IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日鐵住金株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-熱間圧延装置及び熱間圧延方法 図1
  • 特開-熱間圧延装置及び熱間圧延方法 図2
  • 特開-熱間圧延装置及び熱間圧延方法 図3
  • 特開-熱間圧延装置及び熱間圧延方法 図4
  • 特開-熱間圧延装置及び熱間圧延方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138637
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】熱間圧延装置及び熱間圧延方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 9/00 20060101AFI20220915BHJP
   B21B 45/00 20060101ALI20220915BHJP
   B21B 39/12 20060101ALI20220915BHJP
   B21B 1/26 20060101ALI20220915BHJP
   B21B 1/22 20060101ALI20220915BHJP
   B21B 1/46 20060101ALI20220915BHJP
   C22C 38/44 20060101ALI20220915BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B21B9/00 Z
B21B45/00 B
B21B39/12 A
B21B1/26 B
B21B1/22 M
B21B1/46 B
C22C38/44
C22C38/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038625
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100187702
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 律生
(74)【代理人】
【識別番号】100162204
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭太
(72)【発明者】
【氏名】多根井 寛志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 泰光
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002AA04
4E002AD02
4E002BC07
4E002BC09
4E002BD02
4E002BD08
4E002BD10
4E002CB04
(57)【要約】
【課題】鋳造される鋳片の板幅を高精度に決定可能な熱間圧延装置及び鋳型幅決定方法を提供する。
【解決手段】熱間圧延装置1は、加熱された鋼材110を搬送する搬送装置10と、搬送装置10によって搬送された鋼材110を粗圧延する粗圧延装置11と、鋼材110が搬送装置10によって粗圧延装置11まで搬送される間、及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、鋼材110の周囲の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低くする低酸素化装置13と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された鋼材を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置によって搬送された前記鋼材を粗圧延する粗圧延装置と、
前記鋼材が前記搬送装置によって前記粗圧延装置まで搬送される間、及び前記鋼材が前記粗圧延装置によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、前記鋼材の周囲の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低くする低酸素化装置と、
を有する、ことを特徴とする熱間圧延装置。
【請求項2】
前記鋼材は、質量%でCu:0.05%以上、Sn:0.005%以上、Cr:0.05%以上、Mo:0.01%以上から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の熱間圧延装置。
【請求項3】
前記鋼材の周囲の酸素濃度は、9体積%以下である、請求項1又は2に記載の熱間圧延装置。
【請求項4】
前記低酸素化装置は、
加圧した供給水を供給する供給水加圧ポンプと、
