IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Rita Technology株式会社の特許一覧

特開2022-138541容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法
<>
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図1
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図2
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図3
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図4
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図5
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図6
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図7
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図8
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図9
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図10
  • 特開-容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138541
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220915BHJP
   G07F 7/06 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G06T7/00 600
G07F7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038474
(22)【出願日】2021-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年11月9日にウェブサイト「環境ビジネスオンライン」にて公開 https://www.kankyo-business.jp/column/026480.php
(71)【出願人】
【識別番号】519072143
【氏名又は名称】Rita Technology株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】弁理士法人オーパス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 光陽
(72)【発明者】
【氏名】今宿 芳明
(72)【発明者】
【氏名】石坂 繁典
【テーマコード(参考)】
3E044
5L096
【Fターム(参考)】
3E044BA09
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA04
5L096CA18
5L096DA02
5L096FA52
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】廃棄された容器に関する情報を収集できる容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法を提供する。
【解決手段】容器情報収集システム1は、カメラ20と、制御装置40と、記憶装置60と、を有している。制御装置40は、カメラ20が撮影した画像に基づいて飲料容器Bに収容されていた飲料の商品名および飲み残しの有無を推定する。制御装置40は、商品名が推定された飲料容器Bの個数を商品名毎に計数し、総個数CTとして記憶装置60に格納する。制御装置40は、商品名および飲み残しの有無が推定された飲料容器Bの個数を商品名および飲み残しの有無毎に計数し、飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEとして記憶装置60に格納する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄された容器の画像を撮影する撮影装置と、
前記画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名を推定する容器情報推定部と、
前記商品名が推定された前記容器の個数を前記商品名毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする容器情報収集システム。
【請求項2】
廃棄された容器の画像を撮影する撮影装置と、
前記画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名および内容物の残りの有無を推定する容器情報推定部と、
前記商品名および前記内容物の残りの有無が推定された前記容器の個数を前記商品名および前記内容物の残りの有無毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする容器情報収集システム。
【請求項3】
前記容器を搬送する搬送装置を有し、
前記撮影装置が前記搬送装置によって搬送される前記容器の画像を撮影する、請求項1または請求項2に記載の容器情報収集システム。
【請求項4】
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名を推定する容器情報推定部と、
