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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013929
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】測位方法、装置、媒体及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20220111BHJP
   G01S 19/49 20100101ALI20220111BHJP
【FI】
G01C21/28
G01S19/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021111308
(22)【出願日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】202010635277.7
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521295642
【氏名又は名称】北京図森未来科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】徐 勇
(72)【発明者】
【氏名】呉 楠
【テーマコード(参考)】
2F129
5J062
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA10
2F129AA11
2F129AA14
2F129BB03
2F129BB14
2F129BB15
2F129BB39
2F129BB40
2F129BB57
2F129FF02
5J062AA09
5J062BB01
5J062BB02
5J062BB03
5J062CC07
5J062FF01
5J062FF02
5J062FF04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】衛星信号品質が悪いエリアで車両測位の正確度を向上できる測位方法、装置、媒体及びデバイスを提供する。
【解決手段】車両は衛星信号品質が優れているエリアから衛星信号品質が悪いエリアに入り、衛星信号品質が悪いエリアで、別途選択されたGPS受信機ではない他のセンサにより収集された測位データに基づいての車両に対する測位結果を車両の測位結果とし、GPS受信機を含むセンサにより収集された測位データに基づいての車両に対する測位結果を車両の測位結果としないことで、車両を測位する際に、測位精度が悪いGPS測位データを直接排除し、車両測位の正確度を効果的に向上させることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得ることと、
少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得ることと、
第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定することと、
移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とすることと、を含む、ことを特徴とする測位方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1センサが衛星測位システム受信機及び慣性航法センサを含み、前記少なくとも1つの第2センサが衛星測位システム受信機を含まず、且つ前記少なくとも1つの第2センサが視覚センサ、レーザセンサ及び慣性航法センサを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の測位方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得ることは、
衛星測位システム受信機により収集された衛星信号に基づいて、移動体を測位して衛星測位結果を得ることと、
慣性航法センサにより収集された加速度データに基づいて、移動体を測位して慣性航法測位結果を得ることと、
前記衛星測位結果及び慣性航法測位結果に対して重み付けフィルタリング融合を行って、第1測位結果を生成することと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の測位方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得ることは、
視覚センサにより収集された画像データに基づいて、移動体を測位して視覚測位結果を得ることと、
レーザセンサにより収集された点群データに基づいて、移動体を測位してレーザ測位結果を得ることと、
慣性航法センサにより収集された加速度データに基づいて、移動体を測位して慣性航法測位結果を得ることと、
前記慣性航法測位結果、視覚測位結果及びレーザ測位結果に対して重み付けフィルタリング融合を行って、第2測位結果を生成することと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の測位方法。
【請求項5】
前記プリセット切替条件が第1切替条件を含み、前記第1切替条件は、
移動体が取得した衛星信号品質が指定値より低いという条件と、
前記移動体が予めロードされた地図上の指定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせであり、
第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定することは、
第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定することを含み、
移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とすることは、
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果を確定された測位結果とすることを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の測位方法。
【請求項6】
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果を確定された測位結果とすることは、
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果に対応する誤差である第1測位誤差が収束しているか否かを確定することと、
第1測位誤差が収束していると確定すると、前記第2測位結果を確定された測位結果とすることと、を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の測位方法。
【請求項7】
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第1測位誤差が収束しているか否かを確定することは、
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第1測位誤差が収束しているか否かを確定すること、或いは、
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第1測位誤差が収束しているか否かを確定することを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の測位方法。
【請求項8】
前記プリセット切替条件が第2切替条件を含み、前記第2切替条件は、
移動体が取得した衛星信号品質が所定値より高いという条件と、
前記移動体が予めロードされた地図上の所定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせであり、
第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定することは、
第2測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定することを含み、
移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とすることは、
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果を確定された測位結果とすることを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の測位方法。
【請求項9】
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果を確定された測位結果とすることは、
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果に対応する誤差である第2測位誤差が収束しているか否かを確定することと、
第2測位誤差が収束していると確定すると、前記第1測位結果を確定された測位結果とすることと、を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の測位方法。
【請求項10】
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第2測位誤差が収束しているか否かを確定することは、
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第2測位誤差が収束しているか否かを確定すること、或いは、
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第2測位誤差が収束しているか否かを確定することを含む、ことを特徴とする請求項9に記載の測位方法。
【請求項11】
少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得ることに用いられる第1測位モジュールと、
少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得ることに用いられる第2測位モジュールと、
第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定することに用いられる判断モジュールと、
