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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138466
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】紙製チューブ状容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/02 20060101AFI20220915BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B65D35/02 Q
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038360
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】浦川 直也
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 実
(72)【発明者】
【氏名】矢島 俊輔
【テーマコード(参考)】
3E065
3E086
【Fターム(参考)】
3E065AA02
3E065BA05
3E065BA14
3E065BA25
3E065BA34
3E065BB03
3E065DB05
3E065DC01
3E065DD05
3E065DE01
3E065FA20
3E086AA22
3E086AB03
3E086AD03
3E086BA13
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BA35
3E086BB01
3E086BB21
3E086BB51
3E086BB62
3E086BB71
3E086BB74
3E086CA01
3E086CA28
3E086CA40
(57)【要約】
【課題】胴部の強度と遮光性を維持し、使用開始後には収容された内容物の残量など内部の状態を確認することができる紙製チューブ状容器を提供することを課題とする。
【解決手段】紙製チューブ状容器は、一端が閉塞され、内容物を収容することができる胴部と、胴部の他端に取り付けられた、胴部の他端を閉塞可能な注出口部とを含む紙製チューブ状容器であって、胴部は、最外層側から少なくとも、紙層、粘着剤層、透明なラミネートフィルム層の順で積層され、粘着剤層を介して剥離される剥離片を有し、剥離片は、ヒンジ部と、ヒンジ部を残して施された前記紙層への切り込みにより形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が閉塞され、内容物を収容することができる胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた、前記胴部の前記他端を閉塞可能な注出口部とを含む紙製チューブ状容器であって、
前記胴部は、最外層側から少なくとも、紙層、粘着剤層、透明なラミネートフィルム層の順で積層され、前記粘着剤層を介して剥離される剥離片を有し、
前記剥離片は、ヒンジ部と、前記ヒンジ部を残して施された前記紙層への切り込みにより形成されることを特徴とする紙製チューブ状容器。
【請求項2】
前記紙層の坪量は、20g/m以上200g/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載の紙製チューブ状容器。
【請求項3】
前記紙層と前記透明なラミネートフィルム層との接着強度は、0.5N/15mm以上7N/15mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙製チューブ状容器。
【請求項4】
前記の胴部の前記他端は、前記注出口部の周縁部において、前記注出口部の前記胴部の前記一端側とは反対側の面に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の紙製チューブ状容器。
【請求項5】
前記注出口部は、前記胴部の高さ方向に直交する平板状の閉塞部を備え、前記周縁部は、前記閉塞部の端縁であって、前記胴部の前記他端は、前記周縁部において、前記閉塞部の前記胴部の前記一端側とは反対側の面に接着されていることを特徴とする、請求項4に記載の紙製チューブ状容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製のチューブ状容器に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品、化粧品、食品等を充填して包装することができるチューブ状容器が知られている。このチューブ状容器を構成する胴部の構成として、紙を用いたシートが用いられ、そのシートが筒状に形成されたものがある。
例えば、特許文献1には、ヒートシール性のある樹脂で構成される最外層と最内層と、中間層の紙層を有し、最外層と最内層を高周波シール法を用いてサイドシールすることで円筒状に形成された、チューブ状容器用の胴部が記載されている。
また、特許文献2には、紙を主体とし、少なくとも最外層と最内層に熱可塑性樹脂層を有する積層体を矩形状に裁断した1枚のブランクスの両側端部を、最内層同士を重ね合わせた上で折り込んで熱融着し胴部シール部を形成してなる胴部を有するチューブ状容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7-45311号公報
