(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013872
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ライブ配信システム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/735 20190101AFI20220111BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220111BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20220111BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20220111BHJP
H04N 21/2543 20110101ALI20220111BHJP
【FI】
G06F16/735
G06Q30/02 470
G06Q30/04
H04N21/258
H04N21/2543
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108210
(22)【出願日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2020112192
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520236273
【氏名又は名称】有限会社グローバル・コミュニケーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 勇人
【テーマコード(参考)】
5B175
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA04
5B175HA01
5C164SA26S
5C164SC05S
5C164SC11P
5C164SC32P
5C164UC26S
5C164YA11
5L049BB08
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】視聴者が希望する視野をリアルタイムにみることができるライブ配信システムを提供する。
【解決手段】イベント会場に配置されるイベントを撮影するための複数の撮影端末と、前記撮影されるイベントをストリーミング配信するサーバと、前記サーバを介してストリーミング配信されるイベントを閲覧するユーザーの利用者端末とが通信ネットワークで接続されたライブ配信システムであって、前記サーバが、前記複数の撮影端末のうち少なくとも一つについて、撮影する視野の移動、倍率の変更、またはそれらの両方を操作する操作権限を前記ユーザーに付与する操作権限付与手段を備え、前記操作権限付与手段は、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金を所定時間内に行った前記ユーザーに前記操作権限を付与する、ライブ配信システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント会場に配置されるイベントを撮影するための複数の撮影端末と、
前記撮影されるイベントをストリーミング配信するサーバと、
前記サーバを介してストリーミング配信されるイベントを閲覧するユーザーの利用者端末と
が通信ネットワークで接続されたライブ配信システムであって、
前記サーバが、前記複数の撮影端末のうち少なくとも一つについて、撮影する視野の移動、倍率の変更、またはそれらの両方を操作する操作権限を前記ユーザーに付与する操作権限付与手段を備え、
前記操作権限付与手段は、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金を所定時間内に行った前記ユーザーに前記操作権限を付与する、
ライブ配信システム。
【請求項2】
前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記操作権限を付与するユーザーをランダムに決定する、請求項1に記載のライブ配信システム。
【請求項3】
前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記所定時間内に最初に課金を行ったユーザーに前記操作権限を付与する、請求項1に記載のライブ配信システム。
【請求項4】
前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、最も大きな金額の課金を行ったユーザーに前記操作権限を付与する、請求項1に記載のライブ配信システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記課金の金額に応じて、前記操作権限を取得したユーザーが前記撮影端末を操作できる時間を増減する、請求項1~4のいずれか一項に記載のライブ配信システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記操作権限が付与された撮影端末が撮影する映像を、前記操作権限が付与されたユーザーの利用者端末のみが視聴可能となるように配信する、請求項1~5のいずれか一項に記載のライブ配信システム。
【請求項7】
前記サーバの記憶部にあらかじめ登録されたユーザーの名前を、全ての利用者端末から音声または合成音声で出力すること、
前記名前の前記音声または合成音声が前記利用者端末から出力されると、前記ユーザーの利用者端末の画面に押下可能な応答ボタンが表示されるか、または前記ユーザーの利用者端末の画面に表示されている応答ボタンが押下可能な状態になること、
前記ユーザーが前記応答ボタンを押下すると、前記サーバは、前記利用者端末から送信される前記ユーザーの映像データを全てのまたは一部の利用者端末に送信して、前記全てのまたは一部の利用者端末の画面の一部画面または全画面に表示すること、及び
