(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138887
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】減速機
(51)【国際特許分類】
F16H 1/32 20060101AFI20220915BHJP
G09F 23/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
F16H1/32 A
G09F23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039010
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】増田 智彦
(72)【発明者】
【氏名】島田 英史
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FB32
3J027GC03
3J027GC24
3J027GC26
3J027GD03
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
3J027GE12
(57)【要約】
【課題】外観的に確認することが容易な減速機を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る減速機は、ケースと、前記ケースに対して回転可能に設けられた伝達部を有し、前記ケース内に設けられて駆動源から入力される回転を減速して出力する減速機構部と、前記ケースの表面に貼り付け可能な形状を有し、通知情報を表示させる表示部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに対して回転可能に設けられた伝達部を有し、前記ケース内に設けられて駆動源から入力される回転を減速して出力する減速機構部と、
前記ケースの表面に貼り付け可能な形状を有し、通知情報を表示させる表示部と、
を備える、減速機。
【請求項2】
前記表示部は、前記ケースの少なくとも一部の表面に、周状に形成される、
請求項1に記載の減速機。
【請求項3】
前記ケースは、筒型の形状を有する本体部と、前記本体部から径方向の外側に張り出した形状を有するフランジ部とを備え、
前記表示部は、前記フランジ部の少なくとも一部の表面に形成される、
請求項1または2に記載の減速機。
【請求項4】
前記表示部は、前記駆動源、または前記伝達部から出力された回転が入力される外部機構に形成される、
請求項1から3のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項5】
前記通知情報は、前記減速機の製造元情報または広告情報である、請求項1から4のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項6】
前記通知情報は、前記減速機の温度に関する情報である、請求項1から4のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項7】
前記通知情報は、前記減速機の負荷に関する情報である、請求項1から4のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項8】
前記通知情報は、前記外部機構の温度に関する情報である、請求項4に記載の減速機。
【請求項9】
前記通知情報は、前記外部機構の負荷に関する情報である、請求項4に記載の減速機。
【請求項10】
前記通知情報は、前記減速機と対象物体との距離に関する情報である、請求項4に記載の減速機。
【請求項11】
前記表示部は、前記通知情報の内容を切り換える、請求項1から9のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項12】
前記表示部は、前記通知情報の表示領域を切り換える、請求項1から9のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項13】
前記表示部を動作させる電力を発電する発電部を備える、請求項1から11のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項14】
前記駆動源の駆動用電力を制御する電源部から供給された電力を用いて前記表示部を動作させる、請求項1から11のうち何れか1項に記載の減速機。
【請求項15】
第1の部材と第2の部材との間で所定の回転数比で回転数を変換して駆動力を伝達する歯車装置であって、偏心部と、前記偏心部が挿入される挿通孔を有すると共に歯部を有する揺動歯車と、前記第1の部材及び前記第2の部材の一方に取り付け可能に構成される第1筒部と、前記第1の部材及び前記第2の部材の他方に取り付け可能に構成される第2筒部と、を備え、前記第1筒部は、前記揺動歯車の前記歯部と噛み合う内歯を有しており、前記第2筒部は、前記揺動歯車を保持した状態で前記第1筒部の径方向内側に配置され、前記第1筒部と前記第2筒部とは、前記偏心部の回転に伴う前記揺動歯車の揺動によって同心状に互いに相対的に回転可能である減速機構部と、
前記第1筒部の表面に貼り付け可能な形状を有し、通知情報を表示させる表示部と、を備える、減速機。
