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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139220
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/56 20060101AFI20220915BHJP
   B60N 2/897 20180101ALI20220915BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B60N2/56
B60N2/897
A47C7/74 C
A47C7/74 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039503
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】大矢 美奈子
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084JA01
3B084JG02
3B084JG04
3B084JG05
3B084JG06
3B087DC06
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】カートリッジを容易に交換することができるシートを提供する。
【解決手段】シートは、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストS3を有するシート本体と、シート本体に着脱可能なカートリッジCとを備える。ヘッドレストS3は、空気を吹き出すための送風口A1と、空気を吸い込むための吸気口A2と、カートリッジCが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部100と、ヘッドレストS3の内部に吸気口A2からカートリッジ装着部100を通過して送風口A1に向かう気流を形成するファン40とを有する。カートリッジCは、カートリッジ装着部100に装着された状態でカートリッジ装着部100を通過する気流が通過可能である。カートリッジ装着部100は、ヘッドレストS3の、着座者Pの頭部Hの後ろに位置する部分に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを有するシート本体と、前記シート本体に着脱可能なカートリッジと、を備えるシートであって、
前記ヘッドレストは、空気を吹き出すための送風口と、空気を吸い込むための吸気口と、前記カートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部と、前記ヘッドレストの内部に前記吸気口から前記カートリッジ装着部を通過して前記送風口に向かう気流を形成するファンと、を有し、
前記カートリッジは、前記カートリッジ装着部に装着された状態で前記カートリッジ装着部を通過する気流が通過可能であり、
前記カートリッジ装着部は、前記ヘッドレストの、着座者の頭部の後ろに位置する部分に配置されていることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記カートリッジは、前記カートリッジ装着部に対して後ろまたは上から装着可能であることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記ヘッドレストは、前記カートリッジ装着部を複数有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記カートリッジ装着部は、前記カートリッジを装着するための開口を有し、
前記ヘッドレストは、前記開口を開く開位置と、前記開口を閉じる閉位置との間で移動可能なカバーを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート。
【請求項5】
前記ヘッドレストは、前記カバーを前記閉位置に付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項4に記載のシート。
【請求項6】
前記カートリッジ装着部は、前記カートリッジが装着された状態で前記カートリッジを保持する爪部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシート。
【請求項7】
前記カートリッジは、当該カートリッジの内部と外部を連通する通気部であって、前記カートリッジ装着部に装着された状態で前記カートリッジ装着部を通過する気流が通過可能な通気部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシート。
【請求項8】
前記カートリッジ装着部は、前記通気部を開閉するシャッタを有することを特徴とする請求項7に記載のシート。
【請求項9】
前記ヘッドレストは、前記吸気口と前記カートリッジ装着部を連通する第1ダクトと、前記カートリッジ装着部と前記送風口とを連通する第2ダクトと、を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシート。
【請求項10】
前記カートリッジは、芳香源、温度調整器、イオン発生器および空気清浄器の少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを有するシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートとして、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを有するシート本体と、シート本体のヘッドレストに対して着脱可能な芳香器とを備えるものが知られている(特許文献1)。この技術では、芳香器をヘッドレストに装着することで、ヘッドレストの送風口から香りが付加された空気を吹き出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-195429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術の芳香器のような、シート本体に着脱可能なカートリッジは、容易に交換できることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、カートリッジを容易に交換することができるシートを提供することを目的とする。
