IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

特開2022-138297ロボット制御装置およびロボットシステム
<>
  • 特開-ロボット制御装置およびロボットシステム 図1
  • 特開-ロボット制御装置およびロボットシステム 図2
  • 特開-ロボット制御装置およびロボットシステム 図3
  • 特開-ロボット制御装置およびロボットシステム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138297
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ロボット制御装置およびロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038099
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】向井 公久
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS15
3C707CY12
3C707HS27
3C707LV15
3C707MS14
3C707MS27
3C707MS29
3C707MT01
(57)【要約】
【課題】産業用ロボットを非常停止させるための非常停止用機器であって産業用ロボットの周辺に配置される周辺配置物に設置される非常停止用機器と、産業用ロボットを非常停止させるための非常停止ボタンであって産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンとが配線を介して接続されていても、配線を容易に引き回すことが可能となるロボット制御装置を提供する。
【解決手段】ロボット制御装置1は、産業用ロボットの周辺に配置された周辺配置物に設置される非常停止用機器9、27に接続される配線30が接続されるコネクタ34と、産業用ロボットに固定される非常停止ボタン10に接続される配線31が接続されるコネクタ35とを備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用ロボットを制御するためのロボット制御装置において、
前記産業用ロボットを非常停止させるための非常停止用機器であって前記産業用ロボットの周辺に配置される周辺配置物に設置される前記非常停止用機器に接続される第1の配線が接続される第1コネクタと、前記産業用ロボットを非常停止させるための非常停止ボタンであって前記産業用ロボットの近傍または前記産業用ロボットに固定される前記非常停止ボタンに接続される第2の配線が接続される第2コネクタとを備えることを特徴とするロボット制御装置。
【請求項2】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとは、電源に対して直列に配置されており、
前記ロボット制御装置の配線経路において、前記第1コネクタは、前記第2コネクタよりも前記電源側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のロボット制御装置。
【請求項3】
前記産業用ロボットを操作するためのティーチングペンダントに接続される第3の配線が接続される第3コネクタを備えることを特徴とする請求項1または2記載のロボット制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のロボット制御装置と、前記産業用ロボットと、前記非常停止用機器と、前記非常停止用ボタンと、前記第1の配線と、前記第2の配線とを備えることを特徴とするロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットを制御するためのロボット制御装置に関する。また、本発明は、このロボット制御装置を備えるロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットを非常停止(即時停止)させるための安全装置を備える産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットは、安全装置として、ロボットを囲む安全柵の外側に配置された操作盤に設置される非常停止スイッチと、安全柵の開閉確認スイッチと、デッドマンスイッチとを備えている。特許文献1に記載の産業用ロボットでは、いずれかの安全装置が作用すると、安全柵の中に設置されるロボットが非常停止する。
【0003】
