(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138409
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】基地局、端末、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20220915BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220915BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20220915BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04W72/04 132
H04W4/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038282
(22)【出願日】2021-03-10
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、令和2年度における電波資源拡大のための研究開発のうちIoT/5G時代の様々な電波環境に対応した最適通信方式選択技術の研究開発の委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【テーマコード(参考)】
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067AA11
5K067CC02
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE44
5K201CC01
5K201CC05
5K201CC10
5K201DA03
5K201EA07
5K201EB07
5K201EC08
5K201ED04
5K201FA04
(57)【要約】
【課題】端末の移動に関するスケジュールを考慮した適切なチャネル割り当てを行うことができる基地局、端末、及び、制御方法の提供に資する。
【解決手段】基地局は、通信範囲に存在する各端末から、通信範囲の外へ出るタイミングに関するスケジュール情報を受信する受信部と、スケジュール情報に基づいて、各チャネルに端末を割り当てる制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信範囲に存在する各端末から、前記通信範囲の外へ出るタイミングに関するスケジュール情報を受信する受信部と、
前記スケジュール情報に基づいて、各チャネルに前記端末を割り当てる制御部と、
を備える基地局。
【請求項2】
前記制御部は、前記スケジュール情報に基づいて、前記端末のグループを設定し、
前記制御部は、前記グループに含まれる端末の数と、前記チャネルの数とに基づいて、前記チャネルのそれぞれに割り当てる端末の数を決定する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記グループは、前記タイミングが第1の所定時間以内である端末を含む、
請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記スケジュール情報は、前記端末を所有するユーザが利用する移動手段の属性を示す情報を含み、
前記グループは、前記属性が同一の端末を含む、
請求項2に記載の基地局。
【請求項5】
前記スケジュール情報は、前記端末を所有するユーザが利用する移動手段に設けられる座席の利用を希望するか否かを示す情報を含み、
前記制御部は、前記座席の利用を希望するユーザによって所有される端末を含む第1のグループと、前記座席の利用を希望しないユーザによって所有される端末を含む第2のグループとを設定する、
請求項2に記載の基地局。
【請求項6】
前記制御部は、前記スケジュール情報を送信した端末と、前記スケジュール情報を送信しない端末とを、互いに異なるグループに設定する、
請求項2に記載の基地局。
【請求項7】
前記各チャネルの干渉を測定し、前記基地局が属するネットワークと異なるネットワークに属する無線装置からの干渉の干渉量を検出する干渉分類部を、備え、
前記制御部は、前記スケジュール情報及び前記干渉量の大きさに基づいて、前記チャネルに前記端末を割り当てる、
請求項1に記載の基地局。
【請求項8】
前記制御部は、前記干渉量の大きさが所定レベル未満である第1のチャネルと、前記干渉量の大きさが前記所定レベル以上である第2のチャネルとに分類し、
前記制御部は、前記通信範囲に存在する時間が第2の所定時間以上である端末を、前記第1のチャネルに割り当て、前記通信範囲に存在する時間が前記第2の所定時間未満である端末を、前記第2のチャネルに割り当てる、
請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記制御部は、前記スケジュール情報を送信しない端末を、前記第2のチャネルに割り当てる、
請求項8に記載の基地局。
【請求項10】
前記制御部は、前記スケジュール情報が示す前記端末を所有するユーザの移動手段が利用不可能な場合、前記ユーザの目的地までの距離に基づいて、前記チャネルに前記端末を割り当てる、
請求項7に記載の基地局。
【請求項11】
前記制御部は、前記スケジュール情報が示す前記端末を所有するユーザの移動手段が利用不可能な場合、前記ユーザが前記移動手段と異なる方法にて前記ユーザの目的地への移動が可能か否かに基づいて、前記各チャネルに前記端末を割り当てる、
請求項7に記載の基地局。
【請求項12】
基地局の通信範囲の外へ出るタイミングに関するスケジュール情報を前記基地局へ送信する送信部と、
前記スケジュール情報に基づいて割り当てられた前記チャネルを用いてデータ送信を制御する制御部と、
を備える端末。
【請求項13】
基地局が、
通信範囲に存在する各端末から、前記通信範囲の外へ出るタイミングに関するスケジュール情報を受信し、
前記スケジュール情報に基づいて、各チャネルに前記端末を割り当てる、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、端末、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局と端末との間の通信では、例えば、基地局が、無線通信に用いるチャネルに端末を割り当てる場合がある。この場合、端末は割り当てられたチャネルにおいて基地局へ信号を送信し、基地局からの信号を受信する。
【0003】
基地局がカバーする通信範囲の環境によっては、複数の端末が、特定のスケジュール(例えば、特定のタイミング、あるいは、特定の時間内)において、まとまって、通信範囲の内から外へ、あるいは、通信範囲の外から内へ移動する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、端末の移動に関するスケジュールを考慮した適切なチャネル割り当てについては、検討の余地がある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、端末の移動に関するスケジュールを考慮した適切なチャネル割り当てを行うことができる基地局、端末、及び、制御方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る基地局は、通信範囲に存在する各端末から、前記通信範囲の外へ出るタイミングに関するスケジュール情報を受信する受信部と、前記スケジュール情報に基づいて、各チャネルに前記端末を割り当てる制御部と、を備える。
【0008】
本開示の一実施例に係る端末は、基地局の通信範囲の外へ出るタイミングに関するスケジュール情報を前記基地局へ送信する送信部と、前記スケジュール情報に基づいて割り当てられた前記チャネルを用いてデータ送信を制御する制御部と、を備える。
【0009】
本開示の一実施例に係る制御方法は、基地局が、通信範囲に存在する各端末から、前記通信範囲の外へ出るタイミングに関するスケジュール情報を受信し、前記スケジュール情報に基づいて、各チャネルに前記端末を割り当てる。
【0010】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一実施例によれば、端末の移動に関するスケジュールを考慮した適切なチャネル割り当てを行うことができる。
【0012】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】駅のプラットホームにおけるユーザと通信範囲との一例を示す図
【
図2】
図1に示した例におけるチャネル割り当ての一例を示す図
【
図3】
図2に示したチャネル割り当てにおいて、第1端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図
【
図4】実施の形態に係る基地局の構成例を示すブロック図
【
図5】実施の形態に係る端末の構成例を示すブロック図
【
図6】実施の形態に係る端末が送信するスケジュール情報のフレーム構成の一例を示す図
【
図7】第1の例におけるチャネル割り当ての例を示す図
【
図8】
図7に示したチャネル割り当てにおいて、第1端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図
【
図9】本実施の形態の第1の例における基地局の処理フローの例を示すフローチャート
【
図10】第2の例におけるチャネル割り当ての例を示す図
【
図11】
図10に示したチャネル割り当てにおいて、第3端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図
【
図12】本実施の形態の第2の例における基地局の処理フローの例を示すフローチャート
【
図13】本実施の形態に係る端末が送信するスケジュール情報のフレーム構成の第2の例を示す図
【
図14】第3の例におけるチャネル割り当ての例を示す図
【
図15】
図14に示したチャネル割り当てにおいて、第5端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図
【
図16】本実施の形態の第3の例における基地局の処理フローの例を示すフローチャート
【
図17】第4の例におけるチャネル割り当ての例を示す図
【
図18】
図17に示したチャネル割り当てにおいて、第5端末及び第7端末の一部の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図
【
図19】本実施の形態の第4の例における基地局の処理フローの例を示すフローチャート
【
図20】本実施の形態に係る基地局の構成例を示すブロック図
【
図21】第5の例におけるチャネル割り当ての例を示す図
【
図22】本実施の形態の第5の例における基地局の処理フローの例を示すフローチャート
【
図23】第6の例におけるチャネル割り当ての例を示す図
【
図24】本実施の形態の第6の例における基地局の処理フローの例を示すフローチャート
【
図25】第7の例におけるチャネル割り当ての例を示す図
【
図26】本実施の形態の第7の例における基地局の処理フローの例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
<本開示に至る知見>
例えば、駅のプラットホーム(以下、「駅」と略記する場合がある)には、多くの鉄道の利用客(以下、「ユーザ」と記載する場合がある)が鉄道車両(以下、「列車」と記載する場合がある)の到着を待つ。ユーザが所有する端末は、基地局と無線接続し、基地局から割り当てられたチャネルを使用して無線通信を行う。
【0016】
図1は、駅におけるユーザと通信範囲との一例を示す図である。
図1には、2つのプラットホームをカバーする基地局の通信範囲Arと、2つのユーザグループ(ユーザグループ#1及びユーザグループ#2)とが示される。
【0017】
ユーザグループ#1は、矢印Aの方向へ進む列車#1に乗車する予定のユーザのグループである。ユーザグループ#2は、矢印Bの方向へ進む列車#2に乗車する予定のユーザのグループである。
【0018】
基地局は、基地局の通信範囲Arに含まれる2つのユーザグループのユーザが所有する端末と無線接続し、端末のそれぞれをチャネルに割り当て、端末との無線通信を行う。
【0019】
列車が駅に到着すると、到着した列車を利用するユーザは、到着した列車に乗車する。一方で、到着した列車を利用しないユーザ(例えば、到着した列車の行き先と異なる行き先へ向かうユーザ)、および、到着した列車から降車したユーザは、駅のプラットホームに留まる。以下、列車に乗車するユーザは、乗車ユーザと記載され、列車に乗車しないユーザは、滞留ユーザと記載される場合がある。
【0020】
例えば、
図1において、ユーザグループ#1のユーザは、列車#1が駅に到着した場合の列車#1の乗車ユーザであり、列車#2が駅に到着した場合の滞留ユーザである。また、ユーザグループ#2のユーザは、列車#1が駅に到着した場合の滞留ユーザであり、列車#2が駅に到着した場合の列車#2の乗車ユーザである。