前記鋼材の全面に亘って前記供給水を噴霧するように配置された複数の噴霧ノズルと、
を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の熱間圧延装置。
【請求項5】
前記低酸素化装置は、
不活性ガスを加圧する不活性ガス加圧ポンプと、
前記不活性ガスによって前記供給水を霧化する合流部を有し、霧化した供給水を前記複数の噴霧ノズルに供給する配管と、
を更に有する、請求項4に記載の熱間圧延装置。
【請求項6】
前記低酸素化装置は、前記鋼材の全面に亘って不活性ガスを噴射する複数の噴射ノズルを有する、請求項1~3の何れか一項に記載の熱間圧延装置。
【請求項7】
前記搬送装置は、前記鋼材を加熱する加熱炉から前記粗圧延装置に前記鋼材を搬送する、請求項1~6の何れか一項に記載の熱間圧延装置。
【請求項8】
前記搬送装置は、連続鋳造機から前記粗圧延装置に前記鋼材を搬送する、請求項1~6の何れか一項に記載の熱間圧延装置。
【請求項9】
前記低酸素化装置は、二次冷却帯において冷却される鋳片の周囲の酸素濃度を大気の酸素の濃度よりも低くする、請求項7に記載の熱間圧延装置。
【請求項10】
搬送装置が加熱された鋼材を搬送し、
粗圧延装置が前記搬送装置によって搬送された前記鋼材を粗圧延し、
低酸素化装置が、前記鋼材が前記搬送装置によって粗圧延装置まで搬送される間、及び前記鋼材が前記粗圧延装置によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、前記鋼材の周囲の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低くする、
ことを含む、ことを特徴とする熱間圧延方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延装置及び熱間圧延方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造された鋼材を加熱炉内で加熱するときに形成される一次スケール、及び熱間圧延中に形成される二次スケールの生成を抑制すると共に、生成されたスケールを除去する種々の技術が知られている。例えば、特許文献1には、スケールを除去するデスケーリングの後に形成されたスケールが熱間圧延工程において剥離する現象であるブリスタリングの発生を抑制する技術が記載される。特許文献1に記載される技術では、デスケーリングの後に低酸素雰囲気中でスケールを形成することで、ブリスタリングが発生し難いウスタイトのみの単相構造のスケールを形成し、ブリスタリングの発生が抑制される。
【0003】
また、特許文献2には、デスケーリングを行った後に、所定の時間に亘って所定の温度範囲で水蒸気を熱延鋼材に噴射した後に再度デスケーリングを行うことで、Siを含有する熱延鋼材におけるスケールの発生を抑制する技術が記載される。また、特許文献3には、熱延鋼材を搬送する搬送ロールに冷却水の代わりに不活性ガスを噴射して搬送ロールを冷却することで、冷却水が気化することにより発生する蒸気に起因する熱延鋼材の表面の酸化を抑制する技術が記載される。また、特許文献4には、濾過水を噴霧する噴霧手段を粗圧延機と仕上圧延機の間に設置することで、粗圧延機で圧延された圧延鋼材の表面に二次スケールが形成されることを抑制する技術が記載される。
【0004】
また、特許文献5には、仕上圧延前に熱延鋼材をデスケーリングすると共に、不活性ガス雰囲気中で熱延鋼材を仕上圧延することで、スケールが略形成されていな鋼帯を製造する技術が記載される。また、特許文献6には、連鋳直結圧延システムにおいて、連続鋳造機の鋳型と誘導加熱機との間に活性ガスが封入される不活性ガス封入機構を設けることで、熱延鋼材の表面へのスケールの発生を抑制する技術が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-11401号公報
【特許文献2】特開2005-193291号公報
【特許文献3】実開平6-9708号公報
【特許文献4】実開昭62-29808号公報
【特許文献5】特開平4-66203号公報
【特許文献6】特開平8-309406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
製鉄所では、脱炭素化社会の実現に向けて、電気炉を高炉と併用することで二酸化炭素の排出量を削減する技術の導入が検討されている。電気炉では、種々の金属を含むスクラップが鉄源として使用されるため、電気炉により製造される銑鉄は、高炉により製造される銑鉄と比較して、Cu、Ni、Sn、Cr及びMo等のトランプエレメントの含有量が不可避的に多くなる。
【0007】