また、従来、ロボットを制御するためのロボット制御装置として、ティーチングペンダントが接続されるロボット制御装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のロボット制御装置は、ティーチングペンダントから伸びる配線(ケーブル)が接続されるコネクタ(接続端子)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-1012号公報
【特許文献2】特開平8-320722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
産業用ロボットのメンテナンスを行うときには、作業者の安全性を確保するため、産業用ロボットを非常停止状態としておくことが好ましい。この場合、たとえば、産業用ロボットを囲む安全柵の外側に配置された操作盤に設置される非常停止ボタンのように、産業用ロボットから離れた位置に設置される非常停止ボタンを押すことで、産業用ロボットを非常停止状態にすることが可能である。しかしながら、この場合には、非常停止ボタンを押すために、産業用ロボットから離れた位置まで作業者が移動しなければならず、産業用ロボットを非常停止状態とするための作業が煩雑になる。
【0006】
一方で、たとえば、ティーチングペンダントに非常停止ボタンを設置するとともに、産業用ロボットのメンテナンスを行う際に、産業用ロボットの近くまでティーチングペンダントを持ち運んで、ティーチングペンダントの非常停止ボタンを押せば、産業用ロボットから離れた位置まで作業者が移動しなくても、産業用ロボットを非常停止状態にすることが可能である。しかしながら、この場合には、産業用ロボットのメンテナンスを行う際に毎回、産業用ロボットの近くまでティーチングペンダントを持ち運ばなければならず、ティーチングペンダントの持ち運び作業が煩雑となる。
【0007】
そのため、本願発明者は、産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに非常停止ボタンを固定するとともに、産業用ロボットのメンテナンスを行う際に、この非常停止ボタンを押すことで、産業用ロボットを非常停止状態にすることを検討している。この場合、非常停止ボタンに一端側が接続される配線の他端側を、ロボットを制御するためのロボット制御装置に接続する必要がある。したがって、産業用ロボットの近傍または産業用ロボットと、ロボット制御装置との間で配線を引き回す必要があるが、この配線の引き回しは容易であることが好ましい。
【0008】
また、特許文献1に記載の産業用ロボットでは、上述のように、安全装置としての非常停止スイッチや開閉確認スイッチが、ロボットの周辺に配置される操作盤や安全柵に設置されている。これらの安全装置から引き出される配線は、一般に、ロボットを制御するためのロボット制御装置に接続されており、安全装置とロボット制御装置との間で引き回されるが、この配線の引き回しも容易であることが好ましい。
【0009】
そこで、本発明の課題は、産業用ロボットを非常停止させるための非常停止用機器であって産業用ロボットの周辺に配置される周辺配置物に設置される非常停止用機器と、産業用ロボットを非常停止させるための非常停止ボタンであって産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンとが配線を介して接続されていても、配線を容易に引き回すことが可能となるロボット制御装置を提供することにある。また、本発明の課題は、かかるロボット制御装置を備えるロボットシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明のロボット制御装置は、産業用ロボットを制御するためのロボット制御装置において、産業用ロボットを非常停止させるための非常停止用機器であって産業用ロボットの周辺に配置される周辺配置物に設置される非常停止用機器に接続される第1の配線が接続される第1コネクタと、産業用ロボットを非常停止させるための非常停止ボタンであって産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンに接続される第2の配線が接続される第2コネクタとを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明のロボット制御装置は、周辺配置物に設置される非常停止用機器に接続される第1の配線が接続される第1コネクタと、産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンに接続される第2の配線が接続される第2コネクタとを備えている。そのため、本発明では、第1の配線は、周辺配置物に設置される非常停止用機器と第1コネクタとの間で引き回せば良く、第2の配線は、産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンと第2コネクタとの間で引き回せば良くなる。
