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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138714
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/01 20060101AFI20220915BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20220915BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20220915BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220915BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G03G15/01 114
G03G15/01 Y
G03G15/16
G03G15/02 102
G03G15/00 303
G03G21/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038756
(22)【出願日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】三村 千栄子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓太
(72)【発明者】
【氏名】柴田 千晴
【テーマコード(参考)】
2H134
2H200
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GB05
2H134HA11
2H134HA12
2H134HA16
2H134HF14
2H134JB01
2H134KB04
2H134KG01
2H134KH01
2H134KJ02
2H200FA08
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA47
2H200GB15
2H200HA01
2H200HA11
2H200HA29
2H200HB12
2H200HB22
2H200JA02
2H200JA29
2H200JB06
2H200NA08
2H200NA09
2H200PA05
2H200PA06
2H200PA26
2H270KA04
2H270MA01
2H270MA14
2H270MA24
2H270MB04
2H270ZC08
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EF02
2H300EF06
2H300EF08
2H300EF14
2H300EF17
2H300EG02
2H300EG03
2H300EH16
2H300EJ09
2H300EJ25
2H300EJ32
2H300EK03
2H300EL02
2H300EL04
2H300EL10
2H300FF02
2H300FF05
2H300FF08
2H300GG44
2H300HH24
2H300PP07
2H300PP08
2H300QQ04
2H300QQ05
2H300QQ28
2H300QQ29
(57)【要約】
【課題】単色画像の印刷に用いられる第1感光ドラムが単色画像の印刷に用いられない第2感光ドラムの下流側に配置される構成において、第1感光ドラムに付着物が付着することを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】
画像形成装置1は、感光ドラム41K,41Y,41M,41Cと、転写ローラ72K,72Y,72M,72Cと、クリーニングローラ43Yと、クリーニングシャフト44と、制御部12とを備える。制御部12は、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、転写ローラ72Kに、転写電流It(K)を流し、転写ローラ72M,72Cに、転写電流It(K)よりも小さい転写電流It(M),It(C)を印加し、転写ローラ72Yに、転写電流It(M),It(C)よりも大きな転写電流It(Y)を流す。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに多色画像を印刷可能な多色印刷モードと、シートに単色画像を印刷可能な単色印刷モードとに切り替え可能な画像形成装置であって、
ドラムユニットであって、
単色画像の印刷および多色画像の印刷に用いられる第1感光ドラムと、
単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる第2感光ドラムであって、前記第1感光ドラムと離れて位置する第2感光ドラムと、
前記第2感光ドラムの表面をクリーニングするクリーニングローラと、
前記シートから前記第2感光ドラムの表面に付着した付着物であって、前記第2感光ドラムの表面から前記クリーニングローラに回収された付着物を、前記クリーニングローラから回収するクリーニングシャフトと、
単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる第3感光ドラムであって、前記第1感光ドラムと前記第2感光ドラムとの間に位置する第3感光ドラムと、
を有するドラムユニットと、
転写ユニットであって、
前記第2感光ドラムから前記第1感光ドラムに向かってシートを搬送するベルトと、
前記第1感光ドラム上のトナーを前記シートに転写するための第1転写ローラと、
前記第2感光ドラム上のトナーを前記シートに転写するための第2転写ローラと、
前記第3感光ドラム上のトナーを前記シートに転写するための第3転写ローラと、を有する転写ユニットと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記画像形成装置が単色印刷モードである場合、
前記第1転写ローラに、第1転写バイアスを印加し、
