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  • -間仕切り用支柱ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138577
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】間仕切り用支柱ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
E04B2/74 531G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038534
(22)【出願日】2021-03-10
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】591006117
【氏名又は名称】株式会社ナガエ
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】津原 智晃
(57)【要約】
【課題】簡単に製造することができ、簡単な作業でがたつきが無く確実に組み立てることができる間仕切り用支柱ユニットを提供する。
【解決手段】柱や梁となる中空のポール12と、ポール12の端部に取り付けられる差込突部20を有するジョイント14を備える。ポール12の内周面12aと、ジョイント14の差込突部20との間に嵌め込むスペーサ16を備える。スペーサ16は、ジョイント14の差込突部20の外側面と、ポール12の内周面12aの間に挟まれる覆い部材24を備える。覆い部材24の厚みは、ポール12への差込方向の先端部に近づくにつれて厚くなるテーパを有する。覆い部材24は、ジョイント14の差込突部20を覆う同形に2分割されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱や梁となる中空のポールと、前記ポールの端部の中空の筒部に差し込んで取り付けられる差込突部を有するジョイントと、前記ポールの内周面と前記ジョイントの前記差込突部との間にはめ込むスペーサから成り、
前記スペーサは、合成樹脂製であり、前記ジョイントの前記差込突部の外側面と前記ポールの内周面の間に挟まれる覆い部材が設けられ、前記覆い部材の厚みは前記ポールへの差込方向の先端部に近づくにつれて厚くなるテーパが設けられていることを特徴とする間仕切り用支柱ユニット。
【請求項2】
前記スペーサに設けられた前記覆い部材は、前記ジョイントの前記差込突部を覆う同形で一対に形成され、
前記一対の覆い部材の一方の端部同士が、ヒンジ部により開閉自在に連結され、
前記覆い部材の、前記ヒンジ部とは反対側の端部には、前記ポールの前記端部に当接するフランジ部を有し、前記覆い部材は、前記フランジ部から前記ヒンジ部を有する反対側の端部に達する空隙を介して、2分割されている請求項1記載の間仕切り用支柱ユニット。
【請求項3】
前記ジョイントの、前記差込突部にはフィンが設けられて断面十字状であり、前記フィンの外側面は、突出方向に交差する幅が、前記差込突部の先端に近づくにつれて僅かに狭くなるようにテーパが設けられ、前記フィンの、前記外側面のテーパの傾斜角度は、前記スペーサのテーパの傾斜角度よりも小さい請求項1記載の間仕切り用支柱ユニット。
【請求項4】
前記スペーサの前記覆い部材には、前記フィンの外側面と、前記ポールの内周面に挟まれる舌片が設けられ、前記舌片は、一方向に長い薄板状であり、長手方向の一方の端部は前記覆い部材の前記フランジ部側に連結し、反対側の先端部は前記ヒンジ部が設けられた前記端部側へ突出し、自由端となり、前記舌片の、突出方向に沿う一対の側縁部には、前記フィンの外側面に交差する横側面の一部を覆うようにL字形に折り曲げられたような外側面覆い部が設けられ、