【特許文献2】特開2012-25471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1や特許文献2に記載のチューブ状容器は、紙を用いることでプラスチック使用量の削減となるが、不透明な紙により、内容物の残量など内部の状態を確認することができないという問題がある。紙は、透明なラミネートフィルムに比べて、遮光性が向上することが利点であり、その紙を使用することで、光による内容物の変化を抑制できる。
そこで、紙を使用しつつ内容物の残量など内部の状態を確認できるようにするために、例えば、紙製シート61を巻き回してそのシート61の対向する一対の端縁同士を離間させた状態で、透明なテープ材62が、前記一対の端縁を胴部60の内周面側で覆いつつ一対の端縁同士を接合するように、シート61における胴部60の内周面側に貼り付けられる方法が考えらえる(図7(a)、(b)参照)。しかし、そのテープ材62の露出部分が脆弱部となり、流通時や使用時の衝撃や落下などで胴部60が破損するおそれもある。また、常に透明な部分が露出しているため、その部分だけ遮光性がない。そのため、光や紫外線に弱い内容物の紙製チューブ状容器としては使用できなかった。
【0005】
そこで、本発明は、胴部の強度と遮光性を維持し、使用開始後には収容された内容物の残量など内部の状態を確認することができる紙製チューブ状容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、一端が閉塞され、内容物を収容することができる胴部と、前記胴部の他端に取り付けられた、前記胴部の前記他端を閉塞可能な注出口部とを含む紙製チューブ状容器であって、前記胴部は、最外層側から少なくとも、紙層、粘着剤層、透明なラミネートフィルム層の順で積層され、前記粘着剤層を介して剥離される剥離片を有し、前記剥離片は、ヒンジ部と、前記ヒンジ部を残して施された前記紙層への切り込みにより形成されることを特徴とする紙製チューブ状容器である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記紙層の坪量は、20g/m以上200g/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載の紙製チューブ状容器である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記紙層と前記透明なラミネートフィルム層との接着強度は、0.5N/15mm以上7N/15mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙製チューブ状容器である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記の胴部の前記他端は、前記注出口部の周縁部において、前記注出口部の前記胴部の前記一端側とは反対側の面に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の紙製チューブ状容器である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記注出口部は、前記胴部の高さ方向に直交する平板状の閉塞部を備え、前記周縁部は、前記閉塞部の端縁であって、前記胴部の前記他端は、前記周縁部において、前記閉塞部の前記胴部の前記一端側とは反対側の面に接着されていることを特徴とする、請求項4に記載の紙製チューブ状容器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の紙製チューブ状容器は、内容物が収容される胴部が、最外層側から少なくとも、紙層、粘着剤層、透明なラミネートフィルム層の順で積層され、前記易剥離層を介して剥離される剥離片を有する。また、前記剥離片は、ヒンジ部と、ヒンジ部を残して施された紙層への切り込みにより形成される。
よって、使用開始後に剥離片をめくることで、透明なラミネートフィルム層を通して収容された内容物の残量など内部の状態を確認することができる。また、剥離片は、ヒンジ部により完全に剥がし取られるのではなく、ヒンジ部によってつながった状態でめくることができる上、粘着剤層により胴部において開け閉めできる構造であるため、流通時や使用時に剥離片が剥がし取られて、透明なラミネートフィルム層が露出したままとなるおそれがなく、よって胴部の強度と遮光性を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)第1実施形態に係る紙製チューブ状容器の剥離片をめくる前の正面斜視図である。(b)第1実施形態に係る紙製チューブ状容器の剥離片をめくった後の正面斜視図である。
図2】第2実施形態に係る紙製チューブ状容器の剥離片をめくる前の正面斜視図である。
図3】第3実施形態に係る紙製チューブ状容器の剥離片をめくる前の正面斜視図である。
図4】第1実施形態~第3実施形態に係る紙製チューブ状容器の側面図である。
図5図4の注出口部近傍のA-A線における拡大断面図である。
