(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013926
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ヒアリング支援システム、ヒアリング支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20220111BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111075
(22)【出願日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】P 2020115245
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596079138
【氏名又は名称】東日本メディコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】野本 禎
(72)【発明者】
【氏名】渋川 和彦
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問を、より適切に支援する。
【解決手段】ヒアリング支援システム1は、回答画面生成部352と、コード画像変換部353と、接続管理部354と、を備える。回答画面生成部352は、医学的または薬学的な指導に関する質問に回答するための回答画面を患者ごとに生成する。コード画像変換部353は、選択された患者に対応する回答画面への接続情報を画像に変換して出力する。接続管理部354は、出力された画像を光学的に読み取ると共に、読み取った画像に基づいて接続情報を取得した個人端末20からの、接続情報に基づいた接続要求に応じて、選択された患者に対応する回答画面と個人端末20との接続を確立する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医学的または薬学的な指導に関する質問に回答するための回答画面を患者ごとに生成する画面生成手段と、
選択された患者に対応する前記回答画面への接続情報を画像に変換して出力する変換手段と、
前記出力された画像を光学的に読み取ると共に、読み取った画像に基づいて前記接続情報を取得した端末からの、前記接続情報に基づいた接続要求に応じて、前記選択された患者に対応する前記回答画面と前記端末との接続を確立する接続管理手段と、
を備えることを特徴とするヒアリング支援システム。
【請求項2】
前記画面生成手段は、前記回答画面を患者及び回答者の組み合わせごとに生成し、
前記変換手段は、選択された患者及び選択された回答者の組み合わせに対応する前記回答画面への接続情報を画像に変換して出力し、
前記接続管理手段は、前記接続要求に応じて、前記選択された患者及び選択された回答者の組み合わせに対応する前記回答画面と前記端末との接続を確立する、
ことを特徴とする請求項1に記載のヒアリング支援システム。
【請求項3】
前記接続管理手段は、前記変換手段が前記画像を出力した時点、または、前記端末が出力した前記画像を光学的に読み取った時点から、所定時間が経過した後は前記接続要求に応じず、前記選択された患者に対応する前記回答画面と前記端末とを接続しない、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のヒアリング支援システム。
【請求項4】
前記画面生成手段は、医学的または薬学的な指導に関する連絡先に発信するための発信用情報を前記回答画面に含ませる、
ことを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載のヒアリング支援システム。
【請求項5】
前記回答画面で受け付けた回答を、対応する患者の薬歴に登録する薬歴登録手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載のヒアリング支援システム。
【請求項6】
前記接続管理手段は、前記回答画面での回答が終了した後に、前記端末に対して、前記選択された患者に対応する新たな前記回答画面への接続情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載のヒアリング支援システム。
【請求項7】
前記画面生成手段は、回答画面データベースに格納されている情報に基づいて、前記回答画面を生成し、
前記回答画面データベースに格納されている情報は、前記医学的または薬学的な指導に関する質問を行う複数の施設において共有される、
ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載のヒアリング支援システム。
【請求項8】
医学的または薬学的な指導に関する質問に回答するための回答画面を患者ごとに生成する画面生成ステップと、
選択された患者に対応する前記回答画面への接続情報を画像に変換して出力する変換ステップと、
前記出力された画像を光学的に読み取ると共に、読み取った画像に基づいて前記接続情報を取得した端末からの、前記接続情報に基づいた接続要求に応じて、前記選択された患者に対応する前記回答画面と前記端末との接続を確立する接続管理ステップと、
を含むことを特徴とするヒアリング支援方法。
【請求項9】
医学的または薬学的な指導に関する質問に回答するための回答画面を患者ごとに生成する画面生成機能と、
選択された患者に対応する前記回答画面への接続情報を画像に変換して出力する変換機能と、
前記出力された画像を光学的に読み取ると共に、読み取った画像に基づいて前記接続情報を取得した端末からの、前記接続情報に基づいた接続要求に応じて、前記選択された患者に対応する前記回答画面と前記端末との接続を確立する接続管理機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアリング支援システム、ヒアリング支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医学的な指導や薬学的な指導に関する支援をする情報処理技術が知られている。
例えば、特許文献1に、患者の薬歴のデータをデータベースによって管理する技術が開示されている。この特許文献1に開示の技術によれば、薬剤師が調剤業務を行う際に、このデータベースを参照して、薬歴に基づいた服薬指導や、ヒアリング等の質問を行うと共に、その回答を薬局の端末に入力することにより患者の薬歴を管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているような一般的な技術では、薬剤師が、患者の質問に対する回答を薬局の端末に対して入力する前提となっている。したがって、薬剤師以外の人物(例えば、患者自身)が端末への入力を行う場合があることや、その場合に感染症の予防策を講じる必要があることについて、十分に考慮されているとはいえない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。そして、本発明の課題は、医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問を、より適切に支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様のヒアリング支援システムは、
医学的または薬学的な指導に関する質問に回答するための回答画面を患者ごとに生成する画面生成手段と、
選択された患者に対応する前記回答画面への接続情報を画像に変換して出力する変換手段と、
前記出力された画像を光学的に読み取ると共に、読み取った画像に基づいて前記接続情報を取得した端末からの、前記接続情報に基づいた接続要求に応じて、前記選択された患者に対応する前記回答画面と前記端末との接続を確立する接続管理手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問を、より適切に支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るヒアリング支援システム1のシステム構成を示す図である。
【
