(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138834
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】インフルエンサー抽出装置、インフルエンサー抽出方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220915BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038940
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】日室 聡仁
(72)【発明者】
【氏名】笹鹿 祐司
(72)【発明者】
【氏名】江島 直也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 インフルエンサーを抽出することができるインフルエンサー抽出装置を提供する。
【解決手段】 本発明のインフルエンサー抽出装置10において、集計データ生成部12は、来場情報及び遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、設定部13は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、予測値算出部14は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、誤差算出部15は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、インフルエンサー抽出部16は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部、集計データ生成部、設定部、予測値算出部、誤差算出部、及びインフルエンサー抽出部を含み、
前記取得部は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定部は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出部は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出部は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出部は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する、インフルエンサー抽出装置。
【請求項2】
前記インフルエンサー抽出部は、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外する、請求項1記載のインフルエンサー抽出装置。
【請求項3】
さらに、フィルタリング部を含み、
前記取得部は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記集計データ生成部は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する、請求項1又は2記載のインフルエンサー抽出装置。
【請求項4】
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、請求項1から3のいずれか一項に記載のインフルエンサー抽出装置。
【請求項5】
さらに、混雑情報開示部を含み、
前記混雑情報開示部は、前記来場情報に基づいて、前記任意の場所における時間帯毎の来場者の多さを示す混雑情報を生成し、且つ前記混雑情報を開示する、請求項1から4のいずれか一項に記載のインフルエンサー抽出装置。
【請求項6】
さらに、通知部を含み、
前記通知部は、インフルエンサーとして抽出された前記来場者に対し、インフルエンサーとして抽出されたことを通知する、請求項1から5のいずれか一項に記載のインフルエンサー抽出装置。
【請求項7】
取得工程、集計データ生成工程、設定工程、予測値算出工程、誤差算出工程、及びインフルエンサー抽出工程を含み、
前記取得工程は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定工程は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出工程は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出工程は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出工程は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する、インフルエンサー抽出方法。
【請求項8】
前記インフルエンサー抽出工程は、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外する、請求項7記載のインフルエンサー抽出方法。
【請求項9】
さらに、フィルタリング工程を含み、
前記取得工程は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記集計データ生成工程は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する、請求項7又は8記載のインフルエンサー抽出方法。
【請求項10】
コンピュータに、取得手順、集計データ生成手順、設定手順、予測値算出手順、誤差算出手順、及びインフルエンサー抽出手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記取得手順は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定手順は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出手順は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出手順は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出手順は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフルエンサー抽出装置、インフルエンサー抽出方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンサーを活用して、宣伝対象を宣伝する「インフルエンサー・マーケティング」が注目されている。インフルエンサーとは、積極的に他者とコミュニケーションをとり、世間や他者に大きな影響力をもつ人のことである。特許文献1には、ソーシャル・メディア内のユーザの中からインフルエンサーを抽出する技術が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に関する技術は、ソーシャル・メディア以外の「人と人とが交流する場」におけるインフルエンサーを見つけ出すことができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、ソーシャル・メディア以外の場におけるインフルエンサーを抽出可能なインフルエンサー抽出装置、インフルエンサー抽出方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のインフルエンサー抽出装置は、
