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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139258
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】コルク栓及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B27N 3/02 20060101AFI20220915BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B27N3/02 D
B27N3/02 B
C09J175/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039549
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000225359
【氏名又は名称】内山工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002206
【氏名又は名称】弁理士法人せとうち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】穴吹 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】片山 竜雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 智久
(72)【発明者】
【氏名】藤原 あゆみ
【テーマコード(参考)】
2B260
4J040
【Fターム(参考)】
2B260AA12
2B260AA20
2B260BA10
2B260BA15
2B260BA18
2B260BA26
2B260CD15
2B260CD22
2B260DA01
2B260DA17
2B260EB02
2B260EB06
2B260EB19
4J040EF021
4J040JB03
4J040MA08
4J040MB07
4J040NA06
(57)【要約】
【課題】生産性が高いうえに、密封性及び抜栓性が良好であり、なおかつ安全性も高いコルク栓を提供する。
【解決手段】コルク粒及び接着剤を混合してから圧搾成形してなるコルク栓であって、前記接着剤が下記式(I)で示される化合物を含む、コルク栓である。
[上記式(I)中、Rは炭素数1~10のアルキレン基である。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コルク粒及び接着剤を混合してから圧搾成形してなるコルク栓であって、前記接着剤が下記式(I)で示される化合物を含む、コルク栓。
【化1】
[上記式(I)中、Rは炭素数1~10のアルキレン基である。]
【請求項2】
前記コルク粒100質量部に対して、前記接着剤1~40質量部及び水1~40質量部を混合する、請求項1に記載のコルク栓。
【請求項3】
前記コルク粒及び前記接着剤を混合してから圧搾成形することにより中間体を得た後に、該中間体を加熱する、請求項1又は2に記載のコルク栓の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コルク粒を圧搾成形して得られるコルク栓及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コルク栓は、密封性に優れるとともに、独特の風合いを有することから、ワインボトル等の飲料容器を密封するための栓として古くから用いられてきた。
【0003】
コルク粒と接着剤とを圧搾成形してなる圧搾コルク栓は、コスト面等に優れるとともに、天然コルク栓を製造する際に発生したスクラップを破砕したコルク粒を原料として用いることができるため環境面でも優れており、広く普及している。従来から、このような圧搾コルク栓の製造には、トルエンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ジイソシアネートを用いたウレタン系接着剤等が使用されている。
【0004】
しかしながら、近年、より安全性の高いコルク栓が求められている。特許文献1には、環構造を形成していないHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)ビウレットを用いたHDIウレタンを接着剤として使用した圧搾コルク栓が記載されていて、当該圧搾コルク栓は、密封性及び安全性が高かったと記載されている。しかしながら、当該コルク栓は、乾燥後のコルク栓の寸法のばらつきが大きく、生産性が低下する場合があった。また、得られるコルク栓の密封性が不十分である場合や、抜栓する際、抵抗感にバラツキがあったり、硬く固定されていて引き抜き難かったりする場合もあった。
【0005】
特許文献2には、ポリオールと脂肪族イソシアネートとを含む接着剤を用いて得られるコルク成形品が記載されていて、前記脂肪族イソシアネートの一つとして、環構造を形成したHDIイソシアヌレートが記載されている。しかしながら、このような2液型の接着剤を用いる場合、コストが上昇するうえに、ポリオールが加えられて、より多くの化学物質が含まれることになるため安全性も劣っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-55486号公報
【特許文献2】US2015/73089A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、生産性が高いうえに、密封性及び抜栓性が良好であり、なおかつ安全性も高いコルク栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、コルク粒及び接着剤を混合してから圧搾成形してなるコルク栓であって、前記接着剤が下記式(I)で示される化合物を含む、コルク栓を提供することによって解決される。
