(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138498
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 21/032 20060101AFI20220915BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20220915BHJP
B65D 5/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D5/42 F
B65D5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038414
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】相澤 孝一
【テーマコード(参考)】
3E006
3E060
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA01
3E006CA04
3E006DA10
3E060AA04
3E060AB05
3E060BA05
3E060BA08
3E060BC02
3E060CA01
3E060CA12
3E060CA23
3E060CG03
3E060CG12
3E060DA07
(57)【要約】
【課題】積み重ねた際の安定性を向上でき、荷崩れを防止できる容器を提供する。
【解決手段】容器(トレイ1)は、第1側板10と、第2側板11と、第1折曲線21と第2折曲線22とで画定された押込部20と、第1側板10から突出した第1位置決め突部25と、第2側板11から上向きに突出した第2位置決め突部26とを備える。第1側板10と第2側板11の間の山折部13のうち押込部20内に位置する部分13bが谷折れするように押込部20を内側へ押し込むことで、第1折曲線21に沿って第1側板10が山折れするとともに、第2折曲線22に沿って第2側板11が山折れし、第1位置決め突部25を含む第1側板10及び第2位置決め突部26を含む第2側板11のうち、押込部20以外の部分かつ押込部20の下端よりも上側部分がそれぞれ下側から上側に向けて外側へ傾斜可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向、及び前記高さ方向に交差する幅方向に延びる第1側板と、
前記第1側板の前記幅方向の一端に山折部を介して連なり、前記高さ方向、並びに前記高さ方向及び前記幅方向の双方に対して交差する長さ方向に延びる第2側板と、
前記第1側板の前記山折部側に設けられ、前記山折部側から前記幅方向の中央側に向けて上側へ傾斜した第1折曲線と、前記第2側板の前記山折部側に設けられ、前記山折部側から前記長さ方向の中央側に向けて上側へ傾斜した第2折曲線とで画定された押込部と、
前記第1側板から上向きに突出しており、前記山折部の上端よりも上方で前記幅方向に延びる第1上縁を有し、前記第1上縁の前記山折部側の端が前記第1折曲線の上端よりも前記幅方向の中央側に位置する第1位置決め突部と、
前記第2側板から上向きに突出しており、前記山折部の上端よりも上方で前記長さ方向に延びる第2上縁を有し、前記第2上縁の前記山折部側の端が前記第2折曲線の上端よりも前記長さ方向の中央側に位置する第2位置決め突部と
を備え、
前記山折部のうち前記押込部内に位置する部分が谷折れするように前記押込部を内側へ押し込むことで、前記第1折曲線に沿って前記第1側板が山折れするとともに、前記第2折曲線に沿って前記第2側板が山折れし、前記第1位置決め突部を含む前記第1側板及び前記第2位置決め突部を含む前記第2側板のうち、前記押込部以外の部分かつ前記押込部の下端よりも上側部分がそれぞれ下側から上側に向けて外側へ傾斜可能である、容器。
【請求項2】
前記容器は厚みが1mm以上の紙製段ボールシートからなり、
前記山折部と前記第1折曲線とがなす角と、前記山折部と前記第2折曲線とがなす角との加算した角度は、30度以上120度以下である、
請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第1側板は、前記長さ方向に間隔をあけて一対設けられ、
前記第2側板は、前記幅方向に間隔をあけて一対設けられ、
一対の前記第1側板と一対の前記第2側板とによって四角筒状の外周壁が形成されており、
前記外周壁の下端は底壁によって塞がれ、前記外周壁の上端は開口である、
請求項1又は2に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、4つの側板からなる外周壁の上端四隅に、それぞれ一対の折曲線によって画定された押込部を備える包装箱が開示されている。この包装箱では、上蓋を構成する内フラップと外フラップをそれぞれ側板から分離した後、押込部を外周壁の内側へ押し込む。これにより、外周壁内へ突出させた押込部上に他の包装箱を載置可能とし、複数の包装箱を積み重ねた際の安定性向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の包装箱を積み重ねた場合、下段の包装箱に対して上段の包装箱が横方向に移動可能なため、外力が加わると荷崩れする可能性がある。よって、特許文献1の包装箱には、積重状態での安定性について改良の余地がある。
