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特開2022-139399印刷装置、印刷システム、印刷方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139399
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷システム、印刷方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20220915BHJP
   G07G 1/06 20060101ALN20220915BHJP
   G07G 1/12 20060101ALN20220915BHJP
【FI】
B41J5/30 Z
G07G1/06 B
G07G1/12 351D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039765
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹澤 広基
【テーマコード(参考)】
2C187
3E142
【Fターム(参考)】
2C187AC05
2C187AC08
2C187AD20
2C187BF06
2C187BF22
2C187FB13
2C187FC24
3E142BA11
3E142DA01
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】印刷装置へのデータ転送効率を向上する。
【解決手段】印刷装置110は、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、それぞれ1又は複数の文字サイズを含む複数の文字の画像情報を格納するフォント格納部62、ホスト装置1から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する決定部51、ホスト装置から受信した文字コードに基づいて決定部により決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、フォント格納部から読み出す読み出し部70、読み出し部により読みだされる文字の画像情報を用いて、ホスト装置から受信した文字コードが割り当てられた文字を印刷する印刷部80を備える。これによれば、受信した文字コードが割り当てられた文字を決定部により決定された文字サイズで印刷することで、印刷装置へのデータ転送効率を向上することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、前記複数の文字の画像情報を格納するフォント格納部であり、前記複数の文字の画像情報は、前記複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、前記フォント格納部と、
外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する決定部と、
前記外部装置から受信した前記文字コードに基づいて前記決定部により決定された前記文字サイズに対応する文字の画像情報を、前記フォント格納部から読み出す読み出し部と、
前記読み出し部により読みだされる前記文字の画像情報を用いて、前記外部装置から受信した前記文字コードが割り当てられた文字を印刷する印刷部と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記フォント格納部は、複数の種類の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、それぞれ1又は複数の文字サイズを含む前記複数の種類の文字の画像情報を格納し、
前記決定部は、前記外部装置から受信した前記文字コードが割り当てられた文字の種類に応じて前記文字サイズを決定する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記複数の文字に文字コードを割り当てた文字コード体系に含まれる文字コードの範囲に前記1又は複数の文字サイズのいずれかを表す文字サイズ情報を対応付けて記憶する文字サイズ情報記憶部をさらに備え、
前記決定部は、受信した前記文字コードに対応する文字サイズ情報を前記文字サイズ情報記憶部から読み出し、前記文字サイズ情報に基づいて前記文字サイズを決定する、請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記文字コードの範囲は、前記文字コード体系に含まれる2つの文字コードにより該2つの文字コードの間の範囲として画定され、
前記決定部は、受信した前記文字コードが前記文字コードの範囲に含まれる場合に、前記文字コードの範囲に対応付けられた文字サイズ情報に基づいて前記文字サイズを決定する、請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記文字コード体系に含まれる文字コードの範囲と該文字コードの範囲に対応付ける文字サイズ情報とを受信して、前記文字コードの範囲に前記文字サイズ情報を対応付けて前記文字サイズ情報記憶部に登録する登録部をさらに備える、請求項3又は4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記文字サイズ情報記憶部は、前記1又は複数の文字サイズとして、同一の文字コードの範囲に互いに異なる文字サイズをそれぞれ表す複数の文字サイズ情報を対応付けて記憶し、
前記決定部は、前記複数の文字サイズ情報から1つの文字サイズ情報を選択する、請求項3から5のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記文字サイズ情報記憶部は、
前記外部装置から、前記文字コード体系に含まれる文字コードの第1範囲に対して独自文字サイズを表す独自文字サイズ情報を指示する指示コマンドを受け取った場合に、前記第1範囲に対応付けられた文字サイズ情報を前記独自文字サイズ情報に更新し、
前記外部装置から、前記第1範囲に対して前記独自文字サイズ情報以外の文字サイズ情報を指示する指示コマンドを受け取った場合に、前記第1範囲に対応付けられた文字サイズ情報を、前記第1範囲と異なる前記文字コード体系に含まれる文字コードの第2範囲に対応付けられている文字サイズ情報に更新する、
請求項3から6のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷部は、さらに、前記外部装置から受信した文字の拡大率又は縮小率を含む相対文字サイズ情報に基づいて、前記読み出し部により読み出される前記文字の画像情報を拡大又は縮小して印刷する、請求項3から7のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項9】