取得部、集計データ生成部、設定部、予測値算出部、誤差算出部、及びインフルエンサー抽出部を含み、
前記取得部は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定部は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出部は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出部は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出部は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する、装置である。
【0007】
本発明のインフルエンサー抽出方法は、
取得工程、集計データ生成工程、設定工程、予測値算出工程、誤差算出工程、及びインフルエンサー抽出工程を含み、
前記取得工程は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定工程は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出工程は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出工程は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出工程は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する、方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ソーシャル・メディア以外の場におけるインフルエンサーを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1のインフルエンサー抽出装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のインフルエンサー抽出装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1のインフルエンサー抽出装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、集計データの生成に関する処理の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、予測式及び標準誤差の設定に関する処理の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、予測値の算出に関する処理の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、集計データにおける遭遇回数と予測値との誤差の算出に関する処理の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、来場回数と遭遇回数との相関関係を分析した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のインフルエンサー抽出装置において、例えば、
前記インフルエンサー抽出部は、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外する、という態様であってもよい。
【0011】
本発明のインフルエンサー抽出装置は、例えば、
さらに、フィルタリング部を含み、
前記取得部は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記集計データ生成部は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明のインフルエンサー抽出装置は、例えば、
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、という態様であってもよい。
【0013】
本発明のインフルエンサー抽出装置は、例えば、
さらに、混雑情報開示部を含み、
前記混雑情報開示部は、前記来場情報に基づいて、前記任意の場所における時間帯毎の来場者の多さを示す混雑情報を生成し、且つ前記混雑情報を開示する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明のインフルエンサー抽出装置は、例えば、
さらに、通知部を含み、
前記通知部は、インフルエンサーとして抽出された前記来場者に対し、インフルエンサーとして抽出されたことを通知する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明のインフルエンサー抽出方法において、例えば、
前記インフルエンサー抽出工程は、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明のインフルエンサー抽出方法は、例えば、
さらに、フィルタリング工程を含み、
前記取得工程は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記集計データ生成工程は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明のインフルエンサー抽出方法は、例えば、
さらに、記録工程を含み、
前記記録工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明のインフルエンサー抽出方法は、例えば、
さらに、混雑情報開示工程を含み、
前記混雑情報開示工程は、前記来場情報に基づいて、前記任意の場所における時間帯毎の来場者の多さを示す混雑情報を生成し、且つ前記混雑情報を開示する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明のインフルエンサー抽出方法は、例えば、
さらに、通知工程を含み、
前記通知工程は、インフルエンサーとして抽出された前記来場者に対し、インフルエンサーとして抽出されたことを通知する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0021】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
本発明において、「遭遇」とは、2人以上の来場者が同じ時間且つ同一の場所に存在しているという事実があればよく、例えば、すれ違い、追い越し、交差等を含めて、最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。また、「遭遇」とは、各来場者が挨拶する、会話を交わす等の相互に認知することに限定されるものではない。