図2】各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】薬局端末10の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】個人端末20の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】ヒアリング支援サーバ30の機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】薬局端末10が実行するヒアリング支援処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】ヒアリング支援処理時に薬局端末10において表示される、状態一覧画面の一例を示す模式図である。
【
図8】ヒアリング支援処理時に薬局端末10において表示される、コード画像出力画面の一例を示す模式図である。
【
図9】個人端末20が実行するヒアリング支援処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】ヒアリング支援処理時に個人端末20において表示される、回答画面の一例を示す模式図である。
【
図11】ヒアリング支援サーバ30が実行するヒアリング支援処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[システム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るヒアリング支援システム1のシステム構成を示す図である。
本実施形態におけるヒアリング支援システム1は、保険薬局や病院や診療所等の医療施設において、医療従事者や患者を支援するシステムである。例えば、ヒアリング支援システム1は、医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問を、より適切に支援するために用いられる。本実施形態では、説明のための一例として、医療従事者が、保険薬局で業務に従事する薬剤師である場合を想定する。また、これも説明のための一例として、医学的または薬学的な指導に関する質問が、処方箋に基づいた調剤時に、服薬指導と共に患者に対して行われるヒアリング等の質問である場合を想定する。ただし、これらは説明のための一例に過ぎず、本実施形態の適用範囲を限定する趣旨ではない。
【0011】
図1に示すように、ヒアリング支援システム1は、薬局端末10と、個人端末20と、ヒアリング支援サーバ30と、を含んで構成される。また、薬局端末10、個人端末20及びヒアリング支援サーバ30、並びに、薬局用コンピュータ及び外部サーバは、ネットワーク40を介して相互に通信可能に構成されている。このネットワーク40は、例えば、インターネットや、保険薬局に敷設されたLAN(Local Area Network)によって実現される。
【0012】
薬局用コンピュータは、保険薬局の業務に関する処理を実行するサーバコンピュータ等の情報処理装置であり、診療報酬明細書を作成するレセプトコンピュータとしての機能(レセコン機能)や、患者の薬歴を管理する機能(薬歴管理機能)を備える。また、外部サーバは、薬局用コンピュータと連携するサーバコンピュータ等の情報処理装置であり、電子お薬手帳を記憶しているデータベースサーバの機能や、薬剤情報を記憶しているデータベースサーバ等の機能を備える。
【0013】
なお、図中には、各装置及び各端末をそれぞれ一台ずつ図示するが、これに限られない。例えば、ヒアリング支援サーバ30や薬局用コンピュータは、複数の保険薬局それぞれに対応して複数存在してもよい。他にも、例えば、薬局端末10は、これを利用する医療従事者それぞれに対応して複数存在してもよい。同様に、例えば、個人端末20は、これを利用する患者等の個人それぞれに対応して複数存在してもよい。
【0014】
薬局端末10は、医療従事者(ここでは、薬剤師)によって利用されるものであり、保険薬局が所有するタブレット端末やPC(Personal Computer)等の情報処理装置によって構成される。薬局端末10は、医療従事者が患者に対して医学的または薬学的な指導(例えば、薬剤師による服薬指導や、これに伴う患者に対する質問)等を行う際に、医療従事者の業務を支援するために各種の情報を表示したり、各種の情報の入力を受け付けたりする。
例えば、薬局端末10は、後述するヒアリング支援処理において、個人端末20が質問に対する回答用の回答画面に接続するために、図示している二次元コードCのようなコード画像を表示する。
【0015】
個人端末20は、回答者である個人(ここでは、患者)によって利用されるものであり、個人が所有するスマートフォンやタブレット端末等の情報処理装置によって構成される。個人端末20は、医療従事者が患者に対して医学的または薬学的な指導(例えば、薬剤師による服薬指導や、これに伴う患者に対する質問)等を行う際に、個人による回答を支援するために各種の情報を表示したり、各種の情報の入力を受け付けたりする。
例えば、個人端末20は、後述するヒアリング支援処理において、回答画面に接続し、この回答画面上で、個人からの回答の入力を受け付ける。
【0016】
ヒアリング支援サーバ30は、薬局端末10及び個人端末20と連携して、後述するヒアリング支援処理を実現するものであり、ヒアリング支援システム1を運用する事業者等が管理するサーバコンピュータ等の情報処理装置によって構成される。ヒアリング支援サーバ30は、後述するヒアリング支援処理等により医療従事者や患者を支援するために、薬局に備えられた薬局用コンピュータ(複数存在する場合はそれぞれの薬局用コンピュータ)が管理している各種データを受信する。また、ヒアリング支援サーバ30は、これら受信した各種のデータを薬局用コンピュータと同様のデータベース群(薬歴データベースを含む)によって管理する。すなわち、ヒアリング支援サーバ30は、保険薬局に備えられた薬局用コンピュータ(複数存在する場合はそれぞれの薬局用コンピュータ)が管理する情報の一部または全部を取得する。
【0017】
また、ヒアリング支援サーバ30は、このデータベース群の情報等に基づいて、「ヒアリング支援処理」を実行する。このヒアリング支援処理において、ヒアリング支援サーバ30は、医学的または薬学的な指導に関する質問に回答するための回答画面を患者ごとに生成する。また、ヒアリング支援サーバ30は、選択された患者に対応する回答画面への接続情報を画像に変換して出力する。さらに、ヒアリング支援サーバ30は、出力された画像を光学的に読み取ると共に、読み取った画像に基づいて接続情報を取得した個人端末20からの、接続情報に基づいた接続要求に応じて、選択された患者に対応する回答画面と個人端末20との接続を確立する。
【0018】
このように、ヒアリング支援サーバ30を含むヒアリング支援システム1は、回答画面への接続情報を画像に変換して出力し、個人端末20がこれを光学的に読み取ることを可能とすると共に、この個人端末20を回答画面と接続することにより個人端末20から回答の入力を行うことを可能とする。これにより、回答を行う個人は、保険薬局等の共有端末である薬局端末10に直接接触することなく、自身が所持しているスマートフォン等を用いて回答を入力することができる。この場合、保険薬局等の共有端末である薬局端末10を複数人で交互に利用することがないので、操作に用いた手指及び共有端末である薬局端末10を介した、ウイルスや細菌の接触感染を防止することができる。
【0019】
さらに、保険薬局等において共有端末である薬局端末10を管理する手間を低減することができる。例えば、薬局端末10を利用する都度、アルコール除菌等の処理を行う手間や、薬局端末10の台数を所定数以上揃える手間や、薬局端末10が破損した場合の修理依頼等の手間や、薬局端末10の紛失を防止するための手間等を低減することができる。
従って、本発明の実施形態に係るヒアリング支援システム1によれば、医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問を、より適切に支援することができる。
【0020】
[ハードウェア構成]
次に、ヒアリング支援システム1に含まれる各装置及び各端末のハードウェア構成を説明する。
ヒアリング支援システム1に含まれる各装置及び各端末は、上述したようにPC、サーバコンピュータ、タブレット端末あるいはスマートフォン等の情報処理装置によって構成され、その基本的構成はそれぞれ同様である。
【0021】