【請求項16】
筒型の形状を有する本体部と、前記本体部から径方向の外側に張り出した形状を有するフランジ部とを備える第1筒部と、
第1の部材と第2の部材との間で所定の回転数比で回転数を変換して駆動力を伝達する歯車装置であって、偏心部と、前記偏心部が挿入される挿通孔を有すると共に歯部を有する揺動歯車と、前記第1の部材及び前記第2の部材の一方に取り付け可能に構成される前記第1筒部と、前記第1の部材及び前記第2の部材の他方に取り付け可能に構成される第2筒部と、を備え、前記第1筒部は、前記揺動歯車の前記歯部と噛み合う内歯を有しており、前記第2筒部は、前記揺動歯車を保持した状態で前記第1筒部の径方向内側に配置され、前記第1筒部と前記第2筒部とは、前記偏心部の回転に伴う前記揺動歯車の揺動によって同心状に互いに相対的に回転可能である減速機構部と、
前記フランジ部の少なくとも一部の表面に周状に貼り付けられ、減速機の製造元情報または広告情報を表示させる表示部と、
を備える、減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に記載された車両用の回転広告燈が知られている。車両用の回転広告燈は、モータおよび減速機をケース内に備え、ケースの周囲に蛍光燈を設け、減速機の主軸上端に、モータ、減速機、および蛍光燈を覆う半透明板製の円筒形回転広告燈の中心部を固定し、さらに、円筒形回転広告燈の外側を透明板の外筒で覆うように構成されている。この車両用の回転広告燈によれば、広告燈を回転させることにより、広告効果を発揮することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した車両用の回転広告燈等の減速機を搭載した各種の物において、減速機は各種の物に組み込まれると外観的に確認することが困難である場合が多い。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、外観的に確認することが容易な減速機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る減速機は、ケースと、前記ケースに対して回転可能に設けられた伝達部を有し、前記ケース内に設けられて駆動源から入力される回転を減速して出力する減速機構部と、前記ケースの表面に貼り付け可能な形状を有し、通知情報を表示させる表示部と、を備える。
【0007】
上述の減速機において、前記表示部は、前記ケースの少なくとも一部の表面に、周状に形成されてよい。
【0008】
上述の減速機において、前記ケースは、筒型の形状を有する本体部と、前記本体部から径方向の外側に張り出した形状を有するフランジ部とを備え、前記表示部は、前記フランジ部の少なくとも一部の表面に形成されてよい。
【0009】
上述の減速機において、前記表示部は、前記駆動源または前記伝達部から出力された回転が入力される外部機構に形成されてよい。
【0010】
上述の減速機において、前記通知情報は、前記減速機の製造元情報または広告情報であってよい。
【0011】
上述の減速機において、前記通知情報は、前記減速機の温度に関する情報であってよい。
【0012】
上述の減速機において、前記通知情報は、前記減速機の負荷に関する情報であってよい。
【0013】
上述の減速機において、前記通知情報は、前記外部機構の温度に関する情報であってよい。
【0014】
上述の減速機において、前記通知情報は、前記外部機構の負荷に関する情報であってよい。
【0015】
上述の減速機において、前記通知情報は、前記減速機と対象物体との距離に関する情報であってよい。
【0016】
上述の減速機において、前記表示部は、前記通知情報の内容を切り換えてよい。
【0017】
上述の減速機において、前記表示部は、前記通知情報の表示領域を切り換えてよい。
【0018】
上述の減速機において、前記表示部を動作させる電力を発電する発電部を備えてよい。
【0019】
上述の減速機において、前記駆動源の駆動用電力を制御する電源部から供給された電力を用いて前記表示部を動作させてよい。
【0020】
本発明の一態様に係る減速機は、第1の部材と第2の部材との間で所定の回転数比で回転数を変換して駆動力を伝達する歯車装置であって、偏心部と、前記偏心部が挿入される挿通孔を有すると共に歯部を有する揺動歯車と、前記第1の部材及び前記第2の部材の一方に取り付け可能に構成される第1筒部と、前記第1の部材及び前記第2の部材の他方に取り付け可能に構成される第2筒部と、を備え、前記第1筒部は、前記揺動歯車の前記歯部と噛み合う内歯を有しており、前記第2筒部は、前記揺動歯車を保持した状態で前記第1筒部の径方向内側に配置され、前記第1筒部と前記第2筒部とは、前記偏心部の回転に伴う前記揺動歯車の揺動によって同心状に互いに相対的に回転可能である減速機構部と、前記ケースの表面に貼り付け可能な形状を有し、通知情報を表示させる表示部と、を備える。
【0021】
本発明の一態様に係る減速機は、筒型の形状を有する本体部と、前記本体部から径方向の外側に張り出した形状を有するフランジ部とを備える第1筒部と、