【0009】
【化1】
[上記式(I)中、Rは炭素数1~10のアルキレン基である。]
【0010】
このとき、前記コルク粒100質量部に対して、前記接着剤1~40質量部及び水1~40質量部を混合することが好ましい。
【0011】
上記課題は、前記コルク粒及び前記接着剤を混合してから圧搾成形することにより中間体を得た後に、該中間体を加熱する、前記コルク栓の製造方法を提供することによっても解決される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコルク栓は、密封性及び抜栓性が良好であり、なおかつ安全性も高い。また、本発明の製造方法によれば、前記コルク栓を生産性良く製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のコルク栓は、コルク粒及び接着剤を混合してから圧搾成形してなるコルク栓であって、前記接着剤が下記式(I)で示される化合物を含むものである。下記式(I)で示される化合物を含む接着剤を用いることにより、密封性及び抜栓性が良好なコルク栓が得られる。前記接着剤は安全性が高いため、得られるコルク栓もまた安全性が高い。また、前記接着剤を用いることにより、乾燥後のコルク栓の寸法のばらつきが低減されるため、本発明のコルク栓の生産性が向上する。
【0014】
【化2】
[上記式(I)中、Rは炭素数1~10のアルキレン基である。]
【0015】
本発明のコルク栓に用いられるコルク粒として、圧搾コルク栓の製造に一般的に使用される、コルク樫の樹皮のコルク組織を破砕してなるものが用いられる。前記コルク粒は、天然コルク栓を製造する際に発生したスクラップを破砕したものであってもよい。
【0016】
前記コルク粒の平均粒径は、0.1~8mmが好ましい。このような平均粒径であるコルク粒を用いることにより、密封性及び抜栓性がさらに向上する。前記平均粒径が0.1mm未満の場合、コルク栓を抜栓する際、抵抗感にバラツキがあったり、硬く固定されて引き抜き難くなったりするおそれがある。当該平均粒径は、0.5mm以上がより好ましく、1mm以上がさらに好ましい。一方、当該平均粒径が8mmを超える場合、コルク栓内に空隙が生じやすくなり、密封性が低下するおそれがある。当該平均粒径は、5mm以下がより好ましく、3mm以下がさらに好ましく、2mm以下が特に好ましい。
【0017】
本発明のコルク栓に用いられる接着剤として、上記式(I)で示される化合物を含むものが用いられる。当該化合物は、3つの脂肪族イソシアネートが環を形成してなる、いわゆるイソシアヌレートである。このような環構造を有する化合物を含む接着剤を用いることによって、適度な硬さを有するコルク栓が得られ、密封性及び抜栓性が向上するものと考えられる。しかも、脂肪族イソシアネートは安全性が非常に高い。上記式(I)中、Rは炭素数1~10のアルキレン基である。Rの炭素数がこのような範囲であることにより、適度な硬さを有するコルク栓が得られる。Rの炭素数は2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましい。一方、Rの炭素数は9以下が好ましく、8以下がより好ましく、7以下がさらに好ましい。前記アルキレン基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、前者が好ましい。前記アルキレン基としては、例えば、メチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基が挙げられ、中でも、ペンチレン基及びヘキシレン基が好ましい。
【0018】
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記アルキレン基が置換基を有していても構わないが、前記アルキレン基が置換基を有していないことが好ましい。
【0019】
前記接着剤中のイソシアネート(NCO)基の含有量は、5~40質量%が好ましい。前記含有量は10質量%以上がより好ましく、18質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、22質量%以上が最も好ましい。一方、前記含有量は35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、27質量%以下が特に好ましく、26質量%以下が最も好ましい。
【0020】
前記接着剤の全固形分中のイソシアネート(NCO)基の含有量は、5~40質量%が好ましい。前記含有量は10質量%以上がより好ましく、18質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、22質量%以上が最も好ましい。一方、前記含有量は35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、27質量%以下が特に好ましく、26質量%以下が最も好ましい。
【0021】
前記接着剤中の上記式(I)で示される化合物の含有量は、通常、25質量%以上であり、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上が最も好ましい。前記接着剤中のポリオールの含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
【0022】
本発明の効果が阻害されない範囲であれば、前記接着剤が上記式(I)で示される化合物以外の他の添加剤を含有していてもよい。当該他の添加剤としては、有機溶剤等が挙げられる。
【0023】
前記コルク粒と前記接着剤とを均一に混合し易くなる観点から、25℃における、硬化前の前記接着剤の粘度は700~3000mPa・sが好ましい。前記粘度は1000mPa・s以上がより好ましく、1200mPa・s以上がさらに好ましい。一方、前記粘度は2800mPa・s以下がより好ましく、2400mPa・s以下がさらに好ましい。前記接着剤の粘度は実施例に記載された方法により測定される。
【0024】
密封性及び抜栓性がさらに向上する観点から、前記接着剤の硬化後の硬度(A)が73~95であることが好ましい。前記接着剤の硬度は実施例に記載された方法により測定される。
【0025】
本発明のコルク栓は、前記コルク粒及び前記接着剤を混合してから圧搾成形してなるものである。このときの前記コルク粒及び前記接着剤の混合量は、前記コルク粒100質量部に対して、前記接着剤1~40質量部であることが好ましい。混合する前記接着剤の量が1質量部未満の場合、得られるコルク栓の機械的性質が不十分になるおそれやコルク栓中に空隙が発生しやすくなり、密封性が低下するおそれがある。前記接着剤の量は、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。一方、混合する前記接着剤の量が40質量部を超える場合、得られるコルク栓が硬くなり過ぎて、抜栓性が低下するおそれがある。前記接着剤の量は、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
【0026】
前記コルク栓が、前記コルク粒、前記接着剤及び水を混合してから圧搾成形してなるものであることが好ましい。さらに水を混合することで、接着剤の反応を促進することができる。前記コルク粒100質量部に対して混合する水の量は、1~40質量部が好ましい。混合する水の量が1質量部未満の場合、上記式(I)で示される化合物が安定して反応せず、前記接着剤が十分に硬化しないおそれがある。前記接着剤の量は、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。一方、混合する水の量が40質量部を超える場合、得られるコルク栓中に空隙が発生しやすくなり、密封性が低下するおそれがある。前記接着剤の量は、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
【0027】
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記コルク粒、前記接着剤及び必要に応じて水を混合して得られる混合物は、前記コルク粒、前記接着剤及び水以外の他の添加剤を含有していても構わない。前記混合物中の前記他の添加剤の合計量は、前記コルク粒100質量部に対して、通常10質量部以下であり、5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
【0028】
本発明のコルク栓は、前記混合物を圧搾成形することにより得られるものである。前記接着剤は湿気硬化型であり、水と反応して上記式(I)で示される化合物同士が尿素結合を形成して結合することにより硬化する。このような接着剤を用いることにより、コルク栓の製造コストが低減されるうえに、安全性の高いコルク栓が得られる。前記接着剤は、圧搾成形する際や、圧搾成形後に必要に応じて加熱すること等により硬化させることができる。前記コルク栓の形状は、特に限定されないが、略円柱状であることが好ましい。上記式(I)で示される化合物を含有する接着剤を用いて得られるコルク栓は、適度な硬さを有し、抜栓をスムーズに行うことができるうえに、密封性も向上する。前記接着剤は安全性が高いため、得られるコルク栓もまた安全性が高い。しかも、前記接着剤を用いることにより、乾燥後のコルク栓の寸法のばらつきが低減されるため、本発明のコルク栓の生産性が向上する。
【0029】
本発明のコルク栓の製造方法は特に限定されないが、前記コルク粒及び前記接着剤を混合してから圧搾成形することにより中間体を得た後に、該中間体を加熱する方法が好ましい。このとき、前記コルク粒、前記接着剤及び水を混合することがより好ましい。
【0030】
前記コルク粒、前記接着剤及び水を混合する方法は特に限定されず、前記コルク粒、前記接着剤、必要に応じて水、他の添加剤をミキサー等を用いて混合する方法等が挙げられる。
【0031】
得られた混合物を圧搾成形することにより中間体を得る。前記混合物の圧搾成形方法は特に限定されないが、前記混合物を圧搾成形用の成形型のキャビティ内に装填した後、圧搾成形する方法が好ましい。
【0032】
前記中間体の形状は、特に限定されず、コルク栓の形状に合わせて決定することができる。なかでも、前記中間体が略円柱状であることが好ましい。このような略円柱状の中間体を得る方法として、前記混合物を円柱の回転軸に直交する方向に圧縮させながら圧搾成形する方法が好ましい。このような方法を用いて前記混合物を圧搾成形することにより、抜栓性及び密栓性がさらに向上する。このような中間体の製造方法として、特開2010-99909号公報に記載された方法等が採用される。
【0033】
得られた中間体を加熱する。これにより、上記式(I)で示される化合物と水(前記コルク粒及び前記接着剤に混合する水や大気中の水等)とが反応して接着剤が硬化する。このときの加熱温度は、通常、50~180℃である。加熱温度が50℃未満の場合、前記接着剤が十分硬化しないおそれがある。加熱温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。一方、加熱温度が180℃を超える場合、得られるコルク栓が硬くなりすぎるおそれがある。加熱温度は170℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましい。
