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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138837
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ポイント役割推定装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
G05B23/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038943
(22)【出願日】2021-03-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】岩本 真司
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA21
3C223BA03
3C223CC04
3C223DD03
3C223FF03
3C223FF04
3C223FF12
3C223FF22
3C223FF26
3C223FF52
3C223GG01
3C223HH08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用されないポイントが存在していても、ポイント名称からポイント役割を高い精度で推定する。
【解決手段】演算処理回路15が、入力された入力ポイント名称から計算した、当該入力ポイント名称に含まれる単語の単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、学習モデル14Aにより確率的に推定し、得られたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントの推定確率に基づき当該ポイント役割候補を閾値処理し、得られた結果に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備管理システムで管理する管理対象を示すポイントについて、前記ポイントのポイント名称に含まれる単語に関する単語出現頻度と前記ポイントのポイント役割との対応関係を学習した学習モデルを記憶する記憶部と、
入力された入力ポイント名称から計算した、当該入力ポイント名称に含まれる単語の単語出現頻度に基づいて、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、前記学習モデルにより確率的に推定し、得られたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントの推定確率に基づき当該ポイント役割候補を閾値処理し、得られた結果に基づいて、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定する演算処理部と
を備えるポイント役割推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のポイント役割推定装置において、
前記演算処理部は、前記ポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントのうちから推定確率が最も高いポイントを選択し、当該ポイントの推定確率を、予め設定されている閾値に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補の採用有無を判定する採用判定部を備えることを特徴とするポイント役割推定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のポイント役割推定装置において、
前記演算処理部は、前記学習モデルの作成に用いた前記対応関係に基づいて、異なる閾値ごとに前記学習モデルを交差検証し、最も高い推定精度が得られた閾値を、前記閾値処理に用いる閾値として計算する閾値計算部を備えることを特徴とするポイント役割推定装置。
【請求項4】
記憶部と演算処理部とを備えるポイント役割推定装置で用いられて、設備管理システムで管理する管理対象を示すポイントについて、入力された入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するためのポイント役割推定方法であって、
前記記憶部が、前記ポイントのポイント名称に含まれる単語に関する単語出現頻度と前記ポイントのポイント役割との対応関係を学習した学習モデルを記憶する記憶ステップと、
前記演算処理部が、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、前記学習モデルにより確率的に推定し、得られたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割を持つポイントの推定確率に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補を、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割として採用する演算処理ステップとを備える
ことを特徴とするポイント役割推定方法。
【請求項5】
請求項4に記載のポイント役割推定方法において、
前記演算処理ステップは、前記演算処理部が、前記ポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントのうちから推定確率が最も高いポイントを選択し、当該ポイントの推定確率を、予め設定されている閾値に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補の採用有無を判定する第1のステップを含むことを特徴とするポイント役割推定方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のポイント役割推定方法において、
