IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジャパンパイル株式会社の特許一覧

特開2022-138614ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法
<>
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図1
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図2
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図3
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図4
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図5
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図6
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図7
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図8
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図9
  • 特開-ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138614
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 13/10 20060101AFI20220915BHJP
   E02D 13/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E02D13/10
E02D13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038587
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】505408686
【氏名又は名称】アジアパイルホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】尾古 健太郎
【テーマコード(参考)】
2D050
【Fターム(参考)】
2D050CB23
2D050EE04
2D050EE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収するヤットコ回転機構、杭保持治具、並びにヤットコ回収方法を提供する。
【解決手段】ヤットコ回転機構は、杭穴1に杭4が配置された状態で、前記杭穴1を跨ぐ基台14に支持される、ヤットコ100の柱状のロッド104の外周面を保持する筒状の保持治具16に設けられる第1の押圧部58と、前記基台14に設けられる第2の押圧部32とを有する。前記第1の押圧部58及び前記第2の押圧部32は、両者を第1の油圧ジャッキ18で挟み込み可能な位置に配置可能である。前記保持治具16が前記基台14に支持された状態で、前記第2の押圧部32に対して前記第1の押圧部58は、前記第1の油圧ジャッキ18による挟み込みによる押圧により水平方向に移動可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭穴に柱状の杭が配置された状態で、前記杭穴を跨ぐ基台に支持される、ヤットコの柱状のロッドを保持する筒状の保持治具に設けられる第1の押圧部と、
前記基台に設けられる第2の押圧部と
を有し、
前記第1の押圧部及び前記第2の押圧部は、両者を第1の油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置され、
前記保持治具が前記基台に支持された状態で、前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部は、前記第1の油圧ジャッキによる挟み込みによる押圧により前記杭の杭芯を中心に回動可能である、ヤットコ回転機構。
【請求項2】
前記第1の押圧部は、前記保持治具に対して立設され、
前記第2の押圧部は、前記基台に対して立設される、請求項1に記載のヤットコ回転機構。
【請求項3】
前記保持治具の中心軸に対し前記第1の押圧部に対して対称又は略対称の位置に前記保持治具に設けられる第3の押圧部と、
前記基台に設けられる第4の押圧部と
を有し、
前記第2の押圧部と前記第4の押圧部との間の距離は、前記保持治具の外径よりも大きく、
前記第3の押圧部及び前記第4の押圧部は、両者を前記第1の油圧ジャッキと別の第2の油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置され、
前記保持治具が前記基台に支持された状態で、前記第4の押圧部に対して前記第2の押圧部は、前記第2の油圧ジャッキによる挟み込みによる押圧により前記杭の杭芯を中心に回動可能である、請求項1又は請求項2に記載のヤットコ回転機構。
【請求項4】
前記基台と、
前記保持治具と、
前記基台及び前記保持治具に設けられる、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のヤットコ回転機構と、
を有する、杭保持治具。
【請求項5】
前記保持治具は、
第1のハーフパイプ、及び、前記第1のハーフパイプの外側に設けられ前記基台に載置される第1のフランジ部を有する第1の保持片と、
第2のハーフパイプ、及び、前記第2のハーフパイプの外側に設けられ前記基台に載置される第2のフランジ部を有する第2の保持片と、
を有し、
前記第1の保持片及び前記第2の保持片が協働して前記ロッドの外周面を環状に保持し、前記基台に前記保持治具の前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部を載置可能であり、
前記基台と前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部との接触位置の少なくとも一方には、互いに対する摩擦を抑制する摩擦防止加工が施されている、請求項4に記載の杭保持治具。
【請求項6】
前記第1のハーフパイプの内周面及び前記第2のハーフパイプの内周面の少なくとも一方に設けられる第1の嵌合部と、
前記ロッドに設けられ、前記第1の嵌合部と嵌合する第2の嵌合部と
を有し、
前記第1の嵌合部及び前記第2の嵌合部は、前記ロッドに対し前記保持治具が前記ロッドの軸回りに相対的に回動することを規制する、請求項5に記載の杭保持治具。
【請求項7】
前記第1の嵌合部及び前記第2の嵌合部は、前記ロッドに対し前記保持治具が前記ロッドの軸方向に相対的に移動することを規制する、請求項6に記載の杭保持治具。
【請求項8】
前記第1のハーフパイプの内周面及び前記第2のハーフパイプの内周面の少なくとも一方に設けられる第1の嵌合部と、
前記ロッドに設けられ、前記第1の嵌合部と嵌合する第2の嵌合部と
を有し、
前記第1の嵌合部及び前記第2の嵌合部は、前記ロッドに対し前記保持治具が前記ロッドの軸方向に相対的に移動することを規制する、請求項5に記載の杭保持治具。
