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特開2022-138926プログラム、方法、および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022138926
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】プログラム、方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220915BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039082
(22)【出願日】2021-03-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社コロプラが、令和2年4月1日にガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社内において、藤田 拓、大久保 良之が発明したプログラム、方法、および情報処理装置に関する発明の内容を実施することにより公開した。 株式会社コロプラが、令和2年4月1日に凸版印刷株式会社内において、藤田 拓、大久保 良之が発明したプログラム、方法、および情報処理装置に関する発明の内容を実施することにより公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】藤田 拓
(72)【発明者】
【氏名】大久保 良之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】利便性の高い座席レイアウトを簡便に作成できる、プログラム、方法、および情報処理装置を提供することである。
【解決手段】所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行い、人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定し、座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定し、決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ、メモリ、および、入力部を備える情報処理装置において実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行うステップと、
人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、当該指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定するステップと、
前記座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、前記特定するステップにより特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定するステップとを実行させ、
前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる、プログラム。
【請求項2】
前記メモリは、前記複数種類のグループ各々に配属されている人員の数を特定可能な第1情報を記憶し、
前記特定するステップは、
前記第1情報に基づいて指定されたグループに属する人員の数を当該人員が使用する座席数として特定するステップと、
前記特定された座席数を、ユーザからの変更操作に応じて増減可能とするステップとを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記決定するステップは、指定されたグループが配置可能となる範囲を前記座席レイアウト上においてユーザが指定するための範囲操作であって、当該範囲操作に応じた範囲内の座席オブジェクトのうちから、指定されたグループに対応する座席オブジェクト群を決定し、
範囲操作に応じた範囲内の座席オブジェクトの数が前記特定するステップにより特定された座席数未満である場合、前記決定するステップは、当該範囲内の座席オブジェクトを座席オブジェクト群として決定し、前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させるとともに、不足している座席数を特定するための情報を表示するための処理を行う、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記メモリは、前記複数種類のグループ間における関連度合いを特定可能な第2情報を記憶し、
前記決定するステップは、指定操作に応じて指定されたグループが3以上である場合、前記第2情報に基づいて、当該3以上のグループのうち関連度合いが高いグループが近接するように、当該3以上のグループ各々に対応する座席オブジェクト群を決定する、請求項1~請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記メモリは、前記複数種類のグループ間における関連度合いを特定可能な第2情報を記憶し、
前記決定するステップは、前記座席レイアウト上において既にいずれかのグループに対応する座席オブジェクト群が決定されている状態において、当該座席レイアウト上に配置させるグループが新たに指定された場合、前記第2情報に基づいて、すでに座席オブジェクト群が決定されているグループのうち新たに指定されたグループとの関連度合いが高いグループと近接する座席オブジェクトを、当該新たに指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定する、請求項1~請求項4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記決定するステップは、前記座席レイアウト上における所定位置を基準として、当該所定位置に近接する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定する、請求項1~請求項5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記座席レイアウト上には、人員が利用可能な複数種類の設備が予め定められた位置に配置されており、
前記メモリは、複数種類のグループと前記複数種類の設備との関連度合いを特定可能な第3情報を記憶し、
前記決定するステップは、前記第3情報に基づいて、指定操作に応じて指定されたグループと関連度合いが高い設備が配置されている位置に近接するように、当該指定されたグループに対応する座席オブジェクト群を決定する、請求項1~請求項6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサに、
前記複数種類のグループのうち第1階層のグループを複数表示し、当該第1階層のグループのいずれかを選択する選択操作により当該グループに含まれる第2階層のグループを複数表示するための処理を行うステップを実行させ、
前記指定操作は、前記第1階層のグループを指定する操作と、前記第2階層のグループを指定する操作とを含む、請求項1~請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記メモリは、前記座席レイアウト上における前記複数種類のグループ各々の現在配置位置を特定可能な第4情報を記憶し、
前記指定操作は、前記座席レイアウトに対して範囲を指定することにより、前記第4情報に基づく現在配置位置が当該指定した範囲内となるグループを指定する操作を含む、請求項1~請求項8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記プロセッサに、
任意の人員に対して任意のタグ情報を対応付けるステップを実行させ、
前記指定操作は、タグ情報を指定することにより、当該指定されたタグ情報が対応付けられている人員からなるグループを指定する操作を含む、請求項1~請求項9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサ、メモリ、および、入力部を備える情報処理装置において実行される方法であって、
前記方法は、前記情報処理装置が、
所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行うステップと、
人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、当該指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定するステップと、
前記座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、前記特定するステップにより特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定するステップとを備え、
前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる、方法。