複数の文字を指定する複数の文字コードを送信する外部装置と、前記外部装置から前記複数の文字コードを受信して前記複数の文字を印刷する印刷装置と、を備える印刷システムであって、前記印刷装置は、
複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、前記複数の文字の画像情報を格納するフォント格納部であり、前記複数の文字の画像情報は、前記複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、前記フォント格納部と、
前記外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する決定部と、
前記外部装置から受信した前記文字コードに基づいて前記決定部により決定された前記文字サイズに対応する文字の画像情報を、前記フォント格納部から読み出す読み出し部と、
前記読み出し部により読みだされる前記文字の画像情報を用いて、前記外部装置から受信した前記文字コードが割り当てられた文字を印刷する印刷部と、
を含む、印刷システム。
【請求項10】
外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する段階と、
前記外部装置から受信した前記文字コードに基づいて前記決定する段階で決定された前記文字サイズに対応する文字の画像情報を、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、前記複数の文字の画像情報を格納したフォントセットから読み出す段階であり、前記複数の文字の画像情報は、前記複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、前記段階と、
前記読み出す段階で読みだされる前記文字の画像情報を用いて、前記外部装置から受信した前記文字コードが割り当てられた文字を印刷する段階と、
を備える印刷方法。
【請求項11】
コンピュータに、
外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する手順と、
前記外部装置から受信した前記文字コードに基づいて前記決定する段階で決定された前記文字サイズに対応する文字の画像情報を、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、前記複数の文字の画像情報を格納したフォントセットから読み出す手順であり、前記複数の文字の画像情報は、前記複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、前記手順と、
前記読み出す段階で読みだされる前記文字の画像情報を用いて、前記外部装置から受信した前記文字コードが割り当てられた文字を印刷する手順と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷システム、印刷方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
POS端末等の端末装置に内蔵される内蔵型のレシートプリンタ、携帯端末から無線接続可能なモバイル型のレシートプリンタなど、レシートのような伝票を印刷する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。そのような印刷装置は、POS端末或いは携帯端末などのホスト装置から印刷コマンドを受信し、その印刷コマンドが指定する1又は複数の文字をラインサーマル方式或いはインパクトドット方式により紙媒体に印刷することで伝票を生成する。
特許文献1 特許第6490746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の印刷装置では、印刷する文字の文字サイズを設定されている各文字共通の文字サイズから他の文字サイズに変更する場合は、ホスト装置が、印刷する文字を指定する印刷コマンドを送信する都度、その文字の印刷サイズを設定する文字サイズ設定指令を印刷装置に送信しなければならなかった。そのため、頻繁に文字サイズを変更して印刷する場合には、データ転送効率が低いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、複数の文字の画像情報を格納するフォント格納部であり、複数の文字の画像情報は、複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、フォント格納部と、外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する決定部と、外部装置から受信した文字コードに基づいて決定部により決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、フォント格納部から読み出す読み出し部と、読み出し部により読みだされる文字の画像情報を用いて、外部装置から受信した文字コードが割り当てられた文字を印刷する印刷部と、を備える印刷装置が提供される。
【0005】
本発明の第2の態様においては、複数の文字を指定する複数の文字コードを送信する外部装置と、外部装置から複数の文字コードを受信して複数の文字を印刷する印刷装置と、を備える印刷システムであって、印刷装置は、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、複数の文字の画像情報を格納するフォント格納部であり、複数の文字の画像情報は、複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、フォント格納部と、外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する決定部と、外部装置から受信した文字コードに基づいて決定部により決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、フォント格納部から読み出す読み出し部と、読み出し部により読みだされる文字の画像情報を用いて、外部装置から受信した文字コードが割り当てられた文字を印刷する印刷部と、を含む、印刷システムが提供される。
【0006】
