IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コベルコ建機株式会社の特許一覧

特開2022-138304ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン
<>
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図1
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図2
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図3
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図4
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図5
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図6
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図7
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図8
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図9
  • 特開-ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138304
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ウインチ監視方法、ウインチ監視装置、クレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/00 20060101AFI20220915BHJP
   B66D 1/54 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B66C13/00 D
B66D1/54 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038108
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(72)【発明者】
【氏名】前藤 鉄兵
(72)【発明者】
【氏名】中山 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】百濟 和文
(72)【発明者】
【氏名】小川 洋平
(57)【要約】
【課題】ウインチ装置のドラムにおけるロープの巻き取り不良を軽度の段階で速やかに判定すること。
【解決手段】ウインチ監視方法は、ドラム161にロープ31を巻き取るウインチ装置161の状態を監視する方法である。前記ウインチ監視方法は、前記ドラム161に向けて配置されたカメラ45による撮影画像を取得することを含む(S101)。さらに、前記ウインチ監視方法は、前記撮影画像に基づいて前記ロープ31の巻き取り不良の有無および前記巻き取り不良の程度を表す不良度を判定し、判定結果を出力することをふくむ(S105,S106,S111,S112)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムにロープを巻き取るウインチ装置の状態を監視するウインチ監視方法であって、
前記ドラムに向けて配置されたカメラによる撮影画像を取得することと、
前記撮影画像に基づいて前記ロープの巻き取り不良の有無および前記巻き取り不良の程度を表す不良度を判定し、判定結果を出力することと、を含むウインチ監視方法。
【請求項2】
前記ウインチ装置の稼働実績の情報を取得することと、
前記不良度と前記稼働実績とに応じて前記ウインチ装置の稼働余寿命を予測し、予測結果を出力することと、をさらに含む請求項1に記載のウインチ監視方法。
【請求項3】
前記稼働余寿命を予測することは、
前記不良度が進行するごとに、前記不良度の進行の程度と前記不良度の進行に要した期間における前記稼働実績とに応じて前記巻き取り不良の進行ペースを判定することと、
前記不良度が予め定められた限界程度まで前記進行ペースで進行するまでに前記ウインチ装置に許容される稼働状態を前記稼働余寿命として予測することと、を含む、請求項2に記載のウインチ監視方法。
【請求項4】
前記稼働実績は、前記ウインチ装置による前記ドラムの回転駆動時間、前記ロープの巻き取り長さおよび前記ロープの巻き取り回数のうちの1つまたは複数の実績を含み、
前記稼働余寿命は、前記ウインチ装置に許容される前記回転駆動時間、前記巻き取り長さおよび前記巻き取り回数のうちの1つまたは複数を含む、請求項2または請求項3に記載のウインチ監視方法。
【請求項5】
前記不良度を判定することは、前記撮影画像を入力画像とし、前記入力画像のパターン認識により、前記入力画像が良好状態および予め定められた複数の不良度候補のうちのいずれに対応するかを判定するパターン認識処理を実行することを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のウインチ監視方法。
【請求項6】
前記不良度を判定することは、
前記ドラムからの前記ロープの繰り出し位置を特定することと、
前記ドラムにおける前記ロープの巻き取りの層数を特定することと、
それぞれ前記繰り出し位置の候補および前記層数の候補の組み合わせに対応付けられ、さらに前記良好状態または前記複数の不良度候補のいずれかに対応付けられた複数の参照画像の候補の中から前記撮影画像についての前記繰り出し位置および前記層数に対応し、前記複数の不良度候補に対応する前記複数の参照画像を選択することと、を含み、
前記パターン認識処理は、前記撮影画像と選択された前記複数の参照画像との近似度を判定することにより前記良好状態または前記不良度を判定する処理である、請求項5に記載のウインチ監視方法。
【請求項7】
前記パターン認識処理は、前記良好状態および前記複数の不良度候補に対応する複数のサンプル画像を教師データとして予め学習された学習モデルにより、前記入力画像を前記良好状態および前記複数の不良度候補のうちのいずれかに分類する処理である、請求項5に記載のウインチ監視方法。
【請求項8】
前記不良度を判定することは、
前記ドラムからの前記ロープの繰り出し位置を特定することと、
前記ドラムにおける前記ロープの巻き取りの層数を特定することと、
それぞれ前記繰り出し位置の候補および前記層数の候補の組み合わせに対応付けられた複数の前記学習モデルの候補の中から前記撮影画像についての前記繰り出し位置および前記層数に対応する前記学習モデルを前記パターン認識処理に用いられるモデルとして選択することと、を含む、請求項7に記載のウインチ監視方法。
【請求項9】
前記巻き取り不良の判定結果に対応付けられたマニュアルデータを取得し、前記マニュアルデータに基づく案内情報を出力することをさらに含む、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のウインチ監視方法。
【請求項10】
ウインチ装置のドラムへ向けて配置されるカメラと、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のウインチ監視方法の処理を実行するプロセッサーと、を備えるウインチ監視装置。
【請求項11】
吊荷またはブームを支えるロープを巻き取るドラムおよび前記ドラムを回転させるモーターを備えるウインチ装置と、
