IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TDK株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コイル部品 図1
  • 特開-コイル部品 図2
  • 特開-コイル部品 図3
  • 特開-コイル部品 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139125
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/02 20060101AFI20220915BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20220915BHJP
   H01F 27/02 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H01F17/02
H01F27/29 123
H01F27/02 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039370
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一
(72)【発明者】
【氏名】占部 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】松浦 利典
(72)【発明者】
【氏名】飛田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】志賀 悠人
(72)【発明者】
【氏名】田久保 悠一
(72)【発明者】
【氏名】數田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】濱地 紀彰
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB09
5E070BA01
5E070DA11
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】温度変化に応じた素体の歪みが抑制され得るコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品1は、素体2と、コイル4と、一対の外部電極3とを備えている。コイル4は、素体2の内部に配置されていると共に一対の先端部4a,4bを有している。一対の外部電極3は、素体2の外表面に配置されていると共に一対の先端部4a,4bのそれぞれに接続されている。素体2は、コア部6と、樹脂成形部5とを含んでいる。コア部6は、軸部8と、一対の側端部9とを含んでいる。軸部8は、第一方向D3に延在していると共にコイル4が巻き付けられている。一対の側端部9は、第一方向D3において軸部8の両端に連続している。軸部8と一対の側端部9とは、同一材料によって互いに一体に形成されている。軸部8は、樹脂成形部5に覆われている。一対の側端部9の少なくとも一部は、樹脂成形部5から露出している。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素体と、
前記素体の内部に配置されていると共に一対の先端部を有しているコイルと、
前記素体の外表面に配置されていると共に前記一対の先端部のそれぞれに接続されている一対の外部電極と、を備えており、
前記素体は、前記コイルが巻き付けられているコア部と、前記コア部の少なくとも一部を覆っていると共に前記コイルの少なくとも一部を覆っている樹脂成形部と、を含んでおり、
前記コア部は、第一方向に延在していると共に前記コイルが巻き付けられている軸部と、前記第一方向において前記軸部の両端に連続している一対の側端部とを含んでおり、
前記軸部と前記一対の側端部とは、同一材料によって互いに一体に形成されており、
前記軸部は、前記樹脂成形部に覆われており、
前記一対の側端部の少なくとも一部は、前記樹脂成形部から露出している、コイル部品。
【請求項2】
前記一対の側端部は、前記樹脂成形部から露出している露出部を含んでおり、
前記第一方向から見て、前記軸部は、前記露出部が位置する領域内に位置しており、
前記第一方向への前記露出部の投射面積は、前記第一方向への前記軸部の投射面積よりも大きい、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記一対の側端部は、前記軸部に対して段差を形成している、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記一対の側端部は、前記樹脂成形部から露出している露出面を含んでおり、
前記第一方向から見て、前記露出面は、前記樹脂成形部によって形成されている面に囲まれている、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記軸部は、前記第一方向に延在する第一側面を含んでおり、
前記一対の側端部の各々は、前記第一方向に延在する第二側面を含んでおり、