【請求項9】
前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部を挟み込む、前記第1の油圧ジャッキを有する、請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載の杭保持治具。
【請求項10】
ヤットコの柱状のロッドの外周面に固定される保持治具の外周面に設けられる保持治具側噛み合い部と、
杭穴を跨ぐ基台に固定されるレール本体と、前記レール本体に固定される第1の押圧部とを有するレールと、
前記レール本体に沿って移動可能なスライダ本体と、前記スライダ本体に固定され、前記保持治具側噛み合い部に係合されるスライダ側噛み合い部と、前記スライダ本体に設けられる第2の押圧部とを有するスライダと、
を有し、
前記第1の押圧部及び前記第2の押圧部は、油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に設けられ、
前記保持治具が前記基台に支持された状態で、前記油圧ジャッキで前記第2の押圧部と前記第1の押圧部とを相対的に挟み込むと、前記第1の押圧部に対して前記第2の押圧部が水平方向に移動し、前記基台に対して前記保持治具及び前記ロッドが回転する、ヤットコ回転機構。
【請求項11】
前記スライダ本体は、前記レール本体の延出方向に交差する上下方向の移動により前記レール本体に対して係脱可能であり、
前記スライダ側噛み合い部は、前記保持治具側噛み合い部に対して前記上下方向の移動により係脱可能である、請求項10に記載のヤットコ回転機構。
【請求項12】
前記スライダ本体は、前記レール本体の延出方向に沿って複数箇所で係脱可能である、請求項11に記載のヤットコ回転機構。
【請求項13】
前記基台と、
前記保持治具と、
前記基台及び前記保持治具に設けられる、請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載のヤットコ回転機構と、
を有する、杭保持治具。
【請求項14】
杭の杭頭がヤットコの回転キャップに係合され前記回転キャップを下端で支持する前記ヤットコの柱状のロッドの外周面を保持する保持治具を基台に支持するとき、前記保持治具に設けられる第1の押圧部に対し、前記基台に固定される第2の押圧部を、前記基台を水平方向に動かして油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置し、
前記油圧ジャッキで前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とを挟み込み、前記基台が動かない状態で、前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部を移動させ、前記杭及び前記基台に対して前記保持治具及び前記ロッドを回転させる、ヤットコ回収方法。
【請求項15】
杭の杭頭がヤットコの回転キャップに係合され前記回転キャップを下端で支持する前記ヤットコの柱状のロッドの外周面を保持する保持治具を基台に支持するとき、前記保持治具に噛み合い前記基台に対して動き得る第1の押圧部に対し、前記基台に対して動かない状態に固定される第2の押圧部を、前記基台を水平方向に動かして油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置し、
前記油圧ジャッキで前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とを挟み込み、前記基台が動かない状態で、前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部を移動させ、前記杭及び前記基台に対して前記保持治具及び前記ロッドを回転させる、ヤットコ回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ヤットコ回転機構及びヤットコ回収方法が開示されている。このヤットコ回転機構は、ヤットコのロッドの上端に接続され、モータハウジングに作用する反力を重機等で受けながら、モータを駆動させ、ヤットコのロッドを回転させる構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-31589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、杭の杭頭に対してヤットコの係合を解除するときには、ヤットコとヤットコ回転機構とを連結する。杭の杭頭からヤットコを分離し、ヤットコを回収するときには、ヤットコとヤットコ回転機構との連結を予め解除する必要がある。そして、ヤットコ回転機構、ヤットコは、重機により順に吊り上げられて、別の作業場に移送される。
【0005】
このため、特許文献1の例では、ヤットコ回収の作業を2段階で行う必要があり、杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収するヤットコ回転機構、杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法が望まれる。
【0006】
本発明は、杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収可能なヤットコ回転機構、当該ヤットコ回転機構を備えた杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るヤットコ回転機構は、杭穴に杭が配置された状態で、前記杭穴を跨ぐ基台に支持される、ヤットコの柱状のロッドの外周面を保持する筒状の保持治具に設けられる第1の押圧部と、前記基台に設けられる第2の押圧部とを有する。前記第1の押圧部及び前記第2の押圧部は、両者を第1の油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置可能である。前記保持治具が前記基台に支持された状態で、前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部は、前記第1の油圧ジャッキによる挟み込みによる押圧により水平方向に移動可能である。
第2の押圧部に対して第1の押圧部は、第1の油圧ジャッキによる挟み込みによる押圧により水平方向に移動することで、杭及び基台に対して、ヤットコのロッドを保持する保持治具を回転させ、杭の杭頭とヤットコの回転キャップとの係合を解除することができる。杭の杭頭とヤットコの回転キャップとの係合を解除するとき、モータ等を取り外す必要がなく、そのまま、別の杭打ち、杭保持にヤットコを使用することができる。したがって、ヤットコ回転機構は、杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収可能である。また、ヤットコのロッドの外周面を保持する保持治具、基台にそれぞれ押圧部を設けるだけであるため、ヤットコを用いて杭打ちをする際に、第1の押圧部、第2の押圧部が邪魔になることが抑制される。
【0008】
ヤットコ回転機構の前記第1の押圧部は、前記保持治具に対して立設され、前記第2の押圧部は、前記基台に対して立設されることが好適である。