【0005】
本発明は、積み重ねた際の安定性を向上でき、荷崩れを防止できる容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、高さ方向、及び前記高さ方向に交差する幅方向に延びる第1側板と、前記第1側板の前記幅方向の一端に山折部を介して連なり、前記高さ方向、並びに前記高さ方向及び前記幅方向の双方に対して交差する長さ方向に延びる第2側板と、前記第1側板の前記山折部側に設けられ、前記山折部側から前記幅方向の中央側に向けて上側へ傾斜した第1折曲線と、前記第2側板の前記山折部側に設けられ、前記山折部側から前記長さ方向の中央側に向けて上側へ傾斜した第2折曲線とで画定された押込部と、前記第1側板から上向きに突出しており、前記山折部の上端よりも上方で前記幅方向に延びる第1上縁を有し、前記第1上縁の前記山折部側の端が前記第1折曲線の上端よりも前記幅方向の中央側に位置する第1位置決め突部と、前記第2側板から上向きに突出しており、前記山折部の上端よりも上方で前記長さ方向に延びる第2上縁を有し、前記第2上縁の前記山折部側の端が前記第2折曲線の上端よりも前記長さ方向の中央側に位置する第2位置決め突部とを備え、前記山折部のうち前記押込部内に位置する部分が谷折れするように前記押込部を内側へ押し込むことで、前記第1折曲線に沿って前記第1側板が山折れするとともに、前記第2折曲線に沿って前記第2側板が山折れし、前記第1位置決め突部を含む前記第1側板及び前記第2位置決め突部を含む前記第2側板のうち、前記押込部以外の部分かつ前記押込部の下端よりも上側部分がそれぞれ下側から上側に向けて外側へ傾斜可能である、容器を提供する。
【0007】
本態様では、第1側板の上端に第1位置決め突部が設けられ、第2側板の上端に第2位置決め突部が設けられている。また、押込部を内側へ押し込むことで、第1位置決め突部を含む第1側板と第2位置決め突部を含む第2側板のうち、押込部以外の部分かつ押込部よりも上側部分を上広がりに傾斜させることができる。
【0008】
第1側板と第2側板の傾斜によって、第1位置決め突部の第1上縁と第2位置決め突部の第2上縁とで画定された開口の外形は、第1側板の下端と第2側板の下端とで画定される底の外形よりも大きくなる。そのため、下段の容器の開口内に上段の容器の底を簡単に配置できるため、積重時の作業性を向上できる。
【0009】
容器を積み重ねた状態では、下段の容器の押込部上に上段の容器の底が載置される。また、下段の容器の第1位置決め突部は上段の容器の第1側板の外側に位置し、下段の容器の第2位置決め突部は上段の容器の第2側板の外側に位置する。第1位置決め突部と第2位置決め突部によって、下段の容器に対する上段の容器の横方向への移動が規制される。そのため、積重状態での安定性を向上でき、外力が加わった際の荷崩れを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器では、積み重ねた際の安定性を向上でき、荷崩れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図1の容器の押込部を押し込んだ状態の斜視図。
【
図7A】押込部を押し込む前の外周壁の状態を示す平面図。
【
図7B】押込部を押し込んだ外周壁の状態を示す平面図。
【
図10】第2実施形態に係る容器のブランクの一部を示す平面図。
【
図11】第3実施形態に係る容器のブランクの一部を示す平面図。
【
図12】第4実施形態に係る容器のブランクの一部を示す平面図。
【
図13】第5実施形態に係る容器のブランクの一部を示す平面図。
【
図14】第6実施形態に係る容器のブランクの一部を示す平面図。
【
図15】第7実施形態に係る容器のブランクの一部を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1及び
図2は、本発明の第1実施形態に係る容器の一例であるトレイ1を示す。トレイ1は、筒状の外周壁2と、外周壁2の下端を閉塞する底壁3とを備え、外周壁2の上端は開放された開口4となっている。外周壁2の上端には、開口4を塞ぐための蓋は何ら設けられていない。
【0014】
図1及び
図3を参照すると、外周壁2の上端四隅には、外周壁2内へ押込可能な押込部20がそれぞれ設けられている。また、外周壁2を構成する一対の第1側板10にはそれぞれ第1位置決め突部25が設けられ、外周壁2を構成する一対の第2側板11にはそれぞれ第2位置決め突部26が設けられている。本実施形態では、押込部20と位置決め突部25,26によって、トレイ1を積み重ねる際の作業性向上、及び複数のトレイ1を積み重ねた状態での安定性向上を図る。
【0015】
以下、本実施形態のトレイ1について具体的に説明する。
【0016】
トレイ1は、
図4に示す一枚のブランクを、所定部位で折り曲げて固着することで形成されている。ブランクは、周知の紙器打抜装置によって、紙製の段ボールシートを打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、表ライナ(トレイ1の外面)と、表ライナに対して平行に位置する裏ライナ(トレイ1の内面)と、表ライナと裏ライナの間に配置された波状の中しんとを備える。
