(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139513
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】支援システム、支援システムのコンピュータプログラム、及び支援システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220915BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039935
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】592239763
【氏名又は名称】株式会社ミスミグループ本社
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】中川 賢治
(72)【発明者】
【氏名】浅野 智弘
(72)【発明者】
【氏名】宋 美沙
(72)【発明者】
【氏名】門林 渉
(72)【発明者】
【氏名】山口 慎平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】物品に関する正しい情報を簡便なコミュニケーションで共有する。
【解決手段】物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システム100は、物品の3次元モデルデータをユーザの指示に基づいて取得する取得手段34と、3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した物品を表現した物品画面をユーザ及びサプライヤの一方に提示する物品提示手段34Aと、提示された物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、視点を特定する視点情報を含むように生成する注記データ生成手段34Bと、生成された注記データを取得する注記データ取得手段34Cと、注記データに含まれている視点情報に対応する視点から、取得された注記データに基づく注記画面を、ユーザ及びサプライヤの他方に提示する注記提示手段36Bと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、前記物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システムであって、
前記物品の3次元モデルデータを前記ユーザの指示に基づいて取得する取得手段と、
前記3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した前記物品を表現した物品画面を前記ユーザ及び前記サプライヤの一方に提示する物品提示手段と、
提示された前記物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、前記視点を特定する視点情報を含むように生成する注記データ生成手段と、
前記生成された注記データを取得する注記データ取得手段と、
前記注記データに含まれている前記視点情報に対応する視点から、前記取得された注記データに基づく前記注記画面を、前記ユーザ及び前記サプライヤの他方に提示する注記提示手段と、を備える支援システム。
【請求項2】
前記物品提示手段は、前記ユーザ又は前記サプライヤの指示に基づいて、前記視点とは異なる他の視点から観察した前記物品を表示する請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記注記データ生成手段は、前記視点から観察した前記物品を表現した物品画像と、前記物品画像と共に提示される前記注記情報とを含むように、前記注記データを生成する請求項1又は2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記注記データ生成手段は、前記視点情報が複数の視点を特定するように前記注記データを生成し、
前記注記提示手段は、前記ユーザ又は前記サプライヤの指示に基づいて、前記複数の視点の中から特定される特定視点から前記物品が表示されるように前記注記画面の提示態様を変更可能である請求項1から3のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記物品関連サービスには、前記サプライヤによる前記物品の製造を前記作業として必要とする物品製造サービスが含まれ、
前記注記情報は、前記物品の製造に対して指示されるべき製造条件の少なくとも一部に関する前記ユーザの要求を示す請求項1から4のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項6】
前記ユーザと前記サプライヤとに対して、前記コミュニケーションの機能を提供するコミュニケーション手段をさらに備えている請求項1から5のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項7】
前記取得手段は、前記物品に対して前記サプライヤが行うべき作業の条件を指定する作業条件を、前記ユーザの指示に基づいてさらに取得し、
前記支援システムは、前記サプライヤが前記物品関連サービスを提供するための提供要件を示し且つ前記注記情報を含む確定情報を、前記ユーザ及び前記サプライヤが確認できるように保存する記憶手段をさらに備える請求項1~4のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項8】
コンピュータを備え、物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、前記物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システムのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記物品の3次元モデルデータを前記ユーザの指示に基づいて取得する取得手段と、
前記3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した前記物品を表現した物品画面を前記ユーザ及び前記サプライヤの一方に提示する物品提示手段と、
提示された前記物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、前記視点を特定する視点情報を含むように生成する注記データ生成手段と、
前記生成された注記データを取得する注記データ取得手段と、
前記注記データに含まれている前記視点情報に対応する視点から、前記取得された注記データに基づく前記注記画面を、前記ユーザ及び前記サプライヤの他方に提示する注記提示手段と、して機能させる支援システムのコンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータを備え、物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、前記物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システムの制御方法であって、
前記コンピュータに、
前記物品の3次元モデルデータを前記ユーザの指示に基づいて取得させ、
前記3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した前記物品を表現した物品画面を前記ユーザ及び前記サプライヤの一方に提示させ、
