(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138380
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】樹脂成形装置および樹脂成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/02 20060101AFI20220915BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B29C45/02
H01L21/56 T
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038235
(22)【出願日】2021-03-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 和己
【テーマコード(参考)】
4F206
5F061
【Fターム(参考)】
4F206AA36
4F206AB03
4F206AC01
4F206AD19
4F206AG03
4F206AH37
4F206AM35
4F206JA02
4F206JB17
4F206JL02
4F206JQ90
4F206JW06
4F206JW23
4F206JW33
5F061AA01
5F061BA04
5F061CA21
5F061DA03
5F061DA04
5F061DA05
5F061DA06
5F061DA13
5F061DA14
(57)【要約】
【課題】反りが矯正された樹脂成形品を高い歩留まりで製造することが可能な樹脂成形装置および樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂成形機構(20)を備える樹脂成形装置(10)である。樹脂成形機構(20)は、第1型(21)と第2型(22)と型締機構(27)とを備える。樹脂成形装置(10)は、不要樹脂除去機構(100)をさらに備える。不要樹脂除去機構(100)は、一対の成形済基板載置部(130)と一対の成形済基板押さえ部(140)とを備える。一対の成形済基板載置部(130)は、一対の成形済基板(200)から不要樹脂部分(230)が除去された後の第1の成形済基板(240a)および第2の成形済基板(240b)を加熱可能に構成された加熱部(170)を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形機構を備える樹脂成形装置であって、
前記樹脂成形機構は、第1型と、前記第1型に向かい合って配置された第2型と、前記第1型と前記第2型とを型締め可能に構成された型締機構と、を備え、
前記樹脂成形装置は、
前記第1型と前記第2型とが型締めされて一対の基板が樹脂成形された後の一対の成形済基板の不要樹脂部分を除去可能に構成された不要樹脂除去機構をさらに備え、
前記不要樹脂除去機構は、前記一対の成形済基板を載置可能に構成された一対の成形済基板載置部と、前記一対の成形済基板載置部に載置された前記一対の成形済基板を押圧可能に構成された一対の成形済基板押さえ部と、を備え、
前記一対の成形済基板載置部は、前記一対の成形済基板から前記不要樹脂部分が除去された後の第1の成形済基板および第2の成形済基板を加熱可能に構成された加熱部を備える、樹脂成形装置。
【請求項2】
前記一対の成形済基板載置部は、互いに間隔を空けて並列に配置された第1の成形済基板載置部と第2の成形済基板載置部とを備え、
前記一対の成形済基板押さえ部は、互いに間隔を空けて並列に配置された第1の成形済基板押さえ部と第2の成形済基板押さえ部とを備える、請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項3】
前記第1の成形済基板または前記第2の成形済基板を搬送可能に構成された搬送機構をさらに備え、
前記搬送機構は、前記第1の成形済基板または前記第2の成形済基板が接触可能に構成された一対の搬送基板接触部と、前記一対の搬送基板接触部に前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を押圧可能に構成された一対の搬送基板押さえ部とを備える、請求項1または請求項2に記載の樹脂成形装置。
【請求項4】
前記搬送機構は、前記一対の搬送基板押さえ部が前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を押圧した状態で移動停止可能に構成されている、請求項3に記載の樹脂成形装置。
【請求項5】
前記一対の搬送基板押さえ部は、前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板の周縁を押圧可能に構成されている、請求項3または請求項4に記載の樹脂成形装置。
【請求項6】
第1型と第2型とを型締めして一対の基板を樹脂成形することによって一対の成形済基板を形成する工程と、
前記一対の成形済基板が一対の成形済基板載置部に載置された状態とし、前記一対の成形済基板載置部上の前記一対の成形済基板を一対の成形済基板押さえ部によって押圧して、前記一対の成形済基板の不要樹脂部分を除去することによって第1の成形済基板および第2の成形済基板を形成する工程と、
前記一対の成形済基板載置部に備えられた加熱部によって前記第1の成形済基板および第2の成形済基板を加熱する工程と、を含む、樹脂成形品の製造方法。
【請求項7】
前記加熱する工程は、前記一対の成形済基板押さえ部によって前記第1の成形済基板および第2の成形済基板を押圧しながら加熱する工程を含む、請求項6に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項8】
前記加熱する工程は、前記一対の成形済基板載置部の表面を140℃以上175℃以下に加熱する工程を含む、請求項6または請求項7に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項9】