前記判断モジュールにより移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とすることに用いられる測位結果確定モジュールと、を含むことを特徴とする測位装置。
【請求項12】
実行可能なプログラムが記憶された不揮発性コンピュータ記憶媒体であって、
該実行可能なプログラムがプロセッサにより実行されて請求項1~10のいずれか一項に記載の測位方法を実現する、ことを特徴とする不揮発性コンピュータ記憶媒体。
【請求項13】
プロセッサ、通信インターフェイス、メモリ及び通信バスを含む測位デバイスであって、
前記プロセッサ、前記通信インターフェイス、前記メモリが前記通信バスを介して相互間の通信を完成し、
前記メモリは、コンピュータプログラムを格納することに用いられ、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムを実行する際に、請求項1~10のいずれか一項に記載の測位方法のステップを実現することに用いられる、ことを特徴とする測位デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位の技術分野に関し、特に測位方法、装置、媒体及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分は、特許請求の範囲に記載の本発明の実施形態に背景またはコンテキストを提供することを目的とする。ここでの説明は、この部分に含まれることにより従来技術であると認められるものではない。
【0003】
車両の自動運転の過程において、車両の自動運転を実現するために、車両を測位することが必要である。全地球測位システム(GPS)の測位の正確度が高いことから、一般的にGPS測位技術を利用して車両を測位し、さらにGPS測位技術に基づいて、他のセンサ測位技術と組み合わせて、融合測位アルゴリズムにより車両測位を実現して、車両の測位精度をさらに向上させることができる。現在、一般的には衛星信号品質が優れているエリアで車両測位を実現することが必要である。
【0004】
自動運転の過程において、車両は衛星信号品質が優れているエリアから衛星信号品質が悪いエリアに入ると、GPS測位の正確度が大幅に低下するので、衛星信号品質が優れているエリアで車両測位を正確的に実現することができる測位アルゴリズムは、衛星信号品質が悪いエリアに適用できず、車両に対する測位の精度が大幅に低下し、車両測位の正確度を保証できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、自動運転車両が衛星信号品質が優れているエリアから衛星信号品質が悪いエリアに入ると、衛星信号品質が悪いエリアで車両測位の正確度が低いという問題を解決することに用いられる、測位方法、装置、媒体及びデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明は、
少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得ることと、
少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得ることと、
第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定することと、
移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とすることと、を含む、測位方法を提供する。
【0007】
第2の態様では、本発明は、
少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得ることに用いられる第1測位モジュールと、
少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得ることに用いられる第2測位モジュールと、
第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定することに用いられる判断モジュールと、
前記判断モジュールにより移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とすることに用いられる測位結果確定モジュールと、を含む、測位装置をさらに提供する。
【0008】
第3の態様では、本発明は、実行可能なプログラムが記憶された不揮発性コンピュータ記憶媒体であって、該実行可能なプログラムがプロセッサにより実行されて上記記載の方法を実現する、不揮発性コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。
【0009】
第4の態様では、本発明は、プロセッサ、通信インターフェイス、メモリ及び通信バスを含む測位デバイスであって、前記プロセッサ、前記通信インターフェイス、前記メモリが前記通信バスを介して相互間の通信を完成し、
前記メモリは、コンピュータプログラムを格納することに用いられ、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムを実行する際に、上記記載の方法のステップを実現することに用いられる、測位デバイスをさらに提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例に係る態様によれば、第1測位結果(第2測位結果)を移動体の測位結果としている過程において、プリセット切替条件を満たしているか否かを判断し、プリセット切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果(第1測位結果)を前記移動体の測位結果とすることができる。即ち、プリセット切替条件が満たされる場合、別途選択されたセンサにより収集された測位データに基づいて、異なる測位アルゴリズムを利用して、移動体を測位して得られた測位結果を、移動体に対する測位結果とすることができる。これにより、運転シーンを切り替える時に、切り替えた後のシーンに対して、別途選択されたセンサにより収集された測位の正確度が高い測位データを利用して車両を測位し、測位の正確度が低い測位データを直接排除して、測位の正確度を向上させることができる。
【0011】
該態様を自動運転の過程に適用すると、車両は衛星信号品質が優れているエリアから衛星信号品質が悪いエリアに入り、衛星信号品質が悪いエリアで、別途選択されたGPS受信機ではない他のセンサにより収集された測位データに基づいた車両に対する測位結果を、車両の測位結果とし、GPS受信機を含むセンサにより収集された測位データに基づいた車両に対する測位結果を、車両の測位結果としないことで、車両を測位する際に、測位の精度が悪いGPS測位データを直接排除して、車両測位の正確度を効果的に向上させることができる。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、後述する明細書において説明され、且つ部分的には明細書から明らかになる、或いは本発明を実施することにより理解される。本発明の目的および他の利点は、記載された明細書、特許請求の範囲、および図面において特に指摘された構造により実現及び取得されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施例または従来技術における技術態様をより明確に説明するために、以下では実施例または従来技術の説明に必要とされる図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的労働を行わずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできることは明らかである。
図1】従来技術に係る融合測位アルゴリズムの原理模式図である。
図2】本発明の実施例に係る測位方法のフロー模式図である。
図3】本発明の実施例に係る測位方法のフロー模式図である。
図4】本発明の実施例に係る位置関係模式図である。
図5】本発明の実施例に係る測位方法のフロー模式図である。
図6】本発明の実施例に係る第1測位アルゴリズムの融合過程の模式図である。
図7】本発明の実施例に係る第2測位アルゴリズムの融合過程の模式図である。
図8】本発明の実施例に係る測位装置の構造模式図である。
図9】本発明の実施例に係る測位デバイスの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的、技術態様および利点をより明確にするために、以下では図面と結び付けて本発明をさらに詳細に説明する。説明した実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例にすぎないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が、創造的な労働を行わずに取得した他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0015】
なお、本文で言及される「複数個または若干個」とは、2つ又は2つ以上を指す。「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明し、3つの関係が存在できることを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが単独で存在する場合という3つの場合を表すことができる。文字「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」という関係であることを表す。
【0016】
本発明の明細書と特許請求の範囲及び上述した図面における「第1」と「第2」などの用語は、類似する対象を区別するためのものであり、特定の順序又は前後順序を説明するものではない。ここで説明する本発明の実施例がここで図示又は説明するもの以外の順序で実施することができるように、このように使用する用語は適宜交換可能であると理解されるべきである。
【0017】