図4に一点鎖線で示す部分は、肉厚を圧縮するように裏ライナの方から罫を入れて形成した汎用罫線である。
図4に実線で示す部分は、裏ライナから表ライナにかけて刃を入れて形成した切断線、及び打ち抜きによる形状線(辺)である。
【0017】
図1及び
図2において、X方向はトレイ1の幅方向であり、X方向に対して直交するY方向はトレイ1の長さ方向であり、X方向及びY方向の双方に対して直交するZ方向はトレイ1の高さ方向である。本実施形態のトレイ1では、幅方向Xの寸法が長さ方向Yの寸法よりも短く、高さ方向Zの寸法が幅方向X及び長さ方向Yのいずれの寸法よりも短くなっているが、これらの寸法は必要に応じて変更が可能である。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、外周壁2は、長さ方向Yに間隔をあけて配置された一対の第1側板10と、幅方向Xに間隔をあけて配置された一対の第2側板11とを備える。第1側板10は、四角形状であり、XZ平面に沿って延びている。第2側板11は、四角形状であり、YZ平面に沿って延びている。
【0019】
以下の説明では、一対の第1側板10のうち、一方の第1側板を10Aといい、他方の第1側板を10Bということがある。また、一対の第2側板11のうち、一方の第2側板を11Aといい、他方の第2側板を11Bということがある。
【0020】
図1中上側に位置する第1側板10Aの幅方向Xの一端は、折曲部(山折部)13を介して第2側板11Aに連なり、第1側板10Aの幅方向Xの他端は、付代部12及び折曲部(山折部)13を介して第2側板11Bに連なっている。
図1中下側に位置する第1側板10Bの幅方向Xの一端は、折曲部(山折部)13を介して第2側板11Aに連なり、第1側板10Bの幅方向Xの他端は、折曲部(山折部)13を介して第2側板11Bに連なっている。
【0021】
図4のブランクを参照すると、第1側板10A、第2側板11A、第1側板10B、第2側板11B、及び付代部12は、この順で、汎用罫線からなる折曲線13’を介して一方向に連なっている。例えば酢酸ビニルエマルジョン系の接着剤を使用し、一端に位置する第1側板10Aに対して他端に位置する付代部12を固着する。これにより、
図1及び
図2に示す一体化された四角筒状の外周壁2が形成される。
【0022】
折曲線13’に沿ったブランクの折り曲げによって、前述した折曲部13が形成されている。本実施形態の折曲線13’は、側板10,11の下端から上端まで延びているが、折曲部13を形成可能であれば、折曲線13’の上端は側板10,11の上端と間隔をあけて位置していてもよいし、折曲線13’の下端は側板10,11の下端と間隔をあけて位置していてもよい。
【0023】
引き続いて
図1及び
図2を参照すると、底壁3は、一対の内フラップ15と、一対の外フラップ16とを備え、外周壁2の下端を閉塞する。内フラップ15と外フラップ16はいずれも、四角形状で、XY平面に沿って延びている。
【0024】
一対の内フラップ15は、折曲部17を介して一対の第1側板10の下端にそれぞれ連なっている。個々の内フラップ15は、対応する第1側板10に対して内向きに折り曲げられている。一対の内フラップ15の先端は、互いに間隔をあけて位置している。
【0025】
一対の外フラップ16は、折曲部17を介して一対の第2側板11の下端にそれぞれ連なっている。個々の外フラップ16は、対応する第2側板11に対して内向きに折り曲げられ、一対の内フラップ15の外面に重ねられている。一対の外フラップ16の先端は、互いに突き合っている。
【0026】
例えば、一対の外フラップ16の先端に跨がって粘着テープ(図示せず)を貼着することで、外周壁2の下端開口が底壁3で閉塞された状態に保持される。
【0027】
図4のブランクを参照すると、一対の内フラップ15は、汎用罫線からなる折曲線17’を介して対応する第1側板10に連なっている。一対の外フラップ16は、汎用罫線からなる折曲線17’を介して対応する第2側板11に連なっている。折曲線17’に沿ったブランクの折り曲げによって、前述した折曲部17が形成されている。
【0028】
次に、押込部20、第1位置決め突部25、及び第2位置決め突部26について具体的に説明する。
【0029】
図1及び
図5を参照すると、押込部20は、第1側板10に設けられた第1折曲線21と、第2側板11に設けられた第2折曲線22と、第1折曲線21及び第2折曲線22に連なる第3折曲線23とで画定されている。押込部20は、折曲線21,23と折曲部13によって第1側板10内に画定された第1部分20aと、折曲線22,23と折曲部13によって第2側板11内に画定された第2部分20bとを備える。
【0030】
第1折曲線21は、第1側板10の折曲部13側、つまり第1側板10の幅方向Xの両側にそれぞれ設けられている。個々の第1折曲線21は、幅方向Xにおいて、第1側板10の折曲部13側から中央側に向けて上側へ傾斜している。より具体的には、第1折曲線21の下端21aは、第1側板10の高さ方向Zの中間部分に位置するとともに、折曲部13に対して幅方向Xに間隔をあけて位置している。第1折曲線21の上端21bは、下端21aよりも上側において、第1側板10の上端10aに対して間隔をあけて位置している。但し、下端21aの高さ位置は、必要に応じて変更が可能である。
【0031】