前記第一側面と各前記側端部の前記第二側面とは、前記第一方向において面一に形成されている、請求項1又は4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記コア部は、樹脂によって形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記素体は、前記第一方向に沿っている少なくとも1つの平面を有しており、
前記一対の外部電極は、同一の前記平面において、前記樹脂成形部上に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記樹脂成形部と前記コア部とは、互いに異なる材料によって形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
素体の内部にコイルが配置されたコイル部品が知られている(たとえば、特許文献1)。たとえば、コイルは、コア部に対して巻き付けられる。コア部及びコイルは、樹脂成形部によって覆われる。素体の外表面には、コイルに接続される外部電極が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-70154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コイル部品は、様々な温度環境下において使用される。このため、熱膨張又は熱収縮によって、素体が変形するおそれがある。たとえば、コア部の熱膨張係数と、コア部を覆う樹脂成形部の熱膨張係数とが異なる場合、コア部と樹脂成形部との熱膨張係数差に起因して応力が発生する。この結果、温度変化によって、素体の外表面に歪みが生じ得る。素体の外表面に歪みが生じれば、この歪みによって素体の外表面に配置されている外部電極に位置ズレが生じ得る。外部電極の位置ズレは、コイルと外部電極との接続状態に影響する。
【0005】
本発明の一つの態様は、温度変化に応じた素体の歪みが抑制され得るコイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様におけるコイル部品は、素体と、コイルと、一対の外部電極とを備えている。コイルは、素体の内部に配置されていると共に一対の先端部を有している。一対の外部電極は、素体の外表面に配置されていると共に一対の先端部のそれぞれに接続されている。素体は、コア部と、樹脂成形部とを含んでいる。コア部には、コイルが巻き付けられている。樹脂成形部は、コア部の少なくとも一部を覆っていると共にコイルの少なくとも一部を覆っている。コア部は、軸部と、一対の側端部とを含んでいる。軸部は、第一方向に延在していると共にコイルが巻き付けられている。一対の側端部は、第一方向において軸部の両端に連続している。軸部と一対の側端部とは、同一材料によって互いに一体に形成されている。軸部は、樹脂成形部に覆われている。一対の側端部の少なくとも一部は、樹脂成形部から露出している。
【0007】
このコイル部品において、コア部は、同一材料によって互いに一体に形成されている軸部と一対の側端部とを含んでいる。一対の側端部は、軸部の延在方向において軸部の両端に連続している。一対の側端部の少なくとも一部は、樹脂成形部から露出している。この場合、コア部が熱膨張しても、一対の側端部が樹脂成形部から露出しているため、素体に歪みが生じ難い。したがって、温度変化に応じた素体の歪みが抑制され得る。
【0008】
上記一つの態様において、一対の側端部は、露出部を含んでいてもよい。露出部は、樹脂成形部から露出していてもよい。第一方向から見て、軸部は、露出部が位置する領域内に位置していてもよい。第一方向への露出部の投射面積は、第一方向への軸部の投射面積よりも大きくてもよい。この場合、コア部における露出部の面積がより大きく、温度変化に応じた素体の歪みがさらに抑制され得る。
【0009】
上記一つの態様において、一対の側端部は、軸部に対して段差を形成していてもよい。この場合、上記段差によって第一方向におけるコイルの位置が規制される。したがって、この構造によれば、製品ごとのばらつきが低減され、生産スループットが向上し得る。
【0010】
上記一つの態様において、一対の側端部は、露出面を含んでいてもよい。露出面は、樹脂成形部から露出していてもよい。第一方向から見て、露出面は、樹脂成形部によって形成されている面に囲まれていてもよい。この場合、露出面の位置から、コイルが巻き付けられている軸部の位置が容易に把握され得る。このため、この構造によれば、外観検査が容易であり、製造コストが低減され得る。
【0011】
上記一つの態様において、軸部は、第一方向に延在する第一側面を含んでいてもよい。一対の側端部の各々は、第一方向に延在する第二側面を含んでいてもよい。第一側面と各側端部の第二側面とは、第一方向において面一に形成されていてもよい。この場合、露出部の位置から、コイルが巻き付けられている軸部の位置が容易に把握され得る。このため、この構造によれば、外観検査が容易であり、製造コストが低減され得る。
【0012】
上記一つの態様において、コア部は、樹脂によって形成されていてもよい。この場合、軸部がセラミックによって形成される場合に比べて、軸部の誘電率が低減され得る。このため、このコイル部品は、より高い周波数に適応し得る。
【0013】
上記一つの態様において、素体は、第一方向に沿っている少なくとも1つの平面を有していてもよい。一対の外部電極は、同一の平面において、樹脂成形部上に配置されていてもよい。
【0014】
