(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138666
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】車種判別システム及び車種判別プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/015 20060101AFI20220915BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20220915BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20220915BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G08G1/04 D
G07B15/00 510
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038679
(22)【出願日】2021-03-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】394001814
【氏名又は名称】ハイウェイ・トール・システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】濱本 怜平
(72)【発明者】
【氏名】富永 琢也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 剛
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127CA16
3E127FA19
3E127FA20
3E127FA24
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC07
5H181CC09
5H181EE07
5H181EE10
(57)【要約】
【課題】高い精度で車種区分を判別する車種判別システムを提供する。
【解決手段】車種判別システム1000は、カテゴリー判定部250と、車種区分判別部290とを備える。カテゴリー判定部250は、有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定する。車種区分判別部290は、カテゴリーに基づき、進入車両の車種区分を判別する。車種区分は、有料道路の通行料を決定するための分類を表す。カテゴリーは、車種区分と、車種区分に属する車両の形状とに応じて決定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定するカテゴリー判定部と、
前記カテゴリーに基づき、前記進入車両の車種区分を判別する車種区分判別部と、
を備え、
前記車種区分は、前記有料道路の通行料を決定するための分類を表し、
前記カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された
車種判別システム。
【請求項2】
前記カテゴリー判定部は、人工知能プログラムを備え、
前記人工知能プログラムは、前記カテゴリーのうち、少なくとも1つのカテゴリーに含まれる複数の車種を区別して判定するように学習されている
請求項1に記載の車種判別システム。
【請求項3】
前記側面撮像画像に基づき、前記進入車両の車軸数を判定する車軸数判定部を備え、
前記車種区分判別部は、前記進入車両の車軸数と、前記カテゴリーとに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別する
請求項1または2に記載の車種判別システム。
【請求項4】
前記車軸数判定部は、
前記側面撮像画像における前記進入車両の車軸の位置に基づき、前記車軸がリフトアクスルであるかを判定し、
前記車軸がリフトアクスルであるとき、前記車軸を数えずに前記車軸数を判定する
請求項3に記載の車種判別システム。
【請求項5】
前記カテゴリー判定部は、前記側面撮像画像に基づき、前記進入車両が被牽引車を牽引する連結車両であるかを判定し、
前記車種区分判別部は、前記進入車両が前記連結車両であるとき、牽引車の前記車種区分と、被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判定する
請求項1から4のいずれか1項に記載の車種判別システム。
【請求項6】
前記側面撮像画像に基づき、前記被牽引車の車軸数を判定する車軸数判定部を備える
請求項5に記載の車種判別システム。
【請求項7】
前記進入車両を側面から撮像して前記側面撮像画像を取得する車側面撮像機を備え、
前記車側面撮像機は、前記進入車両の進行方向において、180度の範囲を撮像する
請求項1から6のいずれか1項に記載の車種判別システム。
【請求項8】
前記カテゴリー判定部は、
前記進入車両の進行方向において、前記側面撮像画像のうち前記車側面撮像機の光軸から所定の角度内の判定領域を抽出し、
抽出された前記判定領域において、前記進入車両の前記カテゴリーを判定する
請求項7に記載の車種判別システム。
【請求項9】
有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定することと、
前記カテゴリーに基づき、前記進入車両の車種区分を判別することと、
を演算装置に実行させ、
前記車種区分は、前記有料道路の通行料を決定するための分類を表し、
前記カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された
車種判別プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車種判別システム及び車種判別プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの有料道路の入口において、有料道路を走行する車両の通行料を決定するために、有料道路に進入する車両の車種区分が判別される。