前記加熱する工程は、前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を15秒以上40秒以下加熱する工程を含む、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項10】
搬送機構が前記加熱する工程後の前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板をピックアップする工程をさらに含む、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項11】
前記ピックアップする工程の後に前記搬送機構の一対の搬送基板押さえ部が前記一対の搬送基板接触部に対して前記加熱する工程後の前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を押圧する工程をさらに含む、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項12】
前記押圧する工程において、前記一対の搬送基板押さえ部は、前記加熱する工程後の前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板の周縁を押圧する、請求項11に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項13】
前記一対の搬送基板押さえ部が前記一対の搬送基板接触部に対して前記加熱する工程後の前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を押圧した状態で前記搬送機構の移動を停止する工程をさらに含む、請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂成形装置および樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1には、基板を搬送する搬送装置が、基板を搬送する際に基板からの熱の放出を抑制可能な断熱板と、断熱板の基板に対向する面に基板から放射される熱を反射する機能を有する熱反射板とを備えることによって、基板の搬送中の温度低下の抑制が可能な樹脂封止装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の樹脂封止装置において、樹脂封止後の基板である成形品は、搬送装置によって金型からゲートブレーク部の冷却ステージ上に搬出される。成形品は成形品の上下に配置された金属板でクランプされ、室温状態のエアを金属板とともに吹き付けられることによって冷却されるとともに、成形品の反りが矯正される。その後、冷却された成形品からは不要部分(カル部)が切り離される(ゲートブレークされる)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂封止装置においては、成形品の反りを矯正することができないことがあったため、その改善が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示された実施形態によれば、樹脂成形機構を備える樹脂成形装置であって、樹脂成形機構は、第1型と、第1型に向かい合って配置された第2型と、第1型と第2型とを型締め可能に構成された型締機構と、を備え、樹脂成形装置は、第1型と第2型とが型締めされて一対の基板が樹脂成形された後の一対の成形済基板の不要樹脂部分を除去可能に構成された不要樹脂除去機構をさらに備え、不要樹脂除去機構は、一対の成形済基板を載置可能に構成された一対の成形済基板載置部と、一対の成形済基板載置部に載置された一対の成形済基板を押圧可能に構成された一対の成形済基板押さえ部と、を備え、一対の成形済基板載置部は、一対の成形済基板から不要樹脂部分が除去された後の第1の成形済基板および第2の成形済基板を加熱可能に構成された加熱部を備える、樹脂成形装置を提供することができる。
【0007】
ここで開示された実施形態によれば、第1型と第2型とを型締めして一対の基板を樹脂成形することによって一対の成形済基板を形成する工程と、一対の成形済基板が一対の成形済基板載置部に載置された状態とし、一対の成形済基板載置部上の一対の成形済基板を一対の成形済基板押さえ部によって押圧して、一対の成形済基板の不要樹脂部分を除去することによって第1の成形済基板および第2の成形済基板を形成する工程と、一対の成形済基板載置部に備えられた加熱部によって第1の成形済基板および第2の成形済基板を加熱する工程と、を含む、樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
ここで開示された実施形態によれば、反りが矯正された樹脂成形品を高い歩留まりで製造することが可能な樹脂成形装置および樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の樹脂成形装置の構成の一例のブロック図である。
【
図2】
図1に示される樹脂成形機構の一例の模式的な側面図である。
【
図3】実施形態の一対の成形済基板の一例の模式的な平面図である。
【
図4】
図1に示される不要樹脂除去機構の一例の模式的な正面図である。
【
図5】実施形態の一対の成形済基板を一対の成形済基板押さえ部によって押圧する工程を図解する模式的な平面図である。
【
図6】実施形態の一対の成形済基板の不要樹脂部分を除去することによって第1の成形済基板および第2の成形済基板を形成する工程を図解する模式的な平面図である。
【
図7】実施形態の第1の成形済基板および第2の成形済基板を加熱する工程を図解する模式的な平面図である。
【
図8】
図1に示される搬送機構の一例の模式的な正面図である。
【
図9】
図8に示される搬送機構の模式的な側面図である。
【
図10】(a)は押圧工程を行なっている搬送機構の一例の模式的な正面図であり、(b)は押圧工程が行なわれている第1の成形済基板または第2の成形済基板の表面の一例の模式的な平面図である。
【
図11】実験例の一対の成形済基板から不要樹脂部分を除去した後の実験例の第1の成形済基板および第2の成形済基板の写真である。