前記舌片の、突出方向に対して交差する厚みは、自由端である前記先端部に近づくにつれて厚くなるテーパが設けられ、前記舌片の前記外側面に対する内側面のテーパの傾斜角度は、前記フィンの、テーパの傾斜角度よりも大きい請求項1記載の間仕切り用支柱ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人が入ることができる空間を形成する間仕切りを設ける間仕切り用支柱ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、避難所やイベントスペース等で、間仕切りを設けて内側に人が入ることができる空間を形成することがある。この様な間仕切りは簡易的なものであり、組み立てと解体が簡単である。例えば、特許文献1に開示されている簡易式立体型間仕切りは、複数本の棒状部材と、棒状部材どうしを連結するための連結部材と、シート部材と含んで構成されている。棒状部材と連結部材とにより立体型骨組みが組み立てられ、この立体型骨組みに形成される複数の面に複数枚のシート部材が配設されることにより、これらの面が遮蔽される。棒状部材は、硬質紙製または合成樹脂製であり、長さ方向と直交する断面が円形であり、内部は、棒状部材の両端まで連続している空洞部となる。連結部材は、六面体の合成樹脂製の部材であり、各面には、棒状部材を連結する棒状部材連結部が設けられている。棒状部材連結部は、各面から略直角に突出した円柱状の突起であり、棒状部材の空洞部に差し込まれて係合する。
【0003】
特許文献2に開示されている間仕切り装置は、金属製の中空部材であり表面に長手方向における一端から他端にまで続く凹部が設けられた複数の管と、前記複数の管の一端と他端とにそれぞれ取り付けられる複数の連結部材と、複数の管に設けられた凹部に上下左右の端部が嵌め込まれるパネルとを備えている。連結部材は合成樹脂製であり、立方体形状の本体部と、本体部と別体で管の端部を外挿嵌合する複数の中空筒部から成る。中空筒部は、本体部に螺合して取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-129663号公報
【特許文献2】特開2016-125259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記背景技術の特許文献1の場合は、棒状部材と連結部材の連結方法は、棒状部材の空洞部に連結部材の棒状部材連結部を差し込むだけであり、空洞部の内径と棒状部材連結部の外径に、ゆとりが大きいとがたつきが発生し、ゆとりが少ないと差し込みにくくなるので、外径の加工に精度が求められるものであり、製造に手間がかかる。また組み立ての作業効率も良くなく、がたつき無く確実に連結することが難しい。また、特許文献2の場合も同様に、管と連結部材の連結方法は、管の端部を連結部材の中空筒部に差し込むだけであり、外径の加工に精度が求められるものであり、また組み立ての作業効率も良くなく、がたつき無く確実に連結することが難しい。中空筒部は、本体部に螺合して取り付けられるため、組み立てが面倒である。
【0006】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単に製造することができ、簡単な作業で、がたつきが無く確実に組み立てることができる間仕切り用支柱ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、柱や梁となる中空のポールと、前記ポールの端部の中空の筒部へ差し込んで取り付けられる差込突部を有するジョイントと、前記ポールの内周面と前記ジョイントの前記差込突部との間にはめ込むスペーサから成り、前記スペーサは、合成樹脂製であり、前記ジョイントの前記差込突部の外側面と前記ポールの内周面の間に挟まれる覆い部材が設けられ、前記覆い部材の厚みは前記ポールへの差込方向の先端部に近づくにつれて厚くなるテーパが設けられている間仕切り用支柱ユニットである。前記テーパの傾斜角度は、例えば1.6°である。
【0008】
前記スペーサに設けられた前記覆い部材は、前記ジョイントの前記差込突部を覆う同形で一対に形成され、前記一対の前記覆い部材の一方の端部同士が、ヒンジ部により開閉自在に連結され、前記覆い部材の、前記ヒンジ部とは反対側の端部には、前記ポールの前記端部に当接するフランジ部を有し、前記覆い部材は、前記フランジ部から前記ヒンジ部を有する反対側の端部に達する空隙を介して、2分割されているものである。
【0009】
前記ジョイントの、前記差込突部にはフィンが設けられて断面十字状である。前記フィンの外側面は、突出方向に交差する幅が、前記差込突部の先端に近づくにつれて僅かに狭くなるようにテーパが設けられている。前記外側面の、突出方向に対する傾斜角度は、例えば1.5°である。
【0010】