第1の部材と第2の部材との間で所定の回転数比で回転数を変換して駆動力を伝達する歯車装置であって、偏心部と、前記偏心部が挿入される挿通孔を有すると共に歯部を有する揺動歯車と、前記第1の部材及び前記第2の部材の一方に取り付け可能に構成される前記第1筒部と、前記第1の部材及び前記第2の部材の他方に取り付け可能に構成される第2筒部と、を備え、前記第1筒部は、前記揺動歯車の前記歯部と噛み合う内歯を有しており、前記第2筒部は、前記揺動歯車を保持した状態で前記第1筒部の径方向内側に配置され、前記第1筒部と前記第2筒部とは、前記偏心部の回転に伴う前記揺動歯車の揺動によって同心状に互いに相対的に回転可能である減速機構部と、前記フランジ部の少なくとも一部の表面に周状に貼り付けられ、減速機の製造元情報または広告情報を表示させる表示部と、を備える。
【発明の効果】
【0022】
上述の減速機によれば、容易に、減速機を外観的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態における減速機の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図2のIII-III線における断面図である。
【
図4】実施形態の減速機1における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施形態における表示部10等の取り付け例を示す図である。
【
図6】実施形態における減速機のケースフランジ部を示す上面図である。
【
図7】実施形態における減速機の他の一例を示すブロック図である。
【
図8】実施形態における減速機の他の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施形態における減速機1および駆動源としてのモータ600を含むアクチュエータ500の一例を示す斜視図である。
【
図10】第2実施形態における減速機1の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図11】第3実施形態における減速機の一構成例を示すブロック図である。
【
図12】第3実施形態における表示部10等の取り付け例を示す図である。
【
図13】第3実施形態における減速機の一構成例を示すブロック図である。
【
図14】第4実施形態における減速機の一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る減速機および減速機用表示装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下で説明する実施形態において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0025】
(第1実施形態)
[減速機1]
図1は、第1実施形態に係る減速機1の斜視図である。減速機1は、例えば産業用ロボット等において回動可能に連結される一対のアームの連結部分(関節部分)に設けられる。減速機1は、動力源としてのモータ(不図示)から入力されるモータトルクを減速して出力する。
【0026】
減速機1は、ケース100と、減速機構部200と、を備えている。ケース100は、本体部102と、ケースフランジ部104と、を備えている。ケースフランジ部104は、本体部102から径方向の外側に張り出した形状を有する。実施形態の説明では、本体部102の軸線O1に沿う方向を単に軸方向といい、軸方向から見て軸線O1に交差する方向を径方向といい、軸線O1回りに周回する方向を周方向という。また、減速機1に駆動源が接続される側を入力側といい、減速機1の出力を受けるアーム等の機構部が接続される側を出力側という。駆動源は第1の部材の一例であり、アーム等の機構部が第2の部材の一例であり、減速機1は、第1の部材と第2の部材との間で所定の回転数比で回転数を変換して駆動力を伝達する。
【0027】
本体部102は、軸線O1に沿って筒状に形成される。第1筒部の一例である本体部102における軸方向O1の入力側は開口している。本体部102の開口部には、減速機構部200が回転可能に収容される。本体部102における出力側にはケースフランジ部104が一体に形成される。減速機1の入力側には、複数(例えば3つ)の伝達歯車200Aと入力歯車200Bとが露出している。
【0028】
ケース100におけるケースフランジ部104には、表示部10が貼り付けられる。表示部10は、ケース100の表面に貼り付け可能な形状を有する表示装置である。表示部10は、例えば厚さが1ミリメートル程度の表示装置であって、極薄型有機ELディスプレイや、シートタイプLED照明機器を利用して構成される。なお、表示部10は、ケースフランジ部104の径方向に露出した表面である周上の表面の全体に形成されていてもよいが、周上の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。
【0029】
図2は、実施形態に係る減速機1の構成を示す断面図であり、
図3は
図2のIII-III線における断面図である。本実施形態に係る減速機1は、入力歯車200Bに対応する入力軸8を回転させることによってクランク軸10Aを回転させ、クランク軸10Aの偏心部10a,10bに連動して揺動歯車14,16を揺動回転させることにより、入力回転から減速した出力回転を得るように構成されている。
【0030】
図2および