【請求項12】
情報処理装置であって、
プログラムを記憶する記憶部と、
前記プログラムを実行することにより、前記情報処理装置の動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行うステップと、
人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、当該指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定するステップと、
前記座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、前記特定するステップにより特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定するステップとを実行させ、
前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる、情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会社等の職場における座席表を作成するものとして、例えば、座席島の数が当該職場における部門の数に応じた数となる座席レイアウトを作成し、一つの座席島に一つの部門の人員が配置されるように、全部門の人員を自動的に配置する技術があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-128930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
座席レイアウトの作成において、各部門間における関連度合いは、例えば、相互に連絡を取り合う頻度や、連携して業務を行う頻度などに応じて異なり、関連度合いが強い部門については極力近くなるように配置した方が業務効率を向上させることにつながる。また、部門によって利用頻度が高い設備(コピー機、会議室等)も異なるため、部門に応じて利用頻度が高い設備の設置場所と極力近くなるように配置した方が業務効率を向上させることにつながる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものでは、全部門の人員が一気に配置されてしまうものであり、部門間における関連度合いや設備の利用頻度等を考慮して部門単位で配置することができない。その結果、利便性の高い座席レイアウトを作成することができず、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、利便性の高い座席レイアウトを簡便に作成できる、プログラム、方法、および情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサ、メモリ、および、入力部を備える情報処理装置において実行されるプログラムであって、プロセッサに、所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行うステップと、人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定するステップと、座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、特定するステップにより特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定するステップとを実行させ、表示するための処理を行うステップは、決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、グループ間における関連度合いや設備の利用頻度等をユーザが考慮して、直感的に操作でき、かつグループ単位で当該グループに対応する座席オブジェクト群を報知しユーザが確認できるため、利便性の高い座席レイアウトを簡便に提示・作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】座席管理システムのハードウェア構成を示す図である。
図2】座席管理画面の表示例を説明するための図である。
図3】座席シミュレーション画面の表示例を説明するための図である。
図4】座席シミュレーション画面の表示例を説明するための図である。
図5】座席シミュレーション画面の表示例を説明するための図である。。
図6】座席シミュレーション画面の表示例を説明するための図である。
図7】座席シミュレーション画面の表示例を説明するための図である。
図8】座席シミュレーション処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】複数の部門間における関連度合い、および、複数の部門と複数種類の設備との関連度合いの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態〕
本開示に係る座席管理システムは、オフィス・事務所などにおいて社員(人員の一例)が着席する座席(座席オブジェクト)の座席レイアウトを管理・変更するとともに、当該座席レイアウト上に配置されている座席のうちから、人員が配属されている複数種類の部門(グループの一例)のうちで1以上の指定された部門の人員の座席となる座席オブジェクト群を決定して提示する座席シミュレーション表示を行うシステムである。以下、座席管理システムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0011】
図1は、座席管理システム1のハードウェア構成を示す図である。座席管理システム1は、図示の通り、サーバ100と、管理者PC(Personal Computer)200とを含む。管理者PC200は、サーバ100とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。なお、ネットワーク2は、職場内における有線ケーブル等で接続可能となる有線ネットワークであってもよい。
【0012】
サーバ100(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ100は、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信IF13と、入出力IF14とを備える。サーバ100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0013】
プロセッサ10は、ストレージ12に格納されている各種制御プログラムを読み出してメモリ11内に展開し、それらの制御プログラムに従って各種処理を行う。各種制御プログラムには、オフィス内における座席数や座席レイアウトを管理・変更するための座席管理処理を行う座席管理プログラムを含む。また、座席管理プログラムには、管理されている座席レイアウト上において部門単位で配置させる座席の決定・座席シミュレーション表示等を行う座席シミュレーションプログラムを含む。ストレージ12には、各種制御プログラムに加えて、組織(例えば、職場、会社等)に関する組織情報が格納されている。
【0014】
組織情報としては、図1に示すように、社員情報、部門情報、オフィス情報、座席レイアウト情報、設備情報、および、座席シミュレーション情報などを含む。社員情報は、社員各々の氏名や、内線番号、携帯番号などを特定可能な情報を含む。部門情報は、組織内における部門および部門構成を特定可能な情報を含む。部門構成としては、例えば、第1階層の部門と、当該第1階層の部門に属する第2階層の部門といったように複数階層の部門構成を含む。また、部門情報は、各部門に属する社員および人数を特定可能な情報を含む。オフィス情報は、当該会社(組織)の住所、代表電話番号、代表メールアドレス、代表者などを特定可能な情報を含む。
【0015】
座席レイアウト情報は、オフィス内に配置される座席(座席オブジェクト)および設備(設備オブジェクト)の配置・レイアウトを特定可能な情報を含む。階を跨いで複数のフロアを利用している場合には、座席レイアウト情報から当該フロア毎の座席レイアウトを特定可能である。また、座席レイアウト情報は、複数の部門各々について現在配置されている座席の位置を特定可能な情報や、座席レイアウト上における座席に対応する座席オブジェクト各々に割り当てられている社員およびその社員が属する部門を特定可能な情報などを含む。なお、同じ部門の座席は、原則的に、同じ座席島および近接する座席島となるように割り当てられている。
【0016】
設備情報は、オフィス内に配置されている会議室や、社長室、開発室、複合機、ファイル棚などの設備の種類や、各々の使用状況、予約状況などを特定可能な情報を含む。座席シミュレーション情報は、座席シミュレーションの結果(例えば、シェアされた座席候補)を特定可能な情報を含む。
【0017】