前記スペーサの前記覆い部材には、前記フィンの外側面と、前記ポールの内周面に挟まれる舌片が設けられ、前記舌片は、一方向に長い薄板状であり、長手方向の一方の端部は前記覆い部材の前記フランジ部側に連結し、反対側の先端部は前記ヒンジ部が設けられた前記端部側へ延出し、自由端となり、前記舌片の、突出方向に沿う一対の側縁部には、前記フィンの外側面に交差する横側面の一部を覆うようにL字形に折り曲げられたような外側面覆い部が設けられ、前記舌片の、突出方向に対して交差する厚みは、自由端である前記先端部に近づくにつれて厚くなるテーパが設けられている。前記舌片の前記外側面に対する内側面のテーパの傾斜角度は、前記フィンの、テーパの傾斜角度よりも大きいものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の間仕切り用支柱ユニットは、簡単に製造することができ、また簡単な作業で、がたつきが無く確実に組み立てることができる。弱い力でも組み立てることができ、誰にでも工具等を使わずに短時間で簡単に設営することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の一実施形態の間仕切り用支柱ユニットの分解斜視図である。
図2】この実施形態の間仕切り用支柱ユニットの組立工程を示す部分破断縦断面図である。
図3】この実施形態の間仕切り用支柱ユニットの部分破断縦断面図である。
図4】この実施形態の間仕切り用支柱ユニットのジョイントの上面図(a)と正面図(b)、底面図(c)、右側面図(d)である。
図5図4(c)のA-A線縦断面図である。
図6】この実施形態の間仕切り用支柱ユニットのジョイントの上面図(a)と左側面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)である。
図7図6(b)のB-B線縦断面図である。
図8図6(b)のC-C線縦断面図である。
図9】この実施形態の間仕切り用支柱ユニットの使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1はこの発明の一実施形態の間仕切り用支柱ユニット10の分解斜視図である。間仕切り用支柱ユニット10は、柱や梁となる中空のポール12と、ポール12の一方の端部12b又は他方の端部12bに中空の筒部に差し込んで取り付けられるジョイント14と、ポール12の内周面12aとジョイント14との間にはめ込むスペーサ16から成る。
【0014】
まず、ポール12について説明する。ポール12は、断面が円形の、金属製の中空部材であり、例えばアルミ押出型材であり、寸法は直径22mm、長さ2mである。
【0015】
次に、ジョイント14について図1図5に基づいて説明する。ジョイント14は、金属製のブロック体であり、例えばアルミダイカストである。ジョイント14は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸に対して、それぞれ直角に位置する6面の平面部18aを有する略6面体の本体部18と、本体部18の6つの平面部18aのうち5つに一体に形成された同形状の5つの差込突部20からなる。
【0016】
ここでは、Z軸に対して直角に位置する一対の平面部18aのうち一つの平面部18cには、差込突部20が設けられていない。従って、5つの差込突部20は本体部18を中心として、X軸方向に互いに離れる方へ一対が突出し、Y軸方向に互いに離れる方で一対が突出し、Z軸方向に一つが突出している。なお、本体部18表面の、平面部18a,18c以外の部分は、面取りされて曲面部18bとなり全周に連続して球のようになっている。曲面部18bには、3つの平面部18a,18cに囲まれた部分に、軽量化のためになだらかな凹部19が形成されている。平面部18cにも軽量化のために凹部が設けられてもよい。
【0017】
差込突部20は、平面部18aに対して直角な方向に突出する短い突起であり、突出方向に対して略直角な断面形状が十字状であり、突出方向に沿って細長い板状のフィン22が4つ設けられ、隣接するフィン22どうしは互いに略直角に位置している。差込突部20の、突出方向に交差する幅、即ち互いに平行な一対のフィン22の外側面22aどうしの間隔は、差込突部20の先端20aに近づくにつれて僅かに狭くなるようにテーパが設けられている。外側面22aの、突出方向に対する傾斜角度αは例えば1.5°である。
【0018】
