(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139097
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
A47C 7/62 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039336
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】郭 裕之
(72)【発明者】
【氏名】草野 惇至
(72)【発明者】
【氏名】古和 宗高
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JA03
3B084JA06
3B084JC00
(57)【要約】
【課題】シートの新たな価値を提案するべく、シートのエンターテイメント性を向上させることを目的とする。
【解決手段】シートSは、操作対象を操作するコントローラとして機能する。シートSは、シート本体1と、シート本体1に設けられ、シート本体1上のユーザの動作を検出するための情報を取得するセンサ2と、を備える。シート本体1の表面Fは、コントローラの操作部を示す意匠Dを有し、意匠Dに対応して、センサ2が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象を操作するコントローラとして機能するシートであって、
シート本体と、
前記シート本体に設けられ、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得するセンサと、を備えるシートであって、
前記シート本体の表面は、コントローラの操作部を示す意匠を有し、
前記意匠に対応して、前記センサが設けられていることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記意匠は、前記操作対象の移動方向を決めるための方向キーを示す方向キー意匠を含むことを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記方向キー意匠は、十字状に配置された4つのキー意匠からなる十字キーを示す図形であることを特徴とする請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記方向キー意匠は、スティックを示す図形であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシート。
【請求項5】
前記センサは、1つの前記方向キー意匠に対して複数設けられていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のシート。
【請求項6】
前記方向キー意匠に対して配置された複数のセンサの少なくとも一部は、前記方向キー意匠と重ならないことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のシート。
【請求項7】
前記意匠は、押しボタンを示す押しボタン意匠を含むことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のシート。
【請求項8】
前記シート本体は、シートクッションと、シートバックと、を備え、
前記方向キー意匠は、前記シートクッションの座面に配置され、
前記押しボタン意匠は、前記シートバックの座面に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のシート。
【請求項9】
前記方向キー意匠は、複数設けられ、
前記押しボタン意匠は、複数設けられることを特徴とする請求項8に記載のシート。
【請求項10】
前記操作対象は、ユーザが手に持って操作可能な手持ちコントローラによっても操作可能であり、
前記意匠は、前記手持ちコントローラの操作部を模した意匠であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサを有するシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗員の着座姿勢を検出するために、シート上に複数の圧力センサを配置した車両用シートが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用シートは、運転者の着座姿勢を評価して提示するだけであるので、あまり有効に利用できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、シートの新たな価値を提案するべく、シートのエンターテイメント性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係るシートは、操作対象を操作するコントローラとして機能するシートであって、シート本体と、前記シート本体に設けられ、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得するセンサと、を備える。