【0021】
乗車ユーザが乗車した列車は、次の停車駅に向けて出発する。この場合、乗車ユーザの端末は、列車の移動に伴って基地局の通信範囲から外れる。一方で、滞留ユーザの端末は、基地局の通信範囲内に留まる。その結果、基地局が乗車ユーザの端末を割り当てたチャネルは、列車の移動に伴って空き容量が増加し、場合によっては、空きチャネルになってしまう場合がある。この場合、チャネル割り当てが偏ってしまい、周波数利用効率が低下する場合がある。
【0022】
例えば、
図1の例において、列車#2が駅に到着していない間に、列車#1が駅に到着し、列車#1が駅から出発した場合、列車#1の乗車ユーザの端末が、通信範囲Arから外れる。一方で、ユーザグループ#2のユーザの端末は、プラットホームに留まる。この場合に、ユーザグループ#1のユーザの端末を割り当てたチャネルは、列車#1の移動に伴って空き容量が増加する一方で、ユーザグループ#2のユーザの端末を割り当てたチャネルは、空き容量が増加しない。
【0023】
次に、ユーザグループ#1のユーザの端末、および、ユーザグループ#2のユーザの端末へのチャネル割り当ての例を説明する。なお、以下では、ユーザグループ#1のユーザの端末は、「第1端末」と記載され、ユーザグループ#2のユーザの端末は、「第2端末」と記載される場合がある。
【0024】
図2は、
図1に示した例におけるチャネル割り当ての一例を示す図である。
図2の横軸は、周波数を示し、縦軸は、割り当てられた端末の数を示す。
図2には、中心周波数がf1~f4の4つのチャネルと、各チャネルに割り当てられた端末とが示される。以下、中心周波数がf1~f4の4つのチャネルは、それぞれ、チャネルf1~チャネルf4と記載される場合がある。
【0025】
また、
図2において、第1端末#a~#b、第1端末#c~#d、および、第2端末#A~#B、第2端末#C~#Dは、互いに異なる端末であることを表す。また、第1端末#a~#b、第1端末#c~#dは、
図1に示したユーザグループ#1のユーザが所有する端末であり、第2端末#A~#B、第2端末#C~#Dは、
図1に示したユーザグループ#2のユーザが所有する端末である。
【0026】
図2の例では、第1端末#a~#bがチャネルf1に割り当てられ、第1端末#c~#dがチャネルf2に割り当てられている。また、
図2の例では、第2端末#A~#Bがチャネルf3に割り当てられ、第2端末#C~#Dがチャネルf4に割り当てられている。
【0027】
例えば、
図1に示したユーザグループ#1のユーザが、駅に到着した列車#1に乗車した後、列車#1が駅から発車し、通信範囲Arの外へ移動した場合、第1端末#a~#b、第1端末#c~#dと基地局との無線接続は切断される。無線接続が切断された場合、第1端末#a~#b、第1端末#c~#dを割り当てたチャネルのリソースは、空きリソースとなる。
【0028】
図3は、
図2に示したチャネル割り当てにおいて、第1端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図である。
【0029】
例えば、
図2に示すチャネル割り当てにおいて、第1端末#a~#b、第1端末#c~#dを割り当てたチャネルのリソースが空きリソースとなる場合、
図3に示すように、チャネルf1、及び、チャネルf2が、空きチャネルとなる一方で、第2端末#A~#Bを割り当てたチャネルf3、及び、第2端末#C~#Dを割り当てたチャネルf4は、混雑した状態となる。
【0030】
つまり、
図3に示す例では、チャネルf1およびf2が空きチャネルであるにも関わらず、チャネルf3およびf4が混雑した状態が生じるため、周波数利用効率が低下してしまう。
【0031】
図1~
図3では、一例として、プラットホームを含む駅の構内をカバーする基地局について説明したが、駅の構内に限られず、バス、飛行機、船が発着する場所(例えば、バス停、空港、港)等の様々な環境において、基地局の通信範囲に存在する複数の端末の一部が、まとまって、通信範囲の外へ移動する場合がある。このような場合でも、
図2、
図3に示した例と同様に、周波数利用効率が低下する可能性がある。
【0032】
本開示の非限定的な実施例では、端末から、端末の移動に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、チャネル割り当てを行うことによって、周波数利用効率の低下を抑制する。
【0033】
本実施の形態に係る無線通信システムは、
図4に示す基地局100と、
図5に示す端末200と、を有する。
【0034】
<基地局の構成例>
図4は、本実施の形態に係る基地局100の構成例を示すブロック図である。基地局100は、受信部101と、復調/復号部102と、スケジュール情報抽出部103と、割当制御部104と、制御情報生成部105と、符号化/変調部106と、送信部107と、を備える。
【0035】
受信部101は、端末200が送信した信号を受信し、受信した信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。例えば、受信部101は、受信信号に対して、端末200に割り当てたチャネルの周波数に基づいた周波数変換処理を行う。端末200に割り当てたチャネルの周波数の情報は、例えば、割当制御部104から取得されてよい。あるいは、受信部101は、制御情報を含む受信信号に対して、所定のチャネルの周波数に基づいた周波数変換処理を行ってもよい。受信部101は、所定の受信処理を行った受信信号を復調/復号部102へ出力する。
【0036】
復調/復号部102は、受信部101から取得した受信信号に対して、復調処理及び復号処理を行い、受信データ及び/又は制御情報を生成する。なお、制御情報には、端末200が送信したスケジュール情報が含まれてよい。復調/復号部102は、受信データ及び/又は制御情報を割当制御部104へ出力する。また、復調/復号部102は、制御情報をスケジュール情報抽出部103へ出力する。
【0037】
スケジュール情報抽出部103は、制御情報に含まれるスケジュール情報を抽出し、抽出したスケジュール情報を割当制御部104へ出力する。
【0038】
割当制御部104は、端末200とのデータ通信に関する制御を行う。例えば、割当制御部104は、復調/復号部102から取得した受信データを、図示しない外部の装置へ出力してもよい。また、割当制御部104は、図示しない外部の装置から取得した、端末200宛の送信データを、符号化/変調部106へ出力する。
【0039】
割当制御部104は、端末200から受信した制御情報(スケジュール情報)に基づいて、端末200に対してチャネル割り当てを行う。割当制御部104は、端末200に割り当てたチャネルを示す割当情報を、受信部101、送信部107、及び、符号化/変調部106に出力する。なお、チャネル割り当ての例については、後述する。
【0040】
制御情報生成部105は、割当制御部104から取得した割当情報に基づいて、端末200宛の制御情報を生成する。制御情報生成部105は、制御情報を符号化/変調部106へ出力する。
【0041】
符号化/変調部106は、割当制御部104から取得した送信データに対して、符号化処理及び変調処理を行い、送信データ信号を生成する。また、符号化/変調部106は、制御情報生成部105から取得した制御情報に対して、符号化処理及び変調処理を行い、送信制御信号を生成する。符号化/変調部106は、送信信号(送信データ信号および/または送信制御信号)を送信部107へ出力する。
【0042】
送信部107は、符号化/変調部106から取得した送信信号に対して、所定の送信処理を行い、送信処理後の送信信号を端末200へ送信する。例えば、所定の送信処理は、周波数変換処理(アップコンバート)を含む。例えば、送信部107は、端末200宛の送信データ信号に対して、端末200に割り当てたチャネルの周波数に基づいた、周波数変換処理を行う。端末200に割り当てたチャネルの周波数に関する割当情報は、例えば、チャネル割当部105から取得されてよい。あるいは、送信部107は、制御情報を含む受信信号に対して、所定のチャネルの周波数に基づいた周波数変換処理を行ってもよい。
【0043】
<端末の構成例>
図5は、本実施の形態に係る端末200の構成例を示すブロック図である。端末200は、受信部201と、復調/復号部202と、スケジュール情報生成部203と、割当制御部204と、符号化/変調部205と、送信部206と、を備える。
【0044】
受信部201は、基地局100が送信した信号を受信し、受信した信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、受信に用いられるチャネルの周波数に基づいた、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。受信に用いられるチャネルの周波数の情報は、例えば、割当制御部204から取得されてよい。あるいは、受信部201は、制御情報を含む受信信号に対して、所定のチャネルの周波数に基づいた周波数変換処理を行ってもよい。受信部201は、所定の受信処理を行った受信信号を復調/復号部202へ出力する。
【0045】
復調/復号部202は、受信部201から取得した受信信号に対して、復調処理及び復号処理を行い、受信データ及び/又は制御情報を生成する。復調/復号部202は、受信データ又は制御情報を、割当制御部204へ出力する。なお、制御情報には、端末200に割り当てられたチャネルに関する情報が含まれる。
【0046】
スケジュール情報生成部203は、端末200を所有するユーザから、操作部(図示省略)を介して、ユーザのスケジュールに関する情報を取得する。スケジュール情報生成部203は、ユーザのスケジュールに関する情報に基づいて、スケジュール情報を生成する。本実施の形態におけるスケジュール情報は、端末200が、端末200と無線接続する基地局100の通信範囲の内から外へ出る(外へ移動する)タイミングに関する情報であってよい。なお、タイミングは、時刻を指してもよいし、時間(又は期間)を指してもよい。タイミングが指す時間の幅は、特に、限定されないが、例えば、或る時刻と時刻との間の幅であってよい。スケジュール情報の例については後述する。
【0047】
割当制御部204は、基地局100とのデータ通信に関する制御を行う。例えば、割当制御部204は、復調/復号部202から取得した受信データを、図示しない上位レイヤの処理部へ出力してもよい。また、割当制御部204は、図示しない上位レイヤの処理部から取得した、基地局100宛の送信データを、符号化/変調部205へ出力する。
【0048】
また、割当制御部204は、スケジュール情報生成部203から取得したスケジュール情報を含む制御情報を生成してよい。割当制御部204は、制御情報を、符号化/変調部205へ出力する。
【0049】
また、割当制御部204は、基地局100から受信した受信信号に含まれる制御情報に基づいて、通信に用いるチャネルの設定を行い、設定したチャネルの情報を送信部206及び受信部201へ出力する。
【0050】
符号化/変調部205は、割当制御部204から取得した送信データ及び/又は制御情報に対して、符号化処理及び変調処理を行い、送信信号を生成する。符号化/変調部205は、送信信号を送信部206へ出力する。
【0051】
送信部206は、符号化/変調部205から取得した送信信号に対して、所定の送信処理を行い、送信処理後の送信信号を基地局100へ送信する。例えば、所定の送信処理は、端末200に割り当てられたチャネルの周波数に基づいた、周波数変換処理(アップコンバート)を含む。端末200に割り当てられたチャネルの周波数の情報は、例えば、割当制御部204から取得されてよい。あるいは、送信部206は、制御情報を含む受信信号に対して、所定のチャネルの周波数に基づいた周波数変換処理を行ってもよい。
【0052】
<端末が送信する情報>
次に、端末200が基地局100へ送信するスケジュール情報の一例を説明する。なお、以下では、
図1に例示した駅構内に存在する端末200が、駅構内を通信範囲にカバーする基地局100へ送信する情報を例に挙げる。
【0053】
例えば、端末200にインストールされたアプリケーションにおいて、端末200を所有するユーザが情報を入力し、入力された情報に基づいて、スケジュール情報が決定される。スケジュール情報に含まれる情報は、アプリケーションでのユーザ登録の際等に事前に入力された情報(例えば、ユーザのID)であってもよいし、あるいは、アプリケーションを利用する際(例えば、駅を利用する際)に入力された情報であってもよい。
【0054】
図6は、本実施の形態に係る端末が送信するスケジュール情報のフレーム構成の一例を示す図である。
【0055】
図6に示すフレーム構成のスケジュール情報は、「ユーザID」と、「行き先情報」と、「列車属性情報」とを含む。
【0056】