図6】第1実施形態~第3実施形態に係る紙製チューブ状容器の胴部を構成する積層シートの層構成の一例を示す断面図である。
図7】(a)従来の紙製チューブ状容器の一例の正面斜視図である。(b)図7(a)のB-B線における拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明に係る紙製チューブ状容器の実施形態の例について説明する。
【0014】
<第1実施形態の紙製チューブ状容器>
図1図4図6を参照して、第1実施形態の紙製チューブ状容器100について説明
する。図1(a)は、第1実施形態に係る紙製チューブ状容器100の剥離片20をめくる前の正面斜視図である。図1(b)第1実施形態に係る紙製チューブ状容器100の剥離片20をめくった後の正面斜視図である。図5は、図4の注出口部3近傍のA-A線における拡大断面図である。図6は、第1実施形態に係る紙製チューブ状容器100の胴部10を構成する積層シート50の層構成の一例を示す断面図である。
【0015】
図1に示されるように、紙製チューブ状容器100は、内容物を収容することができる胴部10と注出口部3を含む。胴部10は、一端に位置する底部2が閉塞され、内容物(図示せず)が収容されている。注出口部3は、その胴部10の他端に取り付けられ、図5に示されるように、胴部10の前記他端を閉塞可能となるように、胴部10の高さ方向に直交する平板状の閉塞部4を備える。図1においては、胴部10の高さ方向とは、胴部10の一端に位置する底部2と胴部10の他端に取り付けられた注出口部3とを結ぶ胴部10の軸線方向のことである。
【0016】
胴部10は、一例として、略平行な一対の端縁を有する積層シート50を筒状に形成した後、底部2と、胴部10の高さ方向に沿った端縁である積層シート50の端縁部の内面同士を接着して合掌貼り(図示せず)し、その合掌貼り部分を一方に横倒させた状態にして表面の紙層52どうしを接当して接着剤などで接着させることにより形成される。
【0017】
図6に示されるように、積層シート50は、最外層側から、インキ層51、紙層52、粘着剤層53、透明なラミネートフィルム層54をこの順で積層されている。また、図1に示されるように、胴部10は、前記粘着剤層53を介して剥離される剥離片20を有する。
【0018】
この剥離片20は、ヒンジ部30と、前記ヒンジ部30を残して施された紙層52への切り込み40により形成される。切り込み40は、紙層52のみを貫通するミシン目または紙層52へのハーフカットにより形成(図1はミシン目により形成)され、ヒンジ部30を残して形成されるため、粘着剤層53を介して剥離される剥離片20は、胴部10において開け閉めできるいわゆる窓部として形成される。
【0019】
よって、図1(b)に示されるように、使用開始後に剥離片20をめくることで、透明なラミネートフィルム層54を通して収容された内容物の残量など内部の状態を確認することができる。また、剥離片20は、ヒンジ部30により完全に剥がし取られるのではなく、ヒンジ部30によってつながった状態でめくることができる上、胴部10において開け閉めできる構造であるため、流通時や使用時に剥離片20が剥がし取られて、透明なラミネートフィルム層54が露出したままとなるおそれがなく、よって胴部10の強度と遮光性を維持することが可能となる。
【0020】
また、めくり始めが分かるようにその場所を印刷などで示されているとともに、紙層52と粘着剤層53との間に部分的に、微粘着剤の塗布、剥離ニスの塗布、または糊殺し処理の1つ以上を施すことで、剥離片20をめくりやすくなっていることが好ましい。なお、ミシン目と言っても、切り込み40に沿ってめくることで透明なラミネートフィルム層54が露出されるように、上記印刷などでめくり始めの場所を示した部分については、指でめくることができる程度の長さにミシン目状ではなく直線状の切り込み40をすることが好ましい。また、ハーフカットの場合についても、切り込み40に沿ってめくることで透明なラミネートフィルム層54が露出されるように、上記印刷などでめくり始めの場所を示した部分については、指でめくることができる程度の長さにハーフカットではなく紙層52への貫通した切り込み40をすることが好ましい。
【0021】
剥離片20が形成される位置は、図1に示されるように、正面における、注出口部3と
胴部10の境で閉塞部4の端縁にかかる位置で、その閉塞部4の端縁にかかる部分をヒンジ部30として、その部分から胴部10の一端側の方向に逆コの字状の切り込み40が形成されている。この注出口部3と胴部10の境で閉塞部4の端縁にかかる部分は、紙製チューブ状容器100に形成する際に既に折り曲げられる部分であるため、使用開始後に剥離片20をめくってヒンジ部30で折り曲げる作業が不要となる。
【0022】
なお、剥離片20の位置や形状、つまり切り込み40の位置や形状は、その剥離片20をめくることで内容物の残量など内部の状態を確認することができれば特に限定されず、紙製チューブ状容器100の大きさや形状などにより任意に選定される。
【0023】
上述した通り、図6に示されるように、積層シート50は、最外層側から、インキ層51、紙層52、粘着剤層53、透明なラミネートフィルム層54をこの順で積層されている。前記透明なラミネートフィルム層54は、例えば、最外層側から、バリア層55、基材フィルム層56、シーラント層57をこの順で積層されている。