また、用語「含む」及び「有する」並びにそれらのいかなる変形も、排他的ではない包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含んだプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、明確に挙げられたそれらのステップ又はユニットに限らず、明確に挙げられていない、又はこれらのプロセス、方法、製品またはデバイスにとって固有の他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0018】
本出願のいくつかの実施例において、移動体は、「車両」を指してもよく、用語「車両」は、いずれかの移動物体を含むと広く解釈され、例えば飛行機、船舶、宇宙器、自動車、トラック、ワゴントラック、セミトレーラ、オートバイ、ゴルフカート、オフロード車両、倉庫輸送車又は農業用車、及び電車又は列車及び他の有軌道車両などの軌道を走行する搬送手段を含む。本出願における「車両」は、一般的には、動力システム、センサシステム、制御システム、周辺デバイス、及びコンピュータシステムを含むことができる。他の実施例において、車両は、より多い、より少ない、又は異なるシステムを含むことができる。
【0019】
そのうち、動力システムは、車に運動動力を提供するシステムであり、エンジン/モータ、変速機とホイール/タイヤ、エネルギーユニットを含む。
【0020】
制御システムは、車両及びそのアセンブリを制御する装置の組み合わせ、例えば、操舵ユニット、スロットル、制動ユニットを含んでもよい。
【0021】
周辺デバイスは、車両が外部センサ、他の車両、外部計算装置及び/又はユーザと対話することを可能にするデバイス、例えば無線通信システム、タッチスクリーン、マイクロフォン及び/又はスピーカであってもよい。
【0022】
上記説明した車両に基づいて、無人運転車両にはセンサシステム及び無人運転制御装置が配置されている。
【0023】
センサシステムは、車両が所在する環境の情報を検知するための複数のセンサと、センサの位置及び/又は方向を変える1つ以上のアクチュエータを含んでもよい。センサシステムは、全地球測位システムセンサ、慣性測定ユニット、無線検出及び測距(RADAR)ユニット、カメラ、レーザ距離計、光検出及び測距(LIDAR)ユニット及び/又は音響センサなどのセンサの任意の組み合わせを含んでもよく、センサシステムは、車両内部システムを監視するセンサ(例えば、O2モニタ、燃料計、エンジン温度計など)を含んでもよい。
【0024】
無人運転制御装置は、1つのプロセッサ及びメモリを含んでもよく、メモリには少なくとも1つの機器の実行可能な指令が記憶され、プロセッサが少なくとも1つの機器の実行可能な指令を実行して、地図エンジン、測位モジュール、感知モジュール、ナビゲーション又は経路モジュール、及び自動制御モジュールなどを含む機能を実現する。地図エンジン及び測位モジュールは、地図情報及び測位情報を提供することに用いられる。感知モジュールは、センサシステムにより取得された情報及び地図エンジンが提供した地図情報に基づいて、車両が所在する環境における物を感知することに用いられる。ナビゲーション又は経路モジュールは、地図エンジン、測位モジュール及び感知モジュールの処理結果に基づいて、車両のために走行経路を計画することに用いられる。自動制御モジュールは、ナビゲーション又は経路モジュールなどのモジュールの意思決定情報を入力して解析し、車両制御システムに対する制御命令に変換して出力し、車載ネットワーク(例えば、CANバス、ローカルネットワーク、マルチメディア指向性システム伝送などの方法により実現された車両内部の電子ネットワークシステム)を介して制御命令を車両制御システムにおける対応部品に送信して、車両に対する自動制御を実現する。自動制御モジュールは、車載ネットワークを介して車両内の各部品の情報を取得することもできる。
【0025】
現在、衛星信号品質が優れているエリアで、単独的にGPS測位技術を利用して自動運転車両を測位することができる。この場合、車両は衛星信号品質が優れているエリアから衛星信号品質が悪いエリアに入ると、GPS受信機により収集された測位データの正確度が大幅に低下するため、車両測位の正確度が大幅に低下し、GPS受信機が測位データを収集できない可能性さえもあり、車両を測位できない。
【0026】
もちろん、衛星信号品質が優れているエリアで、GPS測位技術に基づいて、融合測位アルゴリズムにより自動運転車両を測位することもできる。GPS受信機により収集された測位データに基づいて車両に対する測位結果を得て、及び少なくとも1種類の他のセンサにより収集された測位データに基づいて車両に対する測位結果を得て、予め設計された測位融合のフィルタにより、各測位結果をフィルタリングして、1つの融合測位結果を得て、融合測位結果を車両に対する測位結果とすると理解されることができる。
【0027】
GPS受信機により収集された測位データを利用して車両に対する測位結果を得ることは、GPS受信機により受信された衛星信号に基づいて、GPS受信機が所在する車両の経緯度座標を算出することと理解されることができる。
【0028】
慣性航法センサ(ジャイロ及び加速度計を含むものを例とする)により収集された測位データを利用して車両に対する測位結果を得ることは、ジャイロにより収集されたデータに基づいて測位座標系を確立し、加速度計により収集されたデータに基づいて慣性航法センサが所在する車両の測位座標系における位置を算出することと理解されることができる。
【0029】
視覚センサ(カメラを例とする)により収集された測位データを利用して車両に対する測位結果を得ることは、カメラにより収集された車両周囲の環境画像に基づいて、車両周囲の環境情報を確定し、確定された車両周囲の環境情報を予めロードされた車載地図とマッチングして、カメラが所在する車両に対応する測位情報を得ることと理解されることができる。
【0030】
レーザセンサにより収集された測位データを利用して車両に対する測位結果を得ることは、レーザセンサにより測距の方法で確定された車両周囲の環境情報に基づいて、予めロードされた車載地図とマッチングして、レーザセンサが所在する車両に対応する測位情報を得ることと理解されることができる。
【0031】
GPS受信機、慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサという4種類のセンサを利用して、融合測位アルゴリズムにより車両を測位することを例とし、それぞれGPS受信機、慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサという4種類のセンサに基づいて車両に対する4つの測位結果を得ることができ、さらに、予め設計された測位融合のフィルタにより、4つの測位結果をフィルタリングして、融合測位結果を得ることができる。
【0032】
融合測位結果を得る際に、異なるセンサの測位精度が違うことを考慮し、測位精度が高いセンサほど、大きい融合重みを割り当て、測位精度が低いセンサほど、小さい融合重みを割り当てることができ、さらに、対応した融合重み(GPS受信機(簡単にGPSと記すことができる)により収集された測位データに基づいて、得られた測位結果はGPS測位結果と記すことができ、慣性航法センサ(簡単に慣性航法と記すことができる)により収集された測位データに基づいて、得られた測位結果は慣性航法測位結果と記すことができ、視覚センサ(簡単に視覚と記すことができる)により収集された測位データに基づいて、得られた測位結果は視覚測位結果と記すことができ、レーザセンサ(簡単にレーザと記すことができる)により収集された測位データに基づいて、得られた測位結果はレーザ測位結果と記すことができ、このような4つの測位結果に対応する融合重み(それぞれ重み1~4と記すことができる)により重み付けされた各測位結果に基づいて、1つの統合加重平均の融合測位結果を得る。融合測位アルゴリズムの原理模式図は、図1に示すようであってもよい。
【0033】
この場合、車両が衛星信号品質が優れているエリアから衛星信号品質が悪いエリアに入ると、GPS測位の正確度が大幅に低下し、融合測位結果を確定する過程においてGPS測位結果が使用されるため、融合測位結果の正確度も大幅に低下し、車両に対する測位の正確度も保証できない。
【0034】
少なくとも上記2つの場合、自動運転車両の測位の正確度が低いという問題を解決するために、本発明の実施例は測位方法を提供し、該方法は、自動運転車両が衛星信号品質が優れているエリアから衛星信号品質が悪いエリアに入る過程中に適用できるが、それに限定されず、任意の車両測位シーンの切替の過程中に適用してもよく、図2に示すように、該方法は以下のステップを含むことができる。
【0035】
ステップ101、第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定する。
【0036】
そのうち、確定された測位結果は、移動体が最終的に採用する測位結果と理解されることができる。
【0037】
そのうち、第1測位結果は、少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して得られ、即ち、本実施例において、少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得ることができる。第2測位結果は、少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して得られ、即ち、本実施例において、少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得ることができる。
【0038】
ステップ102、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とする。
【0039】
つまり、第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果を確定された測位結果とすることができる。
【0040】
第2測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果を確定された測位結果とすることができる。
【0041】
1つの可能な実現方法において、前記少なくとも1つの第1センサが衛星測位システム受信機及び慣性航法センサを含み、前記少なくとも1つの第2センサが衛星測位システム受信機を含まず、且つ前記少なくとも1つの第2センサが視覚センサ、レーザセンサ及び慣性航法センサを含む。