本発明の第3の態様においては、外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する段階と、外部装置から受信した文字コードに基づいて決定する段階で決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、複数の文字の画像情報を格納したフォントセットから読み出す段階であり、複数の文字の画像情報は、複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、段階と、読み出す段階で読みだされる文字の画像情報を用いて、外部装置から受信した文字コードが割り当てられた文字を印刷する段階と、を備える印刷方法が提供される。
【0007】
本発明の第4の態様においては、コンピュータに、外部装置から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する手順と、外部装置から受信した文字コードに基づいて決定する段階で決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、複数の文字の画像情報を格納したフォントセットから読み出す手順であり、複数の文字の画像情報は、複数の文字のそれぞれについて1又は複数の文字サイズの画像情報を含む、手順と、読み出す段階で読みだされる文字の画像情報を用いて、外部装置から受信した文字コードが割り当てられた文字を印刷する手順と、を実行させるプログラムが提供される。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る印刷システム及び印刷装置の構成を示す。
図2】印刷装置の機能構成を示す。
図3】(A)文字サイズテーブルの一例(文字コード範囲に対して文字サイズを指定する例)、(B)デフォルト文字サイズの一例、及び(C)印字例をそれぞれ示す。
図4】(A)文字サイズテーブルの別の例(文字コードごと、すなわち1文字単位で文字サイズを指定する例)及び(B)印字例をそれぞれ示す。
図5】(A)文字サイズ登録の手順、(B)文字サイズの登録削除の手順、及び(C)デフォルト文字サイズの設定の手順を示す。
図6】印刷方法のフローを示す。
図7】(A)文字サイズテーブルの一例及び(B)対応する印字例、(C)文字サイズテーブルの別の例及び(D)対応する印字例を示す。
図8】変形例に係る印刷装置の機能構成を示す。
図9】複数の文字サイズテーブルの例及び印字例を示す。
図10】(A)使用テーブル番号設定手順のフロー、(B)及び(C)印字例をそれぞれ示す。
図11】文字コード範囲に対応して格納されている画像情報の文字サイズを示す。
図12】文字サイズ指定コマンドによる登録文字サイズの変更の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1に、本実施形態に係る印刷システム100及び印刷装置110の構成を示す。印刷システム100は、ホスト装置1及び印刷装置110を備える。
【0012】
ホスト装置1は、印刷装置110に印刷コマンドを送信することにより、印刷装置110に、印刷コマンドにより指定される文字や画像を伝票(本実施形態では一例としてレシートとする)に印刷させる外部端末装置(単に外部装置とも呼ぶ)であり、POS端末のような印刷装置110を内蔵する固定端末に限らず、印刷装置110と有線接続又は無線接続する携帯端末であってもよい。ホスト装置1は、キーボード、マウス、タッチパネル、バーコードスキャナ、RFIDスキャナなどの入力デバイスを有する。ユーザは、これらの入力デバイスを介して印刷装置110を使用してレシートを印刷することができる。
【0013】
印刷装置110は、ホスト装置1から印刷コマンドを受信し、印刷コマンドにより指定される文字を印刷してレシートを生成する装置であり、通信装置10、記憶装置20、演算処理装置30、及び印刷ユニット40を備える。
【0014】
なお、印刷コマンドは、印刷装置110に印刷を指令する信号であり、印刷される1又は複数の文字を指定する印刷データを含む。印刷される文字は、ユニコード、シフトJISなどの文字コード体系により割り当てられた文字コードにより指定される。ここで、文字コード体系は、複数種類の文字、例えば漢字、ひらがな・カタカナ、ラテン文字、数字・特殊記号、さらにハングル文字、アラビア文字、ギリシャ文字などにそれぞれ割り当てられたバイト表現である文字コードを含む。
【0015】
通信装置10は、ホスト装置1との間でデータ通信するための装置である。通信装置10は、例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ケーブル、有線又は無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、或いはBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信規格によりホスト装置1に接続することができる。
【0016】
記憶装置20は、複数の文字の印刷画像情報(いわゆるフォントセットであり、個々の文字の印刷画像を単にフォント或いは画像情報とも呼ぶ)を格納するとともに、文字の印刷サイズ(文字サイズと呼ぶ)を登録するための文字サイズテーブル及びデフォルトの文字サイズを指定するデフォルト文字サイズなどの各種データを記憶する装置である。記憶装置20は、さらに、印刷装置110の動作を制御するための専用プログラム(すなわち、ドライバプログラム)を記憶する。記憶装置20として、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリのような不揮発性メモリを使用することができる。
【0017】
演算処理装置30は、中央演算処理装置(CPU)を有し、これにより専用プログラムを実行することにより、印刷装置110にレシートを印刷する機能を発現させる。印刷装置110の機能構成については後述する。
【0018】
印刷ユニット40は、印刷コマンドにより指定される1又は複数の文字をレシート用紙に印刷してレシートを生成する装置群であり、一例としてレシート用紙に印字するためのサーマルヘッド及びサーマルヘッドにロール紙を送るためのモータを有する。なお、サーマルヘッドは、感熱式でも熱転写式ヘッドでもよい。また、サーマルヘッドに代えてドットインパクトヘッド、インクジェットヘッドなどを使用してもよいし、モータによりロール紙を送ることに代えてカット紙を送ることとしてもよい。
【0019】
図2に、印刷装置110の機能構成を示す。印刷装置110は、記憶部60、指令解析部50、読み出し部70,及び印刷部80を含む。これらの機能部は、先述のとおり、演算処理装置30が専用プログラムを実行することにより発現される。
【0020】
記憶部60は、記憶装置20にフォントセット及び各種データを記憶する機能部であり、フォント格納部62及び文字サイズ情報記憶部61を含む。
【0021】