管理者PC200(コンピュータ、情報処理装置)は、据え置き型のパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータである。管理者PC200は、座席レイアウトを管理する管理者に利用される。なお、座席レイアウトを管理する管理者に利用されるコンピュータは、PCに限らず、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってもよい。また、座席レイアウトを管理する管理者に利用されるコンピュータは、特定のコンピュータに限らず、サーバ100にアクセス可能なコンピュータであればいずれのコンピュータであってもよい。
【0018】
管理者PC200は、図示の通り、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信インターフェース(IF)23と、入出力IF24と、表示装置25とを備える。管理者コンピュータ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。また、入出力IF24には、操作部(例えば、キーボード、マウス等)が接続されている。管理者は、操作部への入力操作により管理者PC200を利用可能となる。また、管理者PC200からサーバ100にアクセスすることにより、座席管理や、組織情報の変更・更新などを行うことができる。
【0019】
管理者が座席管理を開始する場合には、管理者PC200において、サーバ100にアクセスし、プロセッサ10に座席管理プログラムを読み出させてメモリ11内に展開させるための操作を管理者が行う。これにより、サーバ100において座席管理処理が開始可能となり、座席管理画面を表示するための情報がサーバ100から提供(出力)されて、管理者PC200の表示装置25に座席管理画面が表示される。座席管理処理中においては、管理者PC200側において座席管理画面に対するクリック操作や入力操作を受け付けることにより、当該操作に対応する情報がサーバ100側に送信されて、座席管理プログラムに従い組織情報を用いて各種処理が行われ、処理結果に応じた画面を表示するための情報がサーバ100から提供(出力)されて、管理者PC200の表示装置25に表示される。本実施形態においては、座席管理プログラムおよび組織情報等をサーバ100側において格納し、サーバ100側において座席管理プログラムに従った処理を行い、処理結果に応じた情報を管理者PC200に送信して表示する例について説明するが、これに限らず、座席管理プログラムおよび組織情報等を管理者PC200のストレージ22において格納し、管理者PC200側において座席管理プログラムに従った処理を行い表示するものであってもよい。
【0020】
図2は、座席管理処理が行われることにより表示装置25に表示される座席管理画面の表示例を説明するための図である。座席管理処理が開始されると、図2(a)に示す座席管理開始画面が表示される。座席管理開始画面は、左側領域30に表示される編集メニュー欄31と、中央から右側に亘る領域50に表示されるマップ画面51と、上部領域70に表示されるレイアウトシミュレーションアイコン71とを含む。
【0021】
マップ画面51には、オフィスのフロアに配置されている座席に対応する所定数の座席オブジェクトや設備オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトが表示される。座席レイアウトは、座席レイアウト情報等に基づきサーバ100側で特定され、サーバ100からの情報に基づいてマップ画面51に表示される。図2(a)では、矩形状の建物b内のうち、エレベータや手洗いなど共有スペースとなる中央部分cを除く領域がオフィスとして利用可能なスペースであり、座席に対応する座席オブジェクトmが中央部分cを囲むように配置されている座席レイアウトが例示されている。また、図2(a)では、組織が階を跨いで複数のフロアを利用している場合が例示されており、マップ画面51の左上において「9F」~「12F」が示されており、9階から12階の4フロアを利用していることが示されている。さらに、図2(a)では、「10F」を網掛け表示(他と異なる態様で表示)することによりマップ画面51に「10F」の座席レイアウトが表示されていることを示し、他の階数をクリックすることにより対応する階の座席レイアウトに切り替えて表示される。
【0022】
編集メニュー欄31には、選択ツールメニュー欄32と、オブジェクト追加メニュー欄33とが表示されている。選択ツールメニュー欄32には、マップ移動アイコン32aと、オブジェクト選択アイコン32bとが表示されている。マップ移動アイコン32aは、マップ画面51に表示する部分を移動あるいは拡大縮小させるためのアイコンである。例えば、マップ移動アイコン32aをクリック操作した後において、マップ画面51へのドラッグ操作によりマップ画面51に表示する部分を移動させ、拡大縮小操作(例えば、マウスホイールへの回転操作など)によりマップ画面51に表示する部分を拡大縮小表示させることが可能となる。
【0023】
オブジェクト選択アイコン32bは、マップ画面51に表示されている座席に対応する座席オブジェクトや設備に対応する設備オブジェクトなどを移動させて座席レイアウトを変更するためのアイコンである。例えば、オブジェクト選択アイコン32bをクリック操作した後において、マップ画面51に表示されている座席オブジェクトや設備オブジェクト等をドラッグ操作して任意の位置でドロップすることにより移動させたり、マップ画面51に対しドラッグ操作等により範囲指定することにより、当該範囲内に配置されている座席オブジェクト等をまとめて移動させたりすることが可能となる。
【0024】
オブジェクト追加メニュー欄33には、座席追加アイコン33aと、設備・部屋追加アイコン33bとが表示されている。座席追加アイコン33aは、座席レイアウト上に座席オブジェクトを追加するためのアイコンである。例えば、座席追加アイコン33aをクリック操作することにより、マップ画面51の座席レイアウト上の所定位置に追加する座席オブジェクトが1つ表示され、当該座席オブジェクトをドラッグ操作して任意の位置でドロップすることにより当該座席オブジェクトを追加して配置することができる。これにより、1つずつ追加したい場合に利便性を向上させることができる。また、すでに配置されている座席レイアウト上に対するドラッグ操作等により範囲指定することにより、当該範囲内の座席オブジェクトを選択した状態とし、所定操作(例えば、マウスを右クリック等してコピー、ペーストなどのメニュー画面を表示させてコピーやペーストを選択する操作)により、選択されている座席オブジェクトをコピーあるいはペースト等を行い、ドラッグ操作等により任意の位置に追加して配置することもできる。これにより、まとめて追加したい場合の利便性・操作性を向上させることができる。また、座席オブジェクトの追加や、コピーあるいはペースト等を行った後に、キーボード上における「Redo」や「Undo」に対応するキーへの操作により「やり直し」や「元に戻す」等の処理を行うこともできる。なお、座席追加のための操作はこれに限らず、例えば、座席追加アイコン33aをクリック操作することにより、マップ画面51に重畳させて縦方向および横方向に配置する座席の個数を入力するためのウィンドウ(例えば、縦 個×横 個)が表示され、管理者が数値を入力することにより入力された態様の座席オブジェクトがマップ画面51の座席レイアウト上の所定位置に追加して表示され、当該座席オブジェクトへのドラッグ操作により任意の位置に配置させるものであってもよく、その他の操作方法によるものであってもよい。図2(b)は、座席オブジェクトm1が追加され、さらに縦5個×横2個の座席オブジェクト群m2が追加された様子が示されている。また、図2(c)は、追加された座席オブジェクトm1、座席オブジェクト群m2を所望の位置に移動させた様子が示されている。
【0025】
設備・部屋追加アイコン33bは、座席レイアウト上に複合機などの設備や、会議室や社長室などの部屋を追加するためのアイコンである。例えば、設備・部屋追加アイコン33bをクリック操作することにより、マップ画面51に重畳させて設備・部屋のリストが表示され、当該リストに対するクリック操作により、対応する設備あるいは部屋に対応するオブジェクトが座席レイアウト上の所定位置に表示され、当該オブジェクトをドラッグ操作して任意の位置でドロップすることにより当該オブジェクトを任意の位置に追加して配置させることが可能となる。
【0026】
以上のように、管理者は、編集メニュー欄31内のアイコンやマップ画面51への操作により、座席レイアウトを管理・変更することができ、座席レイアウトの変更に伴って座席レイアウト情報を含む組織情報も更新される。なお、座席管理画面においては、座席レイアウトの管理のみならず、座席レイアウト上における座席オブジェクト各々に割り当てられている社員およびその社員が属する部門などを管理者の操作により変更することができ、当該変更に伴わせて座席レイアウト情報を含む組織情報も更新される。
【0027】