【0042】
この時、少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得るには、以下のような方法を採用できる。
【0043】
衛星測位システム受信機により収集された衛星信号に基づいて、移動体を測位して衛星測位結果を得て、慣性航法センサにより収集された加速度データに基づいて、移動体を測位して慣性航法測位結果を得て、前記衛星測位結果及び慣性航法測位結果に対して重み付けフィルタリング融合を行って、第1測位結果を生成する。
【0044】
少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得るには、以下のような方法を採用できる。
【0045】
視覚センサにより収集された画像データに基づいて、移動体を測位して視覚測位結果を得て、レーザセンサにより収集された点群データに基づいて、移動体を測位してレーザ測位結果を得て、慣性航法センサにより収集された加速度データに基づいて、移動体を測位して慣性航法測位結果を得て、前記慣性航法測位結果、視覚測位結果及びレーザ測位結果に対して重み付けフィルタリング融合を行って、第2測位結果を生成する。
【0046】
1つの可能な実現方法において、前記プリセット切替条件が第1切替条件を含み、前記第1切替条件は、例えば、
移動体が取得した衛星信号品質が指定値より低いという条件と、
移動体が予めロードされた地図上の指定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせである。
【0047】
この時、第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定するには、以下のような方法を採用できる。第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定する。
【0048】
移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定する場合に、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とするには、以下のような方法を採用できる。移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定する場合、第2測位結果を確定された測位結果とする。
【0049】
さらに、1つの可能な実現方法において、移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定する場合に、第2測位結果を確定された測位結果とするには、以下のような方法を採用できる。
【0050】
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果に対応する誤差である第1測位誤差が収束しているか否かを確定し、第1測位誤差が収束していると確定すると、前記第2測位結果を確定された測位結果とする。
【0051】
またさらに、1つの可能な実現方法において、移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第1測位誤差が収束しているか否かを確定するには、以下のような方法を採用できる。
【0052】
移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第1測位誤差が収束しているか否かを確定する、或いは、移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第1測位誤差が収束しているか否かを確定する。
【0053】
他の1つの可能な実現方法において、前記プリセット切替条件が第2切替条件を含み、前記第2切替条件は、例えば、
移動体が取得した衛星信号品質が所定値より高いという条件と、
前記移動体が予めロードされた地図上の所定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせである。
【0054】
この時、第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定するには、以下のような方法を採用できる。第2測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定する。
【0055】
移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定する場合に、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とするには、以下のような方法を採用できる。移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果を確定された測位結果とする。
【0056】
さらに、1つの可能な実現方法において、移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定場合に、第1測位結果を確定された測位結果とするには、以下のような方法を採用できる。
【0057】
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果に対応する誤差である第2測位誤差が収束しているか否かを確定し、第2測位誤差が収束していると確定すると、前記第1測位結果を確定された測位結果とする。
【0058】
またさらに、1つの可能な実現方法において、移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定する場合に、第2測位誤差が収束しているか否かを確定するには、以下のような方法を採用できる。
【0059】
移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第2測位誤差が収束しているか否かを確定する、或いは、移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第2測位誤差が収束しているか否かを確定する。
【0060】
当業者が本実施例に記載の態様をより明確にするために、以下では移動体が車両であることを例に挙げ、上記実施例をさらに説明する。本実施例は、測位方法を提供し、該方法のステップフローは、図3に示すように、以下のステップを含むことができる。
【0061】
ステップ201、第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、車両の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定する。
【0062】
そのうち、第1測位結果は、少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られる。
【0063】
第1切替条件は、ニーズに応じて設定された任意の切替条件であってもよい。車両の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定することは、現在シーンから指定されるシーンに切り替えて車両測位を行うか否かを確定することと理解されることができる。
【0064】
車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、続けてステップ202を実行することができる。
【0065】
ステップ202、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果を確定された測位結果とする。
【0066】
そのうち、第2測位結果は、少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られる。
【0067】
このステップは、現在シーンから指定されるシーンに切り替えると、指定されるシーンに対して、第1測位結果を車両の測位結果とすることから、第2測位結果を車両の測位結果とすることに切り替えると理解されることができる。
【0068】
衛星信号品質が優れているエリアで、第1測位結果が、GPS受信機を含む少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られることを例とし、衛星信号品質が悪いエリアに切り替えると、GPS受信機により収集された測位データの正確度が低いので、この時、車両に対する測位の正確度を確保するように、別途選択されたGPS受信機を含まない少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られた第2測位結果を車両の測位結果としてもよい。
【0069】
この時、第1切替条件は、1.車両が取得した衛星信号品質は指定値より低いという条件、2.車両が予めロードされた地図上の指定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせに設定されることができる。これにより、第1切替条件により、衛星信号品質が悪いエリアに入ったか否かを判断する。
【0070】
さらに、衛星信号品質が優れているエリアで、GPS測位システムを利用して車両測位を実現する以外に、他の衛星測位システムを利用して車両を測位してもよいと考えられる。この時、衛星信号品質が優れているエリアで、第1測位結果が、衛星測位システム受信機を含む少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られると理解されることができる。衛星信号品質が悪いエリアに切り替えると、衛星測位システム受信機により収集された測位データの正確度が低いので、この時、車両に対する測位の正確度を確保するように、別途選択された衛星測位システム受信機を含まない少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られた第2測位結果を車両の測位結果としてもよい。
【0071】
なお、他の衛星測位システム(例えば、北斗衛星測位システム)は、GPS測位システムの測位原理と類似する。他の衛星測位システム受信機、例えば、北斗衛星測位システム受信機により収集された測位データを利用して車両に対する測位結果を得る過程は、GPS受信機により収集された測位データを利用して車両に対する測位結果を得る過程と類似するので、ここでは説明を省略する。
