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  • 特開-包装用積層フィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138464
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】包装用積層フィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20220915BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20220915BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B32B27/00 H
B32B27/40
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038358
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和貴
(72)【発明者】
【氏名】今井 健一郎
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AB02
3E086AB03
3E086AD03
3E086BA04
3E086BA15
3E086BB52
3E086BB62
3E086BB66
3E086BB85
3E086CA28
4F100AB10D
4F100AK01A
4F100AK01C
4F100AK04E
4F100AK06C
4F100AK07A
4F100AK29E
4F100AK41D
4F100AK51B
4F100AK63E
4F100AT00A
4F100CB03E
4F100EH17C
4F100EH66D
4F100EJ38E
4F100GB15
4F100HB35B
4F100JD02D
4F100JK06
4F100JL12E
(57)【要約】
【課題】基材フィルムとアルミニウム蒸着膜を有するガスバリアフィルムとを溶融押出樹脂を介して積層した包装用積層フィルムであって、しかも、この包装用積層フィルムで包装袋を構成し、振動や屈曲を繰り返したときにもピンホールを生じ難い包装用積層フィルムを提供すること。
【解決手段】少なくとも基材フィルムと、第1インキ層、第2インキ層、押出し樹脂層、ガスバリアフィルム、シーラント層をこの順に備えた包装用積層フィルムであって、
前記第1インキ層は1液型のポリウレタンを含み、前記第2インキ層は2液型のポリウレタンを含むことを特徴とする包装用積層フィルムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも基材フィルムと、第1インキ層、第2インキ層、押出し樹脂層、ガスバリアフィルム、シーラント層をこの順に備えた包装用積層フィルムであって、
前記第1インキ層は1液型のポリウレタンを含み、前記第2インキ層は2液型のポリウレタンを含むことを特徴とする包装用積層フィルム。
【請求項2】
前記第1インキ層及びおよび第2インキ層は、ポリウレタンを樹脂固形分のうち30%W以上含むことを特徴とする請求項1に記載の包装用積層フィルム。
【請求項3】
前記第2インキ層と押出し樹脂層との間にブタジエン系アンカーコート層を含む、請求項1または2に記載の包装用積層フィルム。
【請求項4】
前記シーラントフィルムが、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の包装用積層フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量物の包装に適する包装用積層フィルムに関する。重量物としては、例えば、輸液等を充填した輸液バッグを例として挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
輸液を収納する輸液バッグは、アミノ酸液、糖・電解質液など酸素により変質し易い薬剤や、ビタミンなど光により変質し易い薬液を収納するが、一方でこれらの薬剤を直接体内に注入するため、無添加のプラスチック容器が一次容器として用いられることが多い。そして無添加のプラスチック容器は酸素バリア性や遮光性がないため、酸素バリア性や遮光性を有する外装用包装袋が、一次容器を収納する二次容器として使用されることが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、外側から順に、基材フィルム、ガスバリアフィルム、シーラントフィルムを積層して成る積層フィルムで外装用包装袋を構成し、この外装用包装袋の内部に輸液バッグを収納する技術が記載されている。そして、そのガスバリアフィルムはアルミニウムを蒸着した蒸着フィルムである。アルミニウム蒸着膜は、酸素ガスや水蒸気等の各種ガスに対する遮断性(バリア性)に優れており、また、遮光性にも優れているのである。このため、輸液バッグ内の薬剤や薬液は各種ガスや紫外線等の放射線から守られるのである。