本実施形態の第1折曲線21は、下端21aと上端21bを最短距離で結ぶ直線状である。但し、第1折曲線21に沿って第1側板10を折曲可能であれば、第1折曲線21は円弧状であってもよい。下端21aから上端21bまでの第1折曲線21の全長も、第1折曲線21に沿って第1側板10を折曲可能であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0032】
第2折曲線22は、第2側板11の折曲部13側、つまり第2側板11の長さ方向Yの両側にそれぞれ設けられている。個々の第2折曲線22は、長さ方向Yにおいて、第2側板11の折曲部13側から中央側に向けて上側へ傾斜している。より具体的には、第2折曲線22の下端22aは、第1折曲線21の下端21aと同じ高さに配置されており、第2側板11の高さ方向Zの中間部分に位置するとともに、折曲部13に対して長さ方向Yに間隔をあけて位置している。第2折曲線22の上端22bは、第1折曲線21の上端21bと同じ高さに配置されており、第2側板11の上端11aに対して間隔をあけて位置している。但し、下端22aの高さ位置は、必要に応じて変更が可能である。
【0033】
本実施形態の第2折曲線22は、下端22aと上端22bを最短距離で結ぶ直線状である。但し、第2折曲線22に沿って第2側板11を折曲可能であれば、第2折曲線22は円弧状であってもよい。下端22aから上端22bまでの第2折曲線22の全長も、第2折曲線22に沿って第2側板11を折曲可能であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0034】
第3折曲線23は、概ねU字形状で、第1折曲線21の下端21aと第2折曲線22の下端22aとの間に設けられている。つまり、第3折曲線23は、折曲部13を跨がり、第1側板10から第2側板11にかけて設けられている。第3折曲線23の一端は第1折曲線21の下端21aに連なり、第3折曲線23の他端は第2折曲線22の下端22aに連なっている。
【0035】
以下の説明では、4箇所の押込部20のうち、付代部12が貼着された第1側板10Aの一端の押込部を20Aということがある。
【0036】
図4及び
図5を参照すると、押込部20A以外の押込部20の第1折曲線21は、1本の汎用罫線21cと、汎用罫線21c上の中央に設けられた1本の切断線21dとを備えるリード罫からなる。
【0037】
図4及び
図6を参照すると、押込部20Aの第1折曲線21Aは、第1側板10Aに形成された複数の切断線21eと、付代部12に形成された汎用罫線21fとで構成されている。第1側板10Aのうち、付代部12が貼着された部分に間隔をあけて複数の切断線21eを設けることで、付代部12を含む第1側板10Aの折曲性を向上している。
【0038】
図4及び
図5を参照すると、4つの押込部20の第2折曲線22は全て、1本の汎用罫線22cと、汎用罫線22c上の中央に設けられた1本の切断線22dとを備えるリード罫からなる。
【0039】
4つの押込部20の第3折曲線23は全て汎用罫線からなる。
【0040】
第1折曲線21,21A、第2折曲線22、及び第3折曲線23は、対応する第1側板10及び第2側板11を折曲可能であれば、必要に応じて変更が可能である。また、第1折曲線21、第2折曲線22、及び第3折曲線23は、一端から他端まで連続する構成に限られず、断続的(不連続)に設けられてもよい。
【0041】
図1及び
図5を参照すると、第1位置決め突部25は、第1側板10の上端10aからそれぞれ上向きに突出している。第1位置決め突部25と第1側板10の間には、折曲線や切断線は何ら設けられていない。第1位置決め突部25は、第1側板10の上端10aに連なる一対の第1湾曲縁25aと、一対の第1湾曲縁25aにそれぞれ連なる一対の第1傾斜縁25bと、一対の第1傾斜縁25bの双方に連なる1つの第1上縁25cとで画定されている。
【0042】
第1湾曲縁25aは、所定曲率の円弧状であり、第1側板10の上端10aと第1傾斜縁25bにそれぞれ接する。本実施形態の第1湾曲縁25aは、第1折曲線21の上端21bに対して間隔をあけて直上に位置する。
【0043】
第1傾斜縁25bは、第1側板10の幅方向Xにおける外側から中央側に向けて上側へ傾斜している。本実施形態の第1傾斜縁25bは、第1湾曲縁25aの端と第1上縁25cの端とを最短距離で結ぶ直線状である。但し、第1傾斜縁25bは円弧状であってもよい。
【0044】
第1上縁25cは、折曲部13(折曲線13’)の上端13aよりも上方に位置し、幅方向Xに延びている。第1上縁25cの端25dは、最も近くに位置する第1折曲線21の上端21bよりも幅方向Xの中央側に位置している。本実施形態の第1上縁25cは、一方の端25dと他方の端25dとを最短距離で結ぶ直線状である。但し、第1上縁25cは、上向きに突出する円弧状、又は下向きに窪む円弧状であってもよい。
【0045】
引き続いて
図1及び
図5を参照すると、第2位置決め突部26は、第2側板11の上端11aからそれぞれ上向きに突出している。第2位置決め突部26と第2側板11の間には、折曲線や切断線は何ら設けられていない。第2位置決め突部26は、第2側板11の上端11aに連なる一対の第2湾曲縁26aと、一対の第2湾曲縁26aにそれぞれ連なる一対の第2傾斜縁26bと、一対の第2傾斜縁26bに連なる1つの第2上縁26cとで画定されている。