【0072】
さらに、1つの可能な実現方法において、衛星信号品質が優れているエリアで車両に対する測位の正確度を確保するように、少なくとも1つの第1センサは、衛星測位システム受信機及び慣性航法センサを含んでもよく、衛星信号品質が悪いエリアで車両に対する測位の正確度を確保するように、少なくとも1つの第2センサは、視覚センサ、レーザセンサ及び慣性航法センサを含んでもよい。
【0073】
この時、第1測位結果は、衛星測位結果及び慣性航法測位結果に対して重み付けフィルタリングを行うことにより得られた融合測位結果と理解されることができる。
【0074】
第2測位結果は、慣性航法測位結果、視覚測位結果及びレーザ測位結果に対して重み付けフィルタリングを行うことにより得られた融合測位結果と理解されることができる。
【0075】
そのうち、前記衛星測位結果は、衛星測位システム受信機により収集された衛星信号に基づいて、車両を測位して得られ、前記慣性航法測位結果は、慣性航法センサにより収集された加速度データに基づいて、車両を測位して得られ、前記視覚測位結果は、視覚センサにより収集された画像データに基づいて、車両を測位して得られ、前記レーザ測位結果は、レーザセンサにより収集された点群データに基づいて、車両を測位して得られる。
【0076】
なお、本実施例において、地図に応じて、第1切替条件を設定することができる。地図上に指定位置を予め設定することができ、且つ該指定位置が設定された地図を予めロードすることができ、これにより該地図と合わせて、第1切替条件を満たしているか否かを確定することができると理解されることができる。
【0077】
1つの可能な実現方法において、該地図はGPS高精度地図であってもよく、即ち、GPS測位結果に基づいて、車両は該地図上に設定された指定位置に到達したか否かを確定することができる。
【0078】
なお、測位の正確度をさらに保証するために、1つの実現方法において、このステップ202は、
車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果に対応する誤差である第1測位誤差が収束しているか否かを確定することと、第1測位誤差が収束していると確定すると、前記第2測位結果を確定された測位結果とすることと、を含むことができる。
【0079】
つまり、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定した場合、第1測位誤差が収束しているかをさらに判断することができ、第1測位誤差が収束していると確定した場合、第2測位結果を確定された測位結果とする。さらに、第1測位誤差が収束しているか否かと結び付けて、第2測位結果がより正確であるか否かを判断し、第2測位結果がより正確であると確定した場合のみ、第2測位結果を確定された測位結果とし、測位結果の正確度をさらに確保する。
【0080】
第2測位結果に対応する第1測位誤差は、任意の方法により確定でき、第1測位誤差が収束しているか否かも任意の方法に基づいて確定できる。
【0081】
1つの可能な実現方法において、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第1測位誤差が収束しているか否かを確定し、第1測位誤差が収束していると確定すると、第2測位結果を確定された測位結果とすることができる。
【0082】
毎回得られる第1測位誤差は、既に得られたそれぞれの第2測位結果に基づいて、統計方法により確定されるものであることを考慮し、例えば、直近に得られた第2測位結果に対応する第1測位誤差を確定する場合、既に得られたそれぞれの第2測位結果を正規分布方法で近似し、近似された正規分布標準偏差を該第1測位誤差としてもよいと理解されることができる。第2測位結果は、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定した時刻から取得され始める場合、正確な第1測位誤差を取得できるまで一定の時間の経過が必要である。
【0083】
正確な第1測位誤差を得ることにより第2測位結果が車両を正確に測位できるか否かを判断するために、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定した時刻から、所定時間内で第1測位誤差が収束しているか否かを確定することができ、第1測位誤差が収束しているか否かを判断するには、任意の方法を採用でき、例えば、直近で得られた第1測位誤差が第1指定誤差より小さいか否かを判断する、或いは、指定時間帯内で得られたそれぞれの第1測位誤差の平均値が第2指定誤差より小さいか否かを判断し、所定時間内で第1測位誤差が収束していると、第2測位結果を車両の測位結果とする。そうでなければ、第2測位結果は誤差が大きく、車両の測位結果とすることができないと考えられ、第2測位結果は誤差が大きい原因を確認し、このフローを終了することができる。これにより、車両測位の正確度をさらに保証することができる。
【0084】
他の1つの可能な実現方法において、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第1測位誤差が収束しているか否かを確定し、第1測位誤差が収束していると確定すると、前記第2測位結果を確定された測位結果とすることができる。
【0085】
第2測位結果は、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定した時刻の前に既に取得され始めてもよく、例えば、第1測位結果を取得するとともに、第2測位結果も取得するが、第1測位結果のみを車両の測位結果とし、取得された第2測位結果を採用しないと理解されることができる。そのため、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定した際に、既に正確な第1測位誤差を取得することができる。そのため、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定した際に、現在時刻で第1測位誤差が収束しているか否かを直接確定することができる。
【0086】
さらに、本実施例は、以下のステップを含むこともできる。
【0087】
ステップ203、第2測位結果を確定された測位結果としている過程において、車両の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定する。
【0088】
そのうち、第2切替条件は、ニーズに応じて設定された任意の切替条件であってもよい。車両の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定することは、現在シーンから設定されたシーンに切り替えて車両測位を行うか否かを確定することと理解されることができる。
【0089】
車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、続いてステップ204を実行することができる。
【0090】
ステップ204、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、再び第1測位結果を確定された測位結果とする。
【0091】
つまり、本実施例において、元の測位アルゴリズムに切り戻して、車両の測位を継続することもできる。
【0092】
ステップ202で挙げた例の続きとして、自動運転車両は衛星信号品質が悪いエリアから、改めて衛星信号品質が優れているエリアに入り、衛星信号品質が優れているエリアで、GPS受信機(他の衛星測位システム受信機と理解されることもできる)により収集された測位データの正確度が高いことを考慮し、元の測位アルゴリズムに切り戻して車両に対する測位の正確度を確保してもよいと理解されることができる。
【0093】
この時、第2切替条件は、1.車両が取得した衛星信号品質は所定値より高いという条件、2.車両は予めロードされた地図上の所定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせに設定されることができる。これにより、第2切替条件により、衛星信号品質が優れているエリアに入ったか否かを判断する。
【0094】
なお、測位の正確度をさらに保証するために、1つの実現方法において、このステップ204は、
車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果に対応する誤差である第2測位誤差が収束しているか否かを確定することと、第2測位誤差が収束していると確定すると、第1測位結果を確定された測位結果とすることとを含むことができる。
【0095】
つまり、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定した場合、第2測位誤差が収束しているか否かをさらに判断することができ、第2測位誤差が収束していると確定した場合、改めて第1測位結果を確定された測位結果とする。これにより、さらに第2測位誤差が収束しているか否かと結び付けて、第1測位結果がより正確であるか否かを判断し、第1測位結果がより正確であると確定した場合のみ、第1測位結果を確定された測位結果とし、測位結果の正確度をさらに確保する。
【0096】
第1測位結果に対応する第2測位誤差は、任意の方法により確定でき、第2測位誤差が収束しているか否かは、任意の方法に基づいて確定できる。
【0097】
1つの可能な実現方法において、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第2測位誤差が収束しているか否かを確定し、第2測位誤差が収束していると確定すると、第1測位結果を確定された測位結果とすることができる。
【0098】
毎回得られる第2測位誤差は、既に得られたそれぞれの第1測位結果に基づいて、統計方法により確定されるものであることを考慮し、例えば、直近で得られた第1測位結果に対応する第2測位誤差を確定する場合、既に得られたそれぞれの第1測位結果を正規分布方法で近似し、近似された正規分布標準偏差を該第2測位誤差としてもよいと理解されることができる。第1測位結果は、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定した時刻から改めて取得され始める場合、正確な第2測位誤差を取得できるまで一定の時間の経過が必要である。