前記演算処理ステップは、前記演算処理部が、前記学習モデルの作成に用いた前記対応関係に基づいて、異なる閾値ごとに前記学習モデルを交差検証し、最も高い推定精度が得られた閾値を、前記閾値処理に用いる閾値として計算する第2のステップを含むことを特徴とするポイント役割推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント名称に含まれる単語の出現頻度に基づいて、ポイントの役割を推定するポイント役割推定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルディングオートメーションシステム(BAS:Building Automation System)などの設備管理システムでは、通信回線を介して各施設に設置されている設備を遠隔で管理している。この際、設備管理システムでは、例えば空調設備における、空調機の稼働状態や、空調機から部屋に供給する空気の給気温度など、多種多様の管理対象を管理する必要がある。このため、これら管理対象にユニークな番号を付与して識別するものとなっている。一般にこれら管理対象はポイントと呼ばれ、各ポイントを識別する番号をポイント番号と云い、その名称をポイント名称と云う。ポイント名称には、ポイントの役割を示す単語が含まれており、通常、管理者(オペレータ)はポイント名称からそのポイントの役割を推定している(例えば、特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-139699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各ポイントのポイントデータを遠隔から収集し、設備管理システムを自動診断するシステムとして、リモートメンテナンスシステムがある。例えば、室内温度のポイントの値と、室内温度設定のポイントの値を比べることで、設備管理システムが室内温度を制御できているかを診断できる。リモートメンテナンスシステムが動作するためには、ポイントの役割を知り、ポイントの値を収集する必要がある。
しかしながら、設備管理システムで用いるポイントのポイント名称は、施設やエンジニアに依存して付与されるため、ポイントの役割を機械的に推測することは困難である。そのため、従来、リモートメンテナンスシステムへのエンジニアリングが必要だった。
【0005】
このような背景に対して、ポイント情報からポイントの役割を機械的に推測し、リモートメンテナンスシステムへのエンジニアリングを自動化する技術として、ポイント名称に含まれる単語の出現頻度に基づいて、学習モデルによりポイントの役割を推定する手法が考えられる。この手法では、ポイントが、システムに推定可能ないずれの役割も持たない場合、推定精度が著しく低下する傾向がある。具体的には、実際にはいずれの役割でもないのにも関わらず、いずれかの役割であるという誤推定が生じる。
【0006】
したがって、実現場において上述の手法を利用することは難しい。実現場には、リモートメンテナンスシステムで利用しない、すなわち役割の推定対象ではないポイントが大量に存在する。それらのポイントが、いずれかの役割であると誤推定されることにより、実際には現場に存在していない役割のポイントがリモートメンテナンスシステムに自動設定されてしまうためである。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、利用されないポイントが存在していても、ポイント名称からポイント役割を高い精度で推定できるポイント役割推定技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかるポイント役割推定装置は、設備管理システムで管理する管理対象を示すポイントについて、前記ポイントのポイント名称に含まれる単語に関する単語出現頻度と前記ポイントのポイント役割との対応関係を学習した学習モデルを記憶する記憶部と、入力された入力ポイント名称から計算した、当該入力ポイント名称に含まれる単語の単語出現頻度に基づいて、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、前記学習モデルにより確率的に推定し、得られたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントの推定確率に基づき当該ポイント役割候補を閾値処理し、得られた結果に基づいて、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定する演算処理部とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかる上記ポイント役割推定装置の一構成例は、前記演算処理部が、前記ポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントのうちから推定確率が最も高いポイントを選択し、当該ポイントの推定確率を、予め設定されている閾値に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補の採用有無を判定する採用判定部を備えている。
【0010】
また、本発明にかかる上記ポイント役割推定装置の一構成例は、前記演算処理部が、前記学習モデルの作成に用いた前記対応関係に基づいて、異なる閾値ごとに前記学習モデルを交差検証し、最も高い推定精度が得られた閾値を、前記閾値処理に用いる閾値として計算する閾値計算部を備えている。
