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特開2022-138880迷子捜索支援システム、迷子捜索支援装置、および迷子捜索支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138880
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】迷子捜索支援システム、迷子捜索支援装置、および迷子捜索支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20220915BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220915BHJP
   G10L 17/00 20130101ALI20220915BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
G10L17/00 200C
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021038997
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518262305
【氏名又は名称】日本テクトシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】仙谷 幸法
(72)【発明者】
【氏名】村上 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】小田原 健雄
(72)【発明者】
【氏名】増岡 厳
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA21
5C086CA09
5C086CA28
5C086EA11
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087DD03
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG19
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】迷子の捜索を支援すること。
【解決手段】
迷子捜索支援システム10は、捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付ける迷子申請受付手段と、迷子申請受付手段によって迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、あらかじめ登録されている捜索対象者の認証用データの利用権限を付与する利用権限付与手段と、協力者によって捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、協力者から捜索対象者候補の特定用データの入力を受け付ける特定用データ入力受付手段と、特定用データ入力受付手段によって特定用データの入力を受け付けたときに、利用権限付与手段によって付与された捜索対象者の認証用データの利用権限に基づいて、認証用データと特定用データとを用いて、捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を協力者へ通知する捜索対象者判定手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷子の捜索を支援するための迷子捜索支援システムであって、
捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付ける迷子申請受付手段と、
前記迷子申請受付手段によって迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、捜索対象者の認証用データの利用権限を付与する利用権限付与手段と、
前記協力者によって前記捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、前記協力者から前記捜索対象者候補を特定するための特定用データの入力を受け付ける特定用データ入力受付手段と、
前記特定用データ入力受付手段によって前記特定用データの入力を受け付けたときに、前記利用権限付与手段によって付与された前記捜索対象者の認証用データの利用権限に基づいて、前記認証用データと前記特定用データとを用いて、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を前記協力者へ通知する捜索対象者判定手段とを備えることを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記捜索対象者判定手段は、あらかじめ登録されている前記認証用データのうち、前記捜索対象者候補を発見した協力者が利用権限を有している認証用データを対象として、前記特定用データとの照合を行うことにより、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、前記捜索対象者候補が捜索対象者である場合に、該捜索対象者に関する情報と該捜索対象者の保護者に関する情報を前記協力者に通知することを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記捜索対象者判定手段は、あらかじめ登録されている前記認証用データと前記特定用データとを照合させて前記特定用データに一致する前記認証用データを特定し、特定した認証用データの利用権限を協力者が有している場合に、前記捜索対象者候補に関する情報と前記捜索対象者候補の保護者に関する情報を前記協力者に通知することを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記迷子申請受付手段によって迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、前記捜索対象者の認証用データの利用を許可するための許可用情報を発行する許可用情報発行手段をさらに備え、
前記利用権限付与手段は、前記許可用情報発行手段によって発行された許可用情報を用いて前記協力者に対して前記捜索対象者の認証用データの利用権限を付与することを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記保護者から、前記協力者に対して付与された前記捜索対象者の認証用データの利用権限の解除申請を受け付ける解除申請受付手段と、
前記解除申請受付手段によって解除申請を受け付けたときに、前記協力者が有する前記捜索対象者の認証用データの利用権限を解除する利用権限解除手段とをさらに備えることを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記捜索対象者判定手段によって前記捜索対象者であると判定された前記捜索対象者候補が前記捜索対象者ではなかった場合には、前記認証用データと前記特定用データとを用いて再照合を行う再照合手段をさらに備えることを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記再照合手段は、前記捜索対象者判定手段によって前記捜索対象者であると誤判定された前記捜索対象者候補の認証用データは除外して再照合を行うことを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記捜索対象者判定手段によって前記捜索対象者候補が捜索対象者であると判定した場合には、捜索対象者の迷子申請を行った保護者へ捜索対象者が発見されたことを通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の迷子捜索支援システムにおいて、
前記認証用データは、迷子の捜索対象となる対象者の声紋データであって、
前記特定用データ入力受付手段は、前記捜索対象者候補の発話音声データを前記特定用データとして入力を受け付け、
前記捜索対象者判定手段は、前記特定用データ入力受付手段によって入力を受け付けた前記捜索対象者候補の発話音声データを声紋データに変換した後に前記認証用データと照合することにより、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定することを特徴とする迷子捜索支援システム。
【請求項10】
迷子の捜索を支援するための迷子捜索支援装置であって、
捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付ける迷子申請受付手段と、
前記迷子申請受付手段によって迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、捜索対象者の認証用データの利用権限を付与する利用権限付与手段と、
前記協力者によって前記捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、前記協力者から前記捜索対象者候補の特定用データの入力を受け付ける特定用データ入力受付手段と、
前記特定用データ入力受付手段によって前記特定用データの入力を受け付けたときに、前記利用権限付与手段によって付与された前記捜索対象者の認証用データの利用権限に基づいて、前記認証用データと特定用データとを用いて、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を前記協力者へ通知する捜索対象者判定手段とを備えることを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項11】
請求項10に記載の迷子捜索支援装置において、
前記捜索対象者判定手段は、あらかじめ登録されている前記認証用データのうち、前記捜索対象者候補を発見した協力者が利用権限を有している認証用データを対象として、前記特定用データとの照合を行うことにより、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、前記捜索対象者候補が捜索対象者である場合に、該捜索対象者に関する情報と該捜索対象者の保護者に関する情報を前記協力者に通知することを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項12】
請求項10に記載の迷子捜索支援装置において、
前記捜索対象者判定手段は、あらかじめ登録されている前記認証用データと前記特定用データとを照合させて前記特定用データに一致する前記認証用データを特定し、特定した認証用データの利用権限を協力者が有している場合に、前記捜索対象者候補に関する情報と前記捜索対象者候補の保護者に関する情報を前記協力者に通知することを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項13】
請求項10~12のいずれか一項に記載の迷子捜索支援装置において、
