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特開2022-139329駐車支援システム、駐車支援装置、駐車支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139329
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】駐車支援システム、駐車支援装置、駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20220915BHJP
   B60W 50/02 20120101ALI20220915BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220915BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/02
B60W60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039652
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 成郎
(72)【発明者】
【氏名】角谷 和重
(72)【発明者】
【氏名】岩田 洋一
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA64
3D241BA65
3D241BC01
3D241CC08
3D241CE05
3D241DA38Z
3D241DC33Z
(57)【要約】
【課題】本開示は、車両に搭載される電子制御装置、特に、車両の駐車支援に関する電子制御装置を単一の構成にすることができる、駐車支援システム、駐車支援装置、駐車支援方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る駐車支援システムは、車両に対して駐車を支援する駐車支援システムであって、前記車両の周辺を認知する周辺認知装置と、前記車両の自動走行を制御する車両制御装置と、前記周辺認知装置と、前記車両制御装置の稼働状態を監視する監視装置と、前記車両の制動を制御する車両制動装置と、を備え、前記監視装置は、前記周辺認知装置、または、前記車両制御装置の稼働状態が異常の場合に、前記車両制動装置に対する前記車両の自動走行制御を無効化し、前記車両制動装置に対して前記車両の減速制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対して駐車を支援する駐車支援システムであって、
前記車両の周辺を認知する周辺認知装置と、
前記車両の自動走行を制御する車両制御装置と、
前記周辺認知装置と、前記車両制御装置の稼働状態を監視する監視装置と、
前記車両の制動を制御する車両制動装置と、を備え、
前記監視装置は、前記周辺認知装置、または、前記車両制御装置の稼働状態が異常の場合に、
前記車両制動装置に対する前記車両の自動走行制御を無効化し、
前記車両制動装置に対して前記車両の減速制御を行う、
駐車支援システム。
【請求項2】
前記監視装置は、前記車両制動装置が異常の場合、
車両の停止を制御する車両停止装置に対して前記車両の停止制御を行う、請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記周辺認知装置、および、前記車両制御装置の各々は、前記監視装置に対し、あらかじめ定められた問題に対する回答を示す回答信号を送信し、
前記監視装置は、前記回答信号に応じて、前記周辺認知装置と、前記車両制御装置の各々の稼働状態を監視する、請求項1または2に記載の駐車支援システム。
【請求項4】
前記監視装置は、第1の監視装置と、第2の監視装置から構成され、
前記第1の監視装置は、前記周辺認知装置、前記車両制動装置、前記第2の監視装置の稼働状態を監視し、
前記第1の監視装置は、前記周辺認知装置、または、前記車両制御装置の稼働状態が異常の場合に、
前記車両制動装置に対する前記車両の自動走行制御を無効化し、
前記車両制動装置に対して前記車両の減速制御を行う、請求項1から3のいずれか1項に記載の駐車支援システム。
【請求項5】
前記第2の監視装置は、前記周辺認知装置、前記車両制動装置、前記第1の監視装置の稼働状態を監視し、
前記第2の監視装置は、前記周辺認知装置、または、前記車両制動装置の稼働状態が異常状態であり、かつ、前記第1の監視装置の稼働状態が異常の場合、
前記車両制動装置に対する前記車両の自動走行制御を無効化し、
前記車両制動装置に対して前記車両の減速制御を行う、請求項4に記載の駐車支援システム。
【請求項6】
前記第2の監視装置は、前記第1の監視装置、前記周辺認知装置、および、前記車両制動装置と、異なる系統の電源から電力が供給される、請求項4または5に記載の駐車支援システム。
【請求項7】
車両に対して駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両の周辺を認知する周辺認知部と、
前記車両の自動走行を制御する車両制御部と、
前記周辺認知部と、前記車両制御部の稼働状態を監視する監視部と、
前記車両の制動を制御する車両制動部と、を備え、
前記監視部は、前記周辺認知部、または、前記車両制御部の稼働状態が異常の場合に、
前記車両制動部に対する前記車両の自動走行制御を無効化し、
前記車両制動部に対して前記車両の減速制御を行う、