【0024】
次に、積層シート50を構成する各層について説明する。
【0025】
(紙層)
紙層52に用いる材料は、不透明で遮光性があれば特に限定しないが、美粧性のために雲龍紙、剛性のために厚手のクラフト紙などを用いることができる。また、紙層52は、セルロース繊維を5%以上含むことで、樹脂繊維を抄紙して作られた合成紙と区別し、セルロース繊維が含むことを定義することができる。
【0026】
紙層52の坪量は、20g/m以上200g/m以下であることが好ましい。その中でも50g/m以上150g/m以下であることがより好ましい。紙層52の坪量が20g/m未満であると、遮光性が乏しく、紙層52と透明なラミネートフィルム層54との貼り合わせが難しくなる。また、紙層52が薄すぎて剥離片20を形成するための切り込み40である傷加工を施しづらくなる。紙層52の坪量が200g/mを超える場合、紙層52が固くなり、注出口部3への溶着時にプリーツを折り込むことが困難となる。
【0027】
紙層52には、これを貫通するミシン目の切り込み40が設けられている。
【0028】
(バリア層)
バリア層55は、酸素や水蒸気等を遮断して、内容物の保存性などを向上させるために積層される。
【0029】
このバリア層55は、透明性を有しており、例えば、ナイロン、シリカやアルミナ等の無機化合物の蒸着膜、アルミニウム等の金属蒸着膜、アルミニウム等の金属箔、板状鉱物及び/またはバリア性樹脂を含むバリアコート剤の塗膜の1種以上により構成することができる。バリアコート剤に用いるバリア性樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)等を使用することができ、バリアコート剤にはバリア性樹脂以外のバインダー樹脂が適宜配合される。バリア層55は、予め基材フィルム層56上に積層されてバリアフィルムを構成していても良いし、単層膜として設けられても良い。
【0030】
(基材フィルム層)
基材フィルム層56に用いる材料は透明性を有すれば特に限定しないが、耐熱性、加熱時の強靭性、および物理的強度の観点から、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロンなどのポリアミドなどの延伸フィルムが好ましい。
【0031】
(シーラント層)
シーラント層57は積層シート50の最内層であり、熱可塑性樹脂層である。シーラント層57は、積層シート50を筒状に形成させる際にシールされる層である。また、シーラント層57は、筒状に形成した胴部10を注出口部3に接着させる層であるため、注出口部3との密着性に適することが好ましく、注出口部3に用いる熱可塑性樹脂と同じ材質であることが好ましい。シーラント層57に用いる熱可塑性樹脂と注出口部3に用いる熱可塑性樹脂層とを同じにすることにより、胴部10と注出口部3とのシール強度を向上させることができる。
【0032】
シーラント層57に用いる材料は透明性を有しかつ熱可塑性樹脂であれば特に限定しないが、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステルなどが好ましい。また、シーラント層57の軟化温度は、基材フィルム層56の軟化温度よりも20℃以上低い必要があり、40℃以上低いものがより好ましい。基材フィルム層56の軟化温度からシーラント層57の軟化温度を引いた温度が20℃未満だと、積層シート50の筒状形成のための胴部10シール時に基材フィルム層56が軟化し、胴部10に微小な孔(ピンホール)が発生する可能性が高くなる。
【0033】
(粘着剤層)
粘着剤層53は、紙層52と透明なラミネートフィルム層54との間の接着および剥離を可能とするための層である。図6では、紙層52と透明なラミネートフィルム層54の最外層であるバリア層55との間に積層されている。
【0034】
接着層の組成としては、透明性を有する熱可塑性樹脂で、例えば、ポリオレフィン、ポリアクリル酸、PE系やPP系などの各種ホットメルト材を1種以上含む物である。前述の組成で、透明なラミネートフィルム層54を構成する最外層(図6ではバリア層55)に対して熱融着可能であれば特に限定しないが、透明なラミネートフィルム層54を構成する最外層(図6ではバリア層55)と同じ材質の方がより接着強度が高くなり好ましい。
【0035】
前記紙層52と前記透明なラミネートフィルム層54との接着強度は、0.5N/15mm以上7N/15mm以下であることが好ましい。その中でも、1N/15mm以上3N/15mm以下の接着強度であることがより好ましい。紙層52と透明なラミネートフィルム層54との接着強度が0.5N/15mm未満であると強度不足で紙層52と透明なラミネートフィルム層54が浮いてしまう。紙層52と透明なラミネートフィルム層54との接着強度が5N/15mmを超えると、紙層52と透明なラミネートフィルム層54の間の接着強度が強くなりすぎて、紙層52から成る剥離片20の開け閉めが難しくなる。また、硬化したシーラント層57の接着状態よりも、粘着剤層53の透明なラミネートフィルム層54への貼り付けは、その接着力が弱くなるように設定されている。
【0036】
