(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013877
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】電気外科用器具のためのスリップリング接点アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108381
(22)【出願日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】16/919,386
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ケン ネッツェル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK19
(57)【要約】
【課題】電気外科用器具のためのスリップリング接点アセンブリを提供する。
【解決手段】外科用器具は、スリップリング接点アセンブリを含む。スリップリング接点アセンブリは、複数のスロットを画定する絶縁ハウジングを含む。複数のスリップリング接点は、絶縁ハウジング内に動作可能に支持される。各スリップリング接点は、外科用器具の回転シャフトの円周方向に形成された1つ以上の電気接点と係合するように構成される。各スリップリング接点は、絶縁ハウジングに画定された対応するスロットを通って延在し、外部ワイヤ接続に動作可能に接続されるように構成されたタングを含む。複数のスリップリング接点は、各スリップリング接点と回転シャフトの対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にするように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
ハウジングと、前記ハウジングに動作可能に連結された回転アセンブリとを含むハンドルアセンブリと、
前記ハウジングから遠位に延在し、前記回転アセンブリの作動時に回転可能な回転シャフトであって、前記ハウジングに動作可能に連結された近位部分を画定し、前記回転シャフトの前記近位部分の円周方向に形成され、前記回転シャフトの前記近位部分に沿って離間した複数の電気接点を含む、回転シャフトと、
前記回転シャフトの遠位部分に支持されたエンドエフェクタと、
前記ハウジング内に動作可能に支持されたスリップリング接点アセンブリとを含み、前記スリップリング接点アセンブリが、
複数のスロットを画定する絶縁ハウジングと、
前記絶縁ハウジング内に動作可能に支持された複数のスリップリング接点であって、各スリップリング接点が、前記回転シャフトの前記近位部分の前記複数の電気接点の対応する電気接点の周囲に動作可能に係合可能であり、各スリップリング接点が、前記絶縁ハウジング内に画定された対応するスロットを通って延在し外部ワイヤ接続部に動作可能に接続されたタングを含む、複数のスリップリング接点とを含み、
前記複数のスリップリング接点が、各スリップリング接点と前記回転シャフトの前記近位部分の前記対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にする、外科用器具。
【請求項2】
前記スリップリング接点アセンブリが、前記複数のスリップリング接点のうちの第1のスリップリング接点を前記複数のスリップリング接点のうちの第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの壁をさらに含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記回転シャフトの前記近位部分の周囲に動作可能に係合された前記電気接点の少なくとも1つが、前記回転シャフトの長手方向軸に沿って延びる内部ワイヤ接続部を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記内部ワイヤ接続部を前記回転シャフトに接続する少なくとも1つの内部ワイヤをさらに含む、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記複数のスリップリング接点の各スリップリング接点が、第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームを含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記第1の湾曲アーム及び前記第2の湾曲アームが、前記回転シャフトを前記複数のスリップリング接点に回転可能に固定するために前記回転シャフトの前記近位部分を受け入れるように構成された開口部を画定する、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記複数のスリップリング接点が、電気外科エネルギーを前記エンドエフェクタに供給するために電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
