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特開2022-139306貨幣処理装置、及び、アタッチメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139306
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】貨幣処理装置、及び、アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/26 20190101AFI20220915BHJP
   G07D 11/245 20190101ALI20220915BHJP
   G07D 11/12 20190101ALI20220915BHJP
【FI】
G07D11/26
G07D11/245
G07D11/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039614
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 優衣
(72)【発明者】
【氏名】出水田 剛志
(72)【発明者】
【氏名】南 喜智
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141BA07
3E141BA08
3E141CA04
3E141CA05
3E141CA07
3E141FC03
3E141FC04
3E141FC05
3E141FC07
(57)【要約】
【課題】複数種類のカセットを、貨幣処理装置に装着可能にする。
【解決手段】貨幣処理装置51は、処理対象の貨幣を収納する第1カセット61及び第2カセット62を含むカセットが、選択的に着脱可能に装着される装着部511を備える。カセットは、装着部に装着されることにより、貨幣処理装置に対して、貨幣の移動が可能に連結される。第1カセットは、第1カセットと貨幣処理装置とを連結させる少なくとも一の連結部を有する着脱可能なアタッチメント63を介在して装着され、連結部633は、第1カセットと貨幣処理装置との間で貨幣の移動を可能にする特定機能を有している、
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の貨幣を収納する第1カセット及び第2カセットを含むカセットが、選択的に着脱可能に装着される装着部を備え、
前記カセットは、前記装着部に装着されることにより、貨幣処理装置に対して、貨幣の移動が可能に連結され、
前記第1カセットは、前記第1カセットと前記貨幣処理装置とを連結させる少なくとも一の連結部を有する着脱可能なアタッチメントを介在して装着され、
前記連結部は、前記第1カセットと前記貨幣処理装置との間で貨幣の移動を可能にする特定機能を有している、
貨幣処理装置。
【請求項2】
前記第2カセットは、前記アタッチメントを介在させずに、前記装着部に着脱可能に装着される、
請求項1に記載の貨幣処理装置。
【請求項3】
前記第1カセットのサイズは、前記第2カセットと異なる、
請求項1又は2に記載の貨幣処理装置。
【請求項4】
前記第1カセットは、前記アタッチメントが接続される接続面を有し、
前記第1カセットにおける、前記接続面に対して直交する方向の長さは、前記第2カセットと異なる、
請求項3に記載の貨幣処理装置。
【請求項5】
前記アタッチメントは、第1アタッチメントと、第2アタッチメントと、を含み、
前記第1カセットは、前記第1アタッチメントを介して、前記装着部に着脱可能に装着され、
前記第2カセットは、前記第2アタッチメントを介して、前記装着部に着脱可能に装着される、
請求項1に記載の貨幣処理装置。
【請求項6】
前記装着部の通信用コネクタに接続されたカセットと通信を行う通信部を有し、
前記連結部は、前記特定機能のために、前記第1カセットの通信用コネクタに接続される第1コネクタと、前記装着部の通信用コネクタに接続される第2コネクタとを有し、
前記通信部は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記第1カセットが装着された状態において、前記第1カセットとの間で情報通信を行う、
請求項1~5のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項7】
前記装着部に装着された前記カセットへ供給する動力の動力源を有し、
前記連結部は、前記特定機能のために、前記動力源と前記第1カセットとの間で動力を伝達する伝達機構を有し、
前記アタッチメントを介して前記装着部に前記第1カセットが装着された状態において、前記動力源を駆動することによって、前記第1カセットの中の貨幣を動かす、
請求項1~6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項8】
前記装着部の電力用コネクタに接続されたカセットに電力を供給する電力供給部、を有し、
前記第1カセットは、前記第1カセットの中の貨幣を動かすための動力源を有し、
前記連結部は、前記特定機能のために、前記第1カセットの電力用コネクタに接続される第3コネクタと、前記装着部の電力用コネクタに接続される第4コネクタとを有し、
前記電力供給部は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記第1カセットが装着された状態において、前記第1カセットに電力を供給することによって、前記第1カセットの中の貨幣を動かす、
請求項1~6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項9】
前記装着部に装着された前記カセットに収納される貨幣、又は、該カセットから繰り出された貨幣を搬送する搬送路を有し、
前記連結部は、前記特定機能のために、前記第1カセットと前記搬送路との間をつないで貨幣を搬送する連通路である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項10】
前記装着部は、前記貨幣処理装置の筐体の外に設けられた外部装着部を含み、
前記第1カセットは、前記アタッチメントを介して前記外部装着部に装着されることにより、前記貨幣処理装置に対して、貨幣の移動が可能に連結される、
請求項1~9のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項11】
貨幣処理装置の処理対象の貨幣を収納するカセットを、前記貨幣処理装置の装着部に、着脱可能に装着するためのアタッチメントであって、
前記カセットに当たる第1当接部と、
前記装着部に当たる第2当接部と、
前記カセットと前記貨幣処理装置とを連結させる少なくとも一の連結部であって、前記カセットと前記貨幣処理装置との間で貨幣の移動を可能にする特定機能を有する連結部と、を備え、
前記カセットと前記装着部との間に介在して、前記カセットと前記貨幣処理装置とを貨幣の移動が可能に連結させる、
アタッチメント。
【請求項12】
前記連結部は、前記特定機能のために、前記カセットの通信用コネクタに接続される第1コネクタと、前記装着部の通信用コネクタに接続される第2コネクタとを有し、
前記貨幣処理装置は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記カセットが装着された状態において、前記カセットとの間で情報通信を行う、
請求項11に記載のアタッチメント。
【請求項13】
前記連結部は、前記特定機能のために、前記貨幣処理装置が有する動力源と前記カセットとの間で動力を伝達する伝達機構を有し、
前記貨幣処理装置は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記カセットが装着された状態において、前記動力源を駆動することによって、前記カセットの中の貨幣を動かす、
請求項11又は12に記載のアタッチメント。
【請求項14】
前記カセットは、前記カセットの中の貨幣を動かすための動力源を有し、
前記連結部は、前記特定機能のために、前記カセットの電力用コネクタに接続される第3コネクタと、前記装着部の電力用コネクタに接続される第4コネクタとを有し、
