(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138472
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20220915BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220915BHJP
H01G 2/10 20060101ALI20220915BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20220915BHJP
H01G 9/12 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
H05K7/20 G
H01G2/10 M
H01G2/06 A
H01G9/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038372
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】原田 真一郎
【テーマコード(参考)】
3L051
5E322
【Fターム(参考)】
3L051BG06
3L051BH01
3L051BJ10
5E322BA01
5E322BA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電解コンデンサへの熱影響を抑制すると共に電解コンデンサの防爆弁が解放された時に排出される化学物質の他の電装部品への影響を低減し、プリント基板の基板面積を低減できる空気調和機を提供する。
【解決手段】電装品箱を有する室内機を備えた空気調和機において、電装品箱は、ケーシング6内に配置されるプリント基板10と、プリント基板10にリード線25が接続されてケーシング6内に配置される電解コンデンサ20と、を有し、電解コンデンサ20は、リード線25を備える一方の端面22と、防爆弁26を備える他方の端面23と、両端面22、23の間に配置される周面24とで形成されたコンデンサ本体21を有し、電解コンデンサ本体21は、基板面11に対して横向きの状態で、且つ、プリント基板10の外周側端面に対向する位置に配置されている空気調和機。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内熱交換器と電装品箱を有する室内機を備えた空気調和機において、
前記電装品箱は、ケーシングと、基板面に電装部品が実装されて前記ケーシング内に配置されるプリント基板と、前記プリント基板にリード線が接続されて前記ケーシング内に配置される電解コンデンサと、を有し、
前記電解コンデンサは、前記リード線を備える一方の端面と、防爆弁を備える他方の端面と、前記一方の端面と前記他方の端面との間に配置される側面とで形成されたコンデンサ本体を有し、
前記電解コンデンサ本体は、前記基板面に対して横向きの状態で、且つ、前記プリント基板の外周側端面に対向する位置に配置されていることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記室内機が使用環境に設置された状態で、前記プリント基板は鉛直方向に立設して配置され、
前記コンデンサ本体の前記他方の端面は下方または側方向を向いていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記他方の端面は下方を向いていることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記ケーシングは、前記プリント基板の前記基板面と反対側の裏面側に配置されて前記プリント基板を固定するボトムケーシングと、前記プリント基板の基板面側に配置されて前記ボトムケーシングに係止するトップケーシングを備えており、
前記コンデンサ本体は、前記ボトムケーシングと前記トップケーシングとに固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記トップケーシングには、少なくとも2か所に通風孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記プリント基板と前記コンデンサ本体との間には樹脂製の仕切部材が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
外部電源が接続される端子板が前記ケーシングの左右方向の一端側に配置され、
前記プリント基板の前記基板面には、前記電解コンデンサが接続されるDC高圧部と、前記端子板および前記DC高圧部に接続されるAC高圧部と、前記DC高圧部に接続されるDC低圧部が配置され、