【
図12】加熱工程後の実験例の第1の成形済基板および第2の成形済基板の写真である。
【
図13】搬送レールに載置された後の実験例の第1の成形済基板および第2の成形済基板の写真である。
【
図14】押圧工程後の実験例の第1の成形済基板および第2の成形済基板を搬送レールに載置した後の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について説明する。なお、実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
【0011】
図1は、実施形態の樹脂成形装置の構成の一例のブロック図を示す。
図1に示される樹脂成形装置10は、樹脂成形機構20と、不要樹脂除去機構100と、搬送機構300と、制御部500と、を備えている。制御部500は、樹脂成形機構20と、不要樹脂除去機構100と、搬送機構300とを制御可能に構成されている。樹脂成形装置10は、樹脂成形機構20、不要樹脂除去機構100、搬送機構300および制御部500以外の構成を備えていてもよいことは言うまでもない。たとえば、樹脂成形装置10は、樹脂成形前の基板を供給する成形前基板供給機構および/または樹脂材料を供給する樹脂材料供給機構を備えていてもよい。
【0012】
図2に、
図1に示される樹脂成形機構20の一例の模式的な側面図を示す。
図2に示される樹脂成形機構20は、第1型21と、第1型21に向かい合って配置された第2型22と、第1型21と第2型22とを型締め可能に構成された型締機構27とを備えている。第1型21、第2型22および型締機構27としては、たとえば従来から公知のものを用いることができる。
【0013】
樹脂成形機構20は、さらに、第1型21を備える第1プラテン23と、第2型22を備える可動プラテン24と、型締機構27を備える第2プラテン25とを備えている。樹脂成形機構20は、第1プラテン23、可動プラテン24および第2プラテン25を互いに間隔を空けて連結する棒状のタイバー26をさらに備えている。タイバー26の一端には第1プラテン23が固定され、タイバー26の他端には第2プラテン25が固定されている。可動プラテン24は、第1プラテン23と第2プラテン25との間を移動可能となるようにタイバー26に連結されている。樹脂成形機構20は、第1プラテン23、可動プラテン24および第2プラテン25を連結させるために、タイバー26に代えて、鉛直方向に延びる一対の板状部材を用いることもできる。
【0014】
図3に、実施形態の一対の成形済基板200の一例の模式的な平面図を示す。
図3に示される一対の成形済基板200は、
図1に示される樹脂成形機構20を用いてトランスファー成形されることにより形成されている。
【0015】
図3に示される一対の成形済基板200は、一対の成形済基板である第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bと、第1の成形済基板240aと第2の成形済基板240bとの間の不要樹脂部分230とを備えている。
【0016】
第1の成形済基板240aは、第1の基板210aと、第1の基板210aの表面上に設けられた第1の成形樹脂部220aと、を備えている。第1の成形樹脂部220aは、第1の基板210aの表面上に接続された半導体チップ等の電子素子(図示せず)を封止するように設けられ得る。第1の基板210aの表面は、たとえば矩形状にすることができる。
【0017】
第2の成形済基板240bは、第2の基板210bと、第2の基板210bの表面上に設けられた第2の成形樹脂部220bと、を備えている。第2の成形樹脂部220bは、第2の基板210bの表面上に接続された半導体チップ等の電子素子(図示せず)を封止するように設けられ得る。第2の基板210bの表面は、たとえば矩形状にすることができる。
【0018】
不要樹脂部分230は、たとえば
図3に示されるように、4つのカル部232と、4つのカル部232のそれぞれから第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bのそれぞれに向かって互いに間隔を空けて直線状に延在する2本のランナー部234とを備えている。
【0019】
図3に示される一対の成形済基板200は、たとえば、以下の工程により製造することができる。まず、電子素子を備えた一対の基板である第1の基板210aおよび第2の基板210bを第1型21または第2型22のいずれか一方に設置する。
【0020】
次に、
図2に示される樹脂成形機構20の第1型21と第2型22とを型締めする。次に、第1の基板210aおよび第2の基板210bを樹脂成形することによって一対の成形済基板200を形成することができる。
【0021】
なお、第1型21と第2型22との型締めは、たとえば、型締機構27が、可動プラテン24を第1プラテン23に対して移動させ、第1型10に対して第2型20をプレスすることによって行なうことができる。
【0022】
また、第1の基板210aおよび第2の基板210bの樹脂成形は、たとえば、第1の基板210aの表面上に第1の成形樹脂部220aを設けるとともに、第2の基板210bの表面上に第2の成形樹脂部220bを設けることによって行なうことができる。
【0023】
第1の基板210aおよび第2の基板210bとしては、たとえば、リードフレーム、プリント配線基板、金属製基板、樹脂製基板、半導体基板、またはセラミック製基板を用いることができる。樹脂成形に用いられる樹脂としては、たとえば、エポキシ系樹脂等を用いることができる。
【0024】
図4に、
図1に示される不要樹脂除去機構100の一例の模式的な正面図を示す。不要樹脂除去機構100は、
図3に示されるような構成の一対の成形済基板200の第1の成形済基板240aと第2の成形済基板240bとの間の不要樹脂部分230を除去可能に構成されている。
【0025】