前記迷子申請受付手段によって迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、前記捜索対象者の認証用データの利用を許可するための許可用情報を発行する許可用情報発行手段をさらに備え、
前記利用権限付与手段は、前記許可用情報発行手段によって発行された許可用情報を用いて前記協力者に対して前記捜索対象者の認証用データの利用権限を付与することを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか一項に記載の迷子捜索支援装置において、
前記保護者から、前記協力者に対して付与された前記捜索対象者の認証用データの利用権限の解除申請を受け付ける解除申請受付手段と、
前記解除申請受付手段によって解除申請を受け付けたときに、前記協力者が有する前記捜索対象者の認証用データの利用権限を解除する利用権限解除手段とをさらに備えることを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか一項に記載の迷子捜索支援装置において、
前記捜索対象者判定手段によって前記捜索対象者であると判定された前記捜索対象者候補が前記捜索対象者ではなかった場合には、前記認証用データと前記特定用データとを用いて再照合を行う再照合手段をさらに備えることを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項16】
請求項15に記載の迷子捜索支援装置において、
前記再照合手段は、前記捜索対象者判定手段によって前記捜索対象者であると誤判定された前記捜索対象者候補の認証用データは除外して再照合を行うことを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項17】
請求項10~16のいずれか一項に記載の迷子捜索支援装置において、
前記捜索対象者判定手段によって前記捜索対象者候補が捜索対象者であると判定した場合には、捜索対象者の迷子申請を行った保護者へ捜索対象者が発見されたことを通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項18】
請求項10~17のいずれか一項に記載の迷子捜索支援装置において、
前記認証用データは、迷子の捜索対象となる対象者の声紋データであって、
前記特定用データ入力受付手段は、前記捜索対象者候補の発話音声データを前記特定用データとして入力を受け付け、
前記捜索対象者判定手段は、前記特定用データ入力受付手段によって入力を受け付けた前記捜索対象者候補の発話音声データを声紋データに変換した後に前記認証用データと照合することにより、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定することを特徴とする迷子捜索支援装置。
【請求項19】
迷子の捜索を支援するための迷子捜索支援プログラムであって、
捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付ける迷子申請受付手順と、
前記迷子申請受付手順で迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、捜索対象者の認証用データの利用権限を付与する利用権限付与手順と、
前記協力者によって前記捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、前記協力者から前記捜索対象者候補の特定用データの入力を受け付ける特定用データ入力受付手順と、
前記特定用データ入力受付手順で前記特定用データの入力を受け付けたときに、前記利用権限付与手段によって付与された前記捜索対象者の認証用データの利用権限に基づいて、前記認証用データと前記特定用データとを用いて、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を前記協力者へ通知する捜索対象者判定手順とをコンピュータに実行させるための迷子捜索支援プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記捜索対象者判定手順は、あらかじめ登録されている前記認証用データのうち、前記捜索対象者候補を発見した協力者が利用権限を有している認証用データを対象として、前記特定用データとの照合を行うことにより、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、前記捜索対象者候補が捜索対象者である場合に、該捜索対象者に関する情報と該捜索対象者の保護者に関する情報を前記協力者に通知することを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【請求項21】
請求項19に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記捜索対象者判定手順は、あらかじめ登録されている前記認証用データと前記特定用データとを照合させて前記特定用データに一致する前記認証用データを特定し、特定した認証用データの利用権限を協力者が有している場合に、前記捜索対象者候補に関する情報と前記捜索対象者候補の保護者に関する情報を前記協力者に通知することを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【請求項22】
請求項19~21のいずれか一項に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記迷子申請受付手順で迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、前記捜索対象者の認証用データの利用を許可するための許可用情報を発行する許可用情報発行手順をさらに有し、
前記利用権限付与手順は、前記許可用情報発行手順で発行した許可用情報を用いて前記協力者に対して前記捜索対象者の認証用データの利用権限を付与することを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【請求項23】
請求項19~22のいずれか一項に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記保護者から、前記協力者に対して付与された前記捜索対象者の認証用データの利用権限の解除申請を受け付ける解除申請受付手順と、
前記解除申請受付手順で解除申請を受け付けたときに、前記協力者が有する前記捜索対象者の認証用データの利用権限を解除する利用権限解除手順とをさらに有することを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【請求項24】
請求項19~23のいずれか一項に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記捜索対象者判定手順で前記捜索対象者であると判定した前記捜索対象者候補が前記捜索対象者ではなかった場合には、前記認証用データと前記特定用データとを用いて再照合を行う再照合手順をさらに有することを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【請求項25】
請求項24に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記再照合手順は、前記捜索対象者判定手順で前記捜索対象者であると誤判定した前記捜索対象者候補の認証用データは除外して再照合を行うことを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【請求項26】
請求項19~25のいずれか一項に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記捜索対象者判定手順で前記捜索対象者候補が捜索対象者であると判定した場合には、捜索対象者の迷子申請を行った保護者へ捜索対象者が発見されたことを通知する通知手順をさらに有することを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【請求項27】
請求項19~26のいずれか一項に記載の迷子捜索支援プログラムにおいて、
前記認証用データは、迷子の捜索対象となる対象者の声紋データであって、
前記特定用データ入力受付手順は、前記捜索対象者候補の発話音声データを前記特定用データとして入力を受け付け、
前記捜索対象者判定手順は、前記特定用データ入力受付手順で入力を受け付けた前記捜索対象者候補の発話音声データを声紋データに変換した後に前記認証用データと照合して音声認識を行うことにより、前記捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定することを特徴とする迷子捜索支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、迷子捜索支援システム、迷子捜索支援装置、および迷子捜索支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような単独行動者及びグループ行動者検知装置が知られている。この単独行動者及びグループ行動者検知装置では、画像から取得した人物の挙動の情報に基づいて人物をグループ分けすることによって、人物が単独行動をしているかグループ行動をしているかを検知することによって迷子を検知する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-92396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