トランプエレメントは、赤熱脆化割れとも称される熱間圧延工程における表面割れの原因となり得るため、トランプエレメントの含有量が多い鋼材を熱間圧延すると、赤熱脆化割れに起因する製造不良が発生し、製造歩留まりが低下するおそれがある。
【0008】
本発明は、トランプエレメントの含有量が多い鋼材を熱間圧延するときに、赤熱脆化割れの発生を抑制可能な熱間圧延装置及び熱間圧延方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決する本発明は、以下に示す熱間圧延装置及び熱間圧延方法を要旨とするものである。
(1)加熱された鋼材を搬送する搬送装置と、
搬送装置によって搬送された鋼材を粗圧延する粗圧延装置と、
鋼材が搬送装置によって粗圧延装置まで搬送される間、及び鋼材が粗圧延装置によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、鋼材の周囲の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低くする低酸素化装置と、を有する、ことを特徴とする熱間圧延装置。
(2)鋼材は、質量%でCu:0.05%以上、Sn:0.005%以上、Cr:0.05%以上、Mo:0.01%以上から選ばれる少なくとも1種を含有する、(1)に記載の熱間圧延装置。
(3)鋼材の周囲の酸素濃度は、9体積%以下である、(1)又は(2)に記載の熱間圧延装置。
(4)低酸素化装置は、
加圧した供給水を供給する供給水加圧ポンプと、
鋼材の全面に亘って供給水を噴霧するように配置された複数の噴霧ノズルと、
を有する、(1)~(3)の何れか一つに記載の熱間圧延装置。
(5)低酸素化装置は、
複数の噴霧ノズルに供給する供給水を加圧する供給水加圧ポンプと、
不活性ガスを加圧する窒素ガス加圧ポンプと、
不活性ガスによって供給水を霧化する合流部を有し、霧化した供給水を複数の噴霧ノズルに供給する配管と、
を更に有する、(4)に記載の熱間圧延装置。
(6)低酸素化装置は、鋼材の全面に亘って不活性ガスを噴射する複数の噴射ノズルを有する、(1)~(3)の何れか一つに記載の熱間圧延装置。
(7)搬送装置は、鋼材を加熱する加熱炉から粗圧延装置に鋼材を搬送する、(1)~(6)の何れか一つに記載の熱間圧延装置。
(8)搬送装置は、搬送装置は、連続鋳造機から前記粗圧延装置に前記鋼材を搬送する、(1)~(6)の何れか一つに記載の熱間圧延装置。
(9)低酸素化装置は、二次冷却帯において冷却される鋳片の周囲の酸素濃度を大気の酸素の濃度よりも低くする、(8)に記載の熱間圧延装置。
(10)搬送装置が加熱された鋼材を搬送し、
粗圧延装置が搬送装置によって搬送された鋼材を粗圧延し、
低酸素化装置が、鋼材が搬送装置によって粗圧延装置まで搬送される間、及び鋼材が粗圧延装置によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、鋼材の周囲の酸素濃度を大気中の酸素濃度よりも低くする、
ことを含む、ことを特徴とする熱間圧延方法。
【発明の効果】
【0010】
一実施形態に係る熱間圧延装置及び熱間圧延方法は、トランプエレメントの含有量が多い鋼材を熱間圧延するときに、赤熱脆化割れの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る熱間圧延装置を含む熱間圧延システムの斜視図である。
図2】(a)は図1に示す熱間圧延システムの側面図あり、(b)は図1に示す熱間圧延システムにおいて搬送される鋼板の正面図である。
図3】第2実施形態に係る熱間圧延装置を含む熱間圧延システムの斜視図である。
図4】第3実施形態に係る熱間圧延装置を含む熱間圧延システムの斜視図である。
図5】変形例に係る熱間圧延システムの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して、本発明に係る熱間圧延装置及び熱間圧延方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されない。
【0013】
(実施形態に係る熱間圧延装置の概要)
連続鋳造機、加熱機及び圧延機では、鋼材の表面にスケールが形成されるときに地鉄とも称される母材が消費される。電気炉により製造される鋼材は、トランプエレメントの含有量が多いため、スケールが形成されるときに、母材の消費に伴って、消費された母材中に含有されたトランプエレメントは、スケール中で固溶せずにスケールと母材との間の界面に濃化する。
【0014】
スケールと母材との間の界面に濃化したトランプエレメントは、連続鋳造工程、加熱工程及び熱間圧延工程のそれぞれにおいて印加される温度よりも融点が低いため、連続鋳造工程、加熱工程及び熱間圧延工程では、液相であり、結晶粒界に浸潤する。結晶粒界に浸潤した液相のトランプエレメントは、圧延鋼材の表面において局所的に粒界強度を低下させるため、熱間圧延工程において、赤熱脆化割れを発生させる原因となる。
