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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139460
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】電力管理装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04858 20160101AFI20220915BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20220915BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20220915BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20220915BHJP
   B60L 50/75 20190101ALI20220915BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20220915BHJP
   B60L 58/40 20190101ALI20220915BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H01M8/04858
H01M8/00 A
H01M8/00 Z
H01M8/04537
B60L50/60
B60L50/75
B60L58/10
B60L58/40
B60L1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039865
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 傑
(72)【発明者】
【氏名】小和田 稔
(72)【発明者】
【氏名】溝呂木 伸
【テーマコード(参考)】
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BA00
5H125BC05
5H125BD02
5H125EE27
5H125EE33
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC05
5H127DB99
5H127DC42
5H127DC46
5H127DC90
5H127DC96
5H127FF04
(57)【要約】
【課題】燃料電池の性能低下を抑制しつつバッテリを充電する。
【解決手段】燃料電池自動車Vの電力管理装置100は、バッテリ2が受電可能な充電可能電力を取得する充電電力取得部11と、燃料電池1の最低発電電力を取得する発電電力取得部12と、燃料電池1の出力電力を制御する発電制御部13と、バッテリ2の充電を行う充電制御部14とを備える。バッテリ2の充電を行う際に、充電可能電力よりも最低発電電力が大きい場合、発電制御部13は、出力電力が最低発電電力以上となるように燃料電池1を制御し、充電制御部14は、燃料電池1の出力電力をバッテリ2とブレーキレジスタ4とに供給してバッテリ2を充電する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、バッテリと、前記燃料電池及び前記バッテリの少なくともいずれかの出力電力によって作動するモータと、を備える燃料電池自動車の電力管理装置であって、
前記バッテリを充電する際に前記バッテリが受電可能な充電可能電力を取得する充電電力取得部と、
前記燃料電池の最低発電電力を取得する発電電力取得部と、
前記燃料電池の出力電力を制御する発電制御部と、
前記燃料電池の出力電力によって前記バッテリの充電を行う充電制御部と、
を備え、
前記充電制御部が前記バッテリの充電を行う際に、前記充電可能電力よりも前記最低発電電力が大きい場合、
前記発電制御部は、前記燃料電池の出力電力が前記最低発電電力以上となるように前記燃料電池を制御し、
且つ、前記充電制御部は、前記燃料電池の出力電力を前記バッテリと前記燃料電池自動車に搭載された車両電気機器とに供給して前記バッテリを充電する、電力管理装置。
【請求項2】
前記充電制御部は、前記燃料電池の出力電力のうち、前記充電可能電力を超えた分の電力を前記車両電気機器に供給する、請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記車両電気機器は、ブレーキレジスタである、請求項1又は2に記載の電力管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池自動車の電力管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池と、バッテリと、燃料電池及び/又はバッテリの出力電力によって作動するモータと、を備える燃料電池自動車がある。一般に、燃料電池自動車において、バッテリのSOCが低下した場合には、燃料電池の出力電力によってバッテリの充電が行われる。例えば、特許文献1には、バッテリのSOCが低下した場合に、発電機の出力電力によってバッテリを充電することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/181489号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、燃料電池には、燃料電池(FCスタック)の劣化を抑制しつつ電力を出力するための最低発電電力が規定されている。すなわち、燃料電池の出力電力を劣化抑制のための最低発電電力未満とすると、燃料電池の劣化が促進されてしまう。しかしながら、バッテリが受電可能な充電可能電力が燃料電池の最低発電電力よりも小さい場合、燃料電池の出力電力を最低発電電力以下としなければならず、燃料電池の劣化を促進させる懸念がある。