駐車支援装置。
【請求項8】
車両に対して駐車を支援する駐車支援方法であって、
前記車両の周辺を認知する周辺認知ステップと、
前記車両の自動走行を制御する車両制御ステップと、
前記周辺認知ステップと、前記車両制御ステップの稼働状態を監視する監視ステップと、
前記車両の制動を制御する車両制動ステップと、を含み、
前記監視ステップは、前記周辺認知ステップ、または、前記車両制御ステップの稼働状態が異常の場合に、
前記車両制動ステップに対する前記車両の自動走行制御を無効化し、
前記車両制動ステップに対して前記車両の減速制御を行うステップと、
を含む駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援システム、駐車支援装置、駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電子制御装置は、主要な機能が実装されている電子制御装置を多重化する構成をとり、フェールセーフ動作を実現している。また、電子制御装置の正常動作の検出は、多重化された装置に対し、同一の入力に対する演算結果を比較し、不一致と判断された場合、正常に動作していると判断されるシステムへ切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-1877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子制御装置を多重化することで、電子制御装置が正常に動作しているか判断するために、多重化された電子制御装置にそれぞれに対応する、電子制御装置や同等の機能等が実装された検出する装置も必要となり、検出する装置のコストがかかり、また検出する演算処理が複雑となり、処理負荷が高いことがある。
【0005】
本開示は、車両に搭載される電子制御装置、特に、車両の駐車支援に関する電子制御装置を単一の構成にすることができる、駐車支援システム、駐車支援装置、駐車支援方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る駐車支援システムは、車両に対して駐車を支援する駐車支援システムであって、前記車両の周辺を認知する周辺認知装置と、前記車両の自動走行を制御する車両制御装置と、前記周辺認知装置と、前記車両制御装置の稼働状態を監視する監視装置と、前記車両の制動を制御する車両制動装置と、を備え、前記監視装置は、前記周辺認知装置、または、前記車両制御装置の稼働状態が異常の場合に、前記車両制動装置に対する前記車両の自動走行制御を無効化し、前記車両制動装置に対して前記車両の減速制御を行う。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る駐車支援システム、駐車支援装置、駐車支援方法によれば、車両の駐車支援に関する電子制御装置を単一の構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る駐車支援システムの一例を示すシステム構成図である。
図2図2は、実施形態に係る車両制動装置による出力信号のタイミングチャートの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る車両停止装置による停止信号のタイミングチャートの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る駐車支援システムの変形例を示すシステム構成図である。
図5図5は、実施形態に係る変形例の車両制動装置による出力信号のタイミングチャートの一例を示す機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る駐車支援システム、駐車支援装置、駐車支援方法の実施形態について説明する。
【0010】
(駐車支援システムのシステム構成)
図1は、本実施の形態に係る駐車支援システム1のシステム構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る駐車支援システム1のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、駐車支援システム1は、周辺認知装置11と、車両制御装置12と、車両制動装置13と、車両停止装置14と、監視装置15、を少なくとも備える。周辺認知装置11と、車両制御装置12と、車両制動装置13と、車両停止装置14と、監視装置15は、電気通信回線としての車内ネットワークを介して電気的に接続されている。
【0012】
車内ネットワークは、例えば、CAN(Controller Area Network)として構成される。
【0013】
図1の例では、駐車支援システム1が備える最小限のシステム構成を例示しているが、これに限らず、駐車支援システム1は、他のシステム構成要素をさらに備える形態でもよい。例えば、駐車支援システム1は、各種の情報を表示する表示装置をさらに備える形態であってもよい。
【0014】
駐車支援システム1は、車両に搭載される。なお、駐車支援システム1が搭載される車両は、例えば、一部または全部の運転操作に関しては人による運転操作を不要として自動的に走行することができる自動運転車両であっても良いし、人による運転操作のみによって走行する通常の車両であってもよい。
【0015】
また、車両は内燃機関(エンジン)を駆動源とする自動車のほか、モータを駆動源とする電気自動車、あるいは内検機関とモータの双方を駆動源とするハイブリッド自動車であってもよい。