次に、スペーサ16について図1図3図6図8に基づいて説明する。スペーサ16は、適度な柔軟性を有する熱可塑性樹脂等の合成樹脂製である。スペーサ16は、ジョイント14の差込突部20の半分を覆う同形で一対の覆い部材24からなり、一対の覆い部材24はヒンジ部26で連結されている。覆い部材24は。ヒンジ部26を中心に互いに開閉可能である。覆い部材24の、ヒンジ部26とは反対側の端部は、半円筒形状の基端部28であり、基端部28の軸方向の長さは短い。基端部28の軸方向の、ヒンジ部26とは反対側の端部には、ポール12の端部12bに当接するフランジ部29が外側に突出して設けられている。
【0019】
基端部28の軸方向の、フランジ部29と反対側であるヒンジ部26側は、基端部28の円周方向に交差する両端部付近に設けられ基端部28の軸方向に延出する覆い板部30が設けられている。覆い板部30は、ジョイント14の差込突部20のフィン22の、面方向である横側面22bに重ねられるものであり、面一となる一対のフィン22を覆う幅を有している。覆い板部30の、基端部28とは反対側の端部30aは、差込突部20の長さより少し長く突出し、突出方向に対して直角に交差する平面となる。覆い板部30の、互いに離れた側縁部には、一対のフィン22の横側面22bに交差する外側面22aの半分より少し狭い範囲を覆うようにL字形に折り曲げられたような外側面覆い部32が設けられている。外側面覆い部32は外側面22aの半分より少し狭いため、一対の覆い部材24がジョイント14の差込突部20を覆って取り付けられた時に、外側面覆い部32どうしの間に空隙33が生じる。
【0020】
覆い板部30の中央には、面一となる一対のフィン22の間に直角に立ち上がるフィン22が突出する透孔34が形成されている。透孔34から離間して透孔34に対面する外側には、舌片36が設けられている。舌片36は、一方向に長い薄板状であり、長手方向の一方の端部は基端部28に連結し、反対側の先端部36aは、基端部28と離れる方向であるヒンジ部26側へ延出し、自由端となる。
【0021】
舌片36の、突出方向に沿う一対の側縁部には、フィン22の横側面22bを覆うようにL字形に折り曲げられたような外側面覆い部38が設けられている。外側面覆い部38は、基端部28に近い部分は幅広であり、覆い板部30に連続している。先端部36aに近い部分は細く、覆い板部30から離間しており、先端部36aが自由に揺動する。舌片36の、透孔34の挿通方向に沿う厚みは、先端部36aに近づくにつれて厚くなるテーパが設けられている。舌片36の、透孔34側の内側面36cと、内側面36cとは反対側の外側面36bの厚みのテーパの傾斜角度βは、フィン22の、テーパの傾斜角度αよりも少し大きく、例えば1.6°である。基端部28の、フランジ部29と反対側であるヒンジ部26側には、覆い板部30と外側面覆い部38で囲まれた間に、扇形の閉鎖面31が形成されている。
【0022】
覆い板部30の端部30aには、ヒンジ部26が一体に設けられている。ヒンジ部26は薄肉の小さい帯体であり、帯体の面は、覆い板部30の面方向に対して平行である。ヒンジ部26で連結された一対の覆い部材24は、覆い板部30の面方向に対して交差する方向に開閉する。覆い板部30、舌片36、外側面覆い部38の各内側面には、基端部28から突出する方向に沿う線状の突状40が複数本形成されている。
【0023】
次に、この間仕切り用支柱ユニット10の組立方法について説明する。まず、図2に示すように、ポール12の端部12bに、スペーサ16を差し込む。スペーサ16のヒンジ部26側を奥にして差し込むと、フランジ部29がポール12の端部に当接し、それ以上差し込み不可となり、所定位置に設置される。スペーサ16を差し込む時は、一対の覆い部材24の間に空隙33を無くしたり、外側面覆い部32どうしをずらしたりして径を小さくすることにより、ポール12の内側に円滑に挿入可能となる。フランジ部29がポール12の端部12bに当接すると、外側面覆い部32の重なりは無くなり、空隙33を有して連続する円筒状となる。
【0024】