また、カートリッジの着脱作業を行いやすくすることを目的とする。
また、使用するカートリッジを切り替えることを目的とする。
また、カートリッジ装着部の開口を閉じておくことを目的とする。
また、カバーの閉め忘れを防止することを目的とする。
また、装着されたカートリッジが外れてしまうのを抑制することを目的とする。
また、カートリッジの機能を使用するか否かを切り替えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するためのシートは、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを有するシート本体と、前記シート本体に着脱可能なカートリッジと、を備えるシートであって、前記ヘッドレストは、空気を吹き出すための送風口と、空気を吸い込むための吸気口と、前記カートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部と、前記ヘッドレストの内部に前記吸気口から前記カートリッジ装着部を通過して前記送風口に向かう気流を形成するファンと、を有し、前記カートリッジは、前記カートリッジ装着部に装着された状態で前記カートリッジ装着部を通過する気流が通過可能であり、前記カートリッジ装着部は、前記ヘッドレストの、着座者の頭部の後ろに位置する部分に配置されていることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、カートリッジ装着部が、ヘッドレストの、着座者の頭部の後ろに位置する部分に配置されていることで、カートリッジを容易に交換することができる。
【0008】
前記したシートにおいて、前記カートリッジは、前記カートリッジ装着部に対して後ろまたは上から装着可能である構成とすることができる。
【0009】
これによれば、カートリッジの着脱作業を行いやすくすることができる。
【0010】
前記したシートにおいて、前記ヘッドレストは、前記カートリッジ装着部を複数有する構成とすることができる。
【0011】
これによれば、ヘッドレストに機能や種類などが異なる複数のカートリッジを装着することができる。これにより、カートリッジ装着部の数の範囲内で、使用するカートリッジを、取り替えることなく、状況や好みなどに応じて切り替えることが可能となる。
【0012】
前記したシートにおいて、前記カートリッジ装着部は、前記カートリッジを装着するための開口を有し、前記ヘッドレストは、前記開口を開く開位置と、前記開口を閉じる閉位置との間で移動可能なカバーを有する構成とすることができる。
【0013】
これによれば、カートリッジを装着しないで使用する場合にはカバーによってカートリッジ装着部の開口を閉じておくことができる。
【0014】
前記したシートにおいて、前記ヘッドレストは、前記カバーを前記閉位置に付勢する付勢部材を有する構成とすることができる。
【0015】
これによれば、カートリッジを取り外したときにカートリッジ装着部の開口をカバーによって自動的に閉じることができる。これにより、カバーの閉め忘れを防止することができる。
【0016】
前記したシートにおいて、前記カートリッジ装着部は、前記カートリッジが装着された状態で前記カートリッジを保持する爪部を有する構成とすることができる。
【0017】
これによれば、装着されたカートリッジがカートリッジ装着部から外れてしまうのを抑制することができる。
【0018】
前記したシートにおいて、前記カートリッジは、当該カートリッジの内部と外部を連通する通気部であって、前記カートリッジ装着部に装着された状態で前記カートリッジ装着部を通過する気流が通過可能な通気部を有する構成とすることができる。
【0019】
前記したシートにおいて、前記カートリッジ装着部は、前記通気部を開閉するシャッタを有する構成とすることができる。
【0020】
これによれば、シャッタを開閉することで、カートリッジ装着部を通過する気流が、カートリッジの通気部を通過する状態と、通気部を通過しない状態とに切り替えることができるので、カートリッジの機能を使用するか否かを切り替えることができる。また、カートリッジ装着部を複数有する構成では、カートリッジ装着部ごとにシャッタの開閉状態を切り替えることで、使用するカートリッジを切り替えることができる。
【0021】
前記したシートにおいて、前記ヘッドレストは、前記吸気口と前記カートリッジ装着部を連通する第1ダクトと、前記カートリッジ装着部と前記送風口とを連通する第2ダクトと、を有する構成とすることができる。
【0022】
前記したシートにおいて、前記カートリッジは、芳香源、温度調整器、イオン発生器および空気清浄器の少なくとも1つを有する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、カートリッジを容易に交換することができる。
【0024】
また、カートリッジをカートリッジ装着部に対して後ろまたは上から装着可能とすることで、カートリッジの着脱作業を行いやすくすることができる。
【0025】
また、カートリッジ装着部を複数有する構成とすることで、使用するカートリッジを切り替えることが可能となる。
【0026】
また、カートリッジ装着部の開口を開閉するカバーを設けることで、カバーによってカートリッジ装着部の開口を閉じておくことができる。
【0027】
また、カバーを閉位置に付勢する付勢部材を設けることで、カバーの閉め忘れを防止することができる。
【0028】
また、カートリッジを保持する爪部を設けることで、装着されたカートリッジが外れてしまうのを抑制することができる。
【0029】
また、カートリッジの通気部を開閉するシャッタを設けることで、カートリッジの機能を使用するか否かを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施形態に係るシートの斜視図である。
図2】ヘッドレストの構成を示す斜視図である。