【0046】
第2湾曲縁26aは、所定曲率の円弧状であり、第2側板11の上端11aと第2傾斜縁26bにそれぞれ接する。本実施形態の第2湾曲縁26aは、第2折曲線22の上端22bに対して間隔をあけて直上に位置する。
【0047】
第2傾斜縁26bは、第2側板11の長さ方向Yにおける外側から中央側に向けて上側へ傾斜している。本実施形態の第2傾斜縁26bは、第2湾曲縁26aの端と第2上縁26cの端とを最短距離で結ぶ直線状である。但し、第2傾斜縁26bは円弧状であってもよい。
【0048】
第2上縁26cは、折曲部13(折曲線13’)の上端13aよりも上方に位置し、長さ方向Yに延びている。第2上縁26cの端26dは、最も近くに位置する第2折曲線22の上端22bよりも長さ方向Yの中央側に位置している。本実施形態の第2上縁26cは、一方の端26dと他方の端26dとを最短距離で結ぶ直線状である。但し、第2上縁26cは、上向きに突出する円弧状、又は下向きに窪む円弧状であってもよい。
【0049】
図1を参照すると、第1位置決め突部25は第1側板10の幅方向Xの中間領域に設けられ、第2位置決め突部26は第2側板11の長さ方向Yの中間領域に設けられている。これにより、隣り合う第1位置決め突部25と第2位置決め突部26の間は、切り欠かれた形態を呈している。
【0050】
第1位置決め突部25の第1上縁25cと第2位置決め突部26の第2上縁26cとは、同じ高さに位置している。第1位置決め突部25の突出寸法、つまり第1側板10の上端10aから第1位置決め突部25の第1上縁25cまで距離は、第2位置決め突部26の突出寸法、つまり第2側板11の上端11aから第2位置決め突部26の第2上縁26cまで距離と同一である。
【0051】
第1側板10の全高に対する第1位置決め突部25の突出寸法、及び第2側板11の全高に対する第2位置決め突部26の突出寸法は、いずれも5%以上50%以下とすることが好ましい。トレイ1を積み重ねる場合、位置決め突部25,26が形成された部分には物品を収容できないため、突出寸法を過度に大きくした場合、トレイ1が不必要に大きくなる。突出寸法を過度に小さくした場合、積み重ねたトレイ1の位置決め保持が困難になる。これらの不都合を防ぐために、位置決め突部25,26の突出寸法は、上記定められた範囲に設定することが好ましい。
【0052】
次に、第1折曲線21と第2折曲線22について、より具体的に説明する。
【0053】
まず、トレイ1には、物品として、例えば水分を含み比重が大きい野菜等の青果物が収納される。よって、トレイ1の剛性を考慮すると、トレイ1の形成材料には、厚みが1mm以上8mm以下の段ボールシートを用いることが好ましく、本実施形態では4mmの段ボールシートが用いられている。
【0054】
段ボールシートは、厚みが厚くなるに従って弾性的な復元力が大きくなり、この復元力は、押込部20の押し込みに影響を及ぼす。トレイ1が厚紙やボール紙等の単紙で形成した場合、その復元力は段ボールシートの復元力よりも小さいため、第1折曲線21と第2折曲線22とがなす角α(
図5参照)が小さくても、押込部20を内側へ押し込むことは可能である。しかし、段ボールシートの復元力は単紙の復元力よりも大きいため、なす角αを適切な範囲に設定する必要がある。
【0055】
第1折曲線21と第2折曲線22とがなす角αは、30度以上120度以下に設定することが好ましく、40度以上100度以下に設定することがより好ましい。なす角αを過度に小さくすると、
図3に示すように外周壁2内へ押込部20を押し込んでも、段ボールシートの復元力によって、
図1に示すように押込前の状態に押込部20が戻る。なす角αを過度に大きくすると、折曲部13の上端13aが外周壁2内へ倒れ込み過ぎるため、物品を収容可能な容積が少なくなる。これらの不都合を防ぐために、なす角αは、上記定められた範囲に設定することが好ましく、本実施形態では60度としている。
【0056】
図5を参照すると、第1折曲線21と第2折曲線22とがなす角αとは、折曲線13’(折曲部13)と第1折曲線21とがなす角βと、折曲線13’と第2折曲線22とがなす角γとを加算した角度である。本実施形態では、なす角βとγはいずれも30度に設定しているが、上記定められた範囲内であれば、なす角βとγは異なっていてもよい。
【0057】
次に、トレイ1の使用方法について説明する。
【0058】
図1に示すように、トレイ1上に他のトレイ1を積み重ねない場合、押込部20は押し込まれていない。この状態では、押込部20のうち、第1部分20aは第1側板10に対して同一平面上に位置し、第2部分20bは第2側板11に対して同一平面上に位置している。また、
図7Aに示すように、第1側板10と第2側板11は直交方向に延びており、押込部20の第1部分20aと第2部分20bとがなす角θ1は90度になっている。また、第1折曲線21の上端21bと第2折曲線22の上端22bとを結ぶ最短距離はL1である。
【0059】
図8及び
図9に示すように、トレイ1上に他のトレイ1を積み重ねる場合、
図3に示すように、外周壁2の四隅の押込部20を全て内側へ押し込む。これにより、折曲部13のうち、押込部20内に位置する上側部分13bが谷折れする。また、第1折曲線21に沿って第1側板10が山折りされるとともに、第2折曲線22に沿って第2側板11が山折りされる。