【0003】
例えば、特許文献1には、有料道路に進入する車両を斜め上方から撮像するカメラと、車両を側面からスキャンするレーザースキャナとを備え、カメラで撮像した画像と、レーザースキャナで検出された検出点とに基づき、車両の車種区分を判別する装置とが開示されている。この装置は、レーザースキャナにより、車軸の数と車軸間の距離とに基づいて、車種区分を判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有料道路を走行する車両は、被牽引車の有無に応じて異なる車種区分に分類されるが、車軸の数と、車軸間の距離だけでは、被牽引車の有無を判断するのが難しい。また、一般に、ナンバープレートを撮像して、ナンバープレートの車種番号に基づき車種区分が決定されるが、雪や汚れによりナンバープレートの車種番号を認識できない場合がある。
【0006】
上記の状況に鑑み、高い精度で車種区分を判別する車種判別システムを提供することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による車種判別システム(1000)は、カテゴリー判定部(250)と、車種区分判別部(290)とを備える。カテゴリー判定部(250)は、有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定する。車種区分判別部(290)は、カテゴリーに基づき、進入車両の車種区分を判別する。車種区分は、有料道路の通行料を決定するための分類を表す。カテゴリーは、車種区分と、車種区分に属する車両の形状とに応じて決定される。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による車種判別プログラム(500)は、有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定することを演算装置(220)に実行させる。また、車種判別プログラム(500)は、カテゴリーに基づき、進入車両の車種区分を判別することを演算装置(220)に実行させる。車種区分は、有料道路の通行料を決定するための分類を表す。カテゴリーは、車種区分と、車種区分に属する車両の形状とに応じて決定される。
【発明の効果】
【0010】
上記の形態によれば、車種判別システムは高い精度で車種区分を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態における車種判別システムの概略図である。
【
図2】一実施の形態における車種判別システムの処理装置の構成図である。
【
図3】一実施の形態における処理装置により実現される機能構成図である。
【
図4】一実施の形態における処理装置による処理を表すフローチャートである。
【
図5A】一実施の形態における車種区分判別部による処理を表すフローチャートである。
【
図5B】一実施の形態における車種区分判別部による処理を表すフローチャートである。
【
図5C】一実施の形態における車種区分判別部による処理を表すフローチャートである。
【
図5D】一実施の形態における車種区分判別部による処理を表すフローチャートである。
【
図5E】一実施の形態における車種区分判別部による処理を表すフローチャートである。
【
図5F】一実施の形態における車種区分判別部による処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態)
本実施の形態では、
図1に示すように、高速道路などの有料道路の入口に設置される車種判別システム1000を例に説明する。有料道路の入り口には、車両、例えば自動車、二輪自動車が通行する走行レーン10に沿って、右側に右側アイランド20Rが設けられ、左側に左側アイランド20Lが設けられている。右側アイランド20Rには、通行券発券機300と、発進制御機450とが設けられている。左側アイランド20Lには、ナンバー撮像機100と、車側面撮像機110と、車前面撮像機120と、処理装置200と、発進車検出機400とが設けられている。
【0013】
車種判別システム1000は、車側面撮像機110を用いて、有料道路に進入する進入車両をカテゴリー、例えば、乗用車、貨物車、トラクタヘッド、バス、二輪自動車、大型特殊自動車などに分類する。カテゴリーは、車種区分と、車種区分に属する車両の形状とに応じて決定される。車種判別システム1000は、進入車両をカテゴリーに分類し、分類されたカテゴリーを利用することで、車種区分を高い精度で判定する。ここで、車種区分は、有料道路の通行料を決定するための分類を表す。
【0014】
車種判別システム1000の構成を説明する。車種判別システム1000は、ナンバー撮像機100と、車側面撮像機110と、車前面撮像機120と、処理装置200とを備える。通行券発券機300は、車種判別システム1000が判定した車種区分に応じて、通行券を発行する。進入車両の運転手は、通行券発券機300により発行された通行券を受け取る。通行券が通行券発券機300から取られると、発進制御機450は、アクチュエータ460を駆動して、発進制御棒470を上げる。進入車両の運転手は、発進制御棒470が上がると、進入車両を前進させる。発進車検出機400は、進入車両の前進を検出して、進入車両が走行レーン10から退出したことを判定する。進入車両が走行レーン10を退出すると、発進制御機450は、アクチュエータ460を駆動して、発進制御棒470を下す。
【0015】
ナンバー撮像機100は、走行レーン10に進入してきた進入車両のナンバープレートを撮像するように構成されている。撮像したナンバープレートのナンバープレート撮像画像は、電気信号に変換されて、処理装置200に送信される。ナンバー撮像機100は、例えば、速い速度で移動する進入車両のナンバープレートを撮像可能な高感度でシャッター速度の速いカメラであり、ストロボを備えていてもよい。