図3】ヘッドレストの構成を示す断面図である。
図4】第1実施形態のカートリッジ装着部を示す斜視図である。
図5】カートリッジ装着部の断面図であり、カートリッジが装着された状態を示す図(a)と、カバーが閉位置にある状態を示す図(b)と、カバーが開位置にある状態を示す図(c)と、(a)のX-X断面を示す図(d)である。
図6】カートリッジの斜視図(a),(b)である。
図7】カートリッジの構成の具体例を示す断面図(a)~(d)である。
図8】シャッタを説明するための図であり、シャッタが全閉位置にある状態を示す図(a)と、シャッタが全開位置にある状態を示す図(b)である。
図9】シャッタ駆動機構の一例を示す図(a),(b)である。
図10】シートの制御ブロック図である。
図11】第2実施形態のカートリッジ装着部を示す斜視図である。
図12】第2実施形態のカートリッジ装着部の断面図であり、カバーが閉位置にある状態を示す図(a)と、カバーが開位置にある状態を示す図(b)である。
図13】シャッタの変形例を示す図(a)~(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、第1実施形態について説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、シートに座った者(着座者)から見た、前後、左右、上下を基準とする。
図1に示すように、実施形態に係るシートは、乗物に搭載される乗物用シート、具体的には、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されている。
【0032】
車両用シートSは、人が座るシート本体S0と、シート本体S0に着脱可能なカートリッジCとを備える。シート本体S0は、シートクッションS1、シートバックS2およびヘッドレストS3を有する。カートリッジCは、シート本体S0のうち、ヘッドレストS3に着脱可能である。
【0033】
ヘッドレストS3は、送風口A1と、吸気口A2とを有する。送風口A1は、ヘッドレストS3内から空気を吹き出すための開口であり、吸気口A2は、ヘッドレストS3内に空気を吸い込むための開口である。
【0034】
送風口A1と吸気口A2は、前側から見て、着座者の頭部を挟むように、着座者の頭部の左右に配置されている。詳しくは、送風口A1は、着座者の頭部の左右一方側に配置され、吸気口A2は、着座者の頭部の左右他方側に配置されている。具体的には、送風口A1は、着座者の頭部の左側に配置され、吸気口A2は、着座者の頭部の右側に配置されている。
【0035】
なお、車両用シートSの左または右に、図示しない別の車両用シートが配置されている場合、送風口A1は、左右方向において別の車両用シートが位置する側に配置され、吸気口A2は、左右方向において別の車両用シートが位置する側とは反対側に配置されていることが望ましい。具体的には、車両用シートSの左に別の車両用シートが配置されている場合、送風口A1は、左側に配置され、吸気口A2は、右側に配置されていることが望ましい。また、車両用シートSの右に別の車両用シートが配置されている場合、送風口A1は、右側に配置され、吸気口A2は、左側に配置されていることが望ましい。
【0036】
図2に示すように、ヘッドレストS3は、内部に、カートリッジ収容部10と、第1ダクト20と、第2ダクト30と、ファン40と、制御ユニット50と、第1ケーブル61と、第2ケーブル62とを有する。
【0037】
図3に示すように、カートリッジ収容部10は、ヘッドレストS3に装着されたカートリッジCが収容される部分である。カートリッジ収容部10は、カートリッジCが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部100を有している。カートリッジ装着部100は、ヘッドレストS3の後側の面に露出した状態で設けられている。カートリッジ装着部100の詳細については後述する。
【0038】
第1ダクト20は、吸気口A2とカートリッジ装着部100を連通するダクトである。吸気口A2から吸い込まれた空気(破線で示す矢印参照)は、第1ダクト20内を通過してカートリッジ収容部10内、さらにはカートリッジ装着部100内に流れ込む。第1ダクト20は、カートリッジ収容部10に接続されている。第1ダクト20は、一端部がカートリッジ収容部10に接続される第1管部21と、第1管部21の他端部からヘッドレストS3の吸気口A2に向けて延びる第2管部22とを含む。
【0039】
第2ダクト30は、カートリッジ装着部100と送風口A1とを連通するダクトである。カートリッジ装着部100内の空気は、カートリッジ収容部10内および第2ダクト30内を通過して送風口A1から吹き出される。第2ダクト30は、カートリッジ収容部10に接続されている。第2ダクト30は、一端部がカートリッジ収容部10に接続される第3管部31と、第3管部31の他端部からヘッドレストS3の送風口A1に向けて延びる第4管部32とを含む。
【0040】
ファン40は、ヘッドレストS3の内部に吸気口A2からカートリッジ装着部100を通過して送風口A1に向かう気流を形成するファンである。別の言い方をすると、ファン40は、ヘッドレストS3の前側で送風口A1から吸気口A2に向かう気流を形成する。本実施形態では、ファン40は、ヘッドレストS3内に1つだけ設けられている。ファン40は、第1ダクト20の内部に配置されている。詳しくは、ファン40は、第1管部21の左右外側の端部であって、第1管部21と第2管部22の接続部分付近に配置されている。ファン40は、吸気口A2と向かい合うように配置されている。
【0041】
図2に示すように、制御ユニット50は、ファン40やカートリッジCなどを制御するためのユニットである。本実施形態において、制御ユニット50は、カートリッジ収容部10の下に配置されている。
【0042】
第1ケーブル61は、ファン40と制御ユニット50を接続するケーブルである。第1ケーブル61は、一端部がファン40に接続され、他端部が制御ユニット50に接続されている。第1ケーブル61は、第1ダクト20の第1管部21とカートリッジ収容部10に沿って配置されている。
【0043】