回転シャフトの前記近位部分の周囲に配置されたカラーをさらに含み、前記回転シャフトの前記近位部分の周囲に動作可能に係合する前記複数の電気接点が、前記カラー上に形成される、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記回転アセンブリによる前記回転シャフトの回転に応じて、前記エンドエフェクタが回転する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項10】
外科用器具であって、
ハウジングと、前記ハウジングに動作可能に連結された回転アセンブリとを含むハンドルアセンブリと、
前記ハウジングから遠位に延在し、前記回転アセンブリの作動時に回転可能な回転シャフトであって、前記ハウジングに動作可能に連結された近位部分を画定し、前記回転シャフトの前記近位部分の円周方向に形成され、前記回転シャフトの前記近位部分に沿って離間した複数の電気接点を含む、回転シャフトと、
前記カラーの円周方向に形成され、前記カラーに沿って離間した複数の電気接点と、
前記回転シャフトの遠位部分に支持されたエンドエフェクタであって、前記回転アセンブリによる前記回転シャフトの回転に応じて前記エンドエフェクタが回転する、エンドエフェクタと、
前記ハウジング内に動作可能に支持されたスリップリング接点アセンブリとを含み、前記スリップリング接点アセンブリが、
複数のスロットを画定する絶縁ハウジングと、
前記絶縁ハウジング内に動作可能に支持された複数のスリップリング接点であって、各スリップリング接点が、前記カラーの前記複数の電気接点の対応する電気接点の周囲に動作可能に係合可能であり、各スリップリング接点が、前記絶縁ハウジング内に画定された対応するスロットを通って延在し外部ワイヤ接続部に動作可能に接続されたタングを含む、複数のスリップリング接点とを含み、
前記複数のスリップリング接点が、各スリップリング接点と前記カラーの前記対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にする、外科用器具。
【請求項11】
前記スリップリング接点アセンブリが、前記複数のスリップリング接点のうちの第1のスリップリング接点を前記複数のスリップリング接点のうちの第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの壁をさらに含む、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記複数のスリップリング接点の各スリップリング接点が、第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームを含む、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記第1の湾曲アーム及び前記第2の湾曲アームが、前記回転シャフトを前記複数のスリップリング接点に回転可能に固定するために前記回転シャフトの前記近位部分を受け入れるように構成された開口部を画定する、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記複数のスリップリング接点が、電気外科エネルギーを前記エンドエフェクタに供給するために電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合されている、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記回転シャフトの前記近位部分の周囲に動作可能に係合された前記電気接点の少なくとも1つが、前記回転シャフトの長手方向軸に沿って延びる内部ワイヤ接続部を含む、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項16】
スリップリング接点アセンブリであって、
複数のスロットを画定する絶縁ハウジングと、
前記絶縁ハウジング内に動作可能に支持された複数のスリップリング接点であって、各スリップリング接点が、外科用器具の回転シャフトの円周方向に形成された少なくとも1つの電気接点と係合するように構成され、各スリップリング接点が、前記絶縁ハウジング内に画定された対応するスロットを通って延在し外部ワイヤ接続部に動作可能に接続されるように構成されたタングを含む、複数のスリップリング接点とを含み、
前記複数のスリップリング接点が、各スリップリング接点と前記回転シャフトの対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にする、スリップリング接点アセンブリ。
【請求項17】
前記スリップリング接点アセンブリが、前記複数のスリップリング接点のうちの第1のスリップリング接点を前記複数のスリップリング接点のうちの第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの壁をさらに含む、請求項16に記載のスリップリング接点アセンブリ。
【請求項18】
前記複数のスリップリング接点の各スリップリング接点が、第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームを含む、請求項16に記載のスリップリング接点アセンブリ。