前記貨幣処理装置は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記カセットが装着された状態において、前記カセットに電力を供給することによって、前記カセットの中の貨幣を動かす、
請求項11又は12に記載のアタッチメント。
【請求項15】
前記連結部は、前記特定機能のために、前記カセットと前記貨幣処理装置との間をつなぐ連通路であって、前記貨幣が搬送される連通路を有している、
請求項11~14のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、貨幣処理装置、及び、アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貨幣処理装置が記載されている。貨幣処理装置の筐体内には、収納庫が設けられている。貨幣処理装置に貨幣を補充する際、又は、貨幣処理装置から貨幣を回収する際に、カセットが用いられる。カセットは、貨幣処理装置に貨幣を補充する際に筐体内に装着され、補充用の貨幣を繰り出す。また、カセットは、貨幣処理装置から貨幣を回収する際に筐体内に装着され、回収用の貨幣を収納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-008646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貨幣処理装置には、例えば収納容量のみが相違する、複数の機種が存在する場合がある。第1貨幣処理装置に装着される第1カセットと、第1貨幣処理装置とは機種が異なる第2貨幣処理装置に装着される第2カセットは、例えばサイズが相違する。
【0005】
従来の貨幣処理装置において、一つの貨幣処理装置に対して装着できるカセットは一種類である。つまり、第1貨幣処理装置には第2カセットが装着できず、第2貨幣処理装置には第1カセットが装着できない。
【0006】
ここに開示する技術は、複数種類のカセットを、貨幣処理装置に装着可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示する貨幣処理装置は、処理対象の貨幣を収納する第1カセット及び第2カセットを含むカセットが、選択的に着脱可能に装着される装着部を備え、前記カセットは、前記装着部に装着されることにより、貨幣処理装置に対して、貨幣の移動が可能に連結され、前記第1カセットは、前記第1カセットと前記貨幣処理装置とを連結させる少なくとも一の連結部を有する着脱可能なアタッチメントを介在して装着され、前記連結部は、前記第1カセットと前記貨幣処理装置との間で貨幣の移動を可能にする特定機能を有している。
【0008】
アタッチメントを利用することによって、この貨幣処理装置には、第1カセット及び第2カセットが選択的に装着できる。
【0009】
前記第2カセットは、前記アタッチメントを介在させずに、前記装着部に着脱可能に装着される、としてもよい。
【0010】
前記第1カセットのサイズは、前記第2カセットと異なる、としてもよい。
【0011】
前記第1カセットの容量は、前記第2カセットと異なる、としてもよい。
【0012】
前記第1カセット及び前記第2カセットはそれぞれ、貨幣を集積した状態で収納し、前記第1カセットの集積方向に対応する長さは、前記第2カセットと異なる、としてもよい。
【0013】
前記第1カセットは、前記アタッチメントが接続される接続面を有し、前記第1カセットにおける、前記接続面に対して直交する方向の長さは、前記第2カセットと異なる、としてもよい。
【0014】
前記アタッチメントは、第1アタッチメントと、第2アタッチメントと、を含み、前記第1カセットは、前記第1アタッチメントを介して、前記装着部に着脱可能に装着され、前記第2カセットは、前記第2アタッチメントを介して、前記装着部に着脱可能に装着される、としてもよい。
【0015】
前記貨幣処理装置は、前記装着部の通信用コネクタに接続されたカセットと通信を行う通信部、を有し、前記連結部は、前記特定機能のために、前記第1カセットの通信用コネクタに接続される第1コネクタと、前記装着部の通信用コネクタに接続される第2コネクタとを有し、前記通信部は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記第1カセットが装着された状態において、前記第1カセットとの間で情報通信を行う、としてもよい。
【0016】
貨幣処理装置は、第1カセットと貨幣処理装置との間で貨幣の移動に関係した情報通信を行うことができる。
【0017】
前記貨幣処理装置は、前記装着部に装着された前記カセットへ供給する動力の動力源を有し、前記連結部は、前記特定機能のために、前記動力源と前記第1カセットとの間で動力を伝達する伝達機構を有し、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記第1カセットが装着された状態において、前記動力源を駆動することによって、前記第1カセットの中の貨幣を動かす、としてもよい。
【0018】
貨幣処理装置が第1カセットに動力を供給することによって、第1カセットと貨幣処理装置との間で貨幣を移動させることができる。
【0019】
前記貨幣処理装置は、前記装着部の電力用コネクタに接続されたカセットに電力を供給する電力供給部を有し、前記第1カセットは、前記第1カセットの中の貨幣を動かすための動力源を有し、前記連結部は、前記特定機能のために、前記第1カセットの電力用コネクタに接続される第3コネクタと、前記装着部の電力用コネクタに接続される第4コネクタとを有し、前記電力供給部は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記第1カセットが装着された状態において、前記第1カセットに電力を供給することによって、前記第1カセットの中の貨幣を動かす、としてもよい。
【0020】
貨幣処理装置が第1カセットに電力を供給することによって、電力供給を受けた動力源が、第1カセットと貨幣処理装置との間で貨幣を移動できる。
【0021】
前記貨幣処理装置は、前記装着部に装着された前記カセットに収納される貨幣、又は、該カセットから繰り出された貨幣を搬送する搬送路を有し、前記連結部は、前記特定機能のために、前記第1カセットと前記搬送路との間をつないで貨幣を搬送する連通路である、としてもよい。
【0022】
貨幣処理装置は、連通路を使って、第1カセットと貨幣処理装置との間で貨幣を移動できる。
【0023】
前記装着部は、前記貨幣処理装置の筐体の外に設けられた外部装着部を含み、前記第1カセットは、前記アタッチメントを介して前記外部装着部に装着されることにより、前記貨幣処理装置に対して、貨幣の移動が可能に連結される、としてもよい。
【0024】
前記装着部は、前記筐体の中に設けられた内部装着部をさらに含む、としてもよい。
【0025】
前記外部装着部は、前記貨幣処理装置の筐体の外において、展開状態と格納状態とに状態が切り替わり、前記第1カセットは、展開された前記外部装着部に、前記アタッチメントを介して装着される、としてもよい。
【0026】
ここに開示する技術は、貨幣処理装置の処理対象の貨幣を収納するカセットを、前記貨幣処理装置の装着部に、着脱可能に装着するためのアタッチメントに係る。このアタッチメントは、前記カセットに当たる第1当接部と、前記装着部に当たる第2当接部と、前記カセットと前記貨幣処理装置とを連結させる少なくとも一の連結部であって、前記カセットと前記貨幣処理装置との間で貨幣の移動を可能にする特定機能を有する連結部と、を備え、前記アタッチメントは、前記カセットと前記装着部との間に介在して、前記カセットと前記貨幣処理装置とを貨幣の移動が可能に連結させる。
【0027】
アタッチメントを使えば、貨幣処理装置に複数種類のカセットが装着できる。
【0028】
前記連結部は、前記特定機能のために、前記カセットの通信用コネクタに接続される第1コネクタと、前記装着部の通信用コネクタに接続される第2コネクタとを有し、前記貨幣処理装置は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記カセットが装着された状態において、前記カセットとの間で情報通信を行う、としてもよい。