迷子の捜索に当たっては、迷子者が事故や事件に巻き込まれることを防止するために、早期に捜索対象者を発見して保護者に引き渡す必要がある。このため、迷子の捜索に協力する協力者が迷子と思われる人物を発見したときに、その人物が捜索対象者であるかの判断を支援するための仕組みが求められるが、従来の装置ではこの点については何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による迷子捜索支援システムは、迷子の捜索を支援するための迷子捜索支援システムであって、捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付ける迷子申請受付手段と、迷子申請受付手段によって迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、捜索対象者の認証用データの利用権限を付与する利用権限付与手段と、協力者によって捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、協力者から捜索対象者候補の特定用データの入力を受け付ける特定用データ入力受付手段と、特定用データ入力受付手段によって特定用データの入力を受け付けたときに、利用権限付与手段によって付与された捜索対象者の認証用データの利用権限に基づいて、認証用データと特定用データとを用いて、捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を協力者へ通知する捜索対象者判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明による迷子捜索支援装置は,迷子の捜索を支援するための迷子捜索支援装置であって、捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付ける迷子申請受付手段と、迷子申請受付手段によって迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、捜索対象者の認証用データの利用権限を付与する利用権限付与手段と、協力者によって捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、協力者から捜索対象者候補の特定用データの入力を受け付ける特定用データ入力受付手段と、特定用データ入力受付手段によって特定用データの入力を受け付けたときに、利用権限付与手段によって付与された捜索対象者の認証用データの利用権限に基づいて、認証用データと特定用データとを用いて、捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を協力者へ通知する捜索対象者判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明による迷子捜索支援プログラムは、迷子の捜索を支援するための迷子捜索支援プログラムであって、捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付ける迷子申請受付手順と、迷子申請受付手順で迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、捜索対象者の認証用データの利用権限を付与する利用権限付与手順と、協力者によって捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、協力者から捜索対象者候補の特定用データの入力を受け付ける特定用データ入力受付手順と、特定用データ入力受付手順で特定用データの入力を受け付けたときに、利用権限付与手段によって付与された捜索対象者の認証用データの利用権限に基づいて、認証用データと特定用データとを用いて、捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を協力者へ通知する捜索対象者判定手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、あらかじめ登録されている認証用データと特定用データとを用いて捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を協力者へ通知するようにしたので、協力者が迷子と思われる捜索対象者候補を発見したときに、その人物が捜索対象者であるかを判断するための支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】迷子捜索支援システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】管理サーバ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図3】保護者端末200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4】協力者端末300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図5】保護者DBに記録された保護者情報の一例を示す図である。
図6】対象者DBに記録された対象者情報の一例を示す図である。
図7】協力者DBに記録された協力者情報の一例を示す図である。
図8】データの更新例を示す第1の図である。
図9】データの更新例を示す第2の図である。
図10】データの更新例を示す第3の図である。
図11】第1の実施の形態における管理サーバ100で実行される許可コード発行処理の流れを示すフローチャート図である。
図12】第1の実施の形態における管理サーバ100で実行される迷子者判定処理の流れを示すフローチャート図である。
図13】第1の実施の形態における保護者端末200で実行される迷子申請処理の流れを示すフローチャート図である。
図14】第1の実施の形態における保護者端末200で実行される声紋データ利用権限解除申請処理の流れを示すフローチャート図である。
図15】第1の実施の形態における協力者端末300で実行される声紋データ利用権限付与処理の流れを示すフローチャート図である。
図16】第1の実施の形態における協力者端末300で実行される迷子者発見時処理の流れを示すフローチャート図である。
図17】第2の実施の形態における管理サーバ100で実行される迷子者判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
―第1の実施の形態―
図1は、第1の実施の形態における迷子捜索支援システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。迷子捜索支援システム10は、迷子になった人物の捜索を支援するために利用されるシステムであって、迷子の捜索を支援するための処理を実行する迷子捜索支援装置として動作する管理サーバ100と、迷子になった捜索対象者の保護者が所持する保護者端末200と、捜索対象者の捜索に協力する協力者が所持する協力者端末300で構成される。本実施の形態では、管理サーバ100と保護者端末200、および管理サーバ100と協力者端末300は、例えばインターネットや携帯電話網等の通信回線を介してそれぞれ接続される。なお、図1では、迷子捜索支援システム10は、管理サーバ100、保護者端末200、および協力者端末300がそれぞれ1台ずつで構成される例を示しているが迷子捜索支援システム10の構成はこれに限定されない。
【0009】
図2は、本実施の形態における管理サーバ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。管理サーバ100は、接続インターフェース101と、制御装置102と、記憶媒体103とを備えている。
【0010】
接続インターフェース101は、管理サーバ100をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、管理サーバ100は、この接続インターフェース101を介して保護者端末200や協力者端末300と通信する。
【0011】
制御装置102は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、管理サーバ100の全体を制御する。なお、制御装置102を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース101を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0012】
記憶媒体103は、管理サーバ100が蓄える種々のデータや、制御装置102が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体103に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体103にインストールすることによって、制御装置102がプログラムを実行できるようになる。
【0013】
保護者端末200は、迷子時の捜索対象となる捜索対象者の保護者が所持する端末である。保護者端末200としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、パソコン等の情報端末が用いられる。
【0014】
図3は、本実施の形態における保護者端末200としてスマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。保護者端末200は、タッチパネル201と、通信モジュール202と、制御装置203と、マイク204とを備えている。
【0015】
タッチパネル201は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、保護者端末200のユーザは、液晶パネル上に表示されたボタンやアイコンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、保護者端末200を操作することができる。タッチパネル201は、ユーザによるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置203へ出力する。
【0016】
通信モジュール202は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介してインターネットに接続するためのモジュールが用いられる。保護者端末200は、この通信モジュール202を介して管理サーバ100と通信を行う。
【0017】
制御装置203は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、保護者端末200の全体を制御する。なお、制御装置203を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、保護者端末200を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
【0018】
マイク204は、発話者による発話音声などを入力するための集音装置である。マイク204から入力されたアナログデータは、制御装置203でデジタル信号に変換される。
【0019】
協力者端末300は、迷子になった捜索対象者の捜索に協力する協力者が所持する端末である。協力者端末300としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、パソコン等の情報端末が用いられる。
【0020】
図4は、本実施の形態における協力者端末300としてスマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。協力者端末300は、タッチパネル301と、通信モジュール302と、制御装置303と、マイク304とを備えている。
【0021】
タッチパネル301は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、協力者端末300のユーザは、液晶パネル上に表示されたボタンやアイコンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、協力者端末300を操作することができる。タッチパネル301は、ユーザによるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置303へ出力する。
【0022】
通信モジュール302は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介してインターネットに接続するためのモジュールが用いられる。協力者端末300は、この通信モジュール302を介して管理サーバ100と通信を行う。