ユーザIDは、端末200を所有するユーザを識別する識別情報である。なお、ユーザIDは、端末を識別する情報(端末ID)に置き換えられてもよい。
【0057】
行き先情報は、端末200を所有するユーザの行き先を示す情報である。例えば、行き先情報は、ユーザが乗車する列車の方向(例えば、矢印A又は矢印B(
図1参照))を示してもよいし、ユーザが乗車する列車の終着駅を示してもよいし、ユーザが下車する予定の駅を示してもよい。
【0058】
列車属性情報は、ユーザが乗車する列車の属性を示す情報である。例えば、列車属性情報は、列車の種類を示してもよい。列車の種類とは、例えば、各駅停車、急行、快速、特急のいずれかであってよい。また、列車属性情報は、列車の路線に関する情報(例えば、鉄道会社)であってもよい。
【0059】
なお、スケジュール情報は、
図6の例に限られず、基地局100の通信範囲に応じて変更されてよい。例えば、基地局100の通信範囲が、特定の1つの方向に進む列車が発着する駅(例えば、特定の路線の始発駅)の場合、行き先情報が同一となるため、行き先情報は省略されてよい。あるいは、基地局100の通信範囲が1つの列車の種類が発着する駅(例えば、各駅停車以外は停車しない駅)の場合、列車属性情報が同一になるため、列車属性情報は、省略されてよい。
【0060】
また、スケジュール情報には、ユーザが乗車する列車固有の識別情報が含まれてもよいし、あるいは、ユーザが乗車する列車の発車時刻の情報が含まれてもよい。更に、行き先が同一の場合でも、列車の乗り継ぎ経路が異なる場合がある。例えば、S駅から出発し、T駅へ向かうユーザの中に、S駅からU駅まで列車#Wで移動し、U駅にて列車#Wから列車#Xに乗り換えてT駅へ向かうユーザ(以下、ユーザ#αと記載)と、S駅からV駅まで列車#Yで移動し、V駅にて列車#Zに乗り換えてT駅へ向かうユーザ(以下、ユーザ#βと記載)が存在する場合がある。このように、乗り継ぎ経路の違いがある場合、行き先が同一でも、S駅において乗車する列車が異なるため、スケジュール情報には、乗り継ぎ経路情報が含まれてもよい。ここで、この乗り継ぎ経路情報は、例えば、途中の主要な駅に関する情報などで代用することもできる。上記のユーザ#aとユーザ#bの例では、ユーザ#αのスケジュール情報には、途中の駅がU駅であることを示す乗り継ぎ経路情報が含まれ、ユーザ#βのスケジュール情報には、途中の駅がV駅であることを示す乗り継ぎ経路情報が含まれてよい。
【0061】
<第1の例>
第1の例として、
図1に示したように、基地局100が、矢印Aの方向に進む列車#1と、矢印Aと反対方向の矢印Bの方向へ進む列車#2とが発着する駅のプラットホームをカバーする場合を説明する。
【0062】
この場合、列車#1に乗車するユーザの端末200から受信するスケジュール情報における行き先情報は、列車#2に乗車するユーザの端末200から受信するスケジュール情報における行き先情報と異なる。基地局100は、例えば、行き先情報に基づいて、チャネルに端末200を割り当てる。
【0063】
図7は、第1の例におけるチャネル割り当ての例を示す図である。
図7の横軸は、周波数を示し、縦軸は、割り当てられた端末の数を示す。
図7には、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる第1端末及び第2端末が示される。
【0064】
図7の例では、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる第1端末の数は、互いに同一の数である。また、チャネルf1~チャネルf4に割り当てられる第2端末の数は、互いに同一の数である。つまり、第1端末の数が4N(Nは1以上の整数)の場合、第1端末#a~#b、第1端末#c~#d、第1端末#e~#f、及び、第1端末#g~#hの数は、それぞれ、Nである。同様に、第2端末の数が4M(Mは1以上の整数)の場合、第2端末#A~#B、第2端末#C~#D、第2端末#E~#F、及び、第2端末#G~#Hの数は、それぞれ、Mである。
【0065】
なお、
図7の例では、割り当てられる第1端末の数は、チャネル間で同一であるとしたが、割り当てられる第1端末の数は、チャネル間で差が生じてもよい。例えば、チャネルf1~チャネルf4に割り当てられる第1端末の数を、それぞれ、C1~C4(C1~C4は、それぞれ、0以上の整数)と規定した場合、C1~C4は、同数であってもよい。あるいは、この場合、C1~C4の中の最大値と最小値との差が、所定値以下であってもよい。あるいは、C1~C4の標準偏差が所定値以下であってもよい。あるいは、C1~C4の値が示す数値範囲が、所定範囲以下であってよい。
【0066】
例えば、基地局100は、端末200のそれぞれからスケジュール情報を受信し、スケジュール情報に基づいて、端末200をグループに分ける。例えば、1つのグループは、基地局100の通信範囲の外へ出るタイミングが所定の時間以内である端末200(第1の例では、同じ行き先のユーザの端末200)を含む。そして、基地局100は、列車#1に乗車するユーザ(例えば、同じ行き先のユーザ)の端末200に該当する第1端末を、各チャネルに割り当てる数がほぼ均一になるように、チャネルに割り当てる。また、基地局100は、列車#2に乗車するユーザ(例えば、同じ行き先のユーザ)の端末に該当する第2端末を、各チャネルに割り当てる数がほぼ均一になるように、チャネルに割り当てる。このような割り当て制御によって、基地局100は、例えば、
図7に示すチャネル割り当てを行う。
【0067】
ここで、例えば、
図1に示したユーザグループ#1のユーザが、駅に到着した列車#1に乗車した後、列車#1が駅から発車し、基地局100の通信範囲Arの外へ移動した場合、第1端末#a~#b、第1端末#c~#d、第1端末#e~#f、及び、第1端末#g~#hと基地局100との無線接続は切断される。
【0068】
図8は、
図7に示したチャネル割り当てにおいて、第1端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図である。
【0069】
第1端末の無線接続が切断され、
図7に示したチャネル割り当てにおいて、第1端末を割り当てたチャネルのリソースが空きリソースとなる場合、
図8に示すように、空きリソースの量が、チャネル間で均一になり、使用されているリソースの量が、チャネル間で均一になる。つまり、
図7に示したようなチャネル割り当てを行うことによって、各チャネルの混雑の度合(例えば、割り当てられている端末の数)をチャネル間でほぼ均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0070】
<第1の例の基地局の処理フロー>
次に、上述した第1の例における基地局100の処理フローの例を説明する。
図9は、本実施の形態の第1の例における基地局100の処理フローの例を示すフローチャートである。例えば、
図9のフローチャートに示す処理は、周期的に開始されてよいし、トラフィックの変動に応じて(例えば、端末数が所定数以上増加又は減少した場合)、開始されてよい。また、以下では、割り当て可能なチャネル#iに端末200を割り当てる例を示す。なお、iは、チャネルのインデックスを表し、0以上K-1以下の整数である。Kは、割り当て可能なチャネルの数を示し、1以上の整数である。
【0071】
基地局100は、端末200から行き先情報を含むスケジュール情報を受信する(S101)。
【0072】
基地局100は、同一の行き先情報を送信した端末の数を決定する(S102)。
図7の例の場合、基地局100は、列車#1を利用することを示す行き先情報を送信した第1端末の数と、列車#2を利用することを示す行き先情報を送信した第2端末の数とを決定する。別言すると、基地局100は、同一の行き先情報を送信した端末200に1つのグループを設定し、グループ内の端末の数を決定する。
【0073】
基地局100は、決定した端末の数と割り当て可能なチャネルの数とに基づいて、各チャネルに割り当てる端末の数を決定する(S103)。例えば、基地局100は、1つのチャネルに割り当てる第1端末の数に関する第1所定値と、1つのチャネルに割り当てる第2端末の数に関する第2所定値とを決定する。例えば、
図7の例に示すように、第1端末の数が4N、第2端末の数が4M、チャネルの数が4であり、第1端末及び第2端末が、4つのチャネルに均一に割り当てられる場合、第1所定値は4N/4であり、第2所定値は4M/4であってよい。ただし、端末の数が割り当て可能なチャネルの数の整数倍ではない場合、各チャネルに割り当てられた端末の数は完全には均一とはならないが、端末の数の差分は十分小さいと考えられるため、大きな影響はないと考えられる。
【0074】
なお、割り当て可能なチャネルのそれぞれに対して、所定値を決定してもよい。例えば、割り当て可能なチャネルの数がKの場合、基地局100は、K個のチャネルのそれぞれに対して、第1所定値と第2所定値とを決定してもよい。つまり、この場合、K個の第1所定値とK個の第2所定値とが決定される。
【0075】
例えば、第1端末の数がNの場合、基地局100は、((N/K)-α)以上、((N/K)+α)以下の正の整数のいずれかの中から、K個の第1所定値のそれぞれを決定してよい。この場合、基地局100は、K個の第1所定値の和がNになるように、K個の第1所定値のそれぞれを決定してよい。
【0076】
同様に、第2端末の数がMの場合、基地局100は、((M/K)-α)以上((M/K)+α)以下の正の整数のいずれかの中から、K個の第2所定値のそれぞれを決定してよい。この場合、基地局100は、K個の第2所定値の和がMになるように、K個の第2所定値のそれぞれを決定してよい。
【0077】
例えば、N=8、M=13、K=4、α=1の場合、基地局100は、1以上3以下の正の整数の中で、4つの第1所定値の和が8になるように、4つの第1所定値を決定する。また、この場合、基地局100は、9/4以上、17/4以下の正の整数の中で、4つの第2所定値の和が12になるように、4つの第2所定値を決定する。例えば、4つの第2所定値は、{3,3,3,4}の組み合わせをとり得る。また、例えば、4つの第1所定値は、{3,3,3,3}、{1,2,2,3}、{1,1,3,3}等の組み合わせをとり得る。
【0078】
なお、上記の所定値の設定方法は、一例であり、本開示はこれに限定されない。例えば、上記の所定値の設定方法は、端末の数に基づいて実施されるが、端末の数の代わりに、端末それぞれのチャネル占有率に基づいて実施されてもよい。
【0079】
あるいは、各チャネルに割り当てる端末の数を表す所定値を決定する代わりに、各チャネルに割り当てる端末の数の上限値と下限値とを示す数値範囲を決定してもよい。
【0080】
S104以降では、基地局100は、第1端末に対するチャネル割り当ての処理と、第2端末に対するチャネル割り当ての処理とを行う。
【0081】
基地局100は、第1端末に対するチャネル割り当ての処理のために、チャネルのインデックスiを0に設定する(S104)。
【0082】
基地局100は、第1端末に対するチャネル割り当てが完了したか否かを判定する(S105)。
【0083】
第1端末に対するチャネル割り当てが完了していない場合(S105にてNO)、すなわち、チャネルが割り当てられていない第1端末(未割り当ての第1端末)が存在する場合、基地局100は、チャネル#iに割り当て済の第1端末の数が第1所定値以上か否かを判定する(S106)。なお、第1所定値がチャネル毎に決定される場合、S106における第1所定値は、チャネル#iの第1所定値であってよい。
【0084】
チャネル#iに割り当て済の第1端末の数が第1所定値以上の場合(S106にてYES)、基地局100は、チャネルのインデックスiに1を加算する(S107)。そして、フローは、S105に移行する。
【0085】
チャネル#iに割り当て済の第1端末の数が第1所定値以上ではない場合(S106にてNO)、基地局100は、未割り当ての第1端末の1つをチャネル#iに割り当てる(S108)。そして、フローは、S105に移行する。
【0086】
第1端末に対するチャネル割り当てが完了した場合(S105にてYES)、すなわち、チャネルが割り当てられていない第1端末(未割り当ての第1端末)が存在しない場合、基地局100は、第2端末に対するチャネル割り当ての処理のために、チャネルのインデックスiを0に設定(リセット)する(S109)。
【0087】
基地局100は、第2端末に対するチャネル割り当てが完了したか否かを判定する(S110)。
【0088】
第2端末に対するチャネル割り当てが完了していない場合(S110にてNO)、すなわち、チャネルが割り当てられていない第2端末(未割り当ての第2端末)が存在する場合、基地局100は、チャネル#iに割り当て済の第2端末の数が第2所定値以上か否かを判定する(S111)。なお、第2所定値がチャネル毎に決定される場合、S111における第2所定値は、チャネル#iの第2所定値であってよい。
【0089】