第2ケーブル62は、制御ユニット50と、ヘッドレストS3の外部に設けられた装置を接続するケーブルである。第2ケーブル62は、例えば、制御ユニット50などに電力を供給するためのケーブルであって、制御ユニット50と、車両本体に搭載された図示しないバッテリを接続するケーブルを含む。第2ケーブル62は、一方のヘッドレストピラーS31の内側を通ってヘッドレストS3の外部に引き出されている。
【0044】
図3に示すように、ヘッドレストS3は、カートリッジ装着部100を複数有する。具体的には、ヘッドレストS3は、3つのカートリッジ装着部100を有する。1つのカートリッジ装着部100には、1つのカートリッジCが着脱可能に装着される。
【0045】
3つのカートリッジ装着部100は、左右に並んだ状態で配置されている。3つのカートリッジ装着部100は、第1カートリッジ装着部100Aと、第2カートリッジ装着部100Bと、第3カートリッジ装着部100Cとを含む。本実施形態において、第1カートリッジ装着部100Aは、最も右に位置するカートリッジ装着部100であり、第3カートリッジ装着部100Cは、最も左に位置するカートリッジ装着部100である。第2カートリッジ装着部100Bは、第1カートリッジ装着部100Aと第3カートリッジ装着部100Cの間に位置するカートリッジ装着部100である。
【0046】
カートリッジ装着部100(100A,100B,100C)は、ヘッドレストS3の、着座者Pの頭部Hの後ろに位置する部分に配置されている。詳しくは、カートリッジ装着部100は、ヘッドレストS3の、着座者Pの頭部Hを後ろから支持する部分に配置されている。具体的には、カートリッジ装着部100は、ヘッドレストS3の左右方向における中央部に配置されている。カートリッジ装着部100は、ヘッドレストS3の左右方向における中央部の後部に配置されている。
【0047】
図4に示すように、各カートリッジ装着部100は、装着開口110と、カバー120と、左右一対の爪部130とを有する。
装着開口110は、カートリッジ装着部100にカートリッジCを装着するための開口である。装着開口110は、後ろに向けて開口している。これにより、カートリッジCは、カートリッジ装着部100の装着開口110に対して後ろから装着可能である。
【0048】
カバー120は、装着開口110を開閉するためのカバーである。カバー120は、装着開口110を開く図5(c)に示す開位置と、装着開口110を閉じる図5(b)に示す閉位置との間で移動可能である。具体的には、カバー120は、開位置と閉位置との間を上下にスライド移動可能である。カバー120は、装着開口110を開閉するカバー本体121と、カバー120を上下にスライド移動させる際に摘まれるツマミ122とを有している。ツマミ122は、カバー本体121の後側の面の下端部のうち、左右中央部から後ろに向けて延びている(図4も参照)。
【0049】
図5(d)は、図5(a)のX-X断面を示す図である。図5(d)に示すように、爪部130は、カートリッジ装着部100にカートリッジCが装着された状態でカートリッジCを保持する部分である。左右の爪部130は、左右に所定の間隔をあけた状態で設けられている。左右の爪部130は、装着開口110よりも上に設けられている。左右の爪部130は、それぞれ、後ろに向けて延びるアーム部131と、アーム部131の後端部から左右内側に向けて突出する係合部132とを有している。左右の爪部130は、カートリッジCを装着したり、取り外したりする際に、アーム部131が左右外側に弾性的に撓むようになっている。
【0050】
カートリッジCをカートリッジ装着部100に装着する際には、図5(b)に示すカバー120が閉位置にある状態からツマミ122を摘んでカバー120を図5(c)に示す開位置にスライドさせる。そして、カバー120を開位置に保持した状態でカートリッジCを後ろから装着開口110に装着していく。そして、図5(a),(d)に示すように、カートリッジCを爪部130によって保持される位置まで装着することで、カートリッジCをカートリッジ装着部100に装着することができる。
【0051】
図6(a),(b)に示すように、カートリッジCは、カートリッジ本体210と、第1延出部220と、第2延出部230とを有している。
【0052】
カートリッジ本体210は、略箱状である。カートリッジ本体210は、左右の側面211,212に、それぞれ、通気部240を有する。通気部240は、カートリッジCの内部と外部、詳しくは、カートリッジ本体210の内部と外部を連通する部分であり、通気性を有している。一例として、通気部240は、カートリッジ本体210の左右の側面211,212に形成された開口部213を、通気性を有するメッシュ241で覆った構造を有する。
【0053】
なお、通気部240の具体的な構成はこれに限定されない。例えば、通気部240は、メッシュ241で覆わず、開口部213によって形成されていてもよい。また、各側面211,212の開口部の数は1つに限定されず、複数であってもよい。例えば、カートリッジ本体210の左右の壁を網目状や格子状に形成するなどして、カートリッジ本体210の内部と外部を連通する開口部(貫通穴)を複数形成してもよい。また、複数の開口部をメッシュで覆ってもよい。また、通気部240を、カートリッジ本体210の側面211,212だけでなく、例えば、上側の面などに形成してもよい。
【0054】
カートリッジCは、通気部240を有することで、カートリッジ装着部100に装着された状態でカートリッジ装着部100を通過する気流が通過可能である(図3参照)。
【0055】
第1延出部220は、カートリッジ本体210の上側の面の後端部から上側に向けて延びる部分である。第1延出部220には、カートリッジCがカートリッジ装着部100に装着されたときに、カバー120のツマミ122が入り込む孔221が形成されている(図4参照)。また、カートリッジCがカートリッジ装着部100に装着されたとき、カートリッジ装着部100の爪部130は、第1延出部220を保持する(図5(d)参照)。
【0056】
第2延出部230は、第1延出部220の前側の面の上端部から前側に向けて延びる部分である。図5(a)に示すように、第2延出部230は、カートリッジCがカートリッジ装着部100に装着されたときに、カートリッジ本体210との間でカートリッジ装着部100の後側の壁を挟む。
