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特開2022-13851システム、情報処理装置、プログラム及び発行装置
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  • 特開-システム、情報処理装置、プログラム及び発行装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013851
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】システム、情報処理装置、プログラム及び発行装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20220111BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20220111BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107547
(22)【出願日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2020112179
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】520016745
【氏名又は名称】ALL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】新地 浩行
(72)【発明者】
【氏名】津島 秀行
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L055AA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】地域振興券やプレミアム商品券等を電子マネーとして発行、管理することのできるシステム、情報処理装置、プログラム及び発行装置を提供する。
【解決手段】電子マネーを処理するシステム100であって、情報処理装置1と、第1の端末である情報処理端末2と、第2の端末である情報処理端末3と、精算・発行装置4とを備え、これらがネットワーク5を介して通信可能に接続されている。情報処理装置1は、電子マネーの管理を行うものであり、記憶部と、利用者管理部と、発行者管理部と、受領者管理部と、設定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネーを処理するシステムであって、
情報処理装置と、精算・発行装置と、第1の端末と、第2の端末とを備え、
前記情報処理装置は、
発行者管理部と、利用者管理部と、受領者管理部とを備え、
前記発行者管理部は、発行済電子マネーの残高と、発行可能電子マネーの残高と、電子マネーの利用条件とを発行者毎に管理可能に構成され、
前記利用者管理部は、支払い可能な電子マネー残高を利用者毎に管理可能に構成され、
前記受領者管理部は、精算可能な電子マネー残高を受領者毎に管理可能に構成され、
前記精算・発行装置は、
精算部と、発行部とを備え、
前記精算部は、前記受領者管理部が管理する精算可能な電子マネー残高に基づいて、現金の払い出しによる精算を可能に構成され、
前記発行部は、前記発行者管理部が管理する発行可能電子マネーの残高に基づいて、前記利用条件を付した電子マネーを発行可能に構成され、
前記第1の端末は、購入部と、支払部とを備え、
前記購入部は、前記発行部が発行した電子マネーを購入可能に構成され、
前記支払部は、前記利用条件に基づく電子マネーの支払を可能に構成され、
前記第2の端末は、受領部を備え、
前記受領部は、前記支払部により支払われた電子マネーを受領可能に構成される
システム。
【請求項2】
電子マネーの管理を行う情報処理装置であって、
発行者管理部と、利用者管理部と、受領者管理部とを備え、
前記発行者管理部は、発行済電子マネーの残高と、発行可能電子マネーの残高と、電子マネーの利用条件とを発行者毎に管理可能に構成され、
前記利用者管理部は、支払い可能な電子マネー残高を利用者毎に管理可能に構成され、
前記受領者管理部は、精算可能な電子マネー残高を受領者毎に管理可能に構成される
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記受領者管理部は、受領者が代行販売した電子マネーの未精算残高を管理可能に構成される
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置において、
設定部を備え、
前記設定部は、電子マネーの利用地域、電子マネーの利用限度額、電子マネーの利用期限、電子マネーの利用目的との少なくとも1つを前記利用条件として設定可能に構成される
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記設定部は、予め設定された複数のシナリオを保持し、該シナリオの一部を変更して前記利用条件として設定する
情報処理装置。
【請求項6】
プログラムであって、
コンピュータを請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる
プログラム。
【請求項7】
電子マネーを発行する発行装置であって、
発行部を備え及び
前記発行部は及び発行者が設定した利用条件を付した電子マネーを発行可能に構成される
発行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、情報処理装置、プログラム及び発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国では本格的な人口減少社会を迎え、その対応が喫緊の課題となっている。一部を除く各市町村においても、人口減少が急速に進むと見込まれ、地域コミュニティの衰退や、経済活動の低下など、機能維持に重大な懸念が生じる可能性がある。
このため、地域振興券やプレミアム商品券の発行や、ふるさと納税の導入等により、地域の活性化を図る取り組みがなされている。