チャネル#iに割り当て済の第2端末の数が第2所定値以上の場合(S111にてYES)、基地局100は、チャネルのインデックスiに1を加算する(S112)。そして、フローは、S110に移行する。
【0090】
チャネル#iに割り当て済の第2端末の数が第2所定値以上ではない場合(S111にてNO)、基地局100は、未割り当ての第2端末の1つをチャネル#iに割り当てる(S113)。そして、フローは、S110に移行する。
【0091】
第2端末に対するチャネル割り当てが完了した場合(S110にてYES)、すなわち、チャネルが割り当てられていない第2端末(未割り当ての第2端末)が存在しない場合、フローは終了する。
【0092】
以上説明したフローによって、基地局100は、第1所定値によって表される数の第1端末、および、第2所定値によって表される数の第2端末を各チャネルに割り当てる。
【0093】
以上説明したように、上述した第1の例では、基地局100が、端末200を所有するユーザの行き先毎に、端末200をグループ化し、各グループの端末200のチャネル割り当てにおいて、各チャネルに割り当てられる端末の数が均一になるように、チャネル割り当てを行う。このような割り当てによって、或るグループの端末が、一斉に無線接続を切断する場合であっても、切断後のチャネル割り当てにおいて、端末数の偏りを抑えることができるため、チャネルの混雑度をチャネル間で均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0094】
なお、上述した第1の例では、行き先が反対の2つの列車を例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。本開示は、3方向以上の互いに異なる行き先の列車に適用されてよい。また、上述した第1の例では、乗車するユーザが所有する端末を例に挙げて説明したが、本開示は、これに限定されない。例えば、本開示は、列車から降車するユーザが所有する端末に対して適用されてよい。例えば、
図1の例において、列車#1から降車するユーザは、ユーザグループ#3にグループ化されてよい。この場合、ユーザグループ#3のユーザの端末には、第1端末及び第2端末と同様に、チャネル間で均等になるように、チャネルが割り当てられてもよい。
【0095】
<第2の例>
第2の例として、基地局100が、同一の路線の同一の方向へ走行する2つの列車であって、停車駅が互いに異なる2つの列車が発着する駅のプラットホームをカバーする場合を説明する。例えば、この場合の2つの列車は、或る路線の各駅に停車する列車と、路線の各駅の一部に停車する列車とに対応する。路線の各駅に停車する列車は、例えば、「各駅停車」と称される。また、路線の各駅の一部に停車する列車は、以下では、「急行列車」と称される。
【0096】
この場合、各駅停車に乗車するユーザの端末200から受信するスケジュール情報における行き先情報は、急行列車に乗車するユーザの端末200から受信するスケジュール情報における行き先情報と同一の場合がある。ただし、前述の通り、基地局100が受信するスケジュール情報には、列車属性情報が含まれる。例えば、列車属性情報は、端末200を所有するユーザが、各駅停車を利用するか、あるいは、急行列車を利用するかを示す。第2の例では、基地局100は、各端末200から受信する情報に含まれる行き先情報と属性情報とに基づいて、チャネルに端末200を割り当てる。
【0097】
以下、各駅停車を利用するユーザが所有する端末200は、第3端末と記載され、急行列車を利用するユーザが所有する端末200は、第4端末と記載される。
【0098】
図10は、第2の例におけるチャネル割り当ての例を示す図である。
図10の横軸は、周波数を示し、縦軸は、割り当てられた端末の数を示す。
図10には、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる第3端末及び第4端末が示される。
【0099】
図10の例では、チャネルf1、チャネルf2、チャネルf3及びチャネルf4に割り当てられる第3端末の数は、同一の数である。また、チャネルf1、チャネルf2、チャネルf3及びチャネルf4に割り当てられる第4端末の数は、同一の数である。つまり、第3端末の数が4N(Nは1以上の整数)の場合、第3端末#a~#b、第3端末#c~#d、第3端末#e~#f、及び、第3端末#g~#hの数は、それぞれ、Nである。同様に、第4端末の数が4M(Mは1以上の整数)の場合、第4端末#A~#B、第4端末#C~#D、第4端末#E~#F、及び、第4端末#G~#Hの数は、それぞれ、Mである。
【0100】
例えば、基地局100は、端末200それぞれからスケジュール情報を受信し、スケジュール情報に基づいて、端末200をグループに分ける。例えば、1つのグループは、基地局100の通信範囲の外へ出るタイミングが所定の時間以内である端末200(第2の例では、同じ属性のユーザの端末200)を含む。そして、基地局100は、各駅停車に乗車するユーザ(例えば、同じ属性のユーザ)の端末200に該当する第3端末に対して、各チャネルに割り当てる数を均一になるようにチャネルを割り当てる。また、基地局100は、急行列車に乗車するユーザ(例えば、同じ属性のユーザ)の端末200に該当する第4端末に対して、各チャネルに割り当てる数を均一になるようにチャネルを割り当てる。このような割り当て制御によって、基地局100は、例えば、
図10に示すチャネル割り当てを行う。
【0101】
ここで、例えば、各駅停車の列車に乗車するユーザが、駅に到着した各駅停車の列車に乗車した後、各駅停車の列車が駅から発車し、基地局100の通信範囲の外へ移動した場合、第3端末#a~#b、第3端末#c~#d、第3端末#e~#f、及び、第3端末#g~#hと基地局100との無線接続は切断される。
【0102】
図11は、
図10に示したチャネル割り当てにおいて、第3端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図である。
【0103】
第3端末の無線接続が切断され、
図10に示したチャネル割り当てにおいて、第3端末を割り当てたチャネルのリソースが空きリソースとなる場合、
図11に示すように、空きリソースの量が、チャネル間で均一になり、使用されているリソースの量が、チャネル間で均一になる。つまり、
図10に示したようなチャネル割り当てを行うことによって、各チャネルの混雑の度合(例えば、割り当てられている端末の数)をチャネル間でほぼ均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0104】
<第2の例の基地局の処理フロー>
次に、上述した第2の例における基地局100の処理フローの例を説明する。
図12は、本実施の形態の第2の例における基地局100の処理フローの例を示すフローチャートである。なお、
図12において、
図9と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。例えば、
図12のフローチャートに示す処理は、周期的に開始されてよい。
【0105】
基地局100は、端末200から列車属性情報を含むスケジュール情報を受信する(S201)。
【0106】
基地局100は、同一の列車属性情報を送信した端末の数を決定する(S202)。
図10の例の場合、基地局100は、各駅停車を利用することを示す列車属性情報を送信した第3端末の数と、急行列車を利用することを示す列車属性情報を送信した第4端末の数とを決定する。別言すると、基地局100は、同一の列車属性情報を送信した端末200に1つのグループを設定し、グループ内の端末の数を決定する。
【0107】
基地局100は、決定した端末の数と割り当て可能なチャネルの数とに基づいて、各チャネルに割り当てる端末の数を決定する(S203)。ここで、1つのチャネルに割り当てる第3端末の数に関する所定値は、第3所定値と記載され、1つのチャネルに割り当てる第4端末の数に関する所定値は、第4所定値と記載される。なお、所定値の決定方法は、
図9のS103にて示した例と同様であってよい。
【0108】
S204以降では、基地局100は、第3端末に対するチャネル割り当ての処理と、第4端末に対するチャネル割り当ての処理とを行う。なお、第3端末に対するチャネル割り当ての処理と、第4端末に対するチャネル割り当ての処理とは、それぞれ、
図9における第1端末に対するチャネル割り当て処理と、第2端末に対するチャネル割り当て処理と同様であるので、説明を省略する。
【0109】
以上説明したフローによって、基地局100は、第3所定値によって表される数の第3端末、および、第4所定値によって表される数の第4端末を各チャネルに割り当てる。
【0110】
以上説明したように、上述した第2の例では、基地局100が、端末200を所有するユーザが利用する列車の属性(種類)毎に、端末200をグループ化し、各グループの端末200のチャネル割り当てにおいて、各チャネルに割り当てられる端末の数が均一になるように、チャネル割り当てを行う。このような割り当てによって、或るグループの端末が、一斉に無線接続を切断する場合であっても、切断後のチャネル割り当てにおいて、端末数の偏りを抑えることができるため、チャネルの混雑度をチャネル間で均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0111】
なお、上述した第2の例では、2種類の列車の属性を例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。本開示は、3種類以上の列車の属性(例えば、各駅停車、急行列車、及び、特別急行列車等)が存在する場合に適用されてよい。また、上述した第2の例では、列車に乗車するユーザを例に挙げて説明したが、本開示は、これに限定されない。例えば、本開示は、列車から降車するユーザが所有する端末に対して適用されてよい。例えば、
図1の例において、列車#1から降車するユーザは、ユーザグループ#3にグループ化されてよい。この場合、ユーザグループ#3のユーザの端末には、第1端末及び第2端末と同様に、チャネル間で均等になるように、チャネルが割り当てられてもよい。
【0112】
<第3の例>
例えば、列車を利用するユーザの中で、座席に座ることを要望するユーザは、混雑している列車には乗らずに、後から来る混雑していない別の列車に乗車する可能性がある。第3の例では、ユーザが要望する内容に基づいて、端末200へのチャネル割り当てを行う例を説明する。以下では、ユーザが、列車に乗車した際に、座席の利用を要望する例を説明する。
【0113】
図13は、本実施の形態に係る端末が送信するスケジュール情報のフレーム構成の第2の例を示す図である。なお、
図13において、
図6と同様の構成は、説明を省略する場合がある。
【0114】
図13に示すフレーム構成のスケジュール情報は、「ユーザID」と、「行き先情報」と、「列車属性情報」と、「要望情報」とを含む。なお、「ユーザID」と、「行き先情報」と、「列車属性情報」とは、
図6に示したフレーム構成の例と同様であるので、説明を省略する。
【0115】
要望情報は、例えば、行き先情報と列車属性情報とが示すユーザが乗車する列車において、ユーザが席に座ることを要望するか否かを示す。例えば、要望情報は、ユーザが席に座ることを要望するか否かを1ビットで表してもよい。あるいは、ユーザが席に座ることを要望する場合に、要望情報がスケジュール情報に含まれ、ユーザが席に座ることを要望しない場合に、要望情報がスケジュール情報に含まれない、としてもよい。
【0116】
ユーザは、端末200を介して、行き先、利用する列車の情報に加えて、座席を要望するか否かを示す情報を入力する。端末200は、入力された情報に基づいて、スケジュール情報を生成し、基地局100へ送信する。
【0117】
例えば、基地局100は、各端末から受信したスケジュール情報に含まれる要望情報に基づいて、端末200を、座席に座ることを要望するユーザの端末200のグループと、座席に座ることを要望しないユーザの端末200のグループとに分ける(グループ化する)。以下、座席に座ることを要望しないユーザの端末200は、第5端末と記載され、座席に座ることを要望するユーザの端末は、第6端末と記載される。
【0118】
図14は、第3の例におけるチャネル割り当ての例を示す図である。
図14の横軸は、周波数を示し、縦軸は、割り当てられた端末の数を示す。
図14には、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる第5端末及び第6端末が示される。
【0119】
図14の例では、チャネルf1、チャネルf2、チャネルf3及びチャネルf4に割り当てられる第5端末の数は、同一の数である。また、チャネルf1、チャネルf2、チャネルf3及びチャネルf4に割り当てられる第6端末の数は、同一の数である。つまり、第5端末の数が4N(Nは1以上の整数)の場合、第5端末#a~#b、第5端末#c~#d、第5端末#e~#f、及び、第5端末#g~#hの数は、それぞれ、Nである。同様に、第6端末の数が4M(Mは1以上の整数)の場合、第6端末#A~#B、第6端末#C~#D、第6端末#E~#F、及び、第6端末#G~#Hの数は、それぞれ、Mである。