前記第3転写ローラに、前記第1転写バイアスよりも低い第3転写バイアスを印加し、
前記第2転写ローラに、前記第3転写バイアスよりも高い第2転写バイアスを印加する、画像形成装置。
【請求項2】
前記ドラムユニットは、
前記クリーニングシャフトが回収した前記付着物を収容する収容部を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1感光ドラムにトナーを供給する第1現像ローラを有する第1現像カートリッジと、
前記第2感光ドラムにトナーを供給する第2現像ローラを有する第2現像カートリッジと、
前記第3感光ドラムにトナーを供給する第3現像ローラを有する第3現像カートリッジと、をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2現像ローラが前記第2感光ドラムと接触する接触位置から、前記第2現像ローラが前記第2感光ドラムから離間する離間位置へ、前記第2現像ローラを移動させる離間機構をさらに備え、
前記画像形成装置が前記単色印刷モードである場合、前記離間機構は、前記第2現像ローラを前記離間位置に位置させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2現像ローラが前記第2感光ドラムと接触する接触位置から、前記第2現像ローラが前記第2感光ドラムから離間する離間位置へ、前記第2現像ローラを移動させる離間機構をさらに備え、
前記画像形成装置が前記多色印刷モードである場合、前記離間機構は、前記第2現像ローラが前記接触位置に位置することを許容し、かつ、前記制御部は、前記第2現像ローラに第1現像バイアスを印加し、
前記画像形成装置が前記単色印刷モードである場合、前記離間機構は、前記第2現像ローラが前記接触位置に位置することを許容し、かつ、前記制御部は、前記第2現像ローラに、前記第1現像バイアスよりも小さい第2現像バイアスを印加する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ドラムユニットは、
前記第1感光ドラムを帯電させる第1帯電装置と、
前記第2感光ドラムを帯電させる第2帯電装置と、
前記第3感光ドラムを帯電させる第3帯電装置と、を有し、
前記制御部は、前記画像形成装置が前記単色印刷モードである場合、
前記第1帯電装置に、第1帯電バイアスを印加し、
前記第3帯電装置に、前記第1帯電バイアスよりも低い第3帯電バイアスを印加し、
前記第2帯電装置に、前記第3帯電バイアスよりも高い第2帯電バイアスを印加する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ドラムユニットは、
前記第1感光ドラムと前記第3感光ドラムとの間に位置する第4感光ドラムを、さらに有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1感光ドラムには、ブラックのトナーが供給され、
前記第2感光ドラムには、イエローのトナーが供給され、
前記第3感光ドラムには、マゼンタのトナーが供給され、
前記第4感光ドラムには、シアンのトナーが供給される、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
シートに多色画像を印刷可能な多色印刷モードと、シートに単色画像を印刷可能な単色印刷モードとに切り替え可能な画像形成装置であって、
ドラムユニットであって、
単色画像の印刷および多色画像の印刷に用いられる第1感光ドラムと、
単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる第2感光ドラムであって、前記第1感光ドラムと離れて位置する第2感光ドラムと、
前記第2感光ドラムの表面をクリーニングするクリーニングローラと、
前記シートから前記第2感光ドラムの表面に付着した付着物であって、前記第2感光ドラムの表面から前記クリーニングローラに回収された付着物を、前記クリーニングローラから回収するクリーニングシャフトと、
単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる第3感光ドラムであって、前記第1感光ドラムと前記第2感光ドラムとの間に位置する第3感光ドラムと、
前記第1感光ドラムを帯電させる第1帯電装置と、
前記第2感光ドラムを帯電させる第2帯電装置と、
前記第3感光ドラムを帯電させる第3帯電装置と、
を有するドラムユニットと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記画像形成装置が単色印刷モードである場合、
前記第1帯電装置に、第1帯電バイアスを印加し、
前記第3帯電装置に、前記第1帯電バイアスよりも低い第3帯電バイアスを印加し、
前記第2帯電装置に、前記第3帯電バイアスよりも高い第2帯電バイアスを印加する、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の感光ドラムを有し、多色画像を印刷する多色印刷モードと、単色画像を印刷する単色印刷モードとに切り替え可能な画像形成装置が知られている。このような画像形成装置において、単色画像の印刷に用いられる感光ドラムが、シートの搬送方向において、単色画像の印刷に用いられない感光ドラムの下流側に配置される場合がある。
【0003】