図3に示すように、減速機1は、本体部102(第1筒部)に対応する外筒2と、第2筒部の一例であるキャリア部4と、入力軸8と、複数(例えば3つ)のクランク軸10Aと、第1揺動歯車14と、第2揺動歯車16と、複数(例えば3つ)の伝達歯車20とを備えている。伝達歯車20は、
図1の伝達歯車200Aに対応する。
【0031】
外筒2は、減速機1の外面を構成するものであり、略円筒形状を有している。外筒2の内周面には、多数のピン溝2bが形成されている。各ピン溝2bは、外筒2の軸方向に延びるように配置され、軸方向に直交する断面において半円形の断面形状を有している。これらのピン溝2bは、外筒2の内周面に周方向に等間隔で並んでいる。
【0032】
外筒2は、多数の内歯ピン3を有している。各内歯ピン3は、ピン溝2bにそれぞれ取り付けられている。具体的に、各内歯ピン3は、対応するピン溝2bにそれぞれ嵌め込まれており、外筒2の軸方向に延びる姿勢で配置されている。これにより、多数の内歯ピン3は、外筒2の周方向に沿って等間隔で並んでいる。これらの内歯ピン3には、第1揺動歯車14の第1外歯14aおよび第2揺動歯車16の第2外歯16aが噛み合う。
【0033】
キャリア部4は、外筒2と同軸上に配置された状態でその外筒2内に収容されている。キャリア部4は、外筒2(ケース100)に対して同じ軸回りに相対回転する。具体的に、キャリア部4は、外筒2の径方向内側に配置されており、この状態で、軸方向に互いに離間して設けられた一対の主軸受6によって外筒2に対して相対回転可能に支持されている。
【0034】
キャリア部4は、基板部4aと複数(例えば3つ)のシャフト部4cとを有する基部と、端板部4bと、を備えている。
【0035】
基板部4aは、外筒2内において軸方向の一端部近傍に配置されている。この基板部4aの径方向中央部には円形の貫通孔4dが設けられている。貫通孔4dの周囲には、複数(例えば3つ)のクランク軸取付孔4e(以下、単に取付孔4eという)が周方向に等間隔で設けられている。
【0036】
端板部4bは、基板部4aに対して軸方向に離間して設けられており、外筒2内において軸方向の他端部近傍に配置されている。端板部4bの径方向中央部には貫通孔4fが設けられている。貫通孔4fの周囲には、複数(例えば3つ)のクランク軸取付孔4g(以下、単に取付孔4gという)が基板部4aの複数の取付孔4eと対応する位置に設けられている。外筒2内には、端板部4b及び基板部4aの互いに対向する双方の内面と、外筒2の内周面とで囲まれた閉空間が形成されている。
【0037】
3つのシャフト部4cは、基板部4aと一体的に設けられており、基板部4aの一主面(内側面)から端板部4b側へ直線的に延びている。この3つのシャフト部4cは、周方向に等間隔で配設されている(
図3参照)。各シャフト部4cは、ボルト4hによって端板部4bに締結されている(
図2参照)。これにより、基板部4a、シャフト部4c及び端板部4bが一体化されている。
【0038】
入力軸8は、駆動モータ(不図示)の駆動力が入力される入力部として機能する。入力軸8は、端板部4bの貫通孔4f及び基板部4aの貫通孔4dに挿入されている。入力軸8は、その軸心が外筒2及びキャリア部4の軸心と一致するように配置されており、軸回りに回転する。入力軸8の先端部の外周面には入力ギア8aが設けられている。
【0039】
3つのクランク軸10Aは、外筒2内において入力軸8の周囲に等間隔で配置されている(
図3参照)。各クランク軸10Aは、一対のクランク軸受12a,12bによりキャリア部4に対して軸回りに回転可能に支持されている(
図2参照)。具体的に、各クランク軸10Aの軸方向の一端から所定長さだけ軸方向内側の部分に第1クランク軸受12aが取り付けられており、この第1クランク軸受12aは、基板部4aの取付孔4eに装着されている。一方、各クランク軸10Aの軸方向の他端部に第2クランク軸受12bが取り付けられており、この第2クランク軸受12bは、端板部4bの取付孔4gに装着されている。これにより、クランク軸10Aは、基板部4a及び端板部4bに回転可能に支持されている。
【0040】
各クランク軸10Aは、軸本体12cと、この軸本体12cに一体的に形成された偏心部10a,10bとを有する。第1偏心部10aと第2偏心部10bは、両クランク軸受12a,12bによって支持された部分の間に軸方向に並んで配置されている。第1偏心部10aと第2偏心部10bは、それぞれ円柱形状を有しており、いずれも軸本体12cの軸心に対して偏心した状態で軸本体12cから径方向外側に張り出している。第1偏心部10aと第2偏心部10bは、それぞれ軸心から所定の偏心量で偏心しており、互いに所定角度の位相差を有するように配置されている。
【0041】
クランク軸10Aの一端部、すなわち、基板部4aの取付孔4e内に取り付けられる部分の軸方向外側の部位には、伝達歯車20が取り付けられる被嵌合部10cが設けられている。なお、実施形態の減速機1は、
図2の例に限定されず、クランク軸10Aを軸方向に逆に配置し、被嵌合部10cを、端板部4bの取付孔4gの軸方向外側に配置する、逆組と称される構成であってよい。
【0042】
第1揺動歯車14は、外筒2内の前記閉空間に配設されているとともに各クランク軸10の第1偏心部10aに第1ころ軸受18aを介して取り付けられている。第1揺動歯車14は、各クランク軸10Aが回転して第1偏心部10aが偏心回転すると、この偏心回転に連動して内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。