【0029】
前記連結部は、前記特定機能のために、前記貨幣処理装置が有する動力源と前記カセットとの間で動力を伝達する伝達機構を有し、前記貨幣処理装置は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記カセットが装着された状態において、前記動力源を駆動することによって、前記カセットの中の貨幣を動かす、としてもよい。
【0030】
前記カセットは、前記カセットの中の貨幣を動かすための動力源を有し、前記連結部は、前記特定機能のために、前記カセットの電力用コネクタに接続される第3コネクタと、前記装着部の電力用コネクタに接続される第4コネクタとを有し、前記貨幣処理装置は、前記アタッチメントを介して前記装着部に前記カセットが装着された状態において、前記カセットに電力を供給することによって、前記カセットの中の貨幣を動かす、としてもよい。
【0031】
前記連結部は、前記特定機能のために、前記カセットと前記貨幣処理装置との間をつなぐ連通路であって、前記貨幣が搬送される連通路を有している、としてもよい。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、前記の貨幣処理装置、又は、アタッチメントによると、複数種類のカセットが、貨幣処理装置に装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A図1Aは、第1実施形態に係る貨幣処理装置の構成例を示す。
図1B図1Bは、第1実施形態に係る貨幣処理装置の構成例を示す。
図2図2は、第2実施形態に係る貨幣処理装置の構成例を示す。
図3図3は、貨幣処理装置に対するカセットの脱着構成例を示す。
図4図4は、貨幣処理装置のブロック図である。
図5図5は、第1カセット及び第2カセットの構成例を示す。
図6図6は、第2カセットの装着箇所を拡大して示す。
図7図7は、貨幣処理装置に、第1カセットが装着された状態を示す。
図8図8は、アタッチメントを介した第1カセットの装着箇所を拡大して示す。
図9図9は、複数の貨幣処理装置の間での、第1カセットと第2カセットとの差し替えを示す。
図10図10は、第3実施形態に係る貨幣処理装置を示す。
図11図11は、第1貨幣処理装置の外部装着部に、第2カセットを装着した状態と、第1カセットを装着した状態とを示す。
図12図12は、第2貨幣処理装置の外部装着部に、第2カセットを装着した状態と、第1カセットを装着した状態とを示す。
図13図13は、他の実施形態に係る貨幣処理装置の構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、貨幣処理装置及びアタッチメントの実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する貨幣処理装置及びアタッチメントは例示である。
【0035】
(第1実施形態)
図1Aは、貨幣処理装置51の構成例を示している。貨幣処理装置51は、貨幣に関する処理を実行する。貨幣処理装置51は、貨幣処理の実行時に、処理対象の貨幣をカセットに収納する、及び/又は、処理対象の貨幣をカセットから繰り出す。
【0036】
貨幣処理装置51は、装着部511を備えている。装着部511には、カセットが着脱可能に装着される。装着部511に装着されるカセットは、第1カセット61及び第2カセット62を含む。第1カセット61及び第2カセット62は、選択的に装着部511に装着される。
【0037】
第1カセット61は、アタッチメント63を介在して装着部511に装着される。アタッチメント63は、カセット61に当たる第1当接部631と、装着部511に当たる第2当接部632と、を有している。アタッチメント63は、第1カセット61に対して、着脱可能である。
【0038】
アタッチメント63はまた、第1カセット61と貨幣処理装置51とを連結させる少なくとも一の連結部633を有している。連結部633は、第1カセット61と貨幣処理装置51との間で貨幣の移動を可能にする特定機能を有している。アタッチメント63が介在することによって、貨幣処理装置51と第1カセット61との間で、搬送路64を通じて、貨幣を移動させることができる。
【0039】
第2カセット62は、アタッチメント63を介在させずに、装着部511に着脱可能に装着される。貨幣処理装置51と第2カセット62との間で、搬送路64を通じて、貨幣を移動させることができる。
【0040】
アタッチメント63は、貨幣処理装置51に対して、複数種類のカセットを装着可能にする。
【0041】
図1Bは、第2構成例のアタッチメント65を示している。第1カセット61は、アタッチメント65を介在して装着される。アタッチメント65は、カセット61に当たる第1当接部651と、装着部511に当たる第2当接部652と、を有している。アタッチメント65は、第1カセット61に対して、着脱可能である。
【0042】
アタッチメント65の連結部は、第1カセット61と貨幣処理装置51の搬送路64とをつなぐ連通路653である。
【0043】
第2カセット62は、アタッチメント65を介在させずに、装着部511に着脱可能に装着される。アタッチメント65もまた、貨幣処理装置51に対して、複数種類のカセットを装着可能にする。
【0044】
(第2実施形態)
図2は、貨幣処理装置1の構成を例示している。貨幣処理装置1は、図1の貨幣処理装置51の変形例である。貨幣処理装置1は、前後方向に細長い形状を有している。貨幣処理装置1の前は、後述する入金口211及び出金口221が形成されている部位を指す。貨幣処理装置1の後は、入金口211及び出金口221が形成されている部位とは逆の部位を指す。
【0045】
貨幣処理装置1は、バラ紙幣の処理を行う。貨幣処理装置1は、紙幣処理装置である。貨幣処理装置1は、上部の処理部11と、下部の金庫部13とを有している。処理部11は、上部筐体111によって構成されている。上部筐体111の中には、入金部21、出金部22、リジェクト部23、一時保留部24、識別部25、及び、上側搬送部41が配設されている。上側搬送部41は、搬送部4の一部である。
【0046】
金庫部13は、金庫筐体131によって構成されている。金庫筐体131の中には、複数の収納装置31~35、下側搬送部42が配設されている。下側搬送部42は、搬送部4の一部である。
【0047】
収納装置31~35はそれぞれ、紙幣を収納する。金庫筐体131は、収納装置31~35を、所定以上のセキュリティレベルで防護する。具体的に金庫筐体131は、所定の厚み以上の金属板によって形成されている。金庫筐体131のセキュリティレベルは上部筐体111より高い。
【0048】
入金部21は、例えば入金処理の際に、入金対象の紙幣が投入される部分である。入金部21は、入金口211を有している。入金口211は、上部筐体111の前部において、上向きに開口している。オペレータは、入金口211を通じて、入金部21に、紙幣を手で入れる。入金部21は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持できる。入金部21は、紙幣を一枚ずつ貨幣処理装置1内に取り込む機構を有している。
【0049】
出金部22は、例えば出金処理の際に、収納装置31~35から繰り出された紙幣が搬送される部分である。出金部22は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持できる。出金部22は、出金口221を有している。出金口221は、入金口211よりも前の位置において、上向きに開口している。オペレータは、出金部22に集積されている紙幣を、出金口221を通じて手で取り出すことができる。尚、出金口221に、開閉するシャッターを設けてもよい。
【0050】
リジェクト部23は、例えば入金処理の際に発生したリジェクト紙幣が搬送される部分である。リジェクト部23は、上部筐体111内の前部に配設されている。リジェクト部23は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持するよう構成されている。リジェクト部23は、リジェクト出金口231を有している。リジェクト出金口231は、上部筐体111の前部において前向きに開口している。リジェクト出金口231にはシャッターが設けられている。シャッターが開くと、オペレータは、リジェクト部23に集積されている紙幣を、リジェクト出金口231を通じて取り出すことができる。