【0057】
次に、カートリッジCの構成(機能)の具体例についていくつか説明する。
第1の例として、図7(a)に示すように、カートリッジCは、カートリッジ本体210内に芳香源310を有する。芳香源310は、カートリッジC内を通過する空気に香りを付加するための装置である。一例として、芳香源310は、香りを付けたビーズ311と、ビーズ311を収容するケース312とを含む。ケース312は、通気性を有している。なお、芳香源310の具体的な構成はこれに限定されない。例えば、ビーズ311の代わりに、香りをしみ込ませた紙などのシートを有する構造であってもよい。
【0058】
第2の例として、図7(b)に示すように、カートリッジCは、カートリッジ本体210内に温度調整器320を有する。温度調整器320は、カートリッジC内を通過する空気を冷却したり、加熱したりすることで、カートリッジC内を通過する空気の温度を変える装置である。一例として、温度調整器320は、ペルチェ素子321を含む。ペルチェ素子321は、カートリッジC内を通過する空気を冷却したり、加熱したりする機能を有する。
【0059】
なお、温度調整器320の具体的な構成はこれに限定されない。例えば、温度調整器320は、カートリッジC内を通過する空気を冷却する機能だけを有する素子を備える構造であってもよいし、カートリッジC内を通過する空気を加熱する機能だけを有する素子を備える構造であってもよい。具体的には、例えば、温度調整器320は、ペルチェ素子321の代わりに、ヒータを備える構造であってもよい。
【0060】
第3の例として、図7(c)に示すように、カートリッジCは、カートリッジ本体210内にイオン発生器330を有する。イオン発生器330は、カートリッジC内を通過する空気にイオンを付加するための装置である。一例として、イオン発生器330は、針状の放電電極331を含む。放電電極331は、電圧をかけることで空気中にイオンを発生させる。
【0061】
第4の例として、図7(d)に示すように、カートリッジCは、カートリッジ本体210内に空気清浄器340を有する。空気清浄器340は、カートリッジC内を通過する空気を浄化するための装置である。一例として、空気清浄器340は、紫外線ランプ341を含む。紫外線ランプ341は、紫外線によってカートリッジC内を通過する空気を除菌する機能を有する。
【0062】
なお、空気清浄器340の具体的な構成はこれに限定されない。例えば、空気清浄器340は、図7(c)に示したような放電電極331を有し、放電電極331に電圧をかけることで発生するイオンによって空気中の臭い成分や菌などを分解する構造であってもよい。また、空気清浄器340は、カートリッジC内を通過する空気中の塵埃や臭い成分、菌などを除去するフィルタや活性炭などを有する構造であってもよい。また、空気清浄器340は、上述の紫外線ランプ341、放電電極331、フィルタ、活性炭などを2つ以上組み合わせた構造であってもよい。
【0063】
図8(a)に示すように、各カートリッジ装着部100は、左右の側壁にそれぞれ形成された通気開口140と、通気開口140を開閉するための左右一対のシャッタ150とをさらに有する。
通気開口140は、カートリッジ装着部100に装着されたカートリッジCの通気部240を露出させるための開口である。
【0064】
シャッタ150は、通気開口140を開閉することで、カートリッジ装着部100に装着されたカートリッジCの通気部240を開閉する。シャッタ150は、通気開口140を全閉する図8(a)に示す全閉位置と、通気開口140を全開する図8(b)に示す全開位置との間で移動可能である。具体的には、シャッタ150は、全閉位置と全開位置との間を上下にスライド移動可能である。
【0065】
図9(a)に示すように、ヘッドレストS3は、シャッタ150を駆動させるためのシャッタ駆動機構160を有している。シャッタ駆動機構160は、各カートリッジ装着部100(100A,100B,100C(図3参照))のそれぞれに対応して設けられている。
【0066】
シャッタ駆動機構160は、一例として、駆動プーリ161と、従動プーリ162と、駆動プーリ161と従動プーリ162の間に架け渡された無端状のベルト163と、駆動プーリ161を駆動させる正逆回転可能なモータ164と、モータ164の駆動力を減速して駆動プーリ161に伝達する図示しない減速機とを備える。シャッタ150は、ベルト163に取り付けられている。
【0067】
図9(a)に示すように、シャッタ150が全閉位置にある状態で、モータ164を駆動させてモータ164の図示しない出力軸を第1方向に回転させると、駆動プーリ161およびベルト163が図の反時計回りに回転する。これにより、シャッタ150が全閉位置から上にスライドして通気開口140を開く。なお、このとき、モータ164の駆動量を制御することで、シャッタ150を全閉位置と全開位置との間の任意の位置で停止させることができる。すなわち、シャッタ150の開度を調整することができる。
【0068】
また、図9(b)に示す全開位置を含むシャッタ150が開いている状態で、モータ164を駆動させてモータ164の出力軸を第1方向とは逆の第2方向に回転させると、駆動プーリ161およびベルト163が図の時計回りに回転する。これにより、シャッタ150が開いた位置から下にスライドして通気開口140を閉じる。このときも、モータ164の駆動量を制御することで、シャッタ150を全開位置と全閉位置との間の任意の位置で停止させることができる。
【0069】
図10に示すように、制御ユニット50は、ファン40、カートリッジ装着部100に装着されたカートリッジC(C1,C2,C3)、および、シャッタ駆動機構160のモータ164(164A,164B,164C)を制御する機能を有している。本実施形態において、制御ユニット50は、カートリッジ装着部100に装着されたカートリッジCについて、温度調整器320(図7(b)参照)、イオン発生器330(図7(c)参照)、空気清浄器340(図7(d)参照)のONとOFF、出力なども制御可能である。
【0070】