【0023】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0024】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のインフルエンサー抽出装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、取得部11、集計データ生成部12、設定部13、予測値算出部14、誤差算出部15、及びインフルエンサー抽出部16を含む。また、本装置10は、任意の構成として、さらに、フィルタリング部17、記録部18、混雑情報開示部19、及び通知部20を含んでもよい。
【0025】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0026】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0027】
中央処理装置101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、取得部11、集計データ生成部12、設定部13、予測値算出部14、誤差算出部15、及びインフルエンサー抽出部16として機能する。また、中央処理装置101は、例えば、フィルタリング部17、記録部18、混雑情報開示部19、及び通知部20としても機能する。
【0028】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0029】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0030】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0031】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。また、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、記録部18が記録した各種情報を記憶してもよい。
【0032】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、及び表示装置106を含んでもよい。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0033】
つぎに、本実施形態のインフルエンサー抽出方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態のインフルエンサー抽出方法は、例えば、
図1のインフルエンサー抽出装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のインフルエンサー抽出方法は、
図1のインフルエンサー抽出装置10の使用には限定されない。また、
図3においてかっこで示した工程は、任意の工程である。
【0034】
まず、取得部11により、来場情報及び遭遇情報を取得する(S11a、取得工程)。前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報である。前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報である。取得部11は、例えば、前記通信回線網を介して外部サーバや外部データベース等から前記来場情報及び前記遭遇情報を取得してもよいし、メモリ102及び記憶装置104に記憶している前記来場情報及び前記遭遇情報を読み出すことで取得してもよい。前記識別情報は、例えば、前記来場者が前記任意の場所に来場した際に携帯している携行品の識別情報であってもよい。前記携行品としては、例えば、入場券、IC(integrated circuit)カード、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス等である。前記識別情報は、例えば、ID(identification)、メールアドレス、生体情報(顔、指紋、声、等)等である。なお、前記任意の場所は、特に制限されず、屋内であってもよいし、屋外であってもよいし、電車等の移動体内であってもよい。具体的に、前記任意の場所としては、例えば、ゴミステーション、公園、スーパー、コンビニエンスストア等がある。
【0035】
次に、集計データ生成部12により、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する(S12、集計データ生成工程)。前記来場回数が多くなると、前記遭遇回数も増えると考えられるため、後述のように、前記来場回数と前記遭遇回数とには、正の相関があるといえる。
【0036】
次に、設定部13により、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定する(S13、設定工程)。具体的には、後述する。
【0037】
次に、予測値算出部14により、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出する(S14、予測値算出工程)。
【0038】
次に、誤差算出部15により、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出する(S15、誤差算出工程)。
【0039】
そして、インフルエンサー抽出部16により、前記来場情報の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出し(S16、インフルエンサー抽出工程)、終了する(END)。また、インフルエンサー抽出部16は、例えば、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外してもよい。前記閾値、前記上限値、及び前記下限値は、特に制限されず、任意に設定できる。予め設定した上限値以上の前記誤差は、例えば、異常値の可能性がある。そのため、このような誤差を有する前記来場者を前記抽出の対象から除外することで、適切なインフルエンサーを抽出することができる。また、前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者は、例えば、前記誤差が前記閾値以上であっても、前記任意の場所や他の来場者と馴染んでいない可能性がある。そのため、このような来場者を前記抽出の対象から除外することで、適切なインフルエンサーを抽出することができる。つまり、インフルエンサーとは、来場回数のわりに遭遇回数が多い人ともいうことができる。
【0040】
インフルエンサー抽出部16は、例えば、前記来場情報の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上であり、且つ前記誤差が高い順に、予め設定した人数の前記来場者をインフルエンサーとして抽出してもよい。前記予め設定した人数は、特に制限されず、任意に設定可能である。具体的に、前記予め設定した人数が1人の場合は、例えば、前記誤差が最も高い来場者がインフルエンサーとして抽出される。