【0051】
一時保留部24は、例えば入金処理の際に、入金対象の紙幣を一時的に収納する。一時保留部24は、収納した紙幣を繰り出すことができる。一時保留部24は、上部筐体111の中における、前方位置に配設されている。一時保留部24は、テープ式の収納ユニットである。一時保留部24は、紙幣を、テープと共にドラムに巻き付けることによって、紙幣を収納する。テープ式の収納ユニットは、紙幣の収納時及び紙幣の繰出時において、紙幣の順番が入れ替わらないという利点を有している。また、テープ式の収納ユニットは、様々なサイズの紙幣を、混合状態で収納することができる、という利点も有している。一時保留部24は、テープ式の収納ユニットの、公知の構成を採用できる。
【0052】
識別部25は、第1搬送路411に配設されている。識別部25は、第1搬送路411に沿って搬送される紙幣の一枚ごとに、少なくとも、真偽、金種及び正損を識別する。識別部25はまた、紙幣の識別番号を取得する。識別番号(identification number)は、紙幣の固有のコードである。紙幣の識別番号は、記番号(serial number)と呼ばれる場合もある。
【0053】
識別部25が取得した紙幣の識別番号は、記憶部27に記憶される(図4参照)。記憶部27は、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、第4収納装置34、及び、第5収納装置35のそれぞれに収納している紙幣の情報を記憶する。記憶部27は、具体的には、各収納装置31~35に収納している紙幣の枚数、金種、及び、合計金額を記憶している。記憶部27はまた、各収納装置31~35に収納している紙幣一枚ごとの識別番号を記憶している。記憶部27は、紙幣の収納順に、識別番号を記憶している。紙幣の収納順と識別番号とを対応付けた情報を、以下において識別番号リストと呼ぶ場合がある。
【0054】
貨幣処理装置1は、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、第4収納装置34、及び、第5収納装置35を有している。各収納装置31~35は、カセット72によって構成されている(図5参照)。
【0055】
カセット72は、スタック式の収納装置である。スタック式の収納装置は、紙幣を重ねて収納する。カセット72はまた、搬送機構を有している。搬送機構は、カセット72の外から中へ紙幣を投入して、カセット72の中に紙幣を収納する。搬送機構はまた、カセット72の中に収納している紙幣を、カセット72の中から外へ投出する。
【0056】
金庫部13には、第1装着部141、第2装着部142、第3装着部143、第4装着部144及び第5装着部145が設けられている。カセット72は、各装着部141~145に対して着脱可能に装着される。五つのカセット72は、金庫筐体131の中で、前後方向に並んでいる。
【0057】
貨幣処理装置1に装着される各カセット72は、図6に示すように、識別情報が記憶されている記憶部725を有している。尚、図6は、カセット72の一部の部材を取り外して描いている。装着部14にカセット72が装着されると、貨幣処理装置1は、当該カセット72の記憶部725から識別情報を読み込んで、装着されたカセット72の識別を行う。第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、第4収納装置34、及び、第5収納装置35は全て、同じ形状及び同じ構造のカセット72によって構成され、カセット72は、第1装着部141、第2装着部142、第3装着部143、第4装着部144及び第5装着部145のいずれの装着部にも装着できるが、貨幣処理装置1は、カセット72の識別情報に基づいて、各カセット72を管理する。
【0058】
カセット72は、図5に例示するように、箱状である。カセット72は、紙幣を収納している状態で、装着部14から取り外すことができ、紙幣を収納している状態で、装着部14に取り付けることができる。具体的に、オペレータは、図3に例示するように、金庫筐体131の前に設けられた扉を開けて、金庫筐体131の中のカセット72を、金庫筐体131の外へ引き出すことができる。カセット72を金庫筐体131の外へ引き出した後、オペレータは、各カセット72を個別に、上向きに引き上げることにより、カセット72を、第1装着部141、第2装着部142、第3装着部143、第4装着部144、及び第5装着部145から取り外すことができる。
【0059】
装着部14から取り外されたカセット72は、ロックされている。オペレータは、カセット72の中の紙幣に触れることができない。
【0060】
尚、図2のカセットの構成は一例であり、金庫筐体131内に収容するカセットの数、及び、配置、並びに、各カセットの構造は、図2の構成に限定されない。
【0061】
貨幣処理装置1における所定の装着部、例えば第5装着部145には、補充回収用の専用カセットが着脱可能に装着される。所定の装着部に装着された専用カセットは、回収処理の際に、回収対象の紙幣を、専用カセット内に収納する。また、所定の装着部に装着された専用カセットは、補充処理の際に、補充対象の紙幣を、専用カセット内から繰り出す。専用カセットは、複数の貨幣処理装置のそれぞれに装着される場合がある。複数の貨幣処理装置のそれぞれにおいて、同じ専用カセットを使って回収処理及び/又は補充処理を行うと、当該専用カセットは、複数の貨幣処理装置間で貨幣の移動を行うことと等価になる。
【0062】
搬送部4は、貨幣処理装置1内で、紙幣と紙幣との間に間隔を空けて、紙幣を一枚ずつ搬送する。搬送部4は搬送路を有している。搬送路は、多数のローラ、複数のベルト、これらを駆動するモータ、及び、複数のガイドの組み合わせによって構成されている。搬送部4は、例えば紙幣の長辺の縁を前にして、紙幣を搬送する。搬送部4は、紙幣の短辺の縁を前にして、紙幣を搬送してもよい。
【0063】
搬送部4は、上側搬送部41と、下側搬送部42と、を有している。上側搬送部41は、前述したように、上部筐体111内に配設されている。下側搬送部42は、金庫筐体131内に配設されている。上側搬送部41と下側搬送部42とは、金庫筐体131を形成する上壁に設けられた搬送路を介して、互いに接続されている。
【0064】
上側搬送部41は、ループ状に構成された第1搬送路411を有している。識別部25は、第1搬送路411の途中に配設されている。搬送部4は、紙幣を、第1搬送路411に沿って、図2における時計回り方向及び反時計回り方向のそれぞれに搬送する。
【0065】
入金部21、出金部22、リジェクト部23及び一時保留部24はそれぞれ、第2搬送路412、第3搬送路413、第4搬送路414、及び、第5搬送路415を介して第1搬送路411に接続されている。
【0066】
下側搬送部42は、第1~第5収納装置31~35の上側に配設されている。下側搬送部42は、前後方向に広がっている。下側搬送部42は、第8搬送路421、及び、第9搬送路423を有している。
【0067】
第8搬送路421は、第5収納装置35と、上側搬送部41の第6搬送路416とを互いにつなぐ。第6搬送路416は、第1搬送路411に接続されている。
【0068】
第9搬送路423は、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、及び、第4収納装置34のそれぞれと、上側搬送部41の第7搬送路417とを互いにつなぐ。第7搬送路417は、第1搬送路411に接続されている。
【0069】
第9搬送路423は、前後方向に伸びている。第9搬送路423の端は、第1収納装置31に接続されている。第9搬送路423は、第1~第3の三つの分岐路424、425、426を含んでいる。第1分岐路424は、第2収納装置32に接続されている。第2分岐路425は、第3収納装置33に接続されている。第3分岐路426は、第4収納装置34に接続されている。
