(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139504
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】缶底面の塗装方法及び塗装装置
(51)【国際特許分類】
B05D 1/02 20060101AFI20220915BHJP
B05D 3/06 20060101ALI20220915BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20220915BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20220915BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20220915BHJP
B05B 13/02 20060101ALI20220915BHJP
B05B 17/06 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B05D1/02 Z
B05D3/06 102Z
B05D3/00 D
B05D3/00 C
B05D7/14 F
B05D7/00 N
B05B13/02
B05B17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039924
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】305060154
【氏名又は名称】アルテミラ製缶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】川村 康晴
【テーマコード(参考)】
4D074
4D075
4F035
【Fターム(参考)】
4D074AA01
4D074BB02
4D074DD03
4D074DD70
4D075AA01
4D075AA52
4D075AA53
4D075AA55
4D075AA59
4D075AA63
4D075AA71
4D075AA76
4D075AA81
4D075AA85
4D075AB01
4D075AE19
4D075BB06X
4D075BB06Z
4D075BB13X
4D075BB28Z
4D075BB42Z
4D075BB46Z
4D075BB56Z
4D075BB57Y
4D075BB65X
4D075CA17
4D075CA38
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA15
4D075DA19
4D075DA20
4D075DA31
4D075DB02
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4D075DC42
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4D075EB24
4D075EB33
4D075EB35
4D075EB38
4D075EB47
4D075EC37
4F035AA03
4F035CA02
4F035CA05
4F035CB02
4F035CB13
4F035CC04
(57)【要約】
【課題】焼き付けのためのオーブンを必要とすることなく、ドーム部等の凹部を含めた缶の底面を塗装して、レトルト殺菌時等における変色の発生を防止する。
【解決手段】有底円筒状の缶の底面を下方に向けた状態で搬送しながら、底面に下方から紫外線硬化型塗料を噴霧して付着させた後、該紫外線硬化型塗料が付着した底面に紫外線を照射することで紫外線硬化型塗料を硬化させる方法であり、紫外線硬化型塗料に超音波振動を付与することで霧化させ、霧化させた紫外線硬化型塗料を底面に付着させるとよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底円筒状の缶の底面を下方に向けた状態で搬送しながら、前記底面に下方から紫外線硬化型塗料を噴霧して付着させた後、該紫外線硬化型塗料が付着した前記底面に紫外線を照射することで前記紫外線硬化型塗料を硬化させることを特徴とする缶底面の塗装方法。
【請求項2】
前記紫外線硬化型塗料に超音波振動を付与することで霧化させ、霧化させた前記紫外線硬化型塗料を前記底面に付着させることを特徴とする請求項1に記載の缶底面の塗装方法。
【請求項3】
有底円筒状の缶の底面を下方に向けた状態で搬送する搬送装置と、該搬送装置の前半部分の下方に配置された紫外線硬化型塗料を溜める塗料貯留槽と、前記搬送装置の後半部分の下方に配置され、搬送中の前記缶の底面を照射する紫外線照射装置と、を有し、前記塗料貯留槽に、紫外線硬化型塗料を搬送中の前記缶の底面に向けて噴霧する噴霧装置が設けられていることを特徴とする缶底面の塗装装置。
【請求項4】
前記噴霧装置は、紫外線硬化型塗料に超音波を付与して霧化させることを特徴とする請求項3に記載の缶底面の塗装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶底面を塗装する方法及び塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムやスチール製の缶として、缶胴と蓋とからなる、いわゆる2ピース缶が知られている。この缶は、缶胴が金属板の絞りしごき加工(DI加工)により有底円筒状に形成される。この絞りしごき加工後は、缶を洗浄した後、外面印刷され、底面塗装、内面塗装が施される。