第1の押圧部、第2の押圧部が設けられると、基台を杭穴を跨ぐように配置するとき、杭打ちの作業者が第1の押圧部と第2の押圧部との位置関係を容易に把握できる。このため、杭打ちの作業者が、杭を杭打ち後、ヤットコを回収する際に、第1の押圧部と第2の押圧部とを油圧ジャッキで挟み込みし易い位置関係に、保持治具と基台とを配置し易い。
【0009】
ヤットコ回転機構は、前記保持治具の中心軸に対し前記第1の押圧部に対して対称又は略対称の位置に前記保持治具に設けられる第3の押圧部と、前記基台に設けられる第4の押圧部とを有することが好適である。前記第2の押圧部と前記第4の押圧部との間の距離は、前記保持治具の外径よりも大きく、前記第3の押圧部及び前記第4の押圧部は、両者を前記第1の油圧ジャッキと別の第2の油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置可能である。前記保持治具が前記基台に支持された状態で、前記第4の押圧部に対して前記第2の押圧部は、前記第2の油圧ジャッキによる挟み込みによる押圧により水平方向に移動可能である。
保持治具を基台に対して、同じ位置に配置し易い。このため、杭穴を跨ぐ基台に保持治具が支持される直前に、基台を回転させることで、押圧部同士の距離の調整が容易である。
【0010】
一態様に係る杭保持治具は、前記基台と、前記保持治具と、前記基台及び前記保持治具に設けられる、ヤットコ回転機構とを有する。
施工現場にあるものでヤットコ回転機構を形成でき、ヤットコの回収を容易に実現できる。
【0011】
杭保持治具の前記保持治具は、第1のハーフパイプ、及び、前記第1のハーフパイプの外側に設けられ前記基台に載置される第1のフランジ部を有する第1の保持片と、第2のハーフパイプ、及び、前記第2のハーフパイプの外側に設けられ前記基台に載置される第2のフランジ部を有する第2の保持片とを有する。前記第1の保持片及び前記第2の保持片が協働して前記ロッドの外周面を環状に保持し、前記基台に前記保持治具の前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部を載置可能である。前記基台と前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部との接触位置の少なくとも一方には、互いに対する摩擦を抑制する摩擦防止加工が施されていることが好適である。
摩擦防止加工により、基台と保持治具とが接触しながら、杭の杭頭に対して回転キャップの係合を解除し易い。このため、杭穴に対して完全に固定されていない杭の杭頭に、上から見て例えば反時計回りの負荷がかかることを極力防止する。
【0012】
杭保持治具は、前記第1のハーフパイプの内周面及び前記第2のハーフパイプの内周面の少なくとも一方に設けられる第1の嵌合部と、前記ロッドに設けられ、前記第1の嵌合部と嵌合する第2の嵌合部とを有し、前記第1の嵌合部及び前記第2の嵌合部は、前記ロッドに対し前記保持治具が前記ロッドの軸回りに相対的に回動することを規制することが好適である。
ロッドの外周面に対する保持治具の保持力がそれほど大きくない場合であっても、保持治具を回動させる場合、ロッドを確実に回転させることができる。
【0013】
杭保持治具は、前記第1のハーフパイプの内周面及び前記第2のハーフパイプの内周面の少なくとも一方に設けられる第1の嵌合部と、前記ロッドに設けられ、前記第1の嵌合部と嵌合する第2の嵌合部とを有し、前記第1の嵌合部及び前記第2の嵌合部は、前記ロッドに対し前記保持治具が前記ロッドの軸方向に相対的に移動することを規制することが好適である。
ロッドの外周面に対する保持治具の保持力がそれほど大きくない場合であっても、保持治具がロッドの軸方向に沿ってロッドが意図せず移動することを防止することができる。
【0014】
杭保持治具は、前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部を挟み込む、前記第1の油圧ジャッキを有することが好適である。
油圧ジャッキは、例えばペアリングジョイントの施工に用いるものをそのまま用いることができる。このため、新たに油圧ジャッキを準備するなどの追加費用は不要となる。
【0015】
一態様に係るヤットコ回転機構は、ヤットコの柱状のロッドの外周面に固定される保持治具の外周面に設けられる保持治具側噛み合い部と、レールと、スライダとを有する。レールは、杭穴を跨ぐ基台に固定されるレール本体と、前記レール本体に固定される第1の押圧部とを有する。スライダは、前記レール本体に沿って移動可能なスライダ本体と、前記スライダ本体に固定され、前記保持治具側噛み合い部に係合されるスライダ側噛み合い部と、前記スライダ本体に設けられる第2の押圧部とを有する。前記第2の押圧部及び前記第1の押圧部は、油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に設けられる。前記保持治具が前記基台に支持された状態で、前記油圧ジャッキで前記第2の押圧部と前記第1の押圧部とを相対的に挟み込むと、前記第1の押圧部に対して前記第2の押圧部が水平方向に移動し、前記基台に対して前記保持治具及び前記ロッドが回転する。
第2の押圧部に対して第1の押圧部は、油圧ジャッキによる挟み込みによる押圧により水平方向に移動することで、第1の押圧部を有するスライダに連動して基部に対して保持治具を回転させる。このため、杭の杭頭とヤットコの回転キャップとの係合を解除することができる。杭の杭頭とヤットコの回転キャップとの係合を解除するとき、モータ等を取り外す必要がなく、そのまま、別の杭打ち、杭保持にヤットコを使用することができる。したがって、ヤットコ回転機構は、杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収可能である。また、ヤットコ回転機構は、レール、スライダ、保持治具側噛み合い部を準備するほか、ヤットコのロッドの外周面を保持する保持治具、基台にそれぞれ押圧部を設けるだけである。このため、ヤットコを用いて杭打ちをする際に、第1の押圧部、第2の押圧部が杭打ち作業の邪魔になることが抑制される。
【0016】
ヤットコ回転機構の前記スライダ本体は、前記レール本体の延出方向に交差する上下方向の移動により前記レール本体に対して係脱可能であり、前記スライダ側噛み合い部は、前記保持治具側噛み合い部に対して前記上下方向の移動により係脱可能であることが好適である。
例えば、基台に対する保持治具の回転量が足りない場合であっても、レールに対してスライダを一旦外し、再度、取り付けて、油圧ジャッキを用いて、基台に対し保持治具を回転させることができる。
【0017】
ヤットコ回転機構の前記スライダ本体は、前記レール本体の延出方向に沿って複数箇所で係脱可能であることが好適である。
ヤットコ回転機構のスライダをレールに対して一旦取り外しても、取り付け位置が明確を明確にすることができる。
【0018】
杭保持治具は、前記基台と、前記保持治具と、前記基台及び前記保持治具に設けられるヤットコ回転機構とを有する。
ヤットコ回転機構のレール、スライダ、及び、噛み合わせ部を有する保持治具を準備すれば、施工現場にあるもので、ヤットコ回転機構を形成でき、ヤットコの回収を容易に実現できる。
【0019】