フォント格納部62は、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、複数の文字の印刷画像情報(すなわち、フォントセット)を格納する。ここで、フォントセットは、1つの文字を指定する文字コードのそれぞれに対して、1又は複数の文字サイズの画像情報を含む。さらに、複数の文字は、複数の種類の文字を含んでよく、フォントセットは、複数の種類の文字に割り当てられた文字コードのそれぞれに対して、1又は複数の文字サイズの画像情報を含んでよい。
【0022】
文字の種類は、漢字、ひらがな・カタカナ、数字などの同一言語(この場合、日本語)で使用される文字の種類を含んでよく、英字、ハングル文字、アラビア文字などの異なる言語で使用される文字の種類を含んでもよい。さらに、「!」「★」「?」などの記号或いはシンボルを含む特殊文字を含んでもよい。一般に用いられる文字の種類の分類に基づいていれば、文字を任意に分類してよい。一部の文字と他の文字とを識別するのであれば、例えば一部の漢字と他の漢字とを識別してもよいし、一部のアルファベットと他のアルファベットを識別してもよい。
【0023】
フォントセットとして、例えば、基本ラテン文字の文字コード、アラビア文字の文字コード、CJK統合漢字の文字コード、及びハングル文字の文字コードのそれぞれについて、16x16ドット、24x24ドット、及び32x32ドットの3種類の文字サイズの画像情報を含んでよい。また、英数記号の文字コードについて16x16ドット、24x24ドット、及び32x32ドットの3種類の文字サイズの画像情報、漢字の文字コード範囲について24x24ドット、及び32x32ドットの2種類の文字サイズの画像情報を含んでもよく、ひらがな・カタカナの文字コードについて16x16ドットのみの文字サイズの画像情報を含んでもよい。さらに、漢字の文字コード範囲において、1つの文字コードが割り当てられた各文字に対して明朝体、ゴシック体のような1又は複数の書体の画像情報を含んでもよい。印刷装置110は、これらの書体を指定するコマンドを印刷コマンドとともに又は個別にホスト装置1から受信してもよい。
【0024】
文字サイズ情報記憶部61は、文字コード体系に含まれる文字コード範囲に1又は複数の文字サイズのいずれかを表す文字サイズ情報を対応付けて記憶するとともに、文字サイズ情報が対応付けてられていない文字コード範囲に対して使用するデフォルトの文字サイズ情報を記憶する。文字サイズ情報記憶部61は、文字サイズテーブル61a及びデフォルト文字サイズレコード61zを有する。
【0025】
図3(A)に、文字サイズテーブル61aの一例を示す。文字サイズテーブル61aは、文字コード範囲を指定して文字サイズを登録する。ここで、文字コード範囲は、例えば、文字コード体系に含まれる2つの文字コード、すなわち開始コード及び終了コードによりそれらの間の範囲として画定される。登録する文字コード範囲は1つに限らず複数であってよい。文字の種類ごとに文字コード範囲を画定して、文字の種類ごとに文字サイズを登録してもよい。
【0026】
なお、文字サイズは、文字サイズ情報により表される。一例として、文字サイズ情報A、B、及びDは24x24ドット、16x16ドット、及び32x32ドットのドット値をそれぞれ表す。特に混乱のない限り、文字サイズをドット値により表す。または、文字サイズ情報は、基本文字サイズに対する倍率(2倍、4倍、8倍…及び/又は2分の1倍、4分の1倍、8分の1倍…)により表してもよいし、基本サイズに対する1サイズ等のサイズアップ、サイズダウンにより表してもよい。
【0027】
本例では、登録番号1として、ユニコードにおいて基本ラテン文字の文字コード範囲U+0030~U+007Fに対して16x16ドットの文字サイズが登録され、登録番号2として、ユニコードにおいてアラビア文字の文字コード範囲U+0600~U+7FFに対して24x24ドットの文字サイズが登録され、登録番号3として、ユニコードにおいてCJK統合漢字の文字コード範囲U+4E00~U+9FBFに対して32x32ドットの文字サイズが登録されている。
【0028】
なお、複数の文字コード範囲について文字サイズを登録するに限らず、1つの文字コード範囲についてのみ文字サイズを登録してもよい。例えば、図3(A)に示した登録番号3のCJK統合漢字の文字コード範囲のみを(登録番号1として)登録してもよい。
【0029】
図3(B)に、デフォルト文字サイズレコード61zの一例を示す。デフォルト文字サイズレコード61zは、デフォルト値として使用される1つの文字サイズを設定する。本例では、24x24ドットの文字サイズが設定されている。
【0030】
図3(C)に、図3(A)の文字サイズテーブル61a及び図3(B)のデフォルト文字サイズレコード61zが使用された場合の印字例を示す。上段の基本ラテン文字は、文字サイズテーブル61aの登録番号1に登録された文字サイズに従って16x16ドットで印刷される。第2段のアラビア文字は、文字サイズテーブル61aの登録番号2に登録された文字サイズに従って24x24ドットで印刷される。第3段のCJK統合漢字は、文字サイズテーブル61aの登録番号3に登録された文字サイズに従って32x32xドットで印刷される。下段のハングル文字は、その文字コード範囲が文字サイズテーブル61aに登録されていないため、デフォルト文字サイズレコード61zに設定されたデフォルト文字サイズに従って24x24ドットで印刷される。
【0031】
なお、文字コード範囲は、文字コード体系に含まれる2つの文字コード(開始コード及び終了コード)によりそれらの間の範囲として画定するに限らず、開始コードから始まるN個のコード範囲として指定する、或いはある範囲の文字コードを文字コードごとに指定するなど、任意の仕様で画定してよい。また、開始コード及び終了コードは同じであってもよい。斯かる場合、文字コード範囲は1つの文字コードのみを含む。また、終了コードを省略して文字サイズテーブル61aに登録してもよい。
【0032】
なお、文字コード範囲を指定して文字サイズを登録するに限らず、文字コードごと、すなわち1文字単位で文字サイズを登録してもよい。図4(A)に、文字サイズテーブル61a'の別の例を示す。文字サイズテーブル61a'は、登録番号1から5として、ユニコードにおける文字コードU+0021、U+0041、U+0045、U+004C、U+0053に対して32x32ドットの文字サイズがそれぞれ登録され、登録番号6から8として、ユニコードにおける文字コードU+30B9、U+30D1、U+30FCに対して16x16ドットの文字サイズがそれぞれ登録され、登録番号9及び10として、ユニコードにおける文字コードU+611F及びU+8B1Dに対して24x24ドットの文字サイズがそれぞれ登録されている。それにより、図4(B)に示す印字例のように、16x16ドットの文字サイズで「スーパー」、24x24ドットの文字サイズで「感謝」、32x32ドットの文字サイズで「SALE!!」、対応する文字コードが文字サイズテーブル61a'に登録されていないため24x24ドットのデフォルト文字サイズで「開催中」が連続して印刷される。