ここで、図10に示す、第1モータ164Aは、第1カートリッジ装着部100Aに対応するシャッタ駆動機構160のモータ164であり、第2モータ164Bは、第2カートリッジ装着部100Bに対応するシャッタ駆動機構160のモータ164であり、第3モータ164Cは、第3カートリッジ装着部100Cに対応するシャッタ駆動機構160のモータ164である。また、第1カートリッジC1は、第1カートリッジ装着部100Aに装着されたカートリッジCであり、第2カートリッジC2は、第2カートリッジ装着部100Bに装着されたカートリッジCであり、第3カートリッジC3は、第3カートリッジ装着部100Cに装着されたカートリッジCである。
【0071】
制御ユニット50には、操作部71と通信部72が接続されている。
操作部71は、ファン40のON、OFFや風量、カートリッジCが備える機器のON、OFFや出力の調整、シャッタ150の開閉、シャッタ150の開度などを着座者が操作するための機器である。操作部71は、これらを操作するためのスイッチやボタン、タッチパネルなどを備える。操作部71は、例えば、ヘッドレストS3の左右の側面や、車両のインストルメントパネル、車両のドアなどに配置することができる。
【0072】
通信部72は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を可能にする機器である。通信部72を備えることにより、本実施形態では、操作部71による操作だけではなく、スマートフォンSPなどにインストールされたアプリケーションソフトを介して、スマートフォンSPなどによりファン40やカートリッジC、シャッタ150の操作をすることができるようになっている。
【0073】
通信部72は、ヘッドレストS3の内部に配置することができる。例えば、通信部72は、制御ユニット50(図2参照)とともに、カートリッジ収容部10の下に配置することができる。また、通信部72は、ヘッドレストS3の外部の、例えば、車両本体に設けられ、制御ユニット50と第2ケーブル62によって接続されていてもよい。
【0074】
制御ユニット50は、着座者の操作に基づいてファン40やカートリッジC、シャッタ150を制御するだけでなく、ヘッドレストS3の内外に配置された機器から入力された情報などに基づいてファン40やカートリッジC、シャッタ150を自動的に制御する構成であってもよい。
【0075】
例えば、制御ユニット50は、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムから入力された道路情報に基づいて、この先の道路が、乗物酔いが発生しやすいカーブが多い道であると判定した場合、乗物酔いを発生しにくくするように、ファン40やカートリッジC、シャッタ150を制御する。
【0076】
一例として、乗物酔いに効果があるとされるミントの香りの芳香源310を有するカートリッジCが装着されている場合、制御ユニット50は、当該カートリッジCが装着されているカートリッジ装着部100のシャッタ150を開き、ファン40を駆動させる。これにより、ヘッドレストS3の送風口A1からミントの香りが付加された空気を吹き出すことができ、乗物酔いを発生しにくくすることができる。
【0077】
また、他の例として、温度調整器320を有するカートリッジCが装着されている場合、制御ユニット50は、当該カートリッジCが装着されているカートリッジ装着部100のシャッタ150を開き、ファン40を駆動させるとともに、温度調整器320を駆動させてカートリッジC内を通過する空気を冷却する。これにより、ヘッドレストS3の送風口A1から冷たい空気を吹き出すことができ、乗物酔いを発生しにくくすることができる。
【0078】
以上説明した第1実施形態によれば、カートリッジ装着部100が、ヘッドレストS3の、着座者Pの頭部Hの後ろに位置する部分に配置されていることで、カートリッジCを容易に交換することができる。
【0079】
また、カートリッジCがカートリッジ装着部100に対して後ろから装着可能であることで、カートリッジCの着脱作業を行いやすくすることができる。特に、本実施形態のように、カートリッジ装着部100を複数有する場合には、複数のカートリッジ装着部100を左右に並べて配置することで、隣接する他のカートリッジCを一旦取り外すことなく、カートリッジCを個別に着脱できるので、カートリッジCの着脱作業が行いやすい。
【0080】
また、カートリッジ装着部100を複数有することで、ヘッドレストS3に機能や種類などが異なる複数のカートリッジCを装着することができる。これにより、カートリッジ装着部100の数の範囲内で、使用するカートリッジCを、取り替えることなく、状況や好みなどに応じて切り替えることが可能となる。
【0081】
また、カートリッジ装着部100の装着開口110を開閉するカバー120を有することで、カートリッジCを装着しないで使用する場合にはカバー120によって装着開口110を閉じておくことができる。これにより、例えば、装着開口110からカートリッジ装着部100内に塵埃などが入り込むのを抑制することができる。
【0082】
また、カートリッジ装着部100が爪部130を有することで、装着されたカートリッジCがカートリッジ装着部100から外れてしまうのを抑制することができる。
【0083】
また、シャッタ150を開閉することで、カートリッジ装着部100を通過する気流が、カートリッジCの通気部240を通過する状態と、通気部240を通過しない状態とに切り替えることができるので、カートリッジCの機能を使用するか否かを切り替えることができる。また、本実施形態のように、カートリッジ装着部100を複数有する構成では、カートリッジ装着部100ごとにシャッタ150の開閉状態を切り替えることで、使用するカートリッジCを切り替えることができる。
【0084】
また、カートリッジCが芳香源310を有することで、当該カートリッジCをカートリッジ装着部100に装着することで、ヘッドレストS3の送風口A1から香りが付加された空気を吹き出すことができる。また、芳香源310を有するカートリッジCが着脱可能であることで、香りの種類を状況や好みなどに応じて変えることができる。
【0085】