そのような画像形成装置として、複数の感光ドラムのそれぞれに対して設けられる複数のクリーニングローラと、最上流のクリーニングローラに対して設けられる紙粉吸着シャフトとを備える画像形成装置が知られている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-165000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるような画像形成装置において、単色画像を印刷するときに、印刷に用いられない転写ローラの転写バイアスを低下させる場合がある。この場合、最上流の感光ドラムに付着する紙粉の量が低下し、単色画像の印刷に用いられる感光ドラムに紙粉が付着してしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本開示の目的は、単色画像の印刷に用いられる第1感光ドラムが単色画像の印刷に用いられない第2感光ドラムの下流側に配置される構成において、第1感光ドラムに付着物が付着することを抑制できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の画像形成装置は、多色印刷モードと単色印刷モードとに切り替え可能である。画像形成装置が多色印刷モードである場合、画像形成装置は、シートに多色画像を印刷可能である。画像形成装置が単色印刷モードである場合、画像形成装置は、シートに単色画像を印刷可能である。
【0008】
画像形成装置は、ドラムユニットと、転写ユニットと、制御部とを備える。
【0009】
ドラムユニットは、第1感光ドラムと、第2感光ドラムと、クリーニングローラと、クリーニングシャフトと、第3感光ドラムとを有する。第1感光ドラムは、単色画像の印刷および多色画像の印刷に用いられる。第2感光ドラムは、単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる。第2感光ドラムは、第1感光ドラムと離れて位置する。クリーニングローラは、第2感光ドラムの表面をクリーニングする。クリーニングシャフトは、付着物を、クリーニングローラから回収する。付着物は、シートから第2感光ドラムの表面に付着した付着物であって、第2感光ドラムの表面からクリーニングローラに回収された付着物である。第3感光ドラムは、単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる。第3感光ドラムは、第1感光ドラムと第2感光ドラムとの間に位置する。
【0010】
転写ユニットは、ベルトと、第1転写ローラと、第2転写ローラと、第3転写ローラとを有する。ベルトは、第2感光ドラムから第1感光ドラムに向かってシートを搬送する。第1転写ローラは、第1感光ドラム上のトナーをシートに転写する。第2転写ローラは、第2感光ドラム上のトナーをシートに転写する。第3転写ローラは、第3感光ドラム上のトナーをシートに転写する。
【0011】
制御部は、画像形成装置が単色印刷モードである場合、第1転写ローラに、第1転写バイアスを印加し、第3転写ローラに、第1転写バイアスよりも低い第3転写バイアスを印加し、第2転写ローラに、第3転写バイアスよりも高い第2転写バイアスを印加する。
【0012】
このような構成によれば、画像形成装置が単色印刷モードである場合、第2転写ローラに印加される第2転写バイアスにより、シート上の付着物を帯電させて、第2感光ドラムに付着させることができる。
【0013】
そのため、シート上の付着物が第2感光ドラムに付着しないで第1感光ドラムに付着してしまうことを、抑制できる。
【0014】
その結果、第1感光ドラムに付着物が付着することを抑制できる。
【0015】
(2)ドラムユニットは、収容部を有してもよい。収容部は、クリーニングシャフトが回収した付着物を収容する。
【0016】
(3)画像形成装置は、第1現像カートリッジと、第2現像カートリッジと、第3現像カートリッジとを、さらに備えてもよい。第1現像カートリッジは、第1現像ローラを有する。第1現像ローラは、第1感光ドラムにトナーを供給する。第2現像カートリッジは、第2現像ローラを有する。第2現像ローラは、第2感光ドラムにトナーを供給する。第3現像カートリッジは、第3現像ローラを有する。第3現像ローラは、第3感光ドラムにトナーを供給する。
【0017】
(4)画像形成装置は、離間機構をさらに備えてもよい。離間機構は、接触位置から、離間位置へ、第2現像ローラを移動させる。第2現像ローラが接触位置に位置した状態で、第2現像ローラは、第2感光ドラムと接触する。第2現像ローラが離間位置に位置した状態で、第2現像ローラは、第2感光ドラムから離間する。画像形成装置が単色印刷モードである場合、離間機構は、第2現像ローラを離間位置に位置させてもよい。
【0018】
このような構成によれば、第2感光ドラムに付着した付着物が第2現像ローラによって第2現像カートリッジ内に回収されてしまうことを、抑制できる。
【0019】
(5)画像形成装置が多色印刷モードである場合、離間機構は、第2現像ローラが接触位置に位置することを許容し、かつ、制御部は、第2現像ローラに第1現像バイアスを印加してもよい。画像形成装置が単色印刷モードである場合、離間機構は、第2現像ローラが接触位置に位置することを許容し、かつ、制御部は、第2現像ローラに、第2現像バイアスを印加してもよい。第2現像バイアスは、第1現像バイアスよりも小さい。
【0020】
このような構成によれば、第2感光ドラムに付着した付着物を、第2現像ローラによって第2現像カートリッジ内に回収できる。
【0021】
(6)ドラムユニットは、第1帯電装置と、第2帯電装置と、第3帯電装置とを有する。第1帯電装置は、第1感光ドラムを帯電させる。第2帯電装置は、第2感光ドラムを帯電させる。第3帯電装置は、第3感光ドラムを帯電させる。制御部は、画像形成装置が単色印刷モードである場合、第1帯電装置に、第1帯電バイアスを印加し、第3帯電装置に、第1帯電バイアスよりも低い第3帯電バイアスを印加し、第2帯電装置に、第3帯電バイアスよりも高い第2帯電バイアスを印加してもよい。
【0022】
このような構成によれば、第2感光ドラムの表面電位を高くして、シート上の付着物を第2感光ドラムに付着させることができる。
【0023】
そのため、シート上の付着物が第2感光ドラムに付着しないで第1感光ドラムに付着してしまうことを、抑制できる。
【0024】
その結果、第1感光ドラムに付着物が付着することを抑制できる。
【0025】
(7)ドラムユニットは、第4感光ドラムを、さらに有してもよい。第4感光ドラムは、第1感光ドラムと第3感光ドラムとの間に位置する。
【0026】