ヤットコ回収方法は、杭の杭頭がヤットコの回転キャップに係合され前記回転キャップを下端で支持する前記ヤットコの柱状のロッドの外周面を保持する保持治具を基台に支持するとき、前記保持治具に設けられる第1の押圧部に対し、前記基台に固定される第2の押圧部を、前記基台を水平方向に動かして油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置し、前記油圧ジャッキで前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とを挟み込み、前記基台が動かない状態で、前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部を移動させ、前記杭及び前記基台に対して前記保持治具及び前記ロッドを回転させる。
このような方法により、ヤットコの回転キャップと、杭の杭頭との係合が解除される。そして、ヤットコの回転キャップを杭穴の上端を通して杭穴の上方に引き抜くことで、ヤットコが回収される。したがって、このヤットコ回収方法を用いることで、杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収可能である。
【0020】
ヤットコ回収方法は、杭の杭頭がヤットコの回転キャップに係合され前記回転キャップを下端で支持する前記ヤットコの柱状のロッドの外周面を保持する保持治具を基台に支持するとき、前記保持治具に噛み合い前記基台に対して動き得る第1の押圧部に対し、前記基台に対して動かない状態に固定される第2の押圧部を、前記基台を水平方向に動かして油圧ジャッキで挟み込み可能な位置に配置し、前記油圧ジャッキで前記第1の押圧部と前記第2の押圧部とを挟み込み、前記基台が動かない状態で、前記第2の押圧部に対して前記第1の押圧部を移動させ、前記杭及び前記基台に対して前記保持治具及び前記ロッドを回転させる。
このような方法により、ヤットコの回転キャップと、杭の杭頭との係合が解除される。そして、ヤットコの回転キャップを杭穴の上端を通して杭穴の上方に引き抜くことで、ヤットコが回収される。したがって、このヤットコ回収方法を用いることで、杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収可能である。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、杭を杭穴に杭打ちした後、容易にヤットコを回収可能なヤットコ回転機構、杭保持治具、及び、ヤットコ回収方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る杭保持治具を示し、杭穴に配置した杭をヤットコで支持しながら、杭穴を跨ぐ基台上に、ヤットコのロッドを保持する保持治具を載置した状態を示す概略図。
図2】基台を示す概略図。
図3図1中の矢印IIIに示す方向から見た杭保持治具を示す概略図。
図4図3に示す杭保持治具を動作させ、杭の杭頭に対してヤットコの係合を解除し、ヤットコを回収位置に配置した状態を示す概略図。
図5】第2実施形態に係る杭保持治具を示し、杭穴に配置した杭をヤットコで支持しながら、杭穴を跨ぐ基台上に、ヤットコのロッドを保持する保持治具を載置した状態を示す概略図。
図6図5中の符号VIで示す位置から見たロッドを示す概略図。
図7図5中の符号VIIで示す方向から見た杭保持治具を示す概略図。
図8】第3実施形態に係る杭保持治具を示し、杭穴に配置した杭をヤットコで支持しながら、杭穴を跨ぐ基台上に、ヤットコのロッドを保持する保持治具を載置した状態を示す概略図。
図9図8中の符号IXで示す方向から見た杭保持治具を示す概略図。
図10図8中の符号Xで示す位置の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
【0024】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るヤットコ回転機構12を含む杭保持治具10について、図1から図4を用いて説明する。
【0025】
ヤットコ100は、杭穴1内に杭4を埋設した状態で杭4を保持するときに用いる。
【0026】
ヤットコ100は、杭4の杭頭6に係合される回転キャップ102と、回転キャップ102を下端に固定する柱状のロッド104とを有する。回転キャップ102の中心軸と、ロッド104の中心軸(長手軸)とは、一致することが好ましい。回転キャップ102の外観は、略円筒状である。回転キャップ102の下端部には、例えば略L字溝状の係合凹部102aが形成される。ロッド104の中心軸に直交する断面は、例えば円形状に形成される。ロッド104の上端部は、杭打機に着脱可能に接続される接続部106である。
【0027】
杭4は、例えば円柱状に形成される。杭4の杭頭6の外周面には、回転キャップ102の係合凹部102aに係合される回転金具8が杭頭6の外周面に対して突出する状態に固定されている。回転金具8は、複数設けられて所定の間隔で固定されている。
【0028】
ヤットコ100は、杭4の杭頭6に対してヤットコ100の中心軸の軸回りに上から見て時計回りに回動することで係合され、反対方向(反時計回り)に回動することで、係合が解除される。
【0029】
杭4を根固め液2a、杭周固定液2bが充填された杭穴1内に自沈又は回転させながら建て込むとき、杭頭6の回転金具8は回転キャップ102の係合凹部102aに係合された状態である。そして、杭4を杭穴1内に埋設した状態で所定の深度位置に保持するとき、杭4の杭頭6の回転金具8はヤットコ100の回転キャップ102の係合凹部102aに係合された状態を維持する。
【0030】
杭保持治具10は、ヤットコ回転機構12と、杭穴1を跨ぐように地面に載置する基台(カンザシ)14と、ヤットコ100のロッド104の外周面に固定され、基台14に載置する保持治具16と、油圧ジャッキ18,20を有する。
【0031】
基台14は、略U字状に形成され、基部22と、基部22から延出する略平行な第1の支持部24と、基部22から第1の支持部24と同じ方向に延出する第2の支持部26とを有する。
【0032】
第1の支持部24及び第2の支持部26の上面及び下面は、互いに平行な平面として形成される。第1の支持部24と第2の支持部26との間の距離は、ヤットコ100のロッド104の外径よりも長く、ヤットコ100の回転キャップ102の外径よりも短い。
【0033】
第1の支持部24の上面には、第1の突起(第2の押圧部)32が固定される。第1の突起32は、第1の支持部24に対して例えば溶接又はボルト止めにより固定される。第1の突起32は、第1の支持部24の上面のうち、第2の支持部26に近い位置に設けられる。第1の突起32は、第1の支持部24の上面から例えば上方に向けて立設するプレート状に形成される。後述する第1の油圧ジャッキ18の固定部18aにより押圧される、第1の突起32の押圧面の法線方向は、第1の支持部24が基部22に対して延びる方向に沿う。
【0034】
第2の支持部26の上面には、第2の突起(第4の押圧部)34が固定される。第2の突起34は、第2の支持部26に対して例えば溶接又はボルト止めにより固定される。第2の突起34は、第2の支持部26の上面のうち、第1の支持部24に近い位置に設けられる。第2の突起34は、第2の支持部26の上面から上方に向けて立設するプレート状に形成される。後述する第2の油圧ジャッキ20の固定部20aにより押圧される、第2の突起34の押圧面の法線方向は、第2の支持部26が基部22に対して延びる方向に沿う。