【0004】
ところで、輸液バッグはその重量が重く、このように重い内容物を包装袋に収容するため、輸液バッグの外装用包装袋に用いられる前記積層フィルムには厚みが厚く、しかも延伸した基材フィルムが用いられている。これは、延伸フィルムが厚いほど突き刺し強度が上がり、耐ピンホール性が高いためである。そして、この基材フィルムとガスバリアフィルムとはいわゆる溶融押出しラミネート法によって積層されている。すなわち、溶融した樹脂を押し出し機から押出し、この溶融樹脂が接着力を有している間に、その両側に基材フィルムとガスバリアフィルムと重ねて圧着することにより、全体を一体化するのである。溶融押出しする樹脂としては一般に低密度ポリエチレンが使用されている。
【0005】
しかしながら、このように延伸した基材フィルムとアルミニウム蒸着膜を有するガスバリアフィルムとを溶融押出樹脂を介して積層して、この積層フィルムで外装用包装袋を構成しても、この包装袋に輸液バッグを収容して輸送したとき、この輸送の際の振動に起因して前記積層フィルムが屈曲を繰り返し、また、相互に衝突したり擦れたりする結果、この積層フィルムにピンホールを生じることがあった。このように、耐ピンホール性の高いフィルムを使用しても、印刷および接着方法により十分な物性が発揮されないことがある。特に、基材とガスバリアフィルムの間の接着強度が低く、層間剥離してしまい耐ピンホール性が発現しないことが問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-30313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、基材フィルムとアルミニウム蒸着膜を有するガスバリアフィルムとを溶融押出樹脂を介して積層した包装用積層フィルムであって、しかも、この包装用積層フィルムで包装袋を構成し、振動や屈曲を繰り返したときにもピンホールを生じ難い包装
用積層フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1に記載の発明は、少なくとも基材フィルムと、第1インキ層、第2インキ層、押出し樹脂層、ガスバリアフィルム、シーラント層をこの順に備えた包装用積層フィルムであって、
前記第1インキ層は1液型のポリウレタンを含み、前記第2インキ層は2液型のポリウレタンを含むことを特徴とする包装用積層フィルムである。
【0009】
次に、請求項2に記載の発明は、前記第1インキ層及びおよび第2インキ層は、ポリウレタンを樹脂固形分のうち30%W以上含むことを特徴とする請求項1に記載の包装用積層フィルムである。
【0010】
次に、請求項3に記載の発明は、前記第2インキ層と押出し樹脂層との間にブタジエン系アンカーコート層を含む、請求項1または2に記載の包装用積層フィルムである。
【0011】
次に、請求項4に記載の発明は、前記シーラントフィルムが、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の包装用積層フィルムである。シーラントフィルムには、耐ピンホール性をもつ二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを使用する必要がある。
【0012】
本発明に係る包装用積層フィルムは、耐ピンホール性の高いフィルムを使用したうえで、インキ層および接着剤の材質を検討することで、基材フィルムとガスバリアフィルムの間のラミネート強度を確保し、耐ピンホール性を発現させている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る包装用積層フィルムは、基材フィルムとアルミニウム蒸着膜を有するガスバリアフィルムとを溶融押出樹脂を介して積層した包装用積層フィルムであって、しかも、この包装用積層フィルムで包装袋を構成し、振動や屈曲を繰り返したときにもピンホールを生じ難い包装用積層フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の包装用積層フィルムを用いた外装用包装袋の一形態の正面模式図である。