【0033】
また、文字サイズテーブルにおいて、文字コード範囲を指定して文字サイズを登録するとともに1つの文字コードを指定して文字サイズを登録してもよい。例えば、図4(A)に示した文字サイズテーブル61a'において登録番号2から5に代えて基本ラテン文字の文字コード範囲U+0030~U+007Fに対して32x32ドットの文字サイズを登録してもよい。
【0034】
指令解析部50は、ホスト装置1から送信される指令を受信し解析する機能部であり、決定部51及び登録部52を含む。
【0035】
決定部51は、ホスト装置1から受信した印刷コマンドに含まれる文字コードに基づいて文字サイズを決定する。文字サイズは文字コード範囲毎に文字サイズ情報記憶部61の文字サイズテーブル61aに登録されており、決定部51は、印刷コマンドに含まれる文字コードが文字コード範囲に含まれる場合に、文字コード範囲に対応付けられた文字サイズを文字サイズテーブル61aから読み出し、それに基づいて文字サイズを決定する。ここで、図3(A)に示したように文字サイズテーブル61aにおいて文字の種類ごとに画定された文字コード範囲に対して文字サイズを登録することにより、決定部51は、印刷コマンドに含まれる文字コードが割り当てられた文字の種類に応じて、例えば基本ラテン文字、アラビア文字、CJK統合漢字ごとに、或いは漢字、ひらがな・カタカナ、英数記号ごとに文字サイズを決定する機能を有することとなり、それにより文字の種類ごとに異なる文字サイズで文字を印刷することが可能となる。
【0036】
なお、決定部51は、文字サイズ情報記憶部61の文字サイズテーブル61aに登録されていない文字コードに対しては、デフォルト文字サイズレコード61zに設定されているデフォルト文字サイズを選択する。
【0037】
なお、決定部51は、ホスト装置1から文字サイズを強制的に指定するサイズ指定情報を受け取ってもよい。斯かる場合、決定部51は、文字サイズ情報記憶部61の文字サイズテーブル61aを参照することなく、サイズ指定情報に基づいて文字サイズを決定する。
【0038】
決定部51は、決定した文字サイズ、又は、デフォルト文字サイズが選択されている場合のその文字サイズを読み出し部70に送信する。
【0039】
登録部52は、文字コード範囲とこれに対応付ける文字サイズとを受信して、文字コード範囲に文字サイズを対応付けて文字サイズ情報記憶部61の文字サイズテーブル61aに登録する。登録部52は、登録する文字コード範囲及び文字サイズをホスト装置1から受信してもよいし、ホスト装置1とは異なる外部端末である設定用端末から受信してもよい。印刷装置110が文字サイズ情報を登録する機能を有していないホスト装置1により使用されるシステムにおいて、設定用端末を用いることで印刷装置110に文字サイズ情報を登録することが可能となる。
【0040】
図5(A)に、文字サイズ登録の手順を示す。登録部52は、ホスト装置1又は設定用端末(ホスト装置1等と総称する)から文字サイズ登録指令を受信し、それに含まれる文字コード範囲及び文字サイズを文字サイズ情報記憶部61に送信する。文字サイズ情報記憶部61は、文字サイズテーブル61aに既に登録されている最後の文字コード範囲(図3(A)に示した例においては登録番号3のCJK統合漢字)に続けて新しい登録番号(すなわち、登録番号4)を設けて受信した文字コード範囲及び文字サイズを追加して文字サイズレコードを作成する。追加後、文字サイズ情報記憶部61は、その新しい登録番号を、登録部52を介してホスト装置1等に返信する。
【0041】
図5(B)に、文字サイズの登録削除の手順を示す。登録部52は、ホスト装置1等から文字サイズ登録削除指令を受信し、それに含まれる登録番号を文字サイズ情報記憶部61に送信する。文字サイズ情報記憶部61は、文字サイズテーブル61aに登録されている文字コード範囲のなかから受信した登録番号に該当するレコードを検索し、登録番号とともに文字コード範囲及び文字サイズ情報のレコードを削除する。削除後、文字サイズ情報記憶部61は、その登録番号を、登録部52を介してホスト装置1等に返信する。
【0042】
図5(C)に、デフォルト文字サイズの設定の手順を示す。登録部52は、ホスト装置1等からデフォルト文字サイズ設定指令を受信し、それに含まれるデフォルト文字サイズを文字サイズ情報記憶部61に送信する。文字サイズ情報記憶部61は、受信したデフォルト文字サイズ情報をデフォルト文字サイズレコード61zに書き込む。
【0043】
読み出し部70は、ホスト装置1から受信した印刷コマンドに含まれる文字コードに基づいて決定部51により決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、フォント格納部62から読み出す。読み出された文字の画像情報は印刷部80に送信される。
【0044】
印刷部80は、読み出し部70により読みだされる文字の画像情報を用いて、ホスト装置1から受信した印刷コマンドに含まれる文字コードが割り当てられた文字を含む印刷画像を生成し、印刷装置20を用いてレシート用紙に印刷する。
【0045】
図6に、印刷方法のフローを示す。フローは、ホスト装置1が送信した印刷コマンドを印刷装置110(指令解析部50)が受信することで開始する。
【0046】
ステップS102~S112では、指令解析部50の決定部51が、ホスト装置1から受信した印刷コマンド(印刷データとも呼ぶ)に含まれる文字コードに基づいて文字サイズを決定する。ここで、決定部51は、印刷データに含まれる文字コードに対応付けられた文字サイズを文字サイズテーブル61aから読み出し、それに基づいて文字サイズを決定する。ステップS102では、決定部51は、印刷データから1つの文字コード又はコマンドを読み出す。ステップS104では、決定部51は、ステップS102で読み出したのが文字コードであるかどうか判断する。文字コードを読み出したと判断された場合、ステップS106に移行し、文字コード以外、つまり印刷起動コマンドを読み出したと判断された場合、ステップS116に移行する。ステップS106では、決定部51は、印刷データから読み出した文字コードを文字サイズ情報記憶部61に送信する。ステップS108では、文字サイズ情報記憶部61は、受信した文字コードが文字サイズテーブル61aに登録されている文字コード範囲に含まれるか否か検索し、いずれかの文字コード範囲に含まれる場合に、その文字コード範囲に対応付けられた文字サイズを決定部51に返信する。文字サイズ情報記憶部61は、受信した文字コードが文字サイズテーブル61aに登録されている文字コード範囲のいずれにも含まれない場合に、デフォルト文字サイズレコード61zに設定されているデフォルト文字サイズを決定部51に返信する。ステップS110では、決定部51が、送信した文字コードに対して、文字サイズ情報記憶部61から受信した文字サイズ又はデフォルト文字サイズに基づいて採用する文字サイズを決定する。ステップS112では、決定部51は、文字コードとともにその文字コードについて決定した文字サイズを読み出し部70に送信する。