また、粘着剤層53を介して剥離される剥離片20の剥離し始める(めくり始める)場所を設けて、より剥離片20をめくりやすくするために、紙層52と粘着剤層53との間に部分的に、微粘着剤の塗布、剥離ニスの塗布、または糊殺し処理の1つ以上を施すことができる。
【0037】
微粘着剤や剥離ニスは、例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂またはゴミ系樹脂と架橋剤とを含んでなる。糊殺し処理は、例えば、インクやニスなどを印刷する方法である。
【0038】
(インキ層)
インキ層51は各種表示を行うために印刷により施される層であり、図6では、紙層52の粘着剤層53と反対側の面のみに部分的に積層されているが、インキ層51を積層する場所は特に限定されない。
【0039】
インキ層51に用いるインキの種類は特に限定しないが、印刷方法と印刷基材に適したものを選定することが好ましい。インキ層51における印刷方法は特に限定しないが、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷など一般的な印刷方法が使用可能である。
【0040】
なお、本発明の紙製チューブ状容器100の胴部10は、インキ層51はなくてもよく、最外層側から少なくとも、紙層52、粘着剤層53、透明なラミネートフィルム層54の順で積層されていればよい。
【0041】
上記各層を用いた積層シート50の作製は、例えば次の通り行う。
【0042】
紙層52の片方の面にインキ層51を積層(印刷)し、剥離片20が形成されるようにあらかじめ紙層52に刃物を用いたダイカッターなどでミシン目状の切り込み40を設けておく。なお、紙層52にハーフカットの切り込み40を設ける場合は、刃物またはレーザー装置によって設けることができる。また、シーラント層57の上に、基材フィルム層56、バリア層55をこの順に積層してドライラミネート用接着剤にてドライラミネートし、透明なラミネートフィルム層54を作製する。
【0043】
上記バリア層55の基材フィルム層56と反対側の面に粘着剤層53を積層し、その粘着剤層53のバリア層55と反対側の面に、印刷され切り込み40が設けられた紙層52を印刷面を上にして複数行ストライプ状に供給して積層する。紙層52と透明なラミネートフィルム層54とは、粘着剤層53によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行う。
【0044】
積層シート50は、厚みが30μm以上300μm以下が好ましい。この厚さにより、積層シート50より構成される胴部10を用いた紙製チューブ状容器100において、軽い力で内容物を絞り出しやすい。また、内容物を絞り出す際に胴部10を端部までむらなく押しつぶして、胴部10の幅方向端部における曲率半径を小さくし、内容物の残留を抑制できる。
【0045】
上記積層シート50を用いた胴部10の作製は、例えば次の通り行う。
【0046】
胴部10は、例えば、略平行な一対の端縁を有する積層シート50の一対の端縁のそれぞれを含む帯状の部分の内面同士を合掌貼りし、その合掌貼り部分を一方に横倒させた状態にして表面の紙層52どうしを接当して接着剤などで接着させることにより形成する。胴部10は、製袋機やピロー・スティック包装機などを用いて作製することができる。胴部10の一方端に位置する底部2を閉塞した後、内容物を収容する。
【0047】
底部2における積層シート50同士の接着方法は、特に限定されないが、例えば対向させた積層シート50の最内層同士の間にポリエチレンを含んだ接着層を設けて、これらを熱溶着する方法を用いることができる。また、胴部10の他方端を注出口部3にシールする。
【0048】
次に、紙製チューブ状容器100の注出口部3近傍の構造などについて説明する。
【0049】
図1図4図5に示されるように、注出口部3は、胴部10の他端に位置する頂部1
に取り付けられ、胴部10の頂部1を閉塞可能とする部材である。前述したとおり、注出口部3は、胴部10の高さ方向に直交する平板状の閉塞部4を備える。
【0050】
閉塞部4は、一例として円板形状であるが、平板状であれば形状は限定されず、楕円、長円、多角形等であってもよい。注出口部3の材料は、特に限定されないが、低密度ポリエチレン等の樹脂材料を好適に用いることができる。また、胴部10と共に注出口部3にもバリア機能を付与した材料を用いることで、紙製チューブ状容器100全体のバリア機能が向上し、内容物の品質をより保護することができる。閉塞部4を平板状に形成した注出口部3は、テーパ形状に形成された従来技術に係る注出口部3と比較して、使用する材料を低減することができる。
【0051】
閉塞部4は、一例として略中心部に円環状のハーフカット6を有し、ハーフカット6の内側にプルリング7を備える。閉塞部4が、ハーフカット6とプルリング7とを備えることにより、紙製チューブ状容器100の使用者は、プルリング7を引っ張りハーフカット6に沿って閉塞部4の一部を除去することで、閉塞部4に内容物を取り出すための開口を形成することができる。なお、ハーフカット6とプルリング7とを設けずに、閉塞部4に内容物を取り出すための開口をあらかじめ形成してもよい。
【0052】