図2は、各装置及び各端末を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、各装置を構成する情報処理装置800は、CPU(Central Processing Unit)811と、ROM(Read Only Memory)812と、RAM(Random Access Memory)813と、バス814と、入力部815と、出力部816と、記憶部817と、通信部818と、ドライブ819と、撮像部820と、を備えている。
【0022】
CPU811は、ROM812に記録されているプログラム、または、記憶部817からRAM813にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM813には、CPU811が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0023】
CPU811、ROM812及びRAM813は、バス814を介して相互に接続されている。バス814には、入力部815、出力部816、記憶部817、通信部818、ドライブ819及び撮像部820が接続されている。
【0024】
入力部815は、各種ボタン等で構成され、指示操作に応じて各種情報を入力する。また、入力部815は、マイクをさらに含んでおり、音声を集音する。
出力部816は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部817は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部818は、ネットワーク40を介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0025】
ドライブ819には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア831が適宜装着される。ドライブ819によってリムーバブルメディア831から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部817にインストールされる。
撮像部820は、レンズ及び撮像素子等を備えた撮像装置によって構成され、被写体のデジタル画像を撮像する。
【0026】
なお、情報処理装置800がヒアリング支援サーバ30として構成される場合には、撮像部820を省略した構成とすることも可能である。また、情報処理装置800がタブレット端末やスマートフォンとして構成される場合には、入力部815をタッチセンサによって構成し、出力部816のディスプレイに重ねて配置することにより、タッチパネルを備える構成とすることも可能である。
【0027】
[機能的構成]
次に、ヒアリング支援システム1における各装置及び各端末の機能的構成について説明する。
【0028】
[薬局端末10の機能的構成]
図3は、薬局端末10の機能的構成を示すブロック図である。また、
図4は、後述する個人端末20の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、薬局端末10のCPU811においては、ユーザインターフェース表示制御部(UI表示制御部)151と、コード画像出力部152と、回答状態管理部153と、が機能する。
【0029】
UI表示制御部151は、ヒアリング支援サーバ30から受信したユーザインターフェース画面を表示するための情報(以下、「UI情報」と称する。)に基づいて、後述する各種処理における各種入出力画面(以下、「UI画面」と称する。)の表示を制御する。例えば、UI表示制御部151は、ヒアリング支援処理において、質問に対する回答をしている個人の回答状態の一覧を示す状態一覧画面や、各種の操作ボタン等を出力部816に含まれるディスプレイに表示する。
また、UI表示制御部151は、UI画面において入力された各種情報や、入力された操作指示の内容をヒアリング支援サーバ30に送信する。
【0030】
コード画像出力部152は、ヒアリング支援サーバ30から受信したコード画像を出力する。ここで、出力とは、例えば、出力部810に含まれるディスプレイに表示することや、通信部818を介して接続された印刷装置(図示を省略する。)から紙媒体に対して印刷することである。このコード画像は、複数の患者ごとに生成された回答画面に接続するための接続情報を変換(すなわち、エンコード)したものである。コード画像出力部152は、薬剤師による、患者の選択を伴うコード画像の表示指示操作に基づいて患者を選択し、この選択した患者に対応するコード画像を出力する。
【0031】
本実施形態では、説明のための一例として、接続情報は、回答画面それぞれに対応して生成されたURL(Uniform Resource Locator)であると想定する。このURLは、回答画面それぞれを作成する際に、ハッシュ値を用いる等の方法で、それぞれの回答画面に対応したユニークなURLとして自動生成される。また、コード画像の規格については、特に限定されず、バーコードのような一次元コードであってもよいし、その他のコードであってもよい。本実施形態では、説明のための一例として、コード画像がQRコード(登録商標)の規格に準拠した、二次元コード(
図1に示した二次元コードCに相当)であることを想定する。
【0032】
回答状態管理部153は、ヒアリング支援処理において、質問に対する回答をしている個人の回答状態を示す情報である、回答ステータスを管理する。そのために、回答状態管理部153は、ヒアリング支援サーバ30との間で、周期的に通信を行い、質問に対する回答をしている個人それぞれの回答ステータスが変化したか否かを判定する。そして、回答状態管理部153は、回答ステータスが変化していることを検出した場合には、状態一覧画面において、変化後の回答ステータスに更新をして表示するように、UI表示制御部151を制御する。
【0033】
[個人端末20の機能的構成]
図4は、個人端末20の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、個人端末20のCPU811においては、コード画像解析部251と、接続実行部252と、が機能する。
【0034】
コード画像解析部251は、コード画像出力部152により表示または印刷されたコード画像を、撮像部820を利用して光学的に読み取る。また、コード画像解析部251は、読み取ったコード画像を、変換(すなわち、エンコード)前の接続情報に復号(すなわち、デコード)することにより、接続情報を取得する。このような、光学的な読み込み及び復号はコード画像の規格により定められたアルゴリズム(ここでは、QRコードの規格に準拠したアルゴリズム)に基づいて実現することができる。コード画像解析部251は、このようにして取得した接続情報を、接続実行部252に対して出力する。
【0035】
接続実行部252は、コード画像解析部251が取得した接続情報(ここでは、URL)を用いて、後述するヒアリング支援サーバ30の接続管理部354に接続要求を送信することにより、回答画面に通信接続する。これにより、接続実行部252は、回答画面上での、患者による、服薬指導に関するヒアリング等の質問への回答(すなわち、回答の入力)を実現する。ここで、接続管理部354は、いわゆるWebサーバとして機能する。これに対して、接続実行部252は、Webブラウザとしての機能を備え、このWebサーバとして機能する接続管理部354にクライアントとして通信接続する。なお、このWebブラウザとしての通信接続は、コード画像解析部251がコード画像から接続情報であるURLを取得したことを契機として自動的に行われてもよいし、取得したURLに対する接続指示操作を患者から受け付けたことを契機として行われてもよい。
【0036】
[ヒアリング支援サーバ30の機能的構成]
図4は、ヒアリング支援サーバ30の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ヒアリング支援サーバ30のCPU811においては、ユーザインターフェース情報生成部(UI情報生成部)351と、回答画面生成部352と、コード画像変換部353と、接続管理部354と、薬歴登録部355と、データベース管理部(DB管理部)355と、が機能する。
【0037】
また、
図4に示すように、ヒアリング支援サーバ30の記憶部817においては、患者属性データベース(患者属性DB)371と、処方箋データベース(処方箋DB)372と、薬歴データベース(薬歴DB)373と、指導内容データベース(指導内容DB)374と、回答画面データベース(回答画面DB)375と、が形成される。