図2】本発明の包装用積層フィルムの層構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の具体例を説明する。図1は本発明の包装用積層フィルムを用いた輸液バッグ30の外装用包装袋10の一形態の正面模式図であり、図2は本発明の包装用積層フィルム20の層構成を示す概略断面図である。図1に示す輸液バッグ30の外装用包装袋10は、図2に示す2枚の包装用積層フィルム20を、シーラント層27を対向させて、周縁部11、12、14を三方シールして一辺を開口部13として形成し、内部に輸液バッグ30を収納する。輸液バッグ30を収納後、開口部13をシールして封止する。
【0016】
外装用包装袋10は、開封の便のために、袋を切り裂くきっかけとなるノッチ15を周縁部12に設けたり、図示しないが、易開封線を設けたりしても良い。またその形状は輸液バッグ30を収納できる形状であれば特に制限はなく、図1のような矩形状のほか、一端が曲線状であっても良い。
【0017】
また、図2から分かるように、この包装用積層フィルム20は、外側から順に、少なくとも基材フィルム21、第1インキ層22、第2インキ層23、アルミニウム蒸着膜を有するガスバリアフィルム26、シーラント層27を積層して成るものである。基材フィルム21のガスバリアフィルム26側の面上には第1インキ層22が、さらにその上に第2インキ層23が積層されていて、この2種類のインキ層が積層された基材フィルム21とガスバリアフィルム26とは、いわゆる溶融押出しラミネート法によって積層されている。すなわち、溶融した樹脂を押し出し機から押出し、この溶融樹脂が接着力を有している間に、その両側に基材フィルム21とガスバリアフィルム26とを重ねて圧着することにより、全体を一体化して積層したものである。また、ガスバリアフィルム26とシーラント層27もいわゆる溶融押出しラミネート法によって積層されている。なお、図2において、25aは基材フィルム21とガスバリアフィルム26との間の溶融押出樹脂層を示し、25bはガスバリアフィルム26とシーラント層27との間の溶融押出樹脂層を示している。次に各層について詳細に説明する。
【0018】
<基材フィルム>
本発明の包装用積層フィルム20に使用する基材フィルム21としては任意のプラスチックフィルムが使用できるが、収容する輸液バッグは一般にその重量が重いため、このような重量物の収容に耐える強度を有し、しかも、包装袋の製造加工に適する加工適性を有するものが望ましい。このようなフィルムとしては、例えば、厚さ20~100μmの二軸延伸フィルムが挙げられる。例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、二軸延伸ポリエステル(OPET)フィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)等である。中でも二軸延伸ポリプロピレンフィルムは耐ピンホール性向上の観点から好ましい。
【0019】
<インキ層>
この基材フィルム21には、印刷絵柄を施すことができる。第1インキ層22は1液型のポリウレタンを含み、第2インキ層23は少なくとも主剤と硬化剤を含む2液型のポリウレタンを含む樹脂をバインダーとする印刷インキが使用できる。第1インキ層22は着色インキで構成されパターン部(絵柄、印字)を形成し、第2インキ層23は白色インキで構成され、広い範囲のベタ部を形成している。そして2層のインキ層は部分的に重なり合っている。
【0020】
インキ層の割合は例えば、第1インキ層22はインキ100に対し、草インキ顔料15%、バインダー主剤70%、硬化剤無し。第2インキ層23は、白インキ顔料15%、バインダー主剤70%、硬化剤3%。硬化剤として多官能イソシアネートが使用されている。
【0021】
図2に包装用積層フィルム20の層構成の一例を示すが、第2インキ層23をブタジエン系アンカーコート層24aを介して押出し樹脂25aに密着させるとともに、基材フィルム21と第2インキ層23の間に、第1インキ層22を設けることで、基材フィルム21とガスバリアフィルム26間のラミネート強度を発現させ、耐ピンホール性を持たせることが可能となる。
【0022】
また、基材フィルム21と、2液型のポリウレタンを含む第2インキ層23との間に、硬化剤を用いない1液型のポリウレタンを含む第1インキ層22を設けることで、積層フィルム20においては、振動や屈曲が繰り返して加えられたときにもインキ層の追従性が向上し、層間剥離(デラミネーション)を抑制し、耐ピンホール性も向上すると考えられる。これは、第1インキ層22のバインダーに硬化剤を含まないため、インキ自体が柔らかく追従性が向上するためである。
【0023】