前記DC高圧部およびAC高圧部は、前記DC低圧部よりも前記端子板側に配置されていることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記DC高圧部はAC高圧部より上方側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された空気調和機の室内機は、室内機の筐体と、この筐体内に配置された室内熱交換器とを備えたものであり、この筐体の一方の側部と、室内熱交換器の一方の側部との間には、電装品箱が設置されている。この場合、室内熱交換器の性能を上げるためには、伝熱面積を大きくすることが効果的であり、室内熱交換器の幅を出来るだけ広くする必要がある。
【0003】
また、近年の家庭用空気調和機の室内機は、熱交換能力を上げるために室内熱交換器の幅を広くして室内機の筐体内の幅一杯に納め、電装品箱を室内熱交換器の前方側に配置している。その場合、室内機の奥行き方向(前後方向)の制約があるため、電装品箱の厚さも薄型化しなければならない。
【0004】
電装品箱は、ケースと、ケース内に配置されているプリント基板とを備えており、電装品箱の薄型化を図るため、プリント基板には円筒状で高さの高い電解コンデンサがプリント基板に横倒にした状態で実装されている。また、電解コンデンサ付近には、トランス、ダイオードブリッジ、ラインフィルタ、リレー、降圧トランスなどの発熱部品も実装されている。従って、プリント基板には高密度で部品が配置されており、電解コンデンサは自身の付近に配置される発熱部品の影響で比較的高温の環境に晒されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、電解コンデンサは比較的高温の環境に晒されているため、熱対策として耐熱性の有る電解コンデンサを使う必要があり、コストアップになってしまうという問題があった。また、他の熱対策として、電解コンデンサ付近に発熱部品を配置しないようにプリント基板を設計することもできるが、その場合は、プリント基板上の電解コンデンサ付近にスペースが必要となり、プリント基板の面積を小さくできないという問題があった。また、電解コンデンサには防爆弁が備えられているため、弁が解放された時に排出される電解液等の化学物質が他の部品にかからないようにして故障の拡大を防がなくてはならない。そのためには、プリント基板上の電解コンデンサの周辺にはスペースが必要であり、やはり、プリント基板の面積を小さくできないという問題があった。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、プリント基板に実装された電装部品の発熱による電解コンデンサへの影響を抑制すると共に電解コンデンサの防爆弁が解放された時に排出される化学物質が他の電装部品に与える影響を低減し、且つ、プリント基板の面積を低減できる空気調和機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、室内熱交換器と電装品箱を有する室内機を備えた空気調和機において、電装品箱は、ケーシングと、基板面に電装部品が実装されてケーシング内に配置されるプリント基板と、プリント基板にリード線が接続されてケーシング内に配置される電解コンデンサと、を有し、電解コンデンサは、リード線を備える一方の端面と、防爆弁を備える他方の端面と、一方の端面と他方の端面との間に配置される側面とで形成されたコンデンサ本体を有し、コンデンサ本体は、基板面に対して横向きの状態で、且つ、プリント基板の外周側端面に対向する位置に配置されている空気調和機である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プリント基板に実装された電装部品の発熱による電解コンデンサへの影響を抑制すると共に電解コンデンサの防爆弁が解放された時に排出される化学物質の他の電装部品への影響を低減し、且つ、プリント基板の基板面積を低減できる空気調和機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る空気調和機が備える室内機の内部を示す概略説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る空気調和機が有する電装品箱の内部を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る空気調和機が備える室内機の内部に配置される電装部品を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施形態と従来の実施形態に係る電解コンデンサのケーシング内における配置構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る空気調和機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機が備える室内機の内部を示す概略説明図である。