【0120】
例えば、基地局100は、端末200それぞれからスケジュール情報を受信し、スケジュール情報に基づいて、端末200をグループに分ける。例えば、1つのグループは、基地局100の通信範囲の外へ出るタイミングが所定の時間以内である端末200(第3の例では、同じ要望を有するユーザの端末200)を含む。そして、基地局100は、座席に座ることを要望しないユーザの端末200に該当する第5端末に対して、各チャネルに割り当てる数を均一になるようにチャネルを割り当てる。また、基地局100は、座席に座ることを要望するユーザの端末200に該当する第6端末に対して、各チャネルに割り当てる数を均一になるようにチャネルを割り当てる。このような割り当て制御によって、基地局100は、例えば、
図14に示すチャネル割り当てを行う。
【0121】
ここで、例えば、座席に座ることを要望しないユーザが、駅に到着した列車に乗車した後、当該列車が駅から発車し、基地局100の通信範囲の外へ移動した場合、第5端末#a~#b、第5端末#c~#d、第5端末#e~#f、及び、第5端末#g~#hと基地局100との無線接続は切断される。
【0122】
図15は、
図14に示したチャネル割り当てにおいて、第5端末の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図である。
【0123】
第5端末の無線接続が切断され、
図14に示したチャネル割り当てにおいて、第5端末を割り当てたチャネルのリソースが空きリソースとなる場合、
図15に示すように、空きリソースの量が、チャネル間で均一になり、使用されているリソースの量が、チャネル間で均一になる。つまり、
図14に示したようなチャネル割り当てを行うことによって、各チャネルの混雑の度合(例えば、割り当てられている端末の数)をチャネル間でほぼ均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0124】
<第3の例の基地局の処理フロー>
次に、上述した第3の例における基地局100の処理フローの例を説明する。
図16は、本実施の形態の第3の例における基地局100の処理フローの例を示すフローチャートである。なお、
図16において、
図9、
図12と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。例えば、
図16のフローチャートに示す処理は、周期的に開始されてよい。
【0125】
基地局100は、端末200から要望情報を含むスケジュール情報を受信する(S301)。
【0126】
基地局100は、要望情報に基づいて、端末をグループ分けし、各グループの端末の数を決定する(S302)。
図14の例の場合、基地局100は、座席に座ることを要望しないことを示す要望情報を送信した第5端末の数と、座席に座ることを要望することを示す要望情報を送信した第6端末の数とを決定する。
【0127】
基地局100は、決定した端末の数と割り当て可能なチャネルの数とに基づいて、各チャネルに割り当てる端末の数を決定する(S303)。ここで、1つのチャネルに割り当てる第5端末の数に関する所定値は、第5所定値と記載され、1つのチャネルに割り当てる第6端末の数に関する所定値は、第6所定値と記載される。なお、所定値の決定方法は、
図9のS103にて示した例と同様であってよい。
【0128】
S304以降では、基地局100は、第5端末に対するチャネル割り当ての処理と、第6端末に対するチャネル割り当ての処理とを行う。なお、第5端末に対するチャネル割り当ての処理と、第6端末に対するチャネル割り当ての処理とは、それぞれ、
図9における第1端末に対するチャネル割り当て処理と、第2端末に対するチャネル割り当て処理と同様であるので、説明を省略する。
【0129】
以上説明したフローによって、基地局100は、第5所定値によって表される数の第5端末、および、第6所定値によって表される数の第6端末を各チャネルに割り当てる。
【0130】
以上説明したように、上述した第3の例では、基地局100が、端末200を所有するユーザが座席を要望するか否かに基づいて、端末200をグループ化し、各グループの端末200のチャネル割り当てにおいて、各チャネルに割り当てられる端末の数が均一になるように、チャネル割り当てを行う。このような割り当てによって、或るグループの端末が、一斉に無線接続を切断する場合であっても、切断後のチャネル割り当てにおいて、端末数の偏りを抑えることができるため、チャネルの混雑度をチャネル間で均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0131】
なお、上述した第3の例では、座席に座ることを要望するか否かを示す要望情報を例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。要望情報は、座席に座ること以外の要望を通知するために用いられてもよい。この場合、基地局100は、通知された要望に基づいて、端末をグループ化し、グループ毎に、チャネルを割り当ててよい。
【0132】
ここで、本開示は、単に座席に座ることを要望するか否かだけでなく、更に、ユーザが座る予定の席の隣の席も空いていることを要望する場合も適用可能である。この場合、座席要望情報に対して、更に、隣の席も空いていることを要望するための追加情報が追加されてよい。例えば、追加情報は1ビットで表される。例えば、ユーザが隣の席も空いていることを要望している場合、1ビットの追加情報が「1」に設定され、そうでない場合、1ビットの追加情報が「0」に設定される。
【0133】
また、本開示は、複数の乗客がまとまって座席を確保したい場合も適用可能である。この場合、座席要望情報に対して、更に、まとまって確保してほしい座席の数を示す座席数情報が追加されてよい。例えば、座席数情報は、複数ビット(例えば、2ビット)で表される。例えば、座席数情報は、ユーザが他の1人と2人まとまって座りたい場合、「1」に設定され、ユーザが3人まとまって座りたい場合、「2」に設定され、4人まとまって座りたい場合、「3」に設定される。
【0134】
更に、本開示は、座席を確保してほしい車両を指定したい場合も適用可能である。この場合、座席要望情報に対して、座席を確保してほしい車両を示す車両情報が追加されてよい。例えば、車両情報は、複数ビット(例えば3ビット)で表される。例えば、車両情報は、ユーザが先頭車両に座席を確保してほしい場合、「0」に設定され、先頭から4番目の車両に座席を確保してほしい場合、「3」に設定され、先頭から8番目の車両に座席を確保してほしい場合、「7」に設定される。
【0135】
<第4の例>
上述した各例は、端末200のそれぞれが、スケジュール情報を基地局100に送信し、基地局100は、端末200のそれぞれのスケジュール情報に基づいて、チャネル割り当てを行う。一方で、スケジュール情報を送信しない端末200が存在する場合がある。
【0136】
例えば、ユーザは、端末200にインストールされているアプリケーションを介して、行き先等を入力し、端末200が、ユーザによって入力された情報に基づいて、スケジュール情報を基地局100に送信することができる。一方、端末200に当該アプリケーションがインストールされていない場合、端末200は基地局100へスケジュール情報を送信できない。また、ユーザが、駅の滞在時間等を考慮して、端末200を介して、スケジュール情報を送信しない場合もある。
【0137】
第4の例では、スケジュール情報を送信しない端末200が存在する場合のチャネル割り当てを説明する。以下、スケジュール情報を送信しない端末200は、第7端末と記載される。
【0138】
なお、第4の例として、上記の第3の例において、スケジュール情報を送信しない端末200が存在する場合のチャネル割り当てを説明する。つまり、座席に座ることを要望しないユーザの端末200に相当する第5端末と、座席に座ることを要望するユーザの端末200に相当する第6端末と、スケジュール情報を送信しない端末200に相当する第7端末とが存在する例を説明する。
【0139】
図17は、第4の例におけるチャネル割り当ての例を示す図である。
図17の横軸は、周波数を示し、縦軸は、割り当てられた端末の数を示す。
図17には、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる第5端末、第6端末及び第7端末が示される。
【0140】
図17の例では、チャネルf1、チャネルf2、チャネルf3及びチャネルf4に割り当てられる第5端末の数は、ほぼ同一の数である。また、チャネルf1、チャネルf2、チャネルf3及びチャネルf4に割り当てられる第6端末の数は、ほぼ同一の数である。また、チャネルf1、チャネルf2、チャネルf3及びチャネルf4に割り当てられる第7端末の数は、ほぼ同一の数である。つまり、第5端末の数が4N(Nは1以上の整数)の場合、第5端末#a~#b、第5端末#c~#d、第5端末#e~#f、及び、第5端末#g~#hの数は、それぞれ、Nである。同様に、第6端末の数が4M(Mは1以上の整数)の場合、第6端末#A~#B、第6端末#C~#D、第6端末#E~#F、及び、第6端末#G~#Hの数は、それぞれ、Mである。同様に、第7端末の数が4L(Lは1以上の整数)の場合、第7端末#p~#q、第7端末#r~#s、第7端末#t~#u、及び、第7端末#v~#wの数は、それぞれ、Lである。
【0141】
例えば、基地局100は、端末200それぞれからスケジュール情報を受信し、スケジュール情報に基づいて、端末200をグループに分ける。ここで、第4の例では、基地局100は、基地局100と無線接続を行っている(例えば、無線リンクを確立している)端末200の中で、スケジュール情報を送信しない端末200を、スケジュール情報を送信した端末200とは別の1つのグループに分ける。例えば、スケジュール情報を送信しない端末200のグループは、未報告ユーザのグループと記載される場合がある。
【0142】
そして、基地局100は、座席に座ることを要望しないユーザの端末200に該当する第5端末に対して、各チャネルに割り当てる数を均一になるようにチャネルを割り当てる。また、基地局100は、座席に座ることを要望するユーザの端末200に該当する第6端末に対して、各チャネルに割り当てる数を均一になるようにチャネルを割り当てる。また、基地局100は、スケジュール情報を送信しない端末200に該当する第7端末に対して、各チャネルに割り当てる数を均一になるようにチャネルを割り当てる。このような割り当て制御によって、基地局100は、例えば、
図17に示すチャネル割り当てを行う。
【0143】
ここで、例えば、座席に座ることを要望しないユーザが、駅に到着した列車に乗車した後、当該列車が駅から発車し、基地局100の通信範囲の外へ移動した場合、第5端末#a~#b、第5端末#c~#d、第5端末#e~#f、及び、第5端末#g~#hと基地局100との無線接続は切断される。また、この列車には、スケジュール情報を送信しない端末200を所有するユーザの一部が乗車する可能性がある。
【0144】
図18は、
図17に示したチャネル割り当てにおいて、第5端末及び第7端末の一部の無線接続が切断された後の状態の一例を示す図である。
【0145】
第5端末の無線接続が切断され、
図17に示したチャネル割り当てにおいて、第5端末を割り当てたチャネルのリソースが空きリソースとなり、第7端末を割り当てたチャネルのリソースの一部が空きリソースとなる場合、
図18に示すように、各チャネルにおいて、空きリソースの量が不均一になってしまう確率を低減できる。つまり、
図17に示したようなチャネル割り当てを行うことによって、各チャネルの混雑の度合(例えば、割り当てられている端末の数)を不均一になってしまう確率を低減でき、周波数利用効率を改善できる。
【0146】
<第4の例の基地局の処理フロー>
次に、上述した第4の例における基地局100の処理フローの例を説明する。
図19は、本実施の形態の第4の例における基地局100の処理フローの例を示すフローチャートである。なお、
図19において、
図9、
図12、
図16と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。例えば、
図19のフローチャートに示す処理は、周期的に開始されてよい。
【0147】
基地局100は、端末200から要望情報を含むスケジュール情報を受信する(S401)。なお、ここでは、基地局100は、基地局100の配下の端末200の一部からスケジュール情報を受信しない。
【0148】
基地局100は、要望情報に基づいて、端末をグループ分けし、各グループの端末の数を決定する(S402)。