上記一つの態様において、樹脂成形部とコア部とは、互いに異なる材料によって形成されていてもよい。この場合、コア部の材料のセラミックによって形成される場合に比べて、コア部の誘電率が低減され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一つの態様は、温度変化に応じた素体の歪みが抑制され得るコイル部品を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態におけるコイル部品の斜視図である。
図2】コイル部品の内部を示す斜視図である。
図3】本実施形態の変形例におけるコイル部品の斜視図である。
図4】本実施形態の変形例におけるコイル部品の内部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0018】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態におけるコイル部品を説明する。図1は、本実施形態におけるコイル部品の斜視図である。図2は、コイル部品の内部を示す斜視図である。コイル部品1は、素体2と、一対の外部電極3と、コイル4とを備えている。一対の外部電極3は、素体2の外表面に配置されており、コイル4に接続されている。図2に示されているように、コイル4は、素体2の内部に配置されている。
【0019】
素体2は、その外表面として、一対の端面2aと、一対の側面2bと、一対の側面2cとを有している。一対の端面2aは、長手方向D1において互いに対向している。一対の側面2bは、高さ方向D2において互いに対向している。一対の側面2cは、幅方向D3において互いに対向している。一対の側面2b及び一対の側面2bは、幅方向D3に沿っている。素体2は、少なくとも1つの平面を有している。たとえば、一対の端面2a、一対の側面2b、及び、一対の側面2cのそれぞれは、平面である。
【0020】
本実施形態において、素体2は、長手方向D1の長さに比して高さ方向D2の長さが小さく、かつ、高さ方向D2の長さに比して幅方向D3の長さが小さい直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。素体2は、たとえば、樹脂によって形成されている。本実施形態の変形例として、素体2は、Y軸方向の長さに比してZ軸方向の長さが小さく、かつ、Z軸方向の長さに比してX軸方向の長さが小さい直方体形状を呈していてもよい。
【0021】
一対の外部電極3は、同一平面に配置されている。たとえば、一対の外部電極3は、同一の側面2bに配置されている。一対の外部電極3は、たとえば、長手方向D1において素体2の側面2bの両端に配置されている。一対の外部電極3は、互いに離間しており、長手方向D1において対向している。各外部電極3は、たとえば、平面視で矩形状を呈している。各外部電極3は、たとえば、樹脂電極を含んでいる。各外部電極3は、たとえば、樹脂電極のみから成ってもいてもよい。各外部電極3は、既知の技術によって形成される。たとえば、各外部電極3は、電極ペーストが素体2に付与された後に乾燥されることによって形成される。電極ペーストは、たとえば、スクリーン印刷法によって素体2に付与される。各外部電極3には、めっきが施されている。
【0022】
コイル4は、一対の先端部4a,4bを有している。一対の先端部4a,4bのそれぞれは、互いに異なる外部電極3に接続されている。一対の先端部4a,4bは、たとえば、素体2の1つの側面2bにおいて樹脂成形部5から露出し、対応する外部電極3に接続されている。
【0023】
次に、図1及び図2を参照して、コイル部品1の詳細な構成について説明する。素体2は、樹脂成形部5と、コア部6とを含んでいる。図2において、樹脂成形部5は、二点鎖線によって示されている。
【0024】
樹脂成形部5は、コイル4の少なくとも一部を覆っている。樹脂成形部5は、コア部6の少なくとも一部を覆っている。本明細書において、「覆う」とは、覆う対象物を目視できないように囲うことを意味する。「覆う」は、対象物と直接的に接している場合だけでなく、対象物と離間している場合も含んでいる。たとえば、樹脂成形部5は、他の部材の上から対象物を覆っていてもよく、対象物と樹脂成形部5とが接してない部分があってもよい。たとえば、コア部6は、コイル4の上から樹脂成形部5に覆われ、樹脂成形部5とコア部6とが直接的に接していない部分を有していてもよい。コイル4は、たとえば、一対の先端部4a,4b以外が樹脂成形部5によって覆われている。
【0025】
樹脂成形部5は、一対の端面5aと、一対の側面5bとを有している。一対の端面5aは、長手方向D1において互いに対向している。一対の側面5bは、高さ方向D2において互いに対向している。一対の端面5aは、一対の端面2aの一部を形成している。一対の側面5bは、一対の側面2bの一部を形成している。コイル4の一対の先端部4a,4bは、たとえば、樹脂成形部5の側面5bから露出している。一対の外部電極3は、同一の側面5bにおいて、少なくとも樹脂成形部5上に配置されている。一対の外部電極3は、たとえば、同一の側面5bに配置されている。
【0026】