【実施例0012】
図1(a)、
図1(b)を用いて空気調和機1について説明する。空気調和機1は、空調する室内に配置される室内機2と屋外に設置される図示しない室外機とが冷媒配管を介して接続されている。室内機2は、空調する室内の壁面50に取り付けられる壁面取付けタイプの室内機である。室外機は、図示しない室外熱交換器と室外熱交換器に外気を送風するための送風機と、圧縮機と、四方弁と、膨張弁とを備えている。送風機はファンモータによって駆動される。室内機2は筐体3を有し、筐体3の内部には、室内熱交換器4、電装部品が内蔵された電装品箱5、外部電源が接続されるリレー付き端子板9、室内熱交換器4に室内の空気を筐体3に吸い込んで室内熱交換器4で冷媒と熱交換し、冷媒と熱交換された調和空気を室内に吹き出すための室内ファンが配置されている。本実施形態では、リレー付き端子板9は、リレー付きの端子板を示しているが、リレー付きでない端子板であっても構わない。尚、
図1(a)に示すように、室内機2が壁面50に取り付く側の面を背面または後方、背面と反対側の面を前面または前方、前面の右側の面を右側面または右方、前面の左側の面を左側面または左方、前面の下側の面を底面または下方、底面と反対側の面を上面または上方とし、室内機2の左右方向を側方向または幅方向、室内機2の前後方向を厚さ方向、室内機2の上下方向を高さ方向として説明する。特別な場合を除き、他の図においても同様である。
【0013】
室内熱交換器の熱交換能力を上げるために、室内熱交換器4の幅方向の寸法は、筐体3の内面の幅方向寸法と略同等となっており、電装品箱5およびリレー付き端子板9は室内熱交換器4の前方側に配置され、リレー付き端子板9は電装品箱5の上部方向で、且つ、右端部側の方向に配置されている。
【0014】
図2は、電装品箱5の内部を示す斜視図である。電装品箱5は外装としてのケーシング6を備えており、ケーシング6はトップケーシング8とボトムケーシング7で形成されている。ケーシング6の内部には、電装部品が実装されるプリント基板10と、プリント基板10に接続する電解コンデンサ20が配置されている。尚、プリント基板10に実装された電装部品が発火した場合の延焼を防ぐため、ケーシング6は難燃性の材料で形成されている。本実施形態ではケーシング6は溶融亜鉛メッキ鋼板であるが、難燃ABS材や、難燃PS材であっても良い。プリント基板10は、一方の面である基板面11と他方の面である裏面12を有する平面板状に形成されている。ボトムケーシング7はプリント基板10の裏面12側に配置され、プリント基板10が固定される。トップケーシング8はプリント基板10の基板面11側からボトムケーシング7に対して脱着可能に取り付けられ、トップケーシング8とボトムケーシング7とは図示しない係止手段により係止される。
図2は、トップケーシング8がボトムケーシング7から外された状態を示している。尚、以降、ケーシング6に関し、ボトムケーシング7の長辺方向を幅方向、短辺方向を高さ方向、
図2おける上下方向を厚さ方向として説明する。
【0015】
ケーシング6からトップケーシング8を外した状態で、基板面11が露出するようにプリント基板10はボトムケーシング7に取付いている。電解コンデンサ20は、プリント基板10に接続するリード線25とリード線25が接続するコンデンサ本体21を備え、コンデンサ本体21は、一方の端面22と、他方の端面23と、一方の端面22と他方の端面23を接続する円筒状の側面24とを備え、円柱状に形成されている。一方の端面22にはリード線25を備え、他方の端面23には防爆弁26を備えている。防爆弁26は電解コンデンサ20内部の圧力が上がった時に爆発しないように内部のガスを放出する安全弁である。コンデンサ本体21は基板面11上ではなく、プリント基板10の外側であって、一方の端面22および他方の端面23が基板面11に対して直交し、側面24がプリント基板10の外周に配置され基板面11に対して直角に形成される外周側端面13に対向して配置されている。尚、本実施形態では、電解コンデンサ20は円柱状に形成されているが、円柱状ではなく直方体状の電解コンデンサであっても構わない。また、コンデンサ本体21は、一方の端面22および他方の端面23が基板面11に対して直交するように配置されるが、この場合の直交は基板面11に対して完全な90°である必要はなく、コンデンサ本体21が基板面11に対して横向きの状態で、側面24がプリント基板10の外周側端面13に対向して配置されていればよい。
【0016】