【0003】
例えば特許文献1には、DI缶体の製造方法として、カップ成形、絞りしごき成形、脱脂・洗浄、印刷、焼き付け、底面塗装、内面塗装、焼き付け、首部加工の順でなされる旨の記載がある。この場合、缶底面の塗装は、アルミニウム缶においては滑性を目的とし、スチール缶においては滑性と防錆を目的とし、缶底部の接地面に塗装することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、無端ベルトの表面に塗料を付着させておき、チェーンコンベアにより搬送される缶の底部に無端ベルトを押し付けて、接地部に塗料を転写させる塗装方法が開示されている。
【0005】
このようにして製造される製品としての缶には、飲料が充填される。その飲料がコーヒー等の場合には、充填後に100℃を超える温度でレトルト殺菌がなされ、ジュース等の場合には、70℃程度の温水による殺菌がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-166083号公報
【特許文献2】特開平1-44384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、缶胴の底部は、リング状の接地部の内側に耐圧性向上のため、凹球面状に形成されたドーム部が設けられている。接地部は、こののドーム部の外側を囲むように環状に形成される。
上記の各塗装方法では、接地部にのみ塗装しており、凹部となるドーム部等には塗装していない。滑性の向上が目的であれば、接地部のみの塗装でも十分であるが、充填後にレトルト殺菌や温水殺菌がなされる場合には、塗装されていない底部のドーム部において変色が生じる不具合がある。
この場合、ドーム部を含めた缶底部にスプレー塗装することも可能であるが、塗料の焼き付けのためのオーブンが必要であるとともに、焼き付けの終了まで、缶の底面を接地させない状態を保持しておく必要があり、取り扱い性が悪い。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、焼き付けのためのオーブンを必要とすることなく、ドーム部等の凹部を含めた缶の底面を塗装して、レトルト殺菌時等における変色の発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の缶底面の塗装方法は、有底円筒状の缶の底面を下方に向けた状態で搬送しながら、前記底面に下方から紫外線硬化型塗料を噴霧して付着させた後、該紫外線硬化型塗料が付着した前記底面に紫外線を照射することで前記紫外線硬化型塗料を硬化させる。
【0010】
缶の底面を下方に向けた状態で搬送しながら、その下方から紫外線硬化型塗料を噴霧するので、ドーム部等の凹部を含めた底面の全面に塗料を付着させることができ、また、缶の底面に付着されなかった塗料は下方に落下する。このため、噴霧位置には缶の下方に塗料貯留槽を設けておくことにより、缶の底面に付着しなかった塗料が塗料貯留槽に落下し、周辺を汚染することを防止することができる。また、紫外線硬化型塗料は紫外線照射により硬化するので、オーブン等の焼き付け装置が不要になるとともに、短時間で硬化するので、その後、通常のコンベア等にて底面を支持して搬送することができる。
【0011】
この缶底面の塗装方法において、前記紫外線硬化型塗料に超音波振動を付与することで塗料を霧化させ、霧化させた前記紫外線硬化型塗料を前記底面に付着させるとよい。
超音波振動を付与することで紫外線硬化型塗料の微細な液滴が飛散し、缶の底面に付着させやすくすることができる。
【0012】
本発明の缶底面の塗装装置は、有底円筒状の缶の底面を下方に向けた状態で搬送する搬送装置と、該搬送装置の前半部分の下方に配置された紫外線硬化型塗料を溜める塗料貯留槽と、前記搬送装置の後半部分の下方に配置され、搬送中の前記缶の底面を照射する紫外線照射装置と、を有し、前記塗料貯留槽に、紫外線硬化型塗料を搬送中の前記缶の底面に向けて噴霧する噴霧装置が設けられている。
この場合、前記噴霧装置は、紫外線硬化型塗料に超音波を付与して霧化させるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、缶の底面を下方に向けた状態で搬送しながら、その底面に紫外線硬化型塗料を付着させて紫外線硬化させるので、周辺を汚染することなく、ドーム部等の凹部を含めた缶の底面を塗装することができ、レトルト殺菌時等における変色の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態の塗装方法が適用される缶の縦断面図である。
【
図2】その塗装方法が適用された缶の製造方法のフローチャートである。
【
図3】缶の加工による形状の変遷を(a)から(c)の順に示す断面図である。
【
図4】実施形態で用いられる塗装装置のレイアウトを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
