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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139074
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】製袋包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/20 20120101AFI20220915BHJP
   B65B 9/213 20120101ALI20220915BHJP
【FI】
B65B9/20
B65B9/213
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039301
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山根 雅行
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】橋本 哲
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 龍一
(72)【発明者】
【氏名】森谷 倫太郎
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050BA11
3E050CA02
3E050CB03
3E050DC02
3E050DD05
3E050DE01
3E050DF03
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050FC10
3E050HA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不活性ガスの供給量を抑制することができる製袋包装装置を提供する。
【解決手段】製袋包装装置は、横シール部と、第1筒部材7と、ガス流路部材とを備える。第1筒部材7は、横シール部の上方に配置され、上下方向に延びている。第1筒部材7は、周囲に包材を巻き付かせて包材を筒状に形成し、上方から入ってくる物品Mを下まで導く。ガス流路部材の少なくとも一部は、第1筒部材7の内部に配置されている。ガス流路部材は、筒状に形成された包材(袋TB)の中に窒素を送る。第1筒部材7には、上下方向に延びる切り欠き部7aが形成されている。切り欠き部7aは、筒状に形成された包材と第1筒部材7との間の空間と、第1筒部材7の内部空間と、の間で窒素が移動できるように形成されている。
【選択図】図13C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成された包材を横シールする横シール部と、
横シール部の上方に配置され、上下方向に延び、周囲に前記包材を巻き付かせて前記包材を筒状に形成し、上方から入ってくる被包装物を下まで導く第1筒部材と、
少なくとも一部が前記第1筒部材の内部に配置され、筒状に形成された前記包材の中に不活性ガスを送る不活性ガス流路部材と、
を備え、
前記第1筒部材には、前記筒状に形成された包材と前記第1筒部材との間の空間と、前記第1筒部材の内部空間と、の間で前記不活性ガスが移動できるように上下方向に延びる切り欠き部が形成されている、
製袋包装装置。
【請求項2】
前記第1筒部材の上方に配置される第2筒部材と、
前記第1筒部材の上方に配置され、前記第2筒部材とともに前記被包装物を一時的に滞留する滞留空間を形成する開閉部材と、
をさらに備える、請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項3】
前記第1筒部材の内部空間に上方から空気を送る送風部と、
前記送風部および前記開閉部材を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記開閉部材を開状態から閉状態に変えたときに、前記送風部によって前記第1筒部材の内部空間に空気を送る、
請求項2に記載の製袋包装装置。
【請求項4】
筒状に形成された前記包材の中に送られる前記不活性ガスの単位時間当たりの量である不活性ガス供給量は、前記送風部によって前記第1筒部材の内部空間に送られる前記空気の単位時間当たりの量である空気供給量の0.8倍~1.2倍である、
請求項3に記載の製袋包装装置。
【請求項5】
前記切り欠き部は、前記第1筒部材の下端から上に延びている、
請求項1から4のいずれかに記載の製袋包装装置。
【請求項6】
前記切り欠き部が形成されている部分の高さ位置における前記第1筒部材の横断面は、略C字状の形状である、
請求項1から5のいずれかに記載の製袋包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不活性ガスを用いる製袋包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2015-127239号公報)に、不活性ガスを用いる製袋包装装置が示されている。この製袋包装装置は、シート状の包材を巻き付かせる筒部材の中に、窒素などの不活性ガスを通すための通路があって、袋の中の気体を不活性ガスにする機能を有している。不活性ガスは、通路を通って、筒部材の下端の排出口から吐出される。これによって、袋の中の酸素を含む空気が、不活性ガスに置換される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製袋包装装置において、包材を巻き付かせる筒部材と包材との間には、隙間が存在している。そして、この隙間を通って、不活性ガスの一部が包材の内側から外側に流れ出す。この不活性ガスの流出量が多いと、不活性ガスの供給必要量が増え、製袋包装に要するランニングコストが高くなる。
【0004】
本発明の課題は、製袋包装装置において、不活性ガスの供給量を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の製袋包装装置は、横シール部と、第1筒部材と、不活性ガス流路部材とを備えている。横シール部は、筒状に形成された包材を横シールする。第1筒部材は、横シール部の上方に配置され、上下方向に延びている。第1筒部材は、周囲に包材を巻き付かせて包材を筒状に形成する。第1筒部材は、上方から入ってくる被包装物を下まで導く。不活性ガス流路部材の少なくとも一部は、第1筒部材の内部に配置されている。不活性ガス流路部材は、筒状に形成された包材の中に不活性ガスを送る。第1筒部材には、上下方向に延びる切り欠き部が形成されている。切り欠き部は、筒状に形成された包材と第1筒部材との間の空間と、第1筒部材の内部空間と、の間で不活性ガスが移動できるように形成されている。
【0006】
第1観点の製袋包装装置では、第1筒部材に切り欠き部が形成されており、切り欠き部を介した不活性ガスの移動が為される。これにより、不活性ガスの一部が、包材と第1筒部材との間の空間から第1筒部材の内部空間に移動し、包材と第1筒部材との間の空間から筒状の包材の外側に流出する不活性ガスの量が減る。このため、この製袋包装装置では、不活性ガスの供給量を抑制できる。
【0007】
第2観点の製袋包装装置は、第1観点の製袋包装装置であって、第2筒部材と、開閉部材とをさらに備える。第2筒部材は、第1筒部材の上方に配置される。開閉部材は、第1筒部材の上方に配置されている。開閉部材と第2筒部材とは、被包装物を一時的に滞留する滞留空間を形成する。
【0008】
第2観点の製袋包装装置では、第1筒部材の内部空間の上に第2筒部材が配置され、第1筒部材の上方に滞留空間が一時的に形成される。そして、開閉部材および第2筒部材によって滞留空間が形成されているときには、第1筒部材の内部空間の上方が開閉部材によって塞がれた状態となる。この状態においては、包材の中に送られた不活性ガスの多くは、包材と第1筒部材との間の空間に向かうことになる。
【0009】
しかし、この製袋包装装置では、上記のように、包材と第1筒部材との間の空間から、不活性ガスが、切り欠き部を介して第1筒部材の内部空間に移動できる構造になっている。このため、第2観点の製袋包装装置においても、不活性ガスの供給量を抑制できる。
【0010】
第3観点の製袋包装装置は、第2観点の製袋包装装置であって、送風部と、制御部とをさらに備えている。送風部は、第1筒部材の内部空間に上方から空気を送る。制御部は、送風部および開閉部材を制御する。制御部は、開閉部材を開状態から閉状態に変えたときに、送風部によって第1筒部材の内部空間に空気を送る。
【0011】
第3観点の製袋包装装置では、開閉部材が開状態から閉状態に変わったときに、第1筒部材の内部空間に上方から空気が送られる。これにより、開閉部材が開状態から閉状態に変わって、滞留空間に一時的に滞留していた被包装物が、その下方にある第1筒部材の内部空間に落下していく際に、送風部が送る空気が被包装物の落下速度を早めたり落下速度のバラツキを抑えたりする。
【0012】
第4観点の製袋包装装置は、第3観点の製袋包装装置であって、不活性ガス供給量は、空気供給量の0.8倍~1.2倍である。不活性ガス供給量は、筒状に形成された包材の中に送られる不活性ガスの単位時間当たりの量である。空気供給量は、送風部によって第1筒部材の内部空間に送られる空気の単位時間当たりの量である。
【0013】
上記の特許文献1(特開2015-127239号公報)が示す製袋包装装置では、包材を巻き付かせる筒部材の中に形成される流路によって不活性ガスを供給するとともに、それとは別の吹出口から不活性ガスを下向きに送っている。一例として、220リットル/分、300リットル/分という不活性ガス供給量が記載されている。
【0014】
しかし、必要な不活性ガス供給量が多ければ、製袋包装装置のランニングコストが上がる。
【0015】
これに鑑み、第4観点の製袋包装装置では、不活性ガスだけを送るのではなく、送風部によって空気を送る構成を採るとともに、不活性ガス供給量を、空気供給量の0.8倍~1.2倍としている。被包装物の落下速度を早めたり落下速度のバラツキを抑える役割を送風部に担わせる一方、袋の中の気体を不活性ガスにする役割を不活性ガス流路部材に担わせている。これにより、第4観点の製袋包装装置では、さらに不活性ガスの供給量を抑制することができる。
【0016】
第5観点の製袋包装装置は、第1観点から第4観点のいずれかの製袋包装装置であって、第1筒部材に形成される切り欠き部が、第1筒部材の下端から上に延びている。
【0017】
第5観点の製袋包装装置では、第1筒部材に切り欠き部を形成させる機械加工が行いやすくなり、第1筒部材の製造に要する工数が小さくなる。
【0018】
第6観点の製袋包装装置は、第1観点から第5観点のいずれかの製袋包装装置であって、切り欠き部が形成されている部分の高さ位置における第1筒部材の横断面は、略C字状の形状である。
【0019】
第6観点の製袋包装装置では、第1筒部材の強度を大きく確保しつつ、第1筒部材に切り欠き部を形成させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る製袋包装装置によれば、不活性ガスの供給量を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る、製袋包装装置および計量装置を一体化した計量包装システムの外観図。
図2】製袋包装装置の包装ユニットおよび充填部の概略斜視図。
図3】製袋包装装置の充填部、フォーマ、第1筒部材の斜視図。
図4】第1筒部材およびその上部の周囲の構造の部分断面図。
図5図4のV-V矢視断面図。
図6】ガス供給部の構成を示すブロック図。
図7】空気供給部の構成を示すブロック図。
図8】計量包装システムの制御ブロック図。
図9A】製袋包装装置の滞留空間における物品の滞留状態を示す概略正面図。
図9B】製袋包装装置の滞留空間における物品の滞留状態を示す概略側面図。
図10A】製袋包装装置の滞留空間が解消された状態を示す概略正面図。
図10B】製袋包装装置の滞留空間が解消された状態を示す概略側面図。
図11】ゲート、空気供給および窒素供給のタイミングチャートを示す図。
図12A】製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
図12B】製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
図13A】製袋包装動作における窒素および空気の噴出、流れを示す図。
図13B】製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
図13C】製袋包装動作における窒素の噴出、流れおよび空気の流れを示す図。
図14A】従来の製袋包装装置の製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
図14B】従来の製袋包装装置の製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
図15A】従来の製袋包装装置の製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
図15B】従来の製袋包装装置の製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
図15C】従来の製袋包装装置の製袋包装動作における窒素の噴出、流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係る製袋包装装置Bと、計量装置Wとを、図1に示す。製袋包装装置Bおよび計量装置Wは、一体的な計量包装システム200を形成しており、フレームや脚を共有し、連動制御が行われる。計量包装システム200において、製袋包装装置Bは下段に配置され、計量装置Wは上段に配置されている。計量包装システム200の前面には、製袋包装装置Bと計量装置Wとを一体的に操作できるタッチパネル2が設けられている。
【0023】
(1)計量装置
計量装置Wは、周知の構成の組合せ計量機である。ここでは、計量の対象の物品Mは、ポテトチップス等のスナック菓子類であり、計量装置Wの中央上部に供給される。供給された物品Mは、複数の放射経路に分散された後、各経路の終端に配置された複数のプールホッパPHを介して、下段の対応する計量ホッパWHに供給される。各計量ホッパWHで計量された物品Mの重量が組み合わされ、一定重量の物品Mを形成する最適組合せの計量ホッパWHが選択される。選択された計量ホッパWHは、製袋包装装置Bからの排出要求信号に基づいて、物品Mを集合シュートCに排出する。排出された物品Mは、集合シュートCから製袋包装装置Bに供給される。
【0024】
(2)製袋包装装置
製袋包装装置Bは、計量装置Wから排出された物品M(被包装物)をチューブ状の袋b(図2参照)内に収納した後、その袋bの上端部分と後続の袋の下端部分を同時に横シールして袋詰めを行う。製袋包装装置Bは、チューブ状の袋bから袋詰め商品を製造する包装ユニットBUと、この包装ユニットBUに包材Fを供給する包材供給ユニットFUと、各ユニットBU,FUの駆動部の動きを制御する制御部10(図8参照)とから構成されている。
【0025】
(2-1)包材供給ユニット
包材供給ユニットFUは、包装ユニットBUのフォーマ3(後述)にシート状の包材Fを供給するもので、包装ユニットBUの後側に隣接して設けられている。
【0026】
(2-2)包装ユニット
包装ユニットBUは、図2に示すように、シート状の包材Fをチューブ状に成形するフォーマ3と、チューブ状に成形された包材Fを下方に搬送するプルダウンベルト4と、縦シール部5と、横シール部6とを備えている。縦シール部5は、チューブ状の包材Fの、両耳の重なり部分である合わせ目T1を、前側において縦シールする。横シール部6は、チューブ状の包材Fの下端部に形成された袋bを横シールして、袋bの上端部分と後続の袋の下端部分とを同時に熱シールする。また、包装ユニットBUは、第1筒部材7を有している。第1筒部材7の外周には、チューブ状の包材Fが巻きつく。第1筒部材7は、その内部空間を落下する物品Mを、袋b内に案内する。なお、以下の説明においては、チューブ状に成形された包材Fとその下端部に形成された袋bとを合わせてチューブ状の袋TBと言うことがある。
【0027】
包装ユニットBUは、さらに、充填部100を備えている。充填部100は、上方に配置されている計量装置Wから落下してくる物品Mを、漏斗状のシュート103に収め、第1筒部材7を介してチューブ状の袋TB内に放出する。包装ユニットBUは、更にガス供給部9および空気供給部190(後述)を有する。ガス供給部9は、チューブ状の袋TB内および第1筒部材7内に不活性ガスを充填する。不活性ガスとして、窒素やアルゴンガスを使うことが可能である。ここでは、不活性ガスとして、窒素を使っている。空気供給部190は、上から第1筒部材7内に空気を送る。
【0028】
(2-2-1)フォーマ
図3に示すように、フォーマ3は、シート状の包材Fをチューブ状に折り曲げるセーラー部30と、第1筒部材7の周りに形成された襟部分31とを備える。そして、フォーマ3と、その襟部分31を上下に貫通する第1筒部材7とは、ベース部材32に取り付けられている。セーラー部30の襟部分31は、第1筒部材7の外周を取り巻くように筒状に成形され、その前面において、僅かなギャップを開けて着物の襟のように合わせてある。そして、包材Fをセットするときは、セーラー部30の表面に包材Fを沿わせて折り曲げた後、襟部分31で筒状に折り曲げ、それを襟部分31の内側と第1筒部材7の外側との間の隙間に通して第1筒部材7の外周に巻きつける。
【0029】
(2-2-2)第1筒部材
第1筒部材7は、横シール部6の上方に配置され、上下方向に延びている。第1筒部材7は、周囲に包材Fを巻き付かせて包材Fを筒状に形成し、上方から入ってくる物品Mを下まで導く。第1筒部材7の下端部には、チューブ状の袋TBを内側から拡げるスプレッダー713が設けられている。
【0030】
図5に示すように、第1筒部材7の後側には、上下方向に延びる切り欠き部7aが形成されている。切り欠き部7aは、図4に示すように、第1筒部材7の下端から上に延びている。後述するように、切り欠き部7aは、チューブ状に成形された包材Fと第1筒部材7との間の隙間の空間と、第1筒部材7の内部空間との間における不活性ガスの移動を許容する。切り欠き部7aの上端の高さ位置は、セーラー部30の少し下の高さ位置である。図5に示すように、切り欠き部7aが形成されている部分の高さ位置における第1筒部材7の横断面は、略C字状の形状になっている。
【0031】
(2-2-3)フランジ
図4に、第1筒部材7の部分断面図を示す。第1筒部材7の上部には、漏斗状の傾斜部701が形成され、その上端縁にフランジ702が取り付けられている。このフランジ702の対向する2箇所(フランジ702の前方および後方)には、上下に貫通孔が設けられ、そこに空気を注入するワンタッチ継手703が取り付けられている。空気は、後述する高圧エアー供給設備191(図7参照)からホースを介して供給される。
【0032】
フランジ702には、底面が開放された中空ドーナツ形のキャップ704がパッキンを挟んで被せられ、このキャップ704とフランジ702とで空気通路705を形成している。このドーナツ形のキャップ704の中央部には、漏斗状の上端開口部706が形成され、この上端開口部706の内壁と傾斜部701との間に形成されたリング状の下向き傾斜スリットが、空気の吹出口707となっている。
【0033】
キャップ704の上面には、充填部100のベースフレーム101が載置され、図示しない連結具により、キャップ704とベースフレーム101とが連結されるようになっている。
【0034】
(2-2-4)ソケットおよびガス流路部材
図3に示すように、第1筒部材7の前側には、ワンタッチ継手703とは別に、不活性ガス(窒素)を第1筒部材7の内部に注入するソケット710が取り付けられ、そこに図示しないワンタッチ継手が取り付けられる。
【0035】
また、ソケット710と連なる第1筒部材7の内壁には、ソケット710から注入される不活性ガス(窒素)を第1筒部材7の下端部まで導くガス流路部材711が溶接されている。第1筒部材7の内壁およびガス流路部材711によって、不活性ガスの流路であるガス流路711aが形成される(図5参照)。ガス流路711aの下端の開口である排出口712(図4参照)から、窒素が、チューブ状の袋TB内に勢いよく噴射される。これにより、チューブ状の袋TB内の酸素が窒素で置換される。
【0036】
(2-2-5)プルダウンベルト
プルダウンベルト4、4は、第1筒部材7の両サイドに配置されており、吸引チェンバー41、41と、その周りを互いに内向きに走行する穴あきベルト42、42とを有している。プルダウンベルト4、4は、チューブ状の袋TBを、ベルト42、42で吸引保持しながら、下向きに搬送する(図2参照)。
【0037】
(2-2-6)縦シール部
縦シール部5は、チューブ状に成形された包材Fの合わせ目T1を、一定の圧力で第1筒部材7に押しつけながら加熱シールする。縦シール部5は、ヒーターブロック51と、その周りを包材Fと同期走行する金属ベルト52とを有している(図2参照)。
【0038】
(2-2-7)横シール部
筒状に形成された包材F(チューブ状の袋TB)を横シールする横シール部6は、ヒーターを内蔵する一対のシールジョー61、61と、この一対のシールジョー61、61をチューブ状の袋TBに対して互いに近接離反させる図示しない駆動機構とを有している。シールジョー61、61の上部には、チューブ状の袋TBを前後から挟みこむクラムシャッター62、62が、水平方向に進退可能に取り付けられている。クラムシャッター62、62は、落下中の物品Mの微細粉をシールジョー61、61に先行して遮断することにより、落下中の微細粉が袋bの横シール部位に噛み込まれることを防止する。
【0039】
横シール部6の駆動機構としては、、例えば、特開平10-53206号公報に開示された機構を用いることができる。駆動機構は、一対のシールジョー61、61を互いに内向きに旋回させながら、各シールジョー61、61に所謂D字形の運動軌跡(Dモーション)を描かせる。或いは、駆動機構は、各シールジョー61、61に所謂ボックスモーションを行わせる。
【0040】
各シールジョー61、61は、チューブ状の袋TBを挟んで互いに押しつけ合うことにより、下端部の袋bの上部と後続の袋TBの下部とに同時に横シールを施す。また、一方のシールジョー61には、図示しないカッターが内蔵され、これを作動させて下端部の袋bと後続の袋TBとの間を上下に分離する。
【0041】
(2-2-8)充填部
上記のフォーマ3および第1筒部材7の上方に、充填部100が配置されている。充填部100は、チューブ状の袋TBに、物品Mを所定のタイミングで順番に落下させる装置である。充填部100は、主に、シュート103と、ゲート104とを有している。
【0042】
シュート103は、上段の漏斗部131と下段の第2筒部材132とで形成される。漏斗部131の下端と第2筒部材132の上端は、互いに斜めに切断された楕円形の開口部を介して上下に接続されている。第2筒部材132の外径は、第1筒部材7の内径より小さい。第2筒部材132の下端の排出口は、V字状にカットされている。このカット面が、両サイドからゲート104によって開閉される。
【0043】
ゲート104は、第1筒部材7の上端の開口を開閉する開閉板141、141と、各開閉板141、141の突合せ部から斜め後方にそれぞれ延びる傾斜板142、142とを有している。各傾斜板142、142は、V字状にカットされた第2筒部材132の下端の排出口を両サイドから開閉するように構成されている。そして、これらの板141~142は、図示しない開閉機構によって、図10Aに示す黒塗りの矢印の方向(図10Aの左右方向)に近接、離反するように構成されている。ゲート104の板141~142は、水平方向に延びる一対のガイドレール143、143(図4参照)に沿って移動する。このゲート104の板141~142の開閉運動によって、第1筒部材7の上端の開口と第2筒部材132の下端の排出口とが同時に開閉される。
【0044】
なお、第1筒部材7の上端の開口を開閉する開閉板141、141は、第1筒部材7の中に空気を吹き出すときに必要になるもので、この空気の吹出を行わないときは省略することができる。また、第2筒部材132の下端部をV字状にカットせずに、斜めにカットして、傾斜板142を一方だけの傾斜ゲートにすることもできる。
【0045】
図9A図9B図10Aおよび図10Bは、充填部100の動作を示したものである。これらの図において、上方の計量装置Wから落下してくる物品Mは、シュート103内を滑落する際に、縦向き姿勢に偏向されて第2筒部材132内に詰められていく。図9Aおよび図9Bに示す状態は、ゲート104が閉じられ、第2筒部材132とゲート104によって物品Mを一時的に滞留させる滞留空間Sが形成された状態である。図10Aおよび図10Bに示す状態は、ゲート104が開けられ、滞留空間Sが解消された状態である。以降、図9Aおよび図9Bに示す状態をゲート閉状態、図10Aおよび図10Bに示す状態をゲート開状態と言う。
【0046】
(2-2-9)ガス供給部
ガス供給部9は、図6に示すように、窒素を加圧状態で貯留した窒素ガスボンベ91と、窒素ガスボンベ91から供給される窒素を減圧して送り出す圧力調整弁92と、そこから延びる流路に接続された電磁弁93および流量調整弁94とで構成されている。
【0047】
流量調整弁94の出口側は、継手を介して、第1筒部材7に装着されたソケット710に接続されている。電磁弁93を開ければ、窒素が、第1筒部材7の内側にあるガス流路711aに流れ、ガス流路711aの下端の排出口712からチューブ状の袋TB内に下向きに噴射される(図4参照)。この窒素の流量は、チューブ状の袋TB内を短時間でガス置換するために必要な流量に設定されている。また、窒素の流量は、物品Mの嵩密度、内容量、袋サイズ、運転速度等によって異なった値に設定される。
【0048】
(2-2-10)空気供給部
空気供給部190は、図7に示すように、計量包装システム200が設置される工場の高圧エアー供給設備191から空気の供給を受け、その空気を減圧、流量調整して第1筒部材7の中に上から供給する。空気供給部190は、高圧エアー供給設備191から供給される空気を減圧して送り出す圧力調整弁192と、そこから延びる流路に接続された電磁弁193および流量調整弁194とで構成されている。
【0049】
流量調整弁194の出口側は、ワンタッチ継手703に接続されている。電磁弁193を開ければ、空気が第1筒部材7の上方に位置する空気通路705に流れ、吹出口707(図4参照)から斜め下に空気が吹き出される。この空気は、第1筒部材7の内部空間を下に向かって流れる。供給される空気の量は、物品Mの嵩密度、内容量、袋サイズ、運転速度等によって異なった値に設定される。
【0050】
(2-3)制御部
図8は、計量包装システム200の制御ブロック図である。制御部10は、計量装置Wと製袋包装装置Bを個別にあるいは一体的に制御するもので、コンピュータにより実現されるものである。制御部10は、制御演算装置と記憶装置とを有している。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0051】
制御部10は、図1に示すタッチパネル2で設定されたパラメータや運転条件に従って、包装ユニットBU、包材供給ユニットFUの各駆動部を制御する。また、制御部10は、計量装置WのフィーダFD、プールホッパPH、計量ホッパWHなどを制御する。さらに、制御部10は、計量装置Wと製袋包装装置Bに装備される各種センサから必要な情報を取り込み、その情報に基づいて各種制御を行う。
【0052】
包装ユニットBUに対しては、制御部10は、プルダウンベルト4、縦シール部5、横シール部6、充填部100、ガス供給部9および空気供給部190をそれぞれ制御する。これらの制御は、互いに関連している。
【0053】
(3)計量包装システム200の動作
以下に、計量装置Wおよび製袋包装装置Bの動作について説明する。但し、周知の動作の説明は簡略化あるいは省略し、主として、本発明に係る動作について説明を行う。
【0054】
(3-1)運転開始前の動作
まず、事前準備として、製袋包装装置Bにおいて、オペレータが包材Fをフォーマ3にセットしてチューブ状に形成する。一方、計量装置Wにおいて、物品Mは、計量装置Wの中央上部に供給されている。そして、オペレータがタッチパネル2を操作して運転開始を指示すると、制御部10は、まず、プルダウンベルト4、縦シール部5および横シール部6を動作させて、チューブ状の袋TBを成形する。これができると、制御部10は、フラッシング動作と呼ばれる、運転開始前の窒素置換を行う。
【0055】
図12Aに、最初の窒素置換の動作であるフラッシング動作を示す。製袋包装装置Bでは、制御部10がガス供給部9の電磁弁93を開けて、第1筒部材7の内側にあるガス流路711aに窒素を流す。ガス流路711aの下端の排出口712からチューブ状の袋TB内に下向きに噴射された窒素(図12Aの矢印NF1を参照)は、まず袋TBの内部空間の下部にある空気を窒素置換し、その後、下から押し出される形で上に流れる。このとき、第1筒部材7の後側に切り欠き部7aが形成されているため、袋TBの内面の後側の部分に沿って上昇する窒素は、途中で第1筒部材7の内側の空間に流れる(図12Aの矢印NF2を参照)。言い換えると、袋TBの内面と第1筒部材7との間の隙間の空間から真っすぐ上に抜け出てしまう窒素の量が、少なくなる。
【0056】
一方、計量装置Wでは、上記のフラッシング動作の間に、プールホッパPHから計量ホッパWHへ物品Mが供給され、組合せ計量が行われる。排出準備が整えば、制御部10は、ゲート104を閉じて、計量装置Wにスタート信号を送信し、計量装置Wから最適組合せに係る最初の物品Mを排出させる。
【0057】
(3-2)運転開始時の動作および運転開始後の繰り返し動作
所定時間のフラッシング動作が終わると、制御部10は、図12Bに示すようにゲート104を開けて通常の運転を開始する。このときには、フラッシング動作時よりも窒素の供給量を下げて運転を開始させる。
【0058】
運転開始時、制御部10は、ゲート104を開いて最初の物品Mをシールジョー61,61の下方の袋bに落とした後、再びゲート104を閉状態にする。そして、ゲート104の上に一時滞留させた次の物品Mを、ゲート104を開くことによって、チューブ状の包材Fの内部空間に落下させる(図12Bを参照)。次に、制御部10は、図13Aに示すように、ゲート104を閉めるとともに、空気供給部190の電磁弁193を開けて空気を第1筒部材7の中に上から送り込ませる(図13Aの矢印AF1を参照)。そして、第1筒部材7の中を落下する一群の物品Mが横シール部6の上方の袋b内にほぼ収まる段階になると、横シール部6の一対のシールジョー61,61がチューブ状の袋bに接近し、シールジョー61、61から突出する一対のクラムシャッター62、62が、チューブ状の袋TBを前後(図13Aの左右)から押さえる工程に入る。図13A図13Cは、簡易図なので、クラムシャッター62、62の図示は省略している。
【0059】
図13Aの状態において、窒素は、空気に押されて、第1筒部材7とチューブ状の包材F(袋TB)との間の隙間から上に流れ、外部空間へと放出される(図13Aの矢印NF3を参照)。図13Aの矢印AF1で示す空気の下向きの流れは、物品Mや物品Mの微細紛を上から押さえる役割や、物品Mの落下速度を速くする役割を果たす。
【0060】
そして、クラムシャッター62、62が閉じ、シールジョー61、61による横シールが行われる。横シールが終わる頃には、計量装置Wから次に排出された新たな物品Mがゲート104の上方の滞留空間Sに到達する。すると、制御部10は、図13Bに示すように、ゲート104を開け始めるとともに、第1筒部材7の内部空間への空気の供給を停止させる。図13Cに示すように、ゲート104が全開となり、物品Mがチューブ状の包材Fの内部空間に落下していくときにも、第1筒部材7の内側にあるガス流路711aの下端の排出口712から下向きに窒素が噴射され続けている。このため、窒素は、チューブ状の袋TB内を上がってくる。袋TBの内面の後側の部分に沿って上昇する窒素は、途中で切り欠き部7aを通って第1筒部材7の内側の空間に流れる(図13Cの矢印NF2を参照)。このため、第1筒部材7の内側の空間にも、第1筒部材7の外側且つチューブ状の袋TBの内側の隙間の空間にも、両方の空間に窒素が行き渡る。窒素に押し出される空気は、図13Cに示すように、第1筒部材7の上部の開口を通って、あるいは、図13Cの矢印AF2に示すように第1筒部材の切り欠き部7aを通って、第1筒部材7およびチューブ状の袋TBの内部空間から外部に放出される。
【0061】
そして、第1筒部材7の中を落下する一群の物品Mが、横シール部6の上方の袋b内にほぼ収まる段階になると、図13Cに示す状態から、再び図13Aに示す状態に移行する。すなわち、制御部10は、ゲート104を閉めるとともに、空気供給部190によって第1筒部材7の中に上から空気を送り込ませる。これらの図13A図13Cに示す各状態を繰り返すことで、製袋包装運転が行われる。
【0062】
なお、図11に示すように、図13A図13Cに示す各状態を繰り返す通常運転において、ゲートの開閉、空気供給のON/OFFが切り替わるけれども、窒素供給は常時行われる。
【0063】
また、空気供給部190によって第1筒部材7の内部空間に送られる空気の単位時間当たりの量である空気供給量は、ソケット710からガス流路部材711を経由して排出口712からチューブ状の袋TB内へ送られる窒素の単位時間当たりの量である窒素供給量の、0.8倍~1.2倍である。窒素は常時噴射され、空気は間欠的に噴射されている(ここでは、0.5秒サイクル)。
【0064】
(4)製袋包装装置の特徴
(4-1)
製袋包装装置Bでは、第1筒部材7に切り欠き部7aを設け、切り欠き部7aを不活性ガス(窒素)の通り道としている。これにより、チューブ状の袋TBの内部空間における窒素の領域が拡がり、効率的な窒素置換が実現されている。具体的には、第1筒部材7とチューブ状の袋TBとの間の隙間空間から外部に流出してしまう窒素の量が削減されている。
【0065】
このため、製袋包装装置Bでは、ガス供給部9による窒素の供給量を抑制でき、窒素ガスボンベ91の使用本数の削減ができている。
【0066】
(4-2)
製袋包装装置Bでは、第1筒部材7の内部空間の上に第2筒部材132が配置され、第1筒部材7の上方に滞留空間Sが一時的に形成される。そして、ゲート104および第2筒部材132によって滞留空間Sが形成されているときには、第1筒部材7の内部空間の上方がゲート104によって塞がれた状態となる(図13Aおよび図13Bを参照)。この状態においては、第1筒部材7に切り欠き部7aが形成されていない仮定すると、チューブ状の袋TBの中に送られた窒素の多くは、チューブ状の袋TBと第1筒部材7との間の隙間の空間に向かうことになる。
【0067】
しかし、製袋包装装置Bでは、切り欠き部7aが存在しており、チューブ状の袋TBと第1筒部材7との間の隙間の空間から、窒素が、切り欠き部7aを介して第1筒部材7の内部空間に移動できる構造になっている。このため、上記のとおり、製袋包装装置Bでは、ガス供給部9による窒素の供給量を抑制できる。
【0068】
(4-3)
製袋包装装置Bでは、図11および図13Aに示すように、ゲート104が開状態から閉状態に変わったときに、第1筒部材7の内部空間に対して、上方から空気が吹き降ろされる(図13Aの矢印AF1を参照)。これにより、ゲート104が開状態から閉状態に変わって、滞留空間Sに一時的に滞留していた物品Mが第1筒部材7の内部空間を落下していく際に、空気供給部190が送る空気が物品Mの落下速度を早めたり落下速度のバラツキを抑えたりする。これにより、製袋包装のサイクルタイムの短縮化や、物品Mの微細粉の袋bの横シール部位への噛み込み防止を図ることができる。
【0069】
(4-4)
従来の製袋包装装置では、第1筒部材に切り欠き部を形成しておらず、また、第1筒部材の内側にあるガス流路の下端排出口から下向きに窒素を噴射する(図15A図15Cの矢印NF11を参照)とともに、第1筒部材の内部空間に対して上から窒素を吹き降ろしている(図15A図15Cの矢印NF14を参照)。図14A図14Bおよび図15A図15Cは、従来の製袋包装装置の窒素置換を示す図である。これらの図14A図14Bおよび図15A図15Cは、本発明に係る製袋包装装置Bの窒素置換を示す図12A図12Bおよび図13A図13Cに相当する。
【0070】
従来の製袋包装装置では、図15A図15Cにおいて矢印NF14で示すように、大量の窒素を上から第1筒部材の中に吹き降ろし、物品の落下速度を速めるとともに、窒素置換を行っている。
【0071】
しかし、第1筒部材とチューブ状の袋(第1筒部材の周りにある筒状包材)との間の隙間空間から外部に窒素が流出してしまい(図15A図15Cの矢印NF13を参照)、窒素置換の効率が悪いというデメリットが存在している。
【0072】
このような課題に対し、上記の実施形態に係る製袋包装装置Bでは、上記のように、切り欠き部7aを窒素の通り道とすることによって、外部に流出する窒素の量を削減している。
【0073】
また、製袋包装装置Bでは、従来の製袋包装装置で行っていた第1筒部材の内部空間への窒素の吹き降ろしを廃止し、その代わりに、空気を第1筒部材7の内部空間に吹き降ろしている。この際、ゲート104を閉めた状態で空気を噴射させているので(図13Aを参照)、吹き降ろされる空気は、ピストンロッドのように物品Mを上から押し込む効果を生じさせる。
【0074】
なお、製袋包装装置Bでは、単位時間当たりの空気供給量と、単位時間当たりの窒素供給量との比を、0.8~1.2としている。これにより、窒素だけを使用する従来の製袋包装装置に比べて、製袋包装装置Bでは、窒素の使用量を半減させることができている。
【0075】
(4-5)
製袋包装装置Bでは、図4に示すように、第1筒部材7の下端から上に延ばす形で、第1筒部材7に切り欠き部7aを形成させている。このため、切り欠き部7aを形成するときの第1筒部材7の機械加工が行いやすく、第1筒部材7の製造に要する工数が小さくなっている。
【0076】
(4-6)
製袋包装装置Bでは、図5に示すように、切り欠き部7aが形成されている部分の高さ位置における第1筒部材7の横断面を、略C字状の形状にしている。このため、第1筒部材7の強度が大きく確保されている。
【0077】
なお、仮に第1筒部材の横断面を半円形状とし、第1筒部材がハーフチューブのような形状になると、クラムシャッターが閉じるときに袋が先細りして、容積が減少する恐れがある。すると、ポテトチップスなどの物品Mが積み上がって、横シール部位への物品Mの噛み込みが生じる。
【0078】
(5)変形例
(5-1)
上記実施形態の製袋包装装置Bでは、ポテトチップスなどの物品Mを想定しており、物品Mを上から空気で押し込む目的で、空気供給部190を設け、第1筒部材7の内部空間に対して空気を吹き降ろしている。
【0079】
しかし、空気による落下のアシストが必要ない物品も存在する。そのような種類の物品を被包装物とする製袋包装装置においては、空気供給部190を省略することができる。
【0080】
(5-2)
上記実施形態の製袋包装装置Bでは、第1筒部材7の内部空間に対して空気を吹き降ろしているが、窒素の置換率の向上や窒素置換のスピードを重要視する場合には、空気の代わりに窒素を第1筒部材7の内部空間に対して吹き降ろしてもよい。この場合には、第1筒部材7の下端の排出口712からチューブ状の袋TB内に窒素が噴射されるとともに、第1筒部材7の上から第1筒部材7の内部空間に対して窒素が吹き降ろされることになる。
【0081】
(5-3)
上記実施形態の製袋包装装置Bでは、運転開始前のフラッシング動作の後半に、ゲート104を閉じている(図12Aを参照)。しかし、第1筒部材7の切り欠き部7aのサイズによっては、フラッシング動作に長い時間を要することも懸念される。
【0082】
そこで、ゲート104の上に物品Mがない状態でフラッシング動作を行うことにするとともに、フラッシング動作中は常にゲート104を開けるという制御を行ってもよい。ゲート104を開けた状態にして、ガス流路711aの下端の排出口712からチューブ状の袋TB内に窒素を吹くと、一旦袋TBの下部空間に流れた窒素が、第1筒部材7の内部空間を通って上に流れ、そのまま第1筒部材7の上端の開口から上に抜ける。このようなフラッシング動作の制御を行えば、窒素によって速やかに空気が上に押し出され、第1筒部材7の内部空間を含む袋TB内の空間が、短い時間で窒素に置き変わる。すなわち、ゲート104を開けることによって第1筒部材7の内部に気体(空気)の大きな通り道ができ、窒素置換が促進される。したがって、この変形例によれば、比較的少ない窒素供給量で、袋TB内の窒素置換を終えることができる。
【0083】
(5-4)
上記実施形態の製袋包装装置Bでは、図5に示すように、第1筒部材7の横断面を略C字状の形状にしているが、第1筒部材7の切り欠き部7aの周方向の幅寸法は、第1筒部材7の直径に応じて最適値が存在する。図5に示す寸法よりも幅寸法を小さくしてもよいし、もう少し大きくしてもよい。また、第1筒部材7に対して2つの切り欠き部7aを形成してもよい。
【符号の説明】
【0084】
6 横シール部
7 第1筒部材
7a 切り欠き部
9 ガス供給部
10 制御部
100 充填部
103 シュート
104 ゲート(開閉部材)
132 第2筒部材
190 空気供給部(送風部)
200 計量包装システム
711 ガス流路部材(不活性ガス流路部材)
b 袋
B 製袋包装装置
F 包材
M 物品(被包装物)
S 滞留空間
TB 筒状に形成された袋
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2015-127239号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C