図1に示すように、室内機2が室内の壁面50に取り付いた状態で、ボトムケーシング7が壁面50側でトップケーシング8が正面側にくるようにケーシング6が配置され、プリント基板10が鉛直方向に立設するように配置されている。
図3(a)は、本実施形態のプリント基板10の電装部品の配置を示す概略図であるが、室内機2が室内の壁面50に取り付いた状態で、室内機2の前面側から視た場合のケーシング6、プリント基板10、リレー付き端子板9の配置、および、プリント基板10に配置された電装部品の配置も概略的に示している。ケーシング6の右方側には外部電源が接続するリレー付き端子板9が配置されている。ケーシング6の内部において、プリント基板10は左方側に配置され、コンデンサ本体21は右方側に配置されている。基板面11には、DC低圧部15、DC高圧部16、AC高圧部17が配置されており、DC低圧部15は左方側に、DC高圧部16とAC高圧部17はDC低圧部15よりも右方側であり、DC高圧部16はAC高圧部17の上方側に配置されている。
【0017】
リレー付き端子板9はAC高圧部17に接続され、AC高圧部17はDC高圧部16に接続され、DC高圧部16はDC低圧部15に接続されている。従って、外部電源から供給された電流はリレー付き端子板9を介してAC高圧部17に流れ、AC高圧部17に流れた電流は、DC高圧部16に流れ、DC高圧部16に流れた電流はDC低圧部15に流れる。
【0018】
AC高圧部17には、図示されないラインフィルタ、リレー、ヒューズ、バリスタが接続されており、ラインフィルタ、リレーは発熱部品である。DC高圧部16には、図示されないダイオードブリッジ、電解コンデンサ20、降圧トランスが接続されており、ダイオードブリッジ、降圧トランスは発熱部品である。DC低圧部15には、図示されないマイコン、その他IC部品が接続されている。
【0019】
本実施形態では、DC高圧部16に接続される電解コンデンサ20は、コンデンサ本体21がプリント基板10の右方側であって、コンデンサ本体21の一方の端面22は上方側を向き、コンデンサ本体21の他方の端面23は下方側を向き、コンデンサ本体21の側面24がプリント基板10の右方側の外周側端面13に対向して配置されている。コンデンサ本体21の他方の端面23は防爆弁26を備えているが、他方の端面23は下方側を向いているため、防爆弁26が開いた場合に、電解コンデンサ20の内部から排出される化学物質が下方に向かって放出されるので、プリント基板10に接続されている電装部品に直接当たらず、電装部品に与える影響が少ない。尚、本実施形態では、コンデンサ本体21の一方の端面22は上方側を向き、コンデンサ本体21の他方の端面23は下方側を向き、コンデンサ本体21の側面24がプリント基板10の右方側の外周側端面13に対向して配置されているが、コンデンサ本体21の一方の端面22がプリント基板10の右方側の外周側端面13に対向して、コンデンサ本体21が左右方向に伸びるように基板面11に対して横向きになるような状態で配置されていても構わない。あるいは、その逆で、コンデンサ本体21の一方の端面22がプリント基板10の左方側の外周側端面13に対向して、コンデンサ本体21が左右方向に伸びるように基板面11に対して横向きになるような状態で配置されていても構わない。
【0020】
図2に示すように、コンデンサ本体21とプリント基板10との間には、樹脂製の仕切部材32が設けられている。DC高圧部16およびAC高圧部17には、発熱部品であるダイオードブリッジ、ラインフィルタ、リレー、降圧トランスが接続されているが、コンデンサ本体21とプリント基板10との間には樹脂製の仕切部材32が設けられているため、発熱部品からの熱の影響が抑制されるので、耐熱性の高い高価な電解コンデンサを使用しないことができる。また、トップケーシング8の高さ方向の上側と下側の二か所には、例えばφ4.5の通風孔30が形成されており、トップケーシング8をボトムケーシング7に取り付けたときに通風孔30がコンデンサ本体21の位置と重なるように、二か所の通風孔30は配置されている。本実施形態では、通風孔30は二か所に配置されているが、二か所以上であれば三か所であっても構わない。
【0021】
本実施形態では、コンデンサ本体21は基板面11上ではなく、プリント基板10の外側であって、一方の端面22および他方の端面23が基板面11に対して直交し、側面24がプリント基板10の外周側端面13に対向して配置されている。従って、ケーシング6の厚さ方向を薄くすると共に、プリント基板10の面積を従来よりも小さくすることが出来きる。また、コンデンサ本体21をプリント基板10上に配置された発熱部品から離すことができるので、電解コンデンサ20への熱の影響を小さくすることができる。さらに、防爆弁26が開いても、コンデンサ本体21がプリント基板10の外側に配置されているので、電解コンデンサ20の内部から排出される化学物質が基板面11に向けて放出されないため、プリント基板10に接続されている電装部品に与える影響が少ない。