前記シート本体の表面は、コントローラの操作部を示す意匠を有し、前記意匠に対応して、前記センサが設けられている。
【0007】
この構成によれば、ユーザは、シート本体の表面にある、コントローラの操作部を示す意匠に対応した動作を行うことで、操作対象を操作することができるので、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0008】
また、前記意匠は、前記操作対象の移動方向を決めるための方向キーを示す方向キー意匠を含んでいてもよい。
【0009】
この構成によれば、ユーザは、方向キー意匠に対応した動作をシート本体上の方向キー意匠に対して行うことで、操作対象を様々な方向に移動させることができる。
【0010】
また、前記方向キー意匠は、十字状に配置された4つのキー意匠からなる十字キーを示す図形であってもよい。
【0011】
この構成によれば、ユーザが、十字キーを押すような動作をシート本体上の方向キー意匠に対して行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0012】
また、前記方向キー意匠は、スティックを示す図形であってもよい。
【0013】
この構成によれば、ユーザが、スティックを傾動させるような動作をシート本体上の方向キー意匠に対して行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0014】
また、前記センサは、1つの前記方向キー意匠に対して複数設けられていてもよい。
【0015】
この構成によれば、操作対象の移動方向の特定を精度よく行うことができる。
【0016】
また、前記方向キー意匠に対して配置された複数のセンサの少なくとも一部は、前記方向キー意匠と重ならないように構成されていてもよい。
【0017】
また、前記意匠は、押しボタンを示す押しボタン意匠を含んでいてもよい。
【0018】
この構成によれば、ユーザは、押しボタンを押すような動作をシート本体上の押しボタン意匠に対して行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0019】
また、前記シート本体は、シートクッションと、シートバックと、を備え、前記方向キー意匠は、前記シートクッションの座面に配置され、前記押しボタン意匠は、前記シートバックの座面に配置されていてもよい。
【0020】
この構成によれば、ユーザがシートクッションの座面にある方向キー意匠の上で身体を前後左右に動かすことで、操作対象を移動させることができる。また、ユーザがシートバックの座面にある押しボタン意匠を手などで押すことで、操作対象に所定の動作を行わせることができる。
【0021】
また、前記方向キー意匠は、複数設けられ、前記押しボタン意匠は、複数設けられていてもよい。
【0022】
この構成によれば、例えば様々なゲームに使用できるコントローラとしてシートを利用することができる。
【0023】
また、前記操作対象は、ユーザが手に持って操作可能な手持ちコントローラによっても操作可能であり、前記意匠は、前記手持ちコントローラの操作部を模した意匠であってもよい。
【0024】
この構成によれば、手持ちコントローラの操作部に模した意匠がシート本体の表面に設けられるので、例えば既存のゲームを手持ちコントローラで慣れ親しんだユーザが、シートをコントローラとして既存のゲームを容易に楽しむことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明によれば、意匠が方向キー意匠を含むことで、ユーザは、方向キー意匠に対応した動作をシート本体上の方向キー意匠に対して行うことができ、操作対象を様々な方向に移動させることができる。
【0027】
また、本発明によれば、方向キー意匠が十字キーを示す図形であることで、ユーザは、十字キーを押すような動作をシート本体上の方向キー意匠に対して行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明によれば、方向キー意匠がスティックを示す図形であることで、ユーザは、スティックを傾動させるような動作をシート本体上の方向キー意匠に対して行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0029】
また、本発明によれば、1つの方向キー意匠に対してセンサが複数設けられることで、操作対象の移動方向の特定を精度よく行うことができる。
【0030】
また、本発明によれば、意匠が押しボタン意匠を含むことで、ユーザは、押しボタンを押すような動作をシート本体上の押しボタン意匠に対して行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0031】