そして、図3に示すように、ポール12に設置したスペーサ16の中に、ジョイント14の一つの差込突部20を差し込む。この時、差込突部20の、面一となる一対のフィン22が覆い板部30の内側に重ねられ、一対のフィン22の間に位置し直角に立ち上がるフィン22が舌片36の内側に重ねられる向きに入れる。覆い板部30と外側面覆い部38の間に閉鎖面31があり、フィン22が通過可能な空間が十字形になるため、差込突部20のフィン22がガイドされて、簡単に位置決めされジョイント14がずれることが無い。そして、フィン22の外側面22aに押されてスペーサ16の舌片36は弾性変形して広がり、ポール12の内周面12aに圧接される。フィン22のテーパの傾斜角度αは1.5°であり、舌片36のテーパの傾斜角度βは1.6°であるため、フィン22を深く入れるほど圧力が高まる。このことから、比較的弱い力で差し込んで、徐々に力を入れて押すことで、強い取り付け強度を得ることができ、ポール12とジョイント14は十分な取り付け強度により連結される。ジョイント14の本体部18の平面部18aが、スペーサ16のフランジ部29の外側の面に当接しそれ以上差し込まれなくなり、位置決めされ、連結が完了する。
【0025】
ジョイント14の、ポール12に差し込まれた差込突部20以外の差込突部20に、同様に、スペーサ16を設置したポール12を取り付ける。差込突部20どうしは互いに直角に位置しているため、ポール12どうしを互いに直角に連結することができる。これを繰り返して、ポール12による柱と梁を組み立て、図9に示す間仕切り用支柱ユニット10とする。間仕切り用支柱ユニット10の梁等に布製や段ボール製の仕切り材41をつるして、人が入ることができる空間42を囲む間仕切り44となる。仕切り材41は、例えば一方の幅がポール12の長さと等しく他方の幅がポール12の長さの半分の長方形の布の場合、仕切り材41の長手方向を垂直にして上端部を梁となるポール12に2枚並べて取り付ける。これにより、一方の仕切り材41を巻き上げたり横方向に束ねたりして、出入り口を作ることもできる。4つの空間42を縦横に2つ連続して設けるためには、66本のポール12と、18個のジョイント14、90個のスペーサ16が必要であり、これを1セットとして商品にしてもよい。
【0026】
この実施形態の間仕切り用支柱ユニット10は、簡単に製造することができ、簡単な作業で、がたつきが無く確実に組み立てることができ、弱い力でも組み立てることができ、誰にでも工具等を使わずに簡単に設営することができる。避難所やイベントスペースにおいて、短時間で設営し、休憩や各種作業を行う空間42を作ることができる。また、スペーサ16は、一対の覆い部材24がヒンジ部26で連結されて設けられているため、覆い部材24の間の空隙33をつぶしたり、外側面覆い部32どうしをずらしたりして径を小さくすることにより、ポール12の端部12bに差し込みやすいものである。フランジ部29がポール12の端部12bに当接し、それ以上差し込まれず位置決めされるので、位置決めがわかり易く、作業性が良好である。
【0027】
特に、ジョイント14のフィン22の外側面22aは、テーパの傾斜角度αが1.5°であり、スペーサ16の舌片36の内側面36cの、テーパの傾斜角度βは1.6°であるので、ジョイント14をスペーサ16に奥に深く差しむほど舌片36を押し広げてポール12の中空の内周面12aに強い力で圧接することができる。このため、弱い力で差し込んで操作性が良好であり、最後に力を込めて押すことで、強い取り付け強度を得ることができ、抜けやがたつきを防ぐことができる。
【0028】
その他、スペーサ16の舌片36と外側面覆い部38、覆い板部30の各内側面には、突状40が突出方向に設けられているため、ジョイント14の差込突部20を差し込む際の摩擦抵抗が小さくなり、差し込みやすい。スペーサ16の、基端部28の内側には、フィン22が通過不可能な閉鎖面31が設けられ、フィン22が通過可能な空間が十字形になるため、差込突部20のフィン22がガイドされて、簡単に位置決めされるためジョイント14の差込作業が容易である。ポール12とジョイント14はアルミ製であり、軽量で、リサイクルが可能で環境への負荷が低い。また組立前はコンパクトであり保管スペースを取らない。
【0029】
なお、この発明の間仕切り用支柱ユニットは、上記実施の形態に限定されるものではない。
各部材の形状や材料、寸法は自由に変更可能である。
【符号の説明】
【0030】
10 間仕切り用支柱ユニット
12 ポール
12a 内周面
14 ジョイント
16 スペーサ
20 差込突部
22 フィン
22a 外側面
24 覆い部材
26 ヒンジ部
29 フランジ部
30 覆い板部
32,38 外側面覆い部
30a 端部
33 空隙
36 舌片
36a 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9