【0015】
このように、赤熱脆化割れは、スケールと母材との間の界面でトランプエレメントが濃化することにより発生するので、スケールと母材との間の界面で濃化するトランプエレメントの量を低減することで、熱間圧延工程での赤熱脆化割れの発生が抑制される。
【0016】
熱間圧延工程において、粗圧延工程では、鋼材の温度が仕上圧延工程よりも高く、且つ、粗圧延工程の直前にデスケーリングされるため鋼材の母材が大気に晒されるため、母材の表面が大気中の酸素と反応して、スケールが急速に形成される。スケールの形成に伴って、トランプエレメントは、スケールと母材との間の界面で急速に濃化する。本願発明の発明者等は、粗圧延工程までの鋼材の温度が高い工程において鋼材の周囲の酸素濃度を低くしてスケールの形成量を抑制することで、スケールと母材との間の界面で濃化するトランプエレメントの量を効率的に低減することができることを見出した。
【0017】
また、大気中では、熱間圧延工程において、ウスタイト相、ヘマタイト相及びマグネタイト相の3相構造のスケールが鋼材の表面に形成される。一方、鋼材の周囲の酸素濃度が大気の酸素の濃度よりも低いとき、熱間圧延工程において、ウスタイト相のみの単相構造のスケールが鋼材の表面に形成される。
【0018】
Cuは、液相時に蒸発する場合があり、蒸発挙動はスケール相構造の影響を受ける。具体的には、ウスタイト相、マグネタイト相及びヘマタイト相の3相構造のスケールが鋼材の表面に形成されるとき、スケールと母材との間の界面で濃化Cu量は変化しない。これは、ヘマタイト相が緻密な構造のため、Cuの蒸発を阻害するためである。一方、ウスタイト相のみの単相構造のスケールが鋼材の表面に形成されるとき、Cuはウスタイト相を通過して蒸発する。ウスタイト相のみの単相構造のスケールが鋼材の表面に形成されるとき、トランプエレメントに含まれるCuが蒸発するので、スケールと母材との間の界面で濃化するCuの量は、熱間圧延工程において減少する。本願発明の発明者等は、このような知見に基づいて、3相構造のスケールではなく、ウスタイト相のみの単相構造のスケールを形成することで、スケールと母材との間の界面で濃化するトランプエレメントの量を更に低減できることを見出した。
【0019】
実施形態に係る熱間圧延装置は、加熱炉から粗圧延工程までの工程の少なくとも一部分において、鋼材の周囲の酸素濃度を大気の酸素の濃度よりも低くして、スケールの形成量を抑制する共に、形成されるスケールを単相構造化して、濃化するトランプエレメントの量を低減する。連続鋳造と熱間圧延とが直結した鋼圧一貫ラインの場合は、加熱炉に代わり連続鋳造装置から粗圧延工程までの工程の少なくとも一部分において、濃化するトランプエレメントの量を低減する。
【0020】
(第1実施形態に係る熱間圧延装置の構成及び機能)
図1は第1実施形態に係る熱間圧延装置を含む熱間圧延システムの斜視図であり、図2(a)は図1に示す熱間圧延システムの側面図あり、図2(b)は図1に示す熱間圧延システムにおいて搬送される鋼板の正面図である。
【0021】
熱間圧延システム100は、熱間圧延装置1と、加熱炉101とを有し、スラブ、ブルーム及びビレット等の鋼材110を加熱炉101で加熱した後に、熱間圧延装置1において、鋼材110を粗圧延する。熱間圧延システム100は、仕上圧延装置及び巻取装置等の他の装置を有するが、ここでは仕上圧延装置及び巻取装置等は省略される。加熱炉101は、誘導加熱等により鋼材110を所定の温度になるまで加熱し、加熱した鋼材110を熱間圧延装置1に搬出する。
【0022】
鋼材110は、高炉銑にスクラップが混入された転炉鋼であっても、スクラップを主体として溶製された電気炉鋼であってもよい。鋼材110は、トランプエレメントとして質量%でCu:0.05%以上、Sn:0.005%以上、Cr:0.05%以上、Mo:0.01%以上から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
【0023】
熱間圧延装置1は、搬送装置10と、粗圧延装置11と、デスケーリング装置12と、低酸素化装置13とを有し、加熱炉101から搬出された鋼材110の周囲の酸素濃度を大気の酸素の濃度よりも低くしながら、鋼材110を搬送すると共に粗圧延する。ここで、鋼材110の周囲の酸素濃度は、鋼材110の周囲の酸素分子(O2)の濃度である。
【0024】
搬送装置10は、複数の搬送ロール10aを有し、複数の搬送ロール10aが所定の方向に回転することで、加熱炉101で加熱された鋼材110を加熱炉101から粗圧延装置11に搬送する。
【0025】