また、座席管理画面において、レイアウトシミュレーションアイコン71をクリックすることにより、サーバ100のプロセッサ10に座席管理プログラムのうちの座席シミュレーションプログラムに従った処理を行わせる。これにより、サーバ100において座席管理処理のうちの座席シミュレーション処理が開始可能となり、座席シミュレーション画面を表示するための情報がサーバ100から提供(出力)されて、管理者PC200の表示装置25に座席シミュレーション画面が表示される。座席シミュレーション処理とは、座席管理画面において作成・管理されている座席レイアウト上の座席オブジェクトのうちから、人員が配属されている複数種類の部門(グループの一例)のうちで1以上の指定された部門の人員が使用する座席数に対応する座席オブジェクト群を新たに決定して提示する処理である。
【0028】
図3図7は、座席シミュレーション処理が行われることにより表示装置25に表示される座席シミュレーション画面の表示例を説明するための図である。座席シミュレーション処理が開始されると、図3(a)に示す座席シミュレーション開始画面が表示される。座席シミュレーション開始画面は、左側領域35に表示されるグループ指定アイコン欄36と、中央から右側に亘る領域50に表示されるマップ画面51とを含む。
【0029】
グループ指定アイコン欄36には、座席シミュレーションを行う対象となるグループ(本実施形態では部門)を指定するアイコンとして、第1指定アイコン37、第2指定アイコン38、第3指定アイコン39が表示されている。第1指定アイコン37は、部門の構成を示す組織一覧から指定するアイコンである。第2指定アイコン38は、マップ画面56に対しドラッグ操作等により範囲指定することにより、当該範囲内に配置されている座席オブジェクトに割り当てられている部門を指定するアイコンである。第3指定アイコン39は、入力操作等により新たな部門を作成し、当該部門を指定するアイコンである。以下では、主に、第1指定アイコン37がクリックされて部門を指定する場合を例示する。
【0030】
図3(b)は、第1指定アイコン37がクリックされたときに表示される組織一覧画面の表示例である。組織一覧画面は、部門情報に基づき生成される。図3(b)では、組織一覧として、総務部、経理部、コーポレイト本部、お客様相談室等、第1階層となる部門名が表示されるとともに、部門毎に配属されている人員の数(例えば、総務部であれば「13」人であること)が表示されている。また、人員の数の右側には、第1階層の部門に属する第2階層の部門を表示するための下層表示用アイコン(下向き矢印のアイコン)が表示されている。
【0031】
図3(c)は、コーポレイト本部に対応する下層表示用アイコンがクリックされたときの表示例を示している。図3(c)に示すように、コーポレイト本部の下層に属する営業部と法務部とが人員の数・下層表示用アイコンとともに表示される。この状態において、例えば営業部に対応する下層表示用アイコンをクリックすると、営業部の下層に属する部門がさらに表示されることになる。
【0032】
図3(b)に戻り、部門名の左側には、チェックボックスが表示される。管理者は、例えば、総務部と経理部とを指定する場合に、当該部門に対応するチェックボックスをクリックすることにより指定可能となる。指定されると、図3(b)に示すように、チェックボックス内にチェックマークが表示される。また、部門を指定すると、当該部門および人数が画面右側の領域において表示される。図3(b)では、「2項目を指定中」と表示され、「総務部 13」および「経理部 15」が表示されている。なお、指定済の部門に対応するチェックボックスを再度クリックすることにより当該部門の指定を解除できる。
【0033】
組織一覧画面の下方には、「やめる」アイコンと、「反映」アイコンとが表示されている。「やめる」アイコンがクリックされた場合には、座席シミュレーション処理を終了して座席管理画面に戻る。一方、「反映」アイコンがクリックされた場合には、指定した部門を対象として次の処理に進み、図4(a)に示す座席数設定画面に遷移する。
【0034】
座席数設定画面では、指定した部門が使用する座席数を変更することができる。座席シミュレーションの利用場面には、例えば、オフィスの移転時や、座席レイアウトの変更時、人事異動発生時、新入社員の入社や社員の退職時などの場面が想定されるところ、このような場面において部門の人数変更等は往々にして発生し得る。このため、座席シミュレーションを行う際には、人数の変更に対応するために人員の変化を見越して、座席数設定画面に遷移するように構成されている。
【0035】
座席数設定画面では、図4(a)に示すように、指定している部門と、部門に配属されている現在の人数と、座席変更数を増減させるための入力部と、増減を加味した合計座席数とが表示される。入力部のうち「+」マークをクリックすることにより座席数が1ずつ加算され、「-」マークをクリックすることにより座席数が1ずつ減算される。例えば、図4(a)の表示状態において、総務部についての「+」マークを1回クリックした場合には、座席変更数に「+1」と表示されるとともに、合計座席数が「14」に更新表示される。なお、座席数を増減させたとしても、部門情報について更新されることはない。座席数の設定を完了する場合には、下方の「次のステップへ」アイコンをクリックすることにより次の処理に進み、図4(b)に示す結果出力グループ指定画面に遷移する。
【0036】
結果出力グループ指定画面では、組織一覧画面等において指定した部門のうち、実際に座席シミュレーションの結果を出力する部門を指定することができる。これにより、組織一覧画面等において複数指定していた場合であっても、そのうちからさらに厳選・選択した部門についての座席シミュレーション結果を出力できるため管理者の利便性を向上させることができる。結果出力グループ指定画面では、指定している部門と、増減後の人数(総座席数)と、現在位置を確認するためのボタンアイコンと、部門に対応するチェックボックスとが表示される。ボタンアイコンをクリックすると、マップ画面51の座席レイアウト上において、当該ボタンアイコンに対応する部門に属する人員の現在の座席オブジェクトの表示態様が変化するとともに、当該座席オブジェクトと近接あるいは重畳する位置に部門名および現在の座席数が表示される。
【0037】
図4(c)は、経理部に対応するボタンアイコンがクリックされた状態を示している。図4(c)に示されるように、経理部に対応するボタンアイコンがクリックされると、当該ボタンアイコンの表示態様が変化するとともに、マップ画面51の座席レイアウト上において、経理部の座席オブジェクトの表示態様が強調表示(図4(c)ではグレー(縞模様)で強調表示されていることを図示している)されるとともに、「経理部 15」といった画像が表示される。これにより、座席シミュレーションの結果を出力する前の段階において、指定されている部門の現在位置を確認することができる。
【0038】
なお、図4(b)では、指定している部門の座席オブジェクトの表示態様が強調表示されておらず、図4(c)で示すようにボタンアイコンがクリックされた部門の座席オブジェクトの表示態様が強調表示される例について説明した。しかし、これに限らず、図4(b)の段階において、指定している部門すべての座席オブジェクトの表示態様を強調表示(部門毎に異なる色)し、ボタンアイコンがクリックされた場合には、当該クリックされた部門の座席オブジェクトの強調表示を維持する一方、クリックされていない部門の座席オブジェクトの表示態様を目立たない態様(例えば、指定されていない部門の座席オブジェクトと同じ態様、あるいは、灰色表示等)に切り替えるようにしてもよい。
【0039】
また、結果出力グループ指定画面においては、部門に対応するチェックボックスをクリックすることにより、結果を出力する部門として指定される。指定されると、図4(b)に示すように、チェックボックス内にチェックマークが表示される。なお、指定済の部門に対応するチェックボックスを再度クリックすることにより指定を解除できる。結果出力グループの指定を完了する場合には、下方の「次のステップへ」アイコンをクリックすることにより次の処理に進み、図5(a)に示す配置先指定画面に遷移する。
【0040】
配置先指定画面では、結果出力グループ指定画面において指定した部門の配置先となり得る範囲を指定することができる。これにより、座席シミュレーションにより、全く意図していない場所に配置されたものが提示されることを防止できる。配置先指定画面において範囲を指定する方法としては、配置先指定画面において「画面右側のマップをドラッグして範囲を指定」と記載されているように、マップ画面51の座席レイアウト上においてドラッグ操作することにより範囲を指定する方法と、「フロアを指定」アイコンが表示されているように配置先となり得るフロアを指定する方法とを備えている。
【0041】
「フロアを指定」アイコンがクリックされた場合には、図5(b)に示すように、配置先指定画面に重畳してフロアを指定するためのウィンドウが表示され、指定するフロアに対応するチェックボックスをクリックしてチェックマークを表示させて、決定アイコンをクリックすることにより、指定したフロア内の座席オブジェクトのうちから指定された部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群が座席候補として決定されて、座席シミュレーション結果として提示(表示)される。なお、「フロアを指定」する場合には、指定したフロア全体が配置先となり得る範囲にデフォルトとして設定されて、指定したフロアの全座席オブジェクトのうちから指定された部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群が座席候補として決定されて座席シミュレーション結果が表示されるが、これに限らず、フロアを指定した後に、当該フロアの座席レイアウト上においてドラッグ操作することにより範囲を指定できるようにしてもよい。