【0023】
制御装置303は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、協力者端末300の全体を制御する。なお、制御装置303を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、協力者端末300を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
【0024】
マイク304は、発話者による発話音声などを入力するための集音装置である。マイク304から入力されたアナログデータは、制御装置303でデジタル信号に変換される。
【0025】
本実施の形態における迷子捜索支援システム10は、迷子が発生したときに、迷子になった人物を捜索対象者とし、捜索対象者の保護者によって捜索を依頼された協力者が捜索対象者を捜索する場合に、その捜索を支援するための仕組みを提供する。なお、本実施の形態では、テーマパークを訪れた親子の子供が迷子になった場合に、保護者である親が、協力者であるテーマパークのスタッフに、捜索対象者である子供の捜索を依頼する場合を想定して、以下の説明を行う。
【0026】
本実施の形態では、保護者端末200と協力者端末300には、あらかじめ迷子捜索支援システム10を利用するためのアプリケーションがインストールされている。このアプリケーションには、保護者端末用の機能と協力者端末用の機能が搭載されているものとする。このため、保護者端末200の利用者は、迷子捜索支援システム10を利用するためのアプリケーションの保護者端末用の機能を利用し、協力者端末300の利用者は、迷子捜索支援システム10を利用するためのアプリケーションの協力者端末用の機能を利用することになる。以下、本実施の形態における迷子捜索支援システム10における処理の詳細について説明する。
【0027】
本実施の形態における迷子捜索支援システム10では、管理サーバ100の記録媒体103には、あらかじめ保護者に関する保護者情報と、迷子の際に捜索対象者になる人物に関する対象者情報と、協力者に関する協力者情報が登録されている。保護者情報と対象者情報の登録のために必要な情報は、保護者端末200上で入力されて管理サーバ100へ送信され、制御装置102によって記憶媒体103に記録されることにより事前登録される。また、協力者情報の登録のために必要な情報は、協力者端末300上で入力されて管理サーバ100へ送信され、制御装置102によって記憶媒体103に記録されることにより事前登録される。本実施の形態では、保護者情報は記憶媒体103に記録された保護者DBに格納され、対象者情報は記憶媒体103に記録された対象者DBに格納され、協力者情報は記憶媒体103に記録された協力者DBに格納される。
【0028】
図5は、保護者DBに記録された保護者情報の一例を示す図である。図5に示すように、保護者情報には、保護者を識別するための個人IDと、名前と、電話番号と、メールアドレスと、住所と、許可範囲と、許可状況の情報が含まれている。ここで、名前は、保護者を示す名前であれば、保護者の氏名でもよいしニックネームでもよい。また、許可範囲は、後述する処理において、協力者に対して開示を許可する保護者の連絡先の範囲が設定される。例えば、図5では、個人IDが1の保護者は、協力者に対して開示を許可する連絡先の範囲として電話番号を設定しており、個人IDが2の保護者は、協力者に対して開示を許可する連絡先の範囲として電話番号とメールを設定している。また、許可状況は、対象者の声紋データの利用が許可されているか否かを示す情報を記録するためのデータ項目である。許可状況に記録されるデータの具体例については後述するが、図5に示す例では、個人IDが1の保護者も個人IDが2の保護者も声紋データの利用を誰にも許可していないことを示す「なし」が登録されている。
【0029】
図6は、対象者DBに記録された対象者情報の一例を示す図である。図6に示すように、対象者情報には、対象者を識別するための対象者IDと、名前と、許可先と、許可コードと、声紋データと、検索除外IDの情報が含まれている。ここで、対象者IDは、対象者の保護者を特定できるように、保護者IDと紐づくように設定される。本実施の形態では、個人IDが1である保護者によって登録された対象者は、対象者IDを1で始まるIDとし、個人IDが2である保護者によって登録された対象者は、対象者IDを2で始まるIDとすることで、保護者と対象者を紐づけている。例えば、図6に示す例では、対象者IDが1-1のCくんと対象者IDが1-2のDさんは、個人IDが1の保護者によって登録された対象者であることを示している。名前は、対象者を示す名前であれば、対象者の氏名でもよいしニックネームでもよい。許可先は、後述する処理において、対象者の声紋データの利用が許可された協力者を特定するための情報を記録するためのデータ項目である。また、許可コードは、後述する処理において発行される許可コードを記録するためのデータ項目である。検索除外IDは、後述する処理において声紋データを照合対象から除外するために用いるデータ項目である。許可先と許可コードと検索除外IDに記録されるデータの具体例については後述するが、図6に示す例では、いずれも登録時の初期値である「なし」が登録されている。声紋データには、対象者の声の音声データを声紋データに変換したものが記録される。対象者の声の音声データは、対象者に発話を促して保護者端末200のマイク204を介して取得されたものが用いられる。
【0030】
図7は、協力者DBに記録された協力者情報の一例を示す図である。図7に示すように、協力者情報には、協力者を識別するための個人IDと、団体ID1と、団体ID2と、名前と、許可コードの情報が含まれている。ここで、団体ID1と団体ID2には、対象者が所属する団体やグループを識別するための団体IDが記録される。例えば、図7に示す例では、個人IDが10001の協力者は、団体IDが100の団体と団体IDが1000の団体に属していることがわかる。例えば、協力者がテーマパークのスタッフである場合は、団体ID=100はテーマパーク内の特定のゾーンを示し、団体ID=1000はテーマパーク全体を示すように設定されている。また、許可コードは、後述する処理において発行される許可コードを記録するためのデータ項目である。許可コードに記録されるデータの具体例については後述するが、図7に示す例では、全ての協力者の許可コードが「なし」となっている。これは全ての協力者に許可コードが発行されていないことを示している。
【0031】
保護者情報、対象者情報、および協力者情報の登録が完了すると、対象者情報が登録されている対象者が迷子になったときに、保護者情報が登録されている保護者は、協力者情報が登録されている協力者に迷子の捜索を依頼することができ、迷子の捜索を依頼された協力者は、対象者の捜索を行うことができる。以下、対象者が迷子になったときの処理について説明する。
【0032】
保護者は、協力者に迷子の捜索を依頼するためには、まず保護者端末200を操作して、迷子になった対象者の捜索を依頼するための迷子申請を行う。迷子申請に当たっては、保護者は、捜索対象とする対象者と、捜索依頼先を特定するための情報を指定する。本実施の形態では、協力者個人または協力者が所属するグループや団体を捜索依頼先とすることができ、捜索依頼先を特定するための情報は、捜索を依頼する協力者の個人IDまたは捜索を依頼する協力者が所属する団体やグループを識別するための団体IDを用いる。なお、協力者の個人IDや団体IDは、保護者が捜索を依頼する協力者から提示を受けて入力すればよい。保護者端末200では、制御装置203は、保護者によって迷子申請が指示されると、管理サーバ100へ迷子申請を行った保護者の個人IDと捜索対象とする対象者の対象者IDと捜索依頼先を特定するための情報を含んだ迷子申請情報を管理サーバ100へ送信する。
【0033】
管理サーバ100では、制御装置102は、保護者端末200から迷子申請情報を受信すると、迷子申請情報に基づいて保護者と捜索対象者と捜索依頼先を特定する。また、制御装置102は、捜索依頼先として設定された協力者に捜索対象者の声紋データの利用を許可するための許可用情報である許可コードを発行する。そして、制御装置102は、迷子申請情報に基づいて特定した情報と発行した許可コードに基づいて保護者情報と対象者情報を更新する。
【0034】
例えば、個人IDが1の保護者が、団体IDが1000の団体に所属する協力者へ、対象者IDが1-1のCくんの捜索を依頼した場合の更新例を図8に示す。なお、ここでは、制御装置102は許可コードとして「123456」を発行したものとする。この場合、制御装置102は、図8(A)に示すように、捜索対象者の対象者IDである「1-1」を迷子申請を行った個人IDが1の保護者の保護者情報の許可状況に設定して保護者DBを更新する。また、制御装置102は、図8(B)に示すように、捜索対象者であるCくんの対象者情報の許可先に「1000」を設定し、許可コードに「123456」を設定して対象者DBを更新する。なお、許可先は複数設定できるようにしてもよい。
【0035】
制御装置102はまた、発行した許可コードを保護者端末200へ送信する。保護者端末200では、制御装置203は、管理サーバ100から許可コードを受信すると、許可コードを示す情報をタッチパネル201に表示する。許可コードの表示方法は特に限定されないが、制御装置203は、例えば「123456」の文字をタッチパネル101に表示してもよいし、許可コードを二次元コードに変換してからタッチパネル201に表示してもよい。
【0036】
保護者は、タッチパネル201に表示された許可コードを示す情報、例えば二次元コードを、捜索を依頼する協力者に提示して、該協力者へ捜索対象者の声紋データの利用を許可する。保護者から二次元コードの提示を受けた協力者は、迷子申請の際に保護者に提示した捜索依頼先を示す個人IDまたは団体IDと、タッチパネル201に表示されている許可コードを協力者端末300に入力する。協力者端末300での許可コードの入力方法は特に限定されないが、例えば、タッチパネル201に表示されている文字列をタッチパネル301を操作して手入力してもよいし、タッチパネル201に表示されている二次元コードを不図示のカメラで読み取るようにしてもよい。
【0037】
協力者端末300では、制御装置303は、入力された捜索依頼先を示す情報と許可コードを含んだ声紋データの利用許可要求情報を管理サーバ100へ送信して、捜索対象者の声紋データの利用許可を要求する。管理サーバ100では、制御装置102は、協力者端末300から声紋データの利用許可要求情報を受信すると、受信した情報に基づいて協力者DBを更新する。例えば、図8(A)および図8(B)に示した例では、図8(C)に示すように団体IDが1000の団体に所属する協力者、すなわち団体ID2に1000が設定されている全ての協力者の協力者情報を対象として許可コードに「123456」を設定して協力者DBを更新する。これによって、団体ID2に1000が設定されている協力者にCくんの声紋データの利用が許可される。
【0038】