【0047】
ステップS114では、受信データの末尾を読み出したか否か、つまり印刷データに含まれる文字コードのすべてを読み出してそれぞれについて文字サイズを決定したか否か判断される。決定部51は、まだ受信データの末尾を読み出していないと判断するとステップS102に戻り、受信データの末尾を読み出す、つまりすべての文字コードについて文字サイズが決定されるまでステップS102からS112を繰り返す。決定部51は、受信データの末尾を読み出したと判断すると、フローを終了する。
【0048】
ステップS116は、ステップS104で印刷データから印刷起動コマンドを読み出したと判断された場合に移行するステップである。印刷起動コマンドとして、例えば、改行コマンド(0x0A)を選択することができる。ステップS116では、決定部51は、印刷起動コマンドの読み出しに伴い、読み出し部70に印刷起動コマンドを送信する。
【0049】
ステップS122~S126では、読み出し部70が、印刷データに含まれる文字コードに基づいて、ステップS102~S112で決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、フォント格納部62に格納されたフォントセットから読み出す。ステップS122では、読み出し部70は、ステップS112で決定部51から送信された文字コードとこれに対して決定された文字サイズをフォント格納部62に送信する。ステップS124では、フォント格納部62は、受信した文字コードが割り当てられた文字の画像情報のうち、受信した文字サイズに対応する画像情報を返信する。ステップS126では、読み出し部70は、フォント格納部62から読み出した文字の画像情報を用いて印刷イメージを生成する。
【0050】
ステップS128では、決定部51から印刷起動コマンドを受信したか否か判断される。読み出し部70は、まだ印刷起動コマンドを受信していない、つまりすべての文字コードについて画像情報を読み出していないと判断するとステップS122に戻り、すべての文字コードについて画像情報が読み出されるまでステップS122からS126を繰り返す。このとき、ステップS126では、読み出し部70は、フォント格納部62から読み出した文字の画像情報を用いて印刷イメージを繰り返し更新する。読み出し部70は、印刷起動コマンドを受信したと判断すると、次のステップS130に進む。
【0051】
ステップS130では、読み出し部70は、生成した印刷イメージを印刷部80に送信する。
【0052】
なお、読み出し部70は、ホスト装置1から文字の拡大率又は縮小率を含む相対文字サイズ情報を受信し、この相対文字サイズ情報に基づいてフォント格納部62から読み出した文字の画像情報のうちの少なくとも1つを拡大又は縮小して印刷イメージを生成してもよい。
【0053】
ステップS140では、印刷部80は、受信した印刷イメージを、印刷ユニット40を用いてレシート用紙に印刷する。なお、読み出し部70は、フォント格納部62から読み出した文字の画像情報を印刷部80に送信し、印刷部80が、受信した文字の画像情報を用いて印刷イメージを生成し、印刷してもよい。
【0054】
図7(A)に文字サイズテーブルの一例(文字サイズ登録がされていない例)及び(B)対応する印字例を示す。図7(A)に示すように文字サイズ登録がされていない場合に、ホスト装置1から印刷コマンドを受信すると、印刷装置110は、図7(B)に示すように漢字も数字もデフォルト文字サイズ(本例では24x24ドット)でレシート用紙に印刷する。
【0055】
図7(C)に文字サイズテーブルの別の例及び(D)対応する印字例を示す。図5(A)を用いて説明した手順に従って、例えば図7(C)に示すように基本ラテン文字の文字コード範囲(U+0030~U+007F)に対して文字サイズ(32x32ドット)が登録されると、印刷装置110は、図7(D)に示すように漢字はデフォルト文字サイズ(本例では24x24ドット)、数字は登録されている文字サイズ(32x32ドット)でレシート用紙に印刷する。
【0056】
本実施形態に係る印刷装置110によれば、複数の文字に割り当てられた文字コードに対応付けて、それぞれ1又は複数の文字サイズを含む複数の文字の画像情報を格納するフォント格納部62、ホスト装置1から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定する決定部51、ホスト装置1から受信した文字コードに基づいて決定部51により決定された文字サイズに対応する文字の画像情報を、フォント格納部62から読み出す読み出し部70、読み出し部70により読みだされる文字の画像情報を用いて、ホスト装置1から受信した文字コードが割り当てられた文字を印刷する印刷部80を備える。これによれば、決定部51により、ホスト装置1から受信した文字コードに基づいて文字サイズを決定し、読み出し部70により、受信した文字コードに基づいて決定された文字サイズに対応する文字の画像情報をフォント格納部62から読み出し、印刷部80により、読みだされる文字の画像情報を用いることにより、受信した文字コードが割り当てられた文字を決定部51により決定された文字サイズで印刷することができ、そして印刷装置へのデータ転送効率を向上することができる。
【0057】
特に、従来は、異なる文字サイズの文字が頻繁に繰り返されるような印刷を行う場合、例えば図4(B)のように「スーパー」「感謝」「SALE!!」「開催中」を印刷する場合、デフォルトの文字サイズが16x16ドットとして、24x24ドット、32x32ドット、24x24ドットの順で文字サイズが変わる毎に文字サイズを指定する文字サイズ登録指令をホスト装置から送信する必要がある。斯かる場合、これを印刷するためのプログラムが煩雑になり、時間や労力が費やされ、人為的なプログラムのミスを誘発しやすいという問題もある。これに対して、本実施形態に係る印刷装置110によれば、例えば図4に示した実施形態の場合に文字サイズが変わる毎に文字サイズ登録指令を送信する必要がないため、印刷装置110へのデータ転送効率を向上することができる。さらに、これを印刷するためのプログラムが容易になり、時間や労力が削減され、人為的なプログラムのミスを防止することもできる。