【0005】
そこで、本発明は、燃料電池の性能低下を抑制しつつバッテリを充電することが可能な燃料電池自動車の電力管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、燃料電池と、バッテリと、燃料電池及びバッテリの少なくともいずれかの出力電力によって作動するモータと、を備える燃料電池自動車の電力管理装置であって、バッテリを充電する際にバッテリが受電可能な充電可能電力を取得する充電電力取得部と、燃料電池の最低発電電力を取得する発電電力取得部と、燃料電池の出力電力を制御する発電制御部と、燃料電池の出力電力によってバッテリの充電を行う充電制御部と、を備え、充電制御部がバッテリの充電を行う際に、充電可能電力よりも最低発電電力が大きい場合、発電制御部は、燃料電池の出力電力が最低発電電力以上となるように燃料電池を制御し、且つ、充電制御部は、燃料電池の出力電力をバッテリと燃料電池自動車に搭載された車両電気機器とに供給してバッテリを充電する。
【0007】
この電力管理装置では、バッテリの充電可能電力よりも燃料電池の最低発電電力が大きい場合、燃料電池の出力電力が最低発電電力以上となるように燃料電池を制御する。そして、燃料電池の出力電力は、バッテリ及び車両電気機器に供給され、バッテリを充電する。すなわち、バッテリの充電可能電力よりも燃料電池の最低発電電力が大きい場合であっても車両電気機器によって電力を消費できるため、燃料電池の出力電力を最低発電電力以上とすることができる。これにより、電力管理装置は、燃料電池の性能低下を抑制しつつ、バッテリを充電することができる。
【0008】
電力管理装置において、充電制御部は、燃料電池の出力電力のうち、充電可能電力を超えた分の電力を車両電気機器に供給してもよい。この場合、電力管理装置は、バッテリに対して過剰に電力が供給されることを防止でき、バッテリの劣化を抑制できる。
【0009】
電力管理装置において、車両電気機器は、ブレーキレジスタであってもよい。この場合、電力管理装置は、充電可能電力を超えた分の電力を、ブレーキレジスタによって効率よく消費できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、燃料電池の性能低下を抑制しつつバッテリを充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る電力管理装置が搭載された燃料電池自動車を示す概略図である。
図2図2は、電力管理装置の詳細を示すブロック図である。
図3図3は、バッテリの充電処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1に示されるように、電力管理装置100は、燃料電池自動車Vに搭載されている。燃料電池自動車Vには、燃料電池1、バッテリ2、モータ3、ブレーキレジスタ(車両電気機器)4、及び補機(車両電気機器)5が搭載されている。燃料電池自動車Vは、燃料電池1で発電された電力によって走行する。
【0014】
燃料電池1は、発電を行うFCスタック(Fuel Cell Stack)を備えている。燃料電池1で発電された電力は、モータ3を作動させるための電力として及びバッテリ2を充電するための電力として利用される。
【0015】
バッテリ2は、燃料電池1で発電された電力を蓄える。また、バッテリ2は、燃料電池自動車Vに搭載された回生ブレーキ等で生成された電力を蓄えることもできる。バッテリ2は、本実施形態においては、リン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオンバッテリである。
【0016】
モータ(電動モータ)3は、燃料電池1及びバッテリ2の少なくともいずれかの出力電力によって作動する。モータ3は、燃料電池自動車Vに備えられた車輪6を駆動することによって、燃料電池自動車Vを走行させる。
【0017】
ブレーキレジスタ4は、電力を熱に変換して消費する抵抗器である。例えば、燃料電池自動車Vが大型の車両である場合、車重が大きいために大きな制動力が必要となる。このため、回生ブレーキで生成される電力量も大きくなり、バッテリ2だけでは生成された電力を吸収できないことがある。ブレーキレジスタ4は、例えば、このようなバッテリ2だけでは吸収できない電力を消費するために設けられている。補機5は、燃料電池自動車Vに搭載されたエアコン等、電力によって作動する各種の機器である。
【0018】