胴部10の頂部1は、注出口部3の周縁部5において、注出口部3の胴部10の底部2側とは反対側の面に取り付けられている。図5では、胴部10の頂部1は、閉塞部4の端縁(周縁部5)において、閉塞部4の胴部10の底部2側とは反対側の面に接着されている。
【0053】
胴部10と閉塞部4との溶着方法は、特に限定されないが、例えば積層シート50の最内層にポリエチレンを含んだシーラント層57を設けるとともにポリエチレンを含んだ材料で注出口部3を形成して、これらを熱溶着する方法を用いることができる。また、閉塞部4の周方向に沿って胴部10の頂部1で等間隔に配置されたプリーツを作成しながら、胴部10と閉塞部4とを溶着することができる。
【0054】
また、紙製チューブ状容器100は、一例として、注出口部3に取り付けられるヒンジキャップ(図示せず)をさらに備える。
【0055】
ヒンジキャップは、注出口部3に取り付けられ、注出口部3に形成された開口の閉塞および開放を可能にする部材である。
【0056】
なお、注出口部3に形成された開口の閉塞および開放を実現するための形態はヒンジキャップに限定されず、例えば、注出口部3に設けた外ネジを有する円筒部と、この外ネジに螺着可能な内ネジを備えるキャップとを含む形態としてもよい。
【0057】
紙製チューブ状容器100では、注出口部3が胴部10の高さ方向に直交する平板状の閉塞部4を備えるとともに、胴部10の頂部1は、閉塞部4の端縁において、閉塞部4の胴部10の底部2側とは反対側の面に接着されている。このため、指等で胴部10を閉塞部4の端縁で折り曲げることにより、胴部10にわずかに残った内容物を、閉塞部4の内方側の平面と胴部10の内面とで挟み込むことにより注出口部3の開口の周辺へ向かって押し出すことができる。
【0058】
また、注出口部3の閉塞部4は平板状であるため、従来技術のようにテーパ形状に形成された注出口部3とは異なり、内方側に内容物の残留を可能とする空間を有さない。このため、注出口部3の開口の周辺へ向かって押し出された内容物を、胴部10および注出口部3の内部へ残留させることなく開口から絞り出すことができる。この結果、容器内部に
おける内容物の残留を抑制することができる。
【0059】
なお、紙製チューブ状容器100では、上述のように、胴部10を折り曲げながら内容物を絞り出すことで内容物の残留を抑制することができる。このため、胴部10を容易に折り曲げることが可能となる、剛性が低い(コシが強くない)積層シート50で胴部10を形成することが好ましい。
【0060】
上述したとおり、胴部10を構成する積層シート50の厚みを30μm以上300μm以下とすることで、その積層シート50より構成される胴部10を用いた紙製チューブ状容器100において、軽い力で内容物を絞り出しやすく、内容物の残留を抑制できる。また、胴部10を容易に折り曲げることも可能となる。
【0061】
また、キャップとして、上述のヒンジキャップを設けると、閉塞部4と螺合し、回転させて開栓するキャップを設ける場合に比べて、開栓時に手でつかまれる胴部10に要求される捩じれに対する剛性を低減できるので、剛性が低い積層シート50を採用しやすく好ましい。
【0062】
<第2実施形態の紙製チューブ状容器>
図2図4図6を参照して、第2実施形態の紙製チューブ状容器101について説明する。図2は、第2実施形態に係る紙製チューブ状容器101の剥離片21をめくる前の正面斜視図である。図4は、第2実施形態に係る紙製チューブ状容器101の側面図である。図5は、図4の注出口部3近傍のA-A線における拡大断面図である。図6は、第2実施形態に係る紙製チューブ状容器101の胴部11を構成する積層シート50の層構成の一例を示す断面図である。
【0063】
第2実施形態の紙製チューブ状容器101が第1実施形態の紙製チューブ状容器100と異なる点は剥離片の形成位置のみであり、それ以外は同じであるため、それ以外についての説明は省略する。
【0064】
剥離片21が形成される位置は、図2に示されるように、正面における、胴部11の略中央の位置で、中央より胴部11の一端側の部分をヒンジ部31として、その部分から胴部11の他端側の方向にコの字状の切り込み41が形成されている。
【0065】
<第3実施形態の紙製チューブ状容器>
図3図4図6を参照して、第3実施形態の紙製チューブ状容器102について説明する。図3は、第3実施形態に係る紙製チューブ状容器102の剥離片22をめくる前の正面斜視図である。図4は、第3実施形態に係る紙製チューブ状容器102の側面図である。図5は、図4の注出口部3近傍のA-A線における拡大断面図である。図6は、第3実施形態に係る紙製チューブ状容器102の胴部12を構成する積層シート50の層構成の一例を示す断面図である。
【0066】
第3実施形態の紙製チューブ状容器102が第1実施形態の紙製チューブ状容器100と異なる点は剥離片の形成位置のみであり、それ以外は同じであるため、それ以外についての説明は省略する。
【0067】
剥離片22が形成される位置は、図3に示されるように、正面における、底部2の胴部12の他端側の縁にかかる位置で、その胴部12の他端側の縁にかかる部分をヒンジ部32として、その部分から胴部12の一端側の方向に逆コの字状の切り込みが形成されている。
【0068】
なお、剥離片が形成される位置については、上記第1実施形態から第4実施形態に係る剥離片の位置に限らず、例えば、第1実施形態から第3実施形態に係る剥離片の位置の2つ以上の組合せとしてもよい。