【0060】
図7Bを参照すると、押込部20の押込状態では、段ボールシートの復元力によって、押込部20の第1部分20aと第2部分20bとがなす角θ2は90度よりも大きくなる。これにより、第1折曲線21の上端21bと第2折曲線22の上端22bとを結ぶ最短距離はL2になり、この距離L2は押込前の距離L1よりも長くなる。
【0061】
第1部分20aと第2部分20bとがなす角θ2は、第1折曲線21と第2折曲線22とがなす角α(
図5参照)が大きくなるに従って小さくなり、なす角α(
図5参照)が小さくなるに従って大きくなる。単紙によってトレイ1を形成した場合、なす角θ2を90度以下にすることも不可能ではないが、段ボールシートによってトレイ1を形成した場合、なす角θ2を90度以下にすることは困難である。
【0062】
前述のように、第1部分20aと第2部分20bとがなす角θ2を90度よりも大きくし、第1折曲線21及び第2折曲線22それぞれの上端21b,22b間の距離L2を押込前の距離L1よりも長くすると、第1側板10の一部と第2側板11の一部が上広がりに傾斜する。
【0063】
具体的には、第1位置決め突部25を含む第1側板10のうち、押込部20以外の部分かつ押込部20の下端よりも高さ方向Zの上側部分が、下側から上側に向けて外側へ傾斜する。また、第2位置決め突部26を含む第2側板11のうち、押込部20以外の部分かつ押込部20の下端よりも高さ方向Zの上側部分が、下側から上側に向けて外側へ傾斜する。これにより、第1側板10の上端10aに連なる第1位置決め突部25、及び第2側板11の上端11aに連なる第2位置決め突部26も、下側から上側に向けて外側へ傾斜する。
【0064】
第1側板10の傾斜角度と第2側板11の傾斜角度は、第1部分20aと第2部分20bとがなす角θ2が大きくなるに従って大きくなり、なす角θ2が小さくなるに従って小さくなる。
【0065】
第1側板10及び第2側板11のうち、押込部20よりも下側部分は、直交方向に延びた状態を維持する。但し、押込部20よりも下側部分とは、幾何学的に厳密な意味での下側部分に限られず、押込部20よりも下側部分であっても、第1側板10及び第2側板11の高さ方向Zの中間部分は、段ボールシートが備える弾性によって上広がりに傾斜することもある。
【0066】
以上のように、本実施形態のトレイ1では、内側への押込部20の押し込みによって、第1位置決め突部25を含む第1側板10と第2位置決め突部26を含む第2側板11のうち、押込部20以外の部分かつ押込部20よりも上側部分を上広がりに傾斜させることができる。そのため、トレイ1を積み重ねる際の作業性、及び複数のトレイ1を積み重ねた状態での安定性を向上できる。
【0067】
具体的には、
図8及び
図9に示すように、第1側板10と第2側板11の傾斜によって、第1位置決め突部25の第1上縁25cと第2位置決め突部26の第2上縁26cとで画定された開口4の外形は、底壁3の外形よりも大きくなる。そのため、下段のトレイ1の開口4内に上段のトレイ1の底壁3を簡単に配置できる。従って、トレイ1の積重時の作業性を向上できる。
【0068】
引き続いて
図8及び
図9を参照すると、トレイ1の積重状態では、下段のトレイ1の押込部20上に上段のトレイ1の底壁3が載置される。また、下段のトレイ1の第1位置決め突部25は上段のトレイ1の第1側板10の外側に位置し、下段のトレイ1の第2位置決め突部26は上段のトレイ1の第2側板11の外側に位置する。そのため、双方の位置決め突部25,26によって、下段のトレイ1に対する上段のトレイ1の横方向(X方向とY方向)への移動が規制される。よって、積重状態での安定性を向上でき、外力が加わった際の荷崩れを防止できる。
【0069】
折曲部13と第1折曲線21とがなす角βと、折曲部13と第2折曲線22とがなす角γとを加算した角度は30度以上120度以下である。そのため、厚紙やボール紙等の単紙と比較して弾性的な復元力が強い紙製段ボールシートであっても、押込部20を確実に押し込むことができる。従って、押込部20の押し込みによって、第1位置決め突部25を含む第1側板10と第2位置決め突部26を含む第2側板11とを、確実に上広がりに傾斜させることができる。
【0070】
本実施形態の容器は、上端を開口した有底四角筒状のトレイ1である。トレイ1に押込部20と位置決め突部25,26を形成し、物品を収容したトレイ1の積重作業性、及び積重状態のトレイ1の安定性を向上している。よって、本実施形態のトレイ1は、プラスチックコンテナ(番重)の代替品として使用することもできる。
【0071】
以下、本発明の他の実施形態並びに種々の変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
【0072】
(第2実施形態)
図10は第2実施形態のトレイのブランクの一部を示す。第2実施形態では、第1位置決め突部25の第1湾曲縁25aが、第1折曲線21の上端21bよりも幅方向中央側に配置されるとともに、第2位置決め突部26の第2湾曲縁26aが、第2折曲線22の上端22bよりも長さ方向中央側に配置された点で、第1実施形態と相違している。
【0073】
(第3実施形態)
図11は第3実施形態のトレイのブランクの一部を示す。第3実施形態では、第1位置決め突部25が第1湾曲縁25aと第1上縁25cとで画定され、第2位置決め突部26が第2湾曲縁26aと第2上縁26cとで画定された点で、第1実施形態と相違している。第1湾曲縁25aは、第1側板10の上端10aの延長線上に中心が位置する円弧状である。第2湾曲縁26aは、第2側板11の上端11aの延長線上に中心が位置する円弧状である。
【0074】
(第4実施形態)
図12は第4実施形態のトレイのブランクの一部を示す。第4実施形態では、第1位置決め突部25が第1湾曲縁25aと第1上縁25cとで画定されるとともに、第2位置決め突部26が第2湾曲縁26aと第2上縁26cとで画定され、これらの湾曲縁25a,26aが1つの円弧状に形成された点で、第1実施形態と相違している。なお、第4実施形態では、位置決め突部25,26が側板10,11全体から上向きに突出しているため、
図12には、第1側板10の上端10aと第2側板11の上端11aとが仮想線で示されている。
【0075】
第1湾曲縁25aは、第1上縁25cの端25dから折曲線13’(折曲部13)の上端13aにかけて漸減し、中心が上側に位置する窪む円弧状である。第2湾曲縁26aは、第2上縁26cの端26dから折曲線13’(折曲部13)の上端13aにかけて漸減し、中心が上側に位置する円弧状である。第1湾曲縁25aと第2湾曲縁26aは、互いの一端が折曲線13’上の上端13aで連なる1つの曲線で構成されている。
【0076】
以上のように構成された第2実施形態から第4実施形態のトレイでは、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0077】
(第5実施形態)
図13は第5実施形態のトレイのブランクの一部を示す。第5実施形態では、第1位置決め突部25が2つの湾曲縁25a,25eと第1上縁25cとで画定されるとともに、第2位置決め突部26が2つの湾曲縁26a,26eと第2上縁26cとで画定された点で、第1実施形態と相違している。なお、
図13には、第1側板10の上端10aと第2側板11の上端11aとが仮想線で示されている。
【0078】
第1位置決め突部25の湾曲縁25eは、折曲線13’(折曲部13)の上端13aから第1側板10の幅方向中央側に向けて下側へ漸減し、中心が下側に位置する円弧状である。第1位置決め突部25の湾曲縁25aは、湾曲縁25eの端と第1上縁25cの端25dとに連なり、第1上縁25cの延長線上に中心が位置する円弧状である。
【0079】
第2位置決め突部26の湾曲縁26eは、折曲線13’(折曲部13)の上端13aから第2側板11の長さ方向中央側に向けて下側へ漸減し、中心が下側に位置する円弧状である。第2位置決め突部26の湾曲縁26eと第1位置決め突部25の湾曲縁25eとは、互いの一端が折曲線13’(折曲部13)の上端13aで連なる1つの曲線で構成されている。第2位置決め突部26の湾曲縁26aは、湾曲縁26eの端と第2上縁26cの端26dとに連なり、第2上縁26cの延長線上に中心が位置する円弧状である。
【0080】
(第6実施形態)
図14は第6実施形態のトレイのブランクの一部を示す。第6実施形態では、第1位置決め突部25が2つの傾斜縁25b,25fと第1上縁25cとで画定されるとともに、第2位置決め突部26が2つの傾斜縁26b,26fと第2上縁26cとで画定された点で、第1実施形態と相違している。なお、
図14には、第1側板10の上端10aと第2側板11の上端11aとが仮想線で示されている。
【0081】
第1位置決め突部25の傾斜縁25fは、折曲線13’の上端から第1側板10の幅方向中央に向けて下側に傾斜している。第1位置決め突部25の傾斜縁25bは、傾斜縁25fの端と上縁25cの端25dとに連なり、下側から上側に向けて第1側板10の幅方向中央側へ傾斜している。
【0082】
第2位置決め突部26の傾斜縁26fは、折曲線13’の上端から第2側板11の長さ方向中央に向けて下側に傾斜している。第2位置決め突部26の傾斜縁26fと第1位置決め突部25の傾斜縁25fとは、互いの一端が折曲線13’(折曲部13)の上端13aで連なっている。第2位置決め突部26の傾斜縁26bは、傾斜縁26fの端と上縁26cの端26dとに連なり、下側から上側に向けて第2側板11の長さ方向中央側へ傾斜している。
【0083】
以上のように構成された第5実施形態及び第6実施形態のトレイでは、
図3に示すように押込部20を押し込むと、上向きに突出した湾曲縁25e,26eの先端又は傾斜縁25f,26fの先端が、高さ方向において最も高い位置となる。よって、
図8及び
図9に示すように、トレイを積み重ねた状態での安定性を更に向上できる。
【0084】
(第7実施形態)
図15は第7実施形態のトレイのブランクの一部を示す。第7実施形態では、折曲線13’(折曲部13)と第1折曲線21とがなす角βと折曲線13’(折曲部13)と第2折曲線22とがなす角γとを異ならせた点で、第1実施形態と相違している。なお、なす角βとγを加算した角度、つまり第1折曲線21と第2折曲線22とがなす角αは、第1実施形態と同様に設定されている。
【0085】
このように構成した第7実施形態では、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0086】