電力管理装置100は、燃料電池自動車Vにおける電力の管理を行う。本実施形態において電力管理装置100は、バッテリ2のSOC(State Of Charge)が低下した場合、燃料電池1の出力電力によってバッテリ2を充電する。なお、本実施形態における燃料電池自動車Vは、外部充電器による充電機能を有していない。
【0019】
電力管理装置100は、ECU(Electronic Control Unit)10を備えている。ECU10は、CPU、ROM、RAMなどを有する電子制御ユニットである。ECU10は、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU10は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0020】
図2に示されるように、ECU10は、機能的には、充電電力取得部11、発電電力取得部12、発電制御部13、及び充電制御部14を備えている。充電電力取得部11は、バッテリ2を充電する際にバッテリ2が受電可能な充電可能電力を取得する。この充電可能電力は、バッテリ2が劣化することを防止しつつ、バッテリ2の充電を行うことが可能な電力である。例えば、バッテリ2に供給される電力が充電可能電力を超える場合、バッテリ2の劣化が促進される。充電電力取得部11は、例えば、バッテリ2を管理するバッテリ管理部等から充電可能電力を取得することができる。
【0021】
また、充電可能電力は、バッテリ2の温度、及びバッテリ2のSOC等、バッテリ2の種々の状態に応じて変化することがある。この場合、充電電力取得部11は、バッテリ2の状態に応じた充電可能電力を取得する。
【0022】
発電電力取得部12は、燃料電池1の最低発電電力を取得する。ここで、最低発電電力とは、燃料電池1が備えるFCスタックの劣化を抑制しつつ、燃料電池1が電力を出力するための最低発電電力である。すなわち、燃料電池1の出力電力を劣化抑制のための最低発電電力未満とすると、燃料電池1の劣化が促進される。最低発電電力は、予め定められた一定の値であってもよい。この場合、発電電力取得部12は、予め定められた最低発電電力を燃料電池1を管理する燃料電池管理部等から取得してもよく、予め記憶した値を最低発電電力として取得してもよい。
【0023】
また、最低発電電力が、燃料電池1の種々の状態によって変動することがある。この場合、発電電力取得部12は、燃料電池1の状態に応じた最低発電電力を取得する。
【0024】
発電制御部13は、燃料電池1に対して電力の出力要求を行い、燃料電池1の出力電力を制御する。ここでは、発電制御部13は、燃料電池1の出力電力の値を指示することができる。なお、発電制御部13は、モータ3及び補機5における電力消費量と、充電電力取得部11で取得されたバッテリ2の充電可能電力とに基づいて、燃料電池1に対して電力の出力要求を行う。
【0025】
また、充電制御部14がバッテリ2の充電を行う際に、バッテリ2の充電可能電力よりも燃料電池1の最低発電電力が大きい場合がある。この場合であっても、発電制御部13は、燃料電池1の出力電力が最低発電電力以上となるように燃料電池1を制御する。すなわち、バッテリ2の充電を行う際に、燃料電池1の出力電力は最低発電電力未満となることがない。
【0026】
充電制御部14は、燃料電池1の出力電力によってバッテリ2の充電を行う。充電制御部14は、例えば、バッテリ2のSOCが予め定められた値以下となった場合に充電が必要であると判定し、バッテリ2の充電を行う。
【0027】
ここで、充電制御部14がバッテリ2の充電を行う際に、バッテリ2の充電可能電力よりも燃料電池1の最低発電電力が大きい場合がある。この場合、充電制御部14は、燃料電池1の出力電力をバッテリ2及びブレーキレジスタ4に供給してバッテリ2を充電する。その際、充電制御部14は、燃料電池1の出力電力のうち、バッテリ2の充電可能電力を超えた分の電力を、ブレーキレジスタ4に供給して消費させる。例えば、充電制御部14は、消費すべき電力をブレーキレジスタ4に対して指示することによって、ブレーキレジスタ4で電力を消費させてもよい。
【0028】
このように、充電制御部14は、バッテリ2の充電可能電力が燃料電池1の最低発電電力を下回っている場合、ブレーキレジスタ4による電力消費を能動的に実施し、燃料電池1が最低発電電力を維持できるように制御する。なお、バッテリ2を充電する際に、モータ3及び補機5が電力を使用していることがある。この場合、充電制御部14は、燃料電池1の出力電力のうち、バッテリ2の充電可能電力を超えた分の電力からモータ3及び補機5の消費電力を除いた分の電力を、ブレーキレジスタ4で消費させる。
【0029】
次に、電力管理装置100で行われるバッテリ2の充電処理の流れの一例について説明する。図3は、バッテリ2の充電処理の流れを示すフローチャートである。図3に示されるフローチャートの処理は、燃料電池自動車Vが走行可能状態になると共に開始される。また、処理がエンドに至った場合、例えば、所定時間後に再びスタートから処理が開始される。
【0030】
図3に示されるように、充電制御部14は、バッテリ2のSOCを監視する(S101)。そして、充電制御部14は、バッテリ2のSOCに基づいて、バッテリ2に充電が必要であるか否かを判定する(S102)。充電が必要でない場合(S102:NO)、充電制御部14は、充電が必要となるまでS101及びS102の処理を繰り返す。