【0099】
正確な第2測位誤差を得ることにより第1測位結果が車両を正確に測位できるか否かを判断するために、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定した時刻から、所定時間内で第2測位誤差が収束しているか否かを確定することができ、第2測位誤差が収束しているか否かを判断するには、任意の方法を採用でき、例えば、直近で得られた第2測位誤差が第1所定誤差より小さいか否かを判断する、或いは、指定時間帯内で得られたそれぞれの第2測位誤差の平均値が第2所定誤差より小さいか否かを判断し、所定時間内で第2測位誤差が収束していると、改めて第1測位結果を車両の測位結果とし、そうでなければ、第1測位結果は誤差が大きく、車両の測位結果とすることができないと考えられ、第1測位結果は誤差が大きい原因を確認し、このフローを終了することができる。車両測位の正確度をさらに保証することができる。
【0100】
他の1つの可能な実現方法において、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第2測位誤差が収束しているか否かを確定し、第2測位誤差が収束していると確定すると、前記第1測位結果を確定された測位結果とすることができる。
【0101】
第1測位結果は、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定した時刻の前に既に取得され始めてもよく、例えば、第2測位結果を取得するとともに、第1測位結果も取得するが、第2測位結果のみを車両の測位結果とし、取得された第1測位結果を採用しないと理解されることができる。そのため、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定した際に、既に正確な第2測位誤差を取得することができる。そのため、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定した際に、現在時刻で第2測位誤差が収束しているか否かを直接確定することができる。
【0102】
本発明の各実施例において、衛星信号品質が悪いエリアは、トンネル(特に長さが長いトンネル)又はアーバンキャニオン(自然の峡谷と類似する都市環境)或いは屋内駐車場などと理解されてもよいが、それに限定されない。
【0103】
車両が自動運転を行う設定範囲内において、衛星信号品質が悪いエリアが1つのトンネルであり、該トンネル以外の他のエリアがいずれも衛星信号品質が優れているエリアであることを例として、1つの具体的な実例により上記実施例に係る方法をさらに説明する。
【0104】
車両は初期に衛星信号品質が優れているエリアで自動運転を行うと仮定する。車両測位の正確度を保証するために、衛星信号品質が優れているエリアで、GPS受信機及び慣性航法センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られた第1測位結果を確定された測位結果とすると仮定することができる。そして、衛星信号品質が悪いエリアで、慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位して得られた第2測位結果を確定された測位結果とすると仮定することができる。
【0105】
GPS受信機及び慣性航法センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して車両を測位することは占有するリソースが少ないことを考慮し、第2測位結果を確定された測位結果としている過程において、持続的に第1測位アルゴリズムを利用して車両を測位してもよいが、第1測位アルゴリズムを利用して車両を測位した結果は採用しない。
【0106】
このように、再び第1測位結果を確定された測位結果とする必要がある場合、GPS測位を利用する起動の速度が遅く、第1測位アルゴリズムが再起動された後に、正確な第2測位誤差を取得できるまで相当長い時間が必要であることで、第2測位誤差が要求を満たしているか否かを判断する速度が遅いという問題を避けることができる。
【0107】
もちろん、1つの可能な実現方法において、第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、同時に第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位してもよく、このように、第2測位アルゴリズムに切り替える必要がある際に、正確な第1測位誤差を直接取得し、第1測位誤差が要求を満たしているか否かを速く判断することを実現することができる。
【0108】
しかし、慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位するには、システムリソースを大量に占用し、且つ慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサによる測位の起動の速度がいずれも速く、第2測位アルゴリズムが起動された後に、短い時間を経過すれば正確な第1測位誤差を取得できることを考慮すると、第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位しなくてもよい。
【0109】
さらに、GPS高精度地図上に指定位置及び所定位置を予め設定し、車両が該指定位置に到達したことを第1切替条件とし、車両が該所定位置に到達したことを第2切替条件とすると仮定することができる。
【0110】
なお、設けられた指定位置は、トンネル入口の前の1つの位置であってもよく、指定位置がここに設定されることで、第2測位アルゴリズムが起動された後も、正確な第1測位誤差を取得するまでに必要とされる所定時間内に、依然として第1測位アルゴリズムに基づいて正確な測位結果を取得できることを保証できることにより、車両を正確に測位する継続性を保証する。
【0111】
設けられた所定位置は、トンネル出口の後ろの1つの位置であってもよく、所定位置がここに設定されることで、車両がトンネルを完全に退出し、衛星信号品質が優れているエリアに入り、取得された衛星信号品質が優れ、第1測位結果の正確度がより高いことを確保できる。
【0112】
本実施例において、トンネル、指定位置及び所定位置の間の位置関係模式図は、図4に示すようであってもよい。図4において、2つの車道を示し、それぞれ車道1及び車道2と記す。トンネル入口からトンネル出口までのトンネルにおいて、衛星信号カバーがなく(衛星信号品質が悪いと理解されることができる)、トンネル以外の他のエリアには、いずれも衛星信号カバーがある(衛星信号品質が優れていると理解されることができる)と理解されることができる。
【0113】
上記図4に係る位置関係模式図と結び付けて、本発明の実施例は測位方法を提供し、該方法のステップフローは、図5に示すように、以下のステップを含むことができる。
【0114】
ステップ301、第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、車両の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定する。
【0115】
車両は初期に衛星信号品質が優れているエリアを走行するので、このステップにおいて、第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、車両の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定し、即ちGPS測位結果に基づいて、予めロードされたGPS高精度地図と結び付けて、GPS高精度地図上の予め設けられた指定位置に到達したか否かを確定することができる。
【0116】
もちろん、1つの可能な実現方法において、衛星信号品質が指定値より低いか否かにより、車両の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定することができる。他の1つの可能な実現方法において、衛星信号品質が指定値より低いか否か、及び、車両がGPS高精度地図上の予め設けられた指定位置に到達したか否かにより、車両の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定することもできる。
【0117】
本実施例において、車両がGPS高精度地図上の予め設けられた指定位置に到達したか否かにより、車両の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定することを例として、説明する。
【0118】
車両がGPS高精度地図上の予め設けられた指定位置に到達したことを確定すると、続いてステップ302を実行することができる。
【0119】
本実施例において、第1測位アルゴリズムは、GPS受信機及び慣性航法センサにより収集された測位データに基づいて、車両を測位して第1測位結果を得て、第1測位アルゴリズムの融合過程の模式図は、図6に示すようであってもよい。そのうち、それぞれGPS受信機及び慣性航法センサという2種類のセンサに基づいて車両に対する2つの測位結果(それぞれはGPS測位結果及び慣性航法測位結果である)を得て、対応した融合重み(それぞれ重み1及び重み2と記す)により重み付けされた2つの測位結果に基づいて、1つの統合加重平均の融合測位結果を得ることができる。
【0120】
ステップ302、第2測位結果に対応する第1測位誤差が収束しているか否かを判断する。
【0121】
このステップにおいて、車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果を取得することを起動することができる。即ち、慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサにより測位データを収集し、第2測位アルゴリズムを利用して車両を測位して第2測位結果を得ることができる。
【0122】
車両の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定した時刻から第2測位結果を取得し始め、正確な第1測位誤差を取得できるまで一定の時間の経過が必要であるので、このステップにおいて、所定時間内で第1測位誤差が収束しているか否かを判断することができる。