【0038】
患者属性DB371には、患者の、住所、氏名、生年月日、年齢、性別、被保険者証の記号番号、及び緊急時連絡先等の患者属性のデータが、各患者を識別する情報と対応付けて記憶されている。この患者属性は、薬剤師が患者との対話において取得した情報や、患者がアンケート等に回答して提供した情報等によって構成され、例えば、患者の趣味、仕事内容、家族構成、好きな食べ物等も含まれる。
【0039】
処方箋DB372には、患者に対して発行された処方箋のデータ(処方した保険医療機関名並びに保険医氏名、処方日、及び処方内容等)が、各患者を識別する情報や処方箋の持参日と対応付けて記憶されている。
【0040】
薬歴DB373には、患者に対して処方された薬剤の履歴(薬歴)のデータ(処方履歴、合併症を含む既往歴に関する情報、他科受診の有無等)が、各患者を識別する情報や処方を行った各薬剤師を識別する情報と対応付けて記憶されている。また、薬歴には、薬剤師が患者に対して行った服薬指導内容の履歴のデータ(服薬指導文等)が併せて記憶される。さらに、薬歴には、ヒアリング支援処理において患者が入力した回答や、その回答に付加して薬剤師が入力した回答も併せて記憶される。
【0041】
指導内容DB374には、一般に薬剤師が服薬指導を行う際に、聞き取りを行うべき質問の内容(ヒアリング内容)や、服薬指導内容が、処方される薬剤や処方される患者の特性(例えば、患者の年齢や性別や持病等)と対応付けて記憶されている。質問の内容や、服薬指導内容は、例えば、薬剤師(特にベテランの薬剤師)が服薬指導を行う患者に対して聞き取りを行うべき質問の項目(ヒアリング項目)や、患者に対して説明すべき調剤された薬剤の作用や副作用並びに飲み合わせ(併用禁忌)等である。
【0042】
これらの質問の内容や服薬指導内容は、薬剤師が理解可能な専門的用語を用いた服薬指導文のような形式で表現されていてもよいし、患者にとってより理解しやすい形式(例えば、口語を用いた質問文や、専門的な用語を用いず平易な表現とした服薬指導文)で表現されていてもよい。また、これら質問の内容や服薬指導内容は、統計情報等に基づいて人手によってルールベースで作成されたものでもよいし、ディープラーニング等の手法を用いて機械学習により作成されたものでもよい。
【0043】
さらに、質問の内容については、患者が入力することにより回答を行うべき質問であるのか、薬剤師が患者に対して口頭確認等した上で薬剤師が入力することにより回答を行うべき質問であるのかについても設定される。このような質問の内容や服薬指導内容や、これに関する設定については、ヒアリング支援システム1を運用する事業者や、ヒアリング支援システム1を利用する保険薬局が、実際の保険薬局での運用方針等に基づいて、適宜、追加や削除や修正を行うことが可能である。
【0044】
回答画面DB375には、患者が、服薬指導に関するヒアリング等の質問に回答する(すなわち、回答を入力する)ための回答画面が記憶される。この回答画面は、処方される薬剤や処方される患者の特性(例えば、患者の年齢や性別や持病等)に対応して、後述の回答画面生成部352により患者ごとに生成される。個人端末20における接続実行部252の説明の際に上述したが、後述するヒアリング支援サーバ30の接続管理部354は、Webサーバとして機能する。この場合に、接続管理部354は、回答画面DB375に格納されている回答画面をWebコンテンツとして接続実行部252に対して提供する。すなわち、回答画面は、ヒアリング等の質問に対応するテキスト、オブジェクト(例えば、画像)、及びこれらの配置等を記述したHTML(Hyper Text Markup Language)文書等のWebコンテンツを実現するための各種情報と、この各種情報にWebブラウザが接続(アクセス)するためのURLを含む。
【0045】
UI情報生成部351は、薬局端末10がUI画面を表示するためのUI情報を生成し、生成したUI情報を薬局端末10に対して送信する。この場合、UI情報生成部351は、UI画面を表示するためのフレームのフォーマット及びフォーマットに挿入する実体的な内容をUI情報として生成する。本実施形態において、フォーマットに挿入する実体的な内容としては、例えば、ヒアリング支援処理において、状態一覧画面等の各種表示を行うために必要な情報が含まれる。
【0046】
また、UI情報生成部351は、UI情報を薬局端末10に送信することに対応して、薬局端末10から送信される各種情報や、入力された操作指示の内容を受信する。
【0047】
回答画面生成部352は、患者が、服薬指導に関するヒアリング等の質問に回答する(すなわち、回答を入力する)ための回答画面を生成する。また、回答画面生成部352は、生成した回答画面を回答画面DB375に記憶させる。ここで、回答画面は、回答画面DB375の説明の際に上述したように、処方される薬剤や処方される患者の特性(例えば、患者の年齢や性別や持病等)に対応して生成される。生成のタイミングは、患者が処方箋を持参して処方箋DB372に持参された処方箋が登録されたタイミングであってもよいし、薬局端末10からコード画像の要求を受信したタイミングであってもよい。
【0048】
また、回答画面生成部352は、患者ごとの回答画面それぞれを作成する際に、ハッシュ値を用いる等の方法で、それぞれの回答画面に対応したユニークなURLを自動生成する。そして、回答画面生成部352は、生成したURLをコード画像変換部353に対して出力する。
【0049】
コード画像変換部353は、薬局端末10から受信したコード画像の要求に応じて、コード画像を生成し、生成したコード画像を薬局端末10に対して送信する。コード画像の要求には、薬局端末10において薬剤師に選択された患者の情報が含まれる。そして、コード画像変換部353は、この選択された患者に対応する回答画面のURLを回答画面生成部352から取得する。また、コード画像変換部353は、このURLを、コード画像の規格により定められたアルゴリズム(ここでは、QRコードの規格に準拠したアルゴリズム)に基づいて変換(すなわち、エンコード)することにより、この選択された患者に対応するコード画像を生成する。さらに、コード画像変換部353は、この生成されたコード画像を、薬局端末10に対して送信する。
【0050】
接続管理部354は、いわゆるWebサーバとして機能し、薬局端末10が回答画面DB375に格納されている各種情報に接続(アクセス)することに関する制御を行う。上述したように、薬局端末10は、コード画像を光学的に読み取ると共に、このコード画像をURLに復号(すなわち、デコード)することにより、URLを取得する。そして、薬局端末10は、このURLに基づいた、接続要求(アクセス要求)を接続管理部354に対して送信する。
【0051】
ここで、本実施形態では、コード画像に有効期限を設ける。これにより、患者が、誤って過去の来診時のアンケートに、後日回答を入力してしまうような問題を防止することができる。このコード画像の有効期限は、例えば、薬局端末10においてコード画像が表示された時点や、個人端末20においてコード画像が光学的に読み取られた時点から、所定の長さの期限とする。例えば、コード画像が表示された時点や、コード画像が光学的に読み取られた時点で、いわゆるワンタイムパスワードのような有効期限を示す情報を付加することにより、URLに有効期限を設定する。そして、接続管理部354は、このURLに基づいた、接続要求を受信すると、付加された有効期限を示す情報に基づいて、現時点がURLの有効期限内であるか否かを判定する。また、接続管理部354は、有効期限内である場合には、薬局端末10が回答画面DB375に格納されている回答画面に対応する各種情報に接続することを許可し、この接続を確立する。一方で、接続管理部354は、有効期限を経過している場合は、薬局端末10が回答画面DB375に格納されている各種情報に接続することを禁止し、この接続を確立させない。
【0052】
なお、有効期限の長さについては、ヒアリング支援システム1を運用する事業者や、ヒアリング支援システム1を利用する保険薬局が、実際の保険薬局での運用方針等に基づいて、適宜設定することができる。また、有効期限は、薬局端末10のコード画像出力部152がどのような態様でコード画像を出力したかに応じて異なるようにしてもよい。例えば、コード画像をディスプレイに表示することにより出力した場合には有効期限を1時間とし、コード画像を紙媒体に印刷することにより出力した場合には有効期限を12時間とするようにしてもよい。これは、ディスプレイに表示した場合は、薬局等のその場ですぐに回答をする状況であり、紙媒体に印刷した場合には、患者が帰宅後に回答する状況である、というように出力の態様によって回答までに想定される時間が異なることがあるからである。