前記商品名が推定された前記容器の個数を前記商品名毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする容器情報収集装置。
【請求項5】
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名および内容物の残りの有無を推定する容器情報推定部と、
前記商品名および前記内容物の残りの有無が推定された前記容器の個数を前記商品名および前記内容物の残りの有無毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする容器情報収集装置。
【請求項6】
コンピュータが、
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名を推定し、
前記商品名が推定された前記容器の個数を前記商品名毎に計数して記憶装置に格納することを特徴とする容器情報収集方法。
【請求項7】
コンピュータが、
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名および内容物の残りの有無を推定し、
前記商品名および前記内容物の残りの有無が推定された前記容器の個数を前記商品名および前記内容物の残りの有無毎に計数して記憶装置に格納することを特徴とする容器情報収集方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄されたペットボトルやガラスびん、アルミ缶などの容器に関する情報を収集する容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源の有効活用の観点から、廃棄物をリサイクル可能な資源として再利用することが求められている。廃棄物の中でもペットボトルやガラスびん、アルミ缶などの容器については、分別廃棄することが一般に浸透しており、素材毎に袋などでまとめられた形態で回収される。例えば、特許文献1には、袋に詰められたペットボトルや缶などについて、リサイクル処理する前工程として、袋を分離除去する破袋機が記載されている。この破袋機によって、袋が取り除かれたあと、ペットボトルやガラスびん、アルミ缶などの廃棄された容器は、破砕処理などのリサイクル処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-38996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲料や食品などの商品は、内容物として容器に収容され、容器に商品名を付して販売される。そして、販売業者は、POS(Point of Sale)システムなどを用いて収集した販売情報に基づいて製造業者に商品を発注し、製造業者は発注状況に応じて生産数を調整したり、商品開発に活かしたりしている。しかしながら、廃棄された容器に関する情報については、収集されることがなく、販売業者や製造業者において活用されることがなかった。
【0005】
そこで、本発明は、廃棄された容器に関する情報を収集できる容器情報収集装置、容器情報収集システムおよび容器情報収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る容器情報収集システムは、
廃棄された容器の画像を撮影する撮影装置と、
前記画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名を推定する容器情報推定部と、
前記商品名が推定された前記容器の個数を前記商品名毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の他の一態様に係る容器情報収集システムは、
廃棄された容器の画像を撮影する撮影装置と、
前記画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名および内容物の残りの有無を推定する容器情報推定部と、
前記商品名および前記内容物の残りの有無が推定された前記容器の個数を前記商品名および前記内容物の残りの有無毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明において、
前記容器を搬送する搬送装置を有し、
前記撮影装置が前記搬送装置によって搬送される前記容器の画像を撮影することが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の他の一態様に係る容器情報収集装置は、
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名を推定する容器情報推定部と、
前記商品名が推定された前記容器の個数を前記商品名毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の他の一態様に係る容器情報収集装置は、
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名および内容物の残りの有無を推定する容器情報推定部と、
前記商品名および前記内容物の残りの有無が推定された前記容器の個数を前記商品名および前記内容物の残りの有無毎に計数して記憶装置に格納する容器計数部と、を有していることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の他の一態様に係る容器情報収集方法は、
コンピュータが、
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名を推定し、
前記商品名が推定された前記容器の個数を前記商品名毎に計数して記憶装置に格納することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の他の一態様に係る容器情報収集方法は、