本発明が適用される缶について説明しておくと、この缶1は、
図1に示すように、有底円筒状に形成され、ストレートの円筒状の胴部2に底部3が一体に形成されている。
その底部3は、凹状に湾曲したドーム部5、その外周縁に連続し、缶軸C方向下方に向かうにしたがって漸次拡径する内側テーパ壁部6、内側テーパ壁部6の外周縁に連続し、テーブル等に置いたときに接地部となるリム部7、リム部7の外周端から胴部2の最下端につながるテーパ状の立ち上がり部8を連続させた形状である。
【0017】
ドーム部5は、缶軸C上の位置において、リム部7先端からの距離が最も大きい凹状である。リム部6は、缶軸C周りにリング状に形成され、缶軸Cの下方に向けて凸となる屈曲面に形成され、その最も突出位置が接地部となる。このリム部6の最外周端と胴部2の最下端との間が立ち上がり部8により連結されている。
図1に示す缶1は、その後、開口部9を構成している端部にネッキング加工等が施される。
【0018】
この缶1の製造工程は、
図2及び
図3に示すように、金属板を絞り成形してカップ11を形成するカップ成形工程、そのカップ11を絞りしごき加工によって有底円筒状の缶1に形成する絞りしごき工程と、その缶1の外周面に印刷を施す印刷工程と、缶1の外面を加熱してインクを焼き付ける印刷面焼付工程と、印刷後の缶1の底面に塗装する底面塗装工程と、その底面に付着した塗料を硬化させる底面塗料硬化工程と、底面の塗装後の缶1の内面に塗装する内面塗装工程と、缶1を加熱して内面の塗料を焼き付ける内面塗料焼付工程と、缶1の開口部9付近をネッキング等の加工を施して首部12を有する製品缶13を形成する首部成形工程と、を有する。製品缶13の底部3は、絞りしごき加工によって形成された缶1の底部3の形状のままである。
なお、缶1の底面は、ドーム部5、内側テーパ壁部6、リム部7及び立ち上がり部8の表面全体をいう(
図1参照)。
【0019】
この製造工程のうち、カップ成形工程から印刷面焼き付け工程、内面塗装工程から首部加工工程は、従来の缶と同様の工程である。底面塗装工程及び底面塗料硬化工程が従来と異なる方法であり、その工程に用いられる塗装装置21及びその塗装方法の詳細について説明する。
【0020】
(缶底面の塗装装置)
実施形態の缶底面の塗装装置21は、
図4に模式的に示したように、1缶ずつ搬送される缶1を受け入れる導入路22と、導入路22で搬送されてくる缶1を吸引し、底面を下方に向けて搬送する吸引搬送路23と、吸引搬送路23の終端で缶1を受け取り次の工程に向けて送り出す搬出路24と、吸引搬送路23で搬送される途中の缶1の底面に向けて紫外線硬化型塗料を噴霧する噴霧装置31を有する塗料貯留槽32と、缶1の底面に付着した紫外線硬化型塗料に紫外線を照射して硬化させる紫外線照射装置33とを備えている。
【0021】
導入路22及び搬出路24はいずれも通常のコンベアからなり、正立姿勢の缶1を載置させ、その下方を支持した状態で搬送する。
【0022】
吸引搬送路23は、多数の通気孔を備える無端状の搬送ベルト23aを回転走行させ、その搬送ベルト23aの内側に対向して配置した減圧チャンバによって通気孔から吸引力を生じ、缶1を搬送ベルト23aに吸引保持して搬送することができるものである。この吸引搬送路13は、その搬送ベルト23aが、導入路22の終端部の真上に配置されることにより、導入路22に接続されるように設けられている。そして、導入路22の終端部において、缶1の開口部9の直上に搬送ベルト23aが対峙し、該缶1を吸引して開口部9を搬送ベルト23aに吸着させる。吸着された缶1は、その底面を下方に向けた状態で搬送される。また、搬送ベルト23aの終端部は排出路24と対峙しており、この終端部で吸着した缶1の真空引きを解放することにより、缶1を搬出路24に受け渡すことができる。
【0023】
塗料貯留槽32は、吸引搬送路23の前半部分における途中位置の真下に設けられており、紫外線硬化型塗料Wを貯留している。この紫外線硬化型塗料Wには、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレート、脂環式エポキシ、グリシジル型エポキシ、オキセタン系化合物系のオリゴマー及び多官能アクリレート、単官能アクリレート、ビニルエーテルなどのモノマーを主成分とし、ベンゾフェノン、アセトフェノン、スルホニウム系の重合開始剤を含有する。オリゴマーは、蒸発しにくいため、飛散したものの回収も容易である。必要に応じ重合禁止剤、各種添加剤(レベリング剤、消泡剤、粘度調整剤)が用いられる。
噴霧装置31は、塗料貯留槽32に貯留されている紫外線硬化型塗料Wに超音波を付与して、液面から霧状に飛散させるものである。そして、噴霧装置31の真上を缶1が通過するときに、霧状に噴霧されている紫外線硬化型塗料が缶1の底面に付着する。缶1の底面に付着しなかった紫外線硬化型塗料は、その後落下して塗料貯留槽32に戻される。塗料貯留槽32には、ポンプ34を有する循環装置35が設けられており、塗料が循環させられる。
【0024】
また、噴霧装置31の上方の空間を除いて、その周辺を塞ぐようにエアシャワー装置36が設けられている。このエアシャワー装置36は、中央部に開口37が形成され、この開口部37を通して紫外線硬化型塗料が缶1の底面に噴霧されるが、開口37の周辺ではエアの下降流を生じさせて、飛散した紫外線硬化型塗料を速やかに塗料貯留槽32に戻すようにしている。