【0053】
また、接続管理部354は、このようにして接続の制御を行うと共に、質問に対する回答をしている個人の回答状態を示す情報である、回答ステータスを管理する。そして、接続管理部354は、薬局端末10との間で、周期的に通信を行い、この回答ステータスが変化した場合には、薬局端末10にその旨を通知する。
【0054】
薬歴登録部355は、個人端末20を用いて、回答画面上で患者が入力した回答を薬歴DB373に薬歴として記憶する。ただし、患者の回答に誤りや不足等がある場合も考えられる。そこで、薬歴登録部355は、回答画面上での患者の入力が終了すると、この患者が入力した回答を薬歴DB373に、まず一時保存する。また、薬歴登録部355は、この一時保存した患者の回答を薬局端末10に対して送信する。そして、薬歴登録部355は、薬局端末10において、この患者の回答を参照した薬剤師から登録の承認操作を受け付けた場合に、この患者の回答を、一時保存ではなく正式に薬歴DB373に薬歴として登録する。この場合に、薬歴登録部355は、薬剤師による修正や追加があった場合には、この修正や追加を反映した上で、薬歴として登録する。このような薬剤師による確認作業は、UI情報生成部351が生成するUI情報を、薬局端末10にて表示することにより実現することができる。
【0055】
データベース管理部(DB管理部)356は、薬局用コンピュータや外部サーバが管理している各種データベースのデータと、ヒアリング支援サーバ30に備えられた各種データベースのデータとを同期させるための管理を行う。例えば、DB管理部356は、各種データベースが更新されたタイミングや、予め設定された時刻(例えば、各サーバの使用頻度が低い午前3時等の時刻)で、ヒアリング支援サーバ30が管理している各種データベースにおいて更新されたデータを薬局用コンピュータや外部サーバに送信すると共に、薬局用コンピュータや外部サーバにおいて更新された各種データベースのデータを薬局用コンピュータや外部サーバから受信し、ヒアリング支援サーバ30が備える各種データベースを更新する。これにより、ヒアリング支援サーバ30に備えられた各種データベースのデータの内容は、適宜最新の内容に更新される。
【0056】
[動作]
次に、ヒアリング支援システム1に含まれる各装置及び各端末それぞれにおける、ヒアリング支援処理時の動作を説明する。
【0057】
[薬局端末10の動作]
図6は、薬局端末10が実行するヒアリング支援処理の流れを示すフローチャートである。
薬局端末10におけるヒアリング支援処理は、薬局端末10において、ヒアリング支援処理の開始指示操作を受け付けたことに対応して開始される。
【0058】
ステップS11において、UI表示制御部151は、回答状態管理部153から受信したUI情報に基づいて、状態一覧画面を表示する。
【0059】
この場合に表示される状態一覧画面の具体例について
図7を参照して説明する。ここで、
図7は、ヒアリング支援処理時に薬局端末10において表示される、状態一覧画面の一例を示す模式図である。
図7に示すように、状態一覧画面50は、患者状態一覧表示領域51、及び操作ボタン表示領域52を、表示領域として含む。
【0060】
患者状態一覧表示領域51には、保険薬局等において現在回答画面で回答を行っている患者の人数や、患者それぞれの患者ID、氏名、年齢、及び性別等の属性情報が表示されている。また、質問に対する回答をしている患者の回答状態を示す情報である、回答ステータスが表示される。回答ステータスは、例えば、コード画像を表示しているが未だ個人端末20による読み取り前の状態を示す「コード画像表示中」、コード画像が読み取られたが未だ回答画面に接続する前の状態を示す「入力待機」、回答画面に接続後回答をしている途中の状態を示す「入力中」、回答画面における患者の回答が終了し、薬剤師による薬歴への登録承認待ちの状態を示す「確認待ち」、及びコード画像の有効期限が経過した状態を示す「期限切れ」等の情報を回答ステータスとすることができる。薬剤師は、この回答ステータスを参照することにより、どの患者が入力に時間がかかっているかということや、自身がどの患者の回答について登録の承認を行うべきかということが、容易に把握することができる。また、この場合に、各回答ステータスを単にテキストで表示するのみではなく、回答ステータスごとにテキストやテキスト周辺の色等の表示態様を異ならせるようにしてもよい。このように回答ステータスごとに表示態様を異ならせることにより、薬剤師は、より容易に各患者の状態を把握することができる。
【0061】
操作ボタン表示領域52には、薬剤師が操作を行うための様々な操作ボタンが表示される。例えば、薬剤師はこの状態一覧画面の患者状態一覧表示領域51にてコード画像を表示させたい患者を選択し、操作ボタン表示領域52の「コード画像」ボタンを押下することより、患者の選択を伴うコード画像の表示指示操作を行うことができる。他にも、例えば、薬剤師はこの状態一覧画面の患者状態一覧表示領域51にて回答の登録承認をしたい患者を選択し、操作ボタン表示領域52の「薬歴」ボタンを押下することより、登録の承認を行うための画面に遷移することができる。
【0062】
図6に戻り、ステップS12において、回答状態管理部153は、回答ステータスが変化しているか否かを判定する。回答ステータスが変化している場合は、ステップS12においてYesと判定され、処理はステップS13に進む。一方で、回答ステータスが変化していない場合は、ステップS12においてNoと判定され、処理はステップS14に進む。
【0063】
ステップS13において、状態一覧画面において、変化後の回答ステータスに更新をして表示するように、UI表示制御部151を制御する。
【0064】
ステップS14において、コード画像出力部152は、薬剤師から患者の選択を伴うコード画像の表示指示操作を受け付けたか否かを判定する。コード画像の表示指示操作を受け付けた場合は、ステップS14においてYesと判定され、処理はステップS15に進む。一方で、コード画像の表示指示操作を受け付けていない場合は、ステップS14においてNoと判定され、処理はステップS17に進む。
【0065】
ステップS15において、コード画像出力部152は、ヒアリング支援サーバ30に対して、ステップS14において選択された患者に対応するコード画像の要求を送信する。そして、コード画像出力部152は、コード画像の要求に応じてヒアリング支援サーバ30から送信されたコード画像を取得する。
【0066】
ステップS16において、コード画像出力部152は、ステップS15にて取得したコード画像を出力する。
【0067】
この場合に表示されるコード画像出力画面の具体例について
図8を参照して説明する。ここで、
図8は、ヒアリング支援処理時に薬局端末10において表示される、コード画像出力画面の一例を示す模式図である。
図8に示すように、コード画像出力画面60は、コード画像表示領域61、閉じるボタン表示領域62、及びコード画像印刷ボタン表示領域63を、表示領域として含む。
【0068】
コード画像表示領域61には、薬剤師が選択した患者に対応するコード画像が表示される。患者は、個人端末20の撮像部820をこのコード画像にかざすことにより、このコード画像を光学的に読み取ることができる。また、薬剤師は、患者による読み取り後等に、閉じるボタン表示領域62に表示されている閉じるボタンを押下することにより、
図7に示したような状態一覧画面に遷移することができる。さらに、薬剤師は、コード画像印刷ボタン表示領域63に表示されているコード画像印刷ボタンを押下することにより、コード画像を紙媒体に印刷することができる。
【0069】
図6に戻り、ステップS17において、UI表示制御部151は、患者の回答を参照した薬剤師から、登録の承認操作を受け付けたか否かを判定する。登録の承認操作を受け付けた場合は、ステップS17においてYesと判定され、処理はステップS18に進む。一方で、登録の承認操作を受け付けていない場合は、ステップS17においてNoと判定され、これにより薬局端末10における本処理は一度終了し、再度ステップS11から本処理が行われる。