【0123】
所定時間内で第1測位誤差が収束していることを確定すると、続いてステップ303を実行することができ、そうでなければ、このフローを終了することができる。
【0124】
本実施例において、第2測位アルゴリズムは、慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサにより収集された測位データに基づいて、車両を測位して第2測位結果を得て、第2測位アルゴリズムの融合過程の模式図は、図7に示すようであってもよい。そのうち、それぞれ慣性航法センサ、視覚センサ及びレーザセンサという3種類のセンサにより車両に対する3つの測位結果(それぞれは慣性航法測位結果、視覚測位結果及びレーザ測位結果である)を得て、対応した融合重み(それぞれ重み1~3と記す)により重み付けされた3つの測位結果により、1つの統合加重平均の融合測位結果を得ることができる。
【0125】
ステップ303、第2測位結果を確定された測位結果とする。
【0126】
所定時間内で第1測位誤差が収束していると確定したため、第2測位結果の測位精度は要求を満たすことができると考えられ、このステップにおいて、第2測位結果を車両の測位結果とすることができる。
【0127】
なお、第2測位結果を車両の測位結果としている過程において、車両の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かをさらに確定することができる。
【0128】
本実施例において、GPS測位結果に基づいて、予めロードされたGPS高精度地図と結び付けて、GPS高精度地図上の予め設けられた所定位置に到達したか否かを確定することができる。
【0129】
もちろん、1つの可能な実現方法において、衛星信号品質が所定値より高いか否かにより、車両の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定することもできる。他の1つの可能な実現方法において、衛星信号品質が所定値より高いか否か、及び、車両がGPS高精度地図上の予め設けられた所定位置に到達したか否かにより、車両の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定することもできる。
【0130】
本実施例において、車両がGPS高精度地図上の予め設けられた所定位置に到達したか否かにより、車両の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定することを例として、説明する。
【0131】
車両がGPS高精度地図上の予め設けられた所定位置に到達したことを確定すると、続いてステップ304を実行することができる。
【0132】
ステップ304、第1測位結果に対応する第2測位誤差が収束しているか否かを判断する。
【0133】
本実施例において、第2測位結果を取得する過程においても、第1測位結果を持続的に取得するため、車両の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定した場合、現在時刻で第2測位誤差が収束しているか否かを確定することができる。
【0134】
現在時刻で第2測位誤差が収束していることを確定すると、続けてステップ305を実行することができ、そうでなければ、このフローを終了することができる。
【0135】
ステップ305、第1測位結果を確定された測位結果とする。
【0136】
現在時刻で第2測位誤差が収束していると確定したため、第1測位結果の測位精度は要求を満たすことができると考えられ、このステップにおいて、第1測位結果を車両の測位結果とすることができる。
【0137】
第1測位結果を車両の測位結果としている過程において、システムリソースを節約するために、第2測位アルゴリズムを利用せずに第2測位結果を取得してもよい。
【0138】
上記実施例に係る態様によれば、GPS高精度地図にマーキングする方法により、切替条件の設定を行うことができる。車両測位の過程において、不正確なデータソースを用いて車両測位を行うことを避け、測位シーンが切り替えられる時に車両測位の正確度を向上させることができる。
【0139】
上記実施例に係る態様によれば、自動運転車両がトンネルから出入りする過程において、測位精度がよりよい測位データソースを増やし、測位精度が悪い測位データソースを削除し、測位精度を効果的に向上させることができる。また、指定位置及び所定位置が正確に設定されることにより、トンネルの出口及び入口位置で、測位データソースの切替による測位結果が安定ではないという問題を解決することもできる。
【0140】
提供する方法に対応して、以下の装置をさらに提供する。
【0141】
本発明の実施例は測位装置を提供し、該装置の構造は、図8に示すように、第1測位モジュール11、第2測位モジュール12、判断モジュール13及び測位結果確定モジュール14を含むことができ、そのうち、
前記第1測位モジュール11は、少なくとも1つの第1センサにより収集された測位データに基づいて、第1測位アルゴリズムを利用して移動体を測位して第1測位結果を得ることに用いられ、前記第2測位モジュール12は、少なくとも1つの第2センサにより収集された測位データに基づいて、第2測位アルゴリズムを利用して前記移動体を測位して第2測位結果を得ることに用いられ、前記判断モジュール13は、第1測位結果及び第2測位結果のうちの一方を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしているか否かを確定することに用いられ、前記測位結果確定モジュール14は、前記判断モジュールにより移動体の現在状況がプリセット切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果及び第2測位結果のうちの他方を確定された測位結果とすることに用いられる。
【0142】
1つの可能な実現方法において、前記少なくとも1つの第1センサが衛星測位システム受信機及び慣性航法センサを含み、前記少なくとも1つの第2センサが衛星測位システム受信機を含まず、且つ前記少なくとも1つの第2センサが視覚センサ、レーザセンサ及び慣性航法センサを含む。
【0143】
さらに、1つの可能な実現方法において、前記第1測位モジュール11は、具体的には、衛星測位システム受信機により収集された衛星信号に基づいて、移動体を測位して衛星測位結果を得て、慣性航法センサにより収集された加速度データに基づいて、移動体を測位して慣性航法測位結果を得て、前記衛星測位結果及び慣性航法測位結果に対して重み付けフィルタリング融合を行って、第1測位結果を生成することに用いられる。
【0144】
1つの可能な実現方法において、前記第2測位モジュール12は、具体的には、視覚センサにより収集された画像データに基づいて、移動体を測位して視覚測位結果を得て、レーザセンサにより収集された点群データに基づいて、移動体を測位してレーザ測位結果を得て、慣性航法センサにより収集された加速度データに基づいて、移動体を測位して慣性航法測位結果を得て、前記慣性航法測位結果、視覚測位結果及びレーザ測位結果に対して重み付けフィルタリング融合を行って、第2測位結果を生成することに用いられる。
【0145】
1つの可能な実現方法において、前記プリセット切替条件が第1切替条件を含み、前記第1切替条件は、
移動体が取得した衛星信号品質が指定値より低いという条件と、
前記移動体が予めロードされた地図上の指定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせである。
【0146】
この時、前記判断モジュール13は、具体的には、第1測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況が第1切替条件を満たしているか否かを確定することに用いられる。
【0147】
前記測位結果確定モジュール14は、具体的には、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果を確定された測位結果とすることに用いられる。
【0148】
さらに、前記測位結果確定モジュール14は、具体的には、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第2測位結果に対応する誤差である第1測位誤差が収束しているか否かを確定し、第1測位誤差が収束していると確定すると、前記第2測位結果を確定された測位結果とすることに用いられる。
【0149】
またさらに、前記測位結果確定モジュール14は、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、第1測位誤差が収束しているか否かを確定することは、
前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第1測位誤差が収束しているか否かを確定すること、或いは、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第1切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第1測位誤差が収束しているか否かを確定することを含む。
【0150】
他の1つの可能な実現方法において、前記プリセット切替条件が第2切替条件を含み、前記第2切替条件は、
移動体が取得した衛星信号品質が所定値より高いという条件と、
前記移動体が予めロードされた地図上の所定位置に到達したという条件と、のうちの1つ又は複数の組み合わせである。
【0151】
この時、前記判断モジュール13は、具体的には、第2測位結果を確定された測位結果としている過程において、移動体の現在状況が第2切替条件を満たしているか否かを確定することに用いられる。
【0152】
前記測位結果確定モジュール14は、具体的には、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果を確定された測位結果とすることに用いられる。
【0153】