コンピュータが、
廃棄された容器の画像に基づいて前記容器に収容されていた内容物の商品名および内容物の残りの有無を推定し、
前記商品名および前記内容物の残りの有無が推定された前記容器の個数を前記商品名および前記内容物の残りの有無毎に計数して記憶装置に格納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、廃棄された容器の画像に基づいて容器に収容されていた内容物の商品名を推定する。そして、商品名が推定された容器の個数を商品名毎に計数して記憶装置に格納する。このようにしたことから、記憶装置に格納された商品名毎の容器の個数に基づいて、回収された容器の全体の個数に占める商品名毎の割合を把握することができる。そのため、廃棄された容器に関する情報を収集して、当該情報を、容器を回収した地域における商品の需要予測や商品開発などに活用することができる。
【0014】
また、本発明によれば、廃棄された容器の画像に基づいて容器に収容されていた内容物の商品名および内容物の残りの有無を推定する。そして、商品名および内容物の残りの有無が推定された容器の個数を商品名および内容物の残りの有無毎に計数して記憶装置に格納する。このようにしたことから、記憶装置に格納された商品名および内容物の残りの有無毎の容器の個数に基づいて、商品名毎に内容物の残りの有無の割合を把握することができる。そのため、廃棄された容器に関する情報を収集して、当該情報を、容器を回収した地域における商品の需要予測や商品開発などに活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係る容器情報収集システムの概略構成を説明する図である。
図2図1の容器情報収集システムの機能ブロックを説明する図である。
図3図1の容器情報収集システムの制御装置における処理(容器情報収集処理)の一例を示すフローチャートである。
図4図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を真上から撮影した画像の一例を示す図である。
図5図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を搬送方向の前方右側斜め上方から撮影した画像の一例を示す図である。
図6図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を搬送方向の後方左側斜め上方から撮影した画像の一例を示す図である。
図7図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を真上から撮影したX線画像の一例を示す図である。
図8図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を搬送方向の前方右側斜め上方から撮影したX線画像の一例を示す図である。
図9図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を搬送方向の後方左側斜め上方から撮影したX線画像の一例を示す図である。
図10図1の容器情報収集システムの記憶装置に格納された情報の一例を示す図である。
図11図1の容器情報収集システムの記憶装置に格納された情報の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例に係る容器情報収集システムについて、図1図11を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施例に係る容器情報収集システムの概略構成を説明する図である。図2は、図1の容器情報収集システムの機能ブロックを説明する図である。図3は、図1の容器情報収集システムの制御装置における処理(容器情報収集処理)の一例を示すフローチャートである。図4図6は、図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を撮影した画像の例を示す図である。図4図6は、順にコンベアの搬送面を真上、搬送方向の前方右側斜め上方および搬送方向の後方左側斜め上方から撮影したものである。図7図9は、図1の容器情報収集システムのコンベアの搬送面を撮影したX線画像の例を示す図である。図7図9は、順にコンベアの搬送面を真上、搬送方向の前方右側斜め上方および搬送方向の後方左側斜め上方から撮影したものである。図10図11は、図1の容器情報収集システムの記憶装置に格納された情報の例を示す図である。図10は、図4図9に示す画像について容器情報収集処理を実行する直前の記憶装置の状態を示し、図11は、図4図9に示す画像について容器情報収集処理を実行した直後の記憶装置の状態を示す。
【0018】
本発明の実施例に係る容器情報収集システム1は、例えば、廃棄されたペットボトルなどの飲料容器Bを破砕する装置の上流に配置される。容器情報収集システム1は、廃棄された飲料容器Bについて、当該飲料容器Bに収容されていた内容物(飲料)の商品名(以下、単に「飲料容器Bの商品名」という。)および内容物の残りの有無(以下、「飲み残しの有無」という。)を推定し、商品名毎および飲み残しの有無毎に飲料容器を計数するものである。なお、本発明に係る容器情報収集システムは、飲料以外の内容物(食品、調味料、薬品など)の容器にも対応可能であり、容器についても、ペットボトル以外のもの(ガラスびん、アルミ缶、スチール缶など)にも対応可能である。
【0019】
図1に示すように、容器情報収集システム1は、搬送装置としてのコンベア10と、撮影装置としてのカメラ20と、容器情報収集装置としての制御装置40と、を有している。
【0020】