【0016】
車側面撮像機110は、進入車両の側面を撮像するように構成されている。撮像した車両側面の側面撮像画像は、電気信号に変換されて、処理装置200に送信される。車側面撮像機110は、例えば、進入車両の側面を確実に撮像するために、水平方向、例えば進入車両の前後方向において180度の範囲を撮像できるカメラ、例えば魚眼レンズを備えたカメラである。
【0017】
車前面撮像機120は、進入車両の前面を撮像するように構成されている。車前面撮像機120は、進入車両の前上方から車両を撮像する。撮像された前面撮像画像は、電気信号に変換されて、処理装置200に送信される。車前面撮像機120は、例えば、進入車両の前面を撮像するような広角カメラである。
【0018】
処理装置200は、
図2に示すように、入出力装置210と、通信装置230と、演算装置220と、記憶装置240とを備える。処理装置200は、例えば、コンピュータである。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置210は省略されてもよい。
【0019】
通信装置230は、各々の装置に電気的に接続され、各々の装置との通信を行う。通信装置230は、ナンバー撮像機100と、車側面撮像機110と、車前面撮像機120とから各々の装置で撮像された撮像画像を取得して、演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を通行券発券機300に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0020】
記憶装置240は、走行レーン10に進入してきた進入車両の車種区分を判別するための様々なデータ、例えば車種判別プログラム500を格納する。記憶装置240は、車種判別プログラム500を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。車種判別プログラム500は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0021】
演算装置220は、進入車両の車種区分を判別するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0022】
演算装置220は、車種判別プログラム500を読み出し実行することで、
図3に示すように、カテゴリー判定部250と、車軸数判定部260と、車長判定部270と、ナンバープレート判定部280と、車種区分判別部290とを実現する。カテゴリー判定部250は、車側面撮像機110により撮像された側面撮像画像に基づき、進入車両のカテゴリーを判定する。車軸数判定部260は、側面撮像画像に基づき、進入車両の車軸数を判定する。車長判定部270は、側面撮像画像に基づき、進入車両の車軸数を判定する。ナンバープレート判定部280は、ナンバー撮像機100により撮像されたナンバープレート撮像画像に基づき、進入車両のナンバープレートに付された車種番号を判定する。車種区分判別部290は、判定された各情報に基づき、進入車両の車種区分を判別する。
【0023】
また、処理装置200の通信装置230は、
図2に示すように、通行券発券機300と、発進車検出機400と、発進制御機450と通信可能に接続されている。演算装置220は、通行券発券機300と発進車検出機400とからの信号を、通信装置230を介して受信して、発進制御機450を制御する。
【0024】
(車種判別システムの動作)
処理装置200の演算装置220は、走行レーン10に進入車両が進入すると、
図4に示す処理を実行して、進入車両の車種区分を判別する。例えば、演算装置220は、車前面撮像機120から取得する前面撮像画像に進入車両を検出すると、走行レーン10に進入車両が進入したと判定して、
図4に示す処理を実行する。車種判別システム1000は、
図1に示す走行レーン10の入り口に、進入車両の進入を検知する進入検知センサを備えてもよい。進入検知センサは、例えば右側アイランド20Rから左側アイランド20Lにレーザを送信するレーザ送受信機を備え、レーザが進入車両に遮断されることで、進入車両の進入を検知してもよい。
【0025】
演算装置220で実現されるカテゴリー判定部250は、
図4に示すステップS110において、車側面撮像機110により撮像された側面撮像画像から進入車両の領域を検出する。例えば、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像から進入車両の領域を検出するための人工知能プログラムを用いてもよい。人工知能プログラムは、画像から様々な車両の領域を検出するように学習されている。また、車側面撮像機110が魚眼レンズを備えるとき、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像の中央を含む所定の判定領域、例えば車側面撮像機110の光軸から所定の角度内の判定領域を抽出し、抽出した判定領域から進入車両の領域を検出してもよい。例えば、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像から車側面撮像機110の光軸から45度以内の判定領域を抽出して、抽出した判定領域から進入車両の領域を検出する。これにより、車側面撮像機110が魚眼レンズを備えるとき、側面撮像画像の外縁近辺で生じる撮像画像の歪みによる影響を抑制することができる。
【0026】