【0041】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、フィルタリング部17を含んでもよい。この場合、取得部11により、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得する(S11b、取得工程)。前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報である。前記時間帯は、例えば、30分毎の時間帯であってもよいし、1時間毎の時間帯であってもよい。また、前記時間帯は、例えば、曜日別の時間帯であってもよい。前記属性情報は、前記来場者の属性であり、具体的には、例えば、性別、年齢、趣味、職業等の属性がある。前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報は、例えば、前記来場者の識別情報と紐づけられている。取得部11は、例えば、前記通信回線網を介して外部サーバや外部データベース等から前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報を取得してもよいし、メモリ102及び記憶装置104に記憶している前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報を読み出すことで取得してもよい。前記工程(S11b)は、
図3に示すように、前記工程(S11a)と並行して実行してもよいし、順番に実行してもよい。前記順番は、特に制限されない。
【0042】
前記工程(S11a)及び前記工程(S11b)を実行した後、フィルタリング部17により、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行う(S17、フィルタリング工程)。つまり、来場者Xにおける前記来場可能時間帯情報が示す時間帯が、「月曜日~金曜日の14時から17時」であるとすると、フィルタリング部17は、前記来場情報及び前記遭遇情報の中から、「月曜日~金曜日の14時から17時」の時間帯内の時刻情報を有する来場情報及び遭遇情報を取り出す(フィルターする)。また、来場者Yにおける前記属性情報が示す属性が、「40代、女性」であるとすると、フィルタリング部17は、前記来場情報及び前記遭遇情報の中から、「40代、女性」の属性情報を有する来場者の来場情報及び遭遇情報を取り出す(フィルターする)。
【0043】
前記工程(S17)を実行した後、前記工程(S12)において、集計データ生成部12により、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する。
【0044】
このように、前記来場可能時間帯情報を用いて、前記来場情報及び前記遭遇情報をフィルタリングすることで、例えば、来場者Xのスケジュール上の都合に起因して前記誤差が大きくなることを防げる。また、前記属性情報を用いて、前記来場情報及び前記遭遇情報をフィルタリングすることで、例えば、来場者の属性別にインフルエンサーを抽出することができ、抽出されたインフルエンサーに多様性が生まれる。インフルエンサーが多様化すると、前記インフルエンサーに影響を受ける人も多様化するため、結果的に、来場者の多様化につながる。
【0045】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、記録部18を含んでもよい。記録部18は、例えば、前記来場情報、前記遭遇情報、前記来場可能時間帯情報、前記属性情報等の情報を記録する(S18、記録工程)。前記工程(S18)は、例えば、
図3に示すように、前記工程(S11a)及び前記工程(S11b)の前に実行されればよい。前記各情報を記録する手法は、特に制限されない。
【0046】
前記来場情報を記録する場合、記録部18は、例えば、前記携行品を携帯する来場者が前記任意の場所に来場する際に、前記携行品の識別情報を読み取ることで、前記来場情報を記録してもよい。また、前記来場情報を記録する場合、記録部18は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等を用いて、前記携行品を携帯する来場者が前記任意の場所に入ったことを検知することで、前記来場情報を記録してもよい。さらに、前記来場情報を記録する場合、記録部18は、センサやカメラ等を用いて、前記来場者が前記任意の場所に入ったことを検知することで、前記来場情報を記録してもよい。
【0047】
前記遭遇情報を記録する場合、記録部18は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等を用いて、前記携行品を携帯する複数の来場者が前記任意の場所に入ったことを検知することで、前記遭遇情報を記録してもよい。また、前記遭遇情報を記録する場合、記録部18は、例えば、前記任意の場所において、一方の来場者が来場した前後であって一定時間以内(例えば、5分以内等)に、他方の来場者の来場があったときは、前記一方の来場者と前記他方の来場者とが遭遇したと推定して前記遭遇情報を記録してもよい。
【0048】
前記来場可能時間帯情報や前記属性情報を記録する場合、記録部18は、例えば、前記来場者の端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、PC、ウェアラブルデバイス等)から前記来場可能時間帯情報や前記属性情報の入力を受付けることで、前記来場可能時間帯情報や前記属性情報を記録してもよい。
【0049】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、混雑情報開示部19を含んでもよい。混雑情報開示部19は、前記来場情報に基づいて、前記任意の場所における時間帯毎の来場者の多さを示す混雑情報を生成し、且つ前記混雑情報を開示する(S19、混雑情報開示工程)。具体的に、混雑情報開示部19は、例えば、各時間帯の平均来場回数を算出して得られた数値を前記混雑情報として用いてもよい。前記時間帯は、例えば、30分毎の時間帯であってもよいし、1時間毎の時間帯であってもよい。また、前記時間帯は、例えば、曜日別の時間帯であってもよい。前記混雑情報を開示する手法は、特に制限されず、例えば、前記通信回線網を介して前記来場者の端末に前記混雑情報を送信(通知)することで開示してもよいし、表示装置106上に前記混雑情報を表示することで開示してもよい。前記工程(S19)は、例えば、
図3に示すように、前記工程(S11a)の前に実行されればよい。また、前記工程(S19)は、例えば、
図3に示すように、前記工程(S18)の後に実行されてもよいし、前記工程(S18)の前に実行されてもよい。前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差が大きくなる要因としては、例えば、前記来場者が混雑している時間帯の前記任意の場所に来場することで、1回あたりの来場回数に比べて前記遭遇回数が多くなるためであると考えられる。そこで、前記来場者が来場する前に、前記来場者に対して前記混雑状況を開示することで、他者とのコミュニケーションを意識して、敢えて、前記任意の場所が混雑している時間帯に来場していた来場者を抽出することができる。