(8)第1感光ドラムには、ブラックのトナーが供給されてもよい。第2感光ドラムには、イエローのトナーが供給されてもよい。第3感光ドラムには、マゼンタのトナーが供給されてもよい。第4感光ドラムには、シアンのトナーが供給されてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本開示の画像形成装置によれば、単色画像の印刷に用いられる第1感光ドラムが単色画像の印刷に用いられない第2感光ドラムの下流側に配置される構成において、第1感光ドラムに付着物が付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、画像形成装置の概略構成図である。
図2図2は、画像形成装置の詳細を説明するためのブロック図であって、多色印刷モードである状態を示す。
図3図3は、図2に示すブロック図であって、単色印刷モードである状態を示す。
図4図4は、多色印刷モード、単色印刷モードおよびドラムクリーニング処理のそれぞれにおける画像形成装置の状態を説明するための表である。
図5図5は、図2に示すブロック図であって、ドラムクリーニング処理を実行する状態を示す。
図6図6は、第1の変形例を説明するための表である。
図7図7は、第2の変形例を説明するための表である。
図8図8は、第3の変形例を説明するための表である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
1.画像形成装置1の概略
図1から図3を参照して、画像形成装置1の概略について説明する。
【0030】
図1に示す画像形成装置1は、多色印刷モード(図2参照)と単色印刷モード(図3参照)とに切り替え可能である。画像形成装置1が多色印刷モードである場合、画像形成装置1は、シートSに多色画像を印刷可能である。画像形成装置1が単色印刷モードである場合、画像形成装置1は、シートSに単色画像を印刷可能である。
【0031】
画像形成装置1は、本体筐体2と、シート収容部3と、ドラムユニット4と、露光装置5と、複数の現像カートリッジ6K,6Y,6M,6Cと、転写ユニット7と、定着装置8とを備える。
【0032】
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シート収容部3と、ドラムユニット4と、露光装置5と、現像カートリッジ6K,6Y,6M,6Cと、転写ユニット7と、定着装置8とを収容する。
【0033】
1.2 シート収容部3
シート収容部3は、シートSを収容する。シート収容部3内のシートSは、シート収容部3から感光ドラム41Yに向けて搬送される。感光ドラム41Yについては、後で説明する。シートSは、例えば、印刷用紙である。シート収容部3は、シートカセットであってもよい。
【0034】
1.3 ドラムユニット4
ドラムユニット4は、複数の感光ドラム41K,41Y,41M,41Cと、複数の帯電装置42K,42Y,42M,42Cとを有する。
【0035】
1.3.1 感光ドラム41K,41Y,41M,41C
感光ドラム41K,41Y,41M,41Cは、ベルト71によるシートSの搬送方向において、感光ドラム41Y、感光ドラム41M、感光ドラム41C、感光ドラム41Kの順に並ぶ。ベルト71については、後で説明する。つまり、感光ドラム41Kは、ベルト71によるシートSの搬送方向において、感光ドラム41K,41Y,41M,41Cの中で最も下流側に位置する。感光ドラム41Yは、ベルト71によるシートSの搬送方向において、感光ドラム41K,41Y,41M,41Cの中で最も上流側に位置する。
【0036】
感光ドラム41Kは、単色画像の印刷および多色画像の印刷に用いられる。感光ドラム41Kには、ブラックのトナーが供給される。感光ドラム41Kは、軸方向に延びる。感光ドラム41Kは、ドラム軸A1について回転可能である。ドラム軸A1は、軸方向に延びる。なお、「印刷に用いられる」とは、印刷のためのトナーを担持することをいう。また、「印刷に用いられない」とは、印刷のためのトナーを担持しないことをいう。
【0037】
感光ドラム41Yは、単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる。感光ドラム41Yは、搬送方向において、感光ドラム41Kと離れて位置する。搬送方向は、軸方向と交差する。好ましくは、搬送方向は、軸方向と直交する。感光ドラム41Yには、イエローのトナーが供給される。
【0038】
感光ドラム41Mは、単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる。感光ドラム41Mは、搬送方向において、感光ドラム41Yと感光ドラム41Kとの間に位置する。感光ドラム41Mには、マゼンタのトナーが供給される。
【0039】
感光ドラム41Cは、単色画像の印刷に用いられず多色画像の印刷に用いられる。感光ドラム41Cは、搬送方向において、感光ドラム41Mと感光ドラム41Kとの間に位置する。感光ドラム41Cには、シアンのトナーが供給される。
【0040】
感光ドラム41Y,41M,41Cのそれぞれについての説明は、感光ドラム41Kについての説明と同様である。そのため、感光ドラム41Y,41M,41Cについての説明は、省略される。
【0041】
1.3.2 帯電装置42K,42Y,42M,42C
帯電装置42Kは、感光ドラム41Kを帯電させる。帯電装置42Yは、感光ドラム41Yを帯電させる。帯電装置42Mは、感光ドラム41Mを帯電させる。帯電装置42Cは、感光ドラム41Cを帯電させる。本実施形態では、帯電装置42K,42Y,42M,42Cのそれぞれは、スコロトロン型の帯電装置である。帯電装置42K,42Y,42M,42Cのそれぞれは、帯電ローラであってもよい。
【0042】
1.4 露光装置5
露光装置5は、帯電装置42Kによって帯電された感光ドラム41Kを露光する。本実施形態では、露光装置5は、レーザースキャンユニットである。露光装置5は、感光ドラム41Kだけでなく、感光ドラム41Y,41M,41Cも露光可能である。露光装置5は、LEDアレイを有する露光ヘッドであってもよい。