【0035】
第1の突起32は、基部22に対して第2の突起34よりも遠い位置に設けられる。第1の突起32と第2の突起34との間の距離は、保持治具16の後述するフランジ部54,64の外径よりも長い。
【0036】
図2に示す基台14は、基台14の移動を防止する移動防止板28を有する。移動防止板28は、基部22に設けられ、基部22から第1の支持部24及び第2の支持部26が延出する方向とは反対方向に延出する。移動防止板28に例えばバックホウなどの重機Hが乗ることで、基台14が意図せず移動することを防止する。
【0037】
保持治具16は、第1の保持片42及び第2の保持片44を有し、第1の保持片42及び第2の保持片44が協働してロッド104の外周面を環状に保持する。
【0038】
第1の保持片42は、第1のハーフパイプ52、第1のハーフパイプ52の外側に設けられ第1の支持部24又は第2の支持部26に載置される第1のフランジ部54を有する。第1のフランジ部54の法線は、第1の保持片42及び第2の保持片44が協働して環状となった状態で、保持治具16の中心軸に沿う方向である。第1のハーフパイプ52の外周面には、第2の保持片44とボルト締めされる1対のタブ56が形成される。第1の保持片42は、第1のフランジ部54に固定され、第1のフランジ部54から突出する第1の凸部(第1の押圧部)58を有する。第1の凸部58は、一方のタブ56の近傍に設けられる。第1の凸部58は、第1のフランジ部54の上面から上方に向けて立設するプレート状に形成される。第1の凸部58は、第1のフランジ部54の外縁よりも径方向外方に突出する。
【0039】
第2の保持片44は、第2のハーフパイプ62、第2のハーフパイプ62の外側に設けられ第1の支持部24又は第2の支持部26に載置される第2のフランジ部64を有する。第2のフランジ部64の法線は、第1の保持片42及び第2の保持片44が協働して環状となった状態で、保持治具16の中心軸に沿う方向である。第2のハーフパイプ62の外周面には、第1の保持片42とボルト締めされる1対のタブ66が形成される。第2の保持片44は、第2のフランジ部64に固定され、第2のフランジ部64から突出する第2の凸部(第3の押圧部)68を有する。第2の凸部68は、一方のタブ66の近傍に設けられる。第2の凸部68は、第2のフランジ部64の上面から上方に向けて立設するプレート状に形成される。第2の凸部68は、第2のフランジ部64の外縁よりも径方向外方に突出する。
【0040】
なお、第1の支持部24の第1の突起32及び第1の保持片42の第1の凸部58は、第1の油圧ジャッキ18の後述する固定部18aに対する可動部18bのストロークの範囲内で、押圧可能に形成される。第2の支持部26の第2の突起34及び第2の保持片44の第2の凸部68は、第2の油圧ジャッキ20の後述する固定部20aに対する可動部20bのストロークの範囲内で、押圧可能に形成される。
【0041】
杭4の杭打ち作業、及び、杭打ち後のヤットコ100の回収作業(ヤットコ回収方法)について説明する。
【0042】
まず、杭4を杭穴1内に建て込む作業について説明する。
【0043】
保持治具16の第1の保持片42及び第2の保持片44は、タブ56,66がボルト等により固定された状態で、ハーフパイプ52,62の内周面でヤットコ100のロッド104の外周面を保持する。このとき、第1の保持片42及び第2の保持片44のフランジ部54,64がヤットコ100の回転キャップ102側になるように第1保持片42及び第2保持片44をロッド104に取り付ける。フランジ部54,64は、協働して円盤状となる。保持治具16の中心軸に対して径方向外方のフランジ部54,64の外縁は、保持治具16の外径を規定する。ロッド104に対する保持治具16の位置は、杭4を杭穴1内に建て込む際、保持治具16を基台14に載置したときに、杭4の杭頭6を所定の高さ位置に保持する位置を想定して調整する。
【0044】
杭穴1内に根固め液2a及び杭周固定液2bを充填する。杭打機にヤットコ100の接続部106を接続し、保持治具16を固定したヤットコ100の回転キャップ102に杭4の杭頭6の回転金具8を係合した状態で、杭4を杭穴1に自沈又は回転により建て込む。
【0045】
回転キャップ102の上端が杭穴1の上端よりも下方に位置する状態となった後、杭穴1の側方に待機させておいた基台14を杭穴1を跨ぐように配置する。このとき、第1の支持部24と第2の支持部26との間にロッド104を配置する。
【0046】
また、基台14の第1の突起32及び第2の突起34の間に、保持治具16のフランジ部54,64を配置する。第1の支持部24及び第2の支持部26の上面に、保持治具16のフランジ部54,64を載置する。このとき、基台14の第1の突起32と、保持治具16の第1の凸部58とを第1の支持部24の延出方向に対向させる。基台14の第2の突起34と、保持治具16の第2の凸部68とを第2の支持部26の延出方向に対向させる。さらに、第1の突起(第2の押圧部)32及び第1の凸部(第1の押圧部)58の両者を第1の油圧ジャッキ18で挟み込み可能な位置に配置するとともに、第2の突起(第4の押圧部)34及び第2の凸部(第3の押圧部)68の両者を第2の油圧ジャッキ20で挟み込み可能な位置に配置する。
【0047】
このとき、図1に示すように、杭4の杭底9は、杭穴1の底面1aに対して上方にある。根固め液2aの上方には、杭周固定液2bが充填されている。杭4は、杭穴1に対してこの状態で保持される。
【0048】
その後、ロッド104の上端の接続部106から杭打ち機の接続を解除し、例えば1時間から2時間程度など、杭4が杭穴1に対して固定されるまで、すなわち杭4が沈下しない状態になるまで保持治具16で杭4を保持する。
【0049】
次に、ヤットコ100の回収作業について説明する。
【0050】
杭4を建て込み後、重機H、例えばバックホウを基台14の基部22から突出する移動防止板28上に配置し、杭穴1に対して基台14が動くことを防止する。重機Hは、基台14又はヤットコ100を杭穴1から抜去するときに動かし得るバックホウ、クレーン、杭打機等を用いる。
【0051】
第1の油圧ジャッキ18は、固定部18aと、固定部18aに対して近接及び離隔可能な可動部18bとを有する。第2の油圧ジャッキ20は、固定部20aと、固定部20aに対して近接及び離隔可能な可動部20bとを有する。
【0052】
基台14の第1の突起32と保持治具16の第1の凸部58とを挟むように、第1の油圧ジャッキ18を配置する。基台14の第2の突起34と保持治具16の第2の凸部68とを挟むように、第2の油圧ジャッキ20を配置する。第2の油圧ジャッキ20は、第1の油圧ジャッキ18と同等の構成を持ち、同等の性能を有する。第1の油圧ジャッキ18及び第2の油圧ジャッキ20は、例えば、杭同士を連結するペアリングジョイント工法の油圧ジャッキを用いても良い。
【0053】