制御装置102は、協力者情報の許可コードを設定して協力者DBを更新した場合には、迷子申請を行った保護者の保護者端末200と、捜索対象者の声紋データの利用が許可された協力者の協力者端末300へ、協力者への声紋データの利用権限付与が完了したことを通知するための権限付与完了通知を送信する。保護者端末200では、制御装置203は、管理サーバ100から権限付与完了通知を受信した場合には、受信した通知の内容をタッチパネル201に表示して保護者に通知する。また、協力者端末300では、制御装置303は、管理サーバ100から権限付与完了通知を受信した場合には、受信した通知の内容をタッチパネル301に表示して協力者に通知する。これによって、迷子申請を行った保護者と、捜索対象者の声紋データの利用が許可された協力者は、声紋データの権限付与が完了したことを把握することができる。
【0039】
本実施の形態では、上記の処理により協力者に捜索対象者の声紋データの利用が許可されると、協力者は声紋データを利用した捜索対象者の捜索が可能になる。以下、本実施の形態における声紋データを利用した捜索対象者の捜索方法について説明する。
【0040】
協力者は、捜索対象者と思われる人物、すなわち迷子者を発見した場合には、協力者端末300上で迷子捜索支援システム10を利用するためのアプリケーションを起動した状態で、迷子者に発話を依頼する。制御装置303は、マイク304を介して迷子者の発話音声が入力されると、入力された発話音声の音声データと協力者の個人IDを含んだ照合用情報を管理サーバ100へ送信する。
【0041】
管理サーバ100では、制御装置102は、協力者端末300から照合用情報を受信すると、発話音声の音声データを声紋データに変換する。制御装置102は、協力者DBと対象者DBを参照し、対象者DBに登録されている対象者情報のうち、許可コードが協力者に付与されている許可コードに一致し、許可先が協力者の個人ID、団体ID1、または団体ID2に一致する対象者情報を照合対象として、照合対象の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあるかどうかを判定する。例えば、図8(C)に示したように、団体ID=1000に対して許可コード=123456が付与されている状態で、個人ID=10001の協力者が迷子者の音声を取得した場合には、制御装置102は、図8(B)に示したように、許可先の団体IDと許可コードが一致するCくんの声紋データを照合対象とする。なお、2つの声紋データを照合してそれらが一致しているかどうかを判定するための処理は公知のため、ここでは詳細の説明は省略する。
【0042】
制御装置102は、照合対象とした対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあった場合には、声紋データが一致した対象者情報を捜索対象者候補の情報として特定する。また、制御装置102は、保護者DBを参照して、特定した捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報を特定する。例えば、特定した捜索対象者候補の情報がCくんの対象者情報である場合には、Cくんの対象者情報とCくんの保護者である個人IDが1の保護者の保護者情報が特定される。
【0043】
制御装置102は、特定した捜索対象者候補の情報と保護者情報を含んだ照合結果情報を協力者端末300へ送信する。協力者端末300では、制御装置303は、管理サーバ100から照合結果情報を受信すると、受信した情報をタッチパネル301に表示する。本実施の形態では、例えば、「対象者:Cくん」、「保護者:AA BBさん」、連絡先「XXX-XXXX-1234」の情報がタッチパネル301に表示される。このとき、照合結果情報に含まれる連絡先の内容は、保護者情報の許可範囲に基づいて決定される。
【0044】
協力者は、タッチパネル301に表示された捜索対象者候補の情報と保護者情報とに基づいて、発見した捜索対象者候補が捜索対象者に間違いがないかを保護者に確認する。本実施の形態では、例えば、協力者はタッチパネル301に表示された連絡先に電話やメールをして発見した捜索対象者候補の特徴などを保護者に伝えることにより、捜索対象者本人で間違いがないかを確認すればよい。
【0045】
保護者は、協力者によって発見された捜索対象者候補が捜索対象者に間違いない場合は、協力者から捜索対象者を引き取ることによって迷子者の引き取りを完了させる。保護者は、迷子者の引き取りが完了した場合には、保護者端末200を使用して、捜索依頼のために付与した対象者の声紋データの利用許可を解除するための操作を行う。制御装置203は、保護者によって対象者の声紋データの利用許可解除が指示されると、管理サーバ100へ対象者の声紋データの利用許可解除を要求するための解除要求情報を送信する。
【0046】
管理サーバ100では、制御装置102は、保護者端末200から解除要求情報を受信すると、受信した情報に基づいて協力者に付与されている対象者の声紋データの利用許可を解除するための処理を行う。具体的には、制御装置102は、解除要求を行った保護者の保護者情報で許可状況に設定されているデータを削除して保護者DBを更新し、該保護者に紐づく対象者の対象者情報で許可先に設定されているデータと許可コードに設定されているデータを削除して対象者DBを更新し、協力者情報のうち、団体ID1または団体ID2に対象者情報から削除した許可先が設定されている協力者情報の許可コードに設定されているデータを削除して協力者DBを更新する。
【0047】
これによって、図8に示した保護者DB、対象者DB、および協力者DBは、図9に示すように更新される。すなわち、図9(A)では、解除要求を行った個人IDが1の保護者の保護者情報で許可状況に設定されていたデータが削除されて「なし」に更新されている。また、図9(B)では、個人IDが1の保護者に紐づくCくんの対象者情報で許可先に設定されていたデータと許可コードに設定されていたデータがいずれも削除されて「なし」に更新されている。また、図9(C)では、団体ID1または団体ID2に設定されている値が対象者情報から削除した許可先に一致している協力者情報の許可コードに設定されていたデータが削除されている。
【0048】
なお、本実施の形態では、1人の協力者に複数の捜索対象者の声紋データの利用が許可された場合には、協力者情報の許可コードには利用が許可された声紋データの数に応じた複数の許可コードが設定されるものとする。図9に示す例では、個人IDが10001の協力者には、個人IDが2の保護者からの迷子申請に基づいて対象者IDが2-1であるFくんの声紋データの利用も許可された例を示している。すなわち、図9(A)に示す保護者DBでは、個人IDが2の保護者の保護者情報の許可状況に「2-1」が設定されている。また、図9(B)に示す対象者DBでは、対象者IDが「2-1」のFくんの対象者情報の許可先に「10001」が設定され、許可コードに「234567」が設定されている。また、図9(C)に示す協力者DBは、個人IDが10001の協力者に対して「123456」と「234567」の許可コードが設定されていたのに対し、Cくんの捜索完了に伴ってこのうちの「123456」が削除され、「234567」のみが残った状態を示している。
【0049】
一方、協力者は、タッチパネル301に表示された捜索対象者候補の情報と保護者情報とに基づいて、発見した捜索対象者候補が捜索対象者に間違いがないかを保護者に確認した結果、発見した捜索対象者候補が捜索対象者ではなかった場合には、迷子者の発話音声データの再照合を実施する。この場合、協力者は、タッチパネル301上で捜索対象者候補が捜索対象者ではないことを示す情報を入力する。制御装置303は、協力者によって捜索対象者候補が捜索対象者ではないことを示す情報が入力されると、管理サーバ100へ迷子者の発話音声データの再照合を要求するための再照合要求情報を送信する。
【0050】
管理サーバ100では、制御装置102は、協力者端末300から再照合要求情報を受信すると、受信した情報に基づいて迷子者の発話音声データの再照合処理を実行する。以下、迷子者の発話音声データの再照合処理について説明する。
【0051】
本実施の形態では、再照合処理においては、制御装置102は、前回の照合の結果、捜索対象者ではないと判断された対象者の声紋データは再照合対象から除外して、前回の照合時に用いた迷子者の声紋データを対象として協力者に利用が許可されている対象者の声紋データとの再照合を行う。具体的には以下のように処理を行う。
【0052】
制御装置102は、声紋データの照合結果が間違っていた対象者、すなわち図8(B)におけるCくんの対象者情報の検索除外IDに、協力者の個人IDを設定して対象者DBを更新する。その結果、例えば図10(B)に示すように、Cくんの対象者情報の検索除外IDに、迷子者を発見した協力者の個人IDである10001が設定されている。
【0053】
制御装置102は、協力者DBと対象者DBを参照し、対象者DBに登録されている対象者情報のうち、検索除外IDに協力者の個人IDが設定されている対象者を除外した上で、許可コードが協力者に付与されている許可コードに一致し、許可先が協力者の個人ID、団体ID1、または団体ID2に一致する対象者情報を照合対象として、照合対象の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあるかどうかを判定する。
【0054】
ここでは、図10(C)に示すように、団体ID=1000に対して許可コード=123456が付与され、個人ID=10001に対して許可コード=234567が付与されている状態で、個人ID=10001の協力者が取得した迷子者の音声を用いて再照合を行う場合の例について説明する。このとき、図10(C)に示す例では、個人IDが10001の協力者には、Cくんの声紋データに対する許可コードである123456と、Fくんの声紋データに対する許可コードである234567が設定されているが、図10(B)に示す対象者DBにおいて、Cくんの対象者情報には検索除外IDとして10001が設定されているため、Cくんの声紋データは、個人IDが10001の協力者が発見した迷子者の発話音声データの照合対象から除外され、Fくんの声紋データが照合対象となる。
【0055】
このため、制御装置102は、対象者DBにおいて、協力者端末300の所持者の個人ID=10001が検索除外IDに設定されているCくんの声紋データは再照合対象から除外し、個人IDが10001の協力者に声紋データの利用が許可されているもう一人の対象者であるFくんの声紋データを照合対象として、上述した声紋データの照合処理を行う。
【0056】
制御装置102は、再照合対象となった対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあった場合には、上述した照合処理と同様に、声紋データが一致した対象者情報を捜索対象者候補の情報として特定するとともに、保護者DBを参照して、特定した捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報を特定する。例えば、特定した捜索対象者候補の情報がFくんである場合には、Fくんの対象者情報とFくんの保護者である個人IDが2の保護者の保護者情報が特定される。