前記応答ボタンが押下された後に前記ユーザーが前記利用者端末を介して音声または合成音声で返事をすると、前記サーバは、前記返事の音声データまたは合成音声データを全てのまたは一部の利用者端末に送信して、前記全てのまたは一部の利用者端末で前記返事の音声または合成音声を出力すること、
をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のライブ配信システム。
【請求項8】
前記サーバが、前記全てのまたは一部の利用者端末で前記返事の音声の出力を完了すると、前記サーバは、前記ユーザーの利用者端末から送信される映像の受信を停止するか、または前記ユーザーの映像データを全てのまたは一部の利用者端末に送信することを停止すること
をさらに含む、請求項7に記載のライブ配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ライブ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サッカー、野球等のイベントをライブ配信する場合には、複数台のテレビカメラをイベント会場の所定の位置に設置して複数の映像を撮影し、それらの画像を切り換え、あるいは複数の画像を同時に放送することが行われている。
【0003】
また、視聴者に、追加撮影端末で撮影した画像を配信することで、通常の放送では見ることのできないあまり放送されないチームの試合、特定の選手を中心にした画像などを見ることを可能にした画像配信装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像配信装置では、追加撮影端末で撮影した画像を見ることができるだけで、視聴者が希望する選手等の視野をリアルタイムにみることができなかった。
【0006】
したがって、視聴者が希望する視野をリアルタイムにみることができるライブ配信システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)イベント会場に配置されるイベントを撮影するための複数の撮影端末と、
前記撮影されるイベントをストリーミング配信するサーバと、
前記サーバを介してストリーミング配信されるイベントを閲覧するユーザーの利用者端末と
が通信ネットワークで接続されたライブ配信システムであって、
前記サーバが、前記複数の撮影端末のうち少なくとも一つについて、撮影する視野の移動、倍率の変更、またはそれらの両方を操作する操作権限を前記ユーザーに付与する操作権限付与手段を備え、
前記操作権限付与手段は、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金を所定時間内に行った前記ユーザーに前記操作権限を付与する、
ライブ配信システム。
(2)前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記操作権限を付与するユーザーをランダムに決定する、上記(1)に記載のライブ配信システム。
(3)前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記所定時間内に最初に課金を行ったユーザーに前記操作権限を付与する、上記(1)に記載のライブ配信システム。
(4)前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、最も大きな金額の課金を行ったユーザーに前記操作権限を付与する、上記(1)に記載のライブ配信システム。
(5)前記サーバは、前記課金の金額に応じて、前記操作権限を取得したユーザーが前記撮影端末を操作できる時間を増減する、上記(1)~(4)のいずれかに記載のライブ配信システム。
(6)前記サーバは、前記操作権限が付与された撮影端末が撮影する映像を、前記操作権限が付与されたユーザーの利用者端末のみが視聴可能となるように配信する、上記(1)~(5)のいずれかに記載のライブ配信システム。
(7)前記サーバの記憶部にあらかじめ登録されたユーザーの名前を、全ての利用者端末から音声または合成音声で出力すること、
前記名前の前記音声または合成音声が前記利用者端末から出力されると、前記ユーザーの利用者端末の画面に押下可能な応答ボタンが表示されるか、または前記ユーザーの利用者端末の画面に表示されている応答ボタンが押下可能な状態になること、
前記ユーザーが前記応答ボタンを押下すると、前記サーバは、前記利用者端末から送信される前記ユーザーの映像データを全てのまたは一部の利用者端末に送信して、前記全てのまたは一部の利用者端末の画面の一部画面または全画面に表示すること、及び
前記応答ボタンが押下された後に前記ユーザーが前記利用者端末を介して音声または合成音声で返事をすると、前記サーバは、前記返事の音声データまたは合成音声データを全てのまたは一部の利用者端末に送信して、前記全てのまたは一部の利用者端末で前記返事の音声または合成音声を出力すること、
をさらに含む、上記(1)~(6)のいずれかに記載のライブ配信システム。
(8)前記サーバが、前記全てのまたは一部の利用者端末で前記返事の音声の出力を完了すると、前記サーバは、前記ユーザーの利用者端末から送信される映像の受信を停止するか、または前記ユーザーの映像データを全てのまたは一部の利用者端末に送信することを停止すること
をさらに含む、上記(7)に記載のライブ配信システム。
【発明の効果】
【0008】
本開示のライブ配信システムによれば、視聴者が希望する視野をリアルタイムにみることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示のライブ配信システムの一例を表す模式図である。
【
図2】
図2は、本開示のシステムの一実施形態を説明する模式図である。
【
図3】
図3は、本開示のシステムの別の実施形態を説明する模式図である。
【
図4】