請求項10に記載のウインチ監視装置と、を備えるクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインチ装置のドラムにおけるロープの巻き取り状態を監視するウインチ監視方法およびウインチ監視装置と、そのウインチ監視装置を備えるクレーンとに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンは、各種のロープを備える。前記ロープは、ブームを支える起伏ロープまたは前記ブームから垂下された状態でフックを介して吊荷を支える吊りロープなどである。
【0003】
さらに、前記クレーンは、前記ロープを巻き取る複数のウインチ装置を備える。前記ウインチ装置は、前記ロープを巻き取るドラムおよび前記ドラムを回転させるモーターを備える。
【0004】
前記ドラムにおける前記ロープの巻き取り状態が乱れる場合がある。前記ロープの巻き取りが乱れた状態は、乱巻き状態と称される。前記乱巻き状態が発生すると、例えば前記吊荷が一時的に急降下するなど、危険な状況に繋がるおそれがある。
【0005】
そこで、前記クレーンは、前記ウインチ装置を撮影するカメラと、前記カメラにより得られる映像をキャビン内において表示する表示装置とを備えることが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
前記クレーンの操縦者は、前記乱巻き状態を確認した場合、前記ロープの巻き直しのための操作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-137035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記操縦者は、各種の操作を行う際に、前記表示装置の映像と前記吊荷または前記ブームの動きなどの他の状況とを並行して監視する必要がある。そのため、前記乱巻き状態の発見の遅れまたは見逃しが発生するおそれがある。
【0009】
また、前記ロープの巻き取り状態は、前記ウインチ装置の作動時間および作動回数が増えるに従って、軽度の不良状態から前記ロープの巻き直し動作を必要とする重度の不良状態へ進行することが多い。
【0010】
従って、前記ロープの巻き取りの不良状態が、前記ウインチ装置の作動を許容される軽度の段階で検出されれば、前記クレーンの作業計画の立案が容易になる。さらに、前記不良状態が重度の段階へ進行するまでの前記ウインチ装置の稼働余寿命が予測されれば、前記クレーンの作業計画の立案がより容易になる。
【0011】
本発明の目的は、ウインチ装置のドラムにおけるロープの巻き取り不良を軽度の段階で速やかに判定できるウインチ監視方法、ウインチ監視装置およびクレーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の局面に係るウインチ監視方法は、ドラムにロープを巻き取るウインチ装置の状態を監視する方法である。前記ウインチ監視方法は、前記ドラムに向けて配置されたカメラによる撮影画像を取得することを含む。前記ウインチ監視方法は、前記撮影画像に基づいて前記ロープの巻き取り不良の有無および前記巻き取り不良の程度を表す不良度を判定し、判定結果を出力することをさらに含む。
【0013】
本発明の他の局面に係るウインチ監視装置は、ウインチ装置のドラムへ向けて配置されるカメラと、前記ウインチ監視方法の処理を実行するプロセッサーと、を備える。
【0014】
本発明の他の局面に係るクレーンは、吊荷またはブームを支えるロープを巻き取るドラムおよび前記ドラムを回転させるモーターを備えるウインチ装置と、前記ウインチ監視装置と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ウインチ装置のドラムにおけるロープの巻き取り不良を軽度の段階で速やかに判定できるウインチ監視方法、ウインチ監視装置およびクレーンを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態に係るクレーンの構成図である。
図2図2は、実施形態に係るクレーンにおける制御関連機器の構成を表すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るクレーンにおけるメインコントローラー、ECUおよび画像処理装置の構成を表すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るクレーンが備えるウインチ装置の斜視図である。
図5図5は、実施形態に係るクレーンにおけるウインチ監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係るクレーンが備えるカメラにより得られる撮影画像の一例を示す図である。
図7図7は、ウインチ監視処理におけるロープ巻き取りの不良度とウインチ装置の稼働実績および稼働余寿命との関係の第1例を示す図である。
図8図8は、ウインチ監視処理におけるロープ巻き取りの不良度とウインチ装置の稼働実績および稼働余寿命との関係の第2例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るクレーンのウインチ監視処理における第1応用例に係る不良度判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、応用例に係る不良度判定処理において撮像画像に基づき導出される評価パラメータの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0018】
[クレーン10の概略構成]
実施形態に係るクレーン10は、吊り荷を吊り上げつつ移動させる作業機械である。
【0019】
図1に示されるように、クレーン10は、下本体部11、上本体部12、キャブ13、ガントリ15、第1ウインチ装置16a、第2ウインチ装置16b、カウンターウェイト17、ブーム21、ブームポイントアイドラーシーブ22、起伏ロープ31a、カウンターウェイト17、フック30、ガントリシーブ23、起伏ロープ31aおよび吊りロープ31bなどを備える。
【0020】
上本体部12は、キャブ13、ガントリ15、第1ウインチ装置16aおよび第2ウインチ装置16bと一体に構成されている。ガントリ15は、上本体部12から起立する状態で上本体部12に固定されている。さらに、上本体部12は、第1ウインチ装置16a、第2ウインチ装置16b、カウンターウェイト17およびブーム21を支持している。
【0021】
下本体部11は、上本体部12を旋回可能に支持する台座部分である。上本体部12は、下本体部11に設けられた不図示の駆動源によって旋回駆動される旋回体である。
【0022】
上本体部12が旋回する場合、キャブ13、ガントリ15、第1ウインチ装置16aおよび第2ウインチ装置16bも、上本体部12とともに旋回する。
【0023】
図1に示されるクレーン10は移動式クレーンである。そのため、クレーン10は、走行装置14をさらに備える。走行装置14は、下本体部11を支持し、走行可能である。図1は、走行装置14がクローラー式の装置である例を示す。
【0024】
操縦者は、キャブ13内でクレーン10を操縦する。ブーム21は、その根元のブームフットが上本体部12に連結されている。ブーム21は、上本体部12と連結された前記根元部を中心にして起伏可能である。
【0025】
第1ウインチ装置16aおよびガントリ15は、起伏ロープ31aを介してブーム21を支える。即ち、起伏ロープ31aは、ブーム21を支える。起伏ロープ31aは、ブーム21の先端部から、ガントリ15に設けられたガントリシーブ23を経て、第1ウインチ装置16aへ張り渡されている。
【0026】
また、第2ウインチ装置16bは、ブーム21の先端部のブームポイントアイドラーシーブ22に掛けられた吊りロープ31bを介してフック30およびフック30に吊される吊荷を支える。即ち、吊りロープ31bは、フック30を介して前記吊荷を支える。