提示された前記物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、前記視点を特定する視点情報を含むように生成させ、
前記生成された注記データを取得させ、
前記注記データに含まれている前記視点情報に対応する視点から、前記取得された注記データに基づく前記注記画面を、前記ユーザ及び前記サプライヤの他方に提示させる、支援システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注記情報を書き込んだ注記画面を提示してコミュニケーションを支援する支援システム、支援システムのコンピュータプログラム、及び支援システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動見積りシステムが開示されている。この自動見積りシステムにおいては、形状認識処理部が、ユーザが入力した形状データに記載されたアイテムの形状を認識する。そして、表示情報処理部は、ユーザが入力したアイテムの種類及び認識されたアイテムの形状に基づいて、選択し得る製造条件を取得する。さらに、表示処理部が、表示画面中のアイテム形状表示部に、認識したアイテムの概形を表示し、かつ製造条件選択部に製造条件を表示する。ユーザは、製造条件選択部に表示された製造条件のうちから任意の製造条件を選択する。そして、ユーザは、表示部に表示されている見積開始部を選択し、自動見積りシステムに見積もり処理を開始させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスの提供を求めるユーザは、見積もり等の手順を踏んで、物品関連サービスを提供するサプライヤと取引を成立させる。このとき、ユーザ又はサプライヤの一方が、作業に関連する要求等の情報を他方に伝えたい場合がある。しかし、異なる場所にいるユーザとサプライヤとがコミュニケーションを取る場合には、ユーザとサプライヤとの環境が異なる。そのため、対面して情報を伝える場合と比較して、正しい情報を共有するためにコミュニケーションを繰り返す必要があり、コミュニケーションが煩雑になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る支援システムは、物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、前記物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システムであって、前記物品の3次元モデルデータを前記ユーザの指示に基づいて取得する取得手段と、前記3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した前記物品を表現した物品画面を前記ユーザ及び前記サプライヤの一方に提示する物品提示手段と、提示された前記物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、前記視点を特定する視点情報を含むように生成する注記データ生成手段と、前記生成された注記データを取得する注記データ取得手段と、前記注記データに含まれている前記視点情報に対応する視点から、前記取得された注記データに基づく前記注記画面を、前記ユーザ及び前記サプライヤの他方に提示する注記提示手段と、を備える。
【0006】
本発明の一態様に係る支援システムのコンピュータプログラムは、コンピュータを備え、物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、前記物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システムのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記物品の3次元モデルデータを前記ユーザの指示に基づいて取得する取得手段と、前記3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した前記物品を表現した物品画面を前記ユーザ及び前記サプライヤの一方に提示する物品提示手段と、提示された前記物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、前記視点を特定する視点情報を含むように生成する注記データ生成手段と、前記生成された注記データを取得する注記データ取得手段と、前記注記データに含まれている前記視点情報に対応する視点から、前記取得された注記データに基づく前記注記画面を、前記ユーザ及び前記サプライヤの他方に提示する注記提示手段と、して機能させる。
【0007】
本発明の一態様に係る支援システムの制御方法は、コンピュータを備え、物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、前記物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システムの制御方法であって、前記コンピュータに、前記物品の3次元モデルデータを前記ユーザの指示に基づいて取得させ、前記3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した前記物品を表現した物品画面を前記ユーザ及び前記サプライヤの一方に提示させ、提示された前記物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、前記視点を特定する視点情報を含むように生成させ、前記生成された注記データを取得させ、前記注記データに含まれている前記視点情報に対応する視点から、前記取得された注記データに基づく前記注記画面を、前記ユーザ及び前記サプライヤの他方に提示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、物品に関連した作業を必要とする物品関連サービス(以下、単に「サービス」ともいう)を提供するサプライヤと、物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するための支援システムの一例である取引支援システム100を示している。取引支援システム100は、サービスを提供するサプライヤと、サービスの提供を求めるユーザとの間でサービスを提供するための提供要件(一例として、サプライヤが受け入れ可能な製品仕様)を確定させることによって、取引の成立を支援する。なお、取引は、サービス提供の合意、例えば製造、加工、データ作成、又は測定等のサービスを提供することの合意を含む。また、取引は、サービス提供に関係する他の作業を提供することの合意、例えば、見積り、仕様書の作成、又は紹介等の作業を提供することの合意を含む。
【0010】
取引支援システム100は、ネットワークシステム又はクライアントサーバシステムとして構成されている。ただし、取引支援システム100は、単独のサーバ装置から構成されていてもよい。また、取引支援システム100は、取引支援サーバ20と、取引支援サーバ20とネットワーク50を介して通信可能に接続されたクライアントとしてのユーザ端末40及びサプライヤ端末60とを含んでいる。ユーザ端末40及びサプライヤ端末60は、ネットワーク接続が可能であるコンピュータ装置である。例えば、ユーザ端末40は、据え置き型のコンピュータ装置41、又はスマートフォン等の