ステップS120において、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像に撮像された進入車両が連結車両であるか否かを判定する。連結車両は、他の車両を牽引している車両を表す。例えば、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像から進入車両の領域として、牽引車と被牽引車との両方を異なる進入車両の領域として検出する。2つの進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、カテゴリー判定部250は連結車両であると判定する。カテゴリー判定部250は、進入車両が連結車両でないとき、ステップS150の処理を実行する。進入車両が連結車両であるとき、カテゴリー判定部250は、ステップS130の処理を実行する。
【0027】
ステップS130において、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像から牽引車の領域と、被牽引車の領域とを判定する。例えば、カテゴリー判定部250は、連結車両と判定した2つの進入車両の領域のうち、進入車両の進行方向、例えば前方に存在する領域を牽引車の領域と判定し、進入車両の進行方向の逆方向、例えば後方に存在する領域を被牽引車の領域と判定する。
【0028】
ステップS140において、車軸数判定部260は、側面撮像画像に基づき、被牽引車の車軸数を判定する。車軸数判定部260は、側面撮像画像から車軸の領域を検出する。例えば、車軸数判定部260は、側面撮像画像から車軸の領域を検出するための人工知能プログラムを用いてもよい。人工知能プログラムは、画像から車軸の領域を検出するように学習されている。また、車側面撮像機110が魚眼レンズを備えるとき、車軸数判定部260は、側面撮像画像の中央を含む所定の領域、例えば車側面撮像機110の光軸から所定の角度内の判定領域を抽出し、抽出した判定領域から車軸の領域を検出してもよい。
【0029】
車軸数判定部260は、検出された車軸の領域と、被牽引車の領域とに基づき、被牽引車の車軸数を判定する。車軸数判定部260は、車軸の領域と、被牽引車の領域とに基づき、被牽引車の車軸の領域を判定し、判定された被牽引車の車軸の領域を数えることで、被牽引車の車軸数を判定する。例えば、車軸数判定部260は、被牽引車の領域に含まれる車軸の領域を、被牽引車の車軸の領域と判定する。また、車軸数判定部260は、進入車両の進行方向、例えば水平方向において、被牽引車の領域に重なる車軸の領域を、被牽引車の車軸の領域として判定してもよい。
【0030】
ステップS150において、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像に基づき、進入車両、例えば連結車両の牽引車のカテゴリーを判定する。カテゴリー判定部250は、検出された進入車両の車両領域を抽出して、側面撮像画像のうち抽出された車両領域に基づき、進入車両のカテゴリーを判定する。カテゴリー判定部250は、進入車両が連結車両であるとき、牽引車を進入車両として、牽引車のカテゴリーを判定する。例えば、カテゴリー判定部250は、牽引車の領域を抽出して、側面撮像画像のうち抽出された領域に基づき、牽引車のカテゴリーを判定する。
【0031】
カテゴリー判定部250は、例えば、人工知能プログラムを用いて、進入車両のカテゴリーを判定する。人工知能プログラムは、画像から様々な車両のカテゴリーを判定するように学習されている。人工知能プログラムは、1つのカテゴリーに含まれる複数の車種、例えば、軽自動車に含まれる軽自動車と、二輪自動車と、三輪自動車とを区別して判定するように学習されている。カテゴリー判定部250は、人工知能プログラムが進入車両を軽自動車と、二輪自動車と、三輪自動車とのいずれかと判定したとき、進入車両が軽自動車のカテゴリーに含まれると判定する。
【0032】
また、カテゴリー判定部250は、普通車に、例えば軽自動車を除いたセダン、RV(Recreational Vehicle)車、スポーツカー、ミニバン、ワゴン、ハッチバックなどが含まれると判定する。この場合、人工知能プログラムは、軽自動車を除いたセダン、RV車、スポーツカー、ミニバン、ワゴン、ハッチバックなどを区別して判定するように学習される。カテゴリー判定部250は、人工知能プログラムが普通車に含まれる車種のいずれかと判定したとき、進入車両が普通車に含まれると判定する。
【0033】
カテゴリー判定部250に含まれる人工知能プログラムは、同様に、その他のカテゴリー、例えば大型特殊自動車と、トラックと、トラクタヘッドと、バスとについても、1つのカテゴリーに含まれる複数の車種を区別して判定するように学習されている。カテゴリー判定部250は、人工知能プログラムが判定した車種に基づき、進入車両のカテゴリーを判定する。
【0034】
ステップS160において、車長判定部270は、側面撮像画像に基づき、進入車両の車長を判定する。車長判定部270は、抽出された進入車両の領域に基づき、進入車両の車長を判定する。例えば、車長判定部270は、進入車両の進行方向、例えば水平方向において、側面撮像画像における抽出された進入車両の領域の長さを算出し、算出された長さに基づき、進入車両の車長を判定する。車長判定部270は、側面撮像画像における進入車両の領域の長さから進入車両の車長を算出する演算式を予め設定されている。進入車両は、
図1に示すように、右側アイランド20Rと、左側アイランド20Lとに挟まれた走行レーン10を走行しているときに、車側面撮像機110に撮像される。このため、車側面撮像機110が進入車両を撮像するとき、車側面撮像機110から進入車両までの距離は限られた所定の範囲に含まれる。これにより、車長判定部270は、側面撮像画像に撮像された進入車両の長さから進入車両の車長を算出し得る。
【0035】
進入車両が連結車両であるとき、車長判定部270は、牽引車の領域に基づき、進入車両の車長を判定する。例えば、車長判定部270は、進入車両の進行方向、例えば水平方向において、側面撮像画像における牽引車の領域の長さを算出し、算出された長さに基づき、牽引車の車長を進入車両の車長として判定する。
【0036】