【0057】
その後は、上述した照合処理の場合と同様に、特定した捜索対象者候補の情報と保護者情報を協力者端末300のタッチパネル301に表示して、協力者は保護者に発見した捜索対象者候補が捜索対象者に間違いがないかを確認する。その結果、間違いがなければ上述したように保護者は迷子者の引き取りを行い、間違いがあれば上述したように協力者は再照合処理を実施する。
【0058】
また、制御装置102は、対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがない場合には、協力者端末300へ対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる発話音声の声紋データと一致するものがないことを示す照合者なし情報を送信する。協力者端末300では、制御装置303は、管理サーバ100から照合者なし情報を受信すると、受信した情報をタッチパネル301に表示する。これによって協力者は、発見した迷子者が捜索対象者ではないことを把握することができる。
【0059】
図11は、第1の実施の形態における管理サーバ100で実行される許可コード発行処理の流れを示すフローチャートである。図11に示す処理は、上述したように保護者端末200から迷子申請情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、図11においては、上述した保護者DBへの保護者情報の登録、対象者DBへの対象者情報の登録、および協力者DBへの協力者情報の登録はあらかじめ完了しているものとする。
【0060】
ステップS10において、制御装置102は、保護者端末200から受信した迷子申請情報に基づいて保護者と捜索対象者と捜索依頼先を特定し、上述したように、捜索依頼先として設定された協力者に捜索対象者の声紋データの利用を許可するための許可コードを発行する。そして、制御装置102は、上述したように、迷子申請情報に基づいて特定した情報と発行した許可コードに基づいて保護者情報と対象者情報を更新する。その後、ステップS20へ進む。
【0061】
ステップS20では、制御装置102は、発行したコードを迷子申請元の保護者端末200へ送信する。その後、ステップS30へ進む。
【0062】
ステップS30では、制御装置102は、協力者端末300から上述した声紋データの利用許可要求情報を受信したか否かを判断する。ステップS30で肯定判断した場合には、ステップS40へ進む。
【0063】
ステップS40では、制御装置102は、上述したように、受信した情報に基づいて協力者DBを更新することによって、協力者に対象者の声紋データの利用を許可する。その後、処理を終了する。
【0064】
図12は、第1の実施の形態における管理サーバ100で実行される迷子者判定処理の流れを示すフローチャートである。図12に示す処理は、上述したように協力者端末300から照合用情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、図12においては、上述した保護者DBへの保護者情報の登録、対象者DBへの対象者情報の登録、および協力者DBへの協力者情報の登録はあらかじめ完了しているものとする。
【0065】
ステップS110において、制御装置102は、協力者端末300から受信した照合用情報に含まれる発話音声の音声データを声紋データに変換する。その後、ステップS120へ進む。
【0066】
ステップS120では、制御装置102は、上述したように、協力者DBと対象者DBを参照し、対象者DBに登録されている対象者情報のうち、許可コードが協力者に付与されている許可コードに一致し、許可先が協力者の個人ID、団体ID1、または団体ID2に一致する対象者情報を照合対象として、照合対象の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあるかどうかを判定することによって、発話音声と声紋データの照合処理を実行する。その後、ステップS130へ進む。
【0067】
ステップS130では、制御装置102は、対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあるか否かを判断する。ステップS130で肯定判断した場合には、ステップS140へ進む。
【0068】
ステップS140では、制御装置102は、上述したように、声紋データが一致した対象者情報を捜索対象者候補の情報として特定し、保護者DBを参照して、特定した捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報を特定する。そして、制御装置102は、特定した捜索対象者候補の情報と保護者情報を協力者端末300へ送信する。その後、ステップS150へ進む。
【0069】
ステップS150では、制御装置102は、保護者端末200から上述した解除要求情報を受信したか否かを判断する。ステップS150で肯定判断した場合には、ステップS160へ進む。
【0070】
ステップS160では、制御装置102は、上述したように、保護者端末200から受信した解除要求情報に基づいて保護者DB、対象者DB、および協力者DBを更新することにより、協力者に付与されている対象者の声紋データの利用許可を解除する。その後、処理を終了する。
【0071】
これに対して、ステップS150で否定判断した場合には、ステップS170へ進み、制御装置102は、協力者端末300から上述した再照合要求情報を受信したか否かを判断する。ステップS170で否定判断した場合には、ステップS150へ戻る。これに対して、ステップS170で肯定判断した場合には、ステップS180へ進む。
【0072】
ステップS180では、制御装置102は、上述したように、迷子者の発話音声と声紋データの再照合処理を実行する。その後、ステップS130へ戻る。
【0073】
また、ステップS130で否定判断した場合には、ステップS190へ進み、制御装置102は、協力者端末300へ対象者情報の中に声紋データが迷子者の発話音声の声紋データと一致するものがないことを示す照合者なし情報を送信する。その後、処理を終了する。
【0074】
図13は、第1の実施の形態における保護者端末200で実行される迷子申請処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理は、保護者によって迷子申請の開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。なお、図13においては、上述した保護者DBへの保護者情報の登録、対象者DBへの対象者情報の登録、および協力者DBへの協力者情報の登録はあらかじめ完了しているものとする。
【0075】
ステップS210において、制御装置203は、保護者によって探索用情報、すなわち上述した捜索対象とする対象者と捜索依頼先を特定するための情報が指定されたか否かを判断する。ステップS210で肯定判断した場合には、ステップS220へ進む。
【0076】
ステップS220では、制御装置203は、管理サーバ100へ迷子申請を行った保護者の個人IDと捜索対象とする対象者の対象者IDと捜索依頼先を特定するための情報を含んだ迷子申請情報を管理サーバ100へ送信する。その後、ステップS230へ進む。
【0077】
ステップS230では、制御装置203は、管理サーバ100から上述した許可コードを受信したか否かを判断する。ステップS230で肯定判断した場合には、ステップS240へ進む。
【0078】
ステップS240では、制御装置203は、管理サーバ100から受信した許可コードを示す情報、例えば二次元コードをタッチパネル201に表示する。その後、ステップS250へ進む。
【0079】
ステップS250では、制御装置203は、管理サーバ100から上述した権限付与完了通知を受信したか否かを判断する。ステップS250で肯定判断した場合には、ステップS260へ進む。
【0080】
ステップS260では、制御装置204は、管理サーバ100から受信した通知の内容をタッチパネル201に表示する。その後、処理を終了する。
【0081】
図14は、第1の実施の形態における保護者端末200で実行される声紋データ利用権限解除申請処理の流れを示すフローチャートである。図14に示す処理は、保護者によって対象者の声紋データの利用許可の解除申請の開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。なお、図14においては、上述した保護者DBへの保護者情報の登録、対象者DBへの対象者情報の登録、および協力者DBへの協力者情報の登録はあらかじめ完了しているものとする。
【0082】
ステップS310において、制御装置203は、上述したように、管理サーバ100へ対象者の声紋データの利用許可解除を要求するための解除要求情報を送信する。その後、処理を終了する。
【0083】
図15は、第1の実施の形態における協力者端末300で実行される声紋データ利用権限付与処理の流れを示すフローチャートである。図15に示す処理は、管理サーバ100から上述した権限付与完了通知を受信すると起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。なお、図15においては、上述した保護者DBへの保護者情報の登録、対象者DBへの対象者情報の登録、および協力者DBへの協力者情報の登録はあらかじめ完了しているものとする。
【0084】
ステップS410において、制御装置303は、管理サーバ100から受信した権限付与完了通知の内容をタッチパネル301に表示する。その後、処理を終了する。
【0085】
図16は、第1の実施の形態における協力者端末300で実行される迷子者発見時処理の流れを示すフローチャートである。図16に示す処理は、協力者によって迷子者の発話音声の入力開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。なお、図16においては、上述した保護者DBへの保護者情報の登録、対象者DBへの対象者情報の登録、および協力者DBへの協力者情報の登録はあらかじめ完了しているものとする。
【0086】
ステップS510において、制御装置303は、マイク304を介して迷子者の発話音声が入力されたか否かを判断する。ステップS510で肯定判断した場合には、ステップS520へ進む。
【0087】
ステップS520では、制御装置303は、入力された発話音声の音声データと協力者の個人IDを含んだ照合用情報を管理サーバ100へ送信する。その後、ステップS530へ進む。
【0088】
ステップS530では、制御装置303は、管理サーバ100から上述した照合結果情報を受信したか否かを判断する。ステップS530で肯定判断した場合には、ステップS540へ進み、制御装置303は、管理サーバ100から受信した照合結果情報をタッチパネル301に表示する。その後、ステップS550へ進む。
【0089】