さらに、前記測位結果確定モジュール14は、具体的には、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第1測位結果に対応する誤差である第2測位誤差が収束しているか否かを確定し、第2測位誤差が収束していると確定すると、前記第1測位結果を確定された測位結果とすることに用いられる。
【0154】
またさらに、前記測位結果確定モジュール14は、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、第2測位誤差が収束しているか否かを確定することは、
前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、現在時刻で第2測位誤差が収束しているか否かを確定する、或いは、前記判断モジュールにより移動体の現在状況が第2切替条件を満たしていると確定すると、所定時間内で第2測位誤差が収束しているか否かを確定することを含む。本発明の上記実施例に係る装置の各機能ユニットの機能は、上記の対応する方法のステップにより実現できるので、本発明の実施例に係る装置における各機能ユニットの具体的な作動過程及び有益効果について、ここでは説明を省略する。
【0155】
同一の発明構想に基づいて、本発明の実施例は、以下のデバイス及び媒体を提供する。
【0156】
本発明の実施例は測位デバイスを提供し、該デバイスの構造は、図9に示すように、プロセッサ21、通信インターフェイス22、メモリ23及び通信バス24を含み、そのうち、前記プロセッサ21、前記通信インターフェイス22、前記メモリ23は、前記通信バス24を介して相互間の通信を完成し、
前記メモリ23は、コンピュータプログラムを格納することに用いられ、
前記プロセッサ21は、前記メモリに記憶されたプログラムを実行する際に、本発明の上記の方法の実施例に記載のステップを実現することに用いられる。
【0157】
好ましくは、前記プロセッサ21は、具体的には、中央処理装置(CPU)と、特定用途集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)とを含んでもよく、1つ以上のプログラムの実行を制御するための集積回路であってもよく、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、Field Programmable Gate Array)を用いて開発されたハードウェア回路であってもよく、ベースバンドプロセッサであってもよい。
【0158】
好ましくは、前記プロセッサ21は、少なくとも1つの処理コアを含んでもよい。
【0159】
好ましくは、前記メモリ23は、リードオンリーメモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)及び磁気ディスクメモリを含んでもよい。メモリ23は、少なくとも1つのプロセッサ21の動作時に必要なデータを記憶することに用いられる。メモリ23の数は、1つ以上であってもよい。
【0160】
本発明の実施例は、不揮発性コンピュータ記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ記憶媒体には、実行可能なプログラムが記憶され、実行可能なプログラムがプロセッサにより実行される際に、本発明の上記方法の実施例に係る方法を実現する。
【0161】
具体的な実施過程において、コンピュータ記憶媒体は、ユニバーサルシリアルバスフラッシュディスク(USB、Universal Serial Bus Flash Drive)、ポータブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク或いは光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶できる記憶媒体を含んでもよい。
【0162】
本発明の実施例において、明示されたデバイス及び方法は、他の態様により実現されることができると理解すべきである。例えば、以上のとおり説明したデバイスの実施例は、模式的なものに過ぎず、例えば、前記ユニット又はユニットの区画は、1種の論理的な機能の区画に過ぎず、実際に実現される時に他の区画方法があってもよく、例えば、複数のユニット又はアセンブリは、別のシステムに結合又は集積してもよく、又は幾つかの特徴が省略されてもよく、又は実行されなくてもよい。他方、表示または議論された相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェイス、デバイス又はユニットを介した間接結合または通信接続であってもよく、電気的又は他の形態であってもよい。
【0163】
本発明の実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよく、或いは、各ユニットはいずれも独立した物理モジュールであってもよい。
【0164】
前記集積されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現され、且つ独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の実施例の技術態様の全て又は一部は、ソフトウェア製品の形態で表現でき、該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、例えばパーソナルコンピュータ、サーバ、或いはネットワークデバイスなどであってもよい1台のコンピュータデバイス、又はプロセッサ(processor)に本発明の各実施例に記載の方法の全て又は一部のステップを実行させるためのいくつかの指令を含む。そして、前記記憶媒体は、ユニバーサルシリアルバスフラッシュディスク(Universal Serial Bus Flash Drive)、ポータブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク或いは光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0165】
当業者は、本発明の実施例は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよいと理解すべきである。したがって、本発明は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、またはソフトウェア及びハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用することができる。さらに、本発明は、1つ以上のコンピュータ使用可能なプログラムコードが含まれるコンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、それに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0166】
本発明は、本発明の実施例の方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフロー図及び/又はブロック図を参照しながら説明されるものである。コンピュータプログラム指令により、フロー図及び/又はブロック図におけるそれぞれのフロー及び/又はブロック、及びフロー図及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの結合を実現することができると理解すべきである。これらのコンピュータプログラム指令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込み処理機又は他のプログラマブルなデータ処理デバイスのプロセッサに提供して1つの機器を生成することにより、コンピュータ又は他のプログラマブルなデータ処理デバイスのプロセッサにより実行される指令により、フロー図における1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するための装置を生成する。
【0167】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラマブルなデータ処理デバイスを特定の方法で作動するように誘導することができるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された指令に指令装置を含む製造品を生成させ、該指令装置は、フロー図における1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する。
【0168】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラマブルなデータ処理デバイスにロードされて、コンピュータ又は他のプログラマブルなデバイスで一連の操作ステップを実行してコンピュータにより実現される処理を生成し、これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルなデバイスで実行される指令は、フロー図における1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0169】
本発明の好ましい実施例について説明したが、当業者は、基本的な進歩性概念が明らかになれば、これらの実施例をさらに変更及び修正することができる。そのため、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例及び本発明の範囲に収まるすべての変更及び修正を含むと解釈されることを意図している。
【0170】
当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対して種々の変更および変形を行うことができることは明らかである。このように、本発明のこれらの変更および変形が本発明の特許請求の範囲及びそれに均等する技術の範囲内に属する場合、本発明もこれらの変更および変形を含むことを意図する。
図1
図2
図3
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図5
図6
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【外国語明細書】
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