コンベア10は、複数の飲料容器Bを一方向(搬送方向F)に搬送する。コンベア10の搬送面10aは、廃棄された飲料容器Bが置かれる場所である。本実施例において、コンベア10は、ベルト式コンベアを採用しているが、飲料容器Bを搬送できるものであれば、ローラコンベアやバケット式のコンベアなどの他の種類の搬送装置を採用してもよい。
【0021】
カメラ20は、コンベア10の上方に設置されている。本実施例において、カメラ20はコンベア10の搬送面10aを真上、搬送方向Fの前方右斜め上方、および、搬送方向Fの後方左斜め上方から撮影するように3箇所に配置されている。カメラ20は、コンベア10によって搬送される飲料容器Bを撮影し、撮影した画像に応じた画像データを出力する。本実施例において、カメラ20として、カラー動画を撮影するRGBカメラ、および、X線画像を撮影するX線カメラを採用している。X線カメラは、撮影対象に対して照射されたX線を検出し、検出したX線に基づいて放射線画像としてのX線画像を生成する。カメラ20として、被写体を立体的に捉える3Dカメラや、近赤外線を用いて撮影する近赤外線カメラなど、他の種類のカメラを採用してもよい。撮影装置については、本発明の目的に反しない限り、システム構成や飲料容器の素材などに応じて選択すればよい。
【0022】
制御装置40は、容器情報収集システム1全体の動作を司る。制御装置40は、コンピュータを有している。コンピュータは、パーソナルコンピュータでもよく、ワークステーションやサーバ装置のような大型コンピュータでもよい。コンピュータは、中央処理装置(CPU)と、CPUによって実行される各種プログラムを格納したメモリやハードディスク装置などからなるプログラム記憶装置と、を有している。制御装置40には、無線通信回線を通じてタブレット端末50が接続されている。タブレット端末50は、容器情報収集システム1の各種状態を表示する表示装置および容器情報収集システム1に対する操作が入力される操作入力装置として用いられる。
【0023】
なお、制御装置40には、タブレット端末50に代えて、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを有するモニタ装置などの表示装置、ならびに、キーボードおよびマウスなどの操作入力装置が接続されていてもよい。または、タブレット端末50が有する、コンピュータからなる制御部(図示なし)を制御装置40として用いてもよい。
【0024】
また、制御装置40には、外付けハードディスク装置などの記憶装置60が接続されている。この記憶装置60には、飲料容器Bの商品名を推定するための学習に用いられる商品名推定用の教師データが格納される。この教師データは、あらかじめ用意した飲料容器の画像(例えば、商品名「ABC」のラベルが付されたペットボトル)と、当該飲料容器に収容される飲料の商品名を示す情報(例えば、「ABC」)と、の組み合わせを含む。なお、商品名を示す情報には、製造業者に関する情報を含めてもよい(例えば、「○○株式会社:ABC」)。また、記憶装置60には、飲料容器に飲料が収容されているか否か、すなわち、飲み残しの有無を推定するための学習に用いられる飲み残し有無推定用の教師データも格納される。この教師データは、あらかじめ用意した、飲料が収容されている飲料容器のX線画像と、「飲み残し有り」を示す情報と、の組み合わせ、および、あらかじめ用意した、飲料が収容されていない飲料容器のX線画像と、「飲み残し無し」を示す情報と、の組み合わせを含む。制御装置40と、記憶装置60およびタブレット端末50は、例えば、インターネットなどを介して接続されていてもよい。
【0025】
また、記憶装置60には、商品名毎に飲料容器Bの個数(総個数CT)が格納される。さらに、記憶装置60には、飲料容器Bについて商品名毎に飲み残し有りの飲料容器Bの個数(飲み残し有り個数CL)および飲み残し無しの飲料容器Bの個数(飲み残し無し個数CE)が格納される。総個数CTは、飲み残し有り個数CLと飲み残し無し個数CEとを足した値である。記憶装置60に格納した飲料容器Bの総個数CT、飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEの例を、図10図11に示す。
【0026】
本実施例において、制御装置40は、カメラ20から出力された各種画像データに基づいて、コンベア10によって搬送される複数の飲料容器Bのそれぞれの位置および形状を特定する。制御装置40は、位置および形状を特定した複数の飲料容器Bのそれぞれについて、飲料容器Bの商品名および飲み残しの有無を推定する。制御装置40は、商品名が推定された飲料容器Bの個数を当該商品名毎に計数して記憶装置60に格納する。制御装置40は、商品名および飲み残しの有無が推定された飲料容器Bの個数を当該商品名および飲み残しの有無毎に計数して記憶装置60に格納する。
【0027】
制御装置40のコンピュータは、プログラム記憶装置に格納されたプログラム(容器情報収集プログラム)を実行することにより、図2に示すように、容器特定部41、容器情報推定部42および容器計数部43として機能する。
【0028】
容器特定部41は、カメラ20から出力された各種画像データ(カラー画像データ、X線画像データ)を取得する。容器特定部41は、各種画像データに基づいて、コンベア10の搬送面10a上の複数の飲料容器Bのそれぞれの位置および形状を特定する。容器特定部41は、各種画像データについて、複数の飲料容器Bのそれぞれに対応する部分を切り出すなどの加工をして容器情報推定部42に出力する。なお、容器特定部41は、各種画像データをそのまま容器情報推定部42に出力してもよい。
【0029】