図4に示すステップS170において、車軸数判定部260は、側面撮像画像に基づき、進入車両の車軸数を判定する。車軸数判定部260は、側面撮像画像から車軸の領域を検出する。車軸数判定部260は、検出された車軸の領域と、進入車両の領域とに基づき、進入車両の車軸数を判定する。車軸数判定部260は、車軸の領域と、進入車両の領域とに基づき、進入車両の車軸の領域を判定し、判定された進入車両の車軸の領域を数えることで、進入車両の車軸数を判定する。例えば、車軸数判定部260は、進入車両の領域に含まれる車軸の領域を、進入車両の車軸の領域と判定する。また、車軸数判定部260は、進入車両の進行方向、例えば水平方向において、進入車両の領域に重なる車軸の領域を、進入車両の車軸の領域として判定してもよい。
【0037】
進入車両が連結車両であるとき、車軸数判定部260は、側面撮像画像に基づき、牽引車の車軸数を判定する。例えば、車軸数判定部260は、検出された車軸の領域と、牽引車の領域とに基づき、牽引車の車軸数を進入車両の車軸数として判定する。
【0038】
ステップS180において、ナンバープレート判定部280は、ナンバー撮像機100により撮像されたナンバープレート撮像画像に基づき、ナンバープレートの車種番号を判定する。ナンバープレート判定部280は、ナンバープレート撮像画像から、ナンバープレートの領域を抽出して、抽出されたナンバープレートの領域に含まれる車種番号を判定する。例えば、ナンバープレート判定部280は、抽出されたナンバープレートの領域において、文字認識を行うことで、車種番号を判定する。また、ナンバープレート判定部280は、抽出されたナンバープレートの領域の大きさに基づき、ナンバープレートが中板(中型標板)であるか、大板(大型標板)であるかを判定する。
【0039】
ステップS190において、車種区分判別部290は、判定された各情報、具体的には進入車両のカテゴリー、車長、車軸数などに基づき、進入車両の車種区分を判別する。車種区分判別部290は、例えば、
図5A~Fに示す処理を実行して、進入車両の車種区分を決定する。進入車両が連結車両であるとき、最初に、車種区分判別部290は、
図5A~Fに示す処理を実行して、牽引車の車種区分を決定する。次に、被牽引車の車軸数と、牽引車の車種区分とに基づき、車種区分判別部290は、進入車両の車種区分を決定する。
【0040】
車種区分判別部290は、
図5Aに示すステップS210において、ナンバー撮像機100によりナンバープレートを認識できたかを判定する。具体的には、車種区分判別部290は、ナンバープレート判定部280がナンバープレートの車種番号を判定できたかを判定する。車種区分判別部290は、ナンバープレート判定部280がナンバープレートの車種番号を判定できたとき、車種番号を用いて車種区分を判別するために、ステップS220の処理を実行する。ナンバープレート判定部280がナンバープレートの車種番号を判定できないとき、車種番号を用いずに車種区分を判別するために、車種区分判別部290は、
図5Dに示すステップS510の処理を実行する。
【0041】
図5Aに示すステップS220において、車種区分判別部290は、ナンバープレート判定部280が判定した車種番号の上1桁、具体的には車種番号の最も左側の数字により、異なる処理を行う。車種番号の上1桁が「8」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS230の処理を実行して、進入車両の車種区分が特種用途自動車であると決定する。ステップS230において、進入車両が連結車両であるとき、車種区分判別部290は、牽引車の車種区分が特種用途自動車であると決定する。
【0042】
ステップS220において、車種区分判別部290は、車種番号の上1桁が「3」~「7」のいずれかであるとき、ステップS240の処理を実行する。ステップS240において、車種区分判別部290は、
図2に示す車前面撮像機120により撮像された前面撮像画像に基づき、進入車両が軽自動車であるかを判定する。例えば、車種区分判別部290は、前面撮像画像から進入車両のナンバープレートの領域を抽出し、抽出されたナンバープレートの領域が黄色であるとき、進入車両が軽自動車であると判定する。また、車種区分判別部290は、カテゴリー判定部250が進入車両のカテゴリーを軽自動車と判定しているとき、進入車両が軽自動車であると判定してもよい。
【0043】
ステップS240において、車種区分判別部290は、進入車両が軽自動車であると判定すると、ステップS250の処理を実行して、進入車両の車種区分が軽自動車であると決定する。進入車両が軽自動車でないと判定すると、車種区分判別部290は、進入車両の車種区分が普通車であると決定する。
【0044】
ステップS220において、車種区分判別部290は、車種番号の上1桁が「1」であるとき、
図5Bに示すステップS310の処理を実行する。ステップS310において、車種区分判別部290は、ナンバープレートの大きさが中板であるか否かを判定する。ナンバープレートの大きさは、
図4に示すステップS180においてナンバープレート判定部280により中板であるか否かが判定されている。車種区分判別部290は、ナンバープレート判定部280による判定に基づき、進入車両のナンバープレートの大きさが中板であるか否かを取得する。進入車両のナンバープレートの大きさが中板であるとき、車種区分判別部290は、
図5Bに示すステップS320の処理を実行して、進入車両の車種区分が中型車であると決定する。車種区分判別部290は、進入車両のナンバープレートの大きさが中板でないとき、ステップS330の処理を実行する。
【0045】