【0031】
バッテリ2の充電が必要である場合(S102:YES)、発電制御部13は、モータ3及び補機5における消費電力を取得する(S103)。充電電力取得部11は、バッテリ2を充電する際にバッテリ2が受電可能な充電可能電力を取得する(S104)。発電電力取得部12は、燃料電池1の最低発電電力を取得する(S105)。充電制御部14は、燃料電池1の最低発電電力がバッテリ2の充電可能電力よりも大きいか否かを判定する(S106)。
【0032】
最低発電電力が充電可能電力よりも大きい場合(S106:YES)、発電制御部13は、モータ3及び補機5における電力消費量と、バッテリ2の充電可能電力とに基づいて、燃料電池1に対して電力の出力要求を行う(S107)。なお、発電制御部13は、最低発電電力が充電可能電力よりも大きい場合であっても、燃料電池1の出力電力が最低発電電力以上となるように燃料電池1に対して電力の出力要求を行う。また、充電制御部14は、ブレーキレジスタ4に対して、消費すべき電力を指示する。
【0033】
次に、充電制御部14は、燃料電池1の出力電力によってバッテリ2を充電する(S108)。その際、充電制御部14は、バッテリ2の充電可能電力を超えた分の電力のうち、補機5等でも消費されない分の電力をブレーキレジスタ4に供給し、ブレーキレジスタ4によって電力を消費させる。
【0034】
一方、最低発電電力が充電可能電力よりも大きくない場合(S106:NO)、発電制御部13は、モータ3及び補機5における電力消費量と、バッテリ2の充電可能電力とに基づいて、燃料電池1に対して電力の出力要求を行う(S109)。この場合、充電可能電力が最低発電電力よりも大きいため、燃料電池1に対して最低発電電力以上の電力の出力要求が行われる。次に、充電制御部14は、燃料電池1の出力電力によってバッテリ2を充電する(S110)。その際、燃料電池1の出力電力がブレーキレジスタ4で消費されることがない。
【0035】
以上のように、この電力管理装置100では、バッテリ2の充電可能電力よりも燃料電池1の最低発電電力が大きい場合、燃料電池1の出力電力が最低発電電力以上となるように燃料電池1を制御する。そして、燃料電池1の出力電力は、バッテリ2及びブレーキレジスタ4に供給され、バッテリ2を充電する。すなわち、バッテリ2の充電可能電力よりも燃料電池1の最低発電電力が大きい場合であってもブレーキレジスタ4によって電力を消費できるため、燃料電池1の出力電力を最低発電電力以上とすることができる。これにより、電力管理装置100は、燃料電池1の性能低下を抑制しつつ、バッテリ2を充電することができる。
【0036】
また、バッテリ2の状態によって、バッテリ2の充電可能電力が変化することがある。例えば、SOCが100%近傍となるまでバッテリ2を充電する場合、及びバッテリ2の温度が高い場合に、充電可能電力が制限される(低くなる)ことがある。このように充電可能電力が低くなった場合であっても、ブレーキレジスタ4によって電力を消費できるため、燃料電池1の性能低下を抑制しつつバッテリ2を充電することができる。
【0037】
充電制御部14は、燃料電池1の出力電力のうち、バッテリ2の充電可能電力を超えた分の電力をブレーキレジスタ4に供給する。この場合、電力管理装置100は、バッテリ2に対して過剰に電力が供給されることを防止でき、バッテリ2の劣化を抑制できる。
【0038】
電力管理装置100は、ブレーキレジスタ4を用いることにより、充電可能電力を超えた分の電力を、ブレーキレジスタ4によって効率よく消費できる。
【0039】
ここで、例えば、燃料電池1は、指示された電力を精度よく出力できない場合がある。このような場合、電力管理装置100は、ブレーキレジスタ4による電力消費の制御を積極的に行うことによって、バッテリ2へ供給する電力を精度よく制御することができる。すなわち、電力管理装置100は、燃料電池1の能力(電力供給の精度)をブレーキレジスタ4による電力消費の制御によって補うことができ、燃料電池1の能力以上の高精度な電力制御が可能となる。従って、電力管理装置100は、電費及びドライバビリティの向上を図ることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、電力管理装置100は、ブレーキレジスタ4によって電力を消費させることに限定されない。例えば、電力管理装置100は、ブレーキレジスタ4に代えて補機5によって電力を消費させてもよい。この場合、電力管理装置100は、例えば補機5のエアコン(車両電気機器)によって電力を消費させることにより、バッテリ2の充電可能電力を超えた分の電力で車内の空調も行うことができる。これにより、電力管理装置100は、さらなる電費の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0041】
1…燃料電池、2…バッテリ、3…モータ、4…ブレーキレジスタ(車両電気機器)、5…補機(車両電気機器)、11…充電電力取得部、12…発電電力取得部、13…発電制御部、14…充電制御部、100…電力管理装置、V…燃料電池自動車。
図1
図2
図3