コア部6には、コイル4が巻き付けられている。コア部6は、樹脂成形部5に一部のみ覆われている。コア部6は、樹脂成形部5から露出している露出部7aと、樹脂成形部5に覆われている非露出部7bとを含んでいる。本実施形態において、露出部7aは、壁面6aと側面6bとを含んでいる。壁面6aは、幅方向D3に交差している。壁面6aは、側面2cを形成している。側面6bは、幅方向D3に沿っている。側面6bは、端面2a及び側面2bの一部を形成している。
【0027】
非露出部7bは、側面6cと、壁面6dとを含んでいる。側面6cは、幅方向D3に延在している。側面6cには、コイル4が巻き付けられている。壁面6dは、幅方向D3と交差する方向に沿っている。
【0028】
たとえば、露出部7aの壁面6aと非露出部7bの壁面6dとは、互いに平行である。コア部6は、段差部6eを含んでいる。段差部6eは、非露出部7bの側面6cと壁面6dとによって形成されている。
【0029】
本実施形態において、露出部7aの壁面6aは、露出部7aの側面6bに接続されている。露出部7aの側面6bは、非露出部7bの壁面6dに接続されている。非露出部7bの壁面6dは、非露出部7bの側面6cに接続されている。
【0030】
コア部6は、軸部8と、一対の側端部9とを含んでいる。軸部8と一対の側端部9とは、たとえば、同一材料によって互いに一体に形成されている。軸部8は、樹脂成形部5に覆われている。たとえば、軸部8は、コイル4の上から樹脂成形部5に覆われ、樹脂成形部5と軸部8とが直接的に接していない部分があってもよい。一対の側端部9の少なくとも一部は、樹脂成形部5から露出している。
【0031】
コア部6の熱膨張係数と樹脂成形部5の熱膨張係数とは、互いに異なる。コア部6と樹脂成形部5とは、たとえば、互いに異なる材料によって形成されている。コア部6の材料の熱膨張係数と樹脂成形部5の材料の熱膨張係数とは、たとえば、互いに異なる。コア部6は、たとえば、樹脂によって形成されている。換言すれば、コア部6は、たとえば、樹脂を含んでいる。コア部6は、たとえば樹脂のみから成っていてもよい。コア部6の材料は、たとえば、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、結晶性ポリスチレン、エポキシ樹脂、及び、フッ素系樹脂から選択された少なくとも一つを含んでいる。樹脂成形部5の材料は、たとえば、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、結晶性ポリスチレン、エポキシ樹脂、及び、フッ素系樹脂から選択された少なくとも一つを含んでいる。ポリイミド樹脂は、たとえば、ビスマレイミド樹脂である。フッ素樹脂は、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂である。
【0032】
軸部8は、幅方向D3に延在している。軸部8は、非露出部7bの一部を含んでいる。軸部8は、幅方向D3に延在する柱形状を呈している。軸部8には、コイル4が巻き付けられている。コイル4は、軸部8に対して軸部8の周方向に巻き付けられている。コイル4は、軸部8を軸として、軸部8にらせん状に巻き付けられている。コイル4の回転軸は、幅方向D3に沿っている。換言すれば、コイル4の回転軸は、幅方向D3に延在している。コイル4の回転軸は、軸部8の軸に沿っている。
【0033】
一対の側端部9は、幅方向D3において軸部8の両端に連続している。本明細書において、「連続する」とは、直接的に接していることを意味する。たとえば、各側端部9は、軸部8の端に直接的に接している。一対の側端部9は、露出部7aと非露出部7bの一部とを含んでいる。露出部7aは、各側端部9によって形成されている。本実施形態において、幅方向D3への露出部7aの投射面積は、幅方向D3への軸部8の投射面積よりも大きい。幅方向D3から見て、軸部8は、露出部7aが位置する領域内に位置している。
【0034】
本実施形態において、軸部8は、非露出部7bの側面6cを含んでいる。一対の側端部9は、露出部7aの壁面6a及び側面6bと、非露出部7bの壁面6dとを含んでいる。一対の側端部9は、軸部8に対して段差を形成している。軸部8と側端部9とによって、段差部6eが形成されている。
【0035】
本実施形態において、樹脂成形部5の端面5aと一対の側端部9の側面6bとは、面一に形成されている。換言すれば、素体2の各端面2aは、一対の側端部9と樹脂成形部5とによって面一に形成されている。樹脂成形部5の側面5bと一対の側端部9の側面6bとは、面一に形成されている。換言すれば、素体2の各側面2bは、一対の側端部9と樹脂成形部5とによって面一に形成されている。
【0036】
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態の変形例におけるコイル部品について説明する。図3は、本変形例におけるコイル部品の斜視図である。図4は、本変形例におけるコイル部品の内部を示す斜視図である。図4において、樹脂成形部5は、二点鎖線によって示されている。本変形例は、概ね、上述した実施形態と類似又は同じである。本変形例は、軸部8と側端部9とによって段差部6eが形成されていない点において、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
【0037】