【実施例0069】
本願発明者は、実施例1~3および比較例1~4の紙製チューブ状容器を用いて、剥離片のめくり易さ、胴部の強度(落下耐性、衝撃耐性)、および遮光性を確認する試験を実施した。
【0070】
次に、実施例1~3および比較例1~4のそれぞれの胴部について説明する。
【0071】
(実施例1)
実施例1における胴部を構成する積層シートは、紙層として、坪量70g/mの未晒クラフト紙(王子エフテックス株式会社製)を用い、透明なラミネートフィルム層として、厚み50μmのポリエチレン(タマポリ株式会社製、商品名:SE620A)上に、厚み15μmのナイロン(ユニチカ株式会社製、商品名:ONBC)と、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製、商品名:GL-ARH-F)とをこの順に、接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせたものを用いた。
【0072】
紙層には、剥離片が形成されるようにあらかじめ刃物を用いたダイカッターでミシン目状の切り込みを設けておいた。剥離片が形成される位置は、上記第2実施形態に係る紙製チューブ状容器101と同じように、正面における、胴部の略中央の位置で、中央より胴部の一端側の部分をヒンジ部として、その部分から胴部の他端側の方向にコの字状の切り込みを形成した。
【0073】
上記紙層と透明なラミネートフィルム層とは、紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が0.5N/15mmの粘着剤によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行った。
【0074】
(実施例2)
実施例2における胴部を構成する積層シートは、紙層として、坪量120g/mの未晒クラフト紙(王子エフテックス株式会社製)を用い、透明なラミネートフィルム層は、実施例1と同じものを用いた。
【0075】
紙層には、実施例1と同じ位置・形状に剥離片が形成されるようにあらかじめミシン目状の切り込みを設けておいた。
【0076】
上記紙層と透明なラミネートフィルム層とは、紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が1.5N/15mmの粘着剤によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行った。
【0077】
(実施例3)
実施例3における胴部を構成する積層シートは、紙層として、坪量80g/mの未晒クラフト紙(王子エフテックス株式会社製)を用い、透明なラミネートフィルム層は、実施例1と同じものを用いた。
【0078】
紙層には、実施例1と同じ位置・形状に剥離片が形成されるようにあらかじめミシン目状の切り込みを設けておいた。
【0079】
上記紙層と透明なラミネートフィルム層とは、紙層と透明なラミネートフィルム層との
接着強度が2.8N/15mmの粘着剤によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行った。
【0080】
(比較例1)
比較例1における胴部を構成する積層シートは、紙層も透明なラミネートフィルム層も、実施例1と同じものを用いた。
【0081】
紙層には、実施例1と同じ位置・形状に剥離片が形成されるようにあらかじめミシン目状の切り込みを設けておいた。
【0082】
上記紙層と透明なラミネートフィルム層とは、紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が0.1N/15mmの粘着剤によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行った。
【0083】
(比較例2)
比較例2における胴部を構成する積層シートは、紙層も透明なラミネートフィルム層も、実施例1と同じものを用いた。
【0084】
紙層には、実施例1と同じ位置・形状に剥離片が形成されるようにあらかじめミシン目状の切り込みを設けておいた。
【0085】
上記紙層と透明なラミネートフィルム層とは、紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が10.0N/15mmの粘着剤によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行った。
【0086】
(比較例3)
比較例3における胴部を構成する積層シートは、紙層として、坪量300g/mの紙を用い、透明なラミネートフィルム層は、実施例1と同じものを用いた。
【0087】
紙層には、実施例1と同じ位置・形状に剥離片が形成されるようにあらかじめミシン目状の切り込みを設けておいた。
【0088】
上記紙層と透明なラミネートフィルム層とは、紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が1.8N/15mmの粘着剤によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行った。
【0089】
(比較例4)