【0043】
第1揺動歯車14は、外筒2の内径よりも少し小さい大きさを有している。第1揺動歯車14は、第1外歯14aと、中央部貫通孔14bと、複数(例えば3つ)の第1偏心部挿通孔14cと、複数(例えば3つ)のシャフト部挿通孔14dとを有している。第1外歯14aは、揺動歯車14の周方向全体に亘って滑らかに連続する波形状を有している。
【0044】
中央部貫通孔14bは、第1揺動歯車14の径方向中央部に設けられている。中央部貫通孔14bには、入力軸8が遊びを持った状態で挿通されている。
【0045】
3つの第1偏心部挿通孔14cは、第1揺動歯車14において中央部貫通孔14bの周囲に周方向に等間隔で設けられている。各第1偏心部挿通孔14cには、各第1偏心部挿通孔14cの内壁側に第1ころ軸受18aを介して各クランク軸10Aの第1偏心部10aがそれぞれ挿通されている。
【0046】
3つのシャフト部挿通孔14dは、第1揺動歯車14において中央部貫通孔14bの周りに周方向に等間隔で設けられている。各シャフト部挿通孔14dは、周方向において、3つの第1偏心部挿通孔14c間の位置にそれぞれ配設されている。各シャフト部挿通孔14dには、対応するシャフト部4cが遊びを持った状態で挿通されている。
【0047】
第2揺動歯車16は、外筒2内の前記閉空間に配設されているとともに各クランク軸10Aの第2偏心部10bに第2ころ軸受18bを介して取り付けられている。第1揺動歯車14と第2揺動歯車16は、第1偏心部10aと第2偏心部10bの配置に対応して軸方向に並んで設けられている。第2揺動歯車16は、各クランク軸10Aが回転して第2偏心部10bが偏心回転すると、この偏心回転に連動して内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。
【0048】
第2揺動歯車16は、外筒2の内径よりも少し小さい大きさを有しており、第1揺動歯車14と同様の構成となっている。すなわち、第2揺動歯車16は、第2外歯16a、中央部貫通孔16b、複数(例えば3つ)の第2偏心部挿通孔16c及び複数(例えば3つ)のシャフト部挿通孔16dを有している。これらは、第1揺動歯車14の第1外歯14a、中央部貫通孔14b、複数の第1偏心部挿通孔14c及び複数のシャフト部挿通孔14dと同様の構造を有している。各第2偏心部挿通孔16cには、各第2偏心部挿通孔16cの内壁側に第2ころ軸受18bを介してクランク軸10Aの第2偏心部10bが挿通されている。
【0049】
各伝達歯車20は、入力ギア8aの回転を対応するクランク軸10Aに伝達するものである。各伝達歯車20は、対応するクランク軸10Aの軸本体12cにおける一端部に設けられた被嵌合部10cにそれぞれ外嵌されている。各伝達歯車20は、クランク軸10Aの回転軸と同じ軸回りにこのクランク軸10Aと一体的に回転する。各伝達歯車20は、入力ギア8aと噛み合う外歯20aを有している。
【0050】
[減速機1の機能的な構成]
図4は、実施形態の減速機1における機能的な構成の一例を示すブロック図である。減速機1は、表示部10と、表示制御部20と、蓄電部30と、電力供給部40とを備える。表示部10は、通知情報を表示する。通知情報とは、減速機1を利用する者や、減速機1を利用した機構を利用する者から視認されることによって、当該者に通知される情報である。通知情報は、例えば、減速機1の製造元情報や、減速機1の広告情報などの静的な情報や、減速機1の状態や減速機1に接続された機構の状態などの動的な情報である。静的な情報とは、減速機1が使用される時間に応じて変化しない情報である。動的な情報とは、減速機1が使用される時間に応じて変化する情報であって、例えば、減速機1の温度や、減速機1の負荷や、減速機1に接続された機構の温度や負荷や、減速機1と対象物体との距離に関する情報である。対象物体とは、人などの減速機1の周辺に存在する物体である。広告情報は、例えば、製造元の販売促進(例えば展示会の情報)に関する情報や、新型の減速機1に関する情報や、アミューズメント性のある動画などである。
【0051】
表示制御部20は、記憶部22と、駆動部24とを備える。記憶部22は、例えばRAMやフラッシュメモリであり、通知情報を記憶する。駆動部24は、記憶部22に記憶された通知情報を読み出し、表示部10に通知情報に基づく信号を供給することで表示部10を動作させる。表示部10を動作させるとは、例えば、表示部10による通知情報の表示を開始又は終了させることや、通知情報の内容を切り換えることや、通知情報の色や大きさ等の表示形態を変化させることや、通知情報の表示位置を切り換えることを含む。
【0052】
蓄電部30は、自己発電した電力または減速機1の外部から供給された電力を蓄えるバッテリを含む。バッテリは、キャパシタ(電気二重層コンデンサを含む)であってもよく、二次電池(例えばリチウムイオン電池、固体リチウムイオン電池、空気電池等)であってもよい。電力供給部40は、蓄電部30に蓄電された電力を表示部10および表示制御部20に供給する。
【0053】