ステップS18において、UI表示制御部151は、患者の回答の薬歴への登録要求を、ヒアリング支援サーバ30に対して送信する。
【0070】
[個人端末20の動作]
図9は、個人端末20が実行するヒアリング支援処理の流れを示すフローチャートである。
個人端末20におけるヒアリング支援処理は、個人端末20において、ヒアリング支援処理の開始指示操作を受け付けたことに対応して開始される。
【0071】
ステップS21において、コード画像解析部251は、薬局端末10から出力されたコード画像を読み取る。
【0072】
ステップS22において、コード画像解析部251は、ステップS21にて読み取ったコード画像から接続情報(ここでは、URL)を取得する。
【0073】
ステップS23において、接続実行部252は、ステップS22にて取得した接続情報(ここでは、URL)を用いて、ヒアリング支援サーバ30に対して、接続要求を送信する。
【0074】
ステップS24において、回答画面との接続が確立か否かを判定する。上述したように、接続情報(ここでは、URL)の有効期限内で場合に接続は確立する一方で、有効期限が経過している場合には接続は確立しない。接続が確立した場合は、ステップS24においてYesと判定され、処理はステップS25に進む。一方で、接続が確立しない場合は、ステップS24においてNoと判定され、これにより個人端末20における本処理は一度終了し、再度ステップS21から本処理が行われる。
【0075】
この場合に表示される回答画面の具体例について
図10を参照して説明する。ここで、
図10は、ヒアリング支援処理時に個人端末20において表示される、回答画面の一例を示す模式図である。
図10では、一例として3つの回答画面の例を示す。
図10(A)、
図10(B)、及び
図10(C)のそれぞれに示すように、回答画面70は、発信アイコン表示領域71、質問表示領域72、及び遷移ボタン表示領域73を、表示領域として含む。
【0076】
発信アイコン表示領域71には、「ご不明点がある場合はお問い合わせ下さい」等の案内を示すテキストと、発信アイコンとが表示される。患者は、質問の意図が不明等で、どのように回答すべきか分からない場合には、この発信アイコンを押下する。これにより、患者からの発信に応答すべき、担当薬剤師等に対して発信がなされ、音声通話やビデオ通話等を行うことができる。この音声通話等は、例えば、接続管理部354の制御に基づいて実現されるIP(Internet Protocol)電話機能や、スマートフォンが備える一般の電話機能等で実現することができる。このように、回答画面からのみ発信ができるようにすることで、回答時という限定的な場面でのみ、薬剤師等の医療従事者に対する発信をすることができる。したがって、医療従事者に常に連絡がなされてしまい、医療従事者が連絡の対応で繁忙になることを防止することができる。
【0077】
質問表示領域72には、患者に対する質問が表示される。例えば、
図10(A)の質問表示領域72には、患者の生年月日等の属性を確認するという質問が表示される。この場合、患者はこの属性に誤りがないことを確認するのみでよく、特に詳細な入力等を行う必要がない。また、例えば、
図10(B)の質問表示領域72には、既住歴を確認する質問が表示される。患者は、「なし」、「あり」の何れかを選択し、「あり」の場合には、既住歴をテキスト入力する。このように、質問内容に応じて、患者の回答方法を異ならせることにより、患者による回答を簡便に実現することができる。
【0078】
また、例えば、
図10(C)の質問表示領域72には、妊娠中または授乳中ではないかという質問が表示される。上述したように、本実施形態では、患者ごとに回答画面が生成される。したがって、例えば、患者の属性が「男性」であれば
図10(C)のような質問は表示されないが、患者の属性が「女性」であれば
図10(C)のような質問が表示される。すなわち、患者ごとに、患者の属性等に対応した回答画面が生成される。
【0079】
遷移ボタン表示領域73には、前の質問に戻るためのボタンと、次の質問に進むためのボタンとが表示される。患者は、これらのボタンを押下することにより、前後の画面に遷移して回答を行うことができる。
【0080】
図9に戻り、ステップS25において、接続実行部252は、回答画面に通信接続をし、回答画面上での、患者による服薬指導に関するヒアリング等の質問への回答(すなわち、回答の入力)をヒアリング支援サーバ30に対して送信する。これにより、個人端末20における本処理は一度終了し、再度ステップS21から本処理が行われる。
【0081】
[ヒアリング支援サーバ30の動作]
図11は、ヒアリング支援サーバ30が実行するヒアリング支援処理の流れを示すフローチャートである。
ヒアリング支援サーバ30におけるヒアリング支援処理は、ヒアリング支援サーバ30の電源が投入されると共に開始される。
【0082】
ステップS31において、回答画面生成部352は、薬局端末10からコード画像の要求を受信したか否かを判定する。コード画像の要求を受信した場合は、ステップS31においてYesと判定され、処理はステップS32に進む。一方で、コード画像の要求を受信していない場合は、ステップS32においてNoと判定され、処理はステップS35に進む。
【0083】
ステップS32において、回答画面生成部352は、患者が、服薬指導に関するヒアリング等の質問に回答する(すなわち、回答を入力する)ための回答画面、及びこれに対応した接続情報(ここでは、URL)を生成する。
【0084】
ステップS33において、コード画像変換部353は、ステップS32にて生成した接続情報(ここでは、URL)を変換することによりコード画像を生成する。
【0085】
ステップS34において、コード画像変換部353は、ステップS33にて生成したコード画像を、薬局端末10に対して送信する。
【0086】
ステップS35において、接続管理部354は、薬局端末10から接続要求を受信したか否かを判定する。接続要求を受信した場合は、ステップS35においてYesと判定され、処理はステップS39に進む。一方で、接続要求を受信していない場合は、ステップS35においてNoと判定され、処理はステップS36に進む。
【0087】
ステップS36において、接続管理部354は、現時点が接続情報(ここでは、URL)の有効期限内であるか否かを判定する。有効期限内である場合は、ステップS36においてYesと判定され、処理はステップS37に進む。一方で、有効期限を経過している場合は、ステップS36においてNoと判定され、処理はステップS39に進む。
【0088】
ステップS37において、接続管理部354は、有効期限内である場合には、薬局端末10が回答画面DB375に格納されている回答画面に対応する各種情報に接続することを許可し、この接続を確立する、
【0089】
ステップS38において、薬歴登録部355は、この患者が入力した回答を薬歴DB373に一時保存する。
【0090】
ステップS39において、薬歴登録部355は、薬局端末10から、患者の回答の薬歴への登録要求を受信したか否かを判定する。登録要求を受信した場合は、ステップS39においてYesと判定され、処理はステップS40に進む。一方で、登録要求を受信していない場合は、ステップS39においてNoと判定され、これにより、ヒアリング支援サーバ30における本処理は一度終了し、再度ステップS31から本処理が行われる。
【0091】
ステップS40において、患者の回答を、一時保存ではなく正式に薬歴DB373に薬歴として登録する。この場合に、薬歴登録部355は、薬剤師による修正や追加があった場合には、この修正や追加を反映した上で、薬歴として登録する。
【0092】
以上説明したヒアリング支援処理によれば、回答画面への接続情報を画像に変換して出力し、個人端末20がこれを光学的に読み取ることを可能とすると共に、この個人端末20を回答画面と接続することにより個人端末20から回答の入力を行うことを可能とする。
従って、ヒアリング支援処理によれば、医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問を、より適切に支援することができる。
【0093】