【0050】
また、例えば、本装置10によらずに、予め、前記混雑情報が来場者に対して開示されていてもよい。
【0051】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、通知部20を含んでもよい。通知部20は、インフルエンサーとして抽出された前記来場者に対し、インフルエンサーとして抽出されたことを通知する(S20、通知工程)。「抽出された」は、例えば、「選ばれた」ともいう。前記通知の手法は、特に制限されず、例えば、前記来場者の端末に対して、インフルエンサーとして選ばれたことを通知してもよいし、表示装置106上にインフルエンサーとして選ばれたことや、インフルエンサーとして選ばれた前記来場者を表示してもよい。また、通知部20は、例えば、インフルエンサーとして選ばれたことに加えて、前記来場者に対し、依頼情報を通知してもよい。前記依頼情報は、宣伝対象の宣伝を依頼する情報である。なお、前記宣伝対象は、特に制限されず、商品、サービス、場所(特定のエリアや施設等)等があり、有形であってもよいし、無形であってもよい。前記依頼情報には、例えば、前記宣伝対象に関する情報、宣伝を実行する場所・日時等の情報を含んでもよい。なお、前記インフルエンサーを抽出した前記任意の場所は、宣伝対象である場所及び宣伝を実行する場所等と異なっていてもよい。例えば、スーパーの来場者の中から前記スーパーにおけるインフルエンサーを抽出し、その人に、ゴミステーションのインフルエンサーとしても活動して欲しいと依頼(通知)してもよい。このように、抽出したインフルエンサーに協力を仰ぐことで、効率的且つ効果的に宣伝対象を宣伝することができる。前記工程(S20)は、
図3に示すように、例えば、前記工程(S16)の後に続けて実行される。
【0052】
本実施形態によれば、例えば、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出することで、ソーシャル・メディア以外の場におけるインフルエンサーを抽出することができる。
【0053】
[実施形態2]
本発明における、集計データの生成、予測式及び標準誤差の設定、予測値の算出、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差の算出、及びインフルエンサーの抽出に関する処理の一例を、
図1のインフルエンサー抽出装置10を用いて説明する。なお、これらの処理は、
図1のインフルエンサー抽出装置10の使用には限定されない。
【0054】
図4は、集計データの生成に関する処理の一例を示す図である。
図4上部に、前記来場情報及び前記遭遇情報の一例を示す。図中において、「user」は、前記来場者の識別情報を意味し、「date」は、前記各時刻情報を意味する。集計データ生成部12は、前記来場情報及び前記遭遇情報から、
図4中部に示すように、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する。前述したように、前記来場回数と前記遭遇回数とには、正の相関があるため、前記集計データからは、例えば、
図4下部に示すような散布図が生成される。
【0055】
図5は、予測式及び標準誤差の設定に関する処理の一例を示す図である。
図5上部に、
図4にて示した集計データを示す。設定部13は、例えば、前記集計データにおける前記遭遇回数を目的変数とし、前記来場回数を説明変数として、線形回帰分析を行うことで、予測式及び前記予測式に対する標準誤差を設定することができる。
図5中部に、
図5上部にて示した集計データを用いて線形回帰分析を行い、その分析結果に基づいて設定した前記予測式及び標準誤差の一例を示す。言い換えれば、設定部13は、例えば、
図5下部に示す散布図において、点線にて示した線形近似を求める処理を行うともいえる。なお、本例では、前述のように線形近似を求めるアプローチにて前記予測式を設定しているが、これは例示であって、設定部13による前記予測式の設定は、これに限定されない。設定部13は、例えば、曲線近似を求めるアプローチ等の別の手法で前記予測式を設定しても良い。以降は、設定部13が、線形近似を求めるアプローチにて前記予測式を設定したものとして説明する。
【0056】
図6は、予測値の算出に関する処理の一例を示す図である。
図6に示す集計データは、
図4にて示した集計データに前記遭遇回数の予測値を加えたデータである。前記遭遇回数の予測値は、予測値算出部14によって、
図5下部に示した前記予測式を用いて算出される。
【0057】
図7は、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差の算出に関する処理の一例を示す図である。
図7に示す集計データは、
図6にて示した集計データに前記遭遇回数と前記予測値との誤差を加えたデータである。前記誤差は、誤差算出部15によって、
図5下部に示した前記標準誤差を用いて算出される。具体的に、前記誤差は、例えば、
図7にも示すように、下記式(1)によって算出される。言い換えれば、誤差算出部15は、例えば、
図7下部に示す散布図において、各プロットと前記線形近似との差を求める処理を行うともいえる。
誤差=(遭遇回数-遭遇回数の予測値)/標準誤差 ・・・(1)
【0058】
例えば、予め設定した閾値が1.5だとすると、インフルエンサー抽出部16は、
図7に示す集計データ内の複数の来場者の中から、前記誤差が1.5よりも大きい来場者Cをインフルエンサーとして抽出する。
【0059】
[実施形態3]
本発明者らが実施した検証結果に基づき、前記来場回数と前記遭遇回数との相関関係について説明する。
【0060】
本検証において、実験現場の入口に、前記来場情報を記録する記録装置を設置した。前記記録情報は、来場者の端末(スマートフォン)がかざされると、前記端末の識別情報を記録する装置である。また、本検証において、来場間隔が5分未満である各来場者同士を「遭遇した」と判断し、前記来場者毎に前記来場回数及び前記遭遇回数を算出した。そして、前記来場回数と前記遭遇回数との相関係数を求め、相関関係を分析した。
図8に、前記来場回数と前記遭遇回数との相関関係を分析した結果を示す。
図8に示すように、前記来場回数と前記遭遇回数とに強い正の相関があることが分かった。
【0061】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0062】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0063】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
取得部、集計データ生成部、設定部、予測値算出部、誤差算出部、及びインフルエンサー抽出部を含み、
前記取得部は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定部は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出部は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出部は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出部は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する、インフルエンサー抽出装置。