【請求項19】
前記第1の湾曲アーム及び前記第2の湾曲アームが、前記回転シャフトを前記複数のスリップリング接点に回転可能に固定するために前記回転シャフトを受け入れるように構成された開口部を画定する、請求項18に記載のスリップリング接点アセンブリ。
【請求項20】
前記複数のスリップリング接点が、電気外科エネルギーをエンドエフェクタに供給するために電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合されている、請求項16に記載のスリップリング接点アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用器具に関し、より詳細には、電気外科用器具のためのスリップリング接点アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用鉗子は、その顎部材の間の機械的な作用によって、組織を把持し、クランプし、締め付ける、ペンチのような器具である。電気外科用鉗子は、機械的なクランプ作用とエネルギーの両方を利用して組織を加熱して処置する(例えば、組織を凝固させ、焼灼し、又は封止する)。通常、組織が処置されると、外科医は処置した組織を正確に切断しなければならない。そのため、多くの電気外科用鉗子は、顎部材の間を前に進んで処置された組織を切断するナイフを組み込むように設計されている。機械的ナイフの代わりに、エネルギーベースの組織を切断する要素を設けて、エネルギー(例えば、熱、電気外科、超音波、光、又は他の適切なエネルギー)を使用して処置された組織を切断することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の態様によれば、ハウジングと、当該ハウジングに動作可能に連結された回転アセンブリとを含むハンドルアセンブリを含む外科用器具が提供される。回転シャフトは、ハウジングから遠位に延び、回転アセンブリの作動時に回転可能である。回転シャフトは、ハウジングに動作可能に連結された近位部分を規定する。回転シャフトは、回転シャフトの円周方向に形成され、且つ、回転シャフトの近位部分に沿って離間した複数の電気接点を含む。エンドエフェクタは、回転シャフトの遠位部分に支持される。スリップリング接点アセンブリは、ハウジング内に動作可能に支持される。スリップリング接点アセンブリは、複数のスロットを画定する絶縁ハウジングを含む。複数のスリップリング接点は、絶縁ハウジング内に動作可能に支持される。各スリップリング接点は、回転シャフトの近位部分の対応する電気接点の周囲に動作可能に係合することができる。各スリップリング接点は、絶縁ハウジングに画定された対応するスロットを通って延在し、外部ワイヤ接続部に動作可能に接続されたタング(tang)を含む。スリップリング接点は、各スリップリング接点と回転シャフトの近位部分の対応する電気接点との間の電気的な接触を連続的に維持しながら、回転シャフトの回転を制約しないことを可能にする。
【0004】
本開示のいくつかの態様では、スリップリング接点アセンブリは、第1のスリップリング接点を第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する1つ以上の壁をさらに含む。
【0005】
本開示のいくつかの態様では、回転シャフトの近位部分の周囲に動作可能に係合された1つ以上の電気接点は、回転シャフトの長手方向軸に沿って延びる内部ワイヤ接続部を含む。1つ以上の内部ワイヤは、内部ワイヤ接続部を回転シャフトに接続する。
【0006】
本開示のいくつかの態様では、各スリップリング接点は、第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームを含む。第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームは、回転シャフトをスリップリング接点に回転可能に固定するために、回転シャフトの近位部分を受け入れるように構成された開口部を画定する。
【0007】
本開示のいくつかの態様では、スリップリング接点は、電気外科エネルギーをエンドエフェクタに供給するために、電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合される。
【0008】
本開示のいくつかの態様では、カラーは、回転シャフトの近位部分の周囲に配置される。回転シャフトの近位部分の周囲に動作可能に係合された電気接点は、カラー上に形成される。
【0009】
本開示のいくつかの態様では、回転アセンブリによる回転シャフトの回転に応じてエンドエフェクタが回転する。
【0010】
本開示の他の特徴は、以下の記載から理解されるであろう。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
外科用器具であって、
ハウジングと、前記ハウジングに動作可能に連結された回転アセンブリとを含むハンドルアセンブリと、