【0027】
第1ウインチ装置16aは、起伏ロープ31aの巻き取り、または、繰り出しを行うことにより、ブーム21を起伏させる。第2ウインチ装置16bは、吊りロープ31bの巻き取り、または、繰り出しを行うことにより、フック30を昇降させる。
【0028】
以下の説明において、第1ウインチ装置16aおよび第2ウインチ装置16bそれぞれのことをウインチ装置16と称する。また、ウインチ装置16が巻き取る起伏ロープ31aまたは吊りロープ31bのことをロープ31と称する。
【0029】
図4に示されるように、ウインチ装置16は、ドラム161および駆動装置162を備える。ドラム161は、ロープ31を巻き取る胴部161aと、胴部161aの両端に形成された一対のフランジ部161bと、回転軸161cとを含む。
【0030】
ドラム161の回転軸161cが、軸受部163によって回転可能に支持されている。以下の説明において、ウインチ装置16におけるドラム161の回転軸161cに沿う方向のことを軸方向D1と称する。
【0031】
駆動装置162は、ドラム161を回転駆動する。駆動装置162は、ドラム161を回転駆動させるモーター162aを備える。例えば、モーター162aは、油圧ポンプ42から供給される油によって作動する油圧モーターである。なお、駆動装置162は、モーター162aの回転力をドラム161へ伝達する不図示のギヤも備える。
【0032】
カウンターウェイト17は、ブーム21、フック30および前記吊り荷の荷重とのバランスをとる。
【0033】
図2に示されるように、クレーン10は、エンジン41、油圧ポンプ42および油圧制御弁43などの駆動系の機器を備える。さらに、クレーン10は、メインコントローラー61およびECU(Engine Control Unit)62などの制御系の機器を備える。
【0034】
さらに、クレーン10は、キャブ13内に設けられた操作装置51および表示装置52などのヒューマンインターフェースのための装置と、クレーン10の状態を検出する検出装置44とを備える。検出装置44は、各種のセンサーを含む。
【0035】
操作装置51は、前記操縦者の操作を受け付ける装置である。表示装置52は情報を表示する装置である。操作装置51は、操作レバー511、操作ボタン512および入力装置513などを含む。
【0036】
入力装置513は、前記操縦者による情報入力を受け付ける。例えば、入力装置513は、表示装置52と一体に構成されたタッチパネルなどである。また、入力装置513が、前記操縦者の音声操作による情報入力を受け付ける装置であってもよい。
【0037】
検出装置44は、荷重センサー441および繰り出し長さ検出装置442などを含む。荷重センサー441は、前記吊荷の重さを検出する。繰り出し長さ検出装置442は、ウインチ装置16のドラム161から繰り出されているロープ31の長さを検出する。
【0038】
以下の説明において、繰り出し長さ検出装置442により検出されるドラム161からのロープ31の繰り出し長さのことを検出繰り出し長さと称する。
【0039】
例えば、繰り出し長さ検出装置442は、モーター162aの第1回転方向および第2回転方向それぞれへの回転回数を積算し、前記第1回転方向への回転回数の積算値から前記第2回転方向への回転回数の積算値を減算して得られる値を積算回転回数として導出する。
【0040】
さらに、繰り出し長さ検出装置442は、前記積算回転回数をロープ31の繰り出し長さへ変換する変換情報を予め保有しており、前記積算回転回数および前記変換情報に基づいて前記検出繰り出し長さを導出する。
【0041】
前記変換情報は、例えば変換式またはルックアップテーブルなどである。なお、前記変換情報は、ドラム161におけるロープ31の巻き取り層の数が増えるごとに、ドラム161の1回転当たりの巻き取り長さ、または、繰り出し長さが大きくなることが反映された情報である。
【0042】
また、繰り出し長さ検出装置442が、ブームポイントアイドラーシーブ22またはガントリシーブ23の回転回数をカウントする回転センサーを備えることも考えられる。この場合、繰り出し長さ検出装置442は、前記回転センサーにより検出される回転回数の積算値を、前記検出繰り出し長さへ変換する。
【0043】
前記第1回転方向は、ドラム161がロープ31を繰り出す方向の回転方向であり、前記第2回転方向は、ドラム161がロープ31を巻き取る方向の回転方向である。
【0044】
本実施形態において、繰り出し長さ検出装置442は、第1ウインチ装置16aによる起伏ロープ31aの繰り出し長さを検出する装置と、第2ウインチ装置16bによる吊りロープ31bの繰り出し長さを検出する装置とを含む。
【0045】
各種の検出装置44の検出結果は、メインコントローラー61およびECU62へ入力される。
【0046】
メインコントローラー61、ECU62および表示装置52は、CAN(Controller Area Network)などの車内LAN(Local Area Network)を通じて相互に通信可能である。本実施形態において、前記車内LANの通信媒体は、CAN-BUSなどのバス9である。
【0047】
エンジン41は、油圧ポンプ42を駆動するディーゼルエンジンである。油圧制御弁43が、メインコントローラー61からの制御信号に従って不図示の油圧モーターなどの目的の駆動部へ圧縮油を供給する。前記駆動部は、ウインチ装置16または上本体部12などの駆動対象を駆動する。ウインチ装置16のモーター162aは、前記駆動部の一例である。
【0048】
メインコントローラー61は、操作装置51に対する操作または各種の検出装置44の検出結果に応じて、油圧制御弁43などの制御対象を制御する。例えば、メインコントローラー61は、検出装置44により検出される操作レバー511に対する操作量に応じて、ウインチ装置16のモーター162aを制御する。また、メインコントローラー61は、表示装置52を制御する。
【0049】
さらに、メインコントローラー61は、第1カメラ45aにより得られる第1撮影映像の信号、および、第2カメラ45bにより得られる第2撮影映像の信号を入力する。そして、メインコントローラー61は、前記第1撮影映像および前記第2撮影映像の一方または両方を表示装置52に表示させることができる。
【0050】
以下の説明において、ウインチ装置16に対応する第1カメラ45aまたは第2カメラ45bのことをカメラ45と称する。カメラ45は、ウインチ装置16の軸方向D1に交差する方向からウインチ装置16のドラム161に向けて配置されている。
【0051】
メインコントローラー61は、カメラ45により得られる画像に対する画像処理も実行するが、その処理については後述する。なお、メインコントローラー61のMPU601の他に設けられるプロセッサーが、所定のプログラムを実行することによって画像処理を行ってもよい。
【0052】
ECU62は、各種の検出装置44の検出結果に応じて、または、メインコントローラー61からの制御指令に従って、エンジン41を制御する。また、ECU62が、メインコントローラー61からの前記制御指令に従って油圧制御弁43の一部などのエンジン41以外の機器を制御してもよい。メインコントローラー61およびECU62は、制御装置の一例である。
【0053】
表示装置52は、メインコントローラー61の制御に従ってクレーン10の状態を表示する。例えば、表示装置52は、表示灯、表示計器およびパネルディスプレーのうちの1つまたは複数を含む。メインコントローラー61は、表示装置52などの各種の機器を制御する。
【0054】