また、本発明によれば、方向キー意匠がシートクッションの座面に配置されることで、ユーザがシートクッションの座面にある方向キー意匠の上で身体を前後左右に動かして操作対象を移動させることができる。また、押しボタン意匠がシートバックの座面に配置されることで、ユーザがシートバックの座面にある押しボタン意匠を手などで押すことで、操作対象に所定の動作を行わせることができる。
【0032】
また、本発明によれば、方向キー意匠が複数設けられ、押しボタン意匠が複数設けられることで、例えば様々なゲームに使用できるコントローラとしてシートを利用することができる。
【0033】
また、本発明によれば、手持ちコントローラの操作部に模した意匠がシート本体の表面に設けられることで、例えば既存のゲームを手持ちコントローラで慣れ親しんだユーザが、シートをコントローラとして既存のゲームを容易に楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】シートをコントローラとして利用するシートシステムを示す斜視図である。
【
図3】第1変形例に係るシートを示す斜視図である。
【
図4】第2変形例に係るシートを示す斜視図である。
【
図5】第3変形例に係るシートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、シートSは、モニタMに表示される操作対象を操作するコントローラとして機能するシートである。シートSは、サーバSVと通信可能となっている。サーバSVは、モニタMと通信可能となっている。サーバSVは、ゲームなどのアプリケーションを実行可能であり、アプリケーションに応じた操作対象の画像をモニタMに表示し、シートSからの信号に基づいてモニタMの画面上で操作対象を動作させることが可能となっている。シートS、サーバSVおよびモニタMは、シートSをコントローラとしてモニタM上の操作対象を操作するシートシステムを構成する。
【0036】
サーバSVは、
図2に示す手持ちコントローラ4とも通信可能となっている。手持ちコントローラ4は、ユーザが手に持って操作可能なコントローラである。サーバSVは、手持ちコントローラ4からの信号に基づいて、モニタMの画面上で操作対象を動作させることが可能となっている。つまり、ユーザがアプリケーションを実行する場合には、シートSまたは手持ちコントローラ4をコントローラとして、操作対象を操作することが可能となっている。
【0037】
なお、本実施形態では、手持ちコントローラ4をサーバSVと通信可能としたが、手持ちコントローラ4は、サーバSVと通信可能でなくてもよい。具体的には、サーバSVが実行するアプリケーションと同じアプリケーションを、サーバSVとは別のゲーム機にて実行可能である場合には、ゲーム機が接続されたゲーム用モニタ上の操作対象が、手持ちコントローラ4で操作可能であればよい。
【0038】
手持ちコントローラ4は、扁平な矩形の筐体4Aと、操作対象の移動方向を決めるための方向キーである十字キー41および2つスティック42,43と、複数の押しボタン44~49とを備えている。十字キー41は、十字状に配置された4つのキー41A~41Dからなる。各スティック42,43は、手持ちコントローラ4の筐体4Aから立設し、ユーザの指によって傾動可能なスティックである。各スティック42,43は、筐体4Aに近づくように傾いた状態で、各スティック42,43の根元を中心として360°傾動可能となっている。
【0039】
4つの押しボタン44~47は、円形状のボタンである。4つの押しボタン44~47の表面には、それぞれ、「I」、「II」、「III」、「IV」の文字が形成されている。十字キー41、2つのスティック42,43および4つの押しボタン44~47は、筐体4Aの前面F11に設けられている。前面F11は、ユーザによって手持ちコントローラ4が操作されるときに、ユーザに向く面である。
【0040】
2つの押しボタン48,49は、筐体4Aの上面F12に設けられている。上面F12は、ユーザによって手持ちコントローラ4が操作されるときに、上を向く面である。一方の押しボタン48は、上面F12の左端部に配置され、他方の押しボタン49は、上面F12の右端部に配置される。押しボタン48は、筐体4Aの上面F12から左側の側面F13にわたって設けられている。押しボタン49は、筐体4Aの上面F12から右側の側面F14にわたって設けられている。
【0041】
図1に示すように、シートSは、シート本体1と、複数のセンサ2と、シート制御部3とを備える。シート本体1は、第1シート本体11と、第2シート本体12と、第3シート本体13とを有している。第2シート本体12は、左右方向において、第1シート本体11と第3シート本体13の間に配置されている。第1シート本体11、第2シート本体12および第3シート本体13は、一体に構成されていてもよいし、それぞれ分離可能に別体で構成されていてもよい。