蓄電部30は、自己発電する場合、減速機1の周囲の環境(外部環境)に存在するエネルギを電力に変換(いわゆる環境発電)し、表示部10、表示制御部20、および電力供給部40を動作させるための電力を供給する。蓄電部30は、温度、湿度、Wi-Fi等の電波、減速機1の周囲からの電磁波(放射線や宇宙線を含み、電動モータ等から発せされる電磁ノイズも含む。)、振動、音(超音波含む)、光(可視光、赤外光、紫外線を含む。)、流体や粉体の流れ(風や波など)のうち少なくとも1つのエネルギをもとに発電してもよい。蓄電部30は、自己発電する場合、効率的にエネルギを吸収することができるように構成される。例えば、蓄電部30は、光を吸収して発電する場合には減速機1の露出面に貼り付けられる。
【0054】
図5は、実施形態における表示部10等の取り付け例を示す図である。表示部10は、減速機1の表面から通知情報が露出するように減速機1の外側に配置される。表示制御部20、蓄電部30および電力供給部40は、表示部10とケースフランジ部104の表面との間に配置される。
【0055】
上述した実施形態の減速機1は、ケース100と、ケース100に対して回転可能に設けられたキャリア部4を有し、ケース100内に設けられて駆動源から入力される回転を減速して出力する減速機構部200と、ケース100の表面に貼り付け可能な形状を有し、通知情報を表示させる表示部10と、を備える、減速機1を実現することができる。この減速機によれば、減速機の表面に通知情報が表示されているため、減速機を外観的に確認することを容易にすることができる。
【0056】
上述した実施形態の減速機1は、第1の部材と第2の部材との間で所定の回転数比で回転数を変換して駆動力を伝達する歯車装置であって、偏心部(10a、10b)と、偏心部が挿入される挿通孔(14c、16c)を有すると共に歯部(14a、16a)を有する揺動歯車(14、16)と、第1の部材および第2の部材の一方に取り付け可能に構成される第1筒部(2、102)と、第1の部材および第2の部材の他方に取り付け可能に構成される第2筒部(4)と、を備え、第1筒部(2、102)は、揺動歯車の歯部と噛み合う内歯(3)を有しており、第2筒部は、揺動歯車を保持した状態で第1筒部の径方向内側に配置され、第1筒部と第2筒部とは、偏心部の回転に伴う揺動歯車の揺動によって同心状に互いに相対的に回転可能である減速機構部200と、ケース100の表面に貼り付け可能な形状を有し、通知情報を表示させる表示部10と、を備える、減速機を実現することができる。この減速機によれば、減速機の表面に通知情報が表示されているため、減速機を外観的に確認することを容易にすることができる。
【0057】
なお、実施形態では、情報を出力する手段として表示部を示したが、これに限定されず、情報を音で出力するスピーカや、情報を光で投影する投影機などの、利用者の感覚を刺激する出力手段であってもよい。
【0058】
実施形態の減速機1において、表示部10は、表示部10の少なくとも一部の表面に、周状に形成されてよい。さらに、ケース100は、筒型の形状を有する本体部102と、本体部102から径方向の外側に張り出した形状を有するケースフランジ部104とを備え、表示部10は、ケースフランジ部104の少なくとも一部の表面に形成されてよい。この減速機1によれば、減速機1の外終端としてのケースフランジ部104に通知情報を表示させることができるので、減速機1を外観的に確認することを容易にすることができる。
【0059】
実施形態の減速機1において、通知情報は、減速機1の製造元情報または広告情報である。この減速機1によれば、減速機1の製造元や減速機1の広告を外観的に容易に確認させることができる。また、減速機1によれば、減速機1の製造元を他の減速機の製造元と混同させることを抑制させることができる。
【0060】
図6は、実施形態における減速機のケースフランジ部を示す上面図である。
図7は、実施形態における減速機の他の一例を示すブロック図である。表示部10は、ケースフランジ部104の周面の全体に形成され、複数の表示領域A1,A2,A3,A4に分割されて動作してよい。各表示領域は、ケースフランジ部104の円周分の領域を4等分した領域である。表示部10は、表示領域A1に対応した表示部10と、表示領域A2に対応した表示部10と、表示領域A3に対応した表示部10と、表示領域A4に対応した表示部10とを含む。表示部10は、駆動部24の制御により、各表示部10の表示を制御することができる。各表示部10の表示を制御するとは、例えば、各表示部10による通知情報の表示を開始又は終了させることや、各表示部10で通知情報の表示と非表示を切り換えることや、各表示部10で通知情報の内容を切り換えることや、各表示部10で通知情報の色や大きさ等の表示形態を変化させることや、表示部10間で通知情報の表示位置を切り換えることを含む。
【0061】
図8は、実施形態における減速機の他の一例を示すブロック図である。減速機1は、センサの入力に基づいて各表示部10の表示を制御してもよく、利用者の入力に基づいて各表示部10の表示を制御してもよい。各表示部10は、複数の表示領域A1,A2,A3,A4に対応したセンサを備えてよい。このセンサは、例えば、利用者のタッチ操作を検出するセンサや、表示領域の明るさを検出するセンサである。表示部10は、利用者のタッチ操作が検出された表示領域に通知情報を表示し、利用者のタッチ操作が検出されていない表示領域に通知情報を表示させない制御を行ってよい。表示部10は、センサにより検出した表示領域の明るさが閾値を超える場合に通知情報を表示し、センサにより検出した表示領域の明るさが閾値を超えない場合に通知情報を表示させない制御を行ってよい。