【0070】
第1~第9搬送路411~417、421、423~426における各所には、分岐機構及び通過センサが配設されている。分岐機構は、紙幣の搬送先を変える。通過センサは、紙幣の通過を検知する。搬送部4は、後述するコントローラー15からの指令を受けると、通過センサの検知信号に基づいて各分岐機構を制御することにより、紙幣を、所定の搬送先に搬送する。
【0071】
貨幣処理装置1は、図4に示すように、コントローラー15を備えている。コントローラー15は、プロセッサ、メモリ、及び、I/F回路を少なくとも備えている。プロセッサは、プログラムを実行する。メモリは、処理機の動作のためのプログラム及びデータを格納する。メモリは、例えばRAM(Random Access Memory)及び/又はROM(Read Only Memory)である。I/F回路は、コントローラー15と、コントローラー15に接続された各機器との間の電気信号の入出力を行う。
【0072】
コントローラー15には、入金部21、出金部22、リジェクト部23、一時保留部24、識別部25、搬送部4、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、第4収納装置34、及び、第5収納装置35が、それぞれ信号の授受可能に接続されている。
【0073】
ここで、前述したように、第1~第5収納装置31~35を構成するカセット72には、識別情報を記憶した記憶部725が設けられている。コントローラー15は、装着部141~145に装着されたカセット72との間で通信を行う通信部210を有している。コントローラー15はまた、カセット72に供給する動力の動力源、つまり、電気モータ146(図6及び図8参照)の制御を行う。電気モータ146の動力がカセット72に供給されることにより、装着部14に装着されたカセット72の搬送機構は、紙幣の取込及び紙幣の繰出を行うことができる。
【0074】
貨幣処理装置1は、オペレータが操作をする操作部26、各種のデータ等を記憶する記憶部27、及び、端末機29との間で通信を行うための外部通信部28を有している。操作部26、記憶部27、及び外部通信部28も、コントローラー15に信号の授受可能に接続されている。操作部26は、例えばタッチパネル式の表示装置によって構成してもよい。端末機29は、貨幣処理装置1を利用して行う各種の処理の実行のために、オペレータが操作をする。外部通信部28はまた、ネットワークを介して、他の機器、例えば管理装置との間で通信を行う。
【0075】
コントローラー15は、オペレータが操作部26を操作したときや、オペレータが端末機29を操作したときに、各種の処理が実行されるよう、入金部21、出金部22、リジェクト部23、一時保留部24、識別部25、搬送部4、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、第4収納装置34、及び、第5収納装置35を制御する。以下、貨幣処理装置1が各種の処理を実行する際の動作について説明する。
【0076】
ここで、貨幣処理装置1において、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、第4収納装置34、及び、第5収納装置35はそれぞれ、異なる紙幣を収納している、とする。例えば第1収納装置31は、1ドル紙幣を収納し、第2収納装置32は、10ドル紙幣を収納し、第3収納装置33は、50ドル紙幣を収納し、第4収納装置34は、100ドル紙幣を収納する。この場合、第1~第4収納装置31~34は、いわゆるリサイクルカセットである。第5収納装置35は、後述するように、出金処理時に発生したリジェクト紙幣を収納する。第5収納装置35は、リジェクト紙幣を収納する他にも、第1~第4収納装置31~34が収納しない紙幣を収納してもよい。
【0077】
(処理装置における入金処理)
貨幣処理装置1は、入金処理時に、紙幣を収納装置の中に収納する。オペレータは、入金対象の紙幣を、入金部21に投入する。入金部21は、紙幣を一枚ずつ、装置内に取り込む。搬送部4は、紙幣を識別部25に搬送する。識別部25は、紙幣を識別する。搬送部4は、識別部25の識別結果に従って、紙幣を、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、又は、第4収納装置34へ搬送する。収納装置31~34は、紙幣を収納する。尚、搬送部4は、識別部25がリジェクトと識別した紙幣を、リジェクト部23へ搬送する。
【0078】
入金部21に投入された紙幣が全て、貨幣処理装置1内に取り込まれると、例えば端末機29が、入金金額を表示する。オペレータが、端末機29を操作することによって、又は、操作部26を操作することによって入金処理が確定すれば、入金処理は終了する。コントローラー15は、収納装置31~34に収納した紙幣に関するデータを、記憶部27に記憶させる。記憶部27は、各収納装置31~34の、更新された在高を記憶する。記憶部27はまた、各収納装置31~34の、識別番号リストを更新記憶する。
【0079】
尚、入金処理時に、一時保留部24を利用する場合、搬送部4は、識別部25を通過した紙幣を、一時保留部24へ搬送する。一時保留部24は、紙幣を収納する。入金部21に投入された紙幣が全て貨幣処理装置1内に取り込まれた後、例えば端末機29が入金金額を表示する。オペレータは、端末機29を操作することによって、又は、操作部26を操作することによって、入金処理の確定と入金処理のキャンセルとを選択できる。オペレータが入金処理を確定した場合、搬送部4は、一時保留部24が繰り出した紙幣を、第1収納装置31、第2収納装置32、第3収納装置33、又は、第4収納装置34へ搬送する。収納装置31~34は、紙幣を収納する。オペレータが入金処理をキャンセルした場合、搬送部4は、一時保留部24が繰り出した紙幣を、出金部22へ搬送する。入金対象の紙幣が返却される。
【0080】
(処理装置における出金処理)
貨幣処理装置1は、出金処理時に、紙幣を貨幣処理装置1の外へ投出する。収納装置31~34は、出金対象の紙幣を繰り出す。搬送部4は、紙幣を、識別部25に搬送する。識別部25は、紙幣の識別を行う。搬送部4は、識別後の紙幣を、出金部22へ搬送する。出金部22は、出金対象の紙幣を保持する。搬送部4は、識別部25がリジェクト紙幣であると識別をした紙幣を、第5収納装置35へ搬送する。第5収納装置35は、リジェクト紙幣を収納する。出金対象の紙幣が全て、出金部22に出金されれば、出金処理は終了する。コントローラー15は、収納装置31~34から繰り出した紙幣に関するデータを、記憶部27から消去する。記憶部27は、各収納装置31~34の、更新された在高を記憶する。記憶部27はまた、各収納装置31~34の、識別番号リストを更新記憶する。
【0081】
尚、識別部25がリジェクト紙幣であると識別をした紙幣を、第5収納装置35へ搬送する代わりに、搬送部4は一時保留部24へ搬送し、一時保留部24は当該紙幣を収納し、出金処理の終了後に一時保留部24は、一時的に収納した紙幣を繰り出し、識別部25が識別し、その識別結果に応じて紙幣を収納装置31~34へ収納してもよい。識別部25にて再度リジェクト紙幣と識別された紙幣は、第5収納装置35に収納してもよい。
【0082】
(貨幣処理装置のカセット装着構造)
貨幣処理装置1は、カセット72とは異なる種類のカセットを、装着部14に装着させることができる。図5は、二種類のカセットを例示している。二種類のカセットを区別するため、以下においては第1カセット71及び第2カセット72と呼ぶ。第1カセット71及び第2カセット72は、貨幣処理装置1の装着部14に、選択的にかつ、着脱可能に装着できる。
【0083】
第1カセット71は、第2カセット72よりもサイズが小さい。より詳細に、第1カセット71は、貨幣処理装置1に装着された状態における姿勢を基準にして、上下方向の長さが、前後方向及び左右方向の長さよりも長い矩形の箱状を有している。尚、前後方向は、貨幣処理装置1における前後方向に対応し、左右方向は、前後方向に直交する方向である。
【0084】
第1カセット71の筐体710内には、収納部711が設けられている。第1カセット71は、スタック式の収納装置であり、収納部711は、紙幣を、上下方向に積み重ねて収納する。