粗圧延装置11は、一又は複数対の圧延ロール11aを有し、一又は複数対の圧延ロール11aによって複数回に亘って鋼材110を加圧することで、鋼材110が所定の厚さ及び形状になるまで鋼材110を圧延(塑性変形)する。
【0026】
デスケーリング装置12は、不図示の加圧ポンプで所定の水圧に加圧された高圧水を、ノズル12aから鋼材110に噴射することで、鋼材110の表面に形成されたスケールを除去する。ノズル12aから噴射される高圧水の水圧は、例えば10MPaであるが、1MPa以上100MPa以下であることが好ましく、5MPa以上20MPa以下であることが更に好ましい。
【0027】
低酸素化装置13は、供給水加圧ポンプ21と、配水管22と、複数の噴霧ノズル23とを有する。低酸素化装置13は、鋼材110が搬送装置10によって搬送される間及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、供給水加圧ポンプ21によって加圧された供給水を鋼材110の全面に亘って噴霧する。鋼材110が搬送装置10によって搬送される間及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間のすべての範囲で噴霧を行うのが最も高い効果が得られる。
【0028】
供給水加圧ポンプ21は、プランジャーポンプ、渦巻きポンプ及び軸流ポンプ等のポンプである。供給水加圧ポンプ21は、不図示の水槽に貯水された水を加圧した供給水を、噴霧ノズル23に配水管22を介して供給する。配水管22は、供給水加圧ポンプ21の吐出口と噴霧ノズル23との間を接続する銅管等の配管であり、供給水加圧ポンプ21から複数の噴霧ノズル23のそれぞれに供給水を配水する。
【0029】
複数の噴霧ノズル23のそれぞれは、搬送装置10及び粗圧延装置11において鋼材110が搬送される搬送方向に沿って鋼材110を上側と下側から挟むように配置される。複数の噴霧ノズル23から鋼材110に噴霧される供給水の単位表面積1m2当たりの水量は、例えば500L/分である。複数の噴霧ノズル23から鋼材110に噴霧される供給水の単位表面積1m2当たりの水量は、100L/分以上2000L/分以下であることが好ましく、200L/分以上800L/分以下であることが更に好ましい。
【0030】
熱間圧延装置1では、鋼材110が搬送装置10によって搬送される間、及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間、鋼材110の全面に亘って供給水が噴射される。熱間圧延装置1では、鋼材110の全面に亘って噴霧された供給水が気化した水蒸気が鋼材110の周囲を覆うので、鋼材110の周囲の酸素濃度は、大気中の酸素濃度よりも低くなる。
【0031】
鋼材110の周囲の酸素濃度は、9体積%以下であることが好ましく、5体積%であることが更に好ましく、1体積%以下であることが更に好ましい。鋼材110の周囲の酸素濃度を9体積%以下とすることで、ウスタイトのみの単相構造のスケールが鋼材110の表面に形成され、スケールと鋼材110の表面との間の界面で濃化するトランプエレメントの量が一段と低減される。
【0032】
鋼材110の周囲の酸素濃度は、搬送装置10の近傍に配置された酸素濃度計によって測定されてもよい。また、鋼材110の周囲の酸素濃度は、搬送装置10の近傍の気体をサンプリングするサンプリング管を配置し、サンプリング配管を介してサンプリングされる気体を測定する酸素濃度計によって測定されてもよい。
【0033】
熱間圧延装置1では、鋼材110の周囲が水蒸気で覆われることで、鋼材110の周囲の酸素濃度が大気中の酸素濃度よりも低くなるので、スケールの形成量を抑制する共に、単相構造のスケールを形成して、濃化するトランプエレメントの量を低減する。熱間圧延装置1は、濃化するトランプエレメントの量を低減することで、トランプエレメントの含有量が多い鋼材110を熱間圧延するときに、赤熱脆化割れの発生を抑制することができる。
【0034】
(第2実施形態に係る熱間圧延装置の構成及び機能)
図3は、第2実施形態に係る熱間圧延装置を含む熱間圧延システムの斜視図である。
【0035】
熱間圧延システム200は、熱間圧延装置2を熱間圧延装置1の代わりに有することが熱間圧延システム100と相違する。熱間圧延装置2は、窒素ガスを用いる低酸素化装置15を低酸素化装置13の代わりに有することが熱間圧延装置1と相違する。低酸素化装置15以外の熱間圧延システム200の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された熱間圧延システム100の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0036】