【0062】
さらに、複数の表示領域は、複数の減速機1のそれぞれに設けられた表示領域であってよい。例えば、産業用ロボット等において回動可能に連結される一対のアームの関節部分が複数存在する場合に、各関節部分に設けられた各減速機1に表示部10を設けてよい。各減速機1は、表示制御部20間で近距離無線通信を行うことで、他の減速機1と連動するように通知情報を表示させてもよい。
【0063】
実施形態の減速機1によれば、表示部10により通知情報の内容を切り換えることができる。これにより、減速機1によれば、利用者に対する通知内容を変更することができる。また、実施形態によれば、表示部10により、通知情報の表示領域を切り換えることができる。これにより、減速機1によれば、例えば、利用者に露出した箇所に対応する表示領域に通知情報を表示させることができ、この結果、減速機1を外観的に確認することを容易にすることができる。
【0064】
実施形態の減速機1によれば、表示部10を動作させる電力を発電する発電部(蓄電部30)を備えるので、表示部10を減速機1に貼り付けても追加の配線を設ける必要がない。
【0065】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態の減速機1における表示部10は、駆動源、またはキャリア部4から出力された回転が入力されるアーム等の外部機構に形成される。なお、外部機構は、キャリア部(伝達部)4に接続されているが、これに限定されず、キャリア部4がケースフランジ部104に固定されている場合にはケースフランジ部104の回転が伝達されてもよい。
図9は、第2実施形態における減速機1および駆動源としてのモータ600を含むアクチュエータ500の一例を示す斜視図である。減速機1にはモータ600が接続され、モータ600の回転を伝達して出力する。モータ600は、ケース610を備える。ケース610における減速機1への接続側には表示部620が形成され、ケース610における側面には表示部630が形成される。
【0066】
図10は、第2実施形態における減速機1の機能的な構成を示すブロック図である。電力供給部40は、表示部620,630が動作するための電力を供給し、表示制御部20は、モータ600側の表示部620,630を駆動することで、表示部620,630に通知情報を表示させる。電力供給部40は、蓄電部30を備えてよいが、これに限定されず、モータ600の駆動用電力を制御する電源部としてのモータ用電源部640から電力を表示部10、表示制御部20、および表示部620,630に配分してよい。
【0067】
第2実施形態によれば、減速機1の表示部10に加えて、減速機1に接続されたモータ600またはアームに表示部620,630を設けることができるので、表示領域の面積を増加させることができる。この結果、第2実施形態によれば、さらに容易に減速機1およびモータ600を外観的に確認することができる。
【0068】
第2実施形態によれば、モータ600の駆動用電力を制御するモータ用電源部640から供給された電力を用いて表示部10を動作させるので、表示部10のために発電部や追加の電源を設ける必要を無くすことができる。
【0069】
表示制御部20は、表示部10および表示部620,630の表示を制御してよい。表示制御部20は、例えば、表示部の位置や、表示部における明るさや、表示部に対するタッチ操作に基づいて、通知情報の表示および非表示や、通知情報の内容を切り替えてよい。例えば、表示制御部20は、減速機1やモータ600の温度が所定値よりも高い場合には赤色を表示させ、減速機1やモータ600の温度が所定値よりも低い場合には青色を表示させてよく、さらに、所定範囲(例えば10度単位)で色を変化させてもよい。
【0070】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態の減速機1における表示部10は、通知情報として、減速機1の温度に関する情報や、減速機1の負荷に関する情報を表示する。
図11は、第3実施形態における減速機の一構成例を示すブロック図である。第3実施形態の減速機1は、減速機1の温度に関する情報および減速機1の負荷に関する情報を検出するための検出部50を備える。
【0071】