[変形例]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。この場合に、上述の実施形態及びその変形、改良等は、本明細書等に記載された発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
一例として、以上説明した本発明の実施形態を、以下のようにして変形してもよい。
【0094】
[変形例1]
上述した実施形態では、薬局端末10を薬剤師が利用し、個人端末20を患者が利用することを想定した。そして、回答画面において患者が回答者となり回答を行うことを想定した。これに限らず、患者以外の他の主体が個人端末20を利用して、回答を行うようにしてもよい。すなわち、回答者は患者に限らず、他の主体(例えば、医療従事者や患者の家族)であってもよい。
【0095】
例えば、回答者が個人端末20を利用する薬剤師とは別の薬局で回答を入力する別の薬剤師であったり、病院にて患者に医学的な指導を行う医師や看護師であったり、患者のことをよく知る患者の家族であったり、患者の自宅に訪問して患者の生活介助をする訪問介護員(ホームヘルパー)であったり、患者の身体機能のリハビリ指導を行う理学療法士であったりしてもよい。すなわち、回答者は、医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問に、何らかの回答をする主体であればよく、特に限定されない。
【0096】
そして、これら医療従事者や患者の家族が、それぞれが所有するスマートフォン等を個人端末20として利用する。この場合、薬局端末10は、必ずしも1つの保険薬局に設置される必要はなく、例えば、他の薬剤師が業務に従事する他の保険薬局や、医師や看護師が業務に従事する病院や、訪問介護員(ホームヘルパー)や理学療法士といった各医療従事者の事務所等にそれぞれに設置されるようにしてもよい。
【0097】
また、この場合、回答者となる医療従事者や患者の家族によって回答すべき質問が異なるようにするとよい。例えば、回答者が薬剤師や医師や看護師であれば患者に対する質問よりも、より医学的または薬学的に専門性のある質問とし、患者に対して口頭で確認した内容等に基づいて、薬剤師や医師や看護師が回答を入力するようにする。他にも、例えば、回答者が患者の家族であれば自宅での患者の生活状況や患者の持病等に関する質問とし、家族が日常生活等の記憶に基づいて回答を入力するようにする。他にも、例えば、回答者が訪問介護員(ホームヘルパー)であれば自宅での患者の生活状況等や、患者に代行して受け取った薬剤の情報等に関する質問とし、生活介助を行った訪問介護員(ホームヘルパー)が回答を入力するようにする。そのために、回答画面DB375には、患者と回答者(ここでは、医療従事者や患者の家族)との組み合わせごとに、聞き取りを行うべき質問の内容(ヒアリング内容)や指導内容を格納しておく。そして、回答画面生成部352は、回答画面を選択された患者と選択された回答者との組み合わせごとに生成する。
【0098】
これにより、患者及び回答者の組み合わせのそれぞれに対応して、ヒアリング等の質問へのヒアリング支援を実現することができる、これにより、患者間だけでなく、各医療従事者間や家族間においても、薬局端末10を複数人で交互に利用することがないので、操作に用いた手指及び共有端末である薬局端末10を介した、ウイルスや細菌の接触感染を防止することができる。また、共有端末である薬局端末10を管理する手間を低減することができる。
【0099】
さらに、このような複数の医療従事者や患者の家族の回答を1つの薬歴に登録することにより、1人の患者についての様々な医療従事者や患者の家族の回答を一元管理することができる。したがって、例えば、1人の患者に対して、様々な医療従事者や患者の家族が関わって、地域での包括ケアを行うような場合に、ヒアリング支援システム1を有効に活用することが可能となる。また、これにより1人の患者についての特性を、より精度よく把握することができる。そのため、患者の特性に基づいて質問を行うための回答画面を生成する回答画面生成部352は、この患者に対して、より患者の特性に適合した質問を行うことができる。
【0100】
[変形例2]
上述した実施形態では、患者が処方箋を持参して薬局に訪れた場面で、個人端末20にて回答画面上での回答を行うことを想定していた。これに限らず、他の場面においても、個人端末20にて回答画面上での回答を行うようにしてもよい。例えば、薬剤師は、調剤後薬剤管理指導加算に対応する業務として調剤後の服薬に関するフォローアップを行う。このような場合においても、個人端末20にて回答画面上での回答を行うようにしてもよい。この場合、コード画像を読み取るのに用いた個人端末20に対して連絡が可能な宛先の情報(例えば、個人端末20のメーラで受信できるメールアドレス等)を、患者属性データベース371に登録したり、回答画面で質問したりすることより取得しておく。そして、回答画面生成部352は、後日フォローアップを行うタイミングとなった場合に、調剤した薬剤の服用状況等のフォローアップにおいて、聞き取りを行うべき質問の内容(ヒアリング内容)について、新たな回答画面を作成する。また、回答画面生成部352は、この新たな回答画面に対応したユニークなURLを自動生成し、個人端末20の宛先の情報(ここでは、メールアドレス)に対して送信する。個人端末20を利用する患者は、このURLに基づいて、新たな回答画面に接続し、この新たな回答画面上で回答する(すなわち、回答を入力する)ことができる。そして、薬剤師は、この回答を確認した上で、この回答の薬歴への登録の承認操作を行うのみで、フォローアップを実現できる。
これにより、調剤後の服薬に関するフォローアップを、より簡便に実現することが可能となる。
【0101】
[変形例3]
上述した実施形態では、複数のクライアントである薬局端末10及び個人端末20と、サーバであるヒアリング支援サーバ30により、ヒアリング支援システム1を構築するものとしていた。
【0102】
これに限らず、例えば、ヒアリング支援サーバ30に備えられた機能をより多くのサーバ(例えば、クラウドサーバ)に分散して実装してもよい。例えば、接続管理部354等により実現していたWebサーバとしての機能を、より多くのサーバ(例えば、クラウドサーバ)に分散して実装してもよい。また、他にも、ヒアリング支援サーバ30と、薬局用コンピュータの機能を1つの情報処理装置800にまとめて実装したりすることとしてもよい。
【0103】
[変形例4]
上述した実施形態では、或る医療施設(例えば、或る薬局)に薬局端末10が配置されており、この或る医療施設において、各種の処理が行われることを想定していた。これに限らず、例えば、複数の医療施設や、医療施設以外の施設等において、各種の処理が行われるようにしてもよい。
【0104】
例えば、回答画面生成部352が、患者用の回答画面を生成するために利用する回答画面DB375の内容を、複数の医療施設で共有するようにしてもよい。これにより、例えば、何れかの医療施設において医療従事者が回答画面DB375に格納されている質問の内容をより適切なものに更新した場合に、その後、他の医療施設においても、この更新後のより適切な内容の質問を行うことができる。例えば、新たな薬剤が認可された際に、何れかの医療施設においてこの新たな薬剤に対応した質問を登録すれば、他の医療施設においても、この新たな薬剤に対応した質問を行うことができる。
【0105】
また、このように回答画面DB375の内容を共有すれば、例えば、複数の医療施設でチェーン展開をしているような場合に、各医療施設において、医療従事者が同一の質問を行い、均一のサービスを提供することを支援することができる。なお、この場合に、何れかの医療施設ではなく、チェーン店の運営事業者(いわゆる、本部)等の施設において、回答画面DB375に格納されている質問の内容をより適切なものに更新し、その更新内容を各医療施設において共有するようにしてもよい。
【0106】
さらに、チェーン展開をしている場合のみならず、提携元の医療施設(以下、「センター医療施設」と称する。)と、提携先の医療施設(以下、「サテライト医療施設」と称する。)が新たに提携をするような場合に、センター医療施設の回答画面DB375の内容を、サテライト医療施設と共有するようにしてもよい。これにより、センター医療施設と、サテライト医療施設において、医療従事者が同一の質問を行い、均一のサービスを提供することを支援することができる。
【0107】