第1インキ層22及び第2インキ層23は、上記ポリウレタンを樹脂固形分の30%W以上を含むことが好ましい。ポリウレタンが樹脂固形分中30%Wより少ないと柔軟性が低下しインキ層の追従性が低下するため望ましくない。また、第2インキ層23の硬化剤として多官能イソシアネートが好適に使用される。主剤としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどを使用することができる。第2インキ層23の硬化剤として多官能イソシアネートを使用することにより、主剤のポリオールと反応し、インキ層のポリウレタンの加工性に優れるため好ましい。
【0024】
<溶融押出し樹脂層>
このようにインキ層を施した、基材フィルム21とガスバリアフィルム26は、溶融押出しラミネート法によって積層されている。基材フィルム21とガスバリアフィルム26との間に介在して、これらを一体に接着積層する溶融押出樹脂層25aは、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などが好適に使用できる。中でも加工性の観点からLDPEが好ましい。
【0025】
LDPEを溶融状態で押し出し機から押し出し、この溶融したLDPEが接着力を有している間に、その両側に基材フィルム21とガスバリアフィルム26とを重ねて圧着することにより、全体を一体化して、基材フィルム21、溶融押出樹脂層25aおよびガスバリアフィルム26をこの順に積層することができる。また、これら基材フィルム21やガスバリアフィルム26を圧着するに先立ち、アンカーコート層24aを、基材フィルム21と溶融押出樹脂層25aの間、およびアンカーコート層24bを溶融押出樹脂層25aとガスバリアフィルム26の間に設けることによって、基材フィルム21とガスバリアフィルム26の間のラミネート強度が発現し、耐ピンホール性が向上する。
【0026】
<アンカーコート層>
第2インキ層23と押出樹脂層25aとの間の密着性を向上させるため、アンカーコート層24aを設けている。アンカーコート層を形成する材料としては、特に変性ポリブタジエンが好ましい。アンカーコート層形成後、巻取り時にブロッキング等を生じず、加工性、生産性に優れるためである。
【0027】
また、押出樹脂層25aとガスバリアフィルム26、およびガスバリアフィルム26と押出樹脂層25bの間の密着性を向上させるためアンカーコート層24b、24cを設けてもよい。アンカーコート層24b、24cとして特に指定はないが、主剤をポリエステルポリオール、硬化剤をイソシアネートとする2液型ポリウレタン接着剤が使用できる。
【0028】
<ガスバリア層>
次に、ガスバリアフィルム26はアルミニウム蒸着膜を有することが必要である。前述のように、アルミニウム蒸着膜は、酸素ガスや水蒸気等の各種ガスに対する遮断性(バリア性)に優れており、また、遮光性にも優れている。
【0029】
アルミニウム蒸着膜を有するこのガスバリアフィルム26は、プラスチックフィルムを蒸着基材として、この蒸着基材上にアルミニウム蒸着膜を積層して構成することができる。蒸着基材は任意のプラスチックフィルムでよいが、例えば、厚み6~16μmの二軸延伸ポリエステル(OPET)フィルムや二軸延伸ポリアミド(ONy)フィルムを使用することができる。屈曲性に優れることから、二軸延伸ポリエステル(OPET)フィルムを好ましく使用できる。
【0030】
また、この蒸着基材上に積層されるアルミニウム蒸着膜は、酸素等の各種ガスに対する遮断性(バリア性)と共に、遮光性を担保するものである。このため、蒸着基材上にこの
アルミニウム蒸着膜を積層して構成されたガスバリアフィルム26は、200~800nmの波長域の光線透過率が1%以下であることが望ましい。この程度の光線透過率を有するものであれば、そのガスバリア性も十分である。
【0031】
なお、このアルミニウム蒸着膜は、真空蒸着のほか、スパッタリング法等によって形成することもできる。
【0032】
<シーラント層>
次に、シーラント層27は、この包装用積層フィルム20を使用して外装袋を製造する際に、その最内層を構成し、互にシールされるものである。シーラント層27は、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを含む。中でも、耐ピンホール性とヒートシール強度の観点から、密度0.915g/cm、示差熱走査熱量計(DSC)により得られる溶融熱量(ΔHT)が100~140J/gの範囲内にある直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。
【0033】
ガスバリアフィルム26とシーラントフィルム27との間に介在して、これらを一体に接着積層する溶融押出樹脂層25bとしてはポリオレフィンが使用できる。溶融押出樹脂層25aと同様に低密度ポリエチレン(LDPE)を使用できる。
【0034】