【0022】
また、通風孔30がコンデンサ本体21の位置と重なるように配置されているため、コンデンサ本体21の冷却を促進させることができる。尚、二か所の通風孔30のうち下方側に位置する通風孔30はコンデンサ本体21の他方の端面23に対向するように配置されていることが望ましい。こうすることによって、下方側に位置する通風孔30は電解液等の化学物質の放出用孔として機能し、防爆弁26が開いた場合でも、電解コンデンサ20の内部から排出される化学物質である電解液がケーシング6の内部に充満することなくケーシング6の外部に排出することができる。
【0023】
図4(a)は、本実施形態のケーシング6、プリント基板10、コンデンサ本体21に関するケーシングの厚さ方向での配置を概略的に示す図である。コンデンサ本体21は基板面11上ではなく、一方の端面22および他方の端面23が基板面11に対して直交するようにプリント基板10の外側に配置されている。尚、
図4(a)では、理解しやすくするため、コンデンサ本体21の一方の端面22がプリント基板10の右方側の外周側端面13に対向して、コンデンサ本体21が左右方向に伸びるように配置されている状態を示す。
【0024】
ボトムケーシング7の内周面にはボトム台座34が設けられ、トップケーシング8の内周面にはトップ台座35が設けられており、トップケーシング8がボトムケーシング7に係止した状態で、コンデンサ本体21はボトム台座34とトップ台座35とに挟まれて固定される。すなわち、コンデンサ本体21はボトムケーシング7とトップケーシング8とによって固定される。コンデンサ本体21はボトムケーシング7とトップケーシング8とによって固定された状態では、プリント基板10の裏面12とコンデンサ本体21の下端が厚さ方向で同じ高さになるように、ボトム台座34とトップ台座35は、ボトムケーシング7とトップケーシング8に対して設けられている。そのため、厚さ方向における、プリント基板10の裏面12からコンデンサ本体21の上端までの寸法は、コンデンサ本体21の直径寸法aと同じになる。
【0025】
図4(b)は、従来の実施形態のプリント基板10、コンデンサ本体21に関するケーシングの厚さ方向での配置を概略的に示す図である。従来の実施形態では、コンデンサ本体21はプリント基板10の基板面11上に配置されている。そのため、プリント基板10の裏面12からコンデンサ本体21の上端までの寸法は、プリント基板10の厚さ寸法bとコンデンサ本体21の直径寸法aとの和であるa+bとなる。従って、本実施形態では従来の形態に比べて、ケーシング6の厚さ方向において、プリント基板10厚さ寸法bだけ薄くすることができる。
【0026】
他の実施形態を
図3(b)に示す。
図3(b)は、本実施形態のプリント基板10の電装部品の配置を示す概略図であるが、室内機2が室内の壁面50に取り付いた状態で、室内機2の前面側から視た場合のケーシング6、プリント基板10、リレー付き端子板9の配置、および、プリント基板10に配置された電装部品の配置も概略的に示している。ケーシング6の右方側には外部電源が接続するリレー付き端子板9が配置されている。ケーシング6の内部において、プリント基板10は上方側に配置され、コンデンサ本体21はプリント基板10の下方側に配置されている。基板面11には、DC低圧部15、DC高圧部16、AC高圧部17が配置されており、DC低圧部15は左方側に、DC高圧部16とAC高圧部17はDC低圧部15よりも右方側であり、DC高圧部16はAC高圧部17の下方側に配置されている。
【0027】
リレー付き端子板9はAC高圧部17に接続され、AC高圧部17はDC高圧部16に接続され、DC高圧部16はDC低圧部15に接続されている。従って、外部電源から供給された電流はリレー付き端子板9を介してAC高圧部17に流れ、AC高圧部17に流れた電流は、DC高圧部16に流れ、DC高圧部16に流れた電流はDC低圧部15に流れる。
【0028】
AC高圧部17には、図示されないラインフィルタ、リレー、ヒューズ、バリスタが接続されており、ラインフィルタ、リレーは発熱部品である。DC高圧部16には、図示されないダイオードブリッジ、電解コンデンサ20、降圧トランスが接続されており、ダイオードブリッジ、降圧トランスは発熱部品である。DC低圧部15には、図示されないマイコン、その他IC関係部品が接続されている。
【0029】