図1,2に示されるように、クレーン10は、第1カメラ45aおよび第2カメラ45bをさらに備える。さらに、クレーン10は、通信装置63も備える(図2参照)。
【0055】
図1に示される例では、第1カメラ45aは、上本体部12に固定された支持台12aによって支持されている。第2カメラ45bは、ガントリ15によって支持されている。
【0056】
第1カメラ45aは、第1ウインチ装置16aの軸方向D1に交差する方向から第1ウインチ装置16aのドラム161に向けて配置されている。同様に、第2カメラ45bは、第2ウインチ装置16bの軸方向D1に交差する方向から第2ウインチ装置16bのドラム161に向けて配置されている。
【0057】
通信装置63は、端末装置100などの外部装置と無線通信を実行する(図2参照)。メインコントローラー61およびECU62は、通信装置63を通じて前記外部装置との通信を実行する。
【0058】
例えば、通信装置63は、モバイル通信網またはWi-Fi(登録商標)などの無線通信回線を通じて前記外部装置との通信を実行する。
【0059】
図3に示されるように、メインコントローラー61およびECU62は、それぞれMPU(Miro Processing Unit)601、RAM(Random Access Memory)602、不揮発性メモリ603、信号インターフェイス604およびバスインターフェイス605などを備える。なお、RAM602および不揮発性メモリ603は、コンピューター読み取り可能な記憶装置である。
【0060】
MPU601は、予め不揮発性メモリ603に記憶されたプログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーの一例である。
【0061】
RAM602は、MPU601によって実行される前記プログラムおよびMPU601が導出もしくは参照するデータを一時記憶する揮発性のメモリである。
【0062】
不揮発性メモリ603は、MPU601によって実行される前記プログラムおよびMPU601が参照するデータを予め記憶する。例えば、不揮発性メモリ603がEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリなどであることが考えられる。
【0063】
信号インターフェイス604は、検出装置44の検出信号をデジタルデータへ変換してMPU601へ伝送する。さらに、信号インターフェイス604は、MPU601が出力する制御指令を電流信号または電圧信号などの制御信号へ変換し、制御対象の機器へ出力する。
【0064】
バスインターフェイス605は、自装置のMPU601と他装置のMPU601との間のバス9を通じたデータ通信を中継する。
【0065】
ウインチ装置16において、ドラム161におけるロープ31の巻き取り状態が乱れる場合がある。ロープ31の巻き取りが乱れた状態は、乱巻き状態と称される。前記乱巻き状態が発生すると、例えば前記吊荷が一時的に急降下するなど、危険な状況に繋がるおそれがある。
【0066】
そこで、クレーン10は、ウインチ装置16を撮影するカメラ45と、カメラ45により得られる映像をキャブ13内において表示する表示装置52とを備える。
【0067】
前記操縦者は、表示装置52の映像を監視しながら各種の操作を行うことができる。そして、前記操縦者は、前記乱巻き状態を確認した場合、ロープ31の巻き直しのための操作を行う。
【0068】
ところで、前記操縦者は、各種の操作を行う際に、表示装置52の映像と前記吊荷またはブーム21の動きなどの他の状況とを並行して監視する必要がある。そのため、前記乱巻き状態の発見の遅れまたは見逃しが発生するおそれがある。
【0069】
また、ロープ31の巻き取り状態は、ウインチ装置16の作動時間および作動回数が増えるに従って、軽度の不良状態からロープ31の巻き直し動作を必要とする重度の不良状態へ進行することが多い。
【0070】
従って、ロープ31の巻き取りの不良状態が、ウインチ装置16の作動を許容される軽度の段階で検出されれば、クレーン10の作業計画の立案が容易になる。さらに、前記不良状態が重度の段階へ進行するまでのウインチ装置16の稼働余寿命が予測されれば、クレーン10の作業計画の立案がより容易になる。
【0071】
一方、クレーン10において、カメラ45およびメインコントローラー61のMPU601は、ウインチ装置16の状態を監視するウインチ監視装置7を構成している。ウインチ監視装置7は、後述するウインチ監視処理を実行することにより、ドラム161におけるロープ31の巻き取り不良を軽度の段階で速やかに判定できる(図5参照)。
【0072】
本実施形態において、メインコントローラー61のMPU601が所定のプログラムを実行することにより、メインコントローラー61は、主処理部611、画像処理部612、不良判定部613、寿命予測部614、通知部615およびウインチ制御部616として動作する。
【0073】
前記ウインチ監視処理において、不良判定部613は、カメラ45による撮影画像IM1に基づいてロープ31の巻き取り不良の有無および前記巻き取り不良の程度を表す不良度を判定する(図6参照)。
【0074】
また、前記ウインチ監視処理において、寿命予測部614は、前記不良度とウインチ装置16の稼働実績とに応じてウインチ装置16の稼働余寿命を予測する。
【0075】
[ウインチ監視処理]
以下、図5に示されるフローチャートを参照しつつ、ウインチ監視装置7が実行するウインチ監視処理の手順の一例について説明する。
【0076】
前記ウインチ監視処理は、ウインチ装置の状態を監視するウインチ監視方法の実施例である。また、メインコントローラー61のMPU601は、前記ウインチ監視方法の処理を実行するプロセッサーの一例である。
【0077】
以下の説明では、前記ウインチ監視処理が、ウインチ装置16およびカメラ45について実行されることを示す。これは、前記ウインチ監視処理が、第1ウインチ装置16aおよび第1カメラ45aと、第2ウインチ装置16bおよび第2カメラ45bとのそれぞれについて実行されることを意味する。
【0078】
主処理部611は、エンジン41が始動したとき、または、入力装置513に対して予め定められた開始操作が行われたときに、前記ウインチ監視処理を開始する。以下の説明において、S101,S102,…は、前記ウインチ監視処理における複数の工程の識別符号を表す。前記ウインチ監視処理において、まず、工程S101の処理が実行される。
【0079】
<工程S101>
工程S101において、画像処理部612は、カメラ45から撮影画像IM1を取得する。即ち、画像処理部612が、カメラ45から撮影画像IM1の信号を入力する。その後、画像処理部612は、処理を工程S102へ移行させる。
【0080】
<工程S102>
工程S102において、画像処理部612は、撮影画像IM1の全領域のうちの一部である対象領域A1を設定する。対象領域A1は、ドラム161の一対のフランジ部161bの間の領域に対応する画像領域である。
【0081】
例えば、画像処理部612は、撮影画像IM1における予め定められた基準領域A0から、予め定められた目標画像を抽出し、その目標画像の位置を基準位置P1として設定する。
【0082】
さらに、画像処理部612は、基準位置P1に対して予め定められた相対的な位置関係にある予め定められた形状および大きさの領域を、基準領域A0として設定する。基準領域A0の形状および大きさは、カメラ45の特性と、カメラ45とドラム161との位置関係と、カメラ45の向きとによって定まる。
【0083】
図6に示される例において、前記目標画像は、一対のフランジ部161bのうちの一方の端部の画像である。
【0084】