【0042】
第1シート本体11は、ユーザの臀部を支持する座面F1を有する第1シートクッション11Aと、ユーザの背中を支持する座面F2を有する第1シートバック11Bとを有する。第1シートクッション11Aおよび第1シートバック11Bは、パッドと、パッドを覆う表皮とを有している。第1シートバック11Bは、座面F2の上に位置する上面F7と、座面F2の左右方向外側に位置する側面F8とをさらに有している。
【0043】
第2シート本体12は、第1シート本体11と略同様の構成であり、座面F3を有する第2シートクッション12Aと、座面F4を有する第2シートバック12Bとを有する。第3シート本体13は、第1シート本体11と略同様の構成であり、座面F5を有する第3シートクッション13Aと、座面F6を有する第3シートバック13Bを有する。第3シートバック13Bは、座面F6の上に位置する上面F9と、座面F6の左右方向外側に位置する側面F10とをさらに有している。
【0044】
シート本体1の表面F(座面F1~F6、上面F7,F9および側面F8,F10)は、手持ちコントローラ4の操作部(41~49)を模した意匠Dを有している。意匠Dは、シート本体1の表皮に、塗料の塗布、刺繍、表皮とは別の布を縫製することなどにより形成されている。
【0045】
意匠Dは、方向キーを示す方向キー意匠D1~D3と、押しボタンを示す押しボタン意匠D4~D9を含んでいる。方向キー意匠D1は、十字状に配置された4つのキー意匠D11~D14からなる図形であり、手持ちコントローラ4の十字キー41を平面的な図形として示したものである。方向キー意匠D1は、第1シートクッション11Aの座面F1に配置されている。
【0046】
方向キー意匠D2,D3は、手持ちコントローラ4のスティック42,43を平面的な図形として示したものである。方向キー意匠D2は、第2シートクッション12Aの座面F3に配置されている。方向キー意匠D3は、第3シートクッション13Aの座面F5に配置されている。3つの方向キー意匠D1~D3は、シート本体1の正面に向かい合って立ったユーザから見て、左側から順に十字キー、スティック、スティックという順、つまり手持ちコントローラ4の方向キー(41~43)の並び順と同じ順となるように配置されている。
【0047】
押しボタン意匠D4~D9は、手持ちコントローラ4の押しボタン44~49を平面的な図形として示したものである。押しボタン意匠D4は、押しボタン44の外形と「I」の文字からなる意匠であり、第1シートバック11Bの座面F2の上下方向における中央部に配置されている。
【0048】
押しボタン意匠D5,D6は、押しボタン45,46の外形と「II,III」の文字からなる意匠であり、第2シートバック12Bの座面F4の上下方向における中央部よりも上の位置と下の位置にそれぞれ配置されている。押しボタン意匠D7は、押しボタン47の外形と「IV」の文字からなる意匠であり、第3シートバック13Bの座面F6の上下方向における中央部に配置されている。
【0049】
4つの押しボタン意匠D4~D7は、シート本体1の正面に向かい合って立ったユーザから見て、菱形の頂点に位置するように、つまり手持ちコントローラ4の押しボタン44~47と同様の位置関係で配置されている。
【0050】
押しボタン意匠D8,D9は、手持ちコントローラ4の押しボタン48,49を平面的な図形として示したものである。押しボタン意匠D8は、第1シートバック11Bの上面F7から左右方向外側の側面F8にわたって形成されている。押しボタン意匠D9は、第3シートバック13Bの上面F9から左右方向外側の側面F10にわたって形成されている。
【0051】
センサ2は、シート本体1上のユーザの動作を検出するための情報を取得するセンサである。センサ2としては、例えば、ユーザからの圧力を取得する圧力センサを採用することができる。センサ2は、意匠Dに対応して設けられている。センサ2は、シート本体1の表皮とパッドの間に配置されている。
【0052】
4つのセンサ2A~2Dは、1つの方向キー意匠D1に対して設けられている。詳しくは、4つのセンサ2A~2Dは、十字キー状の方向キー意匠D1を構成する4つのキー意匠D11~D14と重なるように配置されている。
【0053】
4つのセンサ2E~2Hは、1つの方向キー意匠D2に対して設けられている。詳しくは、4つのセンサ2E~2Hは、スティック状の方向キー意匠D2の周囲に配置され、方向キー意匠D2に重ならないように配置されている。4つのセンサ2I~2Lと方向キー意匠D3との関係は、4つのセンサ2E~2Hと方向キー意匠D2との関係と同じであるため、説明は省略する。
【0054】
押しボタン意匠D4~D9に対しては、センサ2(2M,2N,2P~2S)は、それぞれ1つずつ設けられている。そして、センサ2M,2N,2P~2Sは、対応する押しボタン意匠D4~D9と重なるように配置されている。