図4は、国別・ジャンル別・イベント名・日時検索、予約・前売り券・当日券、及び購入(課金・自動課金)を行うことができるアプリを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、イベント会場に配置されるイベントを撮影するための複数の撮影端末と、前記撮影されるイベントをストリーミング配信するサーバと、前記サーバを介してストリーミング配信されるイベントを閲覧するユーザーの利用者端末とが通信ネットワークで接続されたライブ配信システムであって、前記サーバが、前記複数の撮影端末のうち少なくとも一つについて、撮影する視野の移動、倍率の変更、またはそれらの両方を操作する操作権限を前記ユーザーに付与する操作権限付与手段を備え、前記操作権限付与手段は、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金を所定時間内に行った前記ユーザーに前記操作権限を付与する、ライブ配信システムを対象とする。
【0011】
本開示のライブ配信システムによれば、視聴者が、通信回線を介して、希望する視野をリアルタイムにみることが可能となる。すなわち、世界中どこからでも、場所と時間を問わず、直接会場に行かなくてもライブのコンサートやライブのイベント・エンタテイメント等を、インターネット等の通信回線を介して、視聴または観覧することができ、且つ視聴者は、通信回線を介して、希望する視野をリアルタイムにみることが可能となる。
【0012】
本開示のシステムで配信対象となるイベントとしては、例えば、以下のイベントが挙げられる。
・バンド、オーケストラ、オペラ等の音楽イベント。
・スポーツ競技、映画、相撲、落語、歌舞伎等の娯楽イベント。
・入学式、卒業式、記念式典、発表会、学園祭、運動会等の教育機関のイベント。
・学校等の教育機関における各種授業等。
・趣味等に関する講演会。
・結婚式、銀婚式、金婚式等の記念式典、葬儀等の冠婚葬祭。
・協会のミサ等の宗教関係の各種イベント。
・企業の記念式典、国際、国内会議等。
【0013】
本開示のライブ配信システムによるイベントの主催者側のメリットとしては、以下の事項が挙げられる。
【0014】
本開示のシステムによれば、コロナウイルス禍のような悪影響下においても、従来のイベント等を、通信回線を通じて開催することが可能になる。このことは、コンサートホールや劇場等の音楽・映像・芸能業界等の雇用維持、雇用促進、及び雇用創出にも繋がる。
【0015】
開催するイベント会場内の限定的な参加者だけでなく、ライブイベントを全世界のユーザーに発信できるので、イベント参加者数に制限が無く、多くのファンに視聴、観覧、または参加の機会を与えることができ、特に、視聴者が、通信回線を介して、希望する視野をリアルタイムにみることが可能となるので、世界中から、場所と時間を問わず、集客を見込むことができる。
【0016】
開催する予定のイベントが、会場等の都合により急に中止せざるを得ない状況になったときにも、仮設会場やスタジオ等より全世界へ配信することも可能である。
【0017】
さらには、撮影端末を、一か所のイベント会場だけでなく、複数のイベント会場に配置することにより、複数のイベント会場を通信回線で組み合わせた一つのイベントを実現させることもできる。複数会場を通信回線で組み合わせる場合は、音源や映像にタイムラグが発生しないように、高速回線を使用することが好ましい。
【0018】
本開示のライブ配信システムによるユーザー側のメリットとしては、以下の事項が挙げられる。
【0019】
本開示のシステムによれば、さまざまな事情により直接会場まで行くことができないユーザーが、場所を問わずライブイベントを視聴、観覧、または参加することができ、特に、世界中の視聴者が、場所と時間を問わず、通信回線を介して、希望する視野をリアルタイムにみることが可能となる。
【0020】
また、入院やハンディキャップ等を有する等の事情により会場に赴くことができない人々も、通信回線を通じてリアルタイムにライブイベントを楽しむことができる。
【0021】
さらには、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校等の生徒や保護者が、コロナウイルス禍のような悪影響下においても、通信回線を通じて、入学式、卒業式、発表会等のライブイベントにリアルタイムに参加することができる。これにより、生徒や保護者に一生に一度の思い出として記憶に残すことが可能となる。
【0022】
図1に、本開示のライブ配信システム10の一例を表す模式図を示す。ライブ配信システム10は、サーバ1、撮影端末2、及び利用者端末3を備え得る。サーバ1、撮影端末2、及び利用者端末3は、インターネット等の通信ネットワーク4で接続され得る。サーバ1と撮影端末2とが通信ネットワーク4で接続され得、サーバ1と利用者端末3とが通信ネットワーク4で接続され得る。サーバ1と撮影端末2とは、有線通信またはWi-Fi(登録商標)等の無線通信により接続されていてもよい。
【0023】
サーバは、インターネット等の通信ネットワークに接続されてデータの送受信が可能な通信部、記憶部、及び処理部を備えている。利用者端末は、好ましくは、表示部(表示画面)、インターネット等の通信ネットワークに接続されてデータの送受信が可能な通信部、処理部、記憶部、カメラ、マイク、及びスピーカーを備える。
【0024】
記憶部には、ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等のプログラムが記憶されている。
【0025】
処理部は、一個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部は、サーバの全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部は、通信部、記憶部、及びデータベースの動作を制御することができる。
【0026】
処理部は、記憶部に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて各種処理を実行する。また、処理部は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
【0027】