不要樹脂除去機構100は、一対の成形済基板200を載置可能に構成された一対の成形済基板載置部130と、一対の成形済基板載置部130に載置された一対の成形済基板200を押圧可能に構成された一対の成形済基板押さえ部140と、を備えている。
【0026】
一対の成形済基板載置部130は、第1の成形済基板載置部130aと、第2の成形済基板載置部130bとを備えている。第1の成形済基板載置部130aと第2の成形済基板載置部130bとは、互いに間隔を空けて並列に配置されている。第1の成形済基板載置部130aは、第1の成形済基板240aを載置可能に構成された第1の載置表面131aを有するように構成されている。第2の成形済基板載置部130bは、第2の成形済基板240bを載置可能に構成された第2の載置表面131bを有するように構成されている。
【0027】
一対の成形済基板載置部130は、また、一対の成形済基板200から前記不要樹脂部分が除去された後の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを加熱可能に構成された加熱部170を備えている。
【0028】
加熱部170は、第1の成形済基板240aを加熱可能に構成された第1の加熱部170aと、第2の成形済基板240bを加熱可能に構成された第2の加熱部170bとを備えている。第1の加熱部170aは、第1の成形済基板載置部130aに載置された第1の成形済基板240aを加熱可能なように第1の成形済基板載置部130aに備えられている。第2の加熱部170bは、第2の成形済基板載置部130bに載置された第2の成形済基板240bを加熱可能なように第2の成形済基板載置部130bに備えられている。
【0029】
また、加熱部170は、第1の加熱部170aによる第1の成形済基板240aの加熱温度の指標となる第1の成形済基板載置部130aの第1の載置表面131aの温度を検出する第1の温度センサ(図示せず)を備えていてもよく、第2の加熱部170bによる第2の成形済基板240bの加熱温度の指標となる第2の成形済基板載置部130bの第2の載置表面131bの温度を検出する第2の温度センサ(図示せず)を備えていてもよい。
【0030】
一対の成形済基板押さえ部140は、第1の成形済基板押さえ部140aと第2の成形済基板押さえ部140bとを備えている。第1の成形済基板押さえ部140aと第2の成形済基板押さえ部140bとは、互いに間隔を空けて並列に配置されている。第1の成形済基板押さえ部140aは、第1の成形済基板載置部130aに載置された第1の成形済基板240aを第1の成形済基板載置部130aに対して押圧可能に構成されている。第2の成形済基板押さえ部140bは、第2の成形済基板載置部130bに載置された第2の成形済基板240bを第2の成形済基板載置部130bに対して押圧可能に構成されている。
【0031】
不要樹脂除去機構100は、上記の構成に加えて、一対の成形済基板200の不要樹脂部分230のカル部232を載置可能に構成された受け部材120と、受け部材120に対してカル部232を押圧可能に構成されたカル押圧部材150と、一対の成形済基板押さえ部140の両端部を押圧可能に構成された押さえ部押圧部材160とをさらに備えている。
【0032】
以下、
図2~
図7を参照して、実施形態の樹脂成形品の製造方法の一例について説明する。
【0033】
まず、
図2に示される樹脂成形機構20の第1型21と第2型22とを型締めして一対の基板(第1の基板210aおよび第2の基板210b)を樹脂成形することによって
図3に示される一対の成形済基板200を形成する工程を行なう。一対の成形済基板200を形成する工程は、たとえば、上述のように行なうことができる。
【0034】
次に、
図4の模式的正面図に示すように、一対の成形済基板200を一対の成形済基板載置部130に載置する工程を行なう。この工程は、たとえば、一対の成形済基板200の第1の成形済基板240aを第1の成形済基板載置部130aに載置するとともに、一対の成形済基板200の第2の成形済基板240bを第2の成形済基板載置部130bに載置することにより行うことができる。このとき、一対の成形済基板200のカル部232は、受け部材120上に載置される。
【0035】
次に、
図5に示すように、一対の成形済基板載置部130上の一対の成形済基板200を一対の成形済基板押さえ部140によって押圧する工程を行なう。この工程は、たとえば、一対の成形済基板200が一対の成形済基板載置部130に載置された状態とし、一対の成形済基板載置部130上の一対の成形済基板200を一対の成形済基板押さえ部140によって押圧することにより行なうことができる。
【0036】
本実施形態においては、たとえば、第1の成形済基板240aが第1の成形済基板載置部130aに載置された状態として第1の成形済基板載置部130a上の第1の成形済基板240aを第1の成形済基板押さえ部140aによって押圧するとともに、第2の成形済基板240bが第2の成形済基板載置部130bに載置された状態として第2の成形済基板載置部130b上の第2の成形済基板240bを第2の成形済基板押さえ部140bによって押圧することにより行なうことができる。このとき、一対の成形済基板200のカル部232は、カル押圧部材150によって受け部材120に対して押圧される。
【0037】
次に、
図6に示すように、一対の成形済基板200の不要樹脂部分230を除去することによって第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを形成する工程を行なう。この工程は、たとえば、一対の成形済基板載置部130上の一対の成形済基板200を一対の成形済基板押さえ部140によって押圧するとともに、カル押圧部材150がカル部232を受け部材120に対して押圧した状態で、押さえ部押圧部材160が一対の成形済基板押さえ部140の両端部を一対の成形済基板押さえ部140側に押圧することにより行なうことができる。これにより、一対の成形済基板200から不要樹脂部分230が除去されて、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを形成することができる。