(付記2)
前記インフルエンサー抽出部は、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外する、付記1記載のインフルエンサー抽出装置。
(付記3)
さらに、フィルタリング部を含み、
前記取得部は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記集計データ生成部は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する、付記1又は2記載のインフルエンサー抽出装置。
(付記4)
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、付記1から3のいずれかに記載のインフルエンサー抽出装置。
(付記5)
さらに、混雑情報開示部を含み、
前記混雑情報開示部は、前記来場情報に基づいて、前記任意の場所における時間帯毎の来場者の多さを示す混雑情報を生成し、且つ前記混雑情報を開示する、付記1から4のいずれかに記載のインフルエンサー抽出装置。
(付記6)
さらに、通知部を含み、
前記通知部は、インフルエンサーとして抽出された前記来場者に対し、インフルエンサーとして抽出されたことを通知する、付記1から5のいずれかに記載のインフルエンサー抽出装置。
(付記7)
取得工程、集計データ生成工程、設定工程、予測値算出工程、誤差算出工程、及びインフルエンサー抽出工程を含み、
前記取得工程は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定工程は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出工程は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出工程は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出工程は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する、インフルエンサー抽出方法。
(付記8)
前記インフルエンサー抽出工程は、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外する、付記7記載のインフルエンサー抽出方法。
(付記9)
さらに、フィルタリング工程を含み、
前記取得工程は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記集計データ生成工程は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する、付記7又は8記載のインフルエンサー抽出方法。
(付記10)
さらに、記録工程を含み、
前記記録工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、付記7から9のいずれかに記載のインフルエンサー抽出方法。
(付記11)
さらに、混雑情報開示工程を含み、
前記混雑情報開示工程は、前記来場情報に基づいて、前記任意の場所における時間帯毎の来場者の多さを示す混雑情報を生成し、且つ前記混雑情報を開示する、付記7から10のいずれかに記載のインフルエンサー抽出方法。
(付記12)
さらに、通知工程を含み、
前記通知工程は、インフルエンサーとして抽出された前記来場者に対し、インフルエンサーとして抽出されたことを通知する、付記7から11のいずれかに記載のインフルエンサー抽出方法。
(付記13)
コンピュータに、取得手順、集計データ生成手順、設定手順、予測値算出手順、誤差算出手順、及びインフルエンサー抽出手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記取得手順は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記集計データ生成手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成し、
前記設定手順は、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定し、
前記予測値算出手順は、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出し、
前記誤差算出手順は、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出し、
前記インフルエンサー抽出手順は、複数の来場者の中から、前記誤差が予め設定した閾値以上である前記来場者をインフルエンサーとして抽出する。
(付記14)
前記インフルエンサー抽出手順は、前記誤差が予め設定した上限値以上である前記来場者、及び前記来場回数が予め設定した下限値以上である前記来場者の少なくとも一方を前記抽出の対象から除外する、付記13記載のプログラム。
(付記15)
さらに、フィルタリング手順を含み、
前記取得手順は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記集計データ生成手順は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する、付記13又は14記載のプログラム。
(付記16)
さらに、記録手順を含み、
前記記録手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、付記13から15のいずれかに記載のプログラム。
(付記17)
さらに、混雑情報開示手順を含み、
前記混雑情報開示手順は、前記来場情報に基づいて、前記任意の場所における時間帯毎の来場者の多さを示す混雑情報を生成し、且つ前記混雑情報を開示する、付記13から16のいずれかに記載のプログラム。
(付記18)
さらに、通知手順を含み、
前記通知手順は、インフルエンサーとして抽出された前記来場者に対し、インフルエンサーとして抽出されたことを通知する、付記13から17のいずれかに記載のプログラム。
(付記19)
付記13から18のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、ソーシャル・メディア以外の場におけるインフルエンサーを抽出することができる。このため、本発明は、例えば、インフルエンサー・マーケティングを行う場合において有用である。
【符号の説明】
【0065】
10 インフルエンサー抽出装置
11 取得部
12 集計データ生成部
13 設定部
14 予測値算出部
15 誤差算出部
16 インフルエンサー抽出部
17 フィルタリング部
18 記録部
19 混雑情報開示部
20 通知部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス