(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139010
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】情報表示板付料金可変看板
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220915BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20220915BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220915BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07B15/00 M
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039208
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】599164916
【氏名又は名称】日本システムバンク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】永棹 健治
(72)【発明者】
【氏名】坂東 上平
(72)【発明者】
【氏名】梅田 泰永
(72)【発明者】
【氏名】北 藤枝
(72)【発明者】
【氏名】野坂 信嘉
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 芳夫
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA06
3E127CA21
3E127EA04
3E127EA18
3E127EA25
3E127EA33
3E127FA11
5L049BB07
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】
本発明が解決しようとする課題は、設定した駐車料金や駐車料金を変えた時、それが利用者にとってどのようなメリットになるかを、利用者にわかるようにすることである。
【解決手段】
本発明は、基本的に駐車料金にかかわる部分を、ネットワーク通信が行える機器あるいは駐車場で変更できるようにした電子看板であり、あわせて表示した料金や変更時などに利用者が駐車したいと思わせるような情報を表示する情報表示部を設けた。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の運営会社と、該駐車場の運営会社によって管理される駐車場からなり、該管理される駐車場は、駐車料金を精算する精算機と駐車料金およびその他の情報を電子的に表示する看板を備え、駐車場の運営会社は管理する駐車場との間で情報の通信が可能な端末とサーバーを設けるとともに、該サーバーから前記管理される駐車場の精算機の端末に駐車料金と、それに関連する情報を送信して、精算機の料金計算用ファイルを設定・変更するとともに、設定・変更した駐車料金とそれに関連した情報を、それぞれ前記情報を電子的に表示する看板の駐車料金部分と、情報表示部分に電子的に表示できるようにしたことを特徴とする情報表示板付き電子看板
【請求項2】
請求項1の情報表示板付き電子看板において、情報表示部分に表示する内容は、駐車場の管理会社が対象とする駐車場の駐車料金を設定・変更する場合に、該駐車場において一定期間利用客に告知、説明する変更時情報と、定常時に誘客、広告、ニュース、ポイント付与などの顧客へのサービスに関連する定常時情報とを、自動的に分けて表示することを特徴とする情報表示板付き電子看板
【請求項3】
請求項2において、情報表示板に表示する文言は、あらかじめ文例として作成し、それぞれの文例に番号を付して、実際に情報を表示する場合には、該番号を指定する方法で行うことを特徴とする情報表示板付き電子看板
【請求項4】
請求項1の情報表示板付き電子看板において、駐車料金の電子表示に関する部分には、一定の金額で駐車できる時間を表示するようにしたことを特徴とする情報表示板付き電子看板
【請求項5】
請求項2の情報表示板付き電子看板において、通常は駐車料金の表示部分に基本的な時間当たりの駐車料金または一定金額で駐車できる時間を表示し、情報表示部分には、臨時に設定する昼間最大料金、一泊料金、一日最大料金などを表示すること、およびその逆として、通常時は駐車料金の表示部分には昼間最大料金、一泊料金、一日最大料金を表示し、情報表示部分に臨時に設定変更する時間当たりの駐車料金や、一定金額で駐車できる時間を表示するようにしたことを特徴とする情報表示板付き電子看板
【請求項6】
請求項1,2,3,4の情報表示板付き電子看板において、駐車料金の設定・変更を行った後には、一定の期間だけ変更した駐車料金に関わる部分を点滅して利用者の注目を引くようにしたことを特徴とする情報表示板付き電子看板
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車料金や情報を電子的に表示できる駐車場の看板に関する。
【背景技術】
【0002】
大型のゲート式の駐車場においては、しばしば近接の同種駐車場との利用客の奪い合いが生じる。少しでも有利に自己の駐車場を使ってもらえるようにするには、駐車料金を状況に応じて変更できるようにするのが一案である。この場合、駐車料金を変える方法として、看板に明示した料金の数字を人手で書き換えなければならないが、そのような方法では頻繁に書き換えることはできない。これに対して、駐車料金の部分だけを電子表示にして、遠隔で、あるいは現地で変更できる看板がすでに実用化されている。
【0003】
ところで、駐車料金の変更は、通常一定時間例えば30分当たりの駐車料金を100円という場合に、金額部分を変更するようなケースが多いが、この場合同じ時間当たりの駐車料金を例えば120円などにするのは、100円硬貨で精算するのに慣れた利用者にも不便であり、精算機のコインベンダー(硬貨識別機)には10円硬貨を多数用意しなければならないという欠点がある。
【0004】
また、料金の変更を電子的に行うのは簡単なため、あまり頻繁に行うとその駐車場をよく利用している利用者には混乱が生じるであろうし、その料金が近隣の駐車場や、イベントの開催、曜日などで変わった場合にどのような理由やメリットがあるのかがわからないという欠点がある。
【0005】
さらに、現状で駐車料金を値上げするような場合は、変更する前の一定期間、のぼりを立てて来月から駐車料金を変更するといった予告をすることも行われているが、メンテナンス要員が駐車場へ行ってのぼりを立てたり、撤収したりするといった作業が発生する欠点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-226718号
【特許文献2】特許第5988185号
【0007】
特許文献1には、駐車場の精算機あるいはその近辺に電子表示板を設けて、該駐車場の再利用を促すような情報を、駐車場の運営会社のサーバーから表示する技術が記載されている。しかしこのような表示は、該駐車場の利用状況に応じたものではなく、駐車場の料金の変更とはリンクしていない。
【0008】
一方、特許文献2では、駐車場の管理者端末を利用して、駐車場の料金を設定できるようにするシステムが記載されている。この方法では、該駐車場の現在の利用状況を過去の利用データなどと比較して、駐車料金を設定した場合の稼働率の変化を予測するような技術が用いられている。また、予測技術には、場所、季節、曜日、時間帯、天候、催事、距離などをも考慮すると記載されている。しかし、上記の方法では、該システムの予測によって変更した駐車料金を駐車場で電子的に変更表示することや、変更が利用者によってどのような利益があるかを知らせることには触れていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題の第一は、電子的に表示できる看板を使って、時間当たりの駐車料金や一日最大の駐車料金などの多様な駐車料金の変更を行えるようにすること、課題の第2は、駐車料金を変えた時、それが利用者にとってどのようなメリットになるかといったことや、通常時に駐車場の誘客を促すようなこと、あるいは駐車料金変更の予告をすることなどを、電子的な情報板を使って表示し、利用者にわかるようにすること、第3は通常時においても、時間帯ごとに利用者を誘い込むに効果的な情報を表示するようにしたことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基本的に駐車料金にかかわる部分を、遠隔あるいは現地で変更できるようにした電子看板であり、かつ該料金表示板の上部あるいは下部などの適切な場所に、視認性の良い電子的な情報表示板部を設け、駐車料金を変更するときや変更した後、あるいは、通常時において現在の駐車料金が利用者にどのようなメリットがあるかというような情報を表示するようにした(請求項1)。
【0011】
また、情報表示板に表示する情報の内容に関しては、あらかじめ、利用者を呼び込むような表示、再利用を促すような表示、近隣の駐車場に比較した有利な料金であることの表示、時間帯による特別な料金であることの表示、サービスポイントの付与といった表示であり、これらの情報を、番号を付けた例文として用意し、駐車場の状況や時間帯によって半ば自動的に最適な表示を選んで表示させるようにした(請求項2、3)。
【0012】
上記、駐車場の料金にかかわる部分の変更方法として、本発明では通常行われている一定時間当たりの駐車料金のほか、一日最大や昼間最大の駐車料金、さらにはよりきめ細かい駐車料金の設定ができる一定の金額で駐車できる時間を、電子的に表示できるようにした(請求項4)。
【0013】
上記駐車料金にかかわる部分は、通常は一定時間当りの料金を表示し、一日最大、昼間最大、一泊料金、キャンペーン料金などの特別料金を設定する場合には、情報表示板を利用してそれらを表示するようにした(請求項5)。
【0014】
上記、駐車料金を変更する場合には、一定期間前に情報表示板に変更の予告を表示すること、さらには料金変更がなされた時から一定期間、あるいは一定時間だけは、変更部分の数字を点滅させることによって、利用者の注目をひくようにし、一層の利用客の呼び込み効果を高めるようにした(請求項6)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効果的な駐車料金の変更が可能となり、該駐車料金の変更が利用者にとってどのようなメリットがあるかを伝えることができる上、料金変更のない通常の状態では、広告やニュース、天気予報などの情報を表示できるので、駐車場の稼働率の向上や、利益の向上を図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】は、本発明の情報表示板付き料金可変看板の例で、昼間最大と24時間最大の駐車料金を変更できるよう電子表示にした図である。
【
図2】は、本発明の情報表示板付き料金可変看板の別の例で、100円で駐車できる時間を変更できるよう電子表示にした図である。
【
図3】は、本発明の情報表示板付き料金可変看板のさらに別の例で、時間帯ごとに100円で駐車できる時間や、昼間最大料金と一泊料金の4つを変更できるよう電子表示にした図である。
【
図4】は、本発明の情報表示板付き料金可変看板のさらに別の例で、時間帯ごとに100円で駐車できる時間と、通常は関連情報の表示に使っている情報表示板を、臨時に設定した一日最大料金などの電子表示として活用した図である、
【
図5】は、駐車料金を変更したときに、その変更内容に応じて情報表示板にどのような表示をするかの例文を示したものである。
【
図6】は、駐車料金の変更がない通常状態の時に、情報表示板に表示する情報の例と、駐車料金を変更することを事前に告知する場合の情報の例を示したものである。
【
図7】は、駐車料金や情報表示板の内容の変更がどのようなルートで行われるかを示した図である。
【
図8】は、情報表示板の表示内容の指令元と表示内容、および表示変更のタイミングを示したものである。
【
図9】は、駐車料金の変更と情報表示板の表示を、基本的にどのように行うかをシーケンスで示した図である。
【
図10】は、駐車料金の変更と、変更に伴う情報を、日付の変わる午前0時時点で行うようにした場合のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0017】
図1は、本発明の情報表示板付き料金可変看板の一例で、昼間最大と24時間最大の駐車料金を電子表示にしたものである。1は情報表示板付き料金可変看板で、2は駐車場を運営する会社のロゴと駐車場名、3と4が駐車料金を電子的に変更できる電子表示の部分で、5と6はそれが昼間最大料金と、一日最大料金であることを示している。この例は、イベントがある日や休祝日などに長時間駐車する利用客を対象にし、有利な料金を提示して、より多くの利用客を呼び込むことを狙っているといえる。7と8は、時間帯ごとに異なる30分や40分当たりの駐車料金を示しており、料金は固定されている。9は、本発明の情報表示板で、現在の料金は通常より100円安くお得ですといった表示をして、長時間駐車の利用者を誘導しようとするものである。
【0018】
図2は、駐車料金の表示部分を、昼間最大と24時間最大の駐車料金の代わりに、13で示すように100円で駐車できる駐車時間を電子的に表示できるようにした例である。この例には、短時間駐車する利用客を増やそうとする意図がある。また、一般には、
図1で7,8に書かれているように30分とか、40分という時間を固定して、その時間の駐車料金を100円と表示している。しかし駐車時間を固定して、駐車料金の数字を変更するよりも、
図2の11で示すように100円という金額を固定して、駐車できる時間を12、13で示したように分単位で変更する方が、きめ細かい駐車料金の変更ができるは明らかであり、これが本発明の特徴である。また、多くの場合電子表示の数字が二桁で済むといった利点もある。
【0019】
図2でも、19は情報表示板でこの場合は、割引で得するという表示をしている。基本的には情報表示板の表示内容は、駐車場の利用者がこの駐車場を利用したいと思うようなものにするのがよく、表示例を示したように、「今は通常より10%お得です」といった表示とか、「今入るとお得です」とか、「楽に駐車できます」などといった表示を行うのが良い。
さらに、情報表示板の表示の文言は、例文としてたくさん用意をしておき、それぞれに番号を付しておくと、表示する情報を番号の指定だけで、最適な電子表示をすることができる。
【0020】
図3は、時間帯別に100円で駐車できる時間と、昼間最大料金および一泊料金を変更できるようにした電子看板の例である。21は6時から20時までは100円で30分間駐車できること、22は20時から翌朝6時までは100円で40分間駐車できることを示している。また、23は昼間最大料金が800円であることを表示、24は一泊料金1200円であることを電子的に表示している。この例で分かるように、変更するのは100円以上の部分の数字である8や12の部分だけである。
図3の例では、多様な駐車料金の変更が可能であるといった特徴がある。なお、図では情報表示板を省いているが、もちろん
図1や
図2と同様に情報表示板を追加して設けることができる。
【0021】
人出が多く、満車になりやすい状況の場合は、100円で駐車できる時間を短く設定しても駐車する人が減ったりはしないであろう。そのような変更は駐車場の収入増加につながるはずである。このような場合には、情報表示板に「もうすぐ満車です」といった表示をして、どの駐車場を利用しようかと迷っているような利用者を呼び込むことができるはずである。
【0022】
昼間最大料金は、近隣に会社があるビジネスマンのように長時間駐車する利用者が一番気にする料金である。
図1と
図3の例では、これらの料金を電子的に表示しているので、変更は自由にできる。これらの場合の駐車料金は、1000円前後になるので、料金を100円単位で変更しても、大きな変化にはならない。したがって、前記したように電子表示を100円以上の部分だけにすることでコスト低減を図ることができる。さらに、情報表示板の表示内容は、「只今割引中」とか、「長時間利用がお得です」といった表示にして利用者を誘致することができる。
【0023】
夜間料金は、夜の会合に出席するビジネスマンらが利用する場合が多く、やはり駐車料金が気になるところである。歓楽街などでは、20時から24時の間を指定して、夜間料金を設定してもよい。この場合は、電子表示板には「只今は安い時間帯」、とか「クーポンが出ます」といった表示をすれば、利用客の誘致には効果的であろう。
【0024】
一日最大料金や一泊料金などは、長時間駐車の利用に有利な駐車料金設定といえる。これも100円単位で変更が可能で、情報表示板には、「長時間駐車がお得です」などと表示する。以上述べたように、駐車料金のどれを対象にして変更するとよいかは、その駐車場が、短時間駐車が多いかそれとも長時間駐車が多いかといった特徴を分析して選ぶのが良い。
【0025】
駐車料金を変更する場合は、タイミングよく変更することが必要である。変更のタイミングは、その駐車場の稼働実態と、近隣の競合駐車場の稼働状況を考慮して行うのがよいことはもちろんであり、駐車場の経営者、あるいはオーナーは、収益の増加につなげてほしいと期待する。
【0026】
図4は、通常は短時間の利用者を対象にして、100円で駐車できる時間を変更できるようにした電子看板でも、本発明の情報表示板の表示を、「昼間最大料金は800円です」といった表示にすることによって、臨時の特別料金を設定し長時間駐車の利用者を誘い込むようなこともできる。このようにすれば通常は設定しない一日最大料金、あるいは夜間最大料金なども臨時に設定できる。特にイベントなどがあるときやキャンペーンを行うときなどに臨時に特別な駐車料金を設定できることは、本発明の大きな効果である。
【0027】
図5は、本発明の情報表示板で表示する内容として、駐車料金を変更したときの表示を変更の項目ごとにまとめたものである。前述したように、時間当たりの駐車料金を変更した場合では、値下げの時には、特に「今入るとお得です」といった表示、値上げをしたときは、「値上げしました」とか、「楽に駐車できます」、「もうすぐ満車です」とかの表示をする。昼間最大料金、夜間料金、一日最大料金など変更した場合は、「只今は安い時間帯です」とか、「長時間駐車がお得です」といった表示をする。
【0028】
図6は、情報表示板の定常時と料金の変更を予告する場合の表示の例を示す。通常時は、天気予報、駐車場の混み具合、近隣の商業施設やお店の広告、ニュースなどを表示する。料金の変更をする場合は、事前に駐車料金変更の予告を表示する。いつから変更するか、変更の理由、また利用客に有利な臨時の料金設定を行うなどを表示する。
【0029】
駐車場の利用実態は、一日の駐車車両の時間分布、昼間最大の料金で駐車する車両の数、一日最大の駐車料金で駐車する車両の数、さらには、曜日ごとの変化もある。料金変更看板は、きめ細かな料金の変更で最大の収益を上げるのに貢献しなければならない。
そのような課題に対しては、AIの活用が効果的である。AIの活用のためには、当該駐車場の駐車車両数の時間分布、昼間最大料金の利用数、一日最大料金の利用数が、有効な基本データとなる。これらを曜日や祝祭日ごとに集積したり、料金の設定値による変化を分析したりして、最も収益の多い料金を決定するようにすればよい。本発明の料金の電子的表示はその実現に寄与する。
【0030】
AIによる最適料金の設定プログラムは、本発明の駐車場の管理会社が、管理する駐車場における前記4つのデータを集め、駐車場毎の最適料金の設定をおこなうのがよい。その結果による料金の設定は、時間当たりの駐車料金よりも、
図2、3,4に示したように一定の金額で駐車できる時間を設定するほうがきめ細かくできる。
【0031】
AIは、自動的に最適料金を決定するが、その結果は利用客にとっても有利な料金であることが望ましい。本発明の情報表示板は、料金を変えたときに、それを利用客が利用したいと思うような誘致情報として電子表示板に表示するのがよい。
【0032】
駐車料金の変更は、あまりに頻繁に行うと、利用者が混乱する事態も発生する。駐車料金の変更がない通常時に、電子表示板にどのような表示をすると効果的かについていえば、
図5に示すように、天気予報、混み具合、広告、ニュース等がよいと考えられる。この中では特に駐車場に近い各種の店舗の広告が有効であろう。
【0033】
駐車場の表示看板は、運転中の車内から見ることが多いので、長い文章は適当ではない。本発明の情報表示板は限定された文字数で表示するのが、表示板のコストを抑えるのに効果がある。表示文字数より多い表示は、切り替えたり、流したりして表示すればよい。
【0034】
図7は、本発明を実施する場合、料金の変更や、表示内容の選択、精算機の料金設定の変更、情報表示板付き電子看板の表示がどのように行われるかを書いたものである。
図7で駐車場管理会社は、独自に、あるいは駐車場のオーナーの依頼に応じて対象駐車場の駐車料金の変更を行い、関連する情報とともに、それらを51で示す駐車場管理会社のサーバーから、該駐車場の精算機に送信する。
【0035】
精算機のなかの52で示す受信機(ルーター)がこれを受信し、受信したデータの中の料金設定部分は、精算機内の54で示す料金設定ファイルを書き換える形で変更し、一方変更した料金 あるいは一定額で駐車できる時間などの駐車料金にかかわるデータと、関連した情報は、情報表示板付き電子看板にある53で示すコントローラーに送られて、駐車料金にかかわる表示部分と情報表示部分にわけてそれぞれ電子的に表示する。
【0036】
情報表示板の情報の内容については、駐車場の立地特有の表示にするのが良い。このため、駐車場に立ち寄ったメンテ要員などが、携帯用の端末装置55を使い、当該駐車場固有の情報の書き込みを求めることができるようにしている。駐車場管理会社はサーバー51から、当該駐車場の精算の受信機(ルーター)52を経由して、情報表示板付き電子看板のコントローラー54に、現時点で有用な情報や今後の駐車料金の変更予告といった該駐車場に固有の情報を送り表示させることができる。
【0037】
本発明では、前記したように、情報表示板に表示する文言や、料金の変更や、通常時に表示する広告などの文言を、あらかじめ番号を付すなどして登録しておき、状況の変化に応じて最も効果的な文言の番号あるいは、文言そのものを選択表示させるような方法も可能にしている。このような文言の選択については、その方法を
図8で説明する。
【0038】
図8で、料金を変更するときは、指令元は駐車場管理会社で、駐車料金を変更して利用客を誘い込むような情報や、料金が変更されたことを知らせる注意情報などを文言としてあらかじめ用意しておき、その中から適切な文言を選んで対象とする駐車場に送信する。情報表示のタイミングは変更を予告するときと変更を行ったときである。一方、駐車料金の変更がない通常時は、情報表示板には、精算機に登録してある誘客情報、空車になっている残車室数情報のほか、サービス情報をサイクリックに繰り返しながら、表示するようにできる。また、駐車場管理会社からも、広告や、天気予報、ニュースなどを管理している駐車場に送り、情報表示板にサイクリックに繰り返し表示させることができる
【0039】
図9は、駐車料金を変更するとき、どのようなシーケンスで情報の表示や、駐車料金の計算方法を変更するかを示したものである。ステップS1では、駐車場のオーナーからの希望や、駐車場の管理会社自身が駐車場を指定して、駐車料金の変更を決定すると、S2で管理者のサーバーから指定した駐車場に駐車料金の変更や、変更にリンクした情報表示板に表示する内容を送信する。
【0040】
この信号を、S3で精算機の受信機(ルーター)が受信すると、S4で、まず精算機の駐車料金設定を変更する。同時に本発明の情報表示板付き電子看板のコントローラーに信号を送って、変更した駐車料金と、それに伴う情報を表示させる。この情報は、変更の都度新しく作成してもよいし、あらかじめ登録しておいた情報のどれを表示するようにしてもよく、サーバーからの送信信号に含めてある。そして該情報には、料金変更が行われた直後から一定の時間だけ表示する情報と、ある程度時間が過ぎてからいくつかの情報をサイクリックに表示する情報がある。
【0041】
S4では、続けて駐車料金を変更した場合に、一定の時間だけ変更を知らせ続ける時間の計算をスタートさせる。S5では、S4で設定した変更を知らせ続ける時間(指定時間)が来たかどうかを計っており、到達しない間は、S3に戻って、新たな情報が 駐車場管理者のサーバーから送られてきているかどうかをチェックする。新たな情報が来ていないときにはS5に戻って時間経過を監視する。もし、指定時間前に新たな情報が受信されれば、受信内容にしたがって、S4の作業が行われる。
【0042】
S5で変更を知らせ続ける時間(指定時間)に到達したら、情報を定常時の情報に切り替える。すなわちS6で、精算機に持たせている通常時の情報を情報表示板に表示する。この場合も、新たな時間をスタートさせる。そして、S7で一定の時間が到達するとS6に戻って、次の情報を表示する。これは、S8で新しい情報を精算機が受信するまでサイクリックに繰り返される。なお、一定の時間が来るまでは、一旦S8へ行って、精算機の受信機が新しい情報を受信したかどうかどうかをチェックする。そして新しい情報の受信があるときは、S4に戻って、駐車料金の新たな変更に対応する。
以上のようにして、情報表示板付きの電子看板の駐車料金と情報が表示され続ける。
【0043】
ただし、
図9のシーケンスは、本発明を実行するための具体例の一つに過ぎない。すなわち料金変更時と通常時に分けて、情報表示板に利用者にとって有効な情報表示をすることが、本発明の目的であり、また効果であり、実行するシーケンスは、
図10のシーケンスに限定されるものではない。さらに、料金変更時や特別の駐車料金を設定したときには、駐車料金の表示を点滅させるようにして、利用者にわかるようにすることも可能である。
S14で、午前0時になった時点で、新規データの一時保管があるかどうかを精算機がチェックし、データがあればS15へ進む。そこでは、一時保管したデータにしたがって精算機の料金設定を変更、情報表示板付き電子看板のコントローラーに変更した料金と、関連する情報を送って電子的に表示させる。本実施例では、駐車料金変更に伴う情報は、一定の期間だけ表示するようにしているので、新規データの中にある表示終了日数を設定し、表示日数のカウントを0にして、一日ごとに表示終了日になったかどうかをチェックできるようにする。
S16では、表示終了日数に達したか、それを超えたかをチェックする。まだ達していなければ、S14に戻って次の日の午前0時を待ち、新規データの一時保管があるかどうかをチェックする。新規データがなければS17で表示日数に1を加えて、S16で表示終了日数を超えたかどうかをチェックする。料金変更時に設定した料金と情報はそのまま表示され続ける。まだ超えていなければ、S14に戻って、さらに次の日の午前0時に新規データが来ているかどうかをチェックする。そして新たなデータがあれば、S15で、新規データに基づき、駐車料金や、それに関連する情報を更新する。
S16で表示終了日数を超えていれば、S18で、精算機による通常時の情報表示に変更する。通常時の情報は、精算機のある場所に関連する情報が望ましい。したがって、精算機に保存してある情報をサイクリックの表示できるようにした。S18に書かれている終了時間は、ある情報を表示している時間のことで終了時間が来たら次の表示をできるようにしたものである。
S19は、情報表示の終了時間が来たかどうかをチェックし、終了時間になったら、S20で23時になったかどうかをチェックし、23時を過ぎたら、一旦S14に戻って新規データが来ているかどうかをチェックする。来ていなければS17で表示に数に1を加えるので、S16はYESになり、S18に戻って通常持の情報表示を続けることになる。また、S20で23時に到達していなければ、やはりS18に戻って通常の情報を表示することになる。