【0055】
シート制御部3は、第1シート本体11に設けられる第1シート制御部31と、第2シート本体12に設けられる第2シート制御部32と、第3シート本体13に設けられる第3シート制御部33とを有している。各シート制御部31~33は、対応するシート本体11~13に設置されたセンサ2から情報を取得し、取得した情報をサーバSVに送信する。
【0056】
モニタMは、第1シート本体11の前に配置される第1モニタM1と、第2シート本体12の前に配置される第2モニタM2と、第3シート本体13の前に配置される第3モニタM3とを有する。
【0057】
サーバSVは、実行するアプリケーションに応じた画像を各モニタM1~M3上に表示し、各モニタM1~M3上に表示した操作対象を、シート制御部3から送信されてくる情報に基づいて動作させる機能を有する。具体的に、サーバSVが実行するアプリケーションでは、シート制御部3から送信されてくる各センサ2からの情報を、操作対象の様々な動作に対応付けるためのプログラムが組まれている。アプリケーションは、手持ちコントローラ4を用いて実行可能な既存のアプリケーションとすることができる。
【0058】
サーバSVは、押しボタン意匠D4~D9に対応したセンサ2から出力される圧力値が所定値以上である場合に、手持ちコントローラ4の対応する押しボタン44~49が押されたときと同等の動作を行う。具体的には、例えば、サーバSVは、押しボタン意匠D4に対応したセンサ2Mで検出した圧力値が所定値以上である場合には、手持ちコントローラ4の「I」の押しボタン44が押されたと判定し、「I」の押しボタン44が押されたときと同等の動作で、操作対象を動かす。
【0059】
また、サーバSVは、方向キー意匠D1~D3に対応したセンサ2の圧力値に基づいてユーザの姿勢がどの方向に傾いているかを判定し、傾きの方向に応じて、手持ちコントローラ4の方向キーが押されたときと同等の動作を行う。具体的には、例えば、サーバSVは、十字キー状の方向キー意匠D1に対応したセンサ2の圧力値に基づいて、ユーザが後ろに傾いていると判定した場合には、手持ちコントローラ4の十字キー41における下のキー41Cが押されたときと同等の動作を行う。
【0060】
アプリケーションの具体例としては、例えば、カーレースゲームが挙げられる。カーレースゲームでは、例えば、手持ちコントローラ4については、十字キー41およびスティック42,43のいずれかによって操作対象の車の向きが決定され、「I」の押しボタン44がアクセル、「III」の押しボタンがブレーキに対応する。また、シートSについては、方向キー意匠D1~D3のいずれかに対応した複数のセンサ2によって操作対象の車の向きが決定され、「I」の押しボタン意匠D4に対応したセンサ2Mがアクセル、「III」の押しボタン意匠D6に対応したセンサ2Pがブレーキに対応する。
【0061】
なお、サーバSVは、押しボタン意匠D8,D9の部分が同時に所定時間、例えば3秒以上押されない限り、アプリケーションの実行を開始しないように構成することもできる。具体的には、サーバSVは、押しボタン意匠D8,D9に対応したセンサ2R,2Sの圧力値がともに所定値以上となる時間が所定時間以上になった場合に、アプリケーションの実行を開始するように構成されていてもよい。
【0062】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
ユーザは、シート本体1の表面Fにある、コントローラの操作部を示す意匠Dに対応した動作を行うことで、操作対象を操作することができるので、シートSのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0063】
意匠Dが操作対象の移動方向を決めるための方向キーを示す方向キー意匠D1~D3を含んでいるので、ユーザは、方向キー意匠に対応した動作を座面F1,F3,F5上で行うことで、操作対象を様々な方向に移動させることができる。
【0064】
方向キー意匠D1が十字キー41を示す図形であるため、ユーザは、十字キーを押すような動作を座面F1上で行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0065】
方向キー意匠D2,D3がスティック42,43を示す図形であるため、ユーザは、スティックを傾動させるような動作を座面F2,F3上で行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0066】
シートSが押しボタン意匠D4~D9を有するので、ユーザは、押しボタンを押すような動作を押しボタン意匠D4~D9に対して行うことを理解しやすいので、操作性を向上させることができる。
【0067】
センサ2が、1つの方向キー意匠(例えば方向キー意匠D1)に対して複数設けられているので、操作対象の移動方向の特定を精度よく行うことができる。