【0025】
一方、紫外線照射装置33は、吸引搬送路23の後半部分における途中位置の真下に設けられており、吸引搬送路23を搬送される缶1の底面に紫外線を照射する。紫外線硬化型塗料は、積算光量150J/cm2以上の紫外線照射によって硬化させることができる。
【0026】
(缶底面の塗装方法)
以上の塗装装置21を用いて、缶1の底面に塗装する方法について説明する。
外面印刷が施された缶1が搬入路22から送られてくると、吸引搬送路23が缶1を吸引し、その底面を下方に向けて搬送する。その搬送途中で噴霧装置31により缶1の底面に紫外線硬化型塗料の噴霧を受けることにより、底面に紫外線硬化型塗料が付着する。下方からの噴霧であるので、底面のリム部7だけでなく、ドーム部5や内側テーパ部6の内面、外周面の立ち上がり部8の表面にも紫外線硬化型塗料を付着させることができる。
【0027】
また、この塗装は、缶1の下方から噴霧した紫外線硬化型塗料を付着させるので、付着されなかった塗料は塗料貯留槽32に落下して回収することができる。さらに、塗装位置の周辺にはエアシャワー装置36が設けられているため、噴霧された紫外線硬化型塗料がエアシャワーの下降流によって塗料貯留槽32に落とされる。このため、紫外線硬化型塗料の飛散が限られた範囲に抑制され、周辺機器を汚染することも防止される。ただし、このエアシャワー装置36は、紫外線硬化型塗料の粘度調整等によって飛散を抑制できれば、省略することも可能である。
【0028】
なお、吸引搬送装置23により缶1は一定速度で搬送されるが、その搬送速度は、紫外線硬化型塗料が所望の付着量となるように設定される。あるいは、吸引搬送装置23による缶1の搬送を間欠搬送とし、付着量が所望量となるまで、紫外線硬化型塗料の噴霧装置31の真上で缶1の搬送を停止するようにしてもよい。
【0029】
そして、紫外線硬化型塗料が付着した缶1は、次の紫外線照射装置33で底面に紫外線が照射されることにより、紫外線硬化型塗料が硬化して、底面に塗膜が形成される。塗膜は厚さ0.05μm以上1μm以下である。
前述したように吸引搬送装置23の搬送速度は紫外線硬化型塗料の付着量に応じて設定されており、その搬送速度において所定量の紫外線照射量(照度×照射時間)を確保できるように、紫外線照射装置の照度や長さ(搬送方向に沿う長さ)が設定される。
【0030】
次いで、吸引搬送装置23の終端部で缶1に対する真空引きが解放されることにより、搬出路24に受け渡され、次の工程へと搬出される。なお、必要に応じて、底部3のリム部7には、従来と同様、滑性向上のために、ロールコーター等を用いて塗料をさらに塗布してもよい。
【0031】
このようにして底面に塗膜が形成された缶1は、その後、内面塗装が施され、開口部9にネッキング加工等が施された後、製品缶13として出荷され、飲料が充填される。その飲料に応じて、レトルト殺菌や温水殺菌がされることがある。この場合、底部3のドーム部6等に塗装が施されていないと、表面に黒変が生じるおそれがあるが、この缶1は胴部2の外周面は印刷が施されており、底面(ドーム部5、内側テーパ壁部6、リム部7及び立ち上がり部8の表面)も紫外線硬化型塗料による塗膜が形成されているため、レトルト殺菌や温水殺菌等を経た後も、変色等が防止される。
【0032】
なお、底面塗装を印刷工程の後に行うようにしたが、上述したように、紫外線硬化型塗料は塗布後に速やかに硬化できるので、オーブン等の長大な設備が不要であり、したがって、印刷工程の後だけでなく、首部成形工程等の後に底面塗装工程、及びその硬化工程を実施するようにしてもよい。その場合、従来と同様に缶1の底部3のリム部7へのロールコーターでの塗装を印刷工程等の後に行ってもよい。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では紫外線硬化型塗料に超音波を付与して霧化させることで缶1の底面に塗布したが、紫外線硬化型塗料の粘度を調整することにより、ノズルを用いて缶1の底面に塗料を吹き付けてもよい。
あるいは、吸引搬送路を途中で下方に屈曲させるなどにより、塗料貯留槽32内の塗料Wに缶1の底部3を浸漬させることにより、紫外線硬化型塗料を付着させてもよい。さらに、超音波による噴霧以外にも、塗料貯留槽32の液面で紫外線硬化型塗料Wを泡立てることにより、その泡が缶1の底部3に付着することで塗装してもよい。
さらに、底部は、ドーム部はフラットな平面形状(缶軸に直交する平面形状)であるフラット部としてもよい。これらドーム部及びフラット部により缶の底部に凹部が形成される。また、立ち上がり部が存在しない、リム部、内側テーパ壁部、ドーム部またはフラット部からなる底部とし、リム部の外周縁からストレートの胴部が連続する形状であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 缶
2 胴部
3 底部
5 ドーム部
6 内側テーパ壁部
7 リム部
8 立ち上がり部
9 開口部
11 カップ
12 首部
13 製品缶
21 塗装装置
22 導入路
23 吸引搬送路
24 搬出路
31 噴霧装置
32 塗料貯留槽
33 紫外線照射装置
36 エアシャワー装置