【0016】
周辺認知装置11は、車両の周辺を認知する。例えば、周辺認知装置11は、車両の周辺に存在する物体(障害物)を検知するためのセンサから車両の周辺を認知する。
【0017】
ここで、センサは、車両の周囲に存在する物体までの距離を測定するための距離センサである。距離センサの形態は任意であり、例えば、電波を発して、物体で反射された電波を受信するレーダーであっても良いし、レーザーを発して、物体で反射されたレーザーを受信するライダーであっても良いし、超音波を発して、物体で反射された超音波を受信するソナーであっても良い。
【0018】
また、センサの数および車両におけるセンサの取り付け位置は任意に設定可能であり、車両の周囲のうち所望の方向および範囲に存在する物体を検知することができるように、例えば、車体の前面、側面、および後面等に設けられる。
【0019】
周辺認知装置11は、車両の周辺を認知後、車両の周辺に空き駐車スペースが存在するか否かを検知する。周辺認知装置11は、検知された空き駐車スペースを車両制御装置12へ送信する。
【0020】
以上に説明した周辺認知装置11は、センサを用いて物体を認知し、その認知された情報を基に車両の周辺にある空き駐車スペースが存在するか検知しているが、これに限られず、別の形態で車両の周辺を認知してもよい。例えば、車両に搭載されたカメラ等を用いて、カメラで撮像された情報から車両の周辺を認知してもよい。
【0021】
車両制御装置12は、車両の自動走行を制御する。例えば、車両制御装置12は、周辺認知装置11により検知された空き駐車スペースを目標の位置とし、車両の現在位置から目標の駐車位置へ到達する経路を算出し、その経路に沿って車両を誘導する制御を行う。この車両を誘導する制御としては様々な形態が想定される。
【0022】
また、車両制御装置12は、運転者による駐車のための運転操作を補助する際に、算出した経路を表示する制御であってもよいし、運転者による運転操作を必要とせずに、算出した経路に沿って車両を自動運転する制御であっても良い。
【0023】
車両制動装置13は、車両制御装置12からの制御信号を受信して、所定の動作を車両に対して制動させる処理を行う。また、車両制動装置13は、監視装置15からの制御信号を受信して、所定の動作を車両に対して制動させる処理を行う。
【0024】
ここで、所定の制動動作とは、例えば、車両制御装置12が車両の現在位置から目標の駐車位置へ到達する経路を算出した経路に沿って車両を制動させる。この車両の制動としては様々な形態が想定される。
【0025】
車両停止装置14は、監視装置15からの制御信号を受信して、車両に対して停止させる処理を行う。また、車両停止装置14は、ユーザの操作入力に応じて、車両に対して停止させる処理を行う。ここでの車両停止装置14は車両制動装置13とは別体に設けられ、例えば、パーキングブレーキ等がある。ユーザがパーキングブレーキの操作を行うことで、車両に対して停止させることができる。
【0026】
監視装置15は、周辺認知装置11と、車両制御装置12の稼働状態を監視する。例えば、監視装置15は、周辺認知装置11、または、車両制御装置12の稼働状態が異常の場合に、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化し、車両制動装置13に対して車両の減速制御を行う。
【0027】
さらに、監視装置15は、周辺認知装置11、および、車両制御装置12の各々は、あらかじめ問題に対する回答を示す回答信号を受信する。監視装置15は、周辺認知装置11と、車両制御装置12からの回答信号に応じて、周辺認知装置11と、車両制御装置12の各々の稼働状態を監視する。
【0028】
ここで、監視装置15は、周辺認知装置11、および、車両制御装置12の各々は、あらかじめ定められた問題に対する回答を示す回答信号とは、例えば、宿題方式の回答等がある。具体的には、監視装置15は、周辺認知装置11と、車両制御装置12それぞれに対してあらかじめ定められた共通の宿題信号を送信するとともに、周辺認知装置11と、車両制御装置12各々から当該出題信号に回答する演算処理がなされた演算結果(宿題回答信号)を受信する。
【0029】
そして、監視装置15は、周辺認知装置11が算出した演算結果(宿題回答信号)と、車両制御装置12が算出した演算結果(宿題回答信号)とを比較して、両者が異なる演算結果(宿題回答信号)を出力した場合、いずれかの装置が異常状態であると判断される。
【0030】
また、監視装置15は、周辺認知装置11と、車両制御装置12があらかじめ記憶されている出題内容に対し、各々から当該出題内容に回答する宿題回答信号を受信し、周辺認知装置11と、車両制動装置13の異常状態を判断してもよい。
【0031】
また、監視装置15は、車両制動装置13が異常の場合、車両の停止を制御する車両停止装置14に対して車両の停止制御を行う。
【0032】
車両制動装置13が異常を示す場合は、例えば、車両制御装置12から車両制動装置13に対して、制御信号を送信し、所定の動作を車両に対して制動させる処理が行われなかった場合、異常状態であると判断される。また、監視装置15が車両制動装置13の稼働状態を監視しても良い。
【0033】
駐車支援システム1は、周辺認知装置11、または、車両制御装置12の稼働状態が異常状態の際に、監視装置から減速制御を行うことで、フェールセーフ動作を実現することができる。