サーバは、複数の撮影端末のうち少なくとも一つについて、撮影する視野の移動、倍率の変更、またはそれらの両方を操作する操作権限をユーザーに付与する操作権限付与手段を備える。サーバに備えられた操作権限付与手段が、所定時間、操作権限を付与された撮影端末の視野の移動、倍率の変更、またはそれらの両方を、利用者端末から操作することができるように、通信回線を介して利用者端末に操作権限を付与する。
【0028】
サーバは、複数の撮影端末のそれぞれについて、識別番号(ID)、配置位置、視野、可動視野範囲、拡大及び縮小のズーム、操作権限付与時間等の撮影端末情報を、あらかじめ記憶部に登録しておくことができる。サーバは、記憶部にあらかじめ登録した撮影端末情報を、利用者端末に表示することができる。ユーザーは、各撮影端末の情報に基づいて、利用者端末を介して、操作権限が付与される撮影端末を選択することができる。
【0029】
サーバは、操作権限付与前の複数の撮影端末のそれぞれについてのデモ機能を有することができる。ユーザーは利用者端末を介して、希望する撮影端末を試しに操作して、視野、可動視野範囲、拡大及び縮小のズーム等を確認して、操作権限が付与される撮影端末を選択することができる。
【0030】
操作権限付与手段は、操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金を所定時間内に行ったユーザーに前記操作権限を付与する。課金可能な所定時間は、任意に設定することができ、例えば、ライブイベントのチケット販売開始時から1時間以内、ライブイベントの開始時から1時間以内等であることができる。課金可能な所定時間は、撮影端末毎に複数回設けてもよい。例えば、1つの撮影端末についてライブイベントの開始時から30分間の最初の操作権限を取得するための課金が可能な時間を、ライブイベントのチケット販売開始時から10分間で設定し、次の30分間の操作権限を取得するための課金が可能な時間を、ライブイベントのチケット販売開始から10分間経過した時点から10分間で設定することができる。サーバがユーザーからの課金を確認すると、操作権限付与手段が、課金したユーザーに、課金の対象となる撮影端末の操作権限を付与する。
【0031】
操作権限が付与されたユーザーは、サーバから送信される操作権限付与決定通知を利用者端末で受信することができる。決定通知には、操作権限が付与される操作端末の識別番号(ID)、操作権限を取得するためのパスワード、及び操作権限が付与される時間(操作可能な時間)の情報が含まれ得る。操作端末の識別番号(ID)とは、複数の操作端末のそれぞれが有するIDであり、サーバの記憶部にも登録されている。時間の情報には、日、時、及び分が含まれ得る。操作権限付与決定通知を受信したユーザーは、操作端末のIDとパスワードを利用者端末からサーバに送信することにより、操作権限を付与された撮影端末を、操作権限が付与される時間、操作することができる。
【0032】
好ましくは、サーバは、利用者端末に、操作権限を付与するとともに操作権限付与決定通知を送信する。操作権限付与決定通知を受信したユーザーは、撮影端末を自由に操作することができる。
【0033】
撮影端末は、映像及び音をサーバに送信することができるものであれば特に限定されないが、例えば、スマートホン、コンピュータ、カメラ、マイク、それらの組み合わせ等であることができる。撮影端末は、カメラ、マイク、インターネット等の通信ネットワークに接続されてデータの送受信が可能な通信部、視野の移動機能、並びに拡大及び縮小のズーム機能を備え得る。本願明細書において、映像とは、静止画、動画、またはそれらの組み合わせを含み、音が含まれ得る。
【0034】
撮影端末は、コンサート会場、劇場、教室、体育館、ホール、会社等のイベント会場に設置され得る。
【0035】
利用者端末は、映像及び音を含むデータをサーバと送受信することができるものであれば特に限定されないが、例えば、スマートホン、コンピュータ、カメラ、マイク、それらの組み合わせ等であることができる。
【0036】
本開示のライブ配信システムでは、過去に配信したイベントをサーバの記憶部にアーカイブすることができる。アーカイブされたイベントは、ユーザーがオンデマンドで視聴することができる。本開示のライブ配信システムは、好ましくは、ユーザーが、配信するイベントをコピー、複写、及び録画することができないようにする複製防止装置を有する。複製防止装置は、特に限定されるものではなく、従来のライブ配信システムが備えるものと同じものであることができる。
【0037】
好ましくは、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記操作権限を付与するユーザーをランダムに決定する。
【0038】
ユーザーをランダムに決定する方法は特に限定されないが、例えばサーバの処理部が、RAND関数を用いてユーザーをランダムに決定してもよい。
【0039】
決定されたユーザーは、サーバから送信される操作権限付与決定通知を利用者端末で受信することができる。決定通知には、上記と同じ情報が含まれ得る。
【0040】
サーバは、決定されなかったユーザーの利用者端末に、決定されなかった旨の通知を送信することができる。
【0041】
好ましくは、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記操作権限を付与する複数のユーザーをランダムに選択し、且つ選択されたユーザーの順位を決定する。ユーザーの順位は、撮影端末の操作権限が付与される順番である。サーバは、操作権限を付与する時間及びユーザーの順位に応じて、各ユーザーの操作権限が付与される時間を算出して、記憶部に登録することができる。選択された複数のユーザーは、サーバから送信される操作権限付与決定通知を各利用者端末で受信することができる。複数のユーザーは、特に限定されないが、ライブ配信の時間、操作権限を付与する時間等に基づいて、例えば、2~100人、3~50人、4~25人、5~10人等であることができる。
【0042】
決定通知には、操作権限が付与される操作端末の識別番号(ID)、操作権限を取得するためのパスワード、操作権限が付与される時間の情報、及びユーザーの順位が含まれる。