【0058】
なお、記憶部60の文字サイズ情報記憶部61は、複数の文字サイズテーブルを含んでもよく、それらの中からいずれかの文字サイズテーブルを選択して使用してもよい。
【0059】
図8に、変形例に係る印刷装置110の機能構成を示す。印刷装置110は、記憶部60、指令解析部50、読み出し部70,及び印刷部80を含む。これらの機能部のうち、指令解析部50、読み出し部70,及び印刷部80は先述の実施形態に係るそれらと同様に構成される。記憶部60は、記憶装置20にフォントセット及び各種データを記憶する機能部であり、フォント格納部62及び文字サイズ情報記憶部61を含む。フォント格納部62は先述のそれと同様に構成される。
【0060】
文字サイズ情報記憶部61は、同一の文字コードの範囲に互いに異なる文字サイズをそれぞれ表す複数の文字サイズ情報を対応付けて記憶するとともに、複数の文字サイズ情報のうちのいずれの情報を用いるのか表す情報、文字サイズ情報が対応付けてられていない文字コード範囲に対して使用するデフォルトの文字サイズ情報を記憶する。文字サイズ情報記憶部61は、複数(本例では一例として5つ)の文字サイズテーブル61a~61e、使用テーブル番号レコード61x、及びデフォルト文字サイズレコード61zを有する。なお、デフォルト文字サイズレコード61zは先述のそれと同様に構成される。
【0061】
図9に、複数の文字サイズテーブル61a~61e及び印字例を示す。文字サイズテーブル61a~61eは、文字コード範囲を指定して文字サイズを登録する。
【0062】
文字サイズテーブル61a(テーブル番号1)では、登録番号1として、ユニコードにおいて基本ラテン文字の文字コード範囲U+0030~U+007Fに対して16x16ドットの文字サイズが登録され、登録番号2として、ユニコードにおいてハングル文字の文字コード範囲U+1100~U+11FFに対して16x16ドットの文字サイズが登録され、登録番号3として、ユニコードにおいてひらがな・カタカナの文字コード範囲U+3040~U+30FFに対して24x24ドットが登録され、登録番号4として、ユニコードにおいてCJK統合漢字の文字コード範囲U+4E00~U+9FBFに対して16x16ドットの文字サイズが登録されている。文字サイズテーブル61aを用いることにより、図9の文字サイズテーブル61aの右に示す印字例のように、上段の漢字、第3段のラテン文字、下段のハングル文字はそれぞれ登録番号4、1、2のレコードに従って16x16ドットで印刷され、第2段のひらがな・カタカナは、登録番号3のレコードに従って24x24ドットで印刷される。
【0063】
文字サイズテーブル61b(61c)(テーブル番号2(3))では、登録番号1の基本ラテン文字の文字コード範囲、登録番号2のハングル文字の文字コード範囲、及び登録番号3のひらがな・カタカナの文字コード範囲に対して16x16ドットの文字サイズが登録され、登録番号4のCJK統合漢字の文字コード範囲に対して24x24ドット(32x32ドット)の文字サイズが登録されている。文字サイズテーブル61b(61c)を用いることにより、図9の文字サイズテーブル61b(61c)の右に示す印字例のように、第2段のひらがな・カタカナ、第3段のラテン文字、下段のハングル文字はそれぞれ登録番号3、1、2のレコードに従って16x16ドットで印刷され、上段の漢字は、登録番号4のレコードに従って24x24ドット(32x32ドット)で印刷される。
【0064】
文字サイズテーブル61d(テーブル番号4)では、登録番号1の基本ラテン文字の文字コード範囲に対して24x24ドットが登録され、登録番号2のハングル文字の文字コード範囲、登録番号3のひらがな・カタカナの文字コード範囲、及び登録番号4のCJK統合漢字の文字コード範囲に対して16x16ドットの文字サイズが登録されている。文字サイズテーブル61dを用いることにより、図9の文字サイズテーブル61dの右に示す印字例のように、上段の漢字、第2段のひらがな・カタカナ、下段のハングル文字はそれぞれ登録番号4、3、2のレコードに従って16x16ドットで印刷され、第3段のラテン文字は、登録番号1のレコードに従って24x24ドットで印刷される。
【0065】
文字サイズテーブル61e(テーブル番号5)では、登録番号1の基本ラテン文字の文字コード範囲、登録番号3のひらがな・カタカナの文字コード範囲、及び登録番号4のCJK統合漢字の文字コード範囲に対して16x16ドットの文字サイズが登録され、登録番号2のハングル文字の文字コード範囲に対して24x24ドットが登録されている。文字サイズテーブル61eを用いることにより、図9の文字サイズテーブル61eの右に示す印字例のように、上段の漢字、第2段のひらがな・カタカナ、第3段のラテン文字は、それぞれ登録番号4、3、1のレコードに従って16x16ドットで印刷され、下段のハングル文字は登録番号2のレコードに従って24x24ドットで印刷される。
【0066】
決定部51は、複数の文字サイズ情報から使用する1つの文字サイズ情報を選択する。一例として、決定部51は、使用テーブル番号レコード61xに登録された使用テーブル番号に従って文字サイズテーブル61a~61eのいずれかを選択し、印刷コマンドに含まれる文字コードが文字コード範囲に含まれる場合にその選択した文字サイズテーブル61a~61eから文字コード範囲に対応付けられた文字サイズを読み出し、それに基づいて文字サイズを決定する。それにより、上述のとおり、印刷コマンドに含まれる文字コードが割り当てられた文字の種類に応じて、例えば基本ラテン文字、ハングル文字、ひらがな・カタカナ、CJK統合漢字ごとに複数の文字サイズのうちのいずれかを選択することができ、それにより文字の種類ごとに異なる文字サイズで文字を印刷することができる。なお、文字サイズとして0x0ドットを登録して、その登録された文字コード範囲内の文字を印字しないこととしてもよい。
【0067】
なお、決定部51は、選択した文字サイズテーブル61a~61eに登録されていない文字コードに対しては、デフォルト文字サイズレコード61zに設定されているデフォルト文字サイズを選択する。
【0068】
決定部51は、決定した文字サイズ、デフォルト文字サイズを選択した場合にそのデフォルト文字サイズを読み出し部70に送信する。
【0069】
文字サイズテーブル61a~61eのうちの使用する使用テーブル番号は、登録部52により使用テーブル番号レコード61xに登録される。