【0085】
第1カセット71の上面には、第1カセット71に対して紙幣が出入りする出入口712が設けられている。後述するように第1カセット71を貨幣処理装置1の装着部14に装着すると、出入口712は、貨幣処理装置1の搬送路に接続される。
【0086】
第2カセット72も、上下方向の長さが、前後方向及び左右方向の長さよりも長い矩形の箱状を有している。第2カセット72の上下方向の長さは、第1カセット71の上下方向の長さよりも長い(図5の矢印参照)。
【0087】
第2カセット72の筐体720内には、収納部721が設けられている。収納部721は、紙幣を、上下方向に積み重ねて収納する。第2カセット72は、第1カセット71よりも上下方向の長さが長いため、収納部721の上下方向の長さも、収納部711の上下方向の長さよりも長い。従って、第2カセット72の容量は、第1カセット71の容量よりも大きい。換言すると、第2カセット72の、紙幣の集積方向に対応する長さは、第1カセット71の、紙幣の集積方向に対応する長さよりも長い。
【0088】
第2カセット72の上面には、紙幣が出入りする出入口722が設けられている。出入口722が設けられた第2カセット72の上面は、出入口712が設けられた第1カセットの上面と同じ形状でかつ、同じ構造を有している。つまり、第1カセット71及び第2カセット72のそれぞれについて、貨幣処理装置1の搬送路に接続される箇所は、同じ形状でかつ、同じ構造を有している。
【0089】
また、第2カセット72の下端部には、図6に示すように、通信用コネクタ723が設けられている。通信用コネクタ723は、第2カセット72の下端面に、下向きに設けられている。第2カセット72の通信用コネクタ723は、第2カセット72が装着部14に装着された際に、装着部14に設けられた通信用コネクタ140に接続される。コネクタ同士が接続されることにより、第2カセット72と、貨幣処理装置1との間で、各種の情報が授受される。この情報には、前述したカセットの識別情報が含まれる。尚、情報は、識別情報に限らない。第2カセット72の記憶部725は、例えばカセットが貨幣処理装置1から取り外されている間に、カセットのロックが解除されて中が開放されたログ情報を記憶している。第2カセット72と貨幣処理装置1との間で授受される情報には、ログ情報も含まれる。また、第2カセット72の記憶部725が、カセットに収容している紙幣に関する情報、例えば紙幣の金種、枚数、及び、各紙幣の識別番号の情報を記憶している場合、第2カセット72と貨幣処理装置1との間で、紙幣に関する情報を授受してもよい。
【0090】
また、第2カセット72の下部には、図6に示すように、動力連結部724が設けられている。動力連結部724は、第2カセット72の側面に設けられている。動力連結部724は、第2カセット72が装着部14に装着された際に、装着部14に設けられた電気モータ146の出力軸に接続される。電気モータ146の動力が動力連結部724を介して第2カセット72に供給されることによって、第2カセット72の中の搬送機構が、第2カセット72から貨幣処理装置1へ紙幣を送り出したり、貨幣処理装置1から第2カセット72の中へ紙幣を送り込んだりする。第2カセット72は、搬送機構の動力源を有していない。
【0091】
第1カセット71もまた、図8に示すように、その下端部に通信用コネクタ713が設けられていると共に、下部に、動力連結部714が設けられている。尚、図8図6と同様に、第1カセット71の一部の部材を取り外して描いている。通信用コネクタ713は、第1カセット71の下端面に、下向きに設けられている。通信用コネクタ713を通じて、第1カセット71の記憶部715の情報が、貨幣処理装置1との間で授受される。動力連結部714は、第1カセット71の側面に設けられている。
【0092】
図2に示す貨幣処理装置1では、相対的に長い第2カセット72が、装着部141~145に装着されている。金庫部13の高さは、第2カセット72を収容可能な高さである。貨幣処理装置1の装着部141~145に、相対的に短い第1カセット71を、そのまま装着しようとしても、長さが不足する。
【0093】
第2カセット72は、下面に直交する方向の長さが、第1カセット71に比べて長い。また、第2カセット72は、上面に直交する方向の長さが、第1カセット71に比べて長い。
【0094】
図7は、第5装着部145に、第1カセット71が装着された状態を示している。第1カセット71は、アタッチメント8を介在して、装着部145に装着される。より詳細に、アタッチメント8は、第1カセット71の下端面に取り付けられる。第1カセット71の下端面は、アタッチメント8の接続面である。アタッチメント8は、上下方向に所定の長さを有している。アタッチメント8の上下方向の長さは、第1カセット71と第2カセット72との上下方向の長さの差に相当する。アタッチメント8が、第1カセット71の下端面に取り付けられることによって、第1カセット71及びアタッチメント8を合わせた上下方向の長さが、第2カセット72の上下方向の長さに一致、又は、略一致する。第1カセット71の上面に設けられた出入口712が、貨幣処理装置1の搬送路、図7の例では第8搬送路421に接続される。
【0095】
アタッチメント8は、第1カセット71に対して着脱可能に取り付けられる。また、アタッチメント8は、第1カセット71と貨幣処理装置1とを連結させる少なくとも一の連結部を有する。連結部は、第1カセット71と貨幣処理装置1との間で貨幣の移動を可能にする特定機能を有している。
【0096】
具体的に、アタッチメント8は、図8に例示するように、第1連結部81と第2連結部82とを有している。第1連結部81は、第1カセット71と貨幣処理装置1との間の電気的な連結を行う。第2連結部82は、第1カセット71と貨幣処理装置1との間の機械的な連結を行う。
【0097】
第1連結部81は、第1コネクタ811と、第2コネクタ812と、第1コネクタ811と第2コネクタ812とを電気的に接続するコード813と、を有している。
【0098】
第1コネクタ811は、アタッチメント8の上面801に設けられている。アタッチメント8の上面801は、第1カセット71の下面に当接すると共に、第1コネクタ811は、第1カセット71の通信用コネクタ713に接続される。第2コネクタ812は、アタッチメント8の下面802に設けられている。アタッチメント8の下面802は、装着部14に当接すると共に、第2コネクタ812は、装着部14の通信用コネクタ140に接続される。第1カセット71が、アタッチメント8を介して装着部14に装着されると、第1カセット71の通信用コネクタ713が、第1連結部81を介して、装着部14の通信用コネクタ140に、電気的に接続される。貨幣処理装置1の通信部210は、第1カセット71との間で情報通信を行うことができる。
【0099】
ここで、貨幣処理装置1は、第1カセット71が装着された場合に、当該第1カセット71から識別情報を取得してもよい。これにより、貨幣処理装置1は、第1カセット71が正しい装着部14に装着されているかを判断できる。
【0100】
また、第1カセット71が、貨幣処理装置1から取り外されている間に、開けられたログを記録するよう構成されている場合、貨幣処理装置1は、第1カセット71が装着された際に、当該第1カセット71からログ情報を取得してもよい。これにより、カセットのセキュリティが向上する。
【0101】
また、第1カセット71が、当該カセットに設けられた記憶部715に、収納している紙幣に関する情報、例えば紙幣の金種、枚数、及び、各紙幣の識別情報を記憶している場合、貨幣処理装置1は、第1カセット71が装着された際に、当該第1カセット71から紙幣に関する情報を取得してもよい。
【0102】
第2連結部82は、ギア列821を有している。ギア列821は、上下方向に並んだ複数のギアを含んで構成されている。ギア列821は、装着部14に設けられた電気モータ146の出力軸と、第1カセット71に設けられた動力連結部714との間を、機械的に連結する。ギア列821は、動力源としての電気モータ146の動力を、第1カセット71へ伝達する伝達機構を構成する。電気モータ146の動力は、第1カセット71内へ紙幣を送り込む、又は、第1カセット71から紙幣を送り出す際に利用される。