前記ハウジングから遠位に延在し、前記回転アセンブリの作動時に回転可能な回転シャフトであって、前記ハウジングに動作可能に連結された近位部分を画定し、前記回転シャフトの前記近位部分の円周方向に形成され、前記回転シャフトの前記近位部分に沿って離間した複数の電気接点を含む、回転シャフトと、
前記回転シャフトの遠位部分に支持されたエンドエフェクタと、
前記ハウジング内に動作可能に支持されたスリップリング接点アセンブリとを含み、前記スリップリング接点アセンブリが、
複数のスロットを画定する絶縁ハウジングと、
前記絶縁ハウジング内に動作可能に支持された複数のスリップリング接点であって、各スリップリング接点が、前記回転シャフトの前記近位部分の前記複数の電気接点の対応する電気接点の周囲に動作可能に係合可能であり、各スリップリング接点が、前記絶縁ハウジング内に画定された対応するスロットを通って延在し外部ワイヤ接続部に動作可能に接続されたタングを含む、複数のスリップリング接点とを含み、
前記複数のスリップリング接点が、各スリップリング接点と前記回転シャフトの前記近位部分の前記対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にする、外科用器具。
(項目2)
前記スリップリング接点アセンブリが、前記複数のスリップリング接点のうちの第1のスリップリング接点を前記複数のスリップリング接点のうちの第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの壁をさらに含む、上記項目に記載の外科用器具。
(項目3)
前記回転シャフトの前記近位部分の周囲に動作可能に係合された前記電気接点の少なくとも1つが、前記回転シャフトの長手方向軸に沿って延びる内部ワイヤ接続部を含む、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目4)
前記内部ワイヤ接続部を前記回転シャフトに接続する少なくとも1つの内部ワイヤをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目5)
前記複数のスリップリング接点の各スリップリング接点が、第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目6)
前記第1の湾曲アーム及び前記第2の湾曲アームが、前記回転シャフトを前記複数のスリップリング接点に回転可能に固定するために前記回転シャフトの前記近位部分を受け入れるように構成された開口部を画定する、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目7)
前記複数のスリップリング接点が、電気外科エネルギーを前記エンドエフェクタに供給するために電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合されている、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目8)
回転シャフトの前記近位部分の周囲に配置されたカラーをさらに含み、前記回転シャフトの前記近位部分の周囲に動作可能に係合する前記複数の電気接点が、前記カラー上に形成される、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目9)
前記回転アセンブリによる前記回転シャフトの回転に応じて、前記エンドエフェクタが回転する、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目10)
外科用器具であって、
ハウジングと、前記ハウジングに動作可能に連結された回転アセンブリとを含むハンドルアセンブリと、
前記ハウジングから遠位に延在し、前記回転アセンブリの作動時に回転可能な回転シャフトであって、前記ハウジングに動作可能に連結された近位部分を画定し、前記回転シャフトの前記近位部分の円周方向に形成され、前記回転シャフトの前記近位部分に沿って離間した複数の電気接点を含む、回転シャフトと、
前記カラーの円周方向に形成され、前記カラーに沿って離間した複数の電気接点と、
前記回転シャフトの遠位部分に支持されたエンドエフェクタであって、前記回転アセンブリによる前記回転シャフトの回転に応じて前記エンドエフェクタが回転する、エンドエフェクタと、
前記ハウジング内に動作可能に支持されたスリップリング接点アセンブリとを含み、前記スリップリング接点アセンブリが、
複数のスロットを画定する絶縁ハウジングと、
前記絶縁ハウジング内に動作可能に支持された複数のスリップリング接点であって、各スリップリング接点が、前記カラーの前記複数の電気接点の対応する電気接点の周囲に動作可能に係合可能であり、各スリップリング接点が、前記絶縁ハウジング内に画定された対応するスロットを通って延在し外部ワイヤ接続部に動作可能に接続されたタングを含む、複数のスリップリング接点とを含み、
前記複数のスリップリング接点が、各スリップリング接点と前記カラーの前記対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にする、外科用器具。
(項目11)