この状態で、第1の油圧ジャッキ18の可動部18bを駆動させ、基台14の第1の突起32と保持治具16の第1の凸部58との間の距離を短くするとともに、第2の油圧ジャッキ20の可動部20bを駆動させ、基台14の第2の突起34と保持治具16の第2の凸部68との間の距離を短くする。このため、保持治具16が基台14に支持された状態で、基台14の第1の突起(第2の押圧部)32に対して保持治具16の第1の凸部(第1の押圧部)58は、第1の油圧ジャッキ18による挟み込みによる押圧により杭芯を中心軸として水平方向に回動する。また、基台14の第2の突起(第4の押圧部)34に対して保持治具16の第2の凸部(第3の押圧部)68は、第2の油圧ジャッキ20による挟み込みによる押圧により杭芯を中心軸として水平方向に回動する。保持治具16の回転に伴って、ロッド104及び回転キャップ102が図1の回転金具8に対して杭穴1の上方から見て、反時計回り(図1の紙面においては左側から右側)に回転する。これにより、ヤットコ100の回転キャップ102の係合凹部102aと、杭4の杭頭6の回転金具8との係合が解除される。このときの基台14の第1の突起32と保持治具16の第1の凸部58との間の移動距離、及び、基台14の第2の突起34と保持治具16の第2の凸部68との間の移動距離は、例えば10cm程度である。
【0054】
そして、ロッド104の接続部106に重機(図示せず)を接続し、その重機を用いて、ヤットコ100のロッド104を杭穴1に対して上方に移動させる。保持治具16のフランジ部54,64が基台14の支持部24,26から離れたとき、基台14を杭穴1を跨ぐ位置から杭穴1上から離れた位置にスライドさせる。続けて、ヤットコ100の回転キャップ102を杭穴1から引き抜く。このため、ヤットコ100が回収される。このとき、杭4が杭穴1に固定された状態で保持される。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る杭保持治具10によれば、以下のことが言える。
【0056】
本実施形態では、ヤットコ回転機構12は、ヤットコ100の柱状のロッド104の外周面に固定される保持治具16の凸部58と、基台14の突起32とを有する。凸部58は、杭穴1に杭4が配置された状態で、杭穴1を跨ぐ基台14に支持される。保持治具16の凸部58に対して基台14の突起32が油圧ジャッキ18で挟み込み可能な位置に設けられた状態で、油圧ジャッキ18で凸部58と突起32とが相対的に挟み込まれると、突起32に対して凸部58が移動し、杭4及び基台14に対して保持治具16及びロッド104、すなわちヤットコ100が回転する。このため、杭4の杭頭6の回転金具8に対し、ヤットコ100の回転キャップ102の係合凹部102aの係合を解除することができる。そして、重機にロッド104の接続部106を接続し、ロッド104を上方に移動させながら、基台14を水平方向に移動させながら杭穴1に対して退避させることで、杭穴1からヤットコ100を回収することができる。したがって、ヤットコ回転機構12は、杭4を杭穴1に杭打ちした後、容易にヤットコ100を回収可能である。
【0057】
基台14の支持部24,26の上面と保持治具16のフランジ部54,64の底面の少なくとも一方の接触位置に、互いに対する摩擦を抑制する摩擦防止加工が施され、互いに対する滑り性を有する。このため、第1の油圧ジャッキ18及び第2の油圧ジャッキ20により基台14の支持部24,26に対して、保持治具16のフランジ部54,64が接触しながら、基台14に対して保持治具16を回転させることができる。
【0058】
図3に示すように、第1のフランジ部54及び第2のフランジ部64は、協働して円盤状に形成される。第1のフランジ部54及び第2のフランジ部64の外径は、基台14の第1の突起32と第2の突起34との間の距離よりも小さい。このため、保持治具16の第1のフランジ部54及び第2のフランジ部64は、基台14の第1の突起32及び第2の突起34を避けながら、基台14の第1の支持部24及び第2の支持部26に載置することができる。
【0059】
基台14は、基台14の第1の突起32が保持治具16の第1の凸部58と例えば第1の支持部24の延出方向に沿う方向に対向する向きに配置する。このとき、第2の突起34は、保持治具16の第2の凸部68と例えば第2の支持部26の延出方向に沿う方向に対向する。このため、2つの油圧ジャッキ18,20を用いて、基台14に対して保持治具16を、上方から見て反時計回りに回転させることができる。
【0060】
本実施形態のヤットコ回転機構12では、第1の突起32、第2の突起34、第1の凸部58、第2の凸部68を有する例について説明した。ヤットコ回転機構12は、第1の油圧ジャッキ18により第1の突起32及び第1の凸部58を押圧し、保持治具16をその中心軸の軸回りに回転させることができれば、第2の突起34及び第2の凸部68がなくてもよい。又は、ヤットコ回転機構12は、第2の油圧ジャッキ20により第2の突起34及び第2の凸部68を押圧し、保持治具16をその中心軸の軸回りに回転させることができれば、第1の突起32及び第1の凸部58がなくてもよい。
【0061】
本実施形態で用いる油圧ジャッキ18,20は、例えば2つの杭を連結するペアリングジョイントの施工に用いるものと同じものを用いることができる。このため、ヤットコ100の回収の際に、新たなジャッキを準備する必要がない。そして、本実施形態では、基台14に突起32,34を固定し、保持治具16に凸部58,68を固定するだけで、ヤットコ回転機構12を形成することができる。突起32,34を固定した基台14、凸部58,68を固定した保持治具16が施工現場になくても、突起32,34となるプレート状の部材、凸部58,68となるプレート状の部材を準備できれば、例えば溶接等により、施工現場でヤットコ回転機構12を準備することができる。したがって、ヤットコ100を回収するときのヤットコ回転機構12を新たに形成する場合であっても、製造コストを抑制することができる。
【0062】
本実施形態では、第1の支持部24及び第2の支持部26の上面に、保持治具16のフランジ部54,64を載置するとき、基台14の第1の突起32と、保持治具16の第1の凸部58とを第1の支持部24の延出方向に対向させ、基台14の第2の突起34と、保持治具16の第2の凸部68とを第2の支持部26の延出方向に対向させるものとして説明した。第1の支持部24及び第2の支持部26の上面に、保持治具16のフランジ部54,64を載置した後、基台14の第1の突起32と対向するように保持治具16の第1のフランジ部54に溶接等により第1の凸部58を固定し、基台14の第2の突起34と対向するように保持治具16の第2のフランジ部64に溶接等により第2の凸部68を固定してもよい。この場合、杭芯の中心軸回りの方向について、基台14に対する位置あわせが容易となる。
【0063】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るヤットコ回転機構12を含む杭保持治具10について、図5から図7を用いて説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0064】
図5から図7に示すように、ヤットコ100のロッド104の外周面には、ロッド104の中心軸に平行に、ロッド側嵌合部(第2の嵌合部)108が設けられる。嵌合部108は、ロッド104のうち、保持治具16が固定されると想定される位置に形成されている。嵌合部108は、ヤットコ100のロッド104の円環状の外周面に対して径方向外方に突出する。
【0065】