ステップS330において、車種区分判別部290は、進入車両の車軸数により、異なる処理を行う。進入車両の車軸数が「2」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS340の処理を実行する。ステップS340において、車種区分判別部290は、カテゴリー判定部250により判定された進入車両のカテゴリーがトラクタヘッドであるかを判定する。進入車両のカテゴリーがトラクタヘッドであるとき、車種区分判別部290は、ステップS350の処理を実行して、進入車両の車種区分が中型車であると決定する。進入車両のカテゴリーがトラクタヘッドでないとき、車種区分判別部290は、ステップS360の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。
【0046】
ステップS330において、進入車両の車軸数が「3」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS360の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。
【0047】
ステップS330において、進入車両の車軸数が「4」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS370の処理を実行する。ステップS370において、車種区分判別部290は、進入車両が車両制限令の制限以下であるかを判定する。例えば、車種区分判別部290は、進入車両の車長と、車高とが、車両制限令の制限以下であるかを判定する。車長は、
図4に示すステップS160において車長判定部270により判定される。車種区分判別部290は、車長判定部270により判定された車長を取得する。また、車種区分判別部290は、側面撮像画像に基づき、進入車両の車高を判定する。例えば、車種区分判別部290は、側面撮像画像において、進入車両の進行方向に直行する方向、例えば鉛直方向における進入車両の領域の長さに基づき、進入車両の車高を判定する。車種区分判別部290は、進入車両の車長と、車高とが車両制限令の制限以下であるとき、
図5Bに示すステップS380の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。進入車両の車長と、車高とが車両制限令の制限以下でないとき、車種区分判別部290は、進入車両の車種区分が特大車であると決定する。
【0048】
ステップS330において、進入車両の車軸数が「5」以上であるとき、車種区分判別部290は、ステップS390の処理を実行して、進入車両の車種区分が特大車であると決定する。
【0049】
図5Aに示すステップS220において、車種番号の上1桁が「2」であるとき、車種区分判別部290は、
図5Cに示すステップS410の処理を実行する。ステップS410において、車種区分判別部290は、ナンバープレートの大きさが中板であるか否かを判定する。ナンバープレートの大きさは、
図4に示すステップS180においてナンバープレート判定部280により中板であるか否かが判定されている。車種区分判別部290は、ナンバープレート判定部280による判定に基づき、進入車両のナンバープレートの大きさが中板であるか否かを取得する。進入車両のナンバープレートの大きさが中板であるとき、車種区分判別部290は、
図5Cに示すステップS420の処理を実行して、進入車両の車種区分が中型車であると決定する。車種区分判別部290は、進入車両のナンバープレートの大きさが中板でないとき、ステップS430の処理を実行する。
【0050】
ステップS430において、車種区分判別部290は、側面撮像画像または前面撮像画像に基づき、進入車両が路線バスか否かを判定する。例えば、車種区分判別部290は、側面撮像画像または前面撮像画像に、路線バスの行き先を表す領域が含まれているとき、進入車両が路線バスであると判定する。車種区分判別部290は、進入車両が路線バスでないと判定すると、ステップS440の処理を実行する。進入車両が路線バスであるとき、車種区分判別部290は、ステップS460の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。
【0051】
ステップS440において、車種区分判別部290は、車長が9m未満であるかを判定する。車長は、
図4に示すステップS160において車長判定部270により判定される。車種区分判別部290は、車長判定部270により判定された車長を取得する。取得された車長が9m未満でないとき、車種区分判別部290は、
図5Cに示すステップS450の処理を実行して、進入車両の車種区分が特大車であると決定する。取得された車長が9m未満であるとき、車種区分判別部290は、ステップS460の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。
【0052】
図5Aに示すステップS210において、車種区分判別部290は、ナンバープレートが認識できないと判定すると、
図5Dに示すステップS510の処理を実行する。ステップS510において、車種区分判別部290は、カテゴリー判定部250により判定された進入車両のカテゴリーにより、異なる処理を実行する。進入車両のカテゴリーが「軽自動車」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS520の処理を実行して、進入車両の車種区分が軽自動車であると決定する。
【0053】
ステップS510において、進入車両のカテゴリーが「普通車」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS530の処理を実行して、進入車両の車種区分が普通車であると決定する。
【0054】
ステップS510において、進入車両のカテゴリーが「大型特殊自動車」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS540の処理を実行して、進入車両の車種区分が特大車であると決定する。
【0055】