この溶融押出樹脂層25bを構成するポリオレフィンを溶融状態で押し出し機から押し出し、この溶融したポリオレフィンが接着力を有している間に、その両側にガスバリアフィルム26とシーラントフィルム27とを重ねて圧着することにより、全体を一体化して、ガスバリアフィルム26、溶融押出樹脂層25bおよびシーラントフィルム27をこの順に積層することができる。なお、前述したようにガスバリアフィルム26と溶融押出樹脂層25bの間に、ブタジエン系アンカーコート層24cを設けてもよい。
【実施例0035】
実施例・比較例はいずれも、以下に示す基材フィルム、ガスバリアフィルム、シーラント層を押出しラミネートにより貼合せ作成した。
【0036】
<実施例1>
(基材フィルム)
延伸ポリプロピレン(OPP)50μm
(第1インキ層)
樹脂固形分のうちポリウレタンが70%の1液型草インキ
(第2インキ層)
樹脂固形分のうちポリウレタンが70%の2液型白インキ
硬化剤:多官能イソシアネート(HDI)
(アンカーコート層(a))
変性ポリブタジエン系樹脂 厚み:0.21μm
(溶融押出しポリエチレン層(a))
低密度ポリエチレン(LDPE)15μm
(アンカーコート層(b))
2液型ポリウレタン接着剤 主剤:ポリエステルポリオール 硬化剤:HDI
(ガスバリアフィルム)
アルミ蒸着したポリエステルフィルム(VMPET)12μm
(アンカーコート層(c))
2液型ポリウレタン接着剤 主剤:ポリエステルポリオール 硬化剤:HDI
(溶融押出しポリエチレン層(b))
低密度ポリエチレン(LDPE)20μm
(シーラントフィルム)
二軸延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)50μm
【0037】
<実施例2>
樹脂中のポリウレタン比率が実施例1と異なるインキを使用。そのほかは実施例1と同様。
(第1インキ層)
樹脂固形分のうちポリウレタンが50%の1液型草インキ
(第2インキ層)
樹脂固形分のうちポリウレタンが50%の2液型白インキ
硬化剤:多官能イソシアネート(HDIとIPDIの混合)
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
【0038】
<実施例3>
シーラントフィルムを未延伸LLDPEとし、そのほかの構成は実施例1と同様。
(シーラントフィルム)
未延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)50μm
【0039】
<比較例1>
第1インキ層を2液型インキとし、そのほかの構成は実施例1と同様。
(第1インキ層)
樹脂固形分のうちポリウレタンが70%の2液型草インキ
硬化剤:多官能イソシアネート(HDI)
【0040】
<比較例2>
第2インキ層を1液型インキとし、そのほかの構成は実施例1と同様。
(第2インキ層)
樹脂成分のうちポリウレタンが70%の1液型白インキ
【0041】
<比較例3>
第1インキ層を2液型インキ、第2インキ層を1液型インキとし、そのほかの構成は実施例1と同様。
(第1インキ層)
樹脂固形分のうちポリウレタンが70%の2液型草インキ
硬化剤:多官能イソシアネート(HDI)
(第2インキ層)
樹脂固形分のうちポリウレタンが70%の1液型白インキ
【0042】
(評価方法)
実施例、比較例に対し基材フィルムとガスバリアフィルム間のラミネート強度の測定、および輸送試験を実施した。ラミネート強度の判定は、輸送試験で層間剥離が発生しない3.0N/15mm以上を〇とした。輸送試験はJISZ0232に準拠した方法で実施し、ピンホールが発生しないものを〇とした。
【0043】
この結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
この結果から、第1インキ層が1液型のポリウレタンを含み、第2インキ層が2液型のポリウレタンを含む実施例1、2の包装用積層フィルム20がラミネート強度が高く、輸
送試験においてもピンホールが発生しないことが理解できた。
【0046】
従って、本発明は、医療・医薬品の分野において、内容物の品質劣化や汚染を防ぎ、消費者に必要な事項が表示された輸液バッグの外装用包装袋に用いられた包装用積層フィルムであって、各層間の接着強度を上げて層間剥雜を防止することで、輸送工程などにおけるピンホールの発生を抑制し、ガスバリア性に優れた積層フィルムを提供できることがわかった。
【符号の説明】
【0047】
10・・・外装用包装袋
11、12、13、14・・・外装用包装袋の側縁シール部
15・・・ノッチ
20・・・包装用積層フィルム
21・・・基材フィルム
22・・・第1インキ層
23・・・第2インキ層
24a、24b、24c・・・アンカーコート剤
25a、25b・・・溶融押出樹脂層
26・・・ガスバリアフィルム
27・・・シーラント層
図1
図2