低酸素化装置15は、窒素ガス生成装置31と、窒素ガス加圧ポンプ32と、ガス管33と、複数の噴射ノズル34とを有する。低酸素化装置15は、鋼材110が搬送装置10によって搬送される間、及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、窒素ガス生成装置31によって生成された窒素ガスを鋼材110の全面に亘って噴射する。
【0037】
窒素ガス生成装置31は、深冷空気分離法、圧力変動吸着(Pressure Swing Adsorption、PSA)法、及び膜分離法等の公知の生成方法を窒素ガスを生成する装置である。窒素ガス加圧ポンプ32は、不活性ガス加圧ポンプの一例であり、例えばダイアフラム式のポンプである。窒素ガス加圧ポンプ32は、窒素ガス生成装置31によって生成された窒素ガスを高圧化して配管33に吐出する。ガス管33は、例えばステンレス鋼管であり、窒素ガス生成装置31の吐出口と噴射ノズル34との間を接続し、窒素ガス生成装置31から複数の噴射ノズル34のそれぞれに窒素ガスを分配する。
【0038】
複数の噴射ノズル34のそれぞれは、噴霧ノズル23と同様に、搬送装置10及び粗圧延装置11において鋼材110が搬送される搬送方向に沿って鋼材110を上側及び下側から挟むように配置される。複数の噴射ノズル34から鋼材110に噴射される窒素ガスの単位表面積1m2当たりの量は、鋼材110の周囲の酸素濃度が9体積%以下となる量であり、例えば500L/分である。複数の噴射ノズル34から鋼材110に噴射される窒素ガスの単位表面積1m2当たりの水量は、100L/分以上2000L/分以下であることが好ましく、200L/分以上800L/分以下であることが更に好ましい。
【0039】
熱間圧延装置1では、鋼材110が搬送装置10によって搬送される間、及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、鋼材110の全面に亘って噴射された窒素ガスが鋼材110の周囲を覆う。熱間圧延装置1では、窒素ガスが鋼材110の周囲を覆うことで、搬送装置10によって搬送される間及び粗圧延装置11によって粗圧延される間、鋼材110の周囲の酸素濃度は、大気中の酸素濃度よりも低くなる。
【0040】
(第3実施形態に係る熱間圧延装置の構成及び機能)
図4は、第3実施形態に係る熱間圧延装置を含む熱間圧延システムの斜視図である。
【0041】
熱間圧延システム300は、熱間圧延装置3を熱間圧延装置1の代わりに有することが熱間圧延システム100と相違する。熱間圧延装置3は、窒素ガスでアトマイズした水を用いる低酸素化装置17を低酸素化装置13の代わりに有することが熱間圧延装置1と相違する。低酸素化装置17以外の熱間圧延システム300の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された熱間圧延システム100の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0042】
低酸素化装置17は、供給水加圧ポンプ41と、窒素ガス生成装置42と、窒素ガス加圧ポンプ43と、供給水逆止弁44と、窒素ガス逆止弁45と、配管46と、複数の噴霧ノズル47とを有する。低酸素化装置17は、鋼材110が搬送装置10によって搬送される間、及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、窒素ガスによってアトマイズされた供給水、すなわち霧化された供給水を鋼材110の全面に亘って噴霧する。
【0043】
低酸素化装置17は、配管46の合流部48における供給水加圧ポンプ41から吐出された供給水の圧力と、窒素ガス加圧ポンプ43から吐出された窒素ガスの圧力との間の圧力差が一定となるように制御して、供給水を窒素ガスによってアトマイズして霧状にする。配管46の合流部48における供給水及び窒素ガスの圧力は、供給水加圧ポンプ41及び窒素ガス加圧ポンプ43の吐出圧から推定されてもよく、配管46の合流部48の近傍に配置された圧力計によって検出されてもよい。
【0044】
供給水加圧ポンプ41、窒素ガス生成装置42及び窒素ガス加圧ポンプ43の構造は、供給水加圧ポンプ21、窒素ガス生成装置31及び窒素ガス加圧ポンプ32の構造と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0045】
供給水逆止弁44は、供給水加圧ポンプ41と、配管46の合流部48との間に配置され、供給水加圧ポンプ41によって加圧された供給水が供給水加圧ポンプ41の方向に逆流することを防止する。窒素ガス逆止弁45は、窒素ガス加圧ポンプ43と、配管46の合流部48との間に配置され、窒素ガス加圧ポンプ43によって加圧された窒素ガスが窒素ガス加圧ポンプ43の方向に逆流することを防止する。
【0046】