また、これらの場合において、複数の医療施設や医療施設以外の施設で薬歴DB373の内容も共有するようにしてもよい。すなわち、薬歴DB373に格納されている、回答画面上で患者が入力した回答を共有するようにしてもよい。これにより、例えば、チェーン店の運営事業者や、センター医療施設において、各医療施設での回答結果を収集し、この回答結果を統計的な患者の分析等の用途に利用することができる。
【0108】
上述したように、回答画面DB375の内容を共有するのではなく、回答画面生成部352が、第1の医療施設に訪れた患者用の回答画面を生成するために利用する回答画面DB375の内容と、第2の医療施設に訪れた患者用の回答画面を生成するために利用する回答画面DB375の内容の、少なくとも一部を異ならせるようにしてもよい。
【0109】
これにより、仮に処方される薬剤や処方される患者の特性(例えば、患者の年齢や性別や持病等)が同じであったとしても、第1の医療施設では第1の質問に対して回答するための回答画面が生成される一方で、第2の医療施設では第2の質問に対して回答するための回答画面が生成される。これにより、単に画一的な質問がなされるだけでなく、各医療施設の医療従事者や運営事業者それぞれの方針や基準等に対応した質問を患者に対して行うことができる。
【0110】
また、患者が訪れた医療施設等ではなく、例えば、患者の自宅等の場所において、本実施形態における各種の処理が行われるようにしてもよい。例えば、患者がインターネット等を介して処方箋を医療施設に対して送付し、患者がこの医療施設以外の場所で薬剤を受け取ることがある。薬剤師が、処方箋に対応した薬剤を患者の自宅に配送するような場合である。この場合に、薬剤師が薬局端末10を携帯し、患者の自宅において本実施形態における各種の処理を実行することによっても、薬局端末10を介した、ウイルスや細菌の接触感染を防止することができる。
【0111】
[構成例]
以上のように、本実施形態に係るヒアリング支援システム1は、回答画面生成部352と、コード画像変換部353と、接続管理部354と、を備える。
回答画面生成部352は、医学的または薬学的な指導に関する質問に回答するための回答画面を患者ごとに生成する。
コード画像変換部353は、選択された患者に対応する回答画面への接続情報を画像に変換して出力する。
接続管理部354は、出力された画像を光学的に読み取ると共に、読み取った画像に基づいて接続情報を取得した個人端末20からの、接続情報に基づいた接続要求に応じて、選択された患者に対応する回答画面と個人端末20との接続を確立する。
このように、ヒアリング支援システム1は、回答画面への接続情報を画像に変換して出力し、端末がこれを光学的に読み取ることを可能とすると共に、この端末を回答画面と接続することにより端末から回答の入力を行うことを可能とする。これにより、回答を行う回答者は、保険薬局等の共有端末である薬局端末10に直接接触することなく、自身が所持しているスマートフォン等を用いて回答を入力することができる。この場合、保険薬局等の共有端末である薬局端末10を複数人で交互に利用することがないので、操作に用いた手指及び共有端末を介した、ウイルスや細菌の接触感染を防止することができる。さらに、保険薬局等において共有端末を管理する手間を低減することができる。
従って、本発明の実施形態に係るヒアリング支援システム1によれば、医学的または薬学的な指導に関するヒアリング等の質問を、より適切に支援することができる。
【0112】
回答画面生成部352は、回答画面を患者及び回答者の組み合わせごとに生成し、
コード画像変換部353は、選択された患者及び選択された回答者の組み合わせに対応する回答画面への接続情報を画像に変換して出力し、
接続管理部354は、接続要求に応じて、選択された患者及び選択された回答者の組み合わせに対応する回答画面と個人端末20との接続を確立する。
これにより、複数の回答者(例えば、患者と、様々な医療従事者)が回答を入力する場合に、それぞれが自身の所持している端末を利用することができる。そのため、複数の回答者が存在していたとしても、操作に用いた手指及び共有端末を介した、ウイルスや細菌の接触感染を防止することができる。また、回答者それぞれが回答すべき質問のみを、回答者それぞれに対して提示することができる。
【0113】
接続管理部354は、コード画像変換部353が画像を出力した時点、または、個人端末20が出力した画像を光学的に読み取った時点から、所定時間が経過した後は前記接続要求に応じず、選択された患者に対応する回答画面と個人端末20とを接続しない。
これにより、誤って過去の来診時のアンケートに、後日回答を入力してしまうような問題を防止することができる。
【0114】
回答画面生成部352は、医学的または薬学的な指導に関する連絡先に発信するための発信用情報を回答画面に含ませる。
これにより、回答時という限定的な場面でのみ、医療従事者等に対する発信をすることができる。したがって、医療従事者に常に連絡がなされてしまい、医療従事者が連絡の対応で繁忙になることを防止することができる。
【0115】
ヒアリング支援システム1は、薬歴登録部355をさらに備える。
薬歴登録部355は、回答画面で受け付けた回答を、対応する患者の薬歴に登録する。
これにより、医療従事者の手間を軽減し、回答を簡便に薬歴に登録することができる。
【0116】
接続管理部354は、回答画面での回答が終了した後に、個人端末20に対して、選択された患者に対応する新たな回答画面への接続情報を送信する。
これにより、後日、新たに回答を入力してもらう状況(例えば、調剤後のフォローアップ)において、引き続き患者等が所持しているスマートフォン等を用いて回答を入力することができる。また、患者等を、回答画面に適切に誘導することができる。
【0117】
回答画面生成部352は、回答画面DB375に格納されている情報に基づいて、前記回答画面を生成する。
回答画面DB375に格納されている情報は、医学的または薬学的な指導に関する質問を行う複数の施設において共有される。
これにより、例えば、何れかの医療施設において医療従事者が回答画面DB375に格納されている質問の内容をより適切なものに更新した場合に、その後、他の医療施設においても、この更新後のより適切な内容の質問を行うことができる。例えば、新たな薬剤が認可された際に、何れかの医療施設においてこの新たな薬剤に対応した質問を登録すれば、他の医療施設においても、この新たな薬剤に対応した質問を行うことができる。
【0118】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、上述の実施形態における機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がヒアリング支援システム1を構成するいずれかのコンピュータに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に示した例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0119】
また、上述した一連の処理を実行するためのプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0120】
また、上述した実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0121】
1 ヒアリング支援システム、10 薬局端末、20 個人端末、30 ヒアリング支援サーバ、40 ネットワーク、151,251 ユーザインターフェース表示制御部(UI表示制御部)、151 コード画像出力部、153 回答状態管理部、251 コード画像解析部、252 接続実行部、351 ユーザインターフェース情報生成部(UI情報生成部)、352 回答画面生成部、353 コード画像変換部、354 接続管理部、355 薬歴管理部、356 データベース管理部(DB管理部)、371 患者属性データベース(患者属性DB)、372 処方箋データベース(処方箋DB)、373 薬歴データベース(薬歴DB)、374 指導内容データベース(指導内容DB)、375 回答画面記憶部、800 情報処理装置、811 CPU、812 ROM、813 RAM、814 バス、815 入力部、816 出力部、817 記憶部、818 通信部、819 ドライブ、820 撮像部、831 リムーバブルメディア、C 二次元コード(コード画像)