【0042】
図6は、座席シミュレーション結果提示画面の表示例を示している。座席シミュレーション処理では、座席シミュレーション結果として、候補1~4の座席候補が提示される。候補1~4の座席候補は、座席レイアウトの所定位置を基準として決定される。所定位置とは、例えば、配置先となる範囲のうち右下隅に位置するP1、左下隅に位置するP2、左上隅に位置するP3、および、右上隅に位置するP4である。候補1の座席候補は、P1に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群である。候補2の座席候補は、P2に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群である。候補3の座席候補は、P3に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群である。候補4の座席候補は、P4に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群である。
【0043】
図6(a)では、図5(b)に示されるように、9階が指定された例を示している。なお、本実施形態においては、9階の座席レイアウトは10階と同じである例を示す。図6(a)に示されるように、候補1をクリックすると、候補1が「表示中」となり、マップ画面51の座席レイアウト上における候補1の座席候補に対応する座席オブジェクト群(P1に近接する座席オブジェクトから決定された座席オブジェクト群)の表示態様を変化させることにより提示される。座席オブジェクト群の表示態様は、部門毎に異なる表示態様(例えば異なる色、図6では縦線と横線とで異なることを示している)となり、かつ、座席オブジェクト群に近接して対応する部門名と座席数とが表示される。また、部門名と座席数とを囲う枠線の表示態様は、座席オブジェクト群の表示態様と同様に、部門毎に異なる表示態様(例えば異なる色、対応する部門の座席オブジェクト群と同じ色、図6では実線と点線とで異なることを示している)となる。これにより、座席レイアウト上に示された座席候補がいずれの部門に対応する座席候補であるのかをわかりやすく報知できる。
【0044】
また、図6(b)に示されるように、候補2をクリックすると、候補2が「表示中」となり、マップ画面51の座席レイアウト上における候補2の座席候補に対応する座席オブジェクト群(P2に近接する座席オブジェクトから決定された座席オブジェクト群)の表示態様を変化させることにより提示される。同様に、候補4をクリックすると、候補4が「表示中」となり、マップ画面51の座席レイアウト上における候補4の座席候補に対応する座席オブジェクト群(P4に近接する座席オブジェクトから決定された座席オブジェクト群)の表示態様を変化させることにより提示される。このように、座席シミュレーション結果提示画面においては、所定位置に近接する座席オブジェクトから指定した部門が使用する座席数分だけ決定された座席オブジェクト群が座席候補として複数提示される。その結果、管理者は各座席候補を比較でき、検討しやすくなる。
【0045】
また、座席シミュレーション結果提示画面の下方には、「この結果をシェアする」アイコンが表示される。「この結果をシェアする」アイコンをクリックすることにより、現在表示中の座席候補を特定可能となる情報を座席シミュレーション情報として保存されるとともに、当該座席候補のアクセス先(リンク先、URL等)が表示される。管理者は、当該アクセス先をコピーして他者に伝えることにより、当該座席候補を他者とシェアすること等ができる。なお、シェアする座席候補は、現在表示中の座席候補に限らず、提示されたすべての座席候補であってもよい。また、表示あるいは保存した座席候補は、例えば座席管理画面において所定操作により読み込み、実際の座席レイアウト上に反映させることができる。
【0046】
一方、図5(a)に示す配置先指定画面において、マップ画面51の座席レイアウト上においてドラッグ操作することにより範囲を指定した場合(例えば、図7(a))には、指定した範囲内の座席オブジェクトのうちから指定された部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群が座席候補として決定されて、座席シミュレーション結果として提示(表示)される。このように、直感的に配置先を選択できる。また、この場合においても、座席シミュレーション処理では、座席シミュレーション結果として、候補1~4の座席候補が提示される。候補1~4の座席候補は、座席レイアウトの所定位置を基準として決定される。
【0047】
しかし、フロアを指定する場合と異なり、ドラッグ操作することにより範囲を指定した場合の所定位置は、例えば、図7(a)に示すように座席レイアウト上の左下の点線で示す範囲を指定した場合、当該指定された範囲のうち右下隅に位置するP1’、左下隅に位置するP2’、左上隅に位置するP3’、および、右上隅に位置するP4’となる。つまり、候補1の座席候補は、P1’に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群となる。候補2の座席候補は、P2’に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群となる。候補3の座席候補は、P3’に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群となる。候補4の座席候補は、P4’に近接する座席オブジェクトから指定された部門毎に決定された座席オブジェクト群であり、当該部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群となる。
【0048】
次に、図5(a)に示す配置先指定画面において、マップ画面51の座席レイアウトに対してドラッグ操作することにより範囲を指定した場合においては、座席数が不足する状況も生じ得る。例えば、総務部「13」と、経理部「15」とを指定した状態で、図7(a)に示すように、座席レイアウト上の左下の点線で示す範囲を指定した場合には、当該指定した範囲内の座席オブジェクト数が「26」であるため、選択された部門の総座席数が指定した範囲内の座席オブジェクト数よりも多くなり、座席の不足が生じてしまう。
【0049】
この場合においては、座席シミュレーション結果提示画面として、図7(b)および図7(c)に例示する画面が表示される。候補1の座席候補では、図7(b)に示すように、総務部については合計座席数「13」の座席数の座席オブジェクト群が確保できているものの、経理部については合計座席数「15」のうち「13」しか確保できず残り「2」について確保できていない。このため、経理部に対応して、確保できた座席数として「13」が示されつつ、確保できておらず増加させる必要のある座席数として「+2」が示されている。
【0050】
また、候補2の座席候補では、図7(c)に示すように、経理部については合計座席数「15」の座席数の座席オブジェクト群が確保できているものの、総務部については合計座席数「13」のうち「11」しか確保できず残り「2」について確保できていない。このため、総務部に対応して、確保できた座席数として「11」が示されつつ、確保できておらず増加させる必要のある座席数として「+2」が示されている。これにより、部門が使用する座席数に不足が生じており、座席を追加で何個確保する必要があるのかをわかりやすく報知できる。なお、座席に不足が生じている場合には、範囲を再指定するためのドラッグ操作を再度受け付けるようにしてもよく、座席管理画面と同様に座席オブジェクトを追加できるようにしてもよい。
【0051】
なお、図7では、座席数が不足する状況が生じ得る例として、マップ画面51の座席レイアウトに対してドラッグ操作することにより範囲を指定した場合を例示したが、これに限らず、フロアを指定あるいはフロア全体を指定した場合でも、座席レイアウト上に配置されている座席オブジェクト数が指定した部門の使用する座席数よりも少ない場合には、座席数が不足する状況が生じ得る。フロアを指定あるいはフロア全体を指定した場合において座席数が不足する状況が生じた場合にも、図7に例示した態様と同様に、確保できた座席数と、確保できておらず増加させる必要のある座席数とを特定可能となる態様で表示される。
【0052】
次に、座席シミュレーション処理のフローチャートを説明する。図8は、座席シミュレーション処理の流れの一例を示すフローチャートである。座席シミュレーション処理は、前述のとおり、座席管理画面においてレイアウトシミュレーションアイコン71がクリックされることにより、サーバ100のプロセッサ10により行われる。しかし、これに限らず、座席管理プログラムおよび組織情報等を管理者PC200のストレージ22において格納し、管理者PC200側において座席管理プログラムに従った座席シミュレーション処理を行い表示するものであってもよい。