【0038】
次に、
図7に示すように、一対の成形済基板載置部130に備えられた加熱部170によって第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを加熱する工程(以下、単に「加熱工程」という。)を行なう。この工程は、たとえば、一対の成形済基板押さえ部140の両端部に対する押さえ部押圧部材160の押圧を解除するとともに、一対の成形済基板押さえ部140が第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを押圧した状態で、第1の成形済基板載置部130aに備えられた第1の加熱部170aが第1の成形済基板240aを加熱するとともに、第2の成形済基板載置部130bに備えられた第2の加熱部170bが第2の成形済基板240bを加熱することにより行なうことができる。
【0039】
以上の工程を経ることにより、本実施形態においては、不要樹脂部分230の除去後に第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに発生した反りを矯正することができる。
【0040】
すなわち、一対の成形済基板200から不要樹脂部分230を除去した後に、上記の加熱工程を行なわなかった場合には、一対の基板(第1の基板210aおよび第2の基板210b)と成形樹脂部(第1の成形樹脂部220aおよび第2の成形樹脂部220b)との材料の関係によって、不要樹脂部分230の除去後の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに反りが発生することがある。
【0041】
しかしながら、本実施形態においては、不要樹脂部分230の除去後の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを加熱することによって、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに発生した反りを矯正することができることから、反りが矯正された樹脂成形品を高い歩留まりで製造することが可能となる。
【0042】
第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに発生した反りをより矯正する観点からは、一対の成形済基板200から不要樹脂部分230を除去した後にも引き続いて一対の成形済基板200を一対の成形済基板押さえ部140によって押圧した状態で、加熱部170(第1の加熱部170a,第2の加熱部170b)によって第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを加熱することが好ましい。
【0043】
上記の加熱工程は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに850Pa以上1600Pa以下の圧力を印加した状態で行うことが好ましく、900Pa以上1400Pa以下の圧力を印加した状態で行うことがより好ましく、950Pa以上1200Pa以下の圧力を印加した状態で行うことがさらに好ましい。これらの場合には、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの反りをより矯正することができる傾向にある。
【0044】
上記の加熱工程は、一対の成形済基板載置部130の表面(第1の載置表面131aおよび第2の載置表面131b)を140℃以上175℃以下に加熱することが好ましく、145℃以上165℃以下に加熱することがより好ましく、150℃以上155℃以下に加熱することがさらに好ましい。これらの場合には、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの反りをより矯正することができる傾向にある。
【0045】
上記の加熱工程は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを15秒以上40秒以下加熱することが好ましく、20秒以上35秒以下加熱することがより好ましく、25秒以上30秒以下加熱することがさらに好ましい。これらの場合には、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの反りをより矯正することができる傾向にある。
【0046】
図8に、
図1に示される搬送機構300の一例の模式的な正面図を示す。
図9に、
図8に示される搬送機構300の模式的な側面図を示す。
図8および
図9は、上記の加熱工程後の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを保持した状態の搬送機構300を示している。
【0047】
図8および
図9に示される搬送機構300は、上記の加熱工程後の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bをピックアップして、樹脂成形品の収容部に連結された搬送レールに搬送可能に構成されている。第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bは、搬送レールを介して樹脂成形品の収容部(図示せず)に収容される。
【0048】
搬送機構300は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bが接触可能に構成された一対の搬送基板接触部301と、一対の搬送基板接触部301に第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを押圧可能に構成された一対の搬送基板押さえ部302とを備えている。
【0049】
一対の搬送基板接触部301は、第1の成形済基板240aが接触可能に構成された第1の搬送基板接触部301aと、第2の成形済基板240bが接触可能に構成された第2の搬送基板接触部301bとを備えている。
【0050】