図19の例の場合、基地局100は、座席に座ることを要望しないことを示す要望情報を送信した第5端末の数と、座席に座ることを要望することを示す要望情報を送信した第6端末の数とを決定する。また、基地局100は、無線接続されている端末200の中で、スケジュール情報を受信しない第7端末の数を決定する。
【0149】
基地局100は、決定した端末の数と割り当て可能なチャネルの数とに基づいて、各チャネルに割り当てる端末の数を決定する(S403)。ここで、1つのチャネルに割り当てる第5端末の数に関する所定値は、第5所定値と記載され、1つのチャネルに割り当てる第6端末の数に関する所定値は、第6所定値と記載され、1つのチャネルに割り当てる第7端末の数に関する所定値は、第7所定値と記載される。なお、所定値の決定方法は、
図9のS103にて示した例と同様であってよい。
【0150】
S304~S313では、
図16に示した例と同様に、基地局100は、第5端末に対するチャネル割り当ての処理と、第6端末に対するチャネル割り当ての処理とを行う。
【0151】
次に、第6端末に対するチャネル割り当てが完了した場合(S310にてYES)、すなわち、チャネルが割り当てられていない第6端末(未割り当ての第6端末)が存在しない場合、基地局100は、第7端末に対するチャネル割り当ての処理のために、チャネルのインデックスiを0に設定(リセット)する(S404)。
【0152】
S405~S408では、基地局100は、第7端末に対するチャネル割り当ての処理を行う。なお、第7端末に対するチャネル割り当ての処理は、
図9における第1端末に対するチャネル割り当て処理と、第2端末に対するチャネル割り当て処理と同様であるので、説明を省略する。
【0153】
第7端末に対するチャネル割り当てが完了した場合(S405にてYES)、すなわち、チャネルが割り当てられていない第7端末(未割り当ての第7端末)が存在しない場合、フローは終了する。
【0154】
以上説明したフローによって、基地局100は、第5所定値によって表される数の第5端末、第6所定値によって表される数の第6端末、及び、第7所定値によって表される数の第7端末を各チャネルに割り当てる。
【0155】
以上説明したように、第4の例では、基地局100が、端末200を所有するユーザが座席を要望するか否かに基づいて、端末200をグループ化し、各グループの端末200のチャネル割り当てにおいて、各チャネルに割り当てられる端末の数が均一になるように、チャネル割り当てを行う。また、基地局100は、スケジュール情報を送信しない端末200を更に別のグループにグループ化し、スケジュール情報を送信しない端末200のチャネル割り当てにおいて、各チャネルに割り当てられる端末の数が均一になるように、チャネル割り当てを行う。このような割り当てによって、スケジュール情報を送信しない端末200が存在する場合であっても、各チャネルにおいて、空きリソースの量が不均一になってしまう確率を低減でき、周波数利用効率を改善できる。
【0156】
なお、上述した第4の例では、第3の例において、スケジュール情報を送信しない端末200が存在する場合のチャネル割り当てを説明したが、本開示は、これに限定されない。例えば、第1の例又は第2の例において、スケジュール情報を送信しない端末200が存在する場合であっても、上述した第4の例と同様のチャネル割り当てを行ってよい。
【0157】
また、上述した第1の例~第4の例に示したチャネル割り当ては、適宜、組合せられてもよい。例えば、第1の例と第2の例と第4の例との組合せでは、互いに方向が異なり、かつ、急行列車と各駅停車とが停車する駅のプラットホームにおいて、スケジュール情報を送信しない端末200が考慮される。この場合、例えば、端末100は、方向Aに進む急行列車に乗車するユーザの端末、方向Aに進む各駅停車に乗車するユーザの端末、方向Bに進む急行列車に乗車するユーザの端末、方向Bに進む各駅停車に乗車するユーザの端末、及び、スケジュール情報を送信しない端末の5つのグループに分けられてよい。そして、基地局100は、各グループのそれぞれについて、チャネル毎に割り当てる端末の数をチャネル間で均等にしてよい。
【0158】
<第5の例>
第5の例では、割り当ての対象となるチャネルにおいて生じる干渉を測定し、測定結果を分類することによって、端末200に対するチャネル割り当てをより適切に行う例を説明する。まず、第5の例における基地局の構成を説明する。
【0159】
<基地局の構成>
図20は、本実施の形態に係る基地局300の構成例を示すブロック図である。なお、
図20において、
図4と同様の構成については、同一の符番を付し、説明を省略する。
図20に示す基地局300では、
図4に示した基地局100に対して、通信品質測定部301、プリアンブル検出部302、及び、干渉分類部303が追加され、割当制御部104が割当制御部304に変更される。
【0160】
通信品質測定部301は、受信部101から取得した受信信号に基づいて、通信品質情報を生成する。通信品質情報は、例えば、受信信号の品質(例えば、Received Signal Strength Indicator(RSSI))であってよい。通信品質測定部301は、通信品質情報を割当制御部304へ出力する。
【0161】
プリアンブル検出部302は、受信部101から取得した受信信号に、プリアンブルが含まれているか否かを検出する。また、プリアンブル検出部302は、プリアンブルが含まれている場合、受信信号に含まれているプリアンブルの種類を判定する。
【0162】
例えば、プリアンブル検出部302は、端末200が使用する通信方式に用いられるプリアンブルと受信信号との相関を算出する。プリアンブル検出部302は、算出した相関の結果に所定値以上のピークが生じた場合、端末200が使用する通信方式に用いられるプリアンブルが受信信号に含まれている、と判定する。
【0163】
なお、プリアンブル検出部302は、受信信号の送信元が基地局300の属するネットワーク(NW)に含まれるか否かに関わらず、プリアンブルの検出を行う。別言すれば、プリアンブル検出部302は、基地局300の属するNWに含まれない無線装置が送信した信号に含まれるプリアンブルの種類を判定してもよい。
【0164】
また、プリアンブル検出部302は、端末200が使用する通信方式に用いられるプリアンブルと受信信号との相関の結果、所定値以上のピークが生じなかった場合、受信信号の送信元は、端末200が使用する通信方式を使用していない、と判定する。
【0165】
プリアンブル検出部302は、受信信号にプリアンブルが含まれているか否かを示す情報を、干渉分類部303へ出力する。また、プリアンブル検出部302は、受信部101から取得した受信信号を干渉分類部303へ出力する。
【0166】
干渉分類部303は、例えば、各チャネルにおける干渉を分類する。例えば、干渉分類部303は、1つのチャネルにおける、所定時間の受信信号をモニタリングして分類を行う。例えば、干渉分類部303は、所定時間内の受信信号の送信元の違いを判別してもよい。干渉分類部303は、所定時間に対する、送信元毎の受信信号の時間の比率を算出し、各チャネルにおける干渉を分類する。
【0167】
例えば、干渉分類部303は、基地局300の配下の端末200が送信する信号、及び、基地局300の配下ではない無線装置が送信する信号を、受信部101を介して、取得する。そして、干渉分類部303は、取得した受信信号の長さ、受信信号の電力、受信信号のプリアンブルの情報、及び、受信信号に含まれる送信元の情報に基づいて、受信信号に起因した干渉を分類する。
【0168】
なお、以下では、基地局300が属するネットワークではないネットワークに属する無線装置は、「管理外端末」と記載され、「管理外端末」によって送信された信号に起因する干渉は、「管理外干渉」と記載される。また、以下では、基地局300が属するネットワークに属し、基地局300の配下の端末200は、「管理内端末」と記載され、「管理内端末」によって送信された信号に起因する干渉は、「管理内干渉」と記載される場合がある。
【0169】
干渉分類部303は、例えば、受信信号のプリアンブル検出の結果、プリアンブルが検出できなかった場合、当該受信信号は、管理外端末によって送信された信号である、と決定する。そして、干渉分類部303は、管理外端末によって送信された信号が、管理外干渉に相当する、と決定する。
【0170】
また、干渉分類部303は、受信信号に対する復調及び復号の結果、受信信号に基地局300の配下の端末200の識別情報が含まれている場合、当該受信信号は、管理内端末によって送信された信号である、と決定する。そして、基地局300は、管理内端末によって送信された信号が、管理内干渉に相当する、と決定する。
【0171】
干渉分類部303は、基地局300が端末200に割り当て可能なチャネルのそれぞれにおいて上述したような干渉の分類を行い、分類結果を示す情報を割当制御部304へ出力する。分類結果には、少なくとも、各チャネルにおける管理外干渉の干渉量が含まれる。なお、干渉量は、例えば、管理外端末の数によって表されてもよいし、チャネルの占有率によって表されてもよいし、送信確率によって表されてもよいし、送信電力によって表されてもよい。
【0172】
割当制御部304は、端末200とのデータ通信に関する制御を行う。例えば、割当制御部304は、復調/復号部102から取得した受信データを、図示しない外部の装置へ出力してもよい。また、割当制御部304は、図示しない外部の装置から取得した、端末200宛の送信データを、符号化/変調部106へ出力する。
【0173】
割当制御部304は、端末200から受信した制御情報(スケジュール情報)及び干渉分類部303から取得する分類結果に基づいて、端末200に対してチャネル割り当てを行う。割当制御部304は、端末200に割り当てたチャネルを示す割当情報を、受信部101、送信部107、及び、符号化/変調部106に出力する。なお、チャネル割り当ての例については、後述する。
【0174】
上述の様に、基地局300は、チャネルのそれぞれにおいて、干渉を分類し、分類結果とスケジュール情報とに基づいて、チャネルを割り当てる。
【0175】
以下、第5の例として、管理外干渉の大きさと、端末200を所有するユーザの駅の滞在時間とに基づくチャネル割り当ての例を説明する。第5の例では、基地局300は、管理外干渉が相対的に大きいチャネルに、駅の滞在時間が相対的に短い端末200を割り当て、管理外干渉が相対的に小さいチャネルに、駅の滞在時間が相対的に長い端末200を割り当てる。別言すると、基地局300は、駅の滞在時間に基づいて端末200に優先順位を設定し、優先順位が高い(例えば、駅の滞在時間が相対的に長い)端末200に、空きリソースが相対的に多いチャネル(例えば、管理外干渉が小さい)を割り当てる。
【0176】
なお、端末200を所有するユーザの駅の滞在時間の情報を取得する方法は限定されない。例えば、端末200を所有するユーザが、駅の滞在時間を端末200に入力し、端末200が入力された情報を基地局300へ送信してもよい。例えば、入力された滞在時間の情報はスケジュール情報に含まれてよい。
【0177】
また、例えば、ユーザ基地局300は、端末200のそれぞれから受信するスケジュール情報に基づいて、端末を所有するユーザが乗車する列車を特定し、特定した列車の到着時刻(又は発車時刻)を駅の時刻表の情報に基づいて特定する。そして、基地局300は、特定した到着時刻(又は発車時刻)に基づいて、ユーザの駅の滞在時間を推定してよい。
【0178】
図21は、第5の例におけるチャネル割り当ての例を示す図である。
図21の横軸は周波数を示し、縦軸は、割り当てられた管理内端末の送信確率を示す。
図21には、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる管理内端末が示される。また、
図21には、チャネルf1~チャネルf4のいずれかに割り当てるn個の管理内端末が示される。なお、縦軸に示す送信確率は、例えば、端末の数に基づいて規定される。例えば、割り当てられる端末の数が多いほど、送信確率も高い。
【0179】
図21において、チャネルf1とチャネルf2とには、管理外干渉が存在しない(又は、極めて小さい)。また、チャネルf3には、管理外干渉が存在し、チャネルf4には、チャネルf3よりも大きい管理外干渉が存在する。なお、チャネルf1及びf2は、「管理外干渉の小さいチャネル」に分類され、チャネルf3は、「管理外干渉の大きいチャネル」に分類される。また、チャネルf4は、送信確率の上限値αに近いため、「管理内端末を割り当てないチャネル」に相当してよい。
【0180】
「管理外干渉の小さいチャネル」は、「管理外干渉の占有率が低いチャネル」又は「空きの多いチャネル」と称されてもよい。また、「管理外干渉の大きいチャネル」は、「管理外干渉の占有率が高いチャネル」又は「空きの少ないチャネル」に対応してよい。また、「管理内端末を割り当てないチャネル」は、「空きが無いチャネル」に対応してよい。例えば、「管理外干渉の小さいチャネル」と「管理外干渉の大きいチャネル」とは、閾値と管理外干渉の干渉量とを比較することによって分類されてもよいし、管理外干渉の大きい方から所定数のチャネルが「管理外干渉の大きいチャネル」に分類され、残りが「管理外干渉の小さいチャネル」に分類されてもよい。この分類は、基地局300によって実行されてよい。