コア部6は、上述した実施形態と同様に、露出部7aと非露出部7bとを含んでいる。露出部7aは、素体2の側面2cの一部を形成している。露出部7aは、壁面6aを含んでいる。壁面6aは、露出面である。本変形例において、露出部7aは、側面6bを含んでいない。壁面6aは、樹脂成形部5から露出している露出面である。壁面6aは、幅方向D3に交差している。壁面6aは、側面2cの一部を形成している。露出部7aは、各側端部9によって形成されている。
【0038】
本変形例において、非露出部7bは、側面6cと側面6fとを含んでいる。非露出部7bは、壁面6dを含んでいない。側面6cには、コイル4が巻き付けられている。側面6c及び側面6fは、互いに連続しており、幅方向D3に延在している。各側端部9が、非露出部7bの側面6fを含んでいる。軸部8の側面6bと一対の側端部9の側面6fとは、幅方向D3において面一に形成されている。側面6cは第一側面に相当し、側面6fは第二側面に相当する。
【0039】
非露出部7bの側面6fは、露出部7aの壁面6aに接続されている。コア部6は、段差部6eを含まない。幅方向D3への露出部7aの投射面積は、幅方向D3への軸部8の投射面積と等しい。換言すれば、幅方向D3から見て、軸部8の縁は、露出部7aの縁と重なっている。コア部6は、軸部8と一対の側端部9とによって、幅方向D3に延在する柱状に形成されている。
【0040】
本変形例において、一対の端面5aは、一対の端面2aの全面を形成している。一対の側面5bは、一対の側面2bの全面を形成している。樹脂成形部5は、一対の側面5cをさらに含んでいる。一対の側面5cは、幅方向D3において互いに対向している。各側面5cは、素体2の側面2cの一部を形成している。側面5cと壁面6aとによって、側面2cが形成されている。換言すれば、幅方向D3から見て、露出部7aの壁面6aは、樹脂成形部5によって形成されている側面5cに囲まれている。樹脂成形部5の側面5cとコア部6の壁面6aとは、面一に形成されている。素体2の各側面2cは、一対の側端部9と樹脂成形部5とによって面一に形成されている。素体2の各端面2a及び各側面2bは、樹脂成形部5のみによって形成されている。
【0041】
次に、本実施形態及び変形例におけるコイル部品による作用効果について説明する。上述したコイル部品1において、コア部6は、同一材料によって互いに一体に形成されている軸部8と一対の側端部9とを含んでいる。一対の側端部9は、軸部8の延在方向において軸部8の両端に連続している。一対の側端部9の少なくとも一部は、樹脂成形部5から露出している。この場合、コア部6が熱膨張しても、一対の側端部9が樹脂成形部5から露出しているため、素体2に歪みが生じ難い。したがって、温度変化に応じた素体2の歪みが抑制され得る。
【0042】
一対の側端部9は、露出部7aを含んでいる。露出部7aは、樹脂成形部5から露出している。幅方向D3から見て、軸部8は、露出部7aが位置する領域内に位置している。幅方向D3への露出部7aの投射面積は、幅方向D3への軸部8の投射面積よりも大きい。この場合、コア部6における露出部7aの面積がより大きく、温度変化に応じた素体2の歪みがさらに抑制され得る。
【0043】
一対の側端部9は、軸部8に対して段差を形成している。この場合、上記段差によって幅方向D3におけるコイル4の位置が規制される。したがって、この構造によれば、製品ごとのばらつきが低減され、生産スループットが向上し得る。
【0044】
幅方向D3から見て、露出部7aの壁面6aは、樹脂成形部5によって形成されている側面5cに囲まれている。この場合、壁面6aの位置から、コイル4が巻き付けられている軸部8の位置が容易に把握され得る。このため、この構造によれば、外観検査が容易であり、製造コストが低減され得る。
【0045】
軸部8は、幅方向D3に延在する側面6cを含んでいる。一対の側端部9の各々は、幅方向D3に延在する側面6fを含んでいる。軸部8の側面6cと各側端部9の側面6fとは、幅方向D3において面一に形成されている。この場合、露出部7aの位置から、コイル4が巻き付けられている軸部8の位置が容易に把握され得る。このため、この構造によれば、外観検査が容易であり、製造コストが低減され得る。
【0046】
コア部6は、樹脂によって形成されている。この場合、軸部8がセラミックによって形成される場合に比べて、軸部8の誘電率が低減され得る。このため、このコイル部品1は、より高い周波数に適応し得る。
【0047】
樹脂成形部5とコア部6とは、互いに異なる材料によって形成されている。この場合、コア部6の材料のセラミックによって形成される場合に比べて、コア部6の誘電率が低減され得る。
【0048】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0049】
たとえば、上述した実施形態及び変形例において、軸部8は、長手方向D1よりも短い幅方向D3に延在している。しかし、軸部8は、高さ方向D2及び幅方向D3よりも長い長手方向D1に延在していてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…コイル部品、2…素体、2b…側面、3…外部電極、4…コイル、4a,4b…先端部、5…樹脂成形部、5c…側面、6…コア部、6a…壁面、6c,6f…側面、7a…露出部、8…軸部、9…側端部、D3…幅方向。
図1
図2
図3
図4