【0011】
また、本発明にかかるポイント役割推定方法は、記憶部と演算処理部とを備えるポイント役割推定装置で用いられて、設備管理システムで管理する管理対象を示すポイントについて、入力された入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するためのポイント役割推定方法であって、前記記憶部が、前記ポイントのポイント名称に含まれる単語に関する単語出現頻度と前記ポイントのポイント役割との対応関係を学習した学習モデルを記憶する記憶ステップと、前記演算処理部が、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、前記学習モデルにより確率的に推定し、得られたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割を持つポイントの推定確率に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補を、前記入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割として採用する演算処理ステップとを備えている。
【0012】
また、本発明にかかる上記ポイント役割推定方法の一構成例は、前記演算処理ステップは、前記演算処理部が、前記ポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントのうちから推定確率が最も高いポイントを選択し、当該ポイントの推定確率を、予め設定されている閾値に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補の採用有無を判定する第1のステップを含んでいる。
【0013】
また、本発明にかかる上記ポイント役割推定方法の一構成例は、前記演算処理ステップは、前記演算処理部が、前記学習モデルの作成に用いた前記対応関係に基づいて、異なる閾値ごとに前記学習モデルを交差検証し、最も高い推定精度が得られた閾値を、前記閾値処理に用いる閾値として計算する第2のステップを含んでいる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用されないポイントが存在していても、ポイント名称からポイント役割を高い精度で推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1の実施の形態にかかるポイント役割推定装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、学習モデルの構成例を示す説明図である。
図3図3は、ポイントデータの構成例を示す説明図である。
図4図4は、第1の実施の形態にかかるポイント役割推定処理を示すフローチャートである。
図5図5は、第1の実施の形態にかかるポイント役割推定処理例を示す説明図である。
図6図6は、第2の実施の形態にかかる学習モデル作成装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は、学習データの構成例を示す説明図である。
図8図8は、第2の実施の形態にかかる学習モデル作成処理を示すフローチャートである。
図9図9は、第2の実施の形態にかかる学習モデル作成処理例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるポイント役割推定装置10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるポイント役割推定装置の構成を示すブロック図である。
このポイント役割推定装置10は、全体としてサーバやPCなどの情報処理装置からなり、ビルディングオートメーションシステム(BAS:Building Automation System)などの設備管理システムを自動診断するリモートメンテナンスシステムと連携して用いられて、上位装置30などの外部装置や管理者(オペレータ)の操作により入力された入力ポイント名称に基づいて、予め記憶している学習モデル14Aにより、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定する装置である。
【0017】
設備管理システムでは、例えば空調設備における、空調機の稼働状態や、空調機から部屋に供給する空気の給気温度など、多種多様の管理対象を管理する必要がある。このため、これら管理対象にユニークな番号を付与して識別するものとなっている。一般にこれら管理対象はポイントと呼ばれ、各ポイントを識別する番号をポイント番号と云い、その名称をポイント名称と云う。ポイント名称には、ポイントの役割を示す単語が含まれており、通常、管理者はポイント名称からそのポイントの役割を推定する。本発明は、予め作成した学習モデル14Aを用いて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するようにしたものである。
【0018】
ポイント役割推定装置10は、学習モデル作成装置20や上位装置30と、通信回線Lを介してデータ通信可能に接続されている。
学習モデル作成装置20は、全体としてサーバやPCなどの情報処理装置からなり、上位装置30などの外部装置から入力された学習データに基づき、ポイント名称からポイント役割を推定するための学習モデル24Bを作成し、通信回線Lや記録媒体を介してポイント役割推定装置10へ提供する装置である。学習モデル作成装置20については、第2の実施の形態で詳述する。学習モデル作成装置20については、ポイント役割推定装置10と一体化して同一装置により構成してもよく、別個の装置で構成し通信網を介して複数のポイント役割推定装置10へ学習モデル24Bを配信するようにしてもよい。