【0043】
1.5 現像カートリッジ6K,6Y,6M,6C
現像カートリッジ6K,6Y,6M,6Cのそれぞれは、ドラムユニット4に対して装着可能である。現像カートリッジ6Kは、現像筐体61Kと、現像ローラ62Kとを有する。
【0044】
現像筐体61Kは、ブラックのトナーを収容する。トナーは、摩擦により帯電可能な非磁性一成分系トナーである。本実施形態では、トナーは、摩擦により正帯電する。
【0045】
現像ローラ62Kは、現像筐体61Kに支持される。現像カートリッジ6Kがドラムユニット4に装着され、ドラムユニット4が内側位置に位置した状態で、現像ローラ62Kは、現像筐体61K内のトナーを感光ドラム41Kに供給可能である。現像ローラ62Kは、軸方向に延びる。現像ローラ62Kは、現像軸A2について回転可能である。現像軸A2は、軸方向に延びる。
【0046】
現像カートリッジ6Y,6M,6Cのそれぞれについての説明は、現像カートリッジ6Kについての説明と同様である。つまり、現像カートリッジ6Yは、現像ローラ62Yを有する。現像ローラ62Yは、感光ドラム41Yにイエローのトナーを供給する。現像カートリッジ6Mは、現像ローラ62Mを有する。現像ローラ62Mは、感光ドラム41Mにマゼンタのトナーを供給する。現像カートリッジ6Cは、現像ローラ62Cを有する。現像ローラ62Cは、感光ドラム41Cにシアンのトナーを供給する。
【0047】
1.6 転写ユニット7
転写ユニット7は、ベルト71と、複数の転写ローラ72K,72Y,72M,72Cとを有する。
【0048】
ベルト71は、感光ドラム41K,41Y,41M,41Cと接触する。ベルト71は、シート収容部3からのシートSを、定着装置8に向けて搬送する。ベルト71は、感光ドラム41Yから感光ドラム41Kに向かってシートSを搬送する。
【0049】
転写ローラ72Kは、感光ドラム41K上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ72Yは、感光ドラム41Y上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ72Mは、感光ドラム41M上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ72Cは、感光ドラム41C上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。
【0050】
1.7 定着装置8
定着装置8は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、シートSにトナーを定着させる。定着装置8を通過したシートSは、本体筐体2の上面に排紙される。
【0051】
2.ドラムユニット4の詳細
次に、ドラムユニット4の詳細について説明する。
【0052】
画像形成装置1では、画像形成装置1が単色印刷モード(図3参照)である場合、感光ドラム41Yに、付着物が付着する場合がある。シートSが印刷用紙である場合、付着物は、例えば、紙粉である。紙粉は、転写電流によって負帯電するため、正帯電した感光ドラム41Yの表面に付着する。
【0053】
そこで、ドラムユニット4は、複数のクリーニングローラ43K,43Y,43M,43Cと、クリーニングシャフト44と、収容部45とを有する。
【0054】
クリーニングローラ43Kは、感光ドラム41Kの表面をクリーニングする。クリーニングローラ43Yは、感光ドラム41Yの表面をクリーニングする。クリーニングローラ43Mは、感光ドラム41Mの表面をクリーニングする。クリーニングローラ43Cは、感光ドラム41Cの表面をクリーニングする。シートS上の付着物は、シートSから感光ドラム41Yの表面に付着し、感光ドラム41Yの表面からクリーニングローラ43Yに回収される。
【0055】
クリーニングシャフト44は、クリーニングローラ43Yに対して設けられる。本実施形態では、ドラムユニット4は、クリーニングローラ43M,43C,43Kに対するクリーニングシャフトを有さない。クリーニングシャフト44は、付着物を、クリーニングローラ43Yから回収する。
【0056】
収容部45は、クリーニングシャフト44が回収した付着物を収容する。
【0057】
3.画像形成装置1の詳細
次に、図1から図3を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
【0058】
図2に示すように、画像形成装置1は、モータ10と、離間機構11と、制御部12とを備える。
【0059】
3.1 モータ10
モータ10は、ギア列101を介して、離間機構11と接続される。モータ10からの動力は、ギア列101を介して、離間機構11に伝わる。
【0060】
3.2 離間機構11
本実施形態では、画像形成装置1が多色印刷モードである場合、現像ローラ62Kが感光ドラム41Kと接触し、現像ローラ62Yが感光ドラム41Yと接触し、現像ローラ62Mが感光ドラム41Mと接触し、現像ローラ62Cが感光ドラム41Cと接触する。この状態で、感光ドラム41K,41Y,41M,41Cの全ては、印刷のためのトナーを担持可能である。そのため、感光ドラム41K,41Y,41M,41Cの全ては、印刷に用いられる。
【0061】
一方、図3に示すように、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、現像ローラ62Kが感光ドラム41Kと接触し、現像ローラ62Yが感光ドラム41Yから離間し、現像ローラ62Mが感光ドラム41Mから離間し、現像ローラ62Cが感光ドラム41Cから離間する。この状態で、感光ドラム41Kは、印刷のためのトナーを担持可能である。そのため、感光ドラム41Kは、印刷に用いられる。一方、感光ドラム41Y,41M,41Cは、印刷のためのトナーを担持できない。そのため、感光ドラム41Y,41M,41Cは、印刷に用いられない。
【0062】