【0181】
図21の例では、n個の管理内端末が、駅の滞在時間(乗車予定の列車が到着するまでの時間)の長さの順に、並べられている。n個の管理内端末の中で、管理内端末#1のユーザの駅の滞在時間が最も長く、管理内端末#nのユーザの駅の滞在時間が最も短い。そして、
図21の例では、n個の管理内端末が、比較的滞在時間が長いユーザの管理内端末#1~#mからなるm個の端末のグループと、比較的滞在時間が短いユーザの管理内端末#m+1~#nからなるn―m個の端末のグループとに分けられる。なお、mは、1以上n以下の整数である。例えば、mは、チャネルf1及びチャネルf2の空き状況と、チャネルf3の空き状況との比率に基づいて決定されてよい。
【0182】
基地局300は、比較的滞在時間が長いユーザの管理内端末#1~#mを、管理外干渉の小さいチャネルf1及びf2に割り当てる、と決定し、比較的滞在時間が短いユーザの管理内端末#m+1~#nを、管理外干渉の大きいチャネルf3に割り当てる、と決定する。
【0183】
基地局300は、チャネルf1及びf2に割り当てる、と決定した管理内端末について、更にグループ化して、グループ毎にチャネルを割り当てる。例えば、基地局300は、各管理内端末が送信したスケジュール情報に基づいて、方向Aに進む列車に乗車するユーザの管理内端末(以下、第1管理内端末)と、方向Aと反対方向の方向Bに進む列車に乗車するユーザの管理内端末(以下、第2管理内端末)とにグループ分けする。そして、基地局300は、チャネルf1に割り当てられる第1管理内端末の数と、チャネルf2に割り当てられる第1管理内端末の数とが同数(あるいは、差が一定範囲内)となるように、第1管理内端末をチャネルに割り当てる。また、基地局300は、チャネルf1に割り当てられる第2管理内端末の数と、チャネルf2に割り当てられる第2管理内端末の数とが同数(あるいは、差が一定範囲内)となるように、第2管理内端末をチャネルに割り当てる。
【0184】
<第5の例の基地局の処理フロー>
次に、上述した第5の例における基地局300の処理フローの例を説明する。
図22は、本実施の形態の第5の例における基地局300の処理フローの例を示すフローチャートである。例えば、
図22のフローチャートに示す処理は、周期的に開始されてよい。
【0185】
基地局300は、端末200から行き先情報を含むスケジュール情報を受信する(S501)。
【0186】
基地局300は、端末200へ割り当て可能なチャネルの干渉を測定し、測定した干渉を分類する(S502)。
【0187】
基地局300は、管理外干渉の大きさに基づいて、割り当て可能なチャネルを、管理外干渉が大きいチャネルと管理外干渉が小さいチャネルとに分類する(S503)。
【0188】
基地局300は、端末200のそれぞれに割り当てるチャネルの決定が完了したか否かを判定する(S504)。
【0189】
チャネルの決定が完了していない場合(S504にてNO)、すなわち、割り当てられるチャネルが決定していない端末200(以下、「端末z」と記載する)が存在する場合、基地局300は、端末zに対して、S505以降の決定処理を実行する。
【0190】
基地局300は、端末zを所有するユーザの駅の滞在時間(例えば、当該ユーザが乗車する列車の到着時刻と現在時刻との差)が所定時間未満か否かを判定する(S505)。
【0191】
滞在時間が所定時間未満の場合(S505にてYES)、基地局300は、端末zを管理外干渉が大きいチャネルに割り当てる、と決定する(S506)。そして、フローはS504へ移行する。
【0192】
滞在時間が所定時間未満ではない場合(S505にてNO)、基地局300は、端末zを管理外干渉が小さいチャネルに割り当てる、と決定する(S507)。そして、フローはS504へ移行する。
【0193】
チャネルの決定が完了した場合(S504にてYES)、すなわち、割り当てられるチャネルが決定していない端末が存在しない場合、管理外干渉が小さいチャネルに割り当てると決定した端末について、スケジュール情報に基づくチャネル割り当てを実行する(S508)。そして、フローは終了する。
【0194】
なお、S508における処理フローは、例えば、
図9のS102~S113に示した処理フローと同様であるので、説明を省略する。ただし、
図9の処理フローでは、割り当て可能なチャネルのそれぞれに対して、割り当てる端末200を決定したが、
図22では、割り当て可能なチャネルのうち、管理外干渉が小さいチャネルに対して、割り当てる端末を決定する点が相違する。
【0195】
以上説明したように、第5の例では、基地局300が、干渉を分類し、管理外干渉の大きさに応じて、端末200に割り当てるチャネルを決定する。そして、例示的に、基地局300は、管理外干渉の比較的大きいチャネルを、駅の滞在時間が比較的短いユーザが所有する端末200に割り当てる。このような割り当てによって、駅の滞在時間が相対的に長く、通信頻度が高いと想定される端末200に対して、管理外干渉が小さく、通信品質が良好なチャネルを割り当てることができる。また、第1の例と同様に、或るグループの端末が、一斉に無線接続を切断する場合であっても、切断後のチャネル割り当てにおいて、端末数の偏りを抑えることができるため、チャネルの混雑度をチャネル間で均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0196】
なお、第5の例では、割り当て可能なチャネルを、管理外干渉の大きいチャネルと、管理外干渉の小さいチャネルとに分類する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、割り当て可能なチャネルを、各チャネルの管理外干渉の大きさに基づいて、3つ以上のレベルに分類してもよい。この場合、例えば、ユーザの滞在時間に基づいて、端末200が3つ以上のグループに分けられ、各グループの端末が、3つ以上のレベルに分類されたチャネルのそれぞれに割り当てられてよい。
【0197】
また、第5の例では、管理外干渉の小さいチャネルに割り当てられると決定した端末200について、スケジュール情報に基づいて、グループ分けを行って、各グループの端末をチャネルに割り当てる例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、管理外干渉の大きいチャネルに割り当てられると決定した端末200について、スケジュール情報に基づいて、グループ分けを行って、各グループの端末をチャネルに割り当ててもよい。これにより、管理外干渉の大きいチャネルにおいても、チャネルの混雑度をチャネル間で均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0198】
なお、第5の例において、例えば、端末200が、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる無線通信技術の1つであり、スペクトラム拡散方式を用いて通信を行う「LoRa」と称される通信方式(以下、「LoRa方式」と記載)を用いる場合、駅の滞在時間が長いユーザの端末200ほど、送信電力を高く設定してもよい。端末200がLPWAのLoRa方式を用いる場合、駅の滞在時間が長いユーザの端末200ほど、大きい拡散率が割り当てられてもよい。また、この場合に、駅の滞在時間が長いユーザの端末200の送信電力が高く設定され、かつ、大きい拡散率が割り当てられてもよい。
【0199】
<第6の例>
第6の例では、第5の例と同様に、基地局300が干渉を分類し、管理外干渉の大きさに応じて端末200に割り当てるチャネルを決定する場合において、スケジュール情報を送信しない端末200が存在する例を説明する。
【0200】
第6の例では、基地局300は、管理外干渉が相対的に大きいチャネルに、スケジュール情報を送信しない端末200を割り当てる。そして、第5の例と同様に、基地局300は、管理外干渉が相対的に大きいチャネルに、駅の滞在時間が相対的に短い端末200を割り当て、管理外干渉が相対的に小さいチャネルに、駅の滞在時間が相対的に長い端末200を割り当てる。別言すると、基地局300は、スケジュール情報を送信しない端末200の優先順位を、スケジュール情報を送信した端末200よりも低く設定する。そして、基地局300は、スケジュール情報を送信する端末200の中で、駅の滞在時間に基づいて端末200に優先順位を設定し、優先順位が高い(例えば、駅の滞在時間が相対的に長い)端末200を、空きが相対的に多いチャネル(例えば、管理外干渉が小さいチャネル)に割り当てる。
【0201】
図23は、第6の例におけるチャネル割り当ての例を示す図である。
図23の横軸は周波数を示し、縦軸は、割り当てられた管理内端末の送信確率を示す。
図23には、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる管理内端末が示される。また、
図23には、チャネルf1~チャネルf4のいずれかに割り当てる管理内端末が示される。
【0202】
図23において、
図21と同様に、チャネルf1とチャネルf2とには、管理外干渉が存在しない(又は、極めて小さい)。また、チャネルf3には、管理外干渉が存在し、チャネルf4には、チャネルf3よりも大きい管理外干渉が存在する。
【0203】
図23の例では、管理内端末#1~#nは、スケジュール情報を送信した端末200であり、未報告の管理内端末#n+1~#sは、スケジュール情報を送信しない端末200である。また、
図23の例では、
図21と同様に、管理内端末#1~#nは、駅の滞在時間の長さの順に、並べられている。
【0204】
なお、mは、1以上n以下の整数である。例えば、mは、チャネルf1及びチャネルf2の空き状況と、チャネルf3の空き状況との比率に基づいて決定されてよい。ただし、第6の例では、チャネルf3にスケジュール情報を送信しない管理内端末が割り当てられるため、mを決定するためのチャネルf3の空き状況は、スケジュール情報を送信しない管理内端末が割り当てられた後の空き状況である。
【0205】
基地局300は、スケジュール情報を送信しない管理内端末#n+1~#sを、管理外干渉の大きいチャネルf3に割り当てる、と決定する。そして、基地局300は、スケジュール情報を送信した管理内端末の中で、比較的滞在時間が長いユーザの管理内端末#1~#mを、管理外干渉が小さいチャネルf1及びf2に割り当てる、と決定し、比較的滞在時間が短いユーザの管理内端末#m+1~#nを、管理外干渉の大きいチャネルf3に割り当てる、と決定する。
【0206】
基地局300は、チャネルf1及びf2に割り当てる、と決定した管理内端末について、更にグループ化して、グループ毎にチャネルを割り当てる。この割り当ては、第5の例と同様であってよい。
【0207】
<第6の例の基地局の処理フロー>
図24は、本実施の形態の第6の例における基地局300の処理フローの例を示すフローチャートである。なお、
図24において、
図22と同様の処理については、同一の付番を付し、説明を省略する場合がある。
【0208】
チャネルの決定が完了していない場合(S504にてNO)、すなわち、割り当てられるチャネルが決定していない端末(以下、「端末z」と記載する)が存在する場合、基地局300は、端末zがスケジュール情報を送信していないか否かを判定する(未送信か否かを判定する)(S601)。
【0209】
端末zがスケジュール情報を送信した場合(S601にてNO)、基地局300は、端末zを所有するユーザの駅の滞在時間(例えば、当該ユーザが乗車する列車の到着時刻と現在時刻との差)が所定時間未満か否かを判定する(S505)。
【0210】
滞在時間が所定時間未満ではない場合(S505にてNO)、基地局300は、端末zを管理外干渉が小さいチャネルに割り当てる、と決定する(S507)。そして、フローはS504へ移行する。
【0211】
端末zがスケジュール情報を送信していない場合(S601にてYES)、又は、滞在時間が所定時間未満の場合(S505にてYES)、基地局300は、端末zを管理外干渉が大きいチャネルに割り当てる、と決定する(S506)。そして、フローはS504へ移行する。
【0212】
以上説明したように、第6の例では、基地局300が、干渉を分類し、管理外干渉の大きさに応じて、端末200に割り当てるチャネルを決定する。そして、例示的に、基地局300は、管理外干渉の比較的大きいチャネルを、スケジュール情報を送信しない端末200及び駅の滞在時間が比較的短いユーザが所有する端末200に割り当てる。このような割り当てによって、駅の滞在時間が相対的に長く、通信頻度が高いと想定される端末200に対して、管理外干渉が小さく、通信品質が良好なチャネルを割り当てることができる。また、第1の例と同様に、或るグループの端末200が、一斉に無線接続を切断する場合であっても、切断後のチャネル割り当てにおいて、端末数の偏りを抑えることができるため、チャネルの混雑度をチャネル間で不均一になる確率を低減でき、周波数利用効率を改善できる。