配管46は、例えばステンレス鋼管であり、供給水加圧ポンプ41及び窒素ガス加圧ポンプ43の吐出口と噴霧ノズル47との間を接続する。配管46は、合流部48において窒素ガスによってアトマイズされた供給水を複数の噴霧ノズル47のそれぞれに分配する。
【0047】
複数の噴霧ノズル47のそれぞれは、噴霧ノズル23と同様に、搬送装置10及び粗圧延装置11において鋼材110が搬送される搬送方向に沿って鋼材110を上側及び下側から挟むように配置され、窒素ガスによってアトマイズされた供給水を噴霧する。複数の噴霧ノズル47から鋼材110に噴霧される供給水の単位表面積1m2当たりの量は、鋼材110の周囲の酸素濃度が9体積%以下となる量であり、例えば500L/分である。複数の噴射ノズル34から鋼材110に噴霧される供給水の単位表面積1m2当たりの水量は、100L/分以上2000L/分以下であることが好ましく、200L/分以上800L/分以下であることが更に好ましい。
【0048】
熱間圧延装置3では、鋼材110が搬送装置10によって搬送される間、及び鋼材110が粗圧延装置11によって粗圧延される間の少なくとも一部分において、窒素ガスによってアトマイズされた供給水が鋼材110の全面に亘って鋼材110の周囲を覆う。すなわち、熱間圧延装置1では、窒素ガス及び水蒸気化してが鋼材110の周囲を覆うことで、搬送装置10によって搬送される間及び粗圧延装置11によって粗圧延される間、鋼材110の周囲の酸素濃度は、大気中の酸素濃度よりも低くなる。
【0049】
(実施形態に係る熱間圧延装置の変形例)
熱間圧延装置2及び3では、鋼材110に噴射される気体として窒素ガスが使用されるが、実施形態に係る熱間圧延装置では、アルゴンガス等の窒素ガス以外の不活性ガスを、鋼材110に噴射される気体として使用してもよい。実施形態に係る熱間圧延装置は、窒素ガス以外の不活性ガスを、鋼材110に噴射される気体として使用するとき、不活性ガスを回収する回収機構を有してもよく、熱間圧延装置の全体を覆う筐体を配置して。不活性ガスを封止する封止機構を有してもよい。
【0050】
また、熱間圧延装置2及び3では、低酸素化装置15及び17は、窒素ガス生成装置31及び43を有するが、実施形態に係る熱間圧延装置では、窒素ガスを保管する窒素ガスタンクを低酸素化装置の代わりに有してもよい。
【0051】
また、熱間圧延装置1~3は、加熱炉101によって加熱された鋼材が搬送されるが、実施形態に係る熱間圧延装置は、連続鋳造と熱間圧延とが直結した鋼圧一貫ラインに配置されてもよい。
【0052】
図5は、変形例に係る熱間圧延システムの概要図である。
【0053】
熱間圧延システム400は、連続鋳造と熱間圧延とが直結した鋼圧一貫ラインであり、連続鋳造機50により製造された鋼材が、加熱炉を経ることなく直接搬送されて粗圧延される。熱間圧延システム400は、加熱炉101の代わりに連続鋳造機50とすることが熱間圧延システム100、200、300と相違する。連続鋳造機50以外の熱間圧延システム400の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された熱間圧延システム100、200、300の構成要素の構成及び機能と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0054】
連続鋳造機50は、取鍋51と、タンディッシュ52と、浸漬ノズル53と、鋳型54と、二次冷却帯55と、鋳片圧下装置56と、鋳片切断装置57とを有する。
【0055】
取鍋51は、溶鋼120をタンディッシュ52に供給するための可動式の容器であり、タンディッシュ52の上方に移動し、取鍋51内に充填された溶鋼120をタンディッシュ52に供給する。溶鋼120の製造方法は限定しない。溶鋼120は、高炉や電気炉により製造されてもよく、電気炉を高炉と併用して製造されてもよい。
【0056】
タンディッシュ52は、鋳型54の上方に配置され、取鍋51から供給される溶鋼120を貯留して、溶鋼120に含有される介在物を除去する。浸漬ノズル53は、タンディッシュ52の下端から鋳型54に向けて下方に延伸する筒状の部材である。浸漬ノズル53の先端は、鋳型54の内部に収容される溶鋼120に浸漬される。浸漬ノズル53は、タンディッシュ52において介在物が除去された溶鋼120を鋳型54に連続的に供給する。
【0057】
鋳型54において、溶鋼120は、冷却されて、鋳片121が形成される。鋳片121は、鋳型54の下方への移動に従って、鋳片121の内部の未凝固部122の凝固が進行し、外殻の凝固シェル123の厚さは、徐々に厚くなる。鋳片121は、未凝固部122及び凝固シェル123を含む状態で、鋳型54の下端から引き抜かれる。
【0058】
二次冷却帯55は、複数対の支持ロール55aと、不図示の複数の冷却水ノズルとを有し、鋳型54の下方に形成され、鋳型54の下端から引き抜かれた鋳片121を搬送しながら冷却する。