前記スリップリング接点アセンブリが、前記複数のスリップリング接点のうちの第1のスリップリング接点を前記複数のスリップリング接点のうちの第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの壁をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目12)
前記複数のスリップリング接点の各スリップリング接点が、第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目13)
前記第1の湾曲アーム及び前記第2の湾曲アームが、前記回転シャフトを前記複数のスリップリング接点に回転可能に固定するために前記回転シャフトの前記近位部分を受け入れるように構成された開口部を画定する、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目14)
前記複数のスリップリング接点が、電気外科エネルギーを前記エンドエフェクタに供給するために電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合されている、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目15)
前記回転シャフトの前記近位部分の周囲に動作可能に係合された前記電気接点の少なくとも1つが、前記回転シャフトの長手方向軸に沿って延びる内部ワイヤ接続部を含む、上記項目のいずれかに記載の外科用器具。
(項目16)
スリップリング接点アセンブリであって、
複数のスロットを画定する絶縁ハウジングと、
前記絶縁ハウジング内に動作可能に支持された複数のスリップリング接点であって、各スリップリング接点が、外科用器具の回転シャフトの円周方向に形成された少なくとも1つの電気接点と係合するように構成され、各スリップリング接点が、前記絶縁ハウジング内に画定された対応するスロットを通って延在し外部ワイヤ接続部に動作可能に接続されるように構成されたタングを含む、複数のスリップリング接点とを含み、
前記複数のスリップリング接点が、各スリップリング接点と前記回転シャフトの対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にする、スリップリング接点アセンブリ。
(項目17)
前記スリップリング接点アセンブリが、前記複数のスリップリング接点のうちの第1のスリップリング接点を前記複数のスリップリング接点のうちの第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの壁をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のスリップリング接点アセンブリ。
(項目18)
前記複数のスリップリング接点の各スリップリング接点が、第1の湾曲アーム及び第2の湾曲アームを含む、上記項目のいずれかに記載のスリップリング接点アセンブリ。
(項目19)
前記第1の湾曲アーム及び前記第2の湾曲アームが、前記回転シャフトを前記複数のスリップリング接点に回転可能に固定するために前記回転シャフトを受け入れるように構成された開口部を画定する、上記項目のいずれかに記載のスリップリング接点アセンブリ。
(項目20)
前記複数のスリップリング接点が、電気外科エネルギーをエンドエフェクタに供給するために電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合されている、上記項目のいずれかに記載のスリップリング接点アセンブリ。
(摘要)
外科用器具は、スリップリング接点アセンブリを含む。スリップリング接点アセンブリは、複数のスロットを画定する絶縁ハウジングを含む。複数のスリップリング接点は、絶縁ハウジング内に動作可能に支持される。各スリップリング接点は、外科用器具の回転シャフトの円周方向に形成された1つ以上の電気接点と係合するように構成される。各スリップリング接点は、絶縁ハウジングに画定された対応するスロットを通って延在し、外部ワイヤ接続に動作可能に接続されるように構成されたタングを含む。複数のスリップリング接点は、各スリップリング接点と回転シャフトの対応する電気接点との間の電気的な接続を連続的に維持しながら、前記回転シャフトの回転を制約しないことを可能にするように構成される。
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の態様及び特徴を示し、以下の詳細な説明と共に本開示をさらに説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の態様及び特徴に従って使用するための内視鏡手術用鉗子の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の内視鏡手術用鉗子のスリップリング接触アセンブリ内に配置されたハンドルアセンブリハウジング及び回転シャフトの近位部分の断面図である。
【
図3】
図3は、