ステップS510において、進入車両のカテゴリーが「トラクタヘッド」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS550の処理を実行する。ステップS550において、車種区分判別部290は、進入車両の車軸数が「2」であるかを判定する。進入車両の車軸数が「2」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS560の処理を実行して、進入車両の車種区分が中型車であると決定する。進入車両の車軸数が「2」でないとき、例えば進入車両の車軸数が「3」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS570の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。
【0056】
ステップS510において、進入車両のカテゴリーが「トラック」であるとき、車種区分判別部290は、
図5Eに示すステップS610の処理を実行する。ステップS610において、車種区分判別部290は、進入車両の車軸数により、異なる処理を実行する。進入車両の車軸数が「2」または「3」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS620の処理を実行する。
【0057】
ステップS620において、車種区分判別部290は、ナンバープレートの大きさが中板であるか否かを判定する。進入車両のナンバープレートの大きさが中板でないとき、車種区分判別部290は、ステップS630の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。車種区分判別部290は、進入車両のナンバープレートの大きさが中板であるとき、ステップS640の処理を実行する。
【0058】
ステップS640において、車種区分判別部290は、進入車両が小型貨物車(小型貨物自動車とも呼ぶ)かを判定する。例えば、車種区分判別部290は、進入車両の車長と、車高とに基づき、進入車両が小型貨物車であるかを判定する。車長は、
図4に示すステップS160において車長判定部270により判定される。車種区分判別部290は、車長判定部270により判定された車長を取得する。また、車種区分判別部290は、側面撮像画像に基づき、進入車両の車高を判定する。例えば、車種区分判別部290は、側面撮像画像において、進入車両の進行方向に直行する方向、例えば鉛直方向における進入車両の領域の長さに基づき、進入車両の車高を判定する。車種区分判別部290は、進入車両の車長と、車高とが、小型貨物車の規程以下であるとき、
図5Eに示すステップS650の処理を実行して、進入車両の車種区分が普通車であると決定する。進入車両の車長と、車高とが小型貨物車の規程より大きいとき、車種区分判別部290は、進入車両の車種区分が中型車であると決定する。
【0059】
ステップS610において、進入車両の車軸数が「4」であるとき、車種区分判別部290は、ステップS670の処理を実行する。ステップS670において、車種区分判別部290は、進入車両が車両制限令の制限以下であるかを判定する。例えば、車種区分判別部290は、進入車両の車長と、車高とが、車両制限令の制限以下であるかを判定する。車種区分判別部290は、進入車両の車長と、車高とが車両制限令の制限以下であるとき、
図5Eに示すステップS680の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。進入車両の車長と、車高とが車両制限令の制限以下でないとき、車種区分判別部290は、進入車両の車種区分が特大車であると決定する。
【0060】
ステップS610において、進入車両の車軸数が「5」以上であるとき、車種区分判別部290は、ステップS690を実行して、進入車両の車種区分が特大車であると決定する。
【0061】
図5Dに示すステップS510において、進入車両のカテゴリーが「バス」であるとき、車種区分判別部290は、
図5Fに示すステップS710の処理を実行する。ステップS710において、車種区分判別部290は、ナンバープレートの大きさが中板であるか否かを判定する。進入車両のナンバープレートの大きさが中板であるとき、車種区分判別部290は、ステップS720の処理を実行して、進入車両の車種区分が中型車であると決定する。車種区分判別部290は、進入車両のナンバープレートの大きさが中板でないとき、ステップS730の処理を実行する。
【0062】
ステップS730において、車種区分判別部290は、側面撮像画像または前面撮像画像に基づき、進入車両が路線バスか否かを判定する。例えば、車種区分判別部290は、側面撮像画像または前面撮像画像に、路線バスの行き先を表す領域が含まれているとき、進入車両が路線バスであると判定する。車種区分判別部290は、進入車両が路線バスでないと判定すると、ステップS740の処理を実行する。進入車両が路線バスであるとき、車種区分判別部290は、ステップS760の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。
【0063】
ステップS740において、車種区分判別部290は、車長が9m未満であるかを判定する。車長が9m未満でないとき、車種区分判別部290は、ステップS750の処理を実行して、進入車両の車種区分が特大車であると決定する。取得された車長が9m未満であるとき、車種区分判別部290は、ステップS760の処理を実行して、進入車両の車種区分が大型車であると決定する。
【0064】