【0034】
また、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化する処理は、車両制御装置12と車両制動装置13の間に、切断機構を設け、例えば、スイッチング機構を設け、実現してもよい。切断機構が動作することで、車両制動装置13からの制御信号が切断することができる。
【0035】
本実施形態の駐車支援システム1は、周辺認知装置11と車両制御装置12を別々の装置で示したが、周辺認知装置11と車両制御装置12が一体の装置としての形態であってもよい。
【0036】
(車両制動装置による出力信号のタイミングチャート)
図2は、実施形態に係る車両制動装置13による出力信号のタイミングチャートの一例を示す図である。図2は、周辺認知装置11の稼働状態が異常を示した場合、車両制動装置13による出力信号がどのようになるかを示している。
【0037】
図2で示すように、周辺認知装置11の稼働状態が異常を示した場合、正常から異常に遷移させる(タイミングT21)。そして、周辺認知装置11は、所定期間、異常の状態を維持する。
【0038】
監視装置15は、周辺認知装置11の稼働状態が異常である場合、監視装置15の監視状態を正常から異常に遷移させる(タイミングT22)。監視装置15は、T22のタイミング以降、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化する。また、監視装置15は、車両制動装置13に対して車両の減速制御を行う制御信号を送信する。そして、監視装置15は、所定期間、異常の状態を維持する。
【0039】
車両制動装置13は、監視装置15の監視状態が異常である場合、車両制動装置13の出力信号を車両制御装置12からの車両制御信号から監視装置15からの減速制御信号に切り換える(タイミングT23)。また、車両制動装置13は、T23のタイミング以降、減速制御信号に対応する制御を車両に対して行う。
【0040】
そして、車両制動装置13は、所定期間、減速制御信号の状態を維持する。周辺認知装置11の稼働状態が異常状態の際に、監視装置15から減速制御を行うことで、電子制御装置を多重化することなく、フェールセーフ動作を実現することができる。
【0041】
図2においては、周辺認知装置11が異常状態の場合、周辺認知装置11の稼働状態、監視装置15の監視状態、車両制動装置13の出力信号タイミングについて示したが、車両制御装置12が異常状態を示した場合でも、前述した周辺認知装置11と同様なタイミングで、監視装置15、車両制動装置13の挙動が示される。
【0042】
(車両停止装置による出力信号のタイミングチャート)
図3は、実施形態に係る車両停止装置14による出力信号のタイミングチャートの一例を示す図である。図3は、車両制動装置13の稼働状態が異常を示した場合、車両停止装置14による出力信号がどのようになるかを示している。
【0043】
図3で示すように、周辺認知装置11の稼働状態は正常状態を維持している。また、車両制御装置12の稼働状態も周辺認知装置11と同様に、正常状態を維持している。
【0044】
車両制動装置13の稼働状態が異常を示した場合、正常から異常に遷移させる(タイミングT31)。そして、車両制動装置13は、所定期間、異常の状態を維持する。
【0045】
監視装置15は、車両制動装置13の稼働状態が異常である場合、監視装置15の監視状態を正常から異常に遷移させる(タイミングT32)。監視装置15は、車両停止装置14に対して車両の停止制御を行う制御信号を送信する。そして、監視装置15は、所定期間、異常の状態を維持する。また、監視装置15は、T32のタイミング以降、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化しても良い。
【0046】
車両停止装置14は、監視装置15の監視状態が異常である場合、監視装置15からの停止信号に切り換える(タイミングT33)。具体的には、車両停止装置14の停止信号が1の場合、停止信号を送信し、停止信号が0の場合、停止信号を送信しない。
【0047】
また、車両制動装置14は、T23のタイミング以降、停止信号に対応する制御を車両に対して行う。そして、車両停止装置14は、所定期間、停止信号の状態を維持する。車両制動装置13の稼働状態が異常状態の際に、監視装置15から減速制御を行うことで、フェールセーフ動作を実現することができる。
【0048】
(変形例)
図4は、実施形態に係る駐車支援システム1の変形例を示すシステム構成について説明する。
【0049】
例えば、監視装置15は、第1の監視装置15Aと、第2の監視装置15Bから構成される。第1の監視装置15Aは、周辺認知装置11、車両制御装置12、第2の監視装置15Bの稼働状態を監視する。
【0050】
第1の監視装置15Aは、周辺認知装置、または、車両制御装置12の稼働状態が異常の場合に、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化し、車両制動装置13に対して車両の減速制御を行う。
【0051】
第2の監視装置15Bは、周辺認知装置11、車両制御装置12、第1の監視装置15Aの稼働状態を監視する。第2の監視装置15Bは、周辺認知装置11、または、車両制御装置12の稼働状態が異常であり、かつ、第1の監視装置15Aの稼働状態が異常の場合、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化し、車両制動装置13に対して車両の減速制御を行う。