図2のスリップリング接点アセンブリの拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2の回転シャフトの近位部分の拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2のスリップリング接点アセンブリの配線の内部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用するとき、「遠位」という用語は、ユーザからより遠くにあると説明される部分を指し、一方で、「近位」という用語は、ユーザのより近くにあると説明される部分を指す。さらに、矛盾のない範囲内で、本明細書に詳述されている態様及び特徴は、いずれも、本明細書に詳述されている他の態様及び特徴のいずれか又はすべてと併せて使用されてもよい。
【0014】
本開示の例示的な実施形態の技術的特徴又は態様の説明は、典型的には、本開示の別の例示的な実施形態における他の同様の特徴又は態様に利用可能且つ適用可能であると見なされるべきである。したがって、本開示の1つの例示的な実施形態に従って本明細書に記載された技術的特徴は、本開示の他の例示的な実施形態に適用可能であり得、よって、本明細書では重複する説明が省略される場合がある。
【0015】
本開示の例示的な実施形態は、以下でより完全に説明される(例えば、添付の図面の参照により)。同様の参照番号は、明細書及び図面を通して同様の要素を指す場合がある。
【0016】
図1を参照すると、本開示に従って提供される手術用鉗子などの外科用器具の実施形態が、参照番号10によって識別されて概略的に示されている。
【0017】
鉗子10は、概ね、ハウジング20と、ハンドルアセンブリ30と、ハンドル50と、トリガ40と、回転アセンブリ70と、作動スイッチ4と、エンドエフェクタアセンブリ100とを含む。鉗子10は、エンドエフェクタアセンブリ100と係合するように構成された遠位端14とハウジング20と係合する近位端16とを有するシャフト12をさらに含む。シャフト12は、以下でより詳細に説明するように、回転可能であり、ハウジング20に動作可能に連結された近位部分216を含む。「シャフト」及び「回転シャフト」という用語は、本明細書では互換的に使用される場合がある。
【0018】
鉗子10はまた、鉗子10をエネルギー源(図示せず)、例えば発電機又は他の適切な電源、に接続するケーブル2を含むが、鉗子10は代替的にバッテリで駆動する装置として構成されてもよい。ケーブル2は、顎部材110,120の組織処置面114,124の一方又は両方にそれぞれエネルギーを供給するために、シャフト12の中を通って延びるのに十分な長さを有する少なくとも1本のワイヤと電気的に連通している。他の電気的構成、例えば導電性チューブなどが、顎部材110,120に電気エネルギーを供給するために想定される。作動スイッチ4は、顎部材110,120の組織処置面114,124にそれぞれ電気的に連結され、顎部材110,120の間に把持された組織を処置するために、顎部材110,120へのエネルギーの選択的供給を可能にするエネルギー源である。回転アセンブリ70は、いずれの方向にも回転可能であり、つまるところ、エンドエフェクタアセンブリ100をハウジング20に対して回転させる。
【0019】
図1から
図5を参照すると、外科用器具10は、ハンドルアセンブリ30及び回転アセンブリ70を含み、その両方がハウジング20に動作可能に連結される。回転シャフト12は、ハウジング20から遠位に延び、回転アセンブリ70の作動時に回転可能である。
【0020】
回転シャフト12は、ハウジング20に動作可能に連結される近位部分216を画定する。回転シャフト12は、回転シャフト12の近位部分216の円周方向に形成され、且つ、回転シャフト12に沿って離間した(例えば、
図1に示す長手方向軸X-Xに沿って離間した)複数の電気接点211を含む。エンドエフェクタ100は、回転シャフト12の遠位部分14に支持されている。回転アセンブリ70が回転すると、それに応じて回転シャフト12が回転し、それに応じてエンドエフェクタ100も回転する。
【0021】
スリップリング接点アセンブリ210は、ハウジング20内に動作可能に支持されている。スリップリング接点アセンブリ210は、複数のスロット213を画定する絶縁ハウジング212を含む。複数のスリップリング接点214は、絶縁ハウジング212内に動作可能に支持されている。各スリップリング接点214は、回転シャフト12の近位部分216の対応する電気接点211の周囲に動作可能に係合可能である。スリップリング接点214は、電気外科エネルギーをエンドエフェクタ100に供給するように、(例えば、
図1に示すケーブル2を介して)電気外科エネルギー源に電気的に接続するように適合される。各スリップリング接点214は、絶縁ハウジング212内に画定された対応するスロット213を通って延在し外部ワイヤ接続部217に動作可能に接続されたタング215を含む。各タング215は、少なくとも1つのワイヤ(例えば、