例えば、前記目標画像の特徴量を表す特徴データが、予めメインコントローラー61の不揮発性メモリ603に記憶されていることが考えられる。この場合、画像処理部612は、撮影画像IM1の基準領域A0から前記特徴データが表す特徴量との間で予め定められた近似条件を満たす特徴量を有する部分画像を抽出することにより、前記目標画像を抽出する。
【0085】
例えば、画像の色、HOG(Histograms of Oriented Gradients)、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)およびSURF(Speeded Up Robust Features)のうちの1つまたは複数が、前記特徴量として採用されることが考えられる。
【0086】
基準領域A0が、撮影画像IM1から抽出される前記目標画像の位置に基づいて設定されることにより、ドラム161の振動幅が画像処理において無視できない大きさであっても、基準領域A0が適切に設定される。
【0087】
画像処理部612は、対象領域A1を設定した後、処理を工程S103へ移行させる。
【0088】
<工程S103>
工程S103において、画像処理部612は、撮影画像IM1に基づいてドラム161におけるロープ31の繰り出し位置P2,P3を特定する。その後、画像処理部612は、処理を工程S103へ移行させる。
【0089】
本実施形態において、画像処理部612は、対象領域A1の内側と外側とに亘って軸方向D1に交差する方向に延びる延出ロープR1の画像の位置を繰り出し位置P2,P3として特定する。
【0090】
例えば、画像処理部612は、対象領域A1の上境界線LA1に交差するロープ31の画像を延出ロープR1の画像として検出する。延出ロープR1の画像は、周知のエッジ検出処理または色抽出処理などによって検出される。
【0091】
例えば、繰り出し位置P2,P3は、延出ロープR1の画像の左右の境界の位置を表す左繰り出し位置P2および右繰り出し位置P3を含む。この場合、左繰り出し位置P2から右繰り出し位置P3までの範囲が延出ロープR1の位置である。
【0092】
<工程S104>
工程S104において、画像処理部612は、ドラム161におけるロープ31の巻き取りの層数を特定する。その後、画像処理部612は、処理を工程S105へ移行させる。前記層数は、ドラム161におけるロープ31の巻き取り層が何層目であるかを表す。
【0093】
例えば、画像処理部612は、軸方向D1に沿う予め定められた基準線からドラム161における最上層のロープ31までの積層方向D2の距離Y1に応じて前記層数を特定する。距離Y1と前記層数との対応関係は予め定められている。
【0094】
なお、ロープ31の繰り出し長さと前記層数とは予め定められた対応関係を示す。従って、主処理部611が、繰り出し長さ検出装置442の検出結果に応じて前記層数を特定してもよい。
【0095】
ここで、工程S105の処理の説明の前に、後述する工程S106の処理について説明する。
【0096】
不良判定部613は、後述する工程S106において、撮影画像IM1における対象領域A1の画像を入力画像とし、前記入力画像のパターン認識により、前記入力画像が良好状態および前記不良度の予め定められた複数の不良度候補のうちのいずれに対応するかを判定するパターン認識処理を実行する。
【0097】
前記良好状態は、ロープ31の巻き取り不良が生じていない状態である。前記不良度候補は、予め定められた前記不良度の候補である。
【0098】
本実施形態において、前記不良度は、1~NまでのN段階の候補のいずれかで表される。この場合、前記複数の不良度候補は、1~Nまでの評価値である。
【0099】
ここで、前記不良度が1であることは、ロープ31の巻き取り状態が不良状態の中で最も軽度であることを示す。前記不良度がNであることは、ロープ31の巻き直し動作を必要とする最も重度の不良状態を示す。前記不良度がNであることは、前記不良度が限界程度であることの一例である。
【0100】
本実施形態において、前記パターン認識処理は、前記良好状態および前記複数の不良度候補に対応する複数のサンプル画像を教師データとして予め学習された学習モデルにより、前記入力画像を前記良好状態および前記複数の不良度候補のうちのいずれかに分類する処理である。
【0101】
例えば、前記学習モデルは、ランダムフォレストと称される分類型の機械学習アルゴリズムが採用されたモデル、SVM(Support Vector Machine)と称される機械学習アルゴリズムが作用されたモデル、またはCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムが採用されたモデルなどである。
【0102】
<工程S105>
工程S105において、不良判定部613は、予め登録された複数の候補モデルの中から前記不良度の判定に用いられる前記学習モデルを選択する。その後、不良判定部613は、処理を工程S106へ移行させる。
【0103】
前記学習モデルは、前記良好状態および前記複数の不良度候補に対応する複数のサンプル画像を教師データとして予め学習された画像認識のモデルである。前記複数の候補モデルは、前記学習モデルの複数の候補である。前記複数の候補モデルのデータは、メインコントローラー61の不揮発性メモリ603に記憶されている。
【0104】
前記複数のサンプル画像は、それぞれカメラ45により得られた画像における対象領域A1の画像であり、前記ウインチ監視処理が実行される前に前記学習モデルの学習のために得られた画像である。
【0105】
本実施形態において、前記複数の候補モデルは、それぞれ繰り出し位置P2,P3の候補および前記層数の候補の組み合わせに対応付けられている。即ち、前記複数の候補モデルは、それぞれ繰り出し位置P2,P3および前記層数の組み合わせが異なる前記サンプル画像を教師データとして学習された前記学習モデルである。
【0106】
不良判定部613は、前記複数の候補モデルの中から撮影画像IM1についての繰り出し位置P2,P3および前記層数に対応する1つを前記パターン認識処理に用いられる前記学習モデルをとして選択する。
【0107】
一般に、前記不良度の判定精度を高めるために、膨大な前記教師データが前記学習モデルの学習のために必要となる。しかしながら、膨大な数の前記サンプル画像を用意することは多大な手間を要する。
【0108】
一方、本実施形態では、前記教師データとなる前記サンプル画像が、繰り出し位置P2,P3および前記層数の組み合わせによって予め分類され、分類ごとにモデルの学習が行われる。これにより、比較的少ない前記サンプル画像が用意されるだけで、判定精度の高い前記複数の候補モデルが得られる。
【0109】
<工程S106>
工程S106において、不良判定部613は、撮影画像IM1における対象領域A1の画像に基づいて前記不良度を判定する。
【0110】
具体的には、不良判定部613は、撮影画像IM1における対象領域A1の画像を前記入力画像として工程S105で選択された前記学習モデルに適用することにより、前記入力画像を前記良好状態およびN段階の前記不良度候補のうちのいずれかに分類する。
【0111】
そして、不良判定部613は、判定結果が前記良好状態である場合に、処理を工程S101へ移行させ、前記不良度の判定値が前記限界程度である場合に、処理を工程S112へ以降させ、前記不良度の判定値がその他の状態である場合に、処理を工程S107へ移行させる。
【0112】
<工程S107>
工程S107において、寿命予測部614は、ウインチ装置16の稼働実績の情報を取得する。その後、寿命予測部614は、処理を工程S108へ移行させる。
【0113】
例えば、ウインチ制御部616が前記稼働実績の情報をメインコントローラー61の不揮発性メモリ603に記録している場合、寿命予測部614は、メインコントローラー61の不揮発性メモリ603から前記稼働実績の情報を取得する。