【0019】
上位装置30は、設備管理システムやリモートメンテナンスシステムなどの管理装置からなり、ポイント役割推定装置10でポイント役割を推定すべきポイント名称を含むポイントデータをポイント役割推定装置10に指示する処理や、学習モデル作成装置20で学習モデル24Bを作成する際に用いる学習データ24Aを提供する処理を実行する。学習データ24Aとしては、既設の設備管理システムやリモートメンテナンスシステムでエンジニアリング済みのポイントデータを用いればよい。
【0020】
[ポイント役割推定装置]
次に、図1を参照して、ポイント役割推定装置10の構成について説明する。ポイント役割推定装置10は、図1に示すように、主な処理部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15を備えている。
【0021】
[通信I/F部]
通信I/F部11は、通信回線Lを介して学習モデル作成装置20や上位装置30などの外部装置とデータ通信を行うことにより、ポイント名称などの入力データやポイント役割などの推定結果データをやり取りする処理部である。
【0022】
[操作入力部]
操作入力部12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、管理者の操作を検出して演算処理部15へ出力する処理部である。
【0023】
[画面表示部]
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、演算処理部15から出力されたメニュー画面、設定画面、データ入力画面、推定結果画面などの各種画面を画面表示する処理部である。
【0024】
[記憶部]
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15が実行するポイント役割推定処理に用いる各種の処理データやプログラム14Pを記憶する処理部である。
プログラム14Pは、演算処理部15のCPUで実行されることにより、CPUと協働してポイント役割推定処理を実行する各種処理部を実現するプロクラムである。プログラム14Pは、外部装置や記録媒体から読み出されて予め記憶部14に格納される。
記憶部14で記憶する主な処理データとして、学習モデル14Aとポイントデータ14Bがある。
【0025】
[学習モデル]
学習モデル14Aは、入力された入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するためのモデルである。本発明において、学習モデル14Aとして、教師あり機械学習で作成された学習器(分類器)を用いる。図2は、学習モデルの構成例を示す説明図である。図2には、ニューラルネットワークを用いた学習モデル14Aの構成例が示されている。この学習モデル14Aは、入力層51、中間層52、および出力層53から構成されており、各層に設けられたノードが入力に基づいて特徴量を計算して、後段のノードへ出力することにより、入力層51に入力された入力データに対応する出力データが出力層53から出力される。
【0026】
教師あり機械学習は、与えられた教師データに含まれる入力データをもとに推定した結果を、教師データに含まれる教師ラベルである実際の結果と比較し、その比較結果に基づき推定に用いる各種パラメータ、例えば各ノードに入力される特徴量に対する重みを調整することで、推定精度を高める処理である。教師あり機械学習に用いる学習アルゴリズムとして、損失関数にHuber損失(https://en.wikipedia.org/wiki/Huber_loss)の変形であるModified Huberを採用した確率的勾配降下法(SDG:Stochastic Gradient Descent)があるが、これに限定されるものではなく、確率的な推定が可能な他の周知の学習アルゴリズムを用いてもよい。また、以上では、ニューラルネットワークを用いて学習モデル14Aを構成した場合を例として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、中間層が複数ある深層ニューラルネットワークを用いてもよく、他の学習モデルを用いてもよい。
【0027】
本発明の特徴として、学習モデル14Aでは、ポイント名称を入力データとして用いるのではなく、ポイント名称から計算した単語出現頻度を用いる。単語出現頻度は、ポイント名称に含まれる単語ごとの、当該ポイント名称内における当該単語の単語出現頻度を示すデータである。これにより、ポイント名称に含まれる特徴を精度よくベクトル化することができる。ポイント役割は、設備管理システムにおいて、ポイントのポイントデータに関する技術的な意味や使用される目的を示す説明文である。単語出現頻度の計算方法については後述する。
【0028】
[ポイントデータ]
ポイントデータ14Bは、設備管理システムで用いられる各ポイントの詳細を示すデータである。図3は、ポイントデータの構成例を示す説明図である。図3に示すように、ポイントデータ14Bは、ポイントごとに、当該ポイントを識別するためのポイント番号、当該ポイントが属するポイント種別、当該ポイントに付与されたポイント名称の組が、それぞれ登録されている。例えば、図3の例では、ポイント番号「000150301」のポイントについて、ポイント種別「中央」とポイント名称「AHU-5S-I 南西系統エリア」とが関連付けられている。なお、ポイントデータ14Bの構成については、図3の例に限定されるものではなく、少なくともポイント役割の推定に用いるポイント名称が含まれていればよい。