図5に示すワイヤ231,232又は233のうちの1つ)にそれぞれ接続され、タング215に電気外科エネルギーを供給する固有の外部ワイヤ接続部217を含むことができ、これは、エンドエフェクタ100に沿って回転シャフト12の中を通って延在する配線と電気的に連通して、エンドエフェクタ100の組織処置面114,124に電気外科エネルギーを供給する。
【0022】
回転シャフト12の近位部分216の周囲に動作可能に係合された電気接点211の少なくとも1つは、回転シャフト12の長手方向軸(例えば、
図1の長手方向軸X-Xを参照)に沿って延びる内部ワイヤ接続部219を含む。各電気接点211は、それぞれが固有の内部ワイヤ接続219部を含むことができ、それは、内部ワイヤ接続部219を回転シャフト12の中を通ってエンドエフェクタ100まで延在する配線と接続するために、対応するワイヤ(例えば、
図5に示すワイヤ234,235又は236のうちの1つ)と接続される。ワイヤ234,235又は236はそれぞれ、回転シャフト12の内側を通って延びる配線と連通する開口部(例えば、
図4に示す開口部237,238又は239のうちの1つ)をくぐり抜けることができる。
【0023】
長手方向軸X-Xに沿って延びる内部ワイヤ接続部219は、スリップリング接点214によって覆われておらず、したがって、内部ワイヤ接続部219は、ハウジング20内で内部に露出したままになっている(例えば、
図5を参照)。
【0024】
スリップリング接点214は、各スリップリング接点214と回転シャフト12の近位部分216の対応する電気接点211との間の電気な接続を連続的に維持しながら、回転シャフト12の回転を制約しないことを可能にする。すなわち、回転シャフト12は、回転シャフト12の近位部分216の各スリップリング接点214と対応する電気接点211との間の電気的な接続を中断することなく、その回転に応じてエンドエフェクタ100を360度を超えて回転させながら、回転することができる。
【0025】
スリップリング接点アセンブリ210は、組み立て又は製造において、外部配線(例えば、外部配線231,232又は233)が取り付けられる前に、回転シャフト12の近位部分216に「カチっと留める」ことができる。なぜなら、タング215によって、スリップリング接点アセンブリ210を回転シャフト12の近位部分216に連結した後に配線接続を行うことができるからである。これにより、製造コストが削減され、製造時間が短縮される。タング215を介した複数の外部接続はまた、回転シャフト12を介したエンドエフェクタ100への複数の電気接続を可能にする。
【0026】
スリップリング接点アセンブリ210は、第1のスリップリング接点を第2のスリップリング接点から電気的に絶縁する1つ以上の壁218をさらに含む(例えば、
図3を参照)。各スリップリング接点214は、第1の湾曲アーム241及び第2の湾曲アーム242を含む。各スリップリング接点214は、それぞれの壁218によって、任意の隣接するスリップリング接点214から離間され、且つ、電気的に絶縁され得る。第1の湾曲アーム241及び第2の湾曲アーム242は、回転シャフト12をスリップリング接点アセンブリ210のスリップリング接点214に回転可能に固定するために、回転シャフト12の近位部分216を受け入れるように構成された開口部243を画定する。したがって、スリップリング接点214は、長手方向軸X-X(例えば、
図1を参照)に沿って互いに離間し、壁218によってそれぞれ互いに電気的に絶縁される。
【0027】
カラー221は、カラー221と回転シャフト12とが一体となって回転するように、回転シャフト12の近位部分216に動作可能に連結され得る。電気接点211は、カラー221の円周方向に形成することができる。
【0028】
本明細書に開示される様々な実施形態はまた、ロボット外科手術システム、及び一般に「遠隔手術」と呼ばれるものと協働するように構成されてもよい。そのようなシステムは、様々なロボット要素を使用して外科医を支援し、外科用器具の遠隔操作(又は部分遠隔操作)を可能にする。様々なロボットアーム、歯車、カム、プーリー、電気モータ及び機械モータなどをこの目的のために使用することができ、手術又は治療の過程で外科医を助けるロボット外科用システムで設計することができる。そのようなロボットシステムは、遠隔操縦可能システム、自動フレキシブル手術システム、遠隔フレキシブル手術システム、遠隔関節運動手術システム、無線手術システム、モジュール式又は選択的に構成可能な遠隔操作式手術システムなどを含み得る。
【0029】
前述のことから、また、様々な図面を参照すると、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対してある程度の修正が行われ得ることも理解するであろう。本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示の範囲が当技術分野が許容する程度に広く、本明細書が同様に解釈されることを意図するのであって、本開示はこれらの図面に限定されることを意図するものではない。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付されている特許請求の範囲及びその趣旨の範囲内での他の修正を想定するであろう。