【0068】
各シートクッション11A~13Aに方向キー意匠D1~D3が配置されているので、ユーザが各シートクッション11A~13Aにある方向キー意匠D1~D3の上で身体を前後左右に動かすことで、操作対象を移動させることができる。また、ユーザが各シートバック11B~13Bにある押しボタン意匠D4~D9を手などで押すことで、操作対象に所定の動作を行わせることができる。
【0069】
意匠Dが、手持ちコントローラ4の操作部に模した意匠であるため、例えば既存のゲームを手持ちコントローラで慣れ親しんだユーザが、シートSをコントローラとして既存のゲームを容易に楽しむことができる。
【0070】
また、シートSは、3つのシート本体11~13を有するので、複数人が協力して操作対象を操作することができる。具体的には、例えば、第1ユーザが第1シート本体11に座って第1シート本体11を操作し、第2ユーザが第3シート本体13に座って第3シート本体13を操作し、第1ユーザおよび第2ユーザの少なくとも一方が、第2シート本体12を手で操作することができる。なお、アプリケーションの種類に応じて、複数人が同一の操作対象を操作するように構成されていてもよいし、複数人がそれぞれ別々の操作対象を操作するように構成されていてもよい。
【0071】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0072】
センサの位置は、前記実施形態に限らず、様々な位置に配置することができる。例えば
図3に示すように、各シートクッション11A~13Aおよび各シートバック11B~13Bのそれぞれに、6つのセンサ2を設けてもよい。そして、各シート本体11~13の左右の中心を挟むように左右に並んだ一対のセンサ2の組を前後方向、または、上下方向に3組みずつ配置してもよい。具体的には、ユーザの肩、腰、臀部、大腿部に対応した位置にセンサ2を配置してもよい。
【0073】
この形態では、方向キー意匠D1~D3に対して配置された複数のセンサ2の少なくとも一部が、方向キー意匠D1~D3と重ならないように配置されている。また、押しボタン意匠D4~D7に対して配置された複数のセンサ2は、すべて、押しボタン意匠D4~D7と重ならないように配置されている。
【0074】
また、この形態で示すように、シート制御部3は、1つのシートSに対して1つだけ設けられていてもよい。この場合、シート制御部3は、シートSに設置されたすべてのセンサ2から情報を取得し、サーバSVに送信するように構成される。
【0075】
図4に示すように、シートSは、シート本体1に着脱可能なカバーCV1~CV3を有していてもよい。カバーCV1~CV3は、各シート本体11~13のユーザ側の面を覆うカバーであり、各シート本体11~13に対応して設けられている。カバーCV1は、前述した意匠D1,D4を有する座面F1,F2を有する。カバーCV2は、前述した意匠D2,D5,D6を有する座面F3,F4を有する。カバーCV3は、前述した意匠D3,D7を有する座面F5,F6を有する。カバーCV1~CV3は、例えば面ファスナーFFによって、シート本体1に着脱可能とすることができる。この形態によれば、コントローラの操作部を示す意匠を、カバーCV1~CV3を交換することで、様々なコントローラの操作部に対応した意匠に置き換えることができる。
【0076】
図5に示すように、シートSは、シートクッションやシートバックまたは床に置いて使用される座布団状に構成されていてもよい。この形態によれば、シートSをユーザの使いやすい位置に容易に配置することができるので、操作性を向上させることができる。
【0077】
サーバSVは、モニタMで表示している画像を、インターネットなどを介して、コンピュータなどの他の装置に配信可能となっていてもよい。
【0078】
操作対象は、ゲーム画面上で動く車などの操作対象に限らず、例えば、複数の選択肢を選択するためのカーソルなどであってもよいし、モニタの画面の任意の場所に移動可能な矢印形状のカーソルなどであってもよい。また、操作対象は、画面上の操作対象に限らず、例えば車両などの乗物や、無線通信により操縦される車などの玩具などであってもよい。
【0079】
前記実施形態では、センサとして圧力センサを例示したが、本発明はこれに限定されず、センサは、例えば光センサ、静電容量センサなどであってもよい。
【0080】
方向キー意匠およびボタン意匠の位置は、前記実施形態に限定されない。例えば、方向キー意匠は、シートバックの座面に配置されていてもよいし、ボタン意匠は、シートクッションの座面に配置されていてもよい。また、意匠は、シート本体の背面に配置されていてもよい。
【0081】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 シート本体
2 センサ
D 意匠
F 表面
S シート