容器情報推定部42は、容器特定部41によって位置および形状が特定された複数の飲料容器Bのそれぞれについて、飲料容器Bの商品名および飲み残しの有無を推定する。具体的には、容器情報推定部42は、容器特定部41から出力されたカラー画像データを取得し、カラー画像データについて商品名の推定のために用意した認識パターンデータを用いたパターンマッチング処理を行うことにより、飲料容器Bの商品名を推定する。また、容器情報推定部42は、容器特定部41から出力されたX線画像データを取得し、X線画像画像データについて飲み残しの有無の推定のために用意した認識パターンデータを用いたパターンマッチング処理を行うことにより、飲料容器Bの飲み残しの有無を推定する。
【0030】
なお、容器情報推定部42は、これ以外の処理方法を用いて飲料容器Bの商品名および飲み残しの有無を推定してもよい。例えば、飲料容器Bが透光性を有する場合、容器情報推定部42は、X線画像データに代えて、飲料容器Bの中身の状態が見えるように強い光を照射した状態を撮影したカラー画像データを用いて、飲料容器Bの飲み残しの有無を推定するようにしてもよい。容器情報推定部42が飲料容器Bの商品名および飲み残しの有無の推定に用いる認識パターンデータは、記憶装置60に記憶された教師データを用いた機械学習により更新される。
【0031】
容器情報推定部42は、記憶装置60に新たな教師データが追加されたときに、記憶装置60から教師データを読み出し、機械学習を行って認識パターンデータを更新する。本実施例では、容器情報推定部42は、誤差逆伝播法による最適化手法を用いた畳み込みニューラルネットワークにより機械学習を行うように構成されている。もちろん、これ以外の方法で機械学習を行ってもよい。
【0032】
容器計数部43は、容器情報推定部42によって商品名が推定された飲料容器Bの個数を当該商品名毎に計数して記憶装置60に格納する。具体的には、容器計数部43は、容器情報推定部42によって推定された飲料容器Bの商品名について記憶装置60を検索する。そして、容器計数部43は、当該商品名に係る記憶領域(図10図11において行方向に並ぶ情報を1レコードとして格納する領域)が見つかると、当該記憶領域の総個数CTを1つ増やす。容器計数部43は、当該商品名に係る記憶領域が見つからないと、当該商品名に係る記憶領域を作成して、当該記憶領域に総個数CTを1として格納し、飲み残し有り個数CLを0として格納し、飲み残し無し個数CEを0として格納する。
【0033】
また、容器計数部43は、商品名および飲み残しの有無が推定された飲料容器Bの個数を当該商品名および飲み残しの有無毎に計数して記憶装置60に格納する。具体的には、容器計数部43は、飲料容器Bについて推定された商品名について記憶装置60を検索する。そして、容器計数部43は、当該商品名に係る記憶領域が見つかると、飲み残し有りと推定した場合は飲み残し有り個数CLを1つ増やし、飲み残し無しと推定した場合は飲み残し無し個数CEを1つ増やす。
【0034】
また、容器計数部43は、タブレット端末50からの要求により、商品名、総個数CT、飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEを記憶装置60から読み出して当該タブレット端末50に出力する。
【0035】
次に、上述した実施例の容器情報収集システム1の制御装置40のコンピュータにおいて実行される本発明に係る処理(容器情報収集処理)の一例について、図3に示すフローチャート、および、図4図9に示す画像例を参照して説明する。なお、図10に示す記憶装置60は、図4図9に示す画像について容器情報収集処理を実行する直前の状態を示し、図11に示す記憶装置60は、図4図9に示す画像について容器情報収集処理を実行した直後の状態を示す。
【0036】
制御装置40は、カメラ20を制御して、複数の飲料容器Bが搬送される様子を撮影する。そして、制御装置40は、カメラ20から出力された画像データを解析して、画像データに含まれる複数の飲料容器Bのそれぞれの位置および形状を特定する(S110)。
【0037】
具体的には、制御装置40は、図4図9に示す画像がカメラ20から出力されると、これらを解析して、飲料容器B1~B8について位置および形状を特定する。
【0038】
制御装置40は、位置および形状を特定した複数の飲料容器B1~B8のそれぞれについて、画像データに基づいて商品名を推定する(S120)。
【0039】
具体的には、制御装置40は、図4図6に示すカラー画像を用いてパターンマッチング処理を行う。この処理によって、飲料容器B1、B2、B4について商品名を「DEF」と推定し、飲料容器B3、B7について商品名を「ABC」と推定し、飲料容器B5、B6について商品名を「GHI」と推定し、飲料容器B8について商品名を「JKL」と推定する。
【0040】
制御装置40は、位置および形状を特定した複数の飲料容器Bのそれぞれについて、画像データに基づいて飲み残しの有無を推定する(S130)。
【0041】
具体的には、制御装置40は、図7図9に示すX線画像を用いてパターンマッチング処理を行う。図7図9において、内容物の残りをハッチングで模式的に示している。この処理によって、飲料容器B1、B3、B7について「飲み残し有り」と推定し、飲料容器B2、B4、B5、B6、B8について「飲み残し無し」と推定する。
【0042】
制御装置40は、商品名を推定した飲料容器Bの個数を当該商品名毎に計数する(S140)。また、制御装置40は、商品名および飲み残しの有無を推定した飲料容器Bの個数を当該商品名および飲み残しの有無毎に計数する(S150)。
【0043】
具体的には、制御装置40は、飲料容器B1の商品名「DEF」について記憶装置60(図10)を検索すると、商品名「DEF」に係る記憶領域が見つかり、当該記憶領域の総個数CTを1つ増やす。また、制御装置40は、飲料容器B1について「飲み残し有り」と推定しているため、当該記憶領域の飲み残し有り個数CLを1つ増やす。制御装置40は、飲料容器B3、B7についても同様に処理する。
【0044】