ステップS550では、制御装置303は、上述したように協力者によって捜索対象者候補が捜索対象者ではないことを示す情報が入力されて発話音声の再照合が指示されたか否かを判断する。ステップS550で否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、ステップS550で肯定判断した場合には、ステップS560へ進む。
【0090】
ステップS560では、制御装置303は、上述したように、管理サーバ100へ迷子者の発話音声データの再照合を要求するための再照合要求情報を送信する。その後、ステップS530へ戻る。
【0091】
また、ステップS530で否定判断した場合には、ステップS570へ進み、制御装置303は、管理サーバ100から上述した照合者なし情報を受信したか否かを判断する。ステップS570で肯定判断した場合には、ステップS580へ進む。
【0092】
ステップS580では、制御装置303は、受信した照合者なし情報をタッチパネル301に表示する。その後、処理を終了する。
【0093】
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)管理サーバ100の制御装置102は、捜索対象者の保護者から迷子の捜索申請を受け付け、迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して、捜索対象者の声紋データの利用権限を付与し、協力者によって捜索対象者である可能性がある捜索対象者候補が発見されたときに、協力者から捜索対象者候補の発話音声のデータの入力を受け付け、捜索対象者候補の発話音声のデータの入力を受け付けたときに、対象者に付与されている捜索対象者の声紋データの利用権限に基づいて、あらかじめ登録されている声紋データと、捜索対象者候補の発話音声の声紋データとを用いて、捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、判定結果を協力者へ通知するようにした。これによって、協力者が迷子と思われる捜索対象者候補を発見したときに、その人物が捜索対象者であるかの判断を支援することができる。
【0094】
(2)制御装置102は、あらかじめ登録されている声紋データのうち、捜索対象者候補を発見した協力者が利用権限を有している声紋データを対象として、捜索対象者候補の発話音声の声紋データとの照合を行うことにより、捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かを判定し、捜索対象者候補が捜索対象者である場合に、該捜索対象者に関する情報と該捜索対象者の保護者に関する情報を協力者に通知するようにした。これによって、捜索対象者候補の発話音声の声紋データとの照合を行う対象を協力者に声紋データの利用が許可されている対象者情報に絞ることができるため、照合処理の負荷を低減することができる。また、早期に照合結果を協力者に通知することができる。さらに、捜索対象者候補の発話音声の声紋データとの照合を行う対象を協力者に声紋データの利用が許可されている対象者情報に限定するようにしたので、協力者に対して声紋データの利用が許可されていない対象者の個人情報を保護することができる。
【0095】
(3)制御装置102は、保護者から迷子の捜索申請を受け付けたときに、迷子の捜索に協力する協力者に対して捜索対象者の声紋データの利用を許可するための許可コードを発行して、該許可コードを用いて協力者に対して捜索対象者の声紋データの利用権限を付与するようにした。これによって、許可コードを対象者DBと協力者DBに追加するだけで、協力者に対して捜索対象者の声紋データの利用権限を付与することができる。
【0096】
(4)制御装置102は、保護者から、協力者に対して付与された捜索対象者の声紋データの利用権限の解除申請を受け付けて、協力者が有する捜索対象者の声紋データの利用権限を解除するようにした。これによって、捜索対象者の捜索が完了したときには、協力者の声紋データの利用権限を解除することができる。
【0097】
(5)制御装置102は、捜索対象者であると判定された捜索対象者候補が捜索対象者ではなかった場合には、対象者情報の声紋データと捜索対象者候補の発話音声の声紋データとを用いて音声の再照合を行うようにした。これによって、音声認識に誤判定が生じた場合に、再照合を行うことができる。
【0098】
(6)制御装置102は、捜索対象者であると誤判定された捜索対象者候補の声紋データは除外して再照合を行うようにした。これによって、捜索対象者ではないことが確定した対象者の声紋データを除外して再照合を行うため、捜索対象者の判定精度を向上させることができる。
【0099】
―第2の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、管理サーバ100では、制御装置102は、協力者端末300から照合用情報を受信したときに、発話音声の音声データを声紋データに変換した上で、対象者DBに登録されている対象者情報のうち、許可コードが協力者に付与されている許可コードに一致し、許可先が協力者の個人ID、団体ID1、または団体ID2に一致する対象者情報を照合対象として、照合対象の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあるかどうかを判定する例について説明した。これに対して、第2の実施の形態では、制御装置102は、協力者端末300から照合用情報を受信したときに、発話音声の音声データを声紋データに変換した上で、対象者DBに登録されている対象者情報を照合対象として、照合対象の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあるかどうかを判定する方法について説明する。すなわち、第2の実施の形態では、対象者情報に含まれる許可コードが協力者に付与されている許可コードに一致するかどうかにかかわらず、対象者DBに登録されている対象者情報を照合対象として、対象者の声紋データと迷子者の発話音声データとを照合する例について説明する。なお、第2の実施の形態において、図1図11、および図13図16については第1の実施の形態と同様のためこれらについての説明は省略し、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0100】
第2の実施の形態においても、協力者は、捜索対象者と思われる迷子者を発見した場合には、協力者端末300上で迷子捜索支援システム10を利用するためのアプリケーションを起動した状態で、発見した迷子者に発話を依頼する。制御装置303は、マイク304を介して迷子者の発話音声が入力されると、入力された発話音声の音声データと協力者の個人IDを含んだ照合用情報を管理サーバ100へ送信する。そして、管理サーバ100では、制御装置102は、協力者端末300から照合用情報を受信すると、発話音声の音声データを声紋データに変換する。
【0101】
第2の実施の形態では、制御装置102は、対象者DBを参照し、対象者DBに登録されている対象者情報を照合対象として、照合対象の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあるかどうかを判定する。例えば、図8(C)に示した協力者情報において、個人ID=10001の協力者が迷子者の音声を取得した場合には、制御装置102は、図8(B)に示す対象者情報に声紋データが登録されているCくん、Dさん、およびFくんの対象者情報が照合対象となる。
【0102】
制御装置102は、照合対象とした対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあった場合には、第1の実施の形態と同様に、声紋データが一致した対象者情報を捜索対象者候補の情報として特定し、特定した捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報を特定する。
【0103】
そして、制御装置102は、特定した捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報に基づいて、迷子申請者である保護者の連絡先、例えばメールアドレスを特定し、保護者が所持する保護者端末200へ捜索対象者候補が発見されたことを通知する。これによって、保護者に対して迷子者と思われる人物が発見されたことを自動的に通知することができる。発見通知を受けた保護者は、迷子センターなどの所定の引き取り場所や、捜索対象者候補が発見された場所まで迷子者を引き取りに向かえばよい。このとき、迷子者の引き取り場所を捜索対象者候補が発見された場所にする場合には、発見通知に捜索対象者候補が発見された場所、すなわち協力者端末300の現在位置を示す情報を付加するようにしてもよい。
【0104】
また、制御装置102は、捜索対象者候補を発見した協力者に捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されているか否かを判定する。本実施の形態では、制御装置102は、捜索対象者候補の情報の許可コードが捜索対象者候補を発見した協力者に付与されている許可コードに一致し、かつ捜索対象者候補の情報の許可先が捜索対象者候補を発見した協力者の個人ID、団体ID1、または団体ID2に一致する場合に、捜索対象者候補を発見した協力者に捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されていると判定する。
【0105】
制御装置102は、捜索対象者候補を発見した協力者に捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されていると判定した場合には、上述した処理で特定した捜索対象者候補の情報と保護者情報を含んだ照合結果情報を協力者端末300へ送信する。例えば、図8に示した例において、特定した捜索対象者候補の情報がCくんである場合には、Cくんの対象者情報とCくんの保護者である個人IDが1の保護者の保護者情報が特定される。そして、協力者端末300では、制御装置303は、管理サーバ100から照合結果情報を受信すると、第1の実施の形態と同様に、受信した情報をタッチパネル301に表示する。
【0106】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、協力者は、タッチパネル301に表示された捜索対象者候補の情報と保護者情報とに基づいて保護者に連絡をして、発見した捜索対象者候補が捜索対象者に間違いがないかを確認する。そして、第1の実施の形態と同様に、保護者は、協力者によって発見された捜索対象者候補が捜索対象者に間違いない場合は、協力者から捜索対象者を引き取ることによって迷子者の引き取りを完了させるとともに、保護者端末200を使用して、捜索依頼のために付与した対象者の声紋データの利用許可を解除するための操作を行う。一方、協力者は、発見した捜索対象者候補が捜索対象者に間違いがないかを保護者に確認した結果、発見した捜索対象者候補が捜索対象者ではなかった場合には、第1の実施の形態と同様に、迷子者の発話音声データの再照合を行う。なお、捜索依頼のために付与した対象者の声紋データの利用許可を解除するための処理と迷子者の発話音声データの再照合を行うための処理は、第1の実施の形態と同様のため説明を省略する。