一対の搬送基板押さえ部302は、第1の成形済基板240aの周縁を押圧可能に構成された第1の搬送基板押さえ部302aと、第2の成形済基板240bの周縁を押圧可能に構成された第2の搬送基板押さえ部302bとを備えている。
【0051】
搬送機構300は、上記の構成に加えて、搬送機構300から載置された第1の成形済基板204aおよび第2の成形済基板204bを受け取り可能に構成された搬送レール(図示せず)をさらに備えている。
【0052】
搬送機構300は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bをピックアップする工程を行なうことができる。ピックアップする工程は、たとえば
図8および
図9に示されるように、L字状の第1の搬送基板押さえ部302aおよび第2の搬送基板押さえ部302bが下方に移動して、L字状の第1の搬送基板押さえ部302aが第1の成形済基板240aをピックアップするとともに、L字状の第2の搬送基板押さえ部302bが第2の成形済基板240bをピックアップすることにより行なうことができる。
【0053】
搬送機構300は、上記のピックアップする工程後に、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを保持する工程を行なうことができる。第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを保持する工程は、たとえば、L字状の第1の搬送基板押さえ部302aが第1の成形済基板240aをピックアップした状態で第1の搬送基板接触部301a側に移動して第1の成形済基板240aを第1の搬送基板接触部301aに接触させるとともに、L字状の第2の搬送基板押さえ部302bが第2の成形済基板240bをピックアップした状態で第2の搬送基板接触部301b側に移動して第2の成形済基板240bを第2の搬送基板接触部301bに接触させることにより行なうことができる。
【0054】
搬送機構300は、上記のピックアップする工程後または上記の保持する工程後に、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを押圧する工程を行なうことができる。
【0055】
第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bは、上記の加熱工程での加熱が終了すると、周囲の雰囲気の温度との差により温度が急激に低下して、反りが再発することがある。
【0056】
そこで、このような場合に、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの搬送レールへの載置前に、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを押圧する工程(以下、単に「押圧工程」という。)を行なうことによって、搬送レールへの載置後に第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに反りが再発するのを抑制することができる。より具体的には、加熱により反りが矯正された状態の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを、周囲の温度と同じ程度の温度になるまで冷却しながら押圧することで、反りが矯正された状態を維持することができる。
【0057】
図10(a)に、上記の押圧工程を行なっている搬送機構300の一例の模式的な正面図を示す。
図10(b)に押圧工程が行なわれている第1の成形済基板240aまたは第2の成形済基板240bの表面の一例の模式的な平面図を示す。
【0058】
上記の押圧する工程は、たとえば
図10(a)および
図10(b)に示されるように、L字状の第1の搬送基板押さえ部302aが第1の成形済基板240aの周縁を第1の搬送基板接触部301aに対して押圧するとともに、L字状の第2の搬送基板押さえ部302bが第2の成形済基板240bの周縁を第2の搬送基板接触部301bに対して押圧することにより行なうことができる。なお、周縁の寸法は、一対の基板または樹脂の種類等によって適宜変更可能である。
【0059】
上記の押圧する工程は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに5000Pa以上7000Pa以下の圧力を印加することが好ましく、5500Pa以上6500Pa以下の圧力を印加することがより好ましく、6000Pa以上6200Pa以下の圧力を印加することがさらに好ましい。これらの場合には、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bが周囲の雰囲気によって冷却されることによる反りの再発を抑制することができる傾向にある。
【0060】
上記の押圧する工程は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを10秒以上25秒以下行なうことが好ましく、12秒以上20秒以下行なうことがより好ましく、13秒以上15秒以下行なうことがさらに好ましい。これらの場合には、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bが周囲の雰囲気によって冷却されることによる反りの再発を抑制することができる傾向にある。押圧する工程は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの温度が、周囲の雰囲気と同じ程度の温度となるまで行うことがより好ましい。
【0061】
搬送機構300は、一対の搬送基板押さえ部302が一対の搬送基板接触部301に対して第1の成形済基板204aおよび第2の成形済基板204bを押圧した状態で移動を停止する工程を行なうことができる。この工程は、たとえば、第1の搬送基板押さえ部302aが第1の成形済基板240aを第1の搬送基板接触部301aに対して押圧するとともに、第2の搬送基板押さえ部302bが第2の成形済基板240bを第2の搬送基板接触部301bに対して押圧した状態で、搬送機構300の移動を停止することにより行なうことができる。これにより、第1の搬送基板押さえ部302aによる第1の成形済基板240aの押圧および第2の搬送基板押さえ部302bによる第2の成形済基板204bの押圧をより安定して行なうことができる。