【0103】
第1連結部81及び第2連結部82を有するアタッチメント8は、貨幣処理装置1に対して、複数種類のカセットを装着可能にする。貨幣処理装置1には、第1カセット71及び第2カセット72が選択的に装着できる。
【0104】
ここで、第1カセット71及び第2カセット72は、第1カセット71内へ紙幣を送り込む、又は、第1カセット71から紙幣を送り出すための動力を有しない。第1カセット71及び第2カセット72は、図6及び図8に仮想的に示すように、電気モータ146に置き換わる動力源であって、紙幣を動かすための動力源716、726を備えてもよい。この構成において、第1カセット71又は第2カセット72には、装着部14に装着された状態において、貨幣処理装置1から電力供給が必要になる。そこで、貨幣処理装置1は電力供給部を備えると共に、アタッチメントは、第1カセットの電力用コネクタに接続される第3コネクタと、装着部14の電力用コネクタに接続される第4コネクタとを有するよう構成してもよい。例えば前記コネクタ713、723、140の一部が、電力用のコネクタとして構成されていてもよい。この場合、アタッチメント8の第1コネクタ811及び第2コネクタ812は、第3コネクタ及び第4コネクタを兼用することになる。
【0105】
アタッチメント8を介して装着部14に第1カセット71が装着された状態において、第1カセット71に電力を供給することによって、第1カセット71の中の貨幣を動かすことができる。
【0106】
尚、アタッチメント8は、カセットの下部に着脱可能に取り付けられる構成に限らない。アタッチメントは、カセットの上部に着脱可能に取り付けられる構成でもよい。このアタッチメントは、カセットの出入口712、722と、貨幣処理装置1の搬送路とを連通させる連通路を備えたアタッチメントである。連通路を備えたアタッチメントも、前記と同様に、貨幣処理装置1に対して、第1カセット71と第2カセット72との二種類のカセットを、選択的に装着させることを可能にする。
【0107】
(二種類のカセットの装着を利用した貨幣処理装置の制御例)
貨幣処理装置1は、アタッチメント8を用いることによって二種類のカセットを装着できる。このことを利用すれば、貨幣処理装置のカセットを、他の貨幣処理装置のカセットに置き換える制御が実現する。
【0108】
図9は、第2貨幣処理装置102のカセット72を、第1貨幣処理装置101のカセット71に置き換える制御を例示している。ここで、第1貨幣処理装置101は、金庫部13に第1カセット71が収容されるよう構成されている。第1貨幣処理装置101の金庫部13の高さは、相対的に低い。第2貨幣処理装置102は、金庫部13に第2カセット72が収容されるよう構成されている。第2貨幣処理装置102の金庫部13の高さは、相対的に高い。尚、第1貨幣処理装置101の処理部11の構成と、第2貨幣処理装置102の処理部11の構成とは、同じである。
【0109】
図9の例は、第1貨幣処理装置101の第5装着部145に装着されている第1カセット71を、第1貨幣処理装置101から取り外し、当該第1カセット71を、第2貨幣処理装置102の第5装着部145に装着している。第2貨幣処理装置102の第5装着部145に予め装着されていた第2カセット72は、取り外される。第1カセット71は、第2カセット72よりもサイズが小さいため、第1カセット71は、アタッチメント8を介して、第2貨幣処理装置102の第5装着部145に装着される。尚、第1カセット71は、第2貨幣処理装置102の、第1~第5装着部141~145のいずれの装着部に対しても、アタッチメント8を介して装着することができる。
【0110】
例えば第2貨幣処理装置102の第2カセット72の在高が、第1基準を下回るニアエンプティになった場合に、第1貨幣処理装置101の第1カセット71(但し、このカセットは、ニアエンプティとなった紙幣に対応する紙幣が収納されたカセットであって、当該カセットはニアエンプティではないとする)を、第2貨幣処理装置102に装着してもよい。第1貨幣処理装置101の第1カセット71を、第2貨幣処理装置102のカセットに流用することによって、第2貨幣処理装置102を、継続して使用することができる。第1カセット71及び第2カセット72は共に、貨幣処理装置から取り外した状態では、中に収納している紙幣に触れることができないため、セキュリティを確保しながら、複数の貨幣処理装置101、102の間における貨幣の移動が実現する。
【0111】
また、例えば第2貨幣処理装置102に、第1カセット71を装着した後、第2貨幣処理装置102は、第1カセット71の紙幣を、ニアエンプティとなった第2カセット72へ移動させてもよい。紙幣を移動させることは、第1カセット71の紙幣を、第1貨幣処理装置101と第2貨幣処理装置102とに分けることと等価である。これによって、第1貨幣処理装置101及び第2貨幣処理装置102のそれぞれを、継続して使用することができる。尚、貨幣の移動を行った後、第1カセット71は、元の第1貨幣処理装置101に装着され、第2貨幣処理装置102から取り外していた第2カセット72も、第2貨幣処理装置102に再装着される。
【0112】
尚、カセットの差し替えは、カセットの在高が、第2基準を上回るニアフルになった場合に、行ってもよいし、その他の条件が成立した場合に、行ってもよい。
【0113】
アタッチメント8を用いることによって、サイズが異なるカセットを備えた、複数の貨幣処理装置の間において、貨幣の移動を簡易に実行することができる。
【0114】
ここで、第1カセット71及び第2カセット72はそれぞれ、識別情報を有している。複数の貨幣処理装置の間でカセットの差し替えを行う場合、第2貨幣処理装置102は、第1貨幣処理装置101の第1カセット71が装着されたときに、第1カセット71の識別情報を読み込むと共に、当該第1カセット71の装着を許容する。
【0115】
(第3実施形態)
図10は、貨幣処理装置10の構成例を示している。貨幣処理装置10は、図1の貨幣処理装置51の変形例である。貨幣処理装置10は、図2の貨幣処理装置1に対して、外部装着部9が追加されている。外部装着部9には、外部収納装置36が着脱可能に装着される。貨幣処理装置10は、金庫筐体131の内部と外部とのそれぞれに、カセットの装着部を備えている。
【0116】
図11は、貨幣処理装置10としての、第1貨幣処理装置103を例示し、図12は、第2貨幣処理装置104を例示している。これら第1貨幣処理装置103及び第2貨幣処理装置104と、図2の貨幣処理装置1との相違点として、図11の貨幣処理装置103、104にはそれぞれ、リジェクト部23に代えて、第1搬送ユニット20が設けられている。第1搬送ユニット20は、第4搬送路414を介して第1搬送路411に接続されている。
【0117】
外部装着部9は、マウンター91と第2搬送ユニット92とを備えている。外部収納装置36は、マウンター91にマウントされる。マウンター91は、外部収納装置36を保持する。
【0118】
第2搬送ユニット92は、第1搬送ユニット20に接続される。第1搬送ユニット20と第2搬送ユニット92とは、接続口201を介して、互いに接続される。接続口201は、図10の上図に示すように、上部筐体111の前部において前向きに開口している。
【0119】
第2搬送ユニット92は、図11又は図12に太い実線で示すように、搬送路を有している。この搬送路は、第1搬送ユニット20の搬送路と外部収納装置36とをつなぐ。第2搬送ユニット92は、外部収納装置36から繰り出された紙幣を、第1搬送ユニット20へ搬送する。第2搬送ユニット92はまた、第1搬送ユニット20から送られてきた紙幣を、外部収納装置36へ搬送する。
【0120】
外部装着部9は、図10の上図に示す格納状態と、図10の下図に示す展開状態とに変化する。オペレータが、第2搬送ユニット92の把手を手で持って、第2搬送ユニット92を上下方向に移動させることにより、外部装着部9は、格納状態と展開状態とに変化する。外部装着部9は格納状態にある場合、第2搬送ユニット92は、金庫筐体131の前に位置している。外部装着部9が展開状態にある場合、第2搬送ユニット92は、上部筐体111の前に位置している。