【0029】
[演算処理部]
演算処理部15は、CPUとその周辺部を備え、記憶部14のプログラム14Pを実行することにより、プログラム14Pと協働してポイント役割推定処理を実行する各種処理部を実現する処理部である。
演算処理部15で実現される主な処理部として、データ入力部15A、単語抽出部15B、単語出現頻度計算部15C、推定処理部15D、採用判定部15E、および閾値計算部15Fを備えている。
【0030】
[データ入力部]
データ入力部15Aは、上位装置30などの外部装置から通信I/F部11を介して入力されたポイントデータや、管理者操作により操作入力部12を介して入力されたポイントデータを取得する処理と、取得したポイントデータをポイントデータ14Bとして記憶部14に保存する処理と実行するように構成されている。
【0031】
[単語抽出部]
単語抽出部15Bは、ポイントデータ14Bとして入力された入力ポイント名称に含まれる単語を抽出する処理を実行するように構成されている。単語の抽出手法については、自然言語処理技術で用いられている形態素解析手法などの周知の手法を用いればよい。
【0032】
[単語出現頻度計算部]
単語出現頻度計算部15Cは、ポイントデータ14Bとして入力された入力ポイント名称について、単語抽出部15Bで抽出された各単語の、当該ポイント名称内における出現頻度を計算する処理を実行するように構成されている。単語出現頻度の計算手法については、自然言語処理技術や機械学習技術で用いられているBag of words(BoW:単語の袋)モデルなどの周知の手法を用いればよい。Bag of wordsモデルは、自然言語をベクトル化(数値化)するための手法である。
【0033】
[推定処理部]
推定処理部15Dは、ポイントデータ14Bとして入力された入力ポイント名称について、単語出現頻度計算部15Cで得られた単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、記憶部14の学習モデル14Aにより確率的に推定する処理を実行するように構成されている。
【0034】
[採用判定部]
採用判定部15Eは、推定処理部15Dで推定されたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントのうちから推定確率が最も高いポイントを選択する処理と、当該ポイントの推定確率を、予め設定されている閾値に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補の採用有無を判定する処理とを実行するように構成されている。
【0035】
[閾値計算部]
閾値計算部15Fは、学習モデルの作成に用いた、各ポイントのポイント名称に含まれる単語に関する単語出現頻度と、当該ポイントのポイント役割との対応を示す対応関係に基づいて、異なる閾値ごと、例えば0.0から0.1刻みで閾値を変更して、学習モデルを交差検証する処理と、最も高い推定精度が得られた閾値を、閾値処理に用いる閾値として計算する処理とを実行するように構成されている。
【0036】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態にかかるポイント役割推定装置10の動作について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかるポイント役割推定処理を示すフローチャートである。図5は、第1の実施の形態にかかるポイント役割推定処理例を示す説明図である。なお、ポイント役割推定処理の実行に先立って、閾値計算部15Fにより閾値処理に用いる閾値が予め記憶部14に設定されているものとする。
【0037】
ポイント役割推定装置10の演算処理部15は、通信I/F部11を介して受信した上位装置30からの指示や、操作入力部12で検出した管理者指示に応じて、ポイントデータ14Bとして入力された入力ポイント名称ごとに、図4のポイント役割推定処理を繰り返し実行する。ポイント役割推定処理の実行にあたり、記憶部14には、学習モデル14Aとポイントデータ14Bとが予め格納されているものとする。
【0038】
まず、単語抽出部15Bは、例えば形態素解析などの単語抽出手法に基づいて、入力ポイント名称に含まれる単語を抽出する(ステップS100)。例えば、図5に示すように、入力ポイント名称が「AHU-5S-I 南西系統インテリア」である場合、[A],…,[南西],[系統],[インテリア]という単語が抽出される。
【0039】
次に、単語出現頻度計算部15Cは、例えばBag of wordsモデルなどの計算手法に基づいて、単語抽出部15Bで抽出された各単語の、当該入力ポイント名称内における出現頻度を計算する(ステップS101)。図5の例では、単語[A],…,[南西],[系統],[インテリア]のそれぞれについて出現頻度「1」が計算され、JSON(JavaScript Object Notation)形式で「{[A];1,…,[南西]:1,[系統]:1,[インテリア]:1}」という単語出現頻度が得られている。なお、図5では、単語と単語出現頻度の対がJSON形式でリスト状に記述されているが、単語出現頻度の記述手法についてはこれに限定されるものではなく、他の周知の手法を用いてもよい。
【0040】
続いて、推定処理部15Dは、単語出現頻度計算部15Cで得られた単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、記憶部14の学習モデル14Aにより、推定確率を用いて確率的に推定する(ステップS102)。