図12は、第3実施形態における表示部10等の取り付け例を示す図である。検出部50は、減速機1におけるケースフランジ部104側に配置され、ケースフランジ部104の温度を検知する温度センサである。検出部50は、検出した温度に基づく信号を駆動部24に供給し、駆動部24は、供給された信号に基づいて表示部10を動作させることで、減速機1の温度を表示させる。検出部50は、ケースフランジ部104の振動を検知する振動センサであってよい。ケースフランジ部104の振動は、例えば、減速機1の負荷の元になる情報である。検出部50は、検出した振動に基づく信号を駆動部24に供給し、駆動部24は、供給された信号に基づいて表示部10を動作させることで、減速機1の負荷を表示させる。駆動部24は、減速機1の温度や負荷を、数値で表示させてよいが、これに限定されず、色で表示させてもよい。例えば、表示制御部20は、減速機1やモータ600の負荷が所定値よりも高い範囲である場合には赤色を表示させ、減速機1やモータ600の負荷が所定値よりも低い範囲である場合には青色を表示させ、減速機1やモータ600の負荷が高い範囲から低い範囲の間の範囲である場合には黄色を表示させてよく、さらに、各範囲で色を変化させてもよい。さらに、表示制御部20は、減速機1やモータ600の負荷を危険度に変換し、変換した危険度に応じて色を変化させてもよい。さらに表示制御部20は、減速機1やモータ600の温度や負荷に基づく故障の発生可能性を表示させてもよく、故障の発生可能性が高くなるほど、青、黄色、緑の順で表示色を変化させてもよい。
【0072】
図13は、第3実施形態における減速機の一構成例を示すブロック図である。第3実施形態の減速機1は、検出部50により、モータ600の温度に関する情報およびモータ600の負荷に関する情報を検出し、表示部10により、通知情報として、減速機1に接続された外部機構としてのモータ600の温度に関する情報や、モータ600の負荷に関する情報を表示してよい。減速機1は、減速機1に関する通知情報に加えてモータ600に関する通知情報を表示してもよく、または減速機1に関する通知情報に代えてモータ600に関する通知情報を表示してもよい。
【0073】
さらに、検出部50は、減速機1と対象物体との距離に関する情報を検出し、表示部10により、通知情報として、減速機1と対象物体との距離に関する情報を表示してよい。この場合における検出部50は、距離センサやカメラ装置などの距離に関する情報を取得することができる距離センサまたは近接センサであればよい。減速機1は、例えば、距離センサにより検出した距離を表示させてもよく、距離センサにより検出した距離が所定値以下である場合に警告に関する情報を表示したり、音声を出力してよい。減速機1は、例えば、近接センサにより人を検知した場合に、警告に関する情報を表示したり、音声を出力してよい。距離センサは、例えば、検出する対象となる物体と減速機1との距離を測定するセンサであって、例えば、赤外線を利用する方式、超音波を利用する方式、レーザーを利用する方式などの既存の方式を採用したものであればよい。近接センサは、減速機1から所定の距離に人が近づいたことを検知するセンサであって、誘導型、静電容量型、磁気型などの既存の方式を採用したものであればよい。
【0074】
第3実施形態の減速機1によれば、減速機1の温度や負荷に関する情報や、モータ600やアーム等の外部機構の温度や負荷に関する情報を表示させるので、減速機1を容易に確認できるとともに、温度や負荷に関する情報も確認させることができる。さらに、第3実施形態の減速機1によれば、減速機1と対象物体との距離に関する情報を表示させるので、減速機1を外観的に確認することを更に容易にすることができる。
【0075】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について説明する。
図14は、第4実施形態における減速機の一構成例を示すブロック図である。第4実施形態の減速機1は、例えば通信ネットワークを介して情報提供装置700と通信接続され、情報提供装置700との間で通信処理を行う通信インターフェース(I/F)710を備えている。情報提供装置700は、減速機1の製造元会社、減速機1のメンテナンス会社、または減速機1の購入者や利用者によって管理される情報提供サーバである。通信インターフェース710は、NIC(Network Interface Card)や無線通信モジュールなどである。通信インターフェースを備えている(
図2では不図示)。通信ネットワークは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、セルラー網などを含む。減速機1は、情報提供装置から送信された命令に基づいて、記憶部22に記憶する通知情報を更新してもよく、表示する通知情報を切り換えるように駆動部24を制御してもよい。
【0076】
さらに、第4実施形態の減速機1は、通信インターフェース710により、上述した減速機1やモータ600の温度に関する情報や付加に関する情報を情報提供装置700に送信してよい。減速機1は、情報提供装置700から送信された減速機1やモータ600の温度に関する情報や付加に関する情報に対応する通知情報を記憶部22に記憶させ、記憶した通知情報を表示部10に表示させてもよい。さらに、減速機1は、情報提供装置700から送信された減速機1やモータ600の温度に関する情報や付加に関する情報を、減速機1の製造元会社、減速機1のメンテナンス会社、または減速機1の購入者や利用者の管理端末に送信することで、フィードバックしてもよい。
【0077】
以上、この発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1…減速機、10,620,630…表示部、20…表示制御部、22…記憶部、24…駆動部、30…蓄電部、40…電力供給部、100…ケース、102…本体部、104…ケースフランジ部、110…キャリア部、600…モータ、640…モータ用電源部、700…情報提供装置、710…通信インターフェース