図2および図3に示すように、画像形成装置1が多色印刷モード(図2参照)から単色印刷モード(図3参照)に切り替わるときに、離間機構11は、モータ10からの動力により、現像ローラ62Y,62M,62Cのそれぞれを、接触位置(図2参照)から離間位置(図3参照)へ移動させる。詳しくは、離間機構11は、現像カートリッジ6Y(図1参照)を移動させることにより、現像ローラ62Yを、接触位置から離間位置へ移動させ、現像カートリッジ6M(図1参照)を移動させることにより、現像ローラ62Mを、接触位置から離間位置へ移動させ、現像カートリッジ6C(図1参照)を移動させることにより、現像ローラ62Cを、接触位置から離間位置へ移動させる。これにより、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、離間機構11は、現像ローラ62Y,62M,62Kのそれぞれを、離間位置に位置させる。
【0063】
図2に示すように、現像ローラ62Yが接触位置に位置した状態で、現像ローラ62Yは、感光ドラム41Yと接触する。現像ローラ62Mが接触位置に位置した状態で、現像ローラ62Mは、感光ドラム41Mと接触する。現像ローラ62Cが接触位置に位置した状態で、現像ローラ62Cは、感光ドラム41Cと接触する。
【0064】
一方、図3に示すように、現像ローラ62Yが離間位置に位置した状態で、現像ローラ62Yは、感光ドラム41Yから離間する。現像ローラ62Mが離間位置に位置した状態で、現像ローラ62Mは、感光ドラム41Mから離間する。現像ローラ62Cが離間位置に位置した状態で、現像ローラ62Cは、感光ドラム41Cから離間する。
【0065】
なお、画像形成装置1が単色印刷モード(図3参照)から多色印刷モード(図2参照)に切り替わるとき、離間機構11は、現像ローラ62Y,62M,62Cのそれぞれが離間位置(図3参照)から接触位置(図2参照)に移動することを許容する。
【0066】
3.3 制御部12
制御部12は、画像形成装置1の動作を制御する。制御部12は、画像形成装置1を多色印刷モードと単色印刷モードとに切り替える。
【0067】
詳しくは、図2に示すように、制御部12は、モータ10、帯電装置42K,42Y,42M,42C、クリーニングローラ43K,43Y,43M,43C、クリーニングシャフト44、転写ローラ72K,72Y,72M,72C、および、現像ローラ62K,62Y,62M,62Cと電気的に接続される。
【0068】
4.画像形成装置1の制御
次に、図2から図5を参照して、制御部12による画像形成装置1の制御について説明する。
【0069】
4.1 多色印刷モード
図2に示すように、画像形成装置1が多色印刷モードである場合、現像ローラ62K,62Y,62M,62Cのそれぞれは、接触位置に位置する。つまり、画像形成装置1が多色印刷モードである場合、離間機構11は、現像ローラ62Yが接触位置に位置することを許容する。
【0070】
図4に示すように、制御部12は、現像ローラ62Kに印加される現像バイアスVb(K)、現像ローラ62Yに印加される現像バイアスVb(Y)、現像ローラ62Mに印加される現像バイアスVb(M)、および、現像ローラ62Cに印加される現像バイアスVb(C)のそれぞれを、+400Vに調節する。つまり、制御部12は、現像ローラ62Yに第1現像バイアス(+400V)を印加する。
【0071】
また、制御部12は、帯電装置42Kのグリッドに生じるグリッドバイアスVg(K)、帯電装置42Yのグリッドに生じるグリッドバイアスVg(Y)、帯電装置42Mのグリッドに生じるグリッドバイアスVg(M)、および、帯電装置42Cのグリッドに生じるグリッドバイアスVg(C)を、+850Vに調節する。
【0072】
また、制御部12は、転写ローラ72Kと感光ドラム41Kとの間に流れる転写電流It(K)、転写ローラ72Yと感光ドラム41Yとの間に流れる転写電流It(Y)、転写ローラ72Mと感光ドラム41Mとの間に流れる転写電流It(M)、および、転写ローラ72Cと感光ドラム41Cとの間に流れる転写電流It(C)を、シートSにトナーを転写できる大きさに調節する。具体的には、転写電流It(K),It(Y),It(M),It(C)のそれぞれを、-16μAから-24μAの範囲に調節する。
【0073】
また、制御部12は、クリーニングローラ43Kに印加されるクリーニングバイアスVc(K)、クリーニングローラ43Yに印加されるクリーニングバイアスVc(Y)、クリーニングローラ43Mに印加されるクリーニングバイアスVc(M)、および、クリーニングローラ43Cに印加されるクリーニングバイアスVc(C)を、-400Vに調節する。
【0074】
これにより、クリーニングローラ43Kは、シートSに転写されずに感光ドラム41K上に残っている残トナーを、回収する。クリーニングローラ43Yは、シートSに転写されずに感光ドラム41Y上に残っている残トナーを、回収する。クリーニングローラ43Mは、シートSに転写されずに感光ドラム41M上に残っている残トナーを、回収する。クリーニングローラ43Cは、シートSに転写されずに感光ドラム41C上に残っている残トナーを、回収する。なお、感光ドラム41Yの表面に付着した付着物は、クリーニングローラ43Yに回収されずに、感光ドラム41Y上に残る。
【0075】
また、制御部12は、クリーニングシャフト44に印加されるシャフトバイアスVsを、-200Vに調節する。これにより、クリーニングローラ43Yの電位は、クリーニングシャフト44よりも低くなる。そのため、クリーニングローラ43Yに回収された残トナーは、クリーニングシャフト44に移動せず、クリーニングローラ43Yに保持される。
【0076】
4.2 単色印刷モード
図2および図3に示すように、制御部12は、画像形成装置1を多色印刷モードから単色印刷モードに切り替えるときに、モータ10を駆動させる。すると、離間機構11は、モータ10からの動力により、現像ローラ62Y,62M,62Cのそれぞれを、接触位置(図2参照)から離間位置(図3参照)へ移動させる。