図6及び図7に示すように、保持治具16の第1の保持片42の第1のハーフパイプ52には、保持治具側嵌合部(第1の嵌合部)52aが設けられる。保持治具側嵌合部52aのうち、ロッド104側の面は、第1のハーフパイプ52のうちロッド104側の面に対して、保持治具16の中心軸から離れる方向に凹状に形成される。
【0066】
ロッド側嵌合部108に対し、保持治具側嵌合部52aが嵌合することで、保持治具16がロッド104に対して下方に落下することを防止する。このため、ロッド104の外周面に対する保持治具16の保持力がそれほど大きくない場合であっても、保持治具16を杭芯中心軸として回動させる場合、ロッド104すなわちヤットコ100を杭芯を中心軸として確実に回転させることができる。
【0067】
図5及び図6に示すように、ロッド側嵌合部108は、複数の凸部108aと複数の凹部(溝部)108bとを有する。ある1つの凸部108aは、ロッド104の中心軸に沿う1対の凹部108bの間に形成される。言い換えると、ある1つの凹部108bは、ロッド104の中心軸に沿う1対の凸部108aの間に形成される。
【0068】
図6に示すように、嵌合部52aは、ロッド側嵌合部108の凹部108bに嵌合可能な凸部52bを有する。
【0069】
ロッド側嵌合部108の凹部108bに対し、保持治具側嵌合部52aの凸部52bが嵌合することで、ロッド104に対し保持治具16がロッド104の中心軸の軸方向に相対的に移動することを規制する。このため、ロッド104の外周面に対する保持治具16の保持力がそれほど大きくない場合であっても、保持治具16がロッド104の軸方向に沿ってロッド104が意図せず移動することを防止することができる。基台14に保持治具16が支持された状態で、杭周固定液2bにより杭4に浮力がかかるが、保持治具16には、ヤットコ100の重量、杭4の重量を受ける。この場合であっても、ロッド104に対して、保持治具16がロッド104の中心軸の軸方向に意図せず移動することを防止できる。
【0070】
なお、図7に示すように、ロッド側嵌合部108は、ロッド104の外周面に1対に形成されていることが好適である。この場合、第2の保持片44には、保持治具側嵌合部52aが形成される。この場合、ヤットコ100のロッド104、及び、保持治具16の重量バランスを容易にとることができる。
【0071】
保持治具側嵌合部(第1の嵌合部)52aは、第1のハーフパイプ52の内周面及び第2のハーフパイプ62の内周面の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0072】
(第3実施形態)
第3実施形態に係るヤットコ回転機構12を含む杭保持治具10について、図8から図10を用いて説明する。本実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態の変形例であって、第1実施形態及び第2実施形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0073】
図8及び図9に示すように、ヤットコ回転機構12は、第1の回転機構202と第2の回転機構204とを有する。基台14の第1の支持部24の上面には、保持治具16の第1の回転機構202が設けられている。基台14の第2の支持部26の上面には、保持治具16の第2の回転機構204が設けられている。
【0074】
保持治具16の第1のフランジ部54の外縁には、噛み合い部として複数の歯(保持治具側噛み合い部)60が所定の間隔に並べられている。保持治具16の第2フランジ部64の外縁には、噛み合い部として複数の歯(保持治具側噛み合い部)70が所定の間隔に並べられている。複数の歯60,70は、ヤットコ回転機構12の一部である。
【0075】
図8から図10に示すように、第1の回転機構202は、第1の支持部24の上面に固定される第1のレール212と、第1のレール212に沿って移動する第1のスライダ214とを有する。
【0076】
第1のレール212は、第1の支持部24の上面に固定されるレール本体222と、レール本体222に固定される第1の突起(第1の押圧部)224とを有する。第1の突起224は、第2の支持部26と反対側に突出することが好適である。
【0077】
レール本体222には、第1のスライダ214が係合しながらスライド可能な溝232と、溝232に設けられる例えば3つの円環部234とを有する。
【0078】
第1のスライダ214は、レール本体222の全長の略2/3程度の長さに形成される。第1のスライダ214は、第1のスライダ本体242と、第1のレール本体222に係合する2つの係合部244と、第1のスライダ本体242に設けられ保持治具16の歯60,70に噛み合う噛み合い部としての複数の歯(スライダ側噛み合い部)246と、第1の凸部(第2の押圧部)248を有する。第1の凸部248は、第2の支持部26と反対側に突出することが好適である。第1のスライダ214の歯246は、レール212のレール本体222の延出方向に沿って所定の間隔に並べられる。
【0079】
係合部244は、第1のスライダ本体242から下方に延びる軸部252と、軸部252の下端の下端部254とを有する。軸部252は、レール212の溝232の幅よりも小径である。下端部254は、レール212の円環部234よりも小径で、レール212の溝232の幅よりも大径である。このため、スライダ214の係合部244は、軸部252及び下端部254がレール212の円環部234を通して挿抜可能である。このため、第1のスライダ本体242は、第1のレール本体222の延出方向に交差する上下方向の移動により、第1のレール本体222に対して係脱可能である。このとき、第1のスライダ214の歯(スライダ側噛み合い部)246は、保持治具16の歯(保持治具側噛み合い部)60,70に対して上下方向の移動により係脱可能である。また、第1のスライダ本体242は、第1のレール本体222の延出方向に沿って複数箇所で係脱可能である。
【0080】
第2の回転機構204は、第2の支持部26の上面に固定される第2のレール262と、第2のレール262に沿って移動する第2のスライダ264とを有する。第2のレール262は、第1のレール212と同じ構成である。第2のスライダ264は、第1のスライダ214と同じ構成である。
【0081】
第2のレール262のうち、基台14の基部22に対して近位の位置は、第1のレール212のうち、基台14の基部22に対して近位の位置に比べて、遠い位置にある。第2のレール262は、第1のレール212に対して保持治具16の中心軸に対し対称又は略対称の位置に設けられる。第2のスライダ264は、第1のスライダ214に対して保持治具16の中心軸に対し対称又は略対称の位置に設けられる。すなわち、第2の回転機構204は、保持治具16の中心軸に対し第1の回転機構202に対して対称又は略対称の位置に設けられる。
【0082】
杭4の杭打ち作業、及び、杭打ち後のヤットコ100の回収作業について説明する。第1実施形態で説明した内容と同じ内容は、適宜に説明を省略する。
【0083】
まず、杭穴1に対する杭4の杭打ち作業について簡単に説明する。
【0084】
ここでは、第1のレール212に対し第1のスライダ214が予め図9に示す位置に係合され、第2のレール262に対し第2のスライダ264が予め図9に示す位置に係合されている場合を例にして説明する。
【0085】