【0114】
また、ウインチ制御部616が、前記稼働実績の情報を、通信装置63を通じて端末装置100または他のサーバー装置などの外部装置のストレージに記録している場合、寿命予測部614は、前記外部装置から通信装置63を通じて前記稼働実績の情報を取得する。
【0115】
例えば、前記稼働実績は、ウインチ装置16によるドラム161の回転駆動時間、ロープ31の巻き取り長さ、および、ロープ31の巻き取り回数のうちの1つまたは複数の実績を含む。
【0116】
<工程S108>
工程S108において、寿命予測部614は、前記不良度の進行の程度と前記不良度の進行に要した期間における前記稼働実績とに応じて前記巻き取り不良の進行ペースPS1を判定する(図7,8参照)。
【0117】
例えば、寿命予測部614は、予め定められた基点以降に初めて前記巻き取り不良が発生したと判定された場合に、前記基点から前記不良度の最初の判定値iが得られるまでの前記稼働実績を基準稼働実績W1として設定する(図7参照)。
【0118】
さらに、寿命予測部614は、基準稼働実績W1の値を前記不良度の最初の判定値iで除算することにより、進行ペースPS1を導出する(図7参照)。
【0119】
また、寿命予測部614は、最初に前記巻き取り不良が発生したと判定された後にさらに進行した前記不良度の判定結果が得られた場合に、前記不良度の前回の判定値jが得られてから前記不良度の今回の判定値iが得られるまでの前記稼働実績を基準稼働実績W1として設定する(図8参照)。
【0120】
さらに、寿命予測部614は、基準稼働実績W1の値を前記不良度の前回から今回までの進行度(i-j)で除算することにより、進行ペースPS1を導出する(図8参照)。
【0121】
本実施形態において基準稼働実績W1は、対応期間におけるドラム161の回転駆動時間、ロープ31の巻き取り長さ、および、ロープ31の巻き取り回数のうちの1つまたは複数を含む。
【0122】
前記対応期間は、前記基点から前記不良度の最初の判定値iが得られるまでの期間、または、前記不良度の前回の判定値jが得られてから前記不良度の今回の判定値iが得られるまでの期間である。
【0123】
寿命予測部614は、進行ペースPS1を判定した後、処理を工程S109へ移行させる。
【0124】
<工程S109>
工程S109において、寿命予測部614は、前記不良度と前記稼働実績とに応じてウインチ装置16の稼働余寿命LW2を予測する(図7,8参照)。その後、寿命予測部614は、処理を工程S110へ移行させる。
【0125】
本実施形態において、寿命予測部614は、前記不良度が最重度のNまで進行ペースPS1で進行するまでにウインチ装置16に許容される稼働状態を稼働余寿命LW2として予測する。
【0126】
本実施形態において、稼働余寿命LW2は、ウインチ装置16に許容されるドラム161の回転駆動時間、ロープ31の巻き取り長さ、および、ロープ31の巻き取り回数のうちの1つまたは複数を含む。
【0127】
寿命予測部614は、前記不良度が前記限界程度のNまで進行ペースPS1で進行するまでにウインチ装置16に許容される稼働状態を稼働余寿命LW2として予測する。
【0128】
具体的には、まず、寿命予測部614は、前記不良度が最新の判定値iから前記限界程度(N)まで進行ペースPS1で進行するまでにウインチ装置16に許容される稼働状態である基準余寿命LW1を導出する(図7,8参照)。
【0129】
例えば、寿命予測部614は、進行ペースPS1に前記限界程度(N)と前記不良度の判定値iとの差を乗算することにより、基準余寿命LW1を導出する。
【0130】
さらに、寿命予測部614は、前記不良度の最新の判定値iが得られてから現在までの前記稼働実績を差分稼働実績W2として設定する(図7,8参照)。
【0131】
さらに、寿命予測部614は、基準余寿命LW1から差分稼働実績W2を減じることにより稼働余寿命LW2を導出する(図7,8参照)。
【0132】
<工程S110>
工程S110において、通知部615は、前記巻き取り不良の判定結果に対応付けられたマニュアルデータを取得する。その後、通知部615は処理を工程S111へ移行させる。
【0133】
前記マニュアルデータは、前記不良度の判定結果に応じて留意すべき操作などを前記操縦者などに説明する情報を含む。さらに、前記マニュアルデータは、ロープ31の巻き直し方法など、ドラム161における初期の乱巻きを修正する方法に関する情報も含む。例えば、通知部615は、前記マニュアルデータをメインコントローラー61の不揮発性メモリ603、または、前記外部装置から取得する。
【0134】
<工程S111>
工程S111において、通知部615は、前記不良度の判定結果、稼働余寿命LW2および前記マニュアルデータの情報を含む案内情報を表示装置52および端末装置100の一方または両方へ出力する。
【0135】
なお、通知部615が、前記不良度の判定結果および稼働余寿命LW2を含む情報を日時情報とともにメインコントローラー61の不揮発性メモリ603に記録することも考えられる。
【0136】
通知部615は、前記案内情報を出力した後、処理を工程S101へ移行させる。
【0137】
<工程S112>
一方、工程S112において、通知部615は、前記不良度が前記限界程度に達している胸を表す警報を出力する処理を実行する。その後、通知部615は、処理を工程S113へ移行させる。
【0138】
通知部615は、前記警報を表示装置52および端末装置100の一方または両方へ出力する。
【0139】
例えば、通知部615は、前記不良度が前記限界程度であると判定されたときの撮影画像IM1および前記不良度の判定結果を含む警報情報を出力する。
【0140】
また、通知部615は、さらにロープ31の巻き戻し操作を前記操縦者に促す情報と、良好な初期状態のドラム161の画像とを含む前記警報情報を出力してもよい。これにより、前記操縦者は、ドラム161が良好な初期状態になるよう確認しつつロープ31の巻き戻し操作を行うことができる。
【0141】
なお、通知部615が、前記警報情報を日時情報とともにメインコントローラー61の不揮発性メモリ603に記録することも考えられる。
【0142】
通知部615は、前記警報を出力した後、処理を工程S113へ移行させる。
【0143】
<工程S113>
工程S113において、ウインチ制御部616が、前記不良度が前記限界程度であると判定されたウインチ装置16のモーター162aの回転速度を減速させる。そして、ウインチ制御部616は、処理を工程S114へ移行させる。
【0144】
工程S113において、ウインチ制御部616は、操作レバー511に対するモーター162aを加速させる操作およびモーター162aの回転速度を維持する操作に対応するモーター162aの制御よりも優先して、モーター162aを減速させる。
【0145】
但し、ウインチ制御部616は、操作レバー511に対するモーター162aを減速させる操作を検出した場合、操作レバー511に対する操作に従ってモーター162aを制御する。
【0146】
即ち、工程S113において、ウインチ制御部616は、操作レバー511に対するモーター162aの加速または回転速度維持の操作に対応するモーター162aの制御を制限する。
【0147】
なお、工程S113において、ウインチ制御部616が、モーター162aの回転を停止させることも考えられる。この場合、ウインチ制御部616は、モーター162aの回転速度を徐々に減速させた上で、モーター162aを停止させる。
【0148】