【0043】
好ましくは、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記所定時間内に最初に課金を行ったユーザーに前記操作権限を付与する。
【0044】
サーバは、所定時間内に最初に課金を行ったユーザーの利用者端末に、操作権限付与決定通知を送信し、ユーザーの利用者端末は操作権限付与決定通知を受信することができる。決定通知には、上記と同じ情報が含まれ得る。
【0045】
好ましくは、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、前記所定時間内に早く課金を行った複数のユーザーを選択し、且つ課金した順番に応じて選択されたユーザーの順位を決定する。ユーザーの順位は、撮影端末の操作権限が付与される順番である。サーバは、操作権限を付与する時間及びユーザーの順位に応じて、各ユーザーの操作権限が付与される時間を算出して、記憶部に登録することができる。選択された複数のユーザーは、サーバから送信される操作権限付与決定通知を各利用者端末で受信することができる。複数のユーザーは、特に限定されないが、ライブ配信の時間、操作権限を付与する時間等に基づいて、例えば、2~100人、3~50人、4~25人、5~10人等であることができる。
【0046】
決定通知には、操作権限が付与される操作端末の識別番号(ID)、操作権限を取得するためのパスワード、操作権限が付与される時間の情報、及びユーザーの順位が含まれる。
【0047】
好ましくは、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、最も大きな金額の課金を行ったユーザーに前記操作権限を付与する。
【0048】
サーバは、所定時間内に最も大きな金額の課金を行ったユーザーの利用者端末に、操作権限付与決定通知を送信し、ユーザーの利用者端末は操作権限付与決定通知を受信することができる。決定通知には、上記と同じ情報が含まれ得る。
【0049】
好ましくは、前記操作される撮影端末の操作権限を取得するための課金が前記所定時間内に複数のユーザーから行われた場合、前記サーバは、最も大きな金額の課金を行ったユーザーを選択し、且つ課金の金額に応じて選択されたユーザーの順位を決定する。ユーザーの順位は、撮影端末の操作権限が付与される順番である。サーバは、操作権限を付与する時間及びユーザーの順位に応じて、各ユーザーの操作権限が付与される時間を算出して、記憶部に登録することができる。選択された複数のユーザーは、サーバから送信される操作権限付与決定通知を各利用者端末で受信することができる。複数のユーザーは、特に限定されないが、ライブ配信の時間、操作権限を付与する時間等に基づいて、例えば、2~100人、3~50人、4~25人、5~10人等であることができる。
【0050】
決定通知には、操作権限が付与される操作端末の識別番号(ID)、操作権限を取得するためのパスワード、操作権限が付与される時間の情報、及びユーザーの順位が含まれる。
【0051】
好ましくは、前記サーバは、前記課金の金額に応じて、前記操作権限を取得したユーザーが前記撮影端末を操作できる時間を増減する。これにより、操作権限が付与されたユーザーの満足度をより向上することができる。
【0052】
サーバは、撮影端末を操作できる時間及びまたは課金の金額に、上限及び/または下限を設定してもよい。サーバは、撮影端末を操作できる時間を、例えば、1分以上、3分以上、5分以上、またはライブ配信中の全てに設定することができる。サーバは、撮影端末を操作できる時間の上限を、180分以下、120分以下、90分以下、60分以下、30分以下、15分以下、10分以下、5分以下、または3分以下に設定することができる。
【0053】
好ましくは、前記サーバは、前記操作権限が付与された撮影端末が撮影する映像を、前記操作権限が付与されたユーザーの利用者端末のみが視聴可能となるように配信する。これにより、操作権限が付与されたユーザーの満足度をより向上することができる。
【0054】
好ましくは、サーバは、各種イベントにおいて、利用者端末間でコミュニケーションを可能とするチャット機能または音声・映像機能を備える。
【0055】
利用者端末には、本開示のシステムを利用するためのアプリがインストールされ、及び/またはオンラインでアプリが提供される。ユーザーは、利用者端末のアプリ上で、登録から購入、課金、視聴迄のすべての操作を行うことができる。
【0056】
イベントの主催者は、主催者端末を用いることができる。主催者端末は、サーバ1、撮影端末2、及び利用者端末3とインターネット等の通信ネットワーク4で接続され得る。サーバ1と主催者端末とが通信ネットワーク4で接続され得、及び/または撮影端末2と主催者端末とが通信ネットワーク4で接続され得る。サーバ1と主催者端末とは、有線通信またはWi-Fi(登録商標)等の無線通信により接続されていてもよい。撮影端末2と主催者端末とは、有線通信またはWi-Fi(登録商標)等の無線通信により接続されていてもよい。主催者端末は、好ましくは、表示部(表示画面)、データの送受信部、処理部、記憶部、カメラ、マイク、及びスピーカーを備える。
【0057】
主催者端末にも、本開示のシステムを利用するためのアプリがインストールされ、及び/またはオンラインでアプリが提供される。主催者は、主催者端末のアプリ上ですべての操作を行うことができる。
【0058】
図4に、国別・ジャンル別・イベント名・日時で検索、前売り券・当日券の予約及び購入、課金・自動課金を行うことができるアプリを説明する模式図を示す。
【0059】
図4において、ユーザーは、サーバ1に通信回線を介して接続された利用者端末3の画面上で、視聴したいミュージシャンが出演するコンサート等のイベント5を国別、日時別に選ぶことができる。
【0060】