図5の例では、学習モデル14Aに、「{[A];1,…,[南西]:1,[系統]:1,[インテリア]:1}」という単語出現頻度に関連付けられて「空調機状態」というポイント役割が登録されており、このポイント役割「空調機状態」が、入力ポイント名称「AHU-5S-I 南西系統インテリア」のポイント役割候補として推定される。
【0041】
次に、採用判定部15Eは、推定処理部15Dで推定されたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントをグループ化し、当該ポイント役割候補に対応するグループに含まれるポイントのうちから、当該ポイント役割候補の推定確率が最も高いポイントを選択する(ステップS103)。
続いて、採用判定部15Eは、選択したポイントの推定確率を、予め記憶部14に設定されている閾値に基づき閾値処理することにより、当該ポイント役割候補の採用有無を判定する(ステップS104)。
【0042】
この後、採用判定部15Eは、選択したポイントの推定確率が閾値以上であれば、当該ポイント役割候補の採用ありと判定して、当該ポイント役割候補を、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割として特定し、選択したポイントの推定確率が閾値未満であれば、当該ポイント役割候補の採用なしと判定して、当該ポイント役割候補を、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割として特定せず(ステップS105)、一連のポイント役割推定処理を終了する。
【0043】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、演算処理部15が、入力された入力ポイント名称から計算した、当該入力ポイント名称に含まれる単語の単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割候補を、学習モデル14Aにより確率的に推定し、得られたポイント役割候補ごとに、当該ポイント役割候補を持つポイントの推定確率に基づき当該ポイント役割候補を閾値処理し、得られた結果に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するようにしたものである。
【0044】
ポイント名称に含まれる単語の出現頻度に基づいて、学習モデルによりポイントの役割を推定する場合、ポイントが、システムに推定可能ないずれの役割も持たない場合、推定精度が著しく低下する傾向がある。具体的には、実際にはいずれの役割でもないのにも関わらず、いずれかの役割であるという誤推定が生じる。一方、実現場には、リモートメンテナンスシステムで利用しない、すなわち役割の推定対象ではないポイントが大量に存在する。したがって、これらポイントが、いずれかの役割であると誤推定された場合、実際には現場に存在していない役割のポイントがリモートメンテナンスシステムに自動設定されてしまう。
【0045】
ここで、利用されないポイントが存在していた場合、そのポイントから推定したポイント役割の推定精度が低下し、推定確率は低くなる。本発明によれば、このような推定確率が低いポイント役割は、閾値処理により切り捨てられる。したがって、利用されないポイントが存在していても、ポイント名称からポイント役割を高い精度で推定することが可能となる。このため、リモートメンテナンスシステムを極めて簡単に構築することができ、構築に要する作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【0046】
[第2の実施の形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる学習モデル作成装置20について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる学習モデル作成装置の構成を示すブロック図である。
【0047】
[ポイント役割推定装置]
学習モデル作成装置20は、図6に示すように、主な処理部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)21、操作入力部22、画面表示部23、記憶部24、および演算処理部25を備えている。
【0048】
[通信I/F部]
通信I/F部21は、通信回線Lを介して上位装置30やポイント役割推定装置10などの外部装置とデータ通信を行うことにより、学習モデル24Bの作成に用いる学習データ24Aや作成した学習モデル24Bをやり取りする処理部である。
【0049】
[操作入力部]
操作入力部22は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、管理者の操作を検出して演算処理部25へ出力する処理部である。
【0050】
[画面表示部]
画面表示部23は、LCDなどの画面表示装置からなり、演算処理部25から出力されたメニュー画面、設定画面、データ入力画面、作成結果画面などの各種画面を画面表示する処理部である。
【0051】
[記憶部]
記憶部24は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部25が実行する学習モデル作成処理に用いる各種の処理データやプログラム24Pを記憶する処理部である。
プログラム24Pは、演算処理部25のCPUで実行されることにより、CPUと協働して学習モデル作成処理を実行する各種処理部を実現するプロクラムである。プログラム24Pは、外部装置や記録媒体から読み出されて予め記憶部24に格納される。
記憶部24で記憶する主な処理データとして、学習データ24Aと学習モデル24Bがある。
【0052】
[学習データ]