【0012】
したがって、本発明では、たとえば、第1の配線が接続されるコネクタと第2の配線が接続されるコネクタとが一体になっていて、第1の配線と第2の配線とがまとまった1つの配線になっている場合と比較して、第1の配線および第2の配線を容易に引き回すことが可能になる。すなわち、本発明では、産業用ロボットの周辺に配置された周辺配置物に設置される非常停止用機器とロボット制御装置とが第1の配線を介して接続され、かつ、産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンとロボット制御装置とが第2の配線を介して接続されていても、第1の配線および第2の配線を容易に引き回すことが可能になる。
【0013】
また、本発明では、第1の配線は第1コネクタに接続され、第2の配線は第2コネクタに接続されるため、たとえば、第1の配線が接続されるコネクタと第2の配線が接続されるコネクタとが一体になっていて、第1の配線と第2の配線とがまとまった1つの配線になっている場合と比較して、第1の配線と第2の配線とを見分けやすくなる。
【0014】
本発明において、たとえば、第1コネクタと第2コネクタとは、電源に対して直列に配置されており、ロボット制御装置の配線経路において、第1コネクタは、第2コネクタよりも電源側に配置されている。この場合には、非常停止ボタンが押されていないにもかかわらず、産業用ロボットが非常停止状態となっていれば、非常停止用機器が作動していると推定することが可能になる。また、この場合には、非常停止用機器が作動していないことを確認した上で、非常停止ボタンを押せば、産業用ロボットを非常停止状態にすることが可能になる。
【0015】
本発明において、ロボット制御装置は、たとえば、産業用ロボットを操作するためのティーチングペンダントに接続される第3の配線が接続される第3コネクタを備えている。
【0016】
本発明のロボット制御装置は、産業用ロボットと、非常停止用機器と、非常停止用ボタンと、第1の配線と、第2の配線とを備えるロボットシステムに用いることができる。このロボットシステムでは、産業用ロボットの周辺に配置された周辺配置物に設置される非常停止用機器とロボット制御装置とが第1の配線を介して接続され、かつ、産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンとロボット制御装置とが第2の配線を介して接続されていても、第1の配線および第2の配線を容易に引き回すことが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明では、産業用ロボットを非常停止させるための非常停止用機器であって産業用ロボットの周辺に配置される周辺配置物に設置される非常停止用機器と、産業用ロボットを非常停止させるための非常停止ボタンであって産業用ロボットの近傍または産業用ロボットに固定される非常停止ボタンとが配線を介してロボット制御装置に接続されていても、配線を容易に引き回すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態にかかるロボットシステムの概略平面図である。
図2図1に示す産業用ロボットの側面図である。
図3図1に示すロボット制御装置の背面図である。
図4図1に示すロボット制御装置等の構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(ロボットシステムおよびロボット制御装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるロボットシステム4の概略平面図である。図2は、図1に示す産業用ロボット2の側面図である。図3は、図1に示すロボット制御装置1の背面図である。図4は、図1に示すロボット制御装置1等の構成を説明するためのブロック図である。
【0021】
本形態のロボット制御装置(ロボットコントローラ)1は、産業用ロボット2(以下、「ロボット2」とする。)を制御するための装置である。ロボット2は、たとえば、長方形状の薄板状に形成される基板3を搬送する水平多関節型の搬送用ロボットである。ロボット制御装置1およびロボット2は、ロボットシステム4で使用される。すなわち、ロボットシステム4は、ロボット制御装置1およびロボット2を備えている。また、ロボットシステム4は、基板3に対して所定の処理を行う処理装置6と、ロボット2の周囲を囲む安全柵7と、ロボット2を操作するためのティーチングペンダント(教示操作端末)8と、ロボット2を非常停止させるための非常停止ボタン9、10とを備えている。
【0022】
ロボット2は、基板3が搭載されるハンド13と、ハンド13が先端側に連結されるアーム14と、アーム14を支持する本体部15と、本体部15を水平方向に移動可能に支持するベース部材16とを備えている。本体部15は、アーム14の基端側を支持するとともに昇降可能なアームサポート17と、アームサポート17を昇降可能に支持する支持フレーム18と、本体部15の下端部分を構成するとともにベース部材16に対して水平移動可能な基台19と、支持フレーム18の下端が固定されるとともに基台19に対して回動可能な旋回フレーム20とを備えている
【0023】
ハンド13は、アーム14の先端側に回動可能に連結されている。アーム14の基端側は、アームサポート17に回動可能に連結されている。支持フレーム18は、アームサポート17を昇降可能に保持する柱状の第1支持フレーム21と、第1支持フレーム21を昇降可能に保持する柱状の第2支持フレーム22とを備えている。第2支持フレーム22の下端部は、旋回フレーム20の先端側の上面に固定されている。旋回フレーム20の基端側は、上下方向を回動の軸方向とする回動が可能となるように基台19に支持されている。
【0024】
また、ロボット2は、アーム14を駆動するアーム駆動機構と、第1支持フレーム21に対してアームサポート17を昇降させるとともに第2支持フレーム22に対して第1支持フレーム21を昇降させる昇降機構と、基台19に対して旋回フレーム20を回動させる回動機構と、ベース部材16に対して基台19を水平移動させる水平移動機構とを備えている。これらの各機構は、ロボット2を動作させるモータを備えている。このモータは、サーボモータである。ロボット2は、アーム14の伸縮動作と、アーム14等の昇降動作、回動動作および水平移動動作との組合せによって基板3の搬送を行う。
【0025】
ティーチングペンダント8は、ロボット制御装置1に電気的に接続されている。ティーチングペンダント8は、ロボット2を非常停止させるための非常停止ボタン25を備えている。非常停止ボタン25は、二重化スイッチを備えている。二重化スイッチを構成する各スイッチは、b接点のスイッチであり、スイッチが操作されると非通電状態になる。本形態では、非常停止ボタン25が押されると、二重化スイッチが操作されて、ロボット2が非常停止する。また、ティーチングペンダント8は、ロボット2を操作するための操作ボタンやイネーブルスイッチ等を備えている。
【0026】
安全柵7は、たとえば、ロボット2を4方向から囲む四角形の枠状に形成されている。安全柵7の内側は、ロボット2の作業領域となっている。処理装置6は、たとえば、四角形の枠状に形成される安全柵7の4辺のうちの3辺に沿って配置されている。安全柵7の、処理装置6が配置される箇所には、開口部が形成されている。安全柵7の4辺のうちの、処理装置6が配置されていない残りの1辺には、開閉扉26が設置されている。本形態の処理装置6および開閉扉26は、ロボット2の周辺に配置される周辺配置物である。
【0027】
開閉扉26には、開閉扉26の開閉状態を検知するための開閉検知機構27が設置されている。開閉検知機構27は、ロボット制御装置1に電気的に接続されている。開閉検知機構27は、二重化スイッチを備えている。二重化スイッチを構成する各スイッチは、b接点のスイッチである。開閉検知機構27では、ロボット2の自動運転モードにおいて、開閉扉26が開かれたことが検知されると、二重化スイッチが操作される。また、二重化スイッチが操作されると、ロボット2が非常停止する。
【0028】
非常停止ボタン9は、ロボット制御装置1に電気的に接続されている。非常停止ボタン9は、二重化スイッチを備えている。二重化スイッチを構成する各スイッチは、b接点のスイッチである。非常停止ボタン9は、たとえば、処理装置6に設置されている。本形態では、非常停止ボタン9が押されると、二重化スイッチが操作されて、ロボット2が非常停止する。
【0029】
本形態の非常停止ボタン9および開閉検知機構27は、ロボット2を非常停止させるための非常停止用機器であり、周辺配置物である処理装置6や開閉扉26に設置されている。なお、非常停止ボタン9は、処理装置6以外の周辺配置物に設置されていても良い。たとえば、非常停止ボタン9は、安全柵7に設置されていても良いし、安全柵7の外部に設置される操作盤等に設置されていても良い。また、非常停止ボタン9は、複数の周辺配置物に設置されていても良い。
【0030】