【0062】
上述のように、上記の押圧工程後に、搬送機構300は、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを搬送レールに載置する工程を行なうことができる。上記の押圧工程後に搬送レールに載置する工程を行なった場合には、上述のように、搬送レールに載置した後の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに反りが再発するのを抑制することができる。
【0063】
搬送機構300は、上記の搬送レールに載置する工程後に、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを収容部に搬送する工程を行なうことができる。本実施形態においては、反りが矯正された第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを高い歩留まりで製造することができるため、より多くの第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを収容部に容易に収容することが可能となる。
【0064】
本実施形態においては、不要樹脂部分230の除去後に第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに反りが発生した場合には、上記の加熱工程によって第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに発生した反りを矯正することができるため、反りが矯正された樹脂成形品を高い歩留まりで製造することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態においては、上記の搬送レールに載置する工程前に搬送機構300による第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの押圧工程を行なうことによって、第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bに反りが再発するのを抑制することができるため、搬送機構300による押圧工程を行なった場合には、反りが矯正された樹脂成形品をより高い歩留まりで製造することが可能となる。
【実施例0066】
<実験例>
まず、
図1に示される樹脂成形装置10の第1型21にFR4からなる厚さ0.338mmの一対の基板を設置した後に、第1型21と第2型22とを型締めし、当該一対の基板のそれぞれの基板の表面をエポキシ系樹脂でトランスファー成形により樹脂成形することによって、実験例の一対の成形済基板200を形成した。ここで、一対の基板の基板210a,210bのそれぞれの表面は、縦180mm×横90mmの矩形状であった。
【0067】
次に、
図4~
図7に示される不要樹脂除去機構100によって、
図6に示すように、実験例の一対の成形済基板200から不要樹脂部分230を除去することによって、実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを形成した。
【0068】
図11に、実験例の一対の成形済基板200から不要樹脂部分230を除去した後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの写真を示す。
図11に示すように、不要樹脂部分230を除去した後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bには反りが発生していることが確認された。
【0069】
次に、
図7に示すように、一対の成形済基板押さえ部140が実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを押圧した状態で、第1の成形済基板載置部130aに載置された第1の加熱部170aが実験例の第1の成形済基板240aを加熱するとともに、第2の成形済基板載置部130bに載置された第2の加熱部170bが実験例の第2の成形済基板240bを加熱する加熱工程を行なった。当該加熱工程において、実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bは、950Paの圧力が印加された状態で、第1の載置表面131aおよび第2の載置表面131bの温度が150℃となるように30秒間加熱された。
【0070】
図12に、加熱工程後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの写真を示す。
図12に示すように、加熱工程後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bにおいては、
図11に示されていた反りが矯正されていることが確認された。
【0071】
次に、
図8および
図9に示される搬送機構300によって、上記の加熱工程後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bをピックアップして保持した後に搬送レールに載置した。
【0072】
図13に、当該搬送レールに載置された後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bの写真を示す。
図13に示すように、搬送レールに載置された後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bには反りが再発していることが確認された。
【0073】
そこで、実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを当該搬送レールに載置する前に、
図8および