【0107】
一方、制御装置102は、捜索対象者候補を発見した協力者に捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されていないと判定した場合には、協力者には捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されていないことを示す情報を照合結果情報として協力者端末300へ送信する。例えば、図8に示した例において、特定した捜索対象者候補の情報がFくんである場合には、個人IDが10001の協力者はFくんの声紋データの利用権限がないため、協力者端末300へ捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されていないことを示す情報が照合結果情報として送信される。協力者端末300では、制御装置303は、管理サーバ100から受信した照合結果情報をタッチパネル301に表示する。これによって、協力者は、対象者DBに登録されている対象者情報の中に、自身が発見した迷子者と声紋データが一致する対象者が存在してはいるものの、該対象者の声紋データの利用許可が自身にはないことを把握することができる。
【0108】
この場合、協力者は、タッチパネル301上に保護者情報が表示されないため、保護者に連絡をすることができない。このため、協力者は、保護者からの連絡や保護者による迷子者の引き取りなどの保護者の行動待ちとなる。その後、保護者によって捜索対象者候補が捜索対象者であるか否かの確認が行われると、その結果に応じて上述した捜索依頼のために付与した対象者の声紋データの利用許可を解除するための処理、または迷子者の発話音声データの再照合を行うための処理が実行される。すなわち、捜索対象者候補が捜索対象者である場合には、制御装置102は、保護者からの指示に基づいて捜索依頼のために付与した対象者の声紋データの利用許可を解除するための処理を実行する。一方、捜索対象者候補が捜索対象者ではない場合には、制御装置102は、協力者からの指示に基づいて迷子者の発話音声データの再照合を行うための処理を実行する。
【0109】
図17は、第2の実施の形態における管理サーバ100で実行される迷子者判定処理の流れを示すフローチャートである。図17に示す処理は、上述したように協力者端末300から照合用情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、図17においては、上述した保護者DBへの保護者情報の登録、対象者DBへの対象者情報の登録、および協力者DBへの協力者情報の登録はあらかじめ完了しているものとする。また、図17では、第1の実施の形態で示した図12と同様の処理については同じステップ番号を付与して説明を省略し、ここでは図12との相違点を中心に説明する。
【0110】
ステップS130で肯定判断した場合には、ステップS131へ進む。ステップS131では、制御装置102は、上述したように、捜索対象者候補を発見した協力者に捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されているか否かを判断する。ステップS131で肯定判断した場合には、ステップS140へ進む。
【0111】
ステップS140では、制御装置102は、上述したように、声紋データが一致した対象者情報を捜索対象者候補の情報として特定し、保護者DBを参照して、特定した捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報を特定する。そして、制御装置102は、特定した捜索対象者候補の情報と保護者情報を協力者端末300へ送信する。その後、ステップS141へ進む。
【0112】
これに対して、ステップS131で否定判断した場合には、ステップS132へ進み、制御装置102は、上述したように、協力者には捜索対象者候補の声紋データの利用が許可されていないことを示す情報を照合結果情報として協力者端末300へ送信する。その後、ステップS141へ進む。
【0113】
ステップS141では、制御装置102は、上述したように、捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報に基づいて、迷子申請者である保護者の連絡先、例えばメールアドレスを特定し、保護者が所持する保護者端末200へ捜索対象者候補が発見されたことを通知する。その後、ステップS150へ進む。
【0114】
以上説明した第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)管理サーバ100の制御装置102は、あらかじめ登録されている対象者の声紋データと迷子者の発話音声の声紋データとを照合させて迷子者の発話音声の声紋データに一致する対象者の声紋データを特定し、特定した声紋データの利用権限を協力者が有している場合に、捜索対象者候補に関する情報と捜索対象者候補の保護者に関する情報を協力者に通知するようにした。これによって、協力者に声紋データの利用権限が付与されている場合にのみ対象者と保護者の情報が通知されるため、対象者や保護者の個人情報を守ることができる。
【0115】
(2)管理サーバ100の制御装置102は、捜索対象者候補が捜索対象者であると判定した場合には、捜索対象者の迷子申請を行った保護者へ捜索対象者が発見されたことを通知するようにした。これによって、保護者は、捜索対象者が発見されたことを把握することができる。
【0116】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の迷子捜索支援システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1の実施の形態では、制御装置102は、照合対象とした対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあった場合には、捜索対象者候補の情報と保護者情報を含んだ照合結果情報を協力者端末300へ送信するようにした。このとき、第1の実施の形態においても第2の実施の形態のように、制御装置102は、照合対象とした対象者情報の中に声紋データが照合用情報に含まれる声紋データと一致するものがあった場合には、特定した捜索対象者候補の情報に紐づく保護者情報に基づいて、迷子申請者である保護者の連絡先、例えばメールアドレスを特定し、保護者が所持する保護者端末200へ捜索対象者候補が発見されたことを通知するようにしてもよい。
【0117】
(2)上述した第1および第2の実施の形態では、保護者は、事前に対象者情報を登録するようにし、対象者情報に含める対象者の声紋データは、保護者端末200のマイク204を介して対象者の発話音声を取得し、これを声紋データに変換したものを用いるようにした。この対象者の声紋データは、登録後に変更や追加を行うことができるようにしてもよい。例えば、保護者によって声紋データの変更が指示された場合には、制御装置102は、既に登録されている声紋データを削除して、保護者端末200から受信した新たな声紋データを対象者情報に登録するようにすればよい。これによって、登録した声紋データの照合精度が低い場合や声変わりなどで対象者の声が変わった場合などに対象者の声紋データを更新することができる。また、保護者によって声紋データの追加が指示された場合には、制御装置102は、既に登録されている声紋データと新たに保護者端末200から受信した新たな声紋データとを組み合わせて、声紋データを機械学習して対象者情報に含まれる声紋データを更新するようにすればよい。これによって、対象者の声紋データを機械学習して音声認識の精度を向上させることができる。
【0118】
(3)上述した第1および第2の実施の形態では、協力者が発見した捜索対象者候補が捜索対象者ではなかった場合には、迷子者の発話音声データの再照合を行う例について説明した。しかしながら、協力者が発見した捜索対象者候補が捜索対象者ではなかった場合の処理はこれに限定されず、以下のように変形することも可能である。制御装置102は、迷子者の発話音声の照合に当たって、迷子者の発話音声データと対象者情報に含まれる声紋データを照合した結果、最も照合率が高かった対象者を捜索対象者候補の声紋データとして特定する。そして、制御装置102は、その照合結果を保持しておき、協力者が発見した捜索対象者候補が捜索対象者ではなかった場合には、迷子者の発話音声データの再照合に代えて、保持しておいた照合結果に基づいて、2番目に照合率が高い対象者を捜索対象者候補として特定するようにしてもよい。これによって、協力者が発見した捜索対象者候補が捜索対象者ではなかった場合に最初の音声認識結果を利用することができるため、再照合が必要なく、処理負荷や処理速度を向上させることができる。
【0119】
(4)上述した第1および第2の実施の形態では、迷子者を特定するために声紋データを用いる例について説明した。すなわち、対象者情報には、あらかじめ対象者を認証するための認証用データとして対象者の声紋データを登録しておき、捜索対象者候補の発話音声のデータを声紋データに変換したものを特定用データとして、認証用データと特定用データを照合することにより捜索対象者候補が捜索対象者であるかを判定する方法について説明した。しかしながら、迷子者を特定することができる方法であれば、声紋認証以外の認証方法を利用してもよい。例えば、顔認証や指紋認証などの他の生体認証を用いても本発明は実現可能である。なお、顔認証を用いる場合には、対象者情報に対象者の顔認証用の情報を認証用データとして登録しておき、協力者によって撮影された迷子者の顔画像データを特定用データとして、認証用データと特定用データを用いた認証を行えばよい。また、指紋認証を用いる場合には、対象者情報に対象者の指紋認証用の情報を認証用データとして登録しておき、協力者によって採取された迷子者の指紋データを特定用データとして、認証用データと特定用データを用いた認証を行えばよい。
【0120】
(5)上述した第1および第2の実施の形態では、テーマパークを訪れた親子の子供が迷子になった場合に、保護者である親が、協力者であるテーマパークのスタッフに、捜索対象者である子供の捜索を依頼する場合を想定した。しかしながら、迷子時の捜索対象になり得る人物であれば捜索対象者は子供に限定されず、また保護者は親に限定されない。
【0121】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0122】
10 迷子捜索支援システム
100 管理サーバ
101 接続インターフェース
102 制御装置
103 記憶媒体
200 保護者端末
201 タッチパネル
202 通信モジュール
203 制御装置
204 マイク
300 協力者端末
301 タッチパネル
302 通信モジュール
303 制御装置
304 マイク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17