学習データ24Aは、既設の設備管理システムやリモートメンテナンスシステムでエンジニアリング済みのポイントデータからなる。異なる複数のシステムに関するポイントデータを組合せて学習データ24Aとすることにより、汎用性の高い学習モデルを作成できる。図7は、学習データの構成例を示す説明図である。
【0053】
図7に示すように、学習データは、各ポイントのポイント名称とポイント役割との組から構成されている。図7の例では、例えば、ポイント名称「AHU-5S-I 南西系統エリア」に対して、「空調機状態」というポイント役割が関連付けられている。なお、学習データの構成については、図7の例に限定されるものではなく、少なくともポイント名称とポイント役割との組が含まれていればよい。
【0054】
[学習モデル]
学習モデル24Bは、入力された入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するためのモデルである。学習モデル24Bは、前述した学習モデル14Aと同等であり、前述の図2に示したようなニューラルネットワークなど、教師あり機械学習で作成された学習器(分類器)を用いる。
【0055】
[演算処理部]
演算処理部25は、CPUとその周辺部を備え、記憶部24のプログラム24Pを実行することにより、プログラム24Pと協働して学習モデル作成処理を実行する各種処理部を実現する処理部である。
演算処理部25で実現される主な処理部として、データ入力部25A、単語抽出部25B、単語出現頻度計算部25C、および学習処理部25Dを備えている。
【0056】
[データ入力部]
データ入力部25Aは、上位装置30などの外部装置から通信I/F部21を介して入力された学習データを取得する処理と、取得した学習データを学習データ24Aとして記憶部24に保存する処理と実行するように構成されている。
【0057】
[単語抽出部]
単語抽出部25Bは、学習データ24Aとして入力されたポイント名称に含まれる単語を抽出する処理を実行するように構成されている。単語抽出部25Bは、前述した単語抽出部15Bと同等であり、単語の抽出手法については、自然言語処理技術で用いられている形態素解析手法などの周知の手法を用いればよい。
【0058】
[単語出現頻度計算部]
単語出現頻度計算部25Cは、学習データ24Aとして入力されたポイント名称について、単語抽出部25Bで抽出された各単語の、当該ポイント名称内における出現頻度を計算する処理を実行するように構成されている。単語出現頻度計算部25Cは、前述した単語出現頻度計算部15Cと同等であり、単語出現頻度の計算手法については、自然言語処理技術や機械学習技術で用いられているBag of words(BoW:単語の袋)モデルなどの周知の手法を用いればよい。Bag of wordsモデルは、自然言語をベクトル化(数値化)するための手法である。
【0059】
[学習処理部]
学習処理部25Dは、学習データ24Aとして入力されたポイント名称について、単語出現頻度計算部25Cで得られた単語出現頻度を入力データとするとともに、当該ポイント名称と関連するポイント役割を教師ラベルとして、これら単語出現頻度とポイント役割との対からなる教師データを生成する処理と、これら教師データを用いた学習処理、例えば教師あり学習処理を実行することにより、入力された入力ポイント名称の単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するための学習モデル24Bを作成する処理を実行するように構成されている。
【0060】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図8および図9を参照して、本実施の形態にかかる学習モデル作成装置20の動作について説明する。図8は、第2の実施の形態にかかる学習モデル作成処理を示すフローチャートである。図9は、第2の実施の形態にかかる学習モデル作成処理例を示す説明図である。
【0061】
ポイント役割推定装置10の演算処理部25は、通信I/F部21を介して受信した上位装置30からの指示や、操作入力部22で検出した管理者指示に応じて、学習データ24Aとして入力されたポイント名称ごとに、図8の学習モデル作成処理を繰り返し実行する。学習モデル作成処理の実行にあたり、記憶部24には、学習データ24Aが予め格納されているものとする。
【0062】
まず、単語抽出部25Bは、例えば形態素解析などの単語抽出手法に基づいて、ポイント名称に含まれる単語を抽出する(ステップS200)。例えば、図9に示すように、ポイント名称が「AHU-5S-I 南西系統インテリア」である場合、[A],…,[南西],[系統],[インテリア]という単語が抽出される。
【0063】
次に、単語出現頻度計算部25Cは、例えばBag of wordsモデルなどの計算手法に基づいて、単語抽出部25Bで抽出された各単語の、当該ポイント名称内における出現頻度を計算する(ステップS201)。図9の例では、単語[A],…,[南西],[系統],[インテリア]のそれぞれについて出現頻度「1」が計算され、JSON形式で「{[A];1,…,[南西]:1,[系統]:1,[インテリア]:1}」という単語出現頻度が得られている。
【0064】
この後、学習処理部25Dは、単語出現頻度計算部25Cで得られた単語出現頻度と、当該ポイント名称と関連するポイント役割との対からなる教師データを生成し(ステップS202)、これら教師データを用いた学習処理を実行することにより、入力された入力ポイント名称の単語出現頻度に基づいて、当該入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するための学習モデル24Bを作成し(ステップS203)、一連の学習モデル作成処理を終了する。