非常停止ボタン10は、ロボット制御装置1に電気的に接続されている。非常停止ボタン10は、二重化スイッチを備えている。二重化スイッチを構成する各スイッチは、b接点のスイッチである。非常停止ボタン10は、ロボット2に固定されている。具体的には、非常停止ボタン10は、支持フレーム18に固定されている。たとえば、非常停止ボタン10は、第2支持フレーム22に固定されている。本形態では、非常停止ボタン10が押されると、二重化スイッチが操作されて、ロボット2が非常停止する。
【0031】
ロボット制御装置1は、たとえば、安全柵7の内側に配置されている。ただし、ロボット制御装置1は、安全柵7の外側に配置されていても良い。ロボット制御装置1は、非常停止ボタン9および開閉検知機構27に接続される配線(ケーブル)30が接続されるコネクタ34と、非常停止ボタン10に接続される配線(ケーブル)31が接続されるコネクタ35と、ティーチングペンダント8に接続される配線(ケーブル)32が接続されるコネクタ36とを備えている。また、ロボット制御装置1は、ロボット2を駆動制御するための制御用の配線(図示省略)が接続されるコネクタ37を備えている(図3参照)。
【0032】
コネクタ34~37のそれぞれは、別体で形成されている。すなわち、コネクタ34~37のそれぞれは、別々に設けられた別口のコネクタである。コネクタ34~37は、ロボット制御装置1の筐体の背面に配置されている。本形態のコネクタ34は、第1コネクタとなっており、コネクタ35は、第2コネクタとなっており、コネクタ36は、第3コネクタとなっている。また、本形態の配線30は、第1の配線となっており、配線31は、第2の配線となっており、配線32は、第3の配線となっている。
【0033】
コネクタ34とコネクタ35とコネクタ36とは、電源VCCに対して直列に配置されており、非常停止ボタン9と開閉検知機構27と非常停止ボタン10と非常停止ボタン25とは、電源VCCに直列接続されている。本形態では、ロボット制御装置1の配線経路において、コネクタ36は、コネクタ34よりも電源VCC側に配置され、コネクタ34は、コネクタ35よりも電源VCC側に配置されている。すなわち、ロボットシステム4の配線経路において、非常停止ボタン25は、非常停止ボタン9および開閉検知機構27よりも電源VCC側に配置され、非常停止ボタン9および開閉検知機構27は、非常停止ボタン10よりも電源VCC側に配置されている。また、本形態では、ロボットシステム4の配線経路において、非常停止ボタン9は、開閉検知機構27よりも電源VCC側に配置されている。
【0034】
配線30の一端には、コネクタ34に係合するコネクタ38が取り付けられている。配線30の他端には、たとえば、コネクタ39が取り付けられている。ただし、配線30の他端は、直接、非常停止ボタン9および開閉検知機構27に接続されていても良い。また、配線30の他端側は、非常停止ボタン9に向かう部分と、開閉検知機構27に向かう部分とに分岐している。配線32の一端には、コネクタ36に係合するコネクタ42が取り付けられている。配線32の他端には、たとえば、コネクタ43が取り付けられている。ただし、配線32の他端は、直接、ティーチングペンダント8に接続されていても良い。
【0035】
配線31の一端には、コネクタ35に係合するコネクタ40が取り付けられている。配線31の他端には、たとえば、コネクタ41が取り付けられている。ただし、配線31の他端は、直接、非常停止ボタン10に接続されていても良い。また、配線31の他端は、ロボット2の内部で引き回される配線(図示省略)を介して非常停止ボタン10に接続されていても良い。この場合には、配線31の他端は、ロボット2の内部で引き回される配線に、直接、あるいは、コネクタ41を介して接続されている。
【0036】
また、ロボット制御装置1は、ロボット2のモードを切り替えるためのモード切替スイッチおよびモード切替回路45と、ロボット2を動作させるモータを駆動可能にするための安全リレーモジュール46とを備えている。モード切替スイッチおよびモード切替回路45は、ロボット2のモードを、通常の自動運転モードとティーチングモードとに切り替える機能を果たしている。安全リレーモジュール46は、非常停止ボタン9、10、25および開閉検知機構27の二重化スイッチが全て通電状態である場合に、ロボット2を動作させるモータの駆動が可能となるモータ駆動可能指令を出力する。ロボット制御装置1は、安全リレーモジュール46からモータ駆動可能指令が出力されているときのみにモータを駆動する。そのため、非常停止ボタン9、10、25および開閉検知機構27の二重化スイッチの少なくともいずれか1つが非通電状態である場合には、ロボット2は非常停止状態になる。