ライブイベントのチケットの購入は、利用者端末を介してサーバとの間で、クレジットカード、電子マネー、コンビニペーパーレス決済等で決済することができる。これにより、短時間で決済することができ、ユーザーは、決済と同時にライブイベントに入場し視聴することができる。本開示のシステムは、無料イベントも対象としており、その場合は課金なしで先着順または抽選でチケットを入手することができる。
【0061】
ユーザーは、利用者端末を介してサーバにアクセスして、イベントのチケットを、イベント毎に購入するか、または毎月の定額課金制により、所定の数のイベントを視聴できる権利を購入することができる。毎月の定額課金とは、例えば毎月5000円~20000円の定額制自動課金である。所定の数のイベントとは、例えば2~5のイベントである。
【0062】
ライブイベントの途中でも、ユーザーは、利用者端末を用いて即時決済によりライブイベントに入場し視聴することができる。
【0063】
サーバは、イベントに入場するための料金は、経過時間により変動させることができる。例えば、開始後0分~30分未満はフルチャージ(100%)、開始後30分~60分未満は80%チャージ、開始後60分~90分未満は50%チャージ等にすることができる。
【0064】
サーバは、イベントへの入場条件のミニマムチャージを設定してもよい。例えば、ユーザーが、0分超~30分以下等の所定の短い時間、例えば10分間だけ入場したい場合に、ミニマムチャージとして入場料を1000円にしてもよい。これにより、ユーザーが、残り時間にかかわらずイベントの一部だけを視聴したい場合に、少額でイベントの一部を視聴することができる。
【0065】
ユーザーは、利用者端末に表示された各種イベントの前売り券を購入することができる。
【0066】
好ましくは、ユーザーは、利用者端末の画面上で、イベントに関連した物品(グッズ)を購入することができる。ユーザーは、イベント等に関連する商品を、ライブイベントに入場している間、またはいつでも購入することができる。
【0067】
ユーザーは、好ましくは、利用者端末を介して本開示のシステムにユーザー情報を登録することができる。ユーザー情報には、(A)ユーザーのメールアドレス、SNSアドレス、またはそれらの組み合わせ、(B)ユーザーの電話番号、(C)ユーザーの氏名、(D)ユーザーの生年月日、(E)ユーザーの住所等が含まれ得る。ユーザー情報を登録するとサーバから利用者端末にユーザーの個人識別番号が送信され得る。ユーザー情報の登録によって、サーバからユーザーにポイントが付与され得る。チケットの購入毎にサーバからユーザーにポイントが付与され得る。サーバは、個人識別番号とともに使用するパスワードを利用者端末に送信してもよい。ユーザーは、個人識別番号とパスワードとを組み合わせて、本システムにログインすることができる。
【0068】
サーバは、ユーザーによるチケットの購入毎に抽選番号を付与することができる。サーバはチケット毎に当選番号を決定することができる。サーバは、抽選番号が当選番号と一致したユーザーには特典を与えることができる。特典としては、アーティストのWEBサイン、アーティストとユーザーのツーショット合成写真等が挙げられる。
【0069】
個人識別番号は、ユーザーが他のユーザーに、本システムまたは本システムで提供されるイベントを紹介するときの紹介コードとして使用され得る。他のユーザーが他のユーザーの利用者端末を介して紹介コードをサーバに送信してチケットを購入すると、サーバは、個人識別番号を有するユーザーにポイントを付与することができる。この場合、サーバは、チケットを購入したユーザーにもポイントを付与することができる。
【0070】
ユーザーによる利用者端末を介して行われる課金の金額に応じて、ユーザーに付与されるポイントは増減し得る。例えば、1000円購入毎に10ポイントが付与される。
【0071】
好ましくは、利用者端末に表示されたチップボタンを押下すると、サーバは、チップボタンにあらかじめ関連付けられたアーティスト等の登録された口座に、ユーザーからチップを送金する処理を行うことができる。チップボタンは、例えば、100円~1000円の5~10種類の金額を表示する複数のボタンであってもよい。
【0072】
ユーザーが利用者端末を介してチケットを購入すると、サーバから購入したユーザーの利用者端末に、イベント番号が送信され得る。サーバは、利用者端末からイベント番号が送信されることにより、ユーザーに当該ライブイベントの入場を許可することができる。
【0073】
イベント番号はそのイベント1回限りの番号であり、サーバは、イベントが終了するとタイムアウト処理を行い、ログインできないようにする。
【0074】
イベント番号は、ジャンル別番号、会場別番号等、具体的にイベントを識別出来る番号であることができる。例えば、11111(ジャンル)-22222(会場)-33333(主催者)-444444(個人識別番号)-A5b5Z5n5P5(ランダム)でもよい。上記例示の数字5桁の表示はそれぞれ、ジャンル、会場、及び主催者を識別できる任意の番号であることができ、数字に代えてまたは組み合わせて文字等であってもよい。イベント番号には、上記のように、個人識別番号やランダムの項目の数字が含まれてもよく、ランダムの項目は、ポイント付与、抽選等に用いることができる。イベント番号に個人識別番号が含まれていることにより、他の識別番号で本システムにログインしたユーザーによるイベントへの入場を防止することができる。ランダムの項目の数字、文字等は、例えばサーバの処理部が、RAND関数を用いて決定してもよい。イベント番号はQRコード(登録商標)でもよい。
【0075】
ライブイベントの入場者数は、毎回イベント毎に、サーバが集計することができ、サーバから利用者端末及び/または主催者端末に集計データを送信して、リアルタイムで表示されることができる。
【0076】
ユーザーは、利用者端末からサーバを介して主催者端末に、リアルタイムでコメントを送信することができる。主催者は、主催者端末を介してサーバに、利用者端末と主催者端末との間のテキスト、音声、映像等による双方向のコミュニケーションを許可するか否か選択処理させることができる。
【0077】