【0077】
また、図4に示すように、制御部12は、現像バイアスVb(K)を+400Vに保った状態で、現像バイアスVb(Y),Vb(M),Vb(C)のそれぞれを、基準電位(0V)にする。
【0078】
また、制御部12は、グリッドバイアスVg(K)を+850Vに保った状態で、グリッドバイアスVg(Y),Vg(M),Vg(C)のそれぞれを、+210Vに調節する。
【0079】
また、制御部12は、クリーニングバイアスVc(K)を、-400Vに調節する。これにより、クリーニングローラ43Kは、シートSに転写されずに感光ドラム41K上に残っている残トナーを、回収する。なお、制御部12は、クリーニングバイアスVc(Y),Vc(M),Vc(C)のそれぞれも、-400Vに調節する。また、制御部12は、シャフトバイアスVsを、-200Vに調節する。
【0080】
ここで、制御部12は、転写電流It(K)を-16μAから-24μAの範囲に保った状態で、転写電流It(M),It(C)を、シートSをベルト71に吸着させることができる程度に下げる。具体的には、転写電流It(M),It(C)を、-5μAから-8μAの範囲に調節する。
【0081】
また、制御部12は、シートS上の付着物を負帯電させるために、転写電流It(Y)を、転写電流It(M),It(C)よりも大きくする。言い換えると、転写電流It(Y)を、シートSをベルト71に吸着させることができる程度の電流よりも大きくする。シートS上の付着物を負帯電させることにより、負帯電した付着物を感光ドラム41Yの表面に付着させることができる。また、後で説明するドラムクリーニング処理において、感光ドラム41Yの表面に付着した付着物を、クリーニングローラ43Yで容易に回収できる。
【0082】
なお、制御部12は、転写電流It(K)が目標値になるように、転写ローラ72Kに印加される転写バイアスVt(K)を制御する。制御部12は、転写電流It(Y)が目標値になるように、転写ローラ72Yに印加される転写バイアスVt(Y)を制御する。制御部12は、転写電流It(M)が目標値になるように、転写ローラ72Mに印加される転写バイアスVt(M)を制御する。制御部12は、転写電流It(C)が目標値になるように、転写ローラ72Cに印加される転写バイアスVt(C)を制御する。
【0083】
つまり、制御部12は、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、転写ローラ72Kに、転写バイアスVt(K)を印加し、転写ローラ72Yに、転写バイアスVt(Y)を印加し、転写ローラ72Mに、転写バイアスVt(M)を印加し、転写ローラ72Cに、転写バイアスVt(C)を印加する。転写バイアスVt(M)および転写バイアスVt(C)は、転写バイアスVt(K)よりも低い。転写バイアスVt(Y)は、転写バイアスVt(M)および転写バイアスVt(C)よりも高い。
【0084】
4.3 ドラムクリーニング処理
図5に示すように、制御部12は、所定のタイミングで、ドラムクリーニング処理を実行する。ドラムクリーニング処理では、クリーニングローラ43Kに回収された残トナーを感光ドラム41Kに戻し、クリーニングローラ43Yに回収された残トナーを感光ドラム41Yに戻し、クリーニングローラ43Mに回収された残トナーを感光ドラム41Mに戻し、クリーニングローラ43Cに回収された残トナーを感光ドラム41Cに戻し、クリーニングローラ43Yおよびクリーニングシャフト44で感光ドラム41Y上の付着物を回収する。
【0085】
なお、感光ドラム41Kに戻された残トナー、感光ドラム41Yに戻された残トナー、感光ドラム41Mに戻された残トナー、および、感光ドラム41Cに戻された残トナーは、それぞれ、ベルト71(図1参照)に転写され、ベルト71をクリーニングするベルトクリーナに回収される。ベルトクリーナは、図示されていない。
【0086】
詳しくは、図2および図5に示すように、制御部12は、ドラムクリーニング処理を実行するときに、モータ10を駆動させる。すると、離間機構11は、モータ10からの動力により、全ての現像ローラ62K,62Y,62M,62Cを、接触位置(図2参照)から離間位置(図5参照)へ移動させる。
【0087】
また、図5に示すように、制御部12は、現像バイアスVb(K),Vb(Y),Vb(M),現像バイアスVb(C)のそれぞれを、基準電位(0V)にする。
【0088】
また、制御部12は、グリッドバイアスVg(K),Vg(Y),Vg(M),Vg(C)のそれぞれを、+210Vに調節する。
【0089】
また、制御部12は、転写電流It(K),It(Y),It(M),It(C)のそれぞれを、残トナーをベルト71に転写できる大きさに調節する。具体的には、制御部12は、転写電流It(K),It(Y),It(M),It(C)のそれぞれを、-10μAに調節する。
【0090】
また、制御部12は、クリーニングバイアスVc(K),Vc(Y),Vc(M),クリーニングバイアスVc(C)を、+450Vに調節する。
【0091】
これにより、感光ドラム41Kの表面電位は、クリーニングローラ43Kの電位よりも低くなる。すると、クリーニングローラ43Kに保持されていた残トナーは、感光ドラム41K上に戻る。同様に、クリーニングローラ43Yに保持されていた残トナーは、感光ドラム41Y上に戻り、クリーニングローラ43Mに保持されていた残トナーは、感光ドラム41M上に戻り、クリーニングローラ43Cに保持されていた残トナーは、感光ドラム41C上に戻る。
【0092】
一方、感光ドラム41Yの表面に付着した付着物は、負帯電しているため、感光ドラム41Yからクリーニングローラ43Yに回収される。
【0093】
また、制御部12は、シャフトバイアスVsを、+650Vに調節する。これにより、クリーニングシャフト44の電位は、クリーニングローラ43Yの電位よりも高くなる。そのため、クリーニングローラ43Yに回収された付着物は、クリーニングローラ43Yからクリーニングシャフト44に回収される。クリーニングシャフト44に回収された付着物は、収容部45(図1参照)に収容される。