【0052】
また、第2の監視装置15Bは、周辺認知装置11、または、車両制御装置12の稼働状態が異常であり、かつ、第1の監視装置15Aの稼働状態が異常の場合、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化し、車両停止装置14に対して車両の停止減速制御を行ってもよい。
【0053】
さらに、第2の監視装置15Bは、第1の監視装置15A、周辺認知装置11、および、車両制御装置12と、異なる系統の電源から電力が供給されてもよい。
【0054】
第1の監視装置15Aと、第2の監視装置15Bが異なる電源系統から電力が供給されていることから、周辺認知装置11と、車両制御装置12の電力を供給されている電源系統が異常状態の場合でも、第2の監視装置15Bから車両制動装置13に対して減速制御を行うことで、フェールセーフ動作を実現することができる。
【0055】
(変形例に対応する車両制動装置による出力信号のタイミングチャート)
図5は、実施形態に係る変形例の車両制動装置による出力信号のタイミングチャートの一例を示す機能構成図である。
【0056】
図5で示すように、周辺認知装置11の稼働状態が異常を示した場合、正常から異常に遷移させる(タイミングT51)。そして、周辺認知装置11は、所定期間、異常の状態を維持する。
【0057】
第1の監視装置15Aは、周辺認知装置11の稼働状態が異常である場合、第1の監視装置15Aの監視状態を正常から異常に遷移させる(タイミングT52)。そして、第1の監視装置15Aは、所定期間、監視状態を異常の状態を維持する。
【0058】
第1の監視装置15Aの稼働状態が異常を示した場合、正常から異常に遷移させる(タイミングT53)。そして、第1の監視装置15Aは、所定期間、第1の監視装置15A稼働状態を異常の状態を維持する。また、第1の監視装置15Aは、第1の監視装置15Aの稼働状態が異常を示しているため、T52のタイミングで、周辺認知装置11の監視状態が異常状態を示している場合でも、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化しない。
【0059】
第2の監視装置15Bは、第1の監視装置15Aの稼働状態が異常である場合、第2の監視装置15Bの監視状態を正常から異常に遷移させる(タイミングT54)。第2の監視装置15Bは、T54のタイミング以降、車両制動装置13に対する車両の自動走行制御を無効化する。
【0060】
また、第2の監視装置15Bは、車両制動装置13に対して車両の減速制御を行う制御信号を送信する。そして、第2の監視装置15Bは、所定期間、異常の状態を維持する。
【0061】
車両制動装置13は、第2の監視装置15Bの監視状態が異常である場合、車両制動装置13の出力信号を車両制御装置12からの車両制御信号から第2の監視装置15Bからの減速制御信号に切り換える(タイミングT55)。また、車両制動装置13は、T55のタイミング以降、減速制御信号に対応する制御を車両に対して行う。
【0062】
そして、車両制動装置13は、所定期間、減速制御信号の状態を維持する。第1の監視装置15Aの稼働状態が異常状態の際に、冗長化された第2の監視装置15Bから減速制御を行うことで、フェールセーフ動作を実現することができる。
【0063】
図5においては、周辺認知装置11が異常状態の場合、周辺認知装置11の稼働状態、第1の監視装置15Aの監視状態および稼働状態、第2の監視装置の15Bの監視状態、車両制動装置13の出力信号タイミングについて示したが、車両制御装置12が異常状態を示した場合でも、前述した周辺認知装置11と同様なタイミングで、第1の監視装置15A、第2の監視装置15B、車両制動装置13の挙動が示される。
【0064】
このように、実施形態に係る駐車支援システムは、車両の周辺を認知する周辺認知装置と、車両の自動走行を制御する車両制御装置と、周辺認知装置と、車両制御装置の稼働状態を監視する監視装置と、車両の制動を制御する車両制動装置と、を備える。監視装置は、周辺認知装置、または、車両制御装置の稼働状態が異常の場合に、車両制動装置に対する車両の自動走行制御を無効化する。また、車両制動装置に対して車両の減速制御を行う。
【0065】
これにより、車両の駐車支援に関する電子制御装置が異常状態の際に、監視装置から減速制御を行うことで、電子制御装置を多重化することなく、フェールセーフ動作を実現することができるため、電子制御装置を単一の構成にすることができる。
【0066】
本実施形態の駐車支援システムで実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0067】
本実施形態の駐車支援システムで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0068】
さらに、本実施形態の駐車支援システムで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の駐車支援システムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
1 駐車支援システム
11 周辺認知装置
12 車両制御装置
13 車両制動装置
14 車両停止装置
15 監視装置
図1
図2
図3
図4
図5