【0053】
ステップS01では、図3(a)に示す座席シミュレーション開始画面を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われる。具体的には、座席レイアウト情報等の組織情報に基づいて所定数の座席オブジェクトや設備オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを含む画面を特定するための情報を出力する。
【0054】
ステップS02では、第1指定アイコン37への入力操作があったか否かが判定される。第1指定アイコン37への入力操作があったと判定されたときには、ステップS03において図3(b)に示す組織一覧画面を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われる。具体的には、部門情報等の組織情報に基づいて部門構成や部門人数などを含む画面を特定するための情報を出力する。ステップS03では、図3(b)および図3(c)で説明した部門の人数特定や入力操作に応じて画面更新するための処理なども行われる。
【0055】
ステップS04では、部門(グループ)を指定するための指定操作を受け付けた後、反映アイコンへの入力操作があったか否かが判定される。ステップS04において部門を指定するための指定操作を受け付けたと判定されないときや、反映アイコンへの入力操作があったと判定されないときには、再びステップS03へ移行する一方、部門を指定するための指定操作を受け付けた後、反映アイコンへの入力操作があったと判定されたときには、ステップS09へ移行する。
【0056】
一方、ステップS02において第1指定アイコン37への入力操作があったと判定されなかったときには、ステップS05において第2指定アイコン38への入力操作があったか否かが判定される。第2指定アイコン38への入力操作があったと判定されたときには、ステップS06においてドラッグ操作により指定された範囲内に配置されている座席に現在配置されている部門を座席レイアウト情報に基づいて特定し、当該部門が指定された組織一覧画面(当該部門に対応するチェックボックスにチェックマークが入っている画面)を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われ、ステップS03へ移行する。
【0057】
ステップS05において第2指定アイコン38への入力操作があったと判定されなかったときには、ステップS07において第3指定アイコン39への入力操作があったか否かが判定される。第3指定アイコン39への入力操作があったと判定されたときには、ステップS08において入力操作に応じて新たな部門(人数含む)を作成し、当該部門が指定された組織一覧画面(当該部門に対応するチェックボックスにチェックマークが入っている画面)を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われ、ステップS03へ移行する。ステップS07において第3指定アイコン39への入力操作があったと判定されなかったときには、ステップS02へ移行する。なお、ステップS06またはS08における処理が行われた後においては、すでに部門が指定されているため、ステップS09へ移行するものであってもよい。
【0058】
ステップS09では、図4(a)に示す座席数設定画面を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われる。ステップS09では、図4(a)で説明した入力操作に応じて座席数を増減させて合計座席数を特定するための処理なども行われる。
【0059】
ステップS10では、次のステップへの入力操作があったか否かが判定され、入力操作があったと判定されなかったときには再びステップS09へ移行する一方、入力操作があったと判定されたときにはステップS11へ移行する。
【0060】
ステップS11では、図4(b)に示す結果出力グループ指定画面を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われる。ステップS11では、図4(c)で説明した入力操作に応じて部門の現在位置を特定して表示するための処理なども行われる。
【0061】
ステップS12では、次のステップへの入力操作があったか否かが判定され、入力操作があったと判定されなかったときには再びステップS11へ移行する一方、入力操作があったと判定されたときにはステップS13へ移行する。ステップS13では、結果出力グループ指定画面で指定された部門が使用する座席数(合計座席数)を特定する。
【0062】
ステップS14では、図5(a)に示す配置先指定画面を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われる。ステップS14では、入力操作に応じて図5(b)や図7(a)に示すように表示を更新するための処理なども行われる。
【0063】
ステップS15では、配置先を指定するための入力操作(例えば、図5(b)に示す決定アイコンへのクリック操作、図7(a)に示す座席レイアウト上への範囲指定操作(ドラッグ操作))があったか否かが判定され、入力操作があったと判定されなかったときには再びステップS14へ移行する一方、入力操作があったと判定されたときにはステップS16へ移行する。
【0064】
ステップS16では、指定された配置先における所定位置を特定する。所定位置は、図6(a)に示したP1~P4や、図7(a)に示したP1’~P4 ’であり、指定された配置先の範囲に応じて特定される位置である。ステップS17では、所定位置を基準として当該所定位置に近接して配置されている座席オブジェクトのうちから、指定された部門毎に特定されている座席数分の座席オブジェクト群を決定する。具体的に、例えば、P1を基準として、当該P1に近接して配置されている座席オブジェクトのうちから、指定された部門毎に特定されている座席数分の座席オブジェクト群を候補1の座席候補として決定し、P2~P4についても同様に、各々の位置を基準として、各々の位置に近接して配置されている座席オブジェクトのうちから、指定された部門毎に特定されている座席数分の座席オブジェクト群を候補2~4の座席候補として決定する。
【0065】
ステップS18では、図6図7(b)等に示す座席シミュレーション結果提示画面を管理者PC200の表示装置25において表示するための処理が行われて、座席シミュレーション処理を終了する。ステップS18では、図6図7(b)等で説明したとおり、座席候補の座席オブジェクト群を部門毎に異なる表示態様で表示したり、座席数に不足が生じているときに必要数(不足数)を表示したり、シェア時には座席候補を保存しつつアクセス先を表示したりするための処理なども行われる。また、表示あるいは保存した座席候補は、例えば座席管理画面において所定操作により読み込み、実際の座席レイアウト上に反映させることができる。
【0066】
<本実施形態の効果>
上記の実施形態によれば、人員が配属されている複数種類の部門のうち座席レイアウト上に配置させてシミュレーション結果を表示させたい1以上の部門を管理者(ユーザ)が指定(図8のステップS11、S12等)することにより、当該部門の人員が使用する座席数が特定され(図8のステップS13)、当該特定された座席数に対応する座席オブジェクトが指定された部門に対応する座席オブジェクト群として決定され、当該座席オブジェクト群の表示態様を変化させることにより提示される(図8のステップS17、S18)。これにより、部門間における関連度合いや設備の利用頻度等を管理者が考慮して、直感的に操作でき、かつ部門単位で座席候補を確認できるため、利便性の高い座席レイアウトを簡便に提示・作成等できる。
【0067】
また、組織情報には、複数種類の部門各々に配属されている人員の数を特定可能な部門情報が含まれており、当該部門情報に基づいて指定された部門が使用する座席数を特定し、さらに図4(a)に示されるように増減操作により増減させることができる。これにより、座席シミュレーションの利用場面において部門の人数変更等が往々にして発生し得ることを考慮して対応できるため、利便性・操作性を向上させることができる。
【0068】
また、図5(a)に示す配置先指定画面において、マップ画面51の座席レイアウト上においてドラッグ操作することにより範囲を指定した場合には、指定した範囲内の座席オブジェクトのうちから指定された部門が使用する座席数分の座席オブジェクト群が座席候補として決定されて、座席シミュレーション結果として提示(表示)される。この場合において、指定した範囲内の座席オブジェクトの数が指定した部門が使用する座席数未満である場合には、図7(b)等に示すように、当該範囲内の座席オブジェクトを座席オブジェクト群として決定し、当該決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させるとともに、不足している座席数(必要数)を特定するための情報が表示される。これにより、部門が使用する座席数に不足が生じており、座席を追加で何個確保する必要があるのかをわかりやすく報知できる。