制御装置40は、飲料容器B2の商品名「DEF」について記憶装置60(図10)を検索すると、商品名「DEF」に係る記憶領域が見つかり、当該記憶領域の総個数CTを1つ増やす。また、制御装置40は、飲料容器B2について「飲み残し無し」と推定しているため、当該記憶領域の飲み残し無し個数CEを1つ増やす。制御装置40は、飲料容器B4、B5、B6についても同様に処理する。
【0045】
制御装置40は、飲料容器B8の商品名「JKL」について記憶装置60(図10)を検索すると、商品名「JKL」に係る記憶領域が見つからないため、商品名「JKL」に係る記憶領域を新たに作成して、この記憶領域に総個数CTを1として格納し、飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEを0として格納する。また、制御装置40は、飲料容器B8について「飲み残し無し」と推定しているため、当該記憶領域の飲み残し無し個数CEを1つ増やす。
【0046】
以降、制御装置40は、上記処理(S110~S150)を繰り返し実行する。
【0047】
以上説明したように、本実施例の容器情報収集システム1は、廃棄された飲料容器Bの画像を撮影するカメラ20と、制御装置40と、を有している。制御装置40は、カメラ20が撮影した画像に基づいて飲料容器Bに収容されていた飲料の商品名および飲み残しの有無を推定する。制御装置40は、商品名が推定された飲料容器Bの個数を商品名毎に計数し、総個数CTとして記憶装置60に格納する。制御装置40は、商品名および飲み残しの有無が推定された飲料容器Bの個数を商品名および飲み残しの有無毎に計数し、飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEとして記憶装置60に格納する。
【0048】
このようにしたことから、記憶装置60に格納された商品名毎の飲料容器Bの個数(総個数CT)に基づいて、回収された飲料容器Bの全体の個数に占める商品名毎の割合を把握することができる。商品名毎の割合の比較が可能になる。例えば、回収された飲料容器Bの全体の個数が1000個で、そのうち商品名「DEF」の飲料容器Bの総個数CTが300個だった場合、商品名「DEF」の飲料容器Bは全体の30%を占めることになる。そのため、廃棄された飲料容器Bに関する情報を収集して、当該情報を、飲料容器Bを回収した地域における商品の需要予測や商品開発などに活用することができる。
【0049】
また、記憶装置60に格納された商品名および飲み残しの有無毎の飲料容器Bの個数(飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CE)に基づいて、商品名毎に飲み残しの有無の割合を把握することができる。例えば、商品名「DEF」について、飲み残し有り個数CLが30個、飲み残し無し個数CEが270個だった場合、商品名「DEF」の飲料容器Bに係る飲料は10%に飲み残しがあることがわかり、味の改良や内容量の見直しの判断に用いることができる。そのため、廃棄された飲料容器Bに関する情報を収集して、当該情報を、飲料容器Bを回収した地域における商品の需要予測や商品開発などに活用することができる。
【0050】
また、容器情報収集システム1は、飲料容器Bを搬送するコンベア10を有している。そして、カメラ20が、コンベア10によって搬送される飲料容器Bの画像を撮影する。このようにすることで、多数の飲料容器Bに係る情報を効率的に収集することができる。なお、本発明は、例えば、固定されたテーブルや地面に飲料容器Bが置かれる構成にも適用することもできる。
【0051】
上述した実施例では、「商品名」は商標として用いられるものを想定しているが、本発明の「商品名」は商品の種類(例えば、「コーヒー」、「お茶」など)を含む概念である。そのため、容器情報収集システム1において、「コーヒー」や「お茶」などの種類毎に飲料容器Bの個数を計数するようにしてもよい。また、「商品名」には、製造業者に関する情報を含めてもよい(例えば、「○○株式会社:ABC」)。
【0052】
また、上述した実施例では、制御装置40が、飲料容器Bの総個数CT、ならびに、飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEを計数するものであったが、例えば、総個数CTのみ、または、飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEのみを計数するものであってもよい。飲み残し有り個数CLおよび飲み残し無し個数CEから総個数CTを算出するようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施例では、制御装置40が、飲料容器Bの個数を商品名および飲み残しの有無毎に計数するものであったが、飲み残し有りの場合に飲み残し量を推定して商品名毎に集計するようにしてもよい。この場合、例えば、飲み残し量の区分(75%以上、50%以上、25%以上、25%未満、0など)を設定して、区分毎に飲料容器Bの個数を計数する。または、商品名毎に飲み残し量の合計を算出したり、飲み残し量の合計を飲料容器Bの総個数CTで割ることにより1本あたりの平均飲み残し量を算出したりしてもよい。
【0054】
上記に本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1…容器情報収集システム
10…コンベア
10a…搬送面
20…カメラ
40…制御装置
41…容器特定部
42…容器情報推定部
43…容器計数部
50…タブレット端末
60…記憶装置
B、B1~B8…飲料容器
CT…総個数
CL…飲み残し有り個数
CE…飲み残し無し個数

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11