なお、地域通貨を管理するシステムも提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-95489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、地域振興券やプレミアム商品券等は、これを用いて支払を行う消費者等(以下、利用者と称する)や、支払を受ける商店等(以下、受領者と称する)は、利用可能な券類の種類が多くなれば、その取扱が煩雑となる。一方で、地域振興券やプレミアム商品券等の発行を行う自治体や商店街等(以下、発行者と称する)は、管理を厳格に行う必要があるため、経費等を要することとなり、小規模の券類を発行することは、困難であった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、地域振興券やプレミアム商品券等を電子マネーとして発行、管理することのできるシステム、情報処理装置、プログラム及び発行装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、電子マネーを処理するシステムが提供される。このシステムは、情報処理装置と、精算・発行装置と、第1の端末と、第2の端末とを備える。情報処理装置は、発行者管理部と、利用者管理部と、受領者管理部とを備える。発行者管理部は、発行済電子マネーの残高と、発行可能電子マネーの残高と、電子マネーの利用条件とを発行者毎に管理可能に構成される。利用者管理部は、支払い可能な電子マネー残高を利用者毎に管理可能に構成される。受領者管理部は、精算可能な電子マネー残高を受領者毎に管理可能に構成される。精算・発行装置は、精算部と、発行部とを備える。精算部は、受領者管理部が管理する精算可能な電子マネー残高に基づいて、現金の払い出しによる精算を可能に構成される。発行部は、発行者管理部が管理する発行可能電子マネーの残高に基づいて、利用条件を付した電子マネーを発行可能に構成される。第1の端末は、購入部と、支払部とを備える。購入部は、発行部が発行した電子マネーを購入可能に構成される。支払部は、利用条件に基づく電子マネーの支払を可能に構成される。第2の端末は、受領部を備える。受領部は、支払部により支払われた電子マネーを受領可能に構成される。
【0007】
本発明の一態様によれば、電子マネーを共通基盤として利用し、発行する電子マネー毎に利用地域等の利用条件を設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るシステム100の構成の概略を示した図である。
図2】情報処理装置1の構成を示した図である。
図3】情報処理端末2の構成を示した図である。
図4】精算・発行装置4の構成を示した図である。
図5】システム100の機能的な構成を示すブロック図である。
図6】システム100の利用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.システムの構成
図1は、本発明の実施形態に係るシステム100の構成の概略を示した図である。同図に示すシステム100は、電子マネーを処理するシステムであり、情報処理装置1と、第1の端末である情報処理端末2と、第2の端末である情報処理端末3と、精算・発行装置とを備え、これらがネットワーク5を介して接続されて構成される。
【0014】
2.情報処理装置1の構成
図2は、情報処理装置1の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、処理部11と、記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15とを有しており、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス16を介して電気的に接続されている。
【0015】
処理部11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0016】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部12は、情報処理装置1と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0017】
一時記憶部13は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0018】
外部装置接続部14は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI)といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0019】
通信部15は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク5との間の通信を実現する。
【0020】
なお、情報処理装置1には、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能であり、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0021】
3.情報処理端末2及び情報処理端末3の構成
図3は、情報処理端末2の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理端末2は、処理部21と、記憶部22と、一時記憶部23と、外部装置接続部24と、通信部25と、入力部26と、表示部27とを有しており、これらの構成要素が情報処理端末2の内部において情通信バス28を介して電気的に接続されている。
【0022】
処理部21は、例えば、中央処理装置により実現されるもので、記憶部22に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0023】
記憶部22は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。
【0024】
一時記憶部23は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ等のメモリにより実現され、処理部21が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0025】
外部装置接続部24は、例えばユニバーサルシリアルバスやブルートゥース(登録商標))といった規格に準じた接続部である。
【0026】