図9に示される搬送機構300が、実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bをピックアップして保持した後に押圧工程を行なった。
【0074】
当該押圧工程は、
図10(a)および
図10(b)に示されるように、第1の搬送基板押さえ部302aが第1の成形済基板240aの周縁を第1の搬送基板接触部301aに対して押圧するとともに、第2の搬送基板押さえ部302bが第2の成形済基板240bの周縁を第2の搬送基板接触部301bに対して押圧することにより行なった。当該押圧工程において、実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bは、6000Paの圧力が印加された状態で周囲の雰囲気の温度中で10秒間維持された。
【0075】
図14に、押圧工程後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bを搬送レールに載置した後の写真を示す。
図14に示すように、押圧工程後の実験例の第1の成形済基板240aおよび第2の成形済基板240bは、
図13に示される場合と比べて反りが矯正されていることが確認された。また、基板210a,210bの厚さを0.1mmとし、実験例と同一の実験を行った結果、実験例と同様に反りが矯正されていることが確認された。
【0076】
<まとめ>
実験例の結果から、本実施形態においては、一対の成形済基板から不要樹脂部分を除去した後の第1の成形済基板および第2の成形済基板に対して加熱工程を行なうことによって、不要樹脂部分の除去後に第1の成形済基板および第2の成形済基板に発生した反りを矯正することができることが確認された。
【0077】
また、実験例の結果から、反りが矯正された第1の成形済基板および第2の成形済基板を搬出レールに載置する前に搬送機構の一対の搬送基板押さえ部が一対の搬送基板接触部に対して加熱工程後の第1の成形済基板および第2の成形済基板に対して押圧工程を行なうことによって、搬出レールに載置した後の第1の成形済基板および第2の成形済基板に反りが再発するのを抑制することができることが確認された。
【0078】
以上の実験例の結果から、本実施形態においては、反りが矯正された樹脂成形品を高い歩留まりで製造することが可能であることが確認された。
【0079】
以上のように実施形態および実験例について説明を行なったが、上述の各実施形態および各実験例を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0080】
今回開示された実施形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
ここで開示された実施形態によれば、反りが矯正された樹脂成形品を高い歩留まりで製造することが可能な樹脂成形装置および樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
10 樹脂成形装置、20 樹脂成形機構、21 第1型、22 第2型、23 第1プラテン、24 可動プラテン、25 第2プラテン、26 タイバー、27 型締機構、100 不要樹脂除去機構、120 受け部材、130 一対の成形済基板載置部、130a 第1の成形済基板載置部、130b 第2の成形済基板載置部、131a 第1の載置表面、131b 第2の載置表面、140 一対の成形済基板押さえ部、140a 第1の成形済基板押さえ部、140b 第2の成形済基板押さえ部、150 カル押圧部材、160 押さえ部押圧部材、170 加熱部、170a 第1の加熱部、170b 第2の加熱部、200 一対の成形済基板、210a 第1の基板、210b 第2の基板、220a 第1の成形樹脂部、220b 第2の成形樹脂部、230 不要樹脂部分、232 カル部、234 ランナー部、240a 第1の成形済基板、240b 第2の成形済基板、250a,250b 両端部、300 搬送機構、301 一対の搬送基板接触部、301a 第1の搬送基板接触部、301b 第2の搬送基板接触部、302 一対の搬送基板押さえ部、302a 第1の搬送基板押さえ部、302b 第2の搬送基板押さえ部、500 制御部。
前記搬送機構は、前記一対の搬送基板押さえ部が前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を押圧した状態で移動停止可能に構成されている、請求項3に記載の樹脂成形装置。
前記一対の搬送基板押さえ部は、前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板の周縁を押圧可能に構成されている、請求項3または請求項4に記載の樹脂成形装置。
前記加熱する工程は、前記一対の成形済基板押さえ部によって前記第1の成形済基板および第2の成形済基板を押圧しながら加熱する工程を含む、請求項6に記載の樹脂成形品の製造方法。
前記加熱する工程は、前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を15秒以上40秒以下加熱する工程を含む、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
搬送機構が前記加熱する工程後の前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板をピックアップする工程をさらに含む、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
前記押圧する工程において、前記一対の搬送基板押さえ部は、前記加熱する工程後の前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板の周縁を押圧する、請求項11に記載の樹脂成形品の製造方法。
前記一対の搬送基板押さえ部が前記一対の搬送基板接触部に対して前記加熱する工程後の前記第1の成形済基板および前記第2の成形済基板を押圧した状態で前記搬送機構の移動を停止する工程をさらに含む、請求項11または請求項12に記載の樹脂成形品の製造方法。