4.作用効果
(1)画像形成装置1によれば、図4に示すように、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、制御部12は、転写ローラ72Kに、転写電流It(K)を流し、転写ローラ72M,72Cに、転写電流It(K)よりも小さい転写電流It(M),It(C)を流し、転写ローラ72Yに、転写電流It(M),It(C)よりも高い転写電流It(Y)を流す。
【0094】
言い換えると、転写ローラ72Kに、転写バイアスVt(K)を印加し、転写ローラ72M,72Cに、転写バイアスVt(K)よりも低い転写バイアスVt(M),Vt(C)を印加し、転写ローラ72Yに、転写バイアスVt(M),Vt(C)よりも高い転写バイアスVt(Y)を印加する。
【0095】
これにより、図3に示すように、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、転写ローラ72Yに印加される転写バイアスVt(Y)により、シートS上の付着物を帯電させて、感光ドラム41Yに付着させることができる。
【0096】
そのため、シートS上の付着物が感光ドラム41Yに付着しないで感光ドラム41Kに付着してしまうことを、抑制できる。
【0097】
その結果、感光ドラム41Kに付着物が付着することを抑制できる。
【0098】
(2)画像形成装置1によれば、図3に示すように、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、離間機構11は、現像ローラ62Yを離間位置に位置させる。
【0099】
そのため、感光ドラム41Yに付着した付着物が現像ローラ62Yによって現像カートリッジ6Y内に回収されてしまうことを、抑制できる。
【0100】
5.変形例
次に、図6から図8を参照して、変形例について説明する。変形例において、上記した実施形態と同様の部材およびバイアスには、同じ符号を付し、説明を省略する。
(1)図6に示すように、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、制御部12は、帯電装置42Yに、グリッドバイアスVg(M),Vg(C)よりも高いグリッドバイアスVg(Y)を印加してもよい。
【0101】
つまり、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、制御部12は、帯電装置42Kに、第1帯電バイアスとしてのグリッドバイアスVg(K)を印加し、帯電装置42Yに、第2帯電バイアスとしてのグリッドバイアスVg(Y)を印加し、帯電装置42Mに、第3帯電バイアスとしてのグリッドバイアスVg(M)を印加し、帯電装置42Cに、第4帯電バイアスとしてのグリッドバイアスVg(C)を印加してもよい。グリッドバイアスVg(M),Vg(C)は、グリッドバイアスVg(K)よりも低い。グリッドバイアスVg(Y)は、グリッドバイアスVg(M),Vg(C)よりも高い。
【0102】
具体的には、制御部12は、帯電装置42Yのグリッドに生じるグリッドバイアスVg(Y)を、+850Vに調節する。
【0103】
この変形例によれば、感光ドラム41Yの表面電位を高くして、シートS上の付着物を感光ドラム41Yに付着させることができる。
【0104】
そのため、シートS上の付着物が感光ドラム41Yに付着しないで感光ドラム41Kに付着してしまうことを、抑制できる。
【0105】
その結果、感光ドラム41Kに付着物が付着することを抑制できる。
【0106】
(2)図7に示すように、制御部12は、転写電流It(Y)を、転写電流It(M),It(C)よりも大きくせずに、帯電装置42Yに、グリッドバイアスVg(M),Vg(C)よりも高いグリッドバイアスVg(Y)を印加してもよい。
【0107】
(3)図8に示すように、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、離間機構11は、現像ローラ62Yが接触位置に位置することを許容し、かつ、制御部12は、転写電流It(Y)を転写電流It(M),It(C)よりも大きくし、帯電装置42Yに、グリッドバイアスVg(M),Vg(C)よりも高いグリッドバイアスVg(Y)を印加し、さらに、現像ローラ62Yに、第2現像バイアス(+250V)を印加してもよい。第2現像バイアスは、上記した第1現像バイアス(+400V)よりも小さい。
【0108】
このような構成によれば、画像形成装置1が単色印刷モードである場合、現像ローラ62Yの電位は、感光ドラム41Yの表面電位よりも低くなる。一方、感光ドラム41Yの表面に付着した付着物は、帯電装置42Yによって正帯電されるため、感光ドラム41Yから現像ローラ62Yに移動する。
【0109】
その結果、感光ドラム41Yに付着した付着物を、現像ローラ62Yによって現像カートリッジ6Y内に回収できる。
【符号の説明】
【0110】
1 画像形成装置
4 ドラムユニット
6K 現像カートリッジ(第1現像カートリッジ)
6Y 現像カートリッジ(第2現像カートリッジ)
6M 現像カートリッジ(第3現像カートリッジ)
7 転写ユニット
11 離間機構
12 制御部
41K 感光ドラム(第1感光ドラム)
41Y 感光ドラム(第2感光ドラム)
41M 感光ドラム(第3感光ドラム)
41C 感光ドラム(第4感光ドラム)
42K 帯電装置(第1帯電装置)
42Y 帯電装置(第2帯電装置)
42M 帯電装置(第3帯電装置)
43Y クリーニングローラ
44 クリーニングシャフト
45 収容部
62K 現像ローラ(第1現像ローラ)
62Y 現像ローラ(第2現像ローラ)
62M 現像ローラ(第3現像ローラ)
71 ベルト
72K 転写ローラ(第1転写ローラ)
72Y 転写ローラ(第2転写ローラ)
72M 転写ローラ(第3転写ローラ)
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8