図9の例では、単語出現頻度「{[A];1,…,[南西]:1,[系統]:1,[インテリア]:1}」とポイント役割「空調機状態」との対からなる教師データを用いた学習処理により、学習モデル24Bが作成されている。
【0065】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、演算処理部25が、入力された学習データ24Aに含まれるポイント名称とポイント役割との組ごとに、当該ポイント名称から計算した当該ポイント名称に含まれる単語の単語出現頻度と当該ポイント役割との対からなる教師データを生成し、これら教師データを用いた学習処理を実行することにより、入力された入力ポイント名称の単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するための学習モデル24Bを作成するようにしたものである。
【0066】
これにより、既設の設備管理システムやリモートメンテナンスシステムでエンジニアリング済みのポイントデータからなる学習データ24Aを用意するだけで、入力された入力ポイント名称の単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を推定するための学習モデルを作成することができる。したがって、管理者の知識や経験を含む、十分な推定精度を有する学習モデル24Bを自動的に作成することが可能となり、異なる複数のシステムに関するポイントデータを組合せて学習データ24Aとすることにより、汎用性の高い学習モデル24Bを作成することが可能となる。
【0067】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【0068】
以上で説明した各実施の形態では、ポイント名称からポイント役割を推定する場合を例として説明した。これはポイント名称に含まれる単語とポイント役割との関連性が高いからである。しかし、ポイントデータ14Bに含まれるポイント名称以外の他のポイント情報とポイント役割との関連性もある程度認められるため、他のポイント情報をポイント名称と組合せてポイント役割を推定してもよい。
【0069】
例えば、図3のポイントデータ14Bには、ポイント名称以外の他のポイント情報として、ポイント番号やポイント種別が示されているが、このほか、ポイントタイプや単位などの他のポイント情報が含まれる場合もある。ポイントタイプは、当該ポイントで入力/出力するデータのタイプを示す値であり、例えば「デジタル」や「アナログ」という文字やこれらを示す数値が用いられる。また、単位は、当該ポイントで入力/出力するデータの単位を示す値であり、例えば温度であれば「℃」、長さであれば「m」という文字やこれらを示す数値が用いられる。ポイント名称以外の他のポイント情報の値は文字数が少なく、ポイント名称のような単語として扱えないものが多い。このため、他のポイント情報を数値や記号に置換して用いればよい。
【0070】
したがって、ポイント役割推定装置10の場合、単語出現頻度計算部15Cが、例えば図4のステップS101において、予め指定された他のポイント情報をポイントデータ14Bから取得して、その値を示す数値や記号に置換し、ポイント名称から得られた単語出現頻度(Bag of words)に付加すればよい。これにより、推定処理部15Dが、図4のステップS102において、ポイント名称と他のポイント情報の組合せからなる単語出現頻度に基づいて、入力ポイント名称を持つポイントのポイント役割を、記憶部14の学習モデル14Aにより推定する。これにより、ポイント名称に加えて他のポイント情報が推定に用いられるため、より高い精度でポイント役割を推定できる。
【0071】
また、学習モデル作成装置20の場合、単語出現頻度計算部25Cが、例えば図8のステップS201において、予め指定された他のポイント情報を学習データ24Aから取得して、その値を示す数値や記号に置換し、ポイント名称から得られた単語出現頻度(Bag of words)に付加すればよい。これにより、学習処理部25Dが、図8のステップS202において、ポイント名称と他のポイント情報の組合せからなる単語出現頻度と、当該ポイント名称と関連するポイント役割との対からなる教師データを生成する。これにより、ポイント名称に加えて他のポイント情報がモデル作成に用いられるため、より高い精度のモデルを作成できる。
【符号の説明】
【0072】
10…ポイント役割推定装置、11…通信I/F部(通信インターフェース部)、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、14A…学習モデル、14B…ポイントデータ、14P…プログラム、15…演算処理部、15A…データ入力部、15B…単語抽出部、15C…単語出現頻度計算部、15D…推定処理部、15E…採用判定部、15F…閾値計算部、20…学習モデル作成装置、21…通信I/F部(通信インターフェース部)、22…操作入力部、23…画面表示部、24…記憶部、24A…学習データ、24B…学習モデル、24P…プログラム、25…演算処理部、25A…データ入力部、25B…単語抽出部、25C…単語出現頻度計算部、25D…学習処理部、30…上位装置、L…通信回線。
図1
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図4
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図7
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図9