サーバは、ユーザーの視聴傾向や、利用者端末から主催者端末に送信されるコメントを集計、記憶、分析することができる。サーバは、分析結果に基づいて、ユーザーの利用者端末に新着イベントの情報を送信することができる。
【0078】
利用者端末で使用されるアプリは、ユーザーの視聴傾向や、利用者端末から主催者端末に送信されるコメントを集計、記憶、分析することができる。利用者端末で使用されるアプリは、ユーザーの嗜好を分析し、それに合致した内容の広告を随時配信できる枠を備えることができる。
【0079】
本システムは、好ましくは、サーバ2つ以上備える。各イベントの視聴数に応じて、好ましくは、サーバを適時に2つ以上に増設または移動することができる。サーバは、イベントへの入場者数のデータとライブ配信速度のデータとを記憶して、記憶データに基づいて、ライブ配信速度の予測を行うことができる。サーバは、イベントの入場者数の増加にともなってライブ配信速度が遅くなると予想される場合には、利用者端末に当該イベントの入場制限の表示を行い、課金ボタンを無効にしてチケットの購入を停止することができる。ライブ配信速度が回復したと判断すると、利用者端末に入場制限解除の表示がされ、課金ボタンが有効化される。
【0080】
本システムが複数のサーバを備える場合、そのうちの一つのサーバが、あらかじめ記憶させた各イベント会場で実施するイベントの人気度と、ユーザー聴衆規模(入場可能人数)とサーバの処理能力に基づいて、自動的に使用するサーバを選択することができる。
【0081】
本開示のシステムは、入学式、卒業式、入社式、表彰式等において、個人の名前を呼び、返事をする時等に好適に利用することができる。名前は、個人を表す名前であれば特に限定されず、例えば、姓、名、または氏名であることができる。
【0082】
本開示のシステムは、好ましくは、前記サーバの記憶部にあらかじめ登録されたユーザーの名前を、全ての利用者端末から音声または合成音声で出力すること、前記名前の前記音声または合成音声が前記利用者端末から出力されると、前記ユーザーの利用者端末の画面に押下可能な応答ボタンが表示されるか、または前記ユーザーの利用者端末の画面に表示されている応答ボタンが押下可能な状態になること、前記ユーザーが前記応答ボタンを押下すると、前記サーバは、前記利用者端末から送信される前記ユーザーの映像データを全てのまたは一部の利用者端末に送信して、前記全てのまたは一部の利用者端末の画面の一部画面または全画面に表示すること、及び前記応答ボタンが押下された後に前記ユーザーが前記利用者端末を介して音声または合成音声で返事をすると、前記サーバは、前記返事の音声データまたは合成音声データを全てのまたは一部の利用者端末に送信して、前記全てのまたは一部の利用者端末で前記返事の音声または合成音声を出力すること、をさらに含む。
【0083】
ユーザーの名前は、好ましくは、利用者端末から音声または合成音声で出力する順番でサーバの記憶部にあらかじめ登録されている。
【0084】
全ての利用者端末から音声または合成音声で出力することは、サーバの処理部が記憶部に登録された名前のデータを読み取り、全ての利用者端末に合成音声を出力させてもよく、またはイベントの主催者側が音声で名前を呼び、全ての利用者端末に音声を出力させてもよい。
【0085】
サーバは、記憶部に、呼出前及び呼出後のユーザーのステータスを登録することができる。イベントの主催者が、サーバに通信回線で接続された主催者端末に表示されたユーザーの名前のボタンを押下することにより、記憶部に登録されたユーザーのステータスが呼出前から呼出後に変更され、サーバが、記憶部に登録された名前のデータを読み取り全ての利用者端末に合成音声を出力させることができる。
【0086】
イベントの主催者側が音声で名前を呼んで全ての利用者端末に音声を出力させるときに、イベントの主催者が、サーバに通信回線で接続された主催者端末に表示されたユーザーの名前のボタンを押下することにより、または主催者端末が呼ばれたユーザーの名前を音声認識することにより、記憶部に登録されたユーザーのステータスが呼出前から呼出後に変更することができる。
【0087】
名前の音声または合成音声が利用者端末から出力されると、好ましくは、サーバが、利用者端末に送信された出力のデータに基づいて、当該名前のユーザーの利用者端末の画面に押下可能な応答ボタンを表示するか、または当該名前のユーザーの利用者端末の画面に表示されている応答ボタンを押下可能な状態にする。
【0088】
別法では、好ましくは、ユーザーの名前の音声または合成音声が利用者端末から出力されるとともに、イベントの主催者側が、サーバに通信回線で接続された主催者端末に表示された当該ユーザーの名前のボタンを押下することにより、サーバが、当該ユーザーの利用者端末の画面に押下可能な応答ボタンを表示するか、または当該ユーザーの利用者端末の画面に表示されている応答ボタンを押下可能な状態にする。
【0089】
応答ボタンが押下された後にユーザーが利用者端末を介して返事をすることは、ユーザーの音声による返事、または利用者端末に表示された返事ボタンを押下することによる返事若しくは合成音声でもよい。
【0090】
(本開示のシステムの一実施形態)
本開示の上記好ましいシステムの一実施形態を以下の(1)~(3)に示す。下記の一実施形態は、本開示の上記好ましいシステムを卒業式に用いた場合の例である。
【0091】
図2に、本開示のシステムの一実施形態を説明する模式図を示す。本開示のシステムを卒業式で用いる場合、学生は利用者端末を使用し、教師は主催者端末を使用することができる。
【0092】
(1)学校側は、卒業生の名前を、名前を呼ぶ順番に事前にサーバの記憶部に入力しておく。
【0093】
(2)学校側は、卒業生の名前を呼ぶと同時にまたは呼んだ後に、主催者端末の画面に表示されたまたはハイライトされた卒業生の名前のボタンを押下(クリック)する。
図2においては、教師が、卒業生の名前2のボタンを押下(クリック)する態様を表している。
【0094】
(3)サーバは、名前のボタンが押下されると、主催者端末の画面に次に名前を呼ぶべきである卒業生の名前を表示またはハイライトし、当該卒業生の利用者端末の画面に、押下可能な「返事」ボタンを表示するか、または当該卒業生の利用者端末の画面に表示されている「返事」ボタンが押下可能な状態にする。「返事」ボタンが押下可能な状態になると、「返事」ボタンが点滅してもよい。「返事」ボタンが押下されると、サーバは、当該卒業生の映像を利用者端末の全部または一部の画面の一部画面または全画面にライブ映像として表示する。サーバは、当該卒業生による「はい」等の返事の音声データまたは合成音声データを受信すると、全てのまたは一部の利用者端末に音声データまたは合成音声データを送信して利用者端末で音声または合成音声が出力される。
図2においては、卒業生が、返事ボタンを押下(クリック)する態様を表している。
【0095】
利用者端末の画面の一部または全部に表示される当該卒業生の映像は、利用者端末に備えられたカメラ若しくは利用者端末に接続されたカメラにより撮影される映像、またはあらかじめ利用者端末またはサーバの記憶部に保存された当該卒業生の映像であることができる。
【0096】
本開示のシステムは、より好ましくは、前記サーバが、前記全てのまたは一部の利用者端末で前記返事の音声の出力を完了すると、前記サーバは、前記ユーザーの利用者端末から送信される映像の受信を停止するか、または前記ユーザーの映像データを全てのまたは一部の利用者端末に送信することを停止することをさらに含む。
【0097】
返事のデータは、利用者端末のマイクを介してユーザーが発した声でもよく、または利用者端末に表示される返事ボタンを押下して送信されるデータでもよい。
【0098】
サーバが返事のデータを受信し、全てのまたは一部の利用者端末で前記返事の音声の出力を完了すると、直ちにサーバはユーザーの利用者端末から送信される映像及び音の受信を停止してもよく、所定時間の経過後にサーバはユーザーの利用者端末から送信される映像及び音の受信を停止してもよい。
【0099】
映像及び音の受信を停止は、サーバの処理のみで行われてもよく、または主催者端末に表示されたボタンの押下、例えばユーザーの名前のボタンの押下に基づいてサーバを介して行われてもよい。
【0100】
本開示の上記より好ましいシステムの一実施形態を以下の(4)に示す。下記の一実施形態は、本開示の上記より好ましいシステムを卒業式に用いた場合の例である。
【0101】
(4)当該卒業生が返事をした後に、学校側が主催者端末に表示されたまたはハイライトされた卒業生の名前のボタンを再度クリックすると、サーバは、当該卒業生の利用者端末から送信される映像及び音の受信を停止する。
【0102】
上記実施形態において、全ての卒業生は、名前を呼ばれた卒業生それぞれの映像及び音を、それぞれの利用者端末の画面上で見ることができる。すなわち、上記の方法で卒業式を開催すれば、全卒業生の声と映像を利用者端末で視聴することができ、通信回線を通じて、実際の卒業式を実現できる。
【0103】
(本開示のシステムの別の実施形態)
本開示の上記好ましいシステムの別の実施形態を以下に示す。下記の別の実施形態は、本開示の上記好ましいシステムを学校の授業に用いた場合の例である。
【0104】
図3に、本開示のシステムの別の実施形態を説明する模式図を示す。本開示のシステムを学校の授業で用いる場合、学生は利用者端末を使用し、教師は主催者端末を使用することができる。
【0105】
(1)学校側は、各クラスの学生の在籍リストを、クラス毎または選択科目毎に事前にサーバの記憶部に入力しておく。
【0106】
(2)学校側(教師)は、出席を取る時に、学生の名前を点呼すると同時にまたは点呼した後に、主催者端末に表示されたまたはハイライトされた学生の名前のボタンを押下(クリック)する。
図3においては、教師が、学生の名前2のボタンを押下(クリック)する態様を表している。教師が、主催者端末の学生の名前のボタンを押下(クリック)すると、学生の「応答」ボタンが点滅する。これにより、学校側は、学生の出席の有無をリアルタイムで確認できる。
【0107】
(3)学生が、利用者端末の画面で点滅している「応答」ボタンをクリックすると、サーバは、当該学生の映像を、利用者端末の全部または一部の画面の全部または一部にライブ映像として表示する。当該学生による「はい」等の返事または返事のデータが、利用者端末を介してサーバに送信され得る。
図3においては、学生が、「応答」ボタンを押下(クリック)する態様を表している。
【0108】
(4)学生が返事をした後に、学校側(教師)が主催者端末に表示されたまたはハイライトされたその学生の名前のボタンを再度クリックすると、サーバは、当該学生の利用者端末から送信される映像及び音の受信を停止する。
【0109】
(5)授業で学生に発言させる時には、学校側(教師)は、主催者端末を用いて(2)~(4)の操作を行うことができる。学生が発言を希望する場合には、利用者端末に表示された「応答」ボタンをクリックすることができる。学生が「応答」ボタンをクリックすると、教師の主催者端末の画面上で、その学生の名前ボタンが点滅し、教師がそのボタンをクリックすると、利用者端末から映像、音、またはそれらの組み合わせが発信される。
【0110】
(6)利用者端末の画面上に、全員がリアルタイムの書き込みが出来るよう、チャットボードを設置する。
【0111】
利用者端末から映像、音、またはそれらの組み合わせを発信するための操作権限は教師側の主催者端末が有してもよく、または学生が利用者端末の「応答」ボタンをいつでもクリックできるようにしてもよい。好ましくは、「応答」ボタンは、学生が授業で発言する時に、教師が指名し、許可した学生が使用できる。学生が一方的に応答ボタンをクリックしても応答ボタンが反応しないように、主催者端末が、各利用者端末の応答ボタンの有効化及び無効化の機能を有してもよい。
【0112】
サーバは、好ましくは、ライブ映像を視聴するユーザーが、同じライブ映像を視聴する他のユーザーとリアルタイムで文字による会話が可能なチャットボード(掲示板)機能を有する。
【符号の説明】
【0113】
10 ライブ配信システム
1 サーバ
2 撮影端末
3 利用者端末
4 通信ネットワーク
5 イベント