通信部25は、例えばローカルエリアネットワーク規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク5との間の通信を実現する。また、通信部25は、携帯電話網を介して通信可能な通信手段も含む。
【0027】
入力部26は、操作入力を受け付ける。表示部27は、情報等を画面表示する。なお、入力部26と表示部27は、タッチパネルとして一体化されていてもよい。
【0028】
なお、情報処理端末2には、汎用のスマートフォンやタブレット端末等を利用することが可能である。また、情報処理端末3の構成は、情報処理端末2の構成と同様であるため、詳細な説明は省略するが、情報処理端末3も汎用のスマートフォンやタブレット端末等を利用することが可能である。
【0029】
4.精算・発行装置4の構成
図4は、精算・発行装置4の構成を示した図である。同図に示すように、精算・発行装置4は、制御部41と、紙幣出入部42と、硬貨出入部43と、表示部44と、操作部45と、撮像部46とを有している。
【0030】
制御部41は、処理部411と、記憶部412と、一時記憶部413と、外部装置接続部414と、通信部415とを有しており、これらの構成要素が制御部41の内部において通信バス416を介して電気的に接続されている。
【0031】
処理部411は、例えば、中央処理装置により実現されるもので、記憶部412に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0032】
記憶部412は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部412は、制御部41と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0033】
一時記憶部413は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ等のメモリにより実現され、処理部411が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0034】
外部装置接続部414は、例えばユニバーサルシリアルバスや高精細度マルチメディアインターフェースといった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0035】
通信部415は、例えばローカルエリアネットワーク規格に準じた通信手段であり、制御部41とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク5との間の通信を実現する。
【0036】
なお、制御部41には、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。
【0037】
紙幣出入部42は、紙幣の受け入れと、払い出しを行う。硬貨出入部43硬貨の受け入れと、払い出しを行う。
【0038】
表示部44は、情報等を画面表示する。操作部45は、操作入力を受け付ける。なお、表示部44と操作部45は、タッチパネルとして一体化されていてもよい。また、撮像部46は、情報処理端末2に表示されたコード等を読み取る。
【0039】
5.システム100の機能的構成
次に、システム100の機能について説明する。図5は、システム100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0040】
情報処理装置1は、電子マネーの管理を行うものであり、記憶部101と、利用者管理部102と、発行者管理部103と、受領者管理部104と、設定部105を備える。
【0041】
記憶部101は、利用者管理部102、発行者管理部103、受領者管理部104のそれぞれが管理する各種情報を記憶する。
【0042】
利用者管理部102は、支払い可能な電子マネー残高を利用者毎に管理可能に構成される。管理する電子マネーの残高は、管理対象となる全ての電子マネーである。管理対象となる電子マネーは、後述する利用条件以外は、同一の規格のものである。
【0043】
発行者管理部103は、発行済電子マネーの残高と、発行可能電子マネーの残高と、電子マネーの利用条件とを発行者毎に管理可能に構成される。
【0044】
受領者管理部104は、精算可能な電子マネー残高を受領者毎に管理可能に構成される。また、受領者管理部104は、受領者が代行販売した電子マネーの未精算残高を管理可能に構成される。
【0045】
設定部105は、電子マネーの利用地域、電子マネーの利用限度額、電子マネーの利用期限、電子マネーの利用目的との少なくとも1つを利用条件として設定可能に構成される。このとき、設定部105は、予め設定された複数のシナリオを保持し、該シナリオの一部を変更して利用条件として設定するようにしてもよい。例えば、電子マネーを地域振興券として発行する場合には、「地域振興券」のシナリオを選択して、利用可能な地域のみを所望の地域に変更することで、電子マネーの利用条件として利用地域を設定することができる。同様に、電子マネーをプレミアム商品券として発行する場合には、「プレミアム商品券」のシナリオを選択して、利用可能な地域と利用期限を所望の地域と期限に変更することで、電子マネーの利用条件として利用地域を設定することができる。また、企業が電子マネーを発行し、提携先でのみ利用可能とすることもできる。他にも、ふるさと納税の返礼品として所定の地域で利用できる電子マネーの提供、若手の芸術家の生活支援(スクール教育費用に利用可能で、地域ファンドマネーから提供される)、商店街の地域密着型店舗支援(商工会地域で利用可能)、町のボランティア活動(そうじ、イベント参加協力等)に対する謝礼として地域で利用できる電子マネーの提供、地場特産品のPR、民間企業の製品PR等に利用することもできる。
【0046】
なお、情報処理装置1は、コンピュータとプログラムにより実現することが可能であり、このプログラムは、コンピュータを情報処理装置1として機能させる。
【0047】
第1の端末である情報処理端末2は、利用者が用いるもので、購入部201と支払部202とを有する。購入部201は、後述する発行部401が発行した電子マネーを購入可能に構成される。具体的には、購入部201は、販売又は配布されている電子マネーから利用者が所望する電子マネーを購入又は受領する。電子マネーは、例えば、精算・発行装置4から購入する。支払部202は、利用条件に基づく電子マネーの支払を可能に構成される。具体的には、支払部202は、利用者が商品の購入等を行った際に、電子マネーによる支払いを行う。支払いは、情報処理端末3に対して行う。ただし、支払先等が利用条件に合致しない場合には、支払いを行うことはできない。つまり、情報処理端末2は、電子マネーの購入又は受領、電子マネーの管理、電子マネーの使用(支払い)を行うことができる。電子マネーの管理は、利用者が保有する現在の残高、支払い履歴、追加購入及びまたは受領した電子マネーの状態の管理である。
【0048】
情報処理端末3は、受領者が用いるもので、受領部301と精算部302とを有する。受領部301は、支払部202により支払われた電子マネーを受領可能に構成される。精算部302は、受領部301が受領した電子マネーの精算を行う。電子マネーの精算は、精算・発行装置4を対象に行う。
【0049】
精算・発行装置4は、発行部と401と、精算部402とを備える。発行部401は、情報処理装置1の発行者管理部103が管理する発行可能電子マネーの残高に基づいて、利用条件を付した電子マネーを発行可能に構成される。精算部402は、受領者管理部104が管理する精算可能な電子マネー残高に基づいて、現金の払い出しによる精算を可能に構成される。
【0050】
なお、精算・発行装置4から精算部を省略し、図示しない発行装置として構成することも可能である。この場合の発行装置は、電子マネーを発行する発行装置である。発行装置は、発行部を備え及び発行部は及び発行者が設定した利用条件を付した電子マネーを発行可能に構成される。
【0051】
6.システム100の利用例
次に、システム100の利用例について説明する。図6は、システム100の利用例を説明するための図である。
【0052】
利用者20は、精算・発行装置4に対する支払いにより(S101)、精算・発行装置4から「電子マネー」を購入する(S102)。購入した電子マネーは、情報処理端末2で管理される。この取引結果は、情報処理装置1に記憶される。
【0053】
また、利用者20は、店舗30又は企業の情報処理端末3からプレミア金券としての電子マネーを購入する(店舗30による代行販売)、又は、地域振興券、ポイントとしての電子マネーの配布を受領することもできる(S103)。店舗30による代行販売を行う場合には、店舗30側の現金管理(現金授受等)の精算処理を排除する為、利用者20は、クレジット決済等により(S104)、電子マネーの発行を受けるようにしてもよい(S105)。また、店舗30は、電子マネーの代行販売や配布を行った場合には、情報処理端末3が精算可能残高として、手数料等を受領する(S106)。なお、手数料等は、情報処理装置1の管理者(運営者)側から、店舗30に対する現金の振込に代えることが可能である。
【0054】
また、利用者20が商取引として、店舗30への支払いを行うと(S107)、情報処理端末2に対応する電子マネーの残高を減算し、情報処理端末3に対応する精算可能残高に充当する。また支払いに際しては、不正利用、不正取引の防止のために認証を行う。
【0055】
一方、店舗30は、情報処理端末3に対応する精算可能残高に応じて、精算を行うことができる。精算は、情報処理端末3が精算・発行装置4に対して精算を要求すると(S108)、その精算額に応じた現金が、精算・発行装置4から払い出される(S109)。
【0056】
情報処理装置1は、各発行者のファンドと、その発行(販売・配布)可能残高を保持する。また流通制御、流通制限、流通状況、使用状況、精算状況等を管理する。
【0057】
7.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
電子マネーの管理を行う情報処理装置であって、発行者管理部と、利用者管理部と、受領者管理部とを備え、前記発行者管理部は、発行済電子マネーの残高と、発行可能電子マネーの残高と、電子マネーの利用条件とを発行者毎に管理可能に構成され、前記利用者管理部は、支払い可能な電子マネー残高を利用者毎に管理可能に構成され、前記受領者管理部は、精算可能な電子マネー残高を受領者毎に管理可能に構成される情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記受領者管理部は、受領者が代行販売した電子マネーの未精算残高を管理可能に構成される情報処理装置。
前記情報処理装置において、設定部を備え、前記設定部は、電子マネーの利用地域、電子マネーの利用限度額、電子マネーの利用期限、電子マネーの利用目的との少なくとも1つを前記利用条件として設定可能に構成される情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記設定部は、予め設定された複数のシナリオを保持し、該シナリオの一部を変更して前記利用条件として設定する情報処理装置。
プログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるプログラム。
電子マネーを発行する発行装置であって、発行部を備え及び前記発行部は及び発行者が設定した利用条件を付した電子マネーを発行可能に構成される発行装置。
もちろん、この限りではない。
【0058】
また、上記のプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 :情報処理装置
2 :情報処理端末
3 :情報処理端末
4 :精算・発行装置
5 :ネットワーク
11 :処理部
12 :記憶部
13 :一時記憶部
14 :外部装置接続部
15 :通信部
16 :通信バス
20 :利用者
21 :処理部
22 :記憶部
23 :一時記憶部
24 :外部装置接続部
25 :通信部
26 :入力部
27 :表示部
28 :情通信バス
30 :店舗
41 :制御部
42 :紙幣出入部
43 :硬貨出入部
44 :表示部
45 :操作部
46 :撮像部
100 :システム
101 :記憶部
102 :利用者管理部
103 :発行者管理部
104 :受領者管理部
105 :設定部
201 :購入部
202 :支払部
301 :受領部
302 :精算部
401 :発行部
402 :精算部
411 :処理部
412 :記憶部
413 :一時記憶部
414 :外部装置接続部
415 :通信部
416 :通信バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6