【0213】
なお、スケジュール情報を送信しない端末200及びスケジュール情報を送信する端末200がLoRa方式を用いる場合、スケジュール情報を送信しない端末200の送信電力は、スケジュール情報を送信する端末200よりも低く設定されてよい。例えば、スケジュール情報を送信しない端末200の送信電力は、設定可能な送信電力の中で、最小に設定されてよい。あるいは、スケジュール情報を送信しない端末200及びスケジュール情報を送信する端末200がLoRa方式を用いる場合、スケジュール情報を送信しない端末200には、スケジュール情報を送信する端末200よりも小さい拡散率が割り当てられてよい。例えば、報告を行わない端末には、SF7が割り当てられてよい。
【0214】
<第7の例>
第7の例では、第5の例、第6の例と同様に、基地局300が干渉を分類し、管理外干渉の大きさに応じて端末200にチャネルを割り当てる場合において、事故又は災害等によって、列車の発着が困難な緊急事態が生じた場合のチャネル割り当てを説明する。
【0215】
駅での列車の発着が困難な緊急事態が生じた場合、基地局300は、駅からユーザの目的地(例えば、自宅)までの距離(又は時間)の長さに基づいて、ユーザの端末200をチャネルに割り当てる。あるいは、基地局300は、目的地に行くまでに列車以外の代替手段(例えば、バス、タクシー、徒歩、及び、自転車等の少なくとも1つ)が利用可能か否かに基づいて、ユーザの端末200をチャネルに割り当ててよい。ここで、目的地に行くまでに列車以外の代替手段が利用可能なユーザに対して、代替手段(例えば、バス、タクシー)の乗り場及び/又は時刻表の情報などが通知されてもよい。また、代替手段で帰宅を承諾するユーザは、その旨を基地局300に通知し、別途該当ユーザには何らかの特典を付加してもよい。あるいは、ユーザが滞在する駅から移動するための代替手段の候補が、基地局300から端末200に対して通知され、ユーザが、候補の中から、利用可能な代替手段の有無を判断してもよい。この場合、判断結果が、端末200から基地局300へ通知されてよい。
【0216】
例えば、基地局300は、管理外干渉が相対的に大きいチャネルに、代替手段が利用可能なユーザの端末200を割り当てる。そして、基地局300は、管理外干渉が相対的に大きいチャネルに、目的地までの距離が短いユーザの端末200を割り当て、管理外干渉が相対的に小さいチャネルに、目的地までの距離が長いユーザの端末200を割り当てる。別言すると、目的地に行くまでに列車以外の代替手段(例えば、バス、タクシー、徒歩、及び、自転車等の少なくとも1つ)が利用可能なユーザが所有する端末200は、代替手段が利用できないユーザが所有する端末200よりも優先順位が低く設定されてよい。そして、ユーザの目的地までの距離が長いほど、ユーザが所有する端末200の優先順位が高く設定されてよい。基地局300は、優先順位が高い端末200を、空きが相対的に多いチャネル(例えば、管理外干渉が小さいチャネル)に割り当てる。
【0217】
なお、端末200を所有するユーザの目的地までの距離の情報を取得する方法は、限定されない。基地局300は、スケジュール情報によって示されるユーザが乗車する列車の情報に基づいて、目的地までの距離を推定してもよい。あるいは、端末200を所有するユーザが、目的地までの距離の情報や自宅の住所などを端末200に入力し、端末200が入力された情報を基地局300へ送信してもよい。入力された情報は、スケジュール情報に含まれてよい。
【0218】
また、端末200を所有するユーザが、代替手段が利用可能か否かに関する情報を取得する方法は、限定されない。例えば、基地局300は、スケジュール情報によって示されるユーザが乗車する列車の情報に基づいて、代替手段が利用可能か否かを推定してもよい。あるいは、端末200を所有するユーザが、代替手段が利用可能か否かを端末200に入力し、端末200が入力された情報を基地局300へ送信してもよい。例えば、入力された情報は、スケジュール情報に含まれてよい。
【0219】
図25は、第7の例におけるチャネル割り当ての例を示す図である。
図25の横軸は周波数を示し、縦軸は、割り当てられた管理内端末の送信確率を示す。
図25には、チャネルf1~チャネルf4のそれぞれに割り当てられる管理内端末が示される。また、
図25には、チャネルf1~チャネルf4のいずれかに割り当てる管理内端末が示される。
【0220】
図25において、
図21、
図23と同様に、チャネルf1とチャネルf2とには、管理外干渉が存在しない(又は、極めて小さい)。また、チャネルf3には、管理外干渉が存在し、チャネルf4には、チャネルf3よりも大きい管理外干渉が存在する。
【0221】
図25の例では、管理内端末#1~#nは、代替手段が利用可能ではないユーザの端末200であり、移動可能な管理内端末#n+1~#sは、代替手段が利用可能であるユーザの端末200である。また、
図25の例では、管理内端末#1~#nは、目的地までの距離の長さの順に、並べられている。n個の管理内端末の中で、管理内端末#1のユーザの目的地までの距離が最も長く、管理内端末#nのユーザの目的地までの距離が最も短い。そして、
図25の例では、管理内端末#1~#nが、比較的目的地までの距離が長いユーザの管理内端末#1~#mからなるm個の端末のグループと、比較的目的地までの距離が短いユーザの管理内端末#m+1~#nからなるn―m個の端末のグループとに分けられる。
【0222】
なお、mは、1以上n以下の整数である。例えば、mは、チャネルf1及びチャネルf2の空き状況と、チャネルf3の空き状況との比率に基づいて決定されてよい。ただし、第7の例では、チャネルf3に代替手段が利用可能であるユーザの管理内端末が割り当てられるため、mを決定するためのチャネルf3の空き状況は、代替手段が利用可能であるユーザの管理内端末が割り当てられた後の空き状況である。
【0223】
基地局300は、代替手段が利用可能であるユーザの管理内端末#n+1~#sを、管理外干渉の大きいチャネルf3に割り当てる、と決定する。そして、基地局300は、代替手段が利用可能でないユーザの管理内端末の中で、比較的目的地までの距離が長いユーザの管理内端末#1~#mを、管理外干渉が小さいチャネルf1及びf2に割り当てる、と決定し、比較的目的地までの距離が短いユーザの管理内端末#m+1~#nを、管理外干渉の大きいチャネルf3に割り当てる、と決定する。
【0224】
基地局300は、チャネルf1及びf2に割り当てる、と決定した管理内端末について、更にグループ化して、グループ毎にチャネルを割り当てる。この割り当ては、第5の例と同様であってよい。
【0225】
<第7の例の基地局の処理フロー>
図26は、本実施の形態の第7の例における基地局300の処理フローの例を示すフローチャートである。なお、
図26において、
図22と同様の処理については、同一の付番を付し、説明を省略する場合がある。
【0226】
チャネルの決定が完了していない場合(S504にてNO)、すなわち、割り当てられるチャネルが決定していない端末(以下、「端末z」と記載する)が存在する場合、基地局300は、端末zのユーザが代替手段で移動可能か否かを判定する(S701)。
【0227】
端末zのユーザが代替手段で移動可能ではない場合(S701にてNO)、基地局300は、端末zを所有するユーザの目的地までの距離が閾値未満か否かを判定する(S702)。
【0228】
目的地までの距離が閾値未満ではない場合(S702にてNO)、基地局300は、端末zを管理外干渉が小さいチャネルに割り当てる、と決定する(S704)。そして、フローはS504へ移行する。
【0229】
端末zのユーザが代替手段で移動可能な場合(S701にてYES)、又は、目的地までの距離が閾値未満の場合(S702にてYES)、基地局300は、端末zを管理外干渉が大きいチャネルに割り当てる、と決定する(S703)。そして、フローはS504へ移行する。
【0230】
以上説明したように、第7の例では、基地局300が、干渉を分類し、管理外干渉の大きさに応じて、端末にチャネルを割り当てる。そして、例示的に、基地局300は、管理外干渉の比較的大きいチャネルを、代替手段が利用可能であるユーザの端末200及び比較的目的地までの距離が短いユーザが所有する端末200に割り当てる。このような割り当てによって、比較的目的地までの距離が長く、駅に滞在する時間が長くなってしまい、通信頻度が高いと想定される端末200に対して、管理外干渉が小さく、通信品質が良好なチャネルを割り当てることができる。また、第1の例と同様に、或るグループの端末200が、一斉に無線接続を切断する場合であっても、切断後のチャネル割り当てにおいて、端末数の偏りを抑えることができるため、チャネルの混雑度をチャネル間で均等にでき、周波数利用効率を改善できる。
【0231】
なお、端末200がLPWAのLoRa方式を用いる場合、目的地までの距離が相対的に長いユーザの端末200ほど、送信電力を高く設定してもよい。あるいは、端末200がLPWAのLoRa方式を用いる場合、目的地までの距離が相対的に長いユーザの端末200ほど、大きい拡散率が割り当てられてもよい。また、この場合に、目的地までの距離が相対的に長いユーザの端末200の送信電力が高く設定され、かつ、大きい拡散率が割り当てられてもよい。
【0232】
また、端末200がLPWAのLoRa方式を用いる場合、代替手段が利用可能であるユーザの端末200の送信電力は、代替手段が利用可能ではないユーザの端末200よりも低く設定されてよい。例えば、代替手段が利用可能であるユーザの端末200の送信電力は、設定可能な送信電力の中で、最小に設定されてよい。あるいは、端末200がLoRa方式を用いる場合、代替手段が利用可能であるユーザの端末200には、代替手段が利用可能ではないユーザの端末200よりも小さい拡散率が割り当てられてよい。例えば、代替手段が利用可能であるユーザの端末200には、SF7が割り当てられてよい。あるいは、端末200がLoRa方式を用いる場合、代替手段が利用可能であるユーザの端末200には、代替手段が利用可能ではないユーザの端末よりも小さい拡散率が割り当てられ、かつ、送信電力は、代替手段が利用可能ではないユーザの端末200よりも低く設定されてよい。
【0233】
なお、上記実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0234】
また、上記実施の形態における「チャネル」という表記は、「周波数」、「周波数チャネル」、「帯域」、「バンド」、「キャリア」、「サブキャリア」、又は、「(周波数)リソース」といった他の表記に置換されてもよい。
【0235】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0236】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0237】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0238】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0239】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0240】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0241】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0242】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0243】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0244】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0245】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0246】
本開示は、無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0247】
100、300 基地局
200 端末
101、201 受信部
102、202 復調/復号部
103 スケジュール情報抽出部
104、204、304 割当制御部
105 制御情報生成部
106、205 符号化/変調部
107、206 送信部
203 スケジュール情報生成部
301 通信品質測定部
302 プリアンブル検出部
303 干渉分類部