また、カートリッジCが温度調整器320を有することで、当該カートリッジCをカートリッジ装着部100に装着することで、ヘッドレストS3の送風口A1から温風や冷風などの温度が調整された空気を吹き出すことができる。
【0086】
また、カートリッジCがイオン発生器330を有することで、当該カートリッジCをカートリッジ装着部100に装着することで、ヘッドレストS3の送風口A1からイオンが付加された空気を吹き出すことができる。
【0087】
また、カートリッジCが空気清浄器340を有することで、当該カートリッジCをカートリッジ装着部100に装着することで、ヘッドレストS3の送風口A1から浄化された空気を吹き出すことができる。
【0088】
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下では、先に説明した実施形態と異なる点について詳しく説明し、先に説明した実施形態と同じ点については、例えば、同様の構成要素に同一の符号を付すなどして説明を省略する。
【0089】
図11に示すように、本実施形態において、カートリッジ収容部10は、左右に並んだ状態で配置された3つのカートリッジ装着部100を有する。各カートリッジ装着部100は、装着開口410と、カバー420とを有している。
【0090】
装着開口410は、カートリッジ装着部100にカートリッジCを装着するための開口である。装着開口410は、上に向けて開口している。これにより、本実施形態では、カートリッジCは、カートリッジ装着部100の装着開口410に対して上から装着可能である。なお、本実施形態では、カートリッジ装着部100は、上側の面が、ヘッドレストS3の外部に露出した状態で設けられている。
【0091】
図12に示すように、カバー420は、装着開口410を開閉するためのカバーである。カバー420は、装着開口410を開く図12(b)に示す開位置と、装着開口410を閉じる図12(a)に示す閉位置との間で移動可能である。具体的には、カバー420は、開位置と閉位置との間を回動可能である。一例として、カバー420は、後端部の左右に延びる回動軸420Aを中心として、前端部が、図12(a)に示す閉位置と、図12(b)に示す開位置との間を上下に回動可能である。
【0092】
本実施形態において、ヘッドレストS3は、付勢部材の一例としてのトーションバネ430を有する。トーションバネ430は、カバー420を図12(a)に示す閉位置に付勢するバネである。詳しくは、トーションバネ430は、コイル部が回動軸420Aに巻き付くように配置され、一端部がカバー420に接触し、他端部がカートリッジ装着部100の壁に接触した状態で配置されている。
【0093】
カートリッジCをカートリッジ装着部100に装着する際には、図12(a)に示すように、カートリッジCを上から下へ装着開口410に装着していく。このとき、カバー420は、カートリッジCに押されて閉位置から開位置に向けて回動していき、図12(b)に示すように、カートリッジCがカートリッジ装着部100に装着されると、開位置に位置する。
【0094】
図12(b)に示す状態のカートリッジCを上に持ち上げてカートリッジ装着部100から取り外していくと、カバー420は、トーションバネ430の付勢力によって開位置から閉位置に向けて回動していく。そして、図12(a)に示すように、カートリッジCがカートリッジ装着部100から取り外されると、カバー420は、閉位置に位置する。
【0095】
以上説明した第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0096】
補足すると、カートリッジCがカートリッジ装着部100に対して上から装着可能であることで、カートリッジCの着脱作業を行いやすくすることができる。特に、カートリッジ装着部100を複数有する場合には、複数のカートリッジ装着部100を左右に並べて配置することで、隣接する他のカートリッジCを一旦取り外すことなく、カートリッジCを個別に着脱することができるので、カートリッジCの着脱作業が行いやすい。
【0097】
また、カートリッジ装着部100の装着開口410を開閉するカバー420を閉位置に付勢するトーションバネ430を有することで、カートリッジCを取り外したときに装着開口410をカバー420によって自動的に閉じることができる。これにより、カバー420の閉め忘れを防止することができる。これにより、装着開口410からカートリッジ装着部100内に塵埃などが入り込むのをより確実に抑制することができる。
【0098】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0099】
例えば、前記実施形態で説明したカートリッジの具体的な機能は一例であり、カートリッジは、前記実施形態で説明した機能以外の機能を有するものであってもよい。例えば、カートリッジCは、消臭器を有するものであってもよい。消臭器は、カートリッジC内を通過する空気の臭いを除去するための装置であり、消臭フィルタなどを含む。
【0100】
消臭器を有するカートリッジCが装着された場合、制御ユニット50は、ヘッドレストS3や車両本体に設けられた臭いセンサにより車両内の空気の臭いを測定し、臭いセンサの測定値が所定値以上の場合、ファン40を所定時間駆動させ、吸気口A2から取り込んだ空気をカートリッジC内を通過させた後、送風口A1から吹き出すことで、車両内の消臭を行うように構成されていてもよい。
【0101】
なお、このような車両内の消臭を行うための消臭器は、カートリッジCではなく、例えば、第1ダクト20内に配置してもよい。これによれば、消臭器を有するカートリッジCをカートリッジ装着部100に装着する必要がないので、カートリッジ装着部100を、他の機能を有するカートリッジCのために空けておくことができる。同様の理由で、前記実施形態の温度調整器320、イオン発生器330、空気清浄器340などを第1ダクト20内または第2ダクト30内に配置してもよい。
【0102】
また、前記実施形態では、1つのカートリッジが1つの機能を有する構成であったが、これに限定されず、1つのカートリッジが複数の機能を有する構成であってもよい。具体的には、カートリッジは、芳香源、温度調整器、イオン発生器、空気清浄器、消臭器などのうち、異なる機能を有する装置を2つ以上有する構成であってもよい。例えば、カートリッジは、イオン発生器と空気清浄器の両方を有する構成などであってもよい。