【0069】
また、図6図7(a)で例示したように、座席レイアウト上における所定位置を基準として、当該所定位置に近接する座席オブジェクトを指定された部門に対応する座席オブジェクト群として決定される。これにより、基準が設けられていないものと比較して、処理負担を軽減できる。
【0070】
また、図3(b)等で示したように、部門を指定する際には、第1階層の部門を複数表示し、当該第1階層の部門のいずれかを選択する選択操作により当該部門に含まれる第2階層の部門を表示する組織一覧画面を表示し、当該記第1階層の部門および第2階層の部門に対応するチェックボックスへの操作により当該部門を指定できる。これにより、部門を指定する際の視認性、明確性、および利便性を向上できる。
【0071】
また、座席レイアウト情報は、複数の部門各々について現在配置されている座席の位置を特定可能な情報が含まれる。また、図8のステップS06等で説明したように、ドラッグ操作により指定された範囲内に配置されている座席に現在配置されている部門を座席レイアウト情報に基づいて特定し、当該部門を指定できる。これにより、部門の指定を感覚的にわかりやすく簡便に行うことができる。
【0072】
<変形例>
以上説明した実施形態の変形例などを以下に列挙する。
【0073】
(1) 上記実施形態では、管理者により指定された1以上の部門(グループ)に対応する座席オブジェクト群が、座席レイアウト上における所定位置を基準として当該所定位置に近接する座席オブジェクトから決定される例について説明したが、部門単位でかつ座席オブジェクト群として決定されるものであれば、例えば指定された部門毎に乱数などを用いてランダムに座席オブジェクト群を決定するものであって、2以上の部門が指定された場合の決定結果によっては各部門の座席オブジェクト群が離れたものとなり得るものであってもよい。
【0074】
また、組織情報として複数の部門間における関連度合いを特定可能な情報を記憶し、2以上の部門が指定された場合に、当該指定された部門間における関連度合いの高低(強弱)に基づいて当該指定された部門に対応する座席オブジェクト群を決定するものであってもよく、例えば、関連度合いが低い(弱い)部門同士である場合よりも関連度合いが高い(強い)部門同士である場合の方が、指定された部門が近接するように座席オブジェクト群を決定するものであってもよい。これにより、部門間における関連度合いを踏まえた座席オブジェクト群が決定されて提示されるため、より一層利便性の高い座席レイアウトを簡便に提示・作成等できる。
【0075】
複数の部門間における関連度合いとは、例えば、部門間においてメールやチャットツールなどにより連絡を取り合う頻度や、同じ会議・打ち合わせに出席する頻度、共通のファイルデータを共有し合う頻度などに応じて特定されるものであって、それらの頻度が高い程関連度合いが高い(強い)といえ、頻度が低い程関連度合いが低い(弱い)といえる。また、複数の部門間における関連度合いは、管理者からの入力操作により設定されるものであってもよく、また、メールやチャットツールの履歴、予定表の履歴、データ共有の履歴などから座席管理システム1により抽出・蓄積・更新されるものであってもよい。
【0076】
図9(a)は、複数の部門間における関連度合いとして、経理部の関連度合いを示している。経理部と関連度合いが最も高い部門は、総務部であり、次に人事部、コーポレイト部などが続き、下位の10位においてインフラ管理部などが続いている。このような前提において、例えば、座席シミュレーション時において、経理部と総務部と人事部とインフラ管理部との4つの部門が指定された場合には、経理部と関連度合いが高い総務部および人事部各々が、関連度合いが低いインフラ管理部よりも近接するように、指定された部門各々に対応する座席オブジェクト群が決定されるようにしてもよい。これにより、部門間における関連度合いを踏まえた座席オブジェクト群が決定されて提示されるため、より一層利便性の高い座席レイアウトを簡便に提示・作成等できる。
【0077】
また、上記実施形態では、座席シミュレーションを1回行う例について説明したが、これに限らず、1回目の座席シミュレーションで決定された座席候補が模擬的に配置されている前提で、2回目以降の座席シミュレーションを行うことができ、未だ模擬的に配置されていない座席オブジェクトから2回目以降に指定された部門に対応する座席オブジェクト群を決定するものであってもよい。また、この場合においても、座席シミュレーションで新たに指定された部門と、すでに模擬的に配置されている部門との関連度合いの高低に基づいて当該指定された部門に対応する座席オブジェクト群を決定するものであってもよく、例えば、すでに模擬的に配置されている部門のうち新たに指定された部門との関連度合いが低い部門よりも関連度合いが高い部門に近接するように、当該新たに指定された部に対応する座席オブジェクト群を決定するものであってもよい。
【0078】
また、組織情報として複数の部門と複数種類の設備との関連度合いを特定可能な情報を記憶し、指定された部門と座席レイアウトに配置されている複数種類の設備との関連度合いの高低に基づいて当該指定された部門に対応する座席オブジェクト群を決定するものであってもよく、例えば、関連度合いが低い設備が配置されている位置よりも関連度合いが高い設備が配置されている位置に近接するように座席オブジェクト群を決定するものであってもよい。
【0079】
複数の部門と複数種類の設備との関連度合いとは、例えば、ある部門についての会議室の利用頻度や、複合機の利用頻度、サーバ室の利用頻度などに応じて特定されるものであって、それらの頻度が高い程関連度合いが高いといえ、頻度が低い程関連度合いが低いといえる。また、複数の部門と複数種類の設備との関連度合いは、管理者からの入力操作により設定されるものであってもよく、また、メールやチャットツールの履歴、予定表の履歴、データ共有の履歴などから座席管理システム1により抽出・蓄積・更新されるものであってもよい。
【0080】
図9(b)は、複数の部門と複数種類の設備との関連度合いとして、経理部の関連度合いを示している。経理部と関連度合いが最も高い設備は、社長室であり、次に貴賓室、エントランスなどが続き、下位の10位において開発室などが続いている。このような前提において、例えば、座席シミュレーション時において、経理部が指定された場合には、経理部と関連度合いが低い設備よりも関連度合いが高い社長室に近接するように、経理部に対応する座席オブジェクト群が決定されるようにしてもよい。これにより、設備の利用頻度を踏まえた座席オブジェクト群が決定されて提示されるため、より一層利便性の高い座席レイアウトを簡便に提示・作成等できる。
【0081】
なお、指定された部門に対応する座席オブジェクト群の決定に用いる関連度合いとしては、複数の部門間における関連度合いや、複数の部門と複数種類の設備との関連度合いを例示したが、これに限らず、複数の部門と現在進行中の複数種類のプロジェクトとの関連度合いであってもよく、またいずれか一つの関連度合いのみを考慮するものであってもよく、複数の関連度合い(例えば、複数の部門間における関連度合いと、複数の部門と複数種類の設備との関連度合いとの双方)を考慮するものであってもよい。
【0082】
(2) 上記実施形態では、組織や会社を構成する部門を指定することにより、指定された1以上の部門(グループ)に対応する座席オブジェクト群が決定される例について説明したが、指定する対象は部門に限るものではない。例えば、組織に属する人員に対して任意にタグ情報(例えば、フットサルチーム所属、登山部等)を対応付け可能とし、当該タグ情報を指定することにより、当該してされたタグ情報が対応付けられている人員からなるグループを指定し、当該グループに対応する座席オブジェクト群が決定され得るようにしてもよい。これにより、タグ情報から特定されるグループ(組織とは直接関係のないグループ)で座席シミュレーションを行うことができ、活用できる場面を広げることができる。
【0083】
(3) 上記実施形態では、図4(a)に示す座席数設定画面から結果出力グループ指定画面に遷移して結果出力する部門を最終指定する例について説明したが、これに限らず、結果出力グループ指定画面において最終指定することを要することなく、組織一覧画面において指定された部門について結果出力するようにしてもよい。これにより、部門を指定する回数を低減でき、操作性が向上する。
【0084】
(4) 上記実施形態では、図4(c)で例示されるように、座席島において隣り合うあるいは向かい合う座席オブジェクトすべてが、人員が使用する座席として設定されている例について説明したが、座席島において人員が使用する座席が横方向において一つ飛ばしあるいは向かい合う座席が空席となるように設定され得るものであってもよい。また、座席シミュレーション結果で提示する際においても、座席島において隣り合うあるいは向かい合う座席オブジェクトすべて空きがなく人員が使用する座席とするか、座席島において人員が使用する座席が横方向において一つ飛ばしとするか、座席島において人員が使用する座席と向かい合う座席が空席とするかを選択でき、選択結果にしたがった座席候補を提示するようにしてもよい。これにより、利便性をさらに向上させることができる。