また、工程S113において、モーター162aの回転が停止したときに、ウインチ制御部616が、予め定められた初期巻き取りモードの制御を実行してもよい。前記初期巻取りモードの制御において、ウインチ制御部616は、カメラ45による撮影画像に基づいてドラム161における第1層目のロープ31の巻き取り状態を判定する。さらにウインチ制御部616は、判定結果およびドラム161の撮影画像を不揮発性メモリ603などに記録することができる。
【0149】
<工程S114>
工程S114において、ウインチ制御部616は、入力装置513に対して予め定められた確認操作が行われたか否かを判定する。ウインチ制御部616は、前記確認操作が行われたと判定した場合に、処理を工程S115へ移行させる。
【0150】
一方、ウインチ制御部616は、前記確認操作が行われていないと判定した場合に、モーター162aの減速を継続する。これにより、入力装置513に対する前記確認操作が行われない限り、ウインチ制御部616は、モーター162aが停止するまでモーター162aの回転速度を徐々に減速させる。
【0151】
<工程S115>
工程S115において、ウインチ制御部616は、モーター162aに対する制御の制限を解除する。これにより、ウインチ制御部616は、通常通り、操作レバー511に対する操作に従ってモーター162aを制御する。
【0152】
その後、ウインチ制御部616は、前記ウインチ監視処理を終了させる。
【0153】
以上に示されるように、不良判定部613は、カメラ45による撮影画像IM1に基づいてロープ31の巻き取り不良の有無および前記巻き取り不良の程度を表す前記不良度を判定する(図5の工程S102~S106を参照)。
【0154】
さらに、通知部615は、前記不良度の判定結果を前記案内情報または前記警報の情報の一部として出力する(図5の工程S111,S112を参照)。
【0155】
ウインチ監視装置7による前記ウインチ監視処理が実行されることにより、ウインチ装置16のドラム161におけるロープ31の前記巻き取り不良を軽度の段階で速やかに判定することができる。
【0156】
また、前記不良度の判定結果が前記操縦者または端末装置100のユーザーなどへ提示されることにより、クレーン10の作業計画の立案が容易になる。
【0157】
本実施形態において、不良判定部613は、前記パターン認識処理を実行することによって前記不良度を判定する(図5の工程S106を参照)。
【0158】
本実施形態における前記パターン認識処理は、撮影画像IM1における対象領域A1の画像を前記学習モデルに適用することより、対象領域A1の画像を前記良好状態および前記複数の不良度候補のうちのいずれかに分類する処理である。
【0159】
前記不良度が前記パターン認識処理によって判定されることにより、ウインチ装置16の種類または大きさの違いなどに応じた判定アルゴリズムの調整のための多大な手間を要することなく、高い精度での前記不良度の判定が可能になる。
【0160】
また、寿命予測部614は、前記不良度とウインチ装置16の前記稼働実績とに応じてウインチ装置16の前記稼働余寿命を予測する(図5の工程S107~S109を参照)。
【0161】
具体的には、寿命予測部614は、前記不良度が進行するごとに、前記不良度の進行の程度と基準稼働実績W1とに応じて前記巻き取り不良の進行ペースPS1を判定する(図5の工程S108および図7,8を参照)。基準稼働実績W1は、前記不良度の進行に要した期間における前記稼働実績である。
【0162】
さらに、寿命予測部614は、前記不良度が予め定められた前記限界程度まで進行ペースPS1で進行するまでにウインチ装置16に許容される稼働状態を稼働余寿命LW2として予測する(図5の工程S109および図7,8を参照)。
【0163】
また、通知部615は、稼働余寿命LW2の予測結果を前記案内情報の一部として出力する(図5の工程S111を参照)。
【0164】
稼働余寿命LW2の予測結果が前記操縦者または端末装置100のユーザーなどへ提示されることにより、クレーン10の作業計画の立案がより容易になる。
【0165】
[第1応用例:不良判定処理]
次に、図9,10を参照しつつ、図5の工程S105および工程S106の代わりに実行される第1応用例に係る不良度判定処理について説明する。
【0166】
以下、図9に示されるフローチャートを参照しつつ、第1応用例に係る前記不良判定処理の手順の一例について説明する。本応用例に係る前記不良判定処理が前記ウインチ監視処理に採用されてもよい。
【0167】
以下の説明において、S201,S202,…は、前記不良判定処理における複数の工程の識別符号を表す。前記不良判定処理において、まず、工程S201の処理が実行される。
【0168】
<工程S201>
工程S201において、画像処理部612は、カメラ45により得られる撮影画像IM1における対象領域A1の画像から、ロープ31の巻き取り状態に関する予め定められた複数の指標値を導出する。その後、画像処理部612は、処理を工程S202へ移行させる。
【0169】
例えば、前記複数の指標値は、稜線間隔G1、稜線高さ差Hd0、層段差Hd1およびフランジギャップG2のうちの一部または全部を含む(図10を参照)。
【0170】
[稜線間隔G1]
稜線間隔G1は、ロープ31の巻き取り層ごとに軸方向D1に沿って並ぶ複数の稜線部R2の間隔である。
【0171】
画像処理部612は、対象領域A1における、繰り出し位置P2,P3に対し軸方向D1の両側の領域それぞれにおいて、ロープ31の巻き取り層ごとの複数の稜線部R2を検出する。
【0172】
稜線部R2は、ロープ31のドラム161に螺旋状に巻かれた部分の輪郭において凸状に形成された部分である。
【0173】
図10に示されるように、複数の稜線部R2が、前記巻き取り層ごとに軸方向D1に沿って並んで形成される。稜線部R2は、周知のエッジ検出処理または色抽出処理などによって検出される。
【0174】
以下の説明において、図5の工程S102で設定される対象領域A1における、繰り出し位置P2,P3に対し軸方向D1の両側の領域のことを左対象領域A11および右対象領域A12と称する。
【0175】
左対象領域A11は、対象領域A1における左繰り出し位置P2よりも左側の領域である。右対象領域A12は、対象領域A1における右繰り出し位置P3よりも右側の領域である。
【0176】
画像処理部612は、左対象領域A11および右対象領域A12のそれぞれにおいて複数の稜線部R2を検出する。
【0177】
さらに、画像処理部612は、複数の稜線部R2の高さである稜線高さH1,H2を導出する。稜線高さH1,H2は、軸方向D1に沿う予め定められた基準線から稜線部R2までの距離である。
【0178】
図10に示される例では、前記基準線は、対象領域A1の上境界線LA1である。この場合、稜線高さH1,H2の値が小さいほど、稜線部R2の高さが高いことを意味する。
【0179】
稜線高さH1,H2は、左対象領域A11で検出される稜線部R2の高さである第1稜線高さH1と、右対象領域A12で検出される稜線部R2の高さである第2稜線高さH2とを含む。
【0180】
図10に示される第1稜線高さH1(1)、H1(2)、H1(3)および第2稜線高さH2(1)、H2(2)、H2(3)における括弧内の添字は、軸方向D1に並ぶ複数の稜線部R2の番号を表す。
【0181】
さらに、画像処理部612は、第1稜線高さH1および第2稜線高さH2のうちの高い方である最上層高さHx0を導出する。例えば、画像処理部612は、複数の第1稜線高さH1の代表高さおよび複数の第2稜線高さH2の代表高さのうちの高い方を、最上層高さHx0として導出する。前記代表高さは、平均高さまたは最大高さなどである。
【0182】
なお、画像処理部612が、左対象領域A11および右対象領域A12のうち最上層高さHx0に対応する領域を、モーター162aの回転方向および繰り出し位置P2,P3の移動方向によって判定することも考えられる。