【0121】
外部収納装置36は、展開状態の外部装着部9に取り付けることができる。外部装着部9のマウンター91は、外部収納装置36の下部を保持し、第2搬送ユニット92の下端部は、外部収納装置36の上端面に接続される。
【0122】
外部収納装置36は、金庫部13の装着部に装着される収納装置、つまり、第1カセット71又は第2カセット72と、実質的に同じ形状及び構造を有している。つまり、外部収納装置36は、上下方向の長さが、前後方向及び左右方向の長さよりも長い矩形の箱状を有している。外部収納装置36の上面には、紙幣が出入りする出入口が設けられている(図5参照)。外部収納装置36出入口は、第2搬送ユニット92の下端部に接続される。
【0123】
外部収納装置36は、第1カセット71と、第2カセット72とを含む。前述したように、第1カセット71は、上下方向の長さが相対的に短いカセットである。第1カセット71は、図11に示すように、第1貨幣処理装置103の金庫部13の中に装着されている。第2カセット72は、上下方向の長さが、第1カセット71よりも長いカセットである。第2カセット72は、図12に示すように、第2貨幣処理装置104の金庫部13の中に装着されている。
【0124】
第1貨幣処理装置103の外部装着部9には、第1カセット71と、第2カセット72とが、選択的に装着できる。また、第2貨幣処理措置104の外部装着部9にも、第1カセット71と、第2カセット72とが、選択的に装着できる。
【0125】
ここで、第1貨幣処理装置103及び第2貨幣処理装置104は、金庫部13の高さが相違する。第1貨幣処理装置103の外部装着部9と、第2貨幣処理装置104の外部装着部9とは展開状態における、上下方向の大きさが異なる。具体的には、展開状態の外部装着部9におけるマウンター91と第2搬送ユニット92との距離が、第2貨幣処理装置104は長く、第1貨幣処理装置103は短い。
【0126】
図11の上図は、第1貨幣処理装置103の外部装着部9に、第2カセット72が装着された状態を示し、下図は、第1貨幣処理装置103の外部装着部9に、第1カセット71が装着された状態を示している。
【0127】
第1貨幣処理装置の外部装着部9は、展開状態におけるマウンター91と第2搬送ユニット92との上下方向の長さが相対的に短い。一方、第2カセット72は、第1カセット71に比べて、上下方向の長さが長い。図11の上図に示すように、第2カセット72は、後述するアタッチメントを介さずに、第1貨幣処理装置103の外部装着部9に装着される。より詳細に、第2カセット72の下端部に設けられた通信用コネクタ723及び動力連結部724はそれぞれ、マウンター91に設けられた通信用コネクタ及び電気モータの出力軸に直接接続される。また、第2カセット72の上端面に設けた出入口722は、第2搬送ユニット92の搬送路に、直接接続される。
【0128】
これに対し、第1カセット71は、上下方向の長さが相対的に短い。図11の下図に示すように、第1カセット71は、第1アタッチメント83を介して、第1貨幣処理装置103の外部装着部9に装着される。第1アタッチメント83は、第1カセット71の上端部に、着脱可能に取り付けられる。第1カセット71の上端面は、アタッチメントの接続面である。
【0129】
より詳細に、第1カセット71の下端部に設けられた通信用コネクタ713及び動力連結部714はそれぞれ、マウンター91に設けられた通信用コネクタ及び電気モータの出力軸に直接接続される。一方、第1アタッチメント83は、連通路831を有しており、第1カセット71の上端面に設けた出入口712は、第1アタッチメント83の連通路831を介して、第2搬送ユニット92の搬送路に接続される。連通路831は、第1カセット71の出入口712と第2搬送ユニット92の搬送路とを連通させる。
【0130】
図12の上図は、第2貨幣処理装置104の外部装着部9に、第2カセット72が装着された状態を示し、下図は、第2貨幣処理装置104の外部装着部9に、第1カセット71が装着された状態を示している。
【0131】
第2貨幣処理装置104の外部装着部9は、展開状態におけるマウンター91と第2搬送ユニット92との上下方向の長さが相対的に長い。第2カセット72は、第1カセット71に比べて、上下方向に長いが、図12の上図に示すように、第2カセット72は、第1アタッチメント83を介して、第2貨幣処理装置104の外部装着部9に装着される。第1アタッチメント83は、第1貨幣処理装置103の外部装着部9に、第1カセット71を装着する場合に用いるアタッチメントである。第1アタッチメント83は、第2カセット72の上端部にも、着脱可能に取り付けられる。
【0132】
一方、図12の下図に示すように、第1カセット71は、第2アタッチメント84を介して、第2貨幣処理装置104の外部装着部9に装着される。第2アタッチメント84は、第1カセット71の上端部に、着脱可能に取り付けられる。
【0133】
第2アタッチメント84は、第1アタッチメント83と同様に、第1カセット71のd出入口712と第2搬送ユニット92搬送路とを連通させる連通路841を備えている。第2アタッチメント84は、第1アタッチメント83よりも上下方向の長さが長い。第2アタッチメント84を使うことによって、相対的にサイズが大きい第2貨幣処理装置104の外部装着部9に、相対的にサイズの小さい第1カセット71を、装着することができる。
【0134】
この構成によると、第1アタッチメント83及び第2アタッチメント84の二種類のアタッチメントを用いることにより、第1貨幣処理装置103及び第2貨幣処理装置104はそれぞれ、第1カセット71、及び、第2カセット72を、選択的に装着することができる。特にこのシステムは、サイズの小さい第1貨幣処理装置103に、サイズの大きい第2カセット72を装着することができ、有用である。
【0135】
尚、第1アタッチメント及び第2アタッチメントは、カセットの上部に着脱可能に取り付けられる構成に限らない。第1アタッチメント及び第2アタッチメントは、カセットの下部に着脱可能に取り付けられる構成でもよい。この場合のアタッチメントは、カセットの通信用コネクタに接続されるコネクタ(つまり、第1連結部)、及び/又は、動力伝達部(つまり、第2連結部)を備えたアタッチメントである。コネクタ、及び/又は、動力伝達部を備えたアタッチメントも、前記と同様に、第1貨幣処理装置103及び第2貨幣処理装置104の外部装着部9に対して、第1カセット71と第2カセット72との二種類のカセットを、選択的に装着させることができる。
【0136】
(他の実施形態)
尚、貨幣処理装置の構成としては、例えば図13に例示するように、第1カセット71及び第2カセット72が水平方向に伸びるように配設され、その内部に紙幣を、水平方向に並べて収納するよう構成された貨幣処理装置100であってもよい。この場合に、アタッチメントは、図13の符号85に示すように、第1カセット71における出入口が形成された端とは逆側に着脱可能に取り付けられ、カセット71と装着部14との間に介在してもよいし、図13の符号86に示すように、第1カセット71における出入口が形成された端側に、着脱可能に取り付けられ、カセット71と、貨幣処理装置100の搬送路との間に介在してもよい。
【符号の説明】
【0137】
1 貨幣処理装置
10 貨幣処理装置
100 貨幣処理装置
14 装着部
146 電気モータ(動力源)
210 通信部
51 貨幣処理装置
61 第1カセット
62 第2カセット
63 アタッチメント
633 連結部
64 搬送路
65 アタッチメント
653 連通路
71 第1カセット
72 第2カセット
8 アタッチメント
801 第1当接部
802 第2当接部
81 第1連結部
811 第1コネクタ
812 第2コネクタ
82 第2連結部
821 ギア列(伝達機構)
83 第1アタッチメント
84 第2アタッチメント
85 アタッチメント
86 アタッチメント
9 外部装着部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13