【0037】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のロボット制御装置1は、処理装置6に設置された非常停止ボタン9および開閉扉26に設置された開閉検知機構27に接続される配線30が接続されるコネクタ34と、ロボット2に固定された非常停止ボタン10に接続される配線31が接続されるコネクタ35とを備えている。そのため、本形態では、配線30は、ロボット2の周囲に設置される非常停止ボタン9および開閉検知機構27とコネクタ34との間で引き回せば良く、配線31は、ロボット2に固定される非常停止ボタン10とコネクタ35との間で引き回せば良い。
【0038】
したがって、本形態では、たとえば、配線30が接続されるコネクタと配線31が接続されるコネクタとが一体になっていて、配線30と配線31とがまとまった1つの配線になっている場合と比較して、配線30および配線31を容易に引き回すことが可能になる。すなわち、本形態では、ロボット2の周辺に設置される非常停止ボタン9および開閉検知機構27とロボット制御装置1とが配線30を介して接続され、かつ、ロボット2に固定される非常停止ボタン10とロボット制御装置1とが配線31を介して接続されていても、配線30および配線31を容易に引き回すことが可能になる。
【0039】
また、本形態では、配線30がコネクタ34に接続され、配線31がコネクタ35に接続されているため、たとえば、配線30が接続されるコネクタと配線31が接続されるコネクタとが一体になっていて、配線30と配線31とがまとまった1つの配線になっている場合と比較して、配線30と配線31とを見分けやすくなる。
【0040】
本形態では、コネクタ34とコネクタ35とコネクタ36とは、電源VCCに対して直列に配置されている。また、本形態では、ロボット制御装置1の配線経路において、コネクタ36は、コネクタ34よりも電源VCC側に配置され、コネクタ34は、コネクタ35よりも電源VCC側に配置されている。そのため、本形態では、非常停止ボタン10が押されていないにもかかわらず、ロボット2が非常停止状態になっていれば、非常停止ボタン9、25が押されているか、または、開閉扉26が開いていると推定することが可能になる。また、本形態では、非常停止ボタン9、25が押されておらず、かつ、開閉扉26が閉じていることを確認した上で、非常停止ボタン10を押せば、ロボット2を非常停止状態にすることが可能になる。
【0041】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0042】
上述した形態において、非常停止ボタン10は、ロボット2の、第2支持フレーム22以外の箇所に固定されていても良い。また、上述した形態において、非常停止ボタン10は、ロボット2に固定されていなくても良い。この場合には、非常停止ボタン10は、ロボット2の近傍に固定されている。たとえば、非常停止ボタン10は、ロボット2の近傍に設置される架台や操作盤等に固定されている。
【0043】
上述した形態において、ロボットシステム4は、ロボット2を非常停止させるための非常停止用機器として、非常停止ボタン9および開閉検知機構27以外の非常停止用機器を備えていても良い。この非常停止用機器は、ロボット2の周辺に配置される周辺配置物に設置される。また、この非常停止用機器には、配線30が接続される。また、上述した形態において、ロボットシステム4は、非常停止ボタン9および開閉検知機構27のいずれか一方を備えていなくても良い。
【0044】
上述した形態において、コネクタ35は、コネクタ34よりも電源VCC側に配置されていても良い。また、上述した形態において、ロボットシステム4は、ティーチングペンダント8を備えていなくても良い。この場合には、配線32およびコネクタ36が不要になる。さらに、上述した形態において、ロボット2は、搬送用ロボット以外の水平多関節型のロボットであっても良い。また、ロボット2は、水平多関節型のロボット以外のロボットであっても良い。
【符号の説明】
【0045】
1 ロボット制御装置
2 ロボット(産業用ロボット)
4 ロボットシステム
6 処理装置(周辺配置物)
8 ティーチングペンダント
9 非常停止ボタン(非常停止用機器)
10 非常停止ボタン
26 開閉扉(周辺配置物)
27 開閉検知機構(非常停止用機器)
30 配線(第1の配線)
31 配線(第2の配線)
32 配線(第3の配線)
34 コネクタ(第1コネクタ)
35 コネクタ(第2コネクタ)
36 コネクタ(第3コネクタ)
Vcc 電源
図1
図2
図3
図4