【0070】
図10(A)に、使用テーブル番号設定手順を示す。登録部52は、ホスト装置1等から使用テーブル番号設定指令を受信すると、それに含まれる使用テーブル番号を文字サイズ情報記憶部61に送信する。文字サイズ情報記憶部61は、受信した使用テーブル番号を使用テーブル番号レコード61xに書き込む。
【0071】
この手順により例えば使用テーブル番号1(文字サイズテーブル61a)が設定されると、図10(B)に示すように、漢字及び数字はそれぞれ登録番号4及び1のレコードに従って16x16ドット、ひらがな・カタカナは登録番号3のレコードに従って24x24ドットと、ひらがな・カタカナが他の種類の文字より大きい文字サイズでレシート用紙に印刷され、児童用レシートを生成することができる。
【0072】
使用テーブル番号2(文字サイズテーブル61b)が設定されると、図10(C)に示すように、ひらがな・カタカナ及び数字はそれぞれ登録番号3及び1のレコードに従って16x16ドット、漢字は登録番号4のレコードに従って24x24ドットと、漢字が他の種類の文字より大きい文字サイズでレシート用紙に印刷され、成人用レシートを生成することができる。
【0073】
使用テーブル番号3(文字サイズテーブル61c)が設定されると、漢字がさらに大きい文字サイズ(32x32ドット)でレシート用紙に印刷されて高齢者用レシートが生成され、使用テーブル番号4(文字サイズテーブル61d)が設定されると、ラテン文字(アルファベット)が大きい文字サイズ(24x24ドット)でレシート用紙に印刷されて欧米人用レシートが生成され、使用テーブル番号5(文字サイズテーブル61e)が設定されると、ハングル文字が大きい文字サイズ(24x24ドット)でレシート用紙に印刷されて韓国人用レシートが生成される。
【0074】
なお、印刷装置110は、ホスト装置1から文字サイズを指示する指示コマンドを受信し、その受信コマンドに基づいて文字サイズ情報を更新してもよい。
【0075】
図11(A)に示すように、文字サイズ情報記憶部61は、文字コード体系に含まれる文字コードの第1範囲(例えば、英数記号)に第1文字サイズ(24x24ドット)を表す第1文字サイズ情報A、第2文字サイズ(16x16ドット)を表す第2文字サイズ情報B、第3文字サイズ(32x32ドット)を表す第3文字サイズ情報Dを対応付け、文字コード体系に含まれる文字コードの第2範囲(例えば、漢字)に第1文字サイズ情報A又は第3文字サイズ情報Dを対応付けて記憶する。ここで、英数記号のみに対応付けられる第2文字サイズを独自文字サイズ、これを表す第2文字サイズ情報Bを独自文字サイズ情報Bと呼ぶ。これらの画像情報がフォント格納部62に格納されているとする。
【0076】
図12に、文字サイズ指定コマンドによる登録文字サイズの変更の例を示す。ここで、左欄に、コマンド受信前において文字サイズ情報記憶部61(文字サイズテーブル61a)に登録されている文字サイズ情報、右欄に受信する文字サイズ支持コマンドが指示する文字コードの範囲及び文字サイズ情報、更新後の文字サイズ情報を表す。
【0077】
文字サイズ情報記憶部61は、図12の(1-2)(2-2)のようにホスト装置1から英数記号に対して独自文字サイズ情報(B)を指示する指示コマンドを受け取った場合に、その指示コマンドに従って英数記号に対応付けられた文字サイズ情報を独自文字サイズ情報(B)に更新する。なお、図12の(3-2)(4-2)のように、英数記号に独自文字サイズ情報(B)が対応付けられている場合、独自文字サイズ情報(B)を維持する。
【0078】
また、文字サイズ情報記憶部61は、図12の(1-1)(2-1)(3-1)(4-1)に示すようにホスト装置1から、英数記号に対して独自文字サイズ情報(B)以外の文字サイズ情報を指示する指示コマンド、つまり第1文字サイズ情報Aを指示する指示コマンドを受け取った場合に、英数記号に対応付けられた文字サイズ情報を、漢字に対応付けられている文字サイズ情報と同じ情報に更新する。図12の(2-1)及び(4-1)では、コマンド受信前において英数記号に文字サイズ情報D及びBがそれぞれ登録されている。ここで、英数記号に対して文字サイズ情報Aを指示する文字サイズ指示コマンドを受信すると、文字サイズ指示コマンドが指示する文字サイズ情報Aは漢字に登録されている文字サイズ情報Dとは異なるにも関わらず、英数記号に対する文字サイズ情報は、コマンドが指示する文字サイズ情報Aではなく漢字に登録されている文字サイズ情報Dと同じ文字サイズ情報Dに変更される。
【0079】
なお、図12の(3-1)(4-1)のようにコマンド受信前において英数記号に独自文字サイズ情報(B)が対応付けられている場合も、独自文字サイズ情報以外の文字サイズ情報(A)を指示する指示コマンドを受け取った場合に、英数記号に対応付けられた文字サイズ情報を、漢字に対応付けられている文字サイズ情報に更新するようにしてもよい。
【0080】
また、文字サイズ情報記憶部61は、ホスト装置1から漢字に対して第1文字サイズ情報A又は第3文字サイズ情報Dを指示する指示コマンドを受け取った場合に、図12の(1-3)(1-4)(2-3)(2-4)に示すように漢字に対応付けられた文字サイズ情報を第1文字サイズ情報A又は第3文字サイズ情報Dに更新するとともに、英数記号に対応付けられた文字サイズ情報を、第2文字サイズ情報Bである場合を除いて漢字に対応付けられている文字サイズ情報に更新し、図12の(3-3)(3-4)(4-3)(4-4)に示すように第2文字サイズ情報Bである場合にはその情報を維持する。
【0081】
図11及び図12に示した例では、通常は英数記号と漢字とに共通の文字サイズを使用し、一時的に英数記号を独自文字サイズで印刷した後に、英数記号の文字サイズと漢字との文字サイズとを連動させて通常の状態に戻す用途において、印刷コマンドの作成が容易である。
【0082】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0083】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0084】
1…ホスト装置、10…通信装置、20…記憶装置、20…印刷装置、30…演算処理装置、40…印刷ユニット、50…指令解析部、51…決定部、52…登録部、60…記憶部、61…文字サイズ情報記憶部、61a~61e,61a' …文字サイズテーブル、61x…使用テーブル番号レコード、61z…デフォルト文字サイズレコード、62…フォント格納部、70…読み出し部、80…印刷部、100…印刷システム、110…印刷装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12