【0085】
(5) 上記実施形態においては、単一の建物におけるオフィスのフロア、座席、設備等を対象として座席シミュレーション表示を行う例について説明したが、単一の建物等を対象とするものに限るものではない。例えば、複数の建物(複数の拠点)におけるオフィスのフロア、座席、設備等を対象として座席シミュレーション表示を行うものであってもよい。これにより、複数の建物あるいは複数の拠点に関するシミュレーションを行い、その結果を確認できるため、利便性をより向上させることができる。
【0086】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0087】
(付記1):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサ、メモリ、および、入力部を備える情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記プロセッサに、所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行うステップと、人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、当該指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定するステップと、前記座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、前記特定するステップにより特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定するステップとを実行させ、前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる。
【0088】
(付記2):
(付記1)において、前記メモリは、前記複数種類のグループ各々に配属されている人員の数を特定可能な第1情報を記憶し、前記特定するステップは、前記第1情報に基づいて指定されたグループに属する人員の数を当該人員が使用する座席数として特定するステップと、前記特定された座席数を、ユーザからの変更操作に応じて増減可能とするステップとを含む。
【0089】
(付記3):
(付記1)または(付記2)において、前記決定するステップは、指定されたグループが配置可能となる範囲を前記座席レイアウト上においてユーザが指定するための範囲操作であって、当該範囲操作に応じた範囲内の座席オブジェクトのうちから、指定されたグループに対応する座席オブジェクト群を決定し、範囲操作に応じた範囲内の座席オブジェクトの数が前記特定するステップにより特定された座席数未満である場合、前記決定するステップは、当該範囲内の座席オブジェクトを座席オブジェクト群として決定し、前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させるとともに、不足している座席数を特定するための情報を表示するための処理を行う。
【0090】
(付記4):
(付記1)から(付記3)のいずれかにおいて、前記メモリは、前記複数種類のグループ間における関連度合いを特定可能な第2情報を記憶し、前記決定するステップは、指定操作に応じて指定されたグループが3以上である場合、前記第2情報に基づいて、当該3以上のグループのうち関連度合いが高いグループが近接するように、当該3以上のグループ各々に対応する座席オブジェクト群を決定する。
【0091】
(付記5):
(付記1)から(付記4)のいずれかにおいて、前記メモリは、前記複数種類のグループ間における関連度合いを特定可能な第2情報を記憶し、前記決定するステップは、前記座席レイアウト上において既にいずれかのグループに対応する座席オブジェクト群が決定されている状態において、当該座席レイアウト上に配置させるグループが新たに指定された場合、前記第2情報に基づいて、すでに座席オブジェクト群が決定されているグループのうち新たに指定されたグループとの関連度合いが高いグループと近接する座席オブジェクトを、当該新たに指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定する。
【0092】
(付記6):
(付記1)から(付記5)のいずれかにおいて、前記決定するステップは、前記座席レイアウト上における所定位置を基準として、当該所定位置に近接する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定する。
【0093】
(付記7):
(付記1)から(付記6)のいずれかにおいて、前記座席レイアウト上には、人員が利用可能な複数種類の設備が予め定められた位置に配置されており、前記メモリは、複数種類のグループと前記複数種類の設備との関連度合いを特定可能な第3情報を記憶し、前記決定するステップは、前記第3情報に基づいて、指定操作に応じて指定されたグループと関連度合いが高い設備が配置されている位置に近接するように、当該指定されたグループに対応する座席オブジェクト群を決定する。
【0094】
(付記8):
(付記1)から(付記7)のいずれかにおいて、前記プロセッサに、前記複数種類のグループのうち第1階層のグループを複数表示し、当該第1階層のグループのいずれかを選択する選択操作により当該グループに含まれる第2階層のグループを複数表示するための処理を行うステップを実行させ、前記指定操作は、前記第1階層のグループを指定する操作と、前記第2階層のグループを指定する操作とを含む。
【0095】
(付記9):
(付記1)から(付記8)のいずれかにおいて、前記メモリは、前記座席レイアウト上における前記複数種類のグループ各々の現在配置位置を特定可能な第4情報を記憶し、前記指定操作は、前記座席レイアウトに対して範囲を指定することにより、前記第4情報に基づく現在配置位置が当該指定した範囲内となるグループを指定する操作を含む。
【0096】
(付記10):
(付記1)から(付記9)のいずれかにおいて、前記プロセッサに、任意の人員に対して任意のタグ情報を対応付けるステップを実行させ、前記指定操作は、タグ情報を指定することにより、当該指定されたタグ情報が対応付けられている人員からなるグループを指定する操作を含む。
【0097】
(付記11):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサ、メモリ、および、入力部を備える情報処理装置において実行される方法であって、前記方法は、前記情報処理装置が、所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行うステップと、人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、当該指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定するステップと、前記座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、前記特定するステップにより特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定するステップとを備え、前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる。
【0098】
(付記12):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、情報処理装置であって、プログラムを記憶する記憶部と、前記プログラムを実行することにより、前記情報処理装置の動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、所定数の座席オブジェクトが所定態様で配置されている座席レイアウトを表示するための処理を行うステップと、人員が配属されている複数種類のグループのうち座席レイアウト上に配置させる1以上のグループをユーザが指定するための指定操作であって、当該指定操作に応じて指定されたグループの人員が使用する座席数を特定するステップと、前記座席レイアウト上における座席オブジェクトのうちから、前記特定するステップにより特定された座席数に対応する座席オブジェクトを指定されたグループに対応する座席オブジェクト群として決定するステップとを実行させ、前記表示するための処理を行うステップは、前記決定された座席オブジェクト群の表示態様を変化させる。
【0099】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 座席管理システム、2 ネットワーク、100 サーバ、200 管理者PC
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図9