【0059】
複数対の支持ロール55aのそれぞれは、鋳片121の厚さ方向の両側に配置され、鋳片121を支持しながら搬送する。複数対の支持ロール55aは、サポートロールと、ピンチロールと、セグメントロールとを有する。サポートロールは、鋳型54の直下の垂直部に配置される無駆動式ロールである。ピンチロールは、モータ等の駆動手段により回転する駆動式ロールであり、二次冷却帯55の垂直部、湾曲部及び水平部の適切な位置に配置され、鋳片121を鋳型54から引き抜く。セグメントロールは、二次冷却帯55の湾曲部及び水平部に配置される無駆動式ロールであり、鋳片121を支持しながら案内する。
【0060】
二次冷却帯55の複数の冷却水ノズルは、二次冷却帯55の湾曲部及び水平部の鋳造方向に隣接して配置される複数対の支持ロール55aの間隙に配置され、二次冷却帯55の全体に亘って鋳片121に冷却水を注水する。
【0061】
鋳片圧下装置56は、複数の軽圧下ロール161を有し、二次冷却帯55の水平部の下流側に配置され、二次冷却帯55によって冷却された鋳片121を軽圧下する。鋳片圧下装置56は、鋳片121の厚み方向の中心部の領域を、鋳片121の厚さ方向に所定の圧力で圧下するように制御される。
【0062】
鋳片切断装置57は、鋳片圧下装置56の川下側に配置され、二次冷却帯55及び鋳片圧下装置56を介して搬送された鋳片121を所定の長さに切断して、厚板状の鋼材110を形成する。鋼材110は、質量%でCu:0.05%以上、Sn:0.005%以上、Cr:0.05%以上、Mo:0.01%以上から選ばれる少なくとも1種を含有する。
【0063】
また、薄スラブ連続鋳造と熱間圧延機とが途中でスラブ切断されることなく連続して処理される、圧延システム400と類似の直接圧延プロセス(例えばPrimetals社のESPなど)においても、圧延システム400と同様に本発明が適用できる。
【実施例0064】
質量%でC:0.05%、Si:0.01%、Mn:0.3%、P:0.001%、S:0.001%、Cu:0.30%、Ni:0.02%、Sn:0.01%、Cr:0.01%及びMo:0.01%を母材成分として含む鋼材を加熱炉で加熱した。加熱炉から搬出されたときの鋼材の温度は、1180℃であった。加熱炉から搬出された鋼材は、粗圧延機及び仕上げ圧延機から形成される熱間圧延ラインで熱間圧延された。熱間圧延において、加熱炉の出口から粗圧延が完了までの区間では、被圧延材の全面に亘って、水蒸気、窒素ガス及びアルゴンガスの何れか1つが噴霧された。水蒸気、窒素ガス及びアルゴンガスの何れか1つが噴霧された区間の被圧延材の近傍のガスは、サンプリング管を介してサンプリングされ、酸素濃度計によって、含有酸素濃度が測定された。コイル状となった被圧延材は、酸洗ラインで酸洗された後に、コイル幅両端から50mmを除いた部分において赤熱脆化割れの発生の有無が観察された。
【0065】
表1は、赤熱脆化割れの発生の有無を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1において、「×」は、コイルの長さ方向1mあたりの赤熱脆化割れの数が10個/m以上のものであり、品質不良で不合格であることを示す。また、「〇」は、コイルの長さ方向1mあたりの赤熱脆化割れの数が5個/m以上であり且つ9個/m以下のものであり、品質不良ではなく合格であることを示す。また、「◎」は、コイルの長さ方向1mあたりの赤熱脆化割れの数が4個/m以下のものであり、品質が良好であることを示す。
【0068】
比較例に示すように、粗圧延装置に搬送される間、及び粗圧延装置によって粗圧延される間、鋼材を大気に曝すと、コイルの長さ方向1mあたりの赤熱脆化割れの数が10個以上となり、品質不良となる。
【0069】
実施例1~3、5~7、9及び10に示すように、搬送及び粗圧延の間、鋼材の周囲の酸素濃度が大気よりも低いとき、コイルの長さ方向1mあたりの赤熱脆化割れの数が10個未満となり、大気中で処理された鋼材よりも品質が向上する。
【0070】
実施例4、8、11及び12に示すように、搬送及び粗圧延の間、鋼材の周囲の酸素濃度が9体積%以下であるとき、コイルの長さ方向1mあたりの赤熱脆化割れの数が4個以下となり、鋼材の品質は、更に向上する。鋼材の周囲の酸素濃度が更に低下することで、ウスタイト相のみの単相構造のスケールが鋼材の表面に形成され、赤熱脆化割れの数が更に減少したと推察される。
【符号の説明】
【0071】
1~3 熱間圧延装置
10 搬送装置
11 粗圧延装置
12 デスケーリング装置
13、15、17 低酸素化装置
50 連続鋳造機
100、200、300、400 熱間圧延システム
101 加熱炉
図1
図2
図3
図4
図5