他の実施形態では、DC高圧部16に接続される電解コンデンサ20は、コンデンサ本体21がプリント基板10の下方側に配置されている。また、コンデンサ本体21の一方の端面22と他方の端面23が基板面11に対して直交すると共に、コンデンサ本体21の一方の端面22は右方側を向き、コンデンサ本体21の他方の端面23は左方側を向き、コンデンサ本体21の側面24が、プリント基板10の外周に配置され基板面11に対して直角に形成される外周側端面13であって、下方側の外周側端面13に対向して配置されている。コンデンサ本体21の他方の端面23は防爆弁26を備えているが、他方の端面23はプリント基板10の下方側の外周側端面13より下側に配置されているため、防爆弁26が開いた場合に、電解コンデンサ20の内部から排出される化学物質がプリント基板10より下側で放出されるので、プリント基板10に接続されている電装部品に直接当たらず、電装部品に与える影響が少ない。
【0030】
尚、他の実施形態では、コンデンサ本体21の一方の端面22は右方側を向き、コンデンサ本体21の他方の端面23は左方側を向き、コンデンサ本体21の側面24がプリント基板10の下方側の外周側端面13に対向して配置されているが、コンデンサ本体21の一方の端面22と他方の端面23が基板面11に対して直交すると共に、コンデンサ本体21の一方の端面22がプリント基板10の下方側の外周側端面13に対向し、コンデンサ本体21の他方の端面23が下方を向いて、コンデンサ本体21が上下方向に伸びるように配置されても構わない。尚、コンデンサ本体21の一方の端面22と他方の端面23が基板面11に対して直交するように配置されるが、この場合の直交は基板面11に対して完全な90°である必要はなく、コンデンサ本体21が基板面11に対して横向きの状態で、側面24がプリント基板10の外周側端面13に対向して配置されていればよい。
【0031】
上記した実施形態から、本発明では、コンデンサ本体21は、基板面11上ではなく、プリント基板10の外側であって、基板面11に対して横向きの状態で、且つ、側面24がプリント基板10の外周側端面13に対向して配置されていることが望ましい。これにより、プリント基板10の面積と、プリント基板10の裏面12に対向する面であるケーシング6の底面の面積を小さくできると共に、ケーシング6の厚さ方向を薄くすることができ、また、コンデンサ本体21をプリント基板10上に配置された発熱部品から離すことができるので、電解コンデンサ20への熱の影響を小さくすることができる。さらに、防爆弁26が開いても、コンデンサ本体21がプリント基板10の外側に配置されているので、電解コンデンサ20の内部から排出される化学物質が基板面11に放出されにくくなるため、プリント基板10に接続されている電装部品に与える影響が少ない。
【0032】
室内機2が、空調する室内の壁面50に設置される壁面取付けタイプの室内機である場合は、室内機2が室内の壁面50に設置された状態で、ボトムケーシング7が壁面50側でトップケーシング8が正面側にくるようにケーシング6が配置され、プリント基板10が鉛直方向に立設するように配置されていることが望ましい。その場合、コンデンサ本体21は、プリント基板10の右方側または左方側であって、一方の端面22および他方の端面23が基板面11に対して直交するようにコンデンサ本体21が基板面11に対して横向きの状態で、側面24がプリント基板10の右方の外周側端面13または左方の外周側端面13に対向して配置され、コンデンサ本体21の他方の端面23が下方側を向いていることが望ましい。これにより、コンデンサ本体21の他方の端面23が下方側を向いているので、防爆弁26が開いても、電解コンデンサ20の内部から排出される化学物質が電装部品に与える影響がさらに少なくなる。
【0033】
また、上記した実施形態では、空調される室内(使用環境)の壁面50に室内機2が設置される壁面取付けタイプの室内機である場合を示したが、その他の形態であっても構わない。例えば、空調される室内の天井に室内機2が設置される天井埋込型の室内機や、空調される室内の天井の裏面に配置されるダクト型室内機であっても構わない。
【0034】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
1…空気調和機、2…室内機、3…筐体、4…室内熱交換器、5…電装品箱、6…ケーシング、7…ボトムケーシング、8…トップケーシング、9…リレー付き端子板、10…プリント基板、11…基板面、12…裏面、13…外周側端面、15…DC低圧部、16…DC高圧部、17…AC高圧部、20…電解コンデンサ、21…コンデンサ本体、22…一方の端面、23…他方の端面、24…側面、25…リード線、26…防爆弁、30…通風孔、32…仕切部材、33…ケーシング側面、34…ボトム台座、35…トップ台座、50…壁面