このように、車種区分判別部290は、進入車両の車種区分を判別することができる。また、進入車両が連結車両であるとき、車種区分判別部290は、被牽引車の車軸数と、牽引車の車種区分に基づき、進入車両の車種区分を変更する。牽引車の車種区分が、軽自動車と、普通車と、中型車とのいずれかのとき、車種区分判別部290は、被牽引車の車軸数が「1」であるかを判定する。被牽引車の車軸数が「1」であるとき、車種区分判別部290は、牽引車の車種区分を軽自動車から普通車に、普通車から中型車に、中型車から大型車に変更する。被牽引車の車軸数が「2」以上であるとき、車種区分判別部290は、牽引車の車種区分を軽自動車から中型車に、普通車から大型車に、中型車から特大車に変更する。
【0065】
牽引車の車種区分が大型車のとき、車種区分判別部290は、牽引車の車軸数が「2」であるかを判定する。牽引車の車軸数が「3」以上であるとき、車種区分判別部290は、牽引車の車種区分を大型車から特大車に変更する。牽引車の車軸数が「2」であるとき、車種区分判別部290は、さらに被牽引車の車軸数が「2」以上であるかを判定し、被牽引車の車軸数が「2」以上であるとき、牽引車の車種区分を大型車から特大車に変更する。
【0066】
このように、車種区分判別部290は、カテゴリー判定部250により判定された進入車両のカテゴリーを利用することで、ナンバープレートの車種番号を判定できないときでも、進入車両の車種区分を判別することができる。また、ナンバープレートの車種番号を判別できるときでも、カテゴリー判定部250により判定された進入車両のカテゴリーを利用することで、車種区分判別部290は、高い精度で進入車両の車種区分を判別することができる。また、車側面撮像機110、例えばカメラが進入車両の側面を撮像することで、レーザーセンサを用いて車軸数などを判定するよりも、走行レーン10の距離は短くすることができる。これは、レーザーセンサを用いた場合、レーザーセンサの前を車両が通過する必要があるためである。特に、車側面撮像機110が180度の範囲を撮像できるカメラである場合、走行レーン10の距離はより短くすることができる。
【0067】
(変形例)
カテゴリー判定部250は、
図4に示すステップS120において、進入車両が連結車両であるか否かを任意の方法で判定してもよい。例えば、カテゴリー判定部250は、車側面撮像機110により撮像された側面撮像画像から進入車両の領域を抽出する。進入車両の領域に被牽引車が撮像されているかを判定することで、カテゴリー判定部250は、進入車両が連結車両であるか否かを判定してもよい。この場合、進入車両の領域に被牽引車が撮像されているとき、カテゴリー判定部250は、進入車両が連結車両であると判定する。
【0068】
カテゴリー判定部250により判定されるカテゴリーに被牽引車が含まれてもよい。この場合、カテゴリー判定部250は、
図4に示すステップS110において、進入車両の領域を抽出し、抽出された領域に基づき、進入車両のカテゴリーを判定する。進入車両のカテゴリーが被牽引車と判定されたとき、カテゴリー判定部250は、被牽引車の前方にある進入車両を牽引車と判定して、進入車両が牽引車と被牽引車とによる連結車両であると判定する。
【0069】
車長判定部270は、
図4に示すステップS160において、側面撮像画像に基づき、進入車両の車高を算出してもよい。例えば、車長判定部270は、側面撮像画像において、進入車両の進行方向に直行する方向、例えば鉛直方向における進入車両の領域の長さに基づき、進入車両の車高を判定する。判定された進入車両の車高は、車種区分判別部290が車種区分を判別する処理に利用される。
【0070】
車軸数判定部260は、側面撮像画像に基づき、検出された車軸が道路に接しているかを判定してもよい。例えば、車軸数判定部260は、鉛直方向において、検出された車軸の領域における下端、例えば鉛直下方向の端が、検出された他の車軸の領域における下端より上方にあるかを判定する。車軸数判定部260は、他の車軸の領域における下端より、車軸の領域の下端が上方にあるとき、上方にある領域に対応する車軸が道路に接しておらず、リフトアクスルであると判定する。車軸数判定部260は、リフトアクスルであると判定された車軸を除いて、車軸数を判定する。これにより、車軸数判定部260は、リフトアクスルの車軸があっても、正確に車軸数を判定することができる。なお、車軸数判定部260は、鉛直方向において、車軸の領域の中心位置を比較して、リフトアクスルの車軸を判定してもよい。
【0071】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、機能を阻害しない範囲で変更してもよい。また、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。
【0072】
例えば、車種判別システム1000は、ナンバー撮像機100を省略して、側面撮像画像と前面撮像画像とに基づき、進入車両の車種区分を判別してもよい。また、ナンバープレート判定部280がナンバープレートを判定できるときも、車種区分判別部290は、
図5D~Fに示す処理を実行して、カテゴリー判定部250により判定されたカテゴリーに基づき、車種区分を判別してもよい。この場合、車種区分判別部290は、
図5A~Cに示す処理によりナンバープレートの車種番号を用いて判別された車種区分と、
図5D~Fに示す処理によりカテゴリーを用いて判別された車種区分とに基づき、進入車両の車種区分を判別してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 :記憶媒体
10 :走行レーン
20R :右側アイランド
20L :左側アイランド
100 :ナンバー撮像機
110 :車側面撮像機
120 :車前面撮像機
200 :処理装置
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :カテゴリー判定部
260 :車軸数判定部
270 :車長判定部
280 :ナンバープレート判定部
290 :車種区分判別部
300 :通行券発券機
400 :発進車検出機
450 :発進制御機
460 :アクチュエータ
470 :発進制御棒
500 :車種判別プログラム
1000 :車種判別システム