01
28.ツボクサエキス 0.01
29.ハイビスカス花エキス 0.01
30.加水分解ヒアルロン酸 0.01
31.コンフリー葉エキス 0.01
32.加水分解エラスチン 0.01
33.加水分解ダイズタンパク 0.01
34.マンダリンオレンジ果皮エキス 0.01
35.乳酸桿菌/セイヨウナシ果汁発酵液 0.01
36.ハトムギ種子エキス 0.01
37.ゲットウ葉エキス 0.01

セチルリン酸カリウム AMPHISOL K*1 DSM ニュートリション社製
ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル*5 サンジェロース 60L:大同化成社製
【0072】
(製造方法)
(a):成分1~12を70℃で均一に溶解混合する。
(b):成分13~24を80℃で均一に溶解混合する。
(c):(b)に(a)を添加し70℃で乳化する。
(d):(c)を冷却開始後、45℃で成分25~37を順次添加した後、35℃まで冷却して水中油型乳化美容液を得た。
【0073】
実施例13のオールインワンゲルは、肌のハリ・弾力、ベタツキ、結晶析出抑制効果、経時安定性が優れた皮膚外用組成物であった。
【0074】
実施例14:水中油型乳化美容液(多種抽出物配合美容液)
(成分) (質量%)
1.1,3-ブチレングリコール 9.0
2.ジグリセリン 5.0
3.マルトース 3.0
4.精製水 適量
5.ニコチン酸アミド 4.0
6.ポリビニルアルコール 0.1%
7.(ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル *2 0.1
8.PEG-50水添ひまし油 2.0
9.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) 2.0
10.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 3.0
11.水添ポリイソブテン 3.0
12.オレス-3リン酸 0.2
13.セスキオレイン酸ソルビタン 0.8
14.グリチルレチン酸ステアリル 0.05
15.トコフェロール 0.1
16.フェノキシエタノール 0.2
17.バラ抽出物 0.01
18.桜抽出物 0.01
19.ユリ抽出物 0.01
20.シマホオズキ抽出物 0.01
21.ガジュツ抽出物 0.01
22.茶抽出物 0.01
23.ジオウ抽出物 0.01
24.トウキ抽出物 0.01
25.ハイビスカス抽出物 0.01
26.トルメンチラ抽出物 0.01
27.バオバブ抽出物 0.01
28.イレイセン抽出物 0.01
29.ヒマワリ抽出物 0.01
30.クスリグサ抽出物 0.01
31.カンゾウ抽出物 0.01
32.ベニバナ抽出物 0.01
33.朝鮮人参抽出物 0.01
34.ハトムギ抽出物 0.01
35.スギナ抽出物 0.01
36.イチョウ抽出物 0.01
37.ホホバ抽出物 0.01
38.テルミナリア抽出物 0,01
39.ハコベ抽出物 0.01
40.トウモロコシ抽出物 0.01
41.ハナイグチ抽出物 0.01
42.ザクロ抽出物 0.01
43.メシマコブ抽出物 0.01
44.ローズヒップ抽出物 0.01
45.月見草抽出物 0.01
46.カミツレ抽出物 0.01
47.ダイズ抽出物 0.01
48.シロハナマメ抽出物 0.01
49.ミカン抽出物 0.01
50.モクテンリョウ抽出物 0.01
51.黒ニンジン抽出物 0.01
52.ホワイトストロベリー抽出物 0.01
53.ヒマラヤンラズベリー抽出物 0.01
54.ネムノキ抽出物 0.01
55.スイートマジョラム抽出物 0.01
56.モダマ抽出物 0.01
57.コンフリー葉エキス 0.01
58.サッカロミセス/デイリリー花発酵液 0.01
59.ゲットウ葉エキス 0.01
60.ムラサキシキブ果実エキス 0.01
61.ヒバマタエキス 0.01
62.加水分解ダイズタンパク 0.01
63.タベブイアインペチギノサ樹皮エキス 0.01
64.グルコシルヘスペリジン 0.01

ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル *2 サンジェロース 60L:大同化成社製
オレス-3リン酸 Hostaphat O300*10 クラリアント社製
【0075】
(製造方法)
(a):成分1~7を70℃で均一に溶解混合する。
(b):成分8~16を80℃で均一に溶解混合する。
(c):(a)に(b)を添加し70℃で乳化する。
(d):(c)を冷却開始後、45℃で成分17~64を順次添加した後、35℃まで冷却して水中油型乳化美容液を得た。
【0076】
実施例14の水中油型乳化美容液は、肌のハリ・弾力、ベタツキ、結晶析出抑制効果、経時安定性が優れた皮膚外用組成物であった。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、化粧料、医薬部外品、皮膚外用剤等に適用できる。