【0034】
前記中間体の加熱時間は、通常、20~120分である。加熱時間が20分未満の場合、前記接着剤が十分硬化しないおそれがある。加熱時間は30分以上が好ましい。一方、加熱時間が120分を超える場合、得られるコルク栓が硬くなりすぎるおそれがある。加熱時間は100分以下が好ましく、80分以下がより好ましい。
【0035】
前記コルク栓の密度が0.25~0.35g/cmであることが好ましい。前記コルク栓の密度がこのような範囲であることにより、密封性と抜栓性とのバランスが良好となる。前記コルク栓の密度は実施例に記載された方法により測定される。
【0036】
本発明のコルク栓は、抜栓性及び密封性が高く、かつ安全性も高い。したがって、ワインボトルやウィスキーボトル等の飲料容器、食品容器、薬品容器等の栓として好適に用いられる。本発明の製造方法によれば、このようなコルク栓を生産性良く製造することができる。
【実施例0037】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
【0038】
[生産性]
成形装置からの脱型後の円柱状の中間体の直径及び高さのばらつきについて、以下の基準で評価した。公差が大きい場合、中間体の加熱時間を延長する必要があり、生産性が低下する。

A:直径のばらつきが±0.5mm以内であり、かつ高さのばらつきが±1mm以内であった。
B:直径のばらつきが±0.5mmを超えるか、又は高さのばらつきが±1mmを超えた。
【0039】
[密度]
密度は、コルク栓の直径及び高さを測定し、測定した直径及び高さからコルク栓の体積を求めた。そして、求めたコルク栓の体積によってコルク栓の質量を除すことでコルク栓の密度を算出した。
【0040】
[粘度]
接着剤の粘度は、JIS Z8803に準拠し、B型回転粘度計を用いて、25℃における粘度の経時的な変化を測定することにより求めた。
【0041】
[硬度]
各実施例又は比較例と同様の条件で、各実施例又は比較例にて使用される接着剤を硬化させてなるブロック状の試験体を準備し、ショアーA型硬度計を試験体の中心付近の真上から降ろし、硬度計の針を試験体に押込むことによって、接着剤のA型硬度を測定した。
【0042】
[浸透性評価]
ワインボトル(内径19mm)にワインを充填した後、得られたコルク栓で栓をした。当該ワインボトルを横向きにして、ワインとコルク栓とが接触する状態で段階的に昇温させながら、6日間静置した。さらに、室温で1日静置した後にコルク栓を目視で観察して、ワインの浸透性を以下の基準で評価した。
A:コルクにワインが染み込んでいなかった
B:コルクにワインが染み込んでいた
【0043】
[抜栓力]
得られたコルク栓を用いてワインボトル(内径19mm)に栓をした後、オープナーを用いて引き抜いた。このときの感触を、以下の基準で評価した。
A:一定の抵抗感があり、スムーズに開栓できた
B:抵抗感にバラツキがあるとともに、硬く固定されていて引き抜き難かった
【0044】
実施例1
[コルク栓の作成手順]
コルク粒(粒径1~2mm)100質量部、式(I)で示される化合物(Rが1,6-ヘキシレン基)を含む接着剤(旭化成株式会社製「DURANATE(登録商標) TPA-100」、式(I)で示される化合物を形成しているNCO基の含有量23.1質量%、硬化前の粘度と硬化後の硬度を表1に示す)10質量部、及び水10質量部を混合した。特開2010-99909号公報に記載された成形装置(同公報の図2~6参照)を用いて、得られた混合物の圧搾成形を行うことにより、直径25.5mm、長さ40mmの円柱状の中間体を得た後、当該中間体を円筒形容器に装填した。当該円筒型容器を130℃の電気抵抗式のオーブン内に40分間静置することにより前記中間体を加熱して中間体に含まれる接着剤を硬化させた。その後、中間体を研磨することにより、直径23.5mm、長さ38mm、密度0.30g/cmの円柱状のコルク栓を得た。得られたコルク栓の評価結果を表1に示す。
【0045】
実施例2
水を混合しなかったこと及びオーブン内での中間体の加熱時間を180分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてコルク栓の製造及び評価を行った。コルク栓の評価結果を表1に示す。
【0046】
実施例3
接着剤として式(I)で示される化合物(Rが1,5-ペンチレン基)を含む接着剤(三井化学株式会社製「スタビオ(登録商標) D-370N」、式(I)で示される化合物を形成しているNCO基の含有量25質量%)を用いた以外は実施例1と同様にしてコルク栓の製造及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0047】
比較例1
接着剤として下記式(II)で示される化合物(Rが1,6-ヘキシレン基)を含む接着剤(旭化成株式会社製「DURANATE(登録商標) 24A-100」、式(II)で示される化合物の含有量23.5質量%)を用いた以外は実施例1と同様にしてコルク栓の製造及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0048】
【化3】
【0049】
比較例2
接着剤として下記式(III)で示される化合物(R及びRはアルキレン基)と下記式(IV)で示される化合物(R及びRはアルキレン基)とを含む接着剤(旭化成株式会社製「DURANATE(登録商標) D101」、下記式(III)又は(IV)で示される化合物を形成しているNCO基の合計含有量19.7質量%)を用いた以外は実施例1と同様にしてコルク栓の製造及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0050】
【化4】
【0051】
【化5】
【0052】
【表1】