比較例4における胴部を構成する積層シートは、紙層も透明なラミネートフィルム層も、実施例1と同じものを用いた。
【0090】
実施例4の場合、紙層に切り込みを設けず、図7に示されるように、積層シートを巻き回してそのシートの対向する一対の端縁同士を離間させた状態で、透明なテープ材が、前記一対の端縁を胴部の内周面側で覆いつつ一対の端縁同士を接合するように、シートにおける胴部の内周面側に貼り付けられることで、内部が見えるようにした。
【0091】
上記紙層と透明なラミネートフィルム層とは、紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が2.0N/15mmの粘着剤によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行った。
【0092】
(評価項目と試験方法)
[剥離片のめくり易さ]
紙層と透明なラミネートフィルム層の間の粘着剤を介した剥離片のめくり易さを評価した。
[落下試験]
JIS Z0200に基づき、各紙製チューブ状容器を段ボールに入れ集合包装したものについて落下試験を行い、落下高さ80cm(レベル1)の条件下で測定した。
[ランダム振動試験]
JIS Z0200に基づき、各紙製チューブ状容器を段ボールに入れ集合包装したものについてランダム指導試験を行い、レベル1の条件下で測定した。
[遮光性]
透明な部分(透明なラミネートフィルム層またはテープ材)の露出の有無を目視で評価した。
【0093】
(試験結果・考察)
上記試験方法による試験結果を表1に示す。
表1において、評価項目の「剥離片のめくり易さ」は、剥離片が特にめくり易いものを◎とし、剥離片がめくり易いものを〇とし、それ以外は×として評価した。評価項目の「落下試験」および「振動試験」は、内容物が漏れていないものを〇とし、内容物が漏れているものを×として評価した。評価項目の「遮光性」は、透明な部分(透明なラミネートフィルム層またはテープ材)が露出せずに遮光性のあるものを〇とし、透明な部分が完全に露出しているものを×として評価した。また、上記評価項目を総合評価し、良好であるものを〇、不良に近いものを△、不良のものを×として評価した。
【0094】
実施例2、3は、「剥離片のめくり易さ」が◎で、実施例1~3のそれ以外の評価項目はすべて〇であり、よって実施例1~3の総合評価はすべて〇であった。
【0095】
一方、比較例1は、紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が弱すぎるため、紙層と透明なラミネートフィルム層との間が剥離したままであった。比較例2は、逆に紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が強すぎるため、剥離片がめくり難かった。比較例3は、紙が厚すぎて固くなり、そもそも注出口部への溶着時にプリーツを折り込むことができないため胴部を注出口部に取り付けられず、紙製チューブ状容器に形成できないため、評価不可であった。比較例4は、常に透明なテープ材の一部が完全に露出しているため、遮光性がなかった。
【0096】
以上の試験結果より、紙層の坪量が、20g/m以上200g/m以下で、かつ紙層と透明なラミネートフィルム層との接着強度が、0.5N/15mm以上7N/15mm以下であり、さらに、ヒンジ部と、ヒンジ部を残して施された前記紙層への切り込みにより形成される剥離片を有する場合、剥離片がめくり易く内部の状態を確認することができるとともに、胴部の強度と遮光性を維持することができることが分かる。
【0097】
【表1】
【0098】
以上の通り、本発明の紙製チューブ状容器は、内容物が収容される胴部が、最外層側から少なくとも、紙層、粘着剤層、透明なラミネートフィルム層の順で積層され、前記易剥離層を介して剥離される剥離片を有する。また、前記剥離片は、ヒンジ部と、ヒンジ部を残して施された紙層への切り込みにより形成される。
よって、使用開始後に剥離片をめくることで、透明なラミネートフィルム層を通して収容された内容物の残量など内部の状態を確認することができる。また、剥離片は、ヒンジ部により完全に剥がし取られるのではなく、ヒンジ部によってつながった状態でめくることができる上、粘着剤層により胴部において開け閉めできる構造であるため、流通時や使用時に剥離片が剥がし取られて、透明なラミネートフィルム層が露出したままとなるおそ
れがなく、よって胴部の強度と遮光性を維持することが可能となる。
【符号の説明】
【0099】
1・・・頂部
2・・・底部
3・・・注出口部
4・・・閉塞部
5・・・周縁部(閉塞部の端縁)
6・・・円環状のハーフカット
7・・・プルリング
10、11、12・・・胴部
20、21、22・・・剥離片
30、31、32・・・ヒンジ部
40、41、42・・・切り込み
100、101、102・・・紙製チューブ状容器
50・・・積層シート
51・・・インキ層
52・・・紙層
53・・・粘着剤層
54・・・透明なラミネートフィルム層
55・・・バリア層
56・・・基材フィルム層
57・・・シーラント層
60・・・従来の紙製チューブ状容器の胴部
61・・・紙製シート
62・・・透明なテープ材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7