保持治具16でヤットコ100のロッド104の外周面を保持する。保持治具16を固定したヤットコ100の回転キャップ102に杭4の杭頭6の回転金具8を係合した状態で、杭4を杭穴1に自沈又は回転により建て込む。
【0086】
回転キャップ102の上端が杭穴1の上端よりも下方に位置する状態となった後、基台14を杭穴1を跨ぐように配置する。このとき、第1の支持部24と第2の支持部26との間にロッド104を配置する。
【0087】
基台14の第1のレール212及び第2のレール262の間に、保持治具16のフランジ部54,64を配置する。第1の支持部24及び第2の支持部26の上面に、保持治具16のフランジ部54,64を載置する。このとき、第1のレール212の第1の突起224及び第2のレール262の第2の突起224の間に、保持治具16の中心軸を配置する。そして、第1のスライダ214の歯246に、保持治具16の歯70を噛み合わせ、第2のスライダ264の歯246に、保持治具16の歯60を噛み合わせる。
【0088】
ロッド104の上端の接続部106から杭打ち機の接続を解除し、杭打ち後、例えば1時間から2時間程度など、杭4が杭穴1に対して固定されるまで放置する。
【0089】
次に、ヤットコ100の回収作業について説明する。
【0090】
杭4の杭打ち後、重量物Hを基台14の基部22に隣接する位置に配置する。
【0091】
第1のレール212の第1の突起224と、第1のスライダ214の第1の凸部248とを挟むように、第1の油圧ジャッキ18を配置する。第2のレール262の第2の突起224と、第2のスライダ264の第2の凸部248とを挟むように、第2の油圧ジャッキ20を配置する。
【0092】
この状態で、第1の油圧ジャッキ18の可動部18bを駆動させ、第1のレール212の第1の突起224と、第1のスライダ214の第1の凸部248と間の距離を小さくするとともに、第2の油圧ジャッキ20の可動部20bを駆動させ、第2のレール262の第2の突起224と、第2のスライダ264の第2の凸部248と間の距離を小さくする。第1のスライダ214が基台14の基部22から遠ざかる方向に移動するとともに、第2のスライダ264が基台14の基部22に近づく方向に移動する。そして、基台14は重量物Hにより杭穴1に対して移動することが抑制されているため、保持治具16の歯70と、第1のスライダ214の歯246とが噛み合い、保持治具16の歯60と、第2のスライダ264の歯246とが噛み合った状態で、基台14に載置された保持治具16が、基台14、第1のレール212、第2のレール262、杭4及び杭穴1に対して上方から見て反時計回りに回転する。保持治具16の回転に伴って、ロッド104及び回転キャップ102が図1の回転金具8に対して杭穴1の上方から見て、反時計回りに回転する。このため、ヤットコ100の回転キャップ102の係合凹部102aと、杭4の杭頭6の回転金具8との係合が解除される。
【0093】
保持治具16及びヤットコ100のロッド104の回転角度が、回転金具8に対する回転キャップ102の係合凹部102aの係合を解除するには足りない場合、第1の油圧ジャッキ18を第1のレール212及び第1のスライダ214から取り外す。第1のレール212に対して基台14の基部22から遠ざかる方向に移動した第1のスライダ214を、第1のレール212に対して上方に抜き、図9に示す状態に戻す。この状態で、再度、第1の油圧ジャッキ18を、第1のレール212の第1の突起224と第1のスライダ214の第1の凸部248との間を挟むように配置し直す。第2の回転機構204も同様である。
【0094】
このため、第1の油圧ジャッキ18及び第2の油圧ジャッキ20を駆動することで、保持治具16及びヤットコ100のロッド104の回転角度を所望の角度に回転させる。
【0095】
以上説明したように、本実施形態に係る杭保持治具10によれば、以下のことが言える。
【0096】
本実施形態では、第1のスライダ214の第1の凸部248に対して第1のレール212の第1の突起224は、油圧ジャッキ18による挟み込みによる押圧により水平方向に移動することで、第1の凸部248を有するスライダ214に連動して基部14に対して保持治具16を回転させる。このため、杭4の杭頭6とヤットコ100の回転キャップ102との係合を解除することができる。したがって、ヤットコ回転機構12は、杭4を杭穴1に杭打ちした後、容易にヤットコ100を回収可能である。杭4の杭頭6とヤットコ100の回転キャップ102との係合を解除するとき、モータ等を取り外す必要がなく、そのまま、別の杭打ち、杭保持にヤットコ100を使用することができる。また、ヤットコ回転機構12は、レール212、スライダ214、歯(保持治具側噛み合い部)60,70を準備するほか、ヤットコ100のロッド104の外周面を保持する保持治具16、基台14にそれぞれ第1のレール212の第1の突起224、第1のスライダ214の第1の凸部248を設けるだけである。このため、ヤットコ100を用いて杭打ちをする際に、第1の突起224、第1の凸部248が杭打ち作業の邪魔になることが抑制される。
【0097】
本実施形態では、第1のレール212の第1の突起224と第1のスライダ214の第1の凸部248とが相対的に動く方向が、基台14の第1の支持部24が延びる方向に一致する。このため、例えば、第1のレール212の第1の突起224と第1の油圧ジャッキ18の固定部18aとの接触面積、第1のスライダ214の第1の凸部248と第1の油圧ジャッキ18の可動部18bとの接触面積を維持し続けることができる。
【0098】
ヤットコ100を回収する際、基台14に対する保持治具16の回転量が足りない場合であっても、第1のレール212に対する第1のスライダ214の装着し直しにより、再度、第1のレール212の第1の突起224と第1のスライダ214の第1の凸部248とを図9に示す位置に配置し、第1の油圧ジャッキ18を使用できる状態にすることができる。このため、第1の油圧ジャッキ18を駆動することで、基台14に対して、所望の角度、保持治具16を回転させることができる。
【0099】
図8及び図9に示すロッド104のロッド側嵌合部108及び保持治具16の保持治具側嵌合部52aは、第2実施形態で説明したものと同じ構成とした。保持治具16及びロッド104は、第1実施形態で説明したものと同じ構成としてもよい。
【0100】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0101】
1…杭穴、2a…根固め液、2b…杭周固定液、4…杭、6…杭頭、8…回転金具、10…杭保持治具、12…ヤットコ回転機構、14…基台、16…保持治具、18…第1の油圧ジャッキ、18a…固定部、18b…可動部、20…第2の油圧ジャッキ、20a…固定部、20b…可動部、22…基部、24…第1の支持部、26…第2の支持部、28…移動防止板、32…第1の突起、34…第2の突起、42…第1の保持片、44…第2の保持片、52…第1のハーフパイプ、54…第1のフランジ部、56…タブ、58…第1の凸部、62…第2のハーフパイプ、64…第2のフランジ部、66…タブ、68…第2の凸部、100…ヤットコ、102…回転キャップ、102a…係合凹部、104…ロッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10