【0183】
モーター162aがロープ31を巻き取る方向に回転している場合、最上層高さHx0に対応する領域は、左対象領域A11および右対象領域A12のうち繰り出し位置P2,P3の移動方向の上流側の領域である。
【0184】
一方、モーター162aがロープ31を繰り出す方向に回転している場合、最上層高さHx0に対応する領域は、左対象領域A11および右対象領域A12のうち繰り出し位置P2,P3の移動方向の下流側の領域である。
【0185】
さらに、画像処理部612は、前記巻き取り層ごとに軸方向D1に並ぶ複数の稜線部R2の間隔である稜線間隔G1を導出する(図10参照)。
【0186】
例えば、画像処理部612は、左対象領域A11および右対象領域A12のうち最上層高さHx0に対応する領域において繰り出し位置P2,P3に最も近い稜線部R2および2番目に近い稜線部R2の軸方向D1の間隔を稜線間隔G1として導出する。
【0187】
図10に示される例においては、左対象領域A11の2つの稜線部R2の間隔が、稜線間隔G1として導出される。
【0188】
[稜線高さ差Hd0]
稜線高さ差Hd0は、前記巻き取り層ごとの複数の稜線部R2の相互の高さの差である。
【0189】
画像処理部612は、複数の第1稜線高さH1の相互の差、または、複数の第2稜線高さH2の相互の差を稜線高さ差Hd0として導出する。
【0190】
例えば、画像処理部612は、左対象領域A11および右対象領域A12のうち最上層高さHx0に対応する領域において繰り出し位置P2,P3に最も近い稜線部R2の高さおよび2番目に近い稜線部R2の高さの差を稜線高さ差Hd0として導出する。
【0191】
図10に示される例においては、左対象領域A11から導出される2つの第1稜線高さH1(1)およびH1(2)の差の絶対値が、稜線高さ差Hd0として導出される。
【0192】
[層段差Hd1]
層段差Hd1は、前記巻き取り層が増加する前後における稜線部R2の高さの差である。
【0193】
例えば、画像処理部612は、複数の第1稜線高さH1の代表高さと複数の第2稜線高さH2の代表高さとの差の絶対値を、層段差Hd1として導出する。
【0194】
[フランジギャップG2]
フランジギャップG2は、ドラム161における軸方向D1の両端に形成された一対のフランジ部161bの一方と前記巻き取り層が増加したときに最上層に最初に形成される稜線部R2である端稜線部R21との軸方向D1の間隔である。
【0195】
例えば、画像処理部612は、モーター162aがロープ31を巻き取る方向に回転している場合に、繰り出し位置P2,P3が対象領域A1の左境界線LA2または右境界線LA3に対して前記第1近距離範囲から離れる方向へ移動するときに、左境界線LA2または右境界線LA3と繰り出し位置P2,P3との間に最初に検出される稜線部R2の位置を、端稜線部R21の位置として導出する。
【0196】
<工程S202>
工程S202において、不良判定部613は、前記複数の指標値に基づいて前記複数の指標値に対応する複数の個別不良度を判定する。その後、不良判定部613は、処理を工程S203へ移行させる。
【0197】
例えば、不良判定部613は、前記指標値と前記指標値ごとに予め定められた複数のしきい値との比較により、前記指標値ごとに前記個別不良度を判定する。
【0198】
<工程S203>
工程S203において、不良判定部613は、前記複数の個別不良度に基づいて前記不良度を判定する。その後、不良判定部613は、前記不良判定処理を終了させる。
【0199】
例えば、不良判定部613は、前記複数の個別不良度のうち最も重度の状態を示す1つ、または、前記複数の個別不良度の平均値などを前記不良度として導出する。
【0200】
[第2応用例:不良判定処理]
次に、図5の工程S105および工程S106の代わりに実行される第2応用例に係る不良度判定処理について説明する。本応用例に係る前記不良判定処理が前記ウインチ監視処理に採用されてもよい。
【0201】
本応用例において、不良判定部613は、図5の工程S106において、撮影画像IM1における対象領域A1の画像を入力画像とし、前記入力画像のパターン認識により、前記入力画像が良好状態および前記複数の不良度候補のうちのいずれに対応するかを判定するパターン認識処理を実行する。
【0202】
本応用例において、複数の候補参照画像のデータが予めメインコントローラー61の不揮発性メモリ603に記憶されている。
【0203】
前記複数の候補参照画像は、それぞれ繰り出し位置P2,P3の候補および前記層数の候補の組み合わせに対応付けられ、さらに前記良好状態または前記複数の不良度候補のいずれかに対応付けられている。
【0204】
図5の工程S105において、不良判定部613は、前記複数の候補参照画像の中から撮影画像IM1についての繰り出し位置P2,P3および前記層数に対応し、前記良好状態および前記複数の不良度候補に対応するものを複数の参照画像として選択する。
【0205】
本応用例における前記パターン認識処理は、撮影画像IM1における対象領域A1の画像と選択された前記複数の参照画像それぞれとの近似度を判定することにより前記良好状態または前記不良度を判定する処理である。
【0206】
例えば、本応用例における不良判定部613は、対象領域A1の画像および前記複数の参照画像各々における特徴量を抽出し、対象領域A1の画像および前記複数の参照画像各々における前記特徴量の近似度を判定する。
【0207】
前記特徴量は、例えばSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)特徴量またはSURF(Speeded-Up Robust Features)特徴量などを含む。
【0208】
そして、不良判定部613は、前記複数の参照画像のうち前記近似度が最も高い1つがいずれであるかを判定することにより、前記良好状態または前記不良度を判定する。
【0209】
前記第1応用例においては、前記良好状態または前記不良度は、主にドラム161に巻かれたロープ31の稜線部分の状態に基づき判定される。
【0210】
一方、前記実施形態または前記第2応用例においては、ドラム161に巻かれたロープ31における稜線部分以外の部分の状態を、前記良好状態または前記不良度の判定に反映させることができる。
【0211】
例えば、前記実施形態における前記複数のサンプル画像、または、前記第2応用例における前記複数の参照画像が、それぞれドラム161に積層されたロープ31間の隙間の大きさが異なる状態を表す複数の画像を含むことが考えられる。この場合、前記不良度は、ロープ31間の隙間の大きさに応じて判定される。
【0212】
なお、前記実施形態、前記第1応用例および前記第2応用例において、不良判定部613は、撮影画像IM1における対象領域A1の画像に基づいて前記良好状態または前記不良度を判定する。
【0213】
しかしながら、不良判定部613は、撮影画像IM1の全体、または、撮影画像IM1における予め定められた特定領域の画像に基づいて前記良好状態または前記不良度を判定してもよい。
【符号の説明】
【0214】
7 :ウインチ監視装置
10 :クレーン
16 :ウインチ装置
16a :第1ウインチ装置
16b :第2ウインチ装置
31 :ロープ
31a :起伏ロープ
31b :吊りロープ
45 :カメラ
45a :第1カメラ
45b :第2カメラ
61 :メインコントローラー
161 :ドラム
611 :主処理部
612 :画像処理部
613 :不良判定部
614 :寿命予測部
615 :通知部
616 :ウインチ制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10