【0103】
また、前記実施形態では、カートリッジの通気部を開閉するシャッタとして、上下にスライド移動するシャッタ150を例示したが、これに限定されない。例えば、図13(a)~(c)に示すように、シャッタ450は、いわゆるルーバーのように、複数の羽板451を有し、羽板451の向きを変えることで、通気開口140(カートリッジCの通気部)を開閉する構成であってもよい。また、シャッタを備えない構成であってもよい。
【0104】
また、前記実施形態では、ヘッドレストS3は、3つのカートリッジ装着部100を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、ヘッドレストは、2つのカートリッジ装着部を有する構成であってもよいし、4つ以上のカートリッジ装着部を有する構成であってもよい。また、ヘッドレストは、カートリッジ装着部100を1つだけ有する構成であってもよい。
【0105】
また、第2実施形態では、カバー420を閉位置に付勢する付勢部材として、トーションバネ430を例示したが、これに限定されない。例えば、付勢部材は、圧縮コイルバネや引張コイルバネ、板バネなどであってもよい。また、第1実施形態のように、付勢部材を備えない構成であってもよい。
【0106】
また、第1実施形態では、スライドするカバー120を例示し、第2実施形態では、回動するカバー420を例示したが、これに限定されない。例えば、カバーは、カートリッジ装着部に対して着脱可能であり、カートリッジ装着部に取り付けたときに開口を閉じ、カートリッジ装着部から取り外したときに開口を開くようなカバーであってもよい。また、カバーは、ヘッドレストのフレームやクッション材を覆う、ヘッドレストの表皮の一部によって形成されていてもよい。また、カバーを備えない構成であってもよい。
【0107】
また、第1実施形態では、カートリッジCがカートリッジ装着部100に対して後ろから装着可能な構成であり、第2実施形態では、カートリッジCがカートリッジ装着部100に対して上から装着可能な構成であったが、これに限定されない。例えば、カートリッジは、カートリッジ装着部に対して左または右から装着可能な構成であってもよい。
【0108】
なお、カートリッジが後ろから装着可能な構成において、カートリッジ着脱方向は、前後方向(水平方向)に平行であってもよいし、前後方向(水平方向)に対して上下左右に多少傾いていてもよい。また、カートリッジが上から装着可能な構成において、カートリッジ着脱方向は、上下方向(鉛直方向)に平行であってもよいし、上下方向(鉛直方向)に対して前後左右に多少傾いていてもよい。また、カートリッジが左または右から装着可能な構成において、カートリッジ着脱方向は、左右方向(水平方向)に平行であってもよいし、左右方向(水平方向)に対して前後上下に多少傾いていてもよい。
【0109】
また、カートリッジを保持する爪部の具体的な構成は、前記実施形態の構成に限定されない。例えば、第1実施形態では、爪部130がカートリッジ装着部100の外部に露出した状態で設けられていたが、これに限定されず、爪部は、カートリッジ装着部の内部に設けられていてもよい。また、第2実施形態のように、爪部を備えない構成であってもよい。
【0110】
また、前記実施形態では、ファン40が第1ダクト20内に配置されていたが、これに限定されない。例えば、ファンは、第2ダクト30内に配置されていてもよいし、カートリッジ収容部10内に配置されていてもよい。また、前記実施形態では、ヘッドレストS3がファン40を1つだけ備えていたが、これに限定されず、ヘッドレストは、ファンを複数備えていてもよい。また、例えば、ヘッドレストは、2つのファンを備え、一方のファンが第1ダクト内に配置され、他方のファンが第2ダクト内に配置されていてもよい。また、例えば、第1ダクト内に複数のファンを配置してもよいし、第2ダクト内に複数のファンを配置してもよい。
【0111】
また、前記実施形態では、カートリッジ装着部100、第1ダクト20および第2ダクト30が別々に設けられていたが、これに限定されない。例えば、カートリッジ装着部、第1ダクトおよび第2ダクトが一体化したような構成であってもよい。
【0112】
また、前記実施形態では、カートリッジ装着部100が外部に露出した状態で設けられていたが、これに限定されない。例えば、カートリッジ装着部は、通常はヘッドレストの表皮の一部などによって覆われていて、カートリッジを装着する際に露出させるように設けられていてもよい。
【0113】
また、前記実施形態では、シートクッションS1、シートバックS2およびヘッドレストS3が別々に設けられていたが、これに限定されない。例えば、シートバックとヘッドレストが一体化したシートであってもよい。また、シートクッションとシートバックが一体化したシートであってもよい。また、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストのすべてが一体化したシートであってもよい。
【0114】
また、前記実施形態では、シートとして、自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載される乗物用シートであってもよい。また、シートは、乗物用シートに限定されず、例えば、アミューズメント施設やリラクゼーション施設、家庭などで使用されるシートであってもよい。
【0115】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0116】
20 第1ダクト
30 第2ダクト
40 ファン
100 カートリッジ装着部
110 装着開口
120 カバー
130 爪部
150 シャッタ
240 通気部
310 芳香源
320 温度調整器
330 イオン発生器
340 空気清浄器
A1 送風口
A2 吸気口
C カートリッジ
H 頭部
P 着座者
S シート
S0 シート本体
S1 シートクッション
S2 シートバック
S3 ヘッドレスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13