なお、第1実施形態から第6実施形態を必要に応じて組み合わせた構成としてもよい。つまり、第1位置決め突部25として、第1実施形態から第6実施形態のうちの1つを選択し、第2位置決め突部26として、第1実施形態から第6実施形態のうち第1位置決め突部25とは異なる1つを選択してもよい。その際、折曲線13’(折曲部13)と第1折曲線21とがなす角βと折曲線13’(折曲部13)と第2折曲線22とがなす角γとを、第7実施形態のように異ならせてもよい。
【0087】
なお、本発明の容器(トレイ1)は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0088】
例えば、第3折曲線23を設けることなく、第1折曲線21と第2折曲線22によって、押込部20が画定されてもよい。この場合、第1折曲線21の下端21aは、折曲部13上に配置されてもよいし、第2折曲線22の下端22aも、折曲部13上に配置されてもよい。
【0089】
底壁3は、以下で説明する第1変形例から第3変形例のようにしてもよい。
【0090】
図16及び
図17は第1変形例のトレイ1を示す。このトレイ1には、インターロック形式の底壁3を採用している。具体的には、底壁3は、一対の短フラップ30A,30Bと一対の長フラップ31A,31Bとを備える。一対の短フラップ30A,30Bには、長フラップ31Bと重なる領域に切欠部30aが設けられている。一対の長フラップ31A,31Bは、互いの先端部分が重なり合う寸法で形成されている。長フラップ31Aは概ね台形状に形成されている。長フラップ31Bは長方形状に形成され、その先端中央には切欠部31aが設けられている。
【0091】
外周壁2に対して、長フラップ31Bを折り曲げた後、一対の短フラップ30A,30Bを折り曲げる。その後、長フラップ31Aを折り曲げ、切欠部30a,31aを通して長フラップ31Bの内面側に長フラップ31Aの先端を配置する。これにより、フラップ30A,30B,31A,31Bの噛み合わせだけで、閉塞状態が保持される。
【0092】
図18及び
図19は第2変形例のトレイ1を示す。このトレイ1には、第1変形例とは異なるノンステープルロック形式の底壁3を採用している。具体的には、底壁3は、一対の短フラップ33と一対の長フラップ34とを備える。一対の短フラップ33にはそれぞれ、一対の係止片33aと1本の折曲線33bとが設けられている。一対の長フラップ34にはそれぞれ、一対の係止片33aがそれぞれ挿入係止される一対の係止穴34aが設けられている。
【0093】
外周壁2に対して、一対の長フラップ34をそれぞれ折り曲げた後、一対の短フラップ33をそれぞれ折り曲げる。その際、折曲線33bに沿って短フラップ33を折り曲げ、一対の係止辺33aをそれぞれ長フラップ34の係止穴34aに差し込む。これにより、フラップ33,34の噛み合わせだけで、閉塞状態が保持される。
【0094】
図20及び
図21は第3変形例のトレイ1を示す。このトレイ1には、ワンアクション形式の底壁3を採用している。具体的には、底壁3は、一対の短フラップ36と一対の長フラップ37とを備える。一対の短フラップ36はそれぞれ、概ね台形状に形成されている。一対の長フラップ37には、それぞれ折曲線37bを介して貼着部37aが連設されている。一対の貼着部37aは、一対の短フラップ36のうち、それぞれ異なる方の外面側に貼着されている。
【0095】
第1側板10A及び第2側板11Bに対して第1側板10B及び第2側板11Aを重ね合わせた状態で、外周壁2を四角筒状に広げる。これにより、一対の短フラップ36と一対の長フラップ37が連動して内向きに折れ曲がり、外周壁2の下端が自動閉塞される。
【0096】
外周壁2は、三角筒状であってもよいし、五角以上の筒状であってもよい。容器はトレイ1に限られず、外周壁2の上端に上蓋を備える包装箱であってもよい。上蓋は、複数の側板のうちの1つに連なる構成であってもよいし、底壁3と同様に複数のフラップによって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…トレイ(容器)
2…外周壁
3…底壁
4…開口
10,10A,10B…第1側板
10a…上端
11,11A,11B…第2側板
11a…上端
12…付代部
13…折曲部
13a…上端
13b…上側部分
13’…折曲線
14…取手穴
15…内フラップ
16…外フラップ
17…折曲部
17’…折曲線
20,20A…押込部
20a…第1部分
20b…第2部分
21,21A…第1折曲線
21a…下端
21b…上端
21c…汎用罫線
21d…切断線
21e…切断線
21f…汎用罫線
22…第2折曲線
22a…下端
22b…上端
22c…汎用罫線
22d…切断線
23…第3折曲線
25…第1位置決め突部
25a…第1湾曲縁
25b…第1傾斜縁
25c…第1上縁
25d…端
25e…湾曲縁
25f…傾斜縁
26…第2位置決め突部
26a…第2湾曲縁
26b…第2傾斜縁
26c…第2上縁
26d…端
26e…湾曲縁
26f…傾斜縁
30A,30B…短フラップ
30a…切欠部
31A,31B…長フラップ
31a…切欠部
33…短フラップ
33a…係止片
33b…折曲線
34…長フラップ
34a…係止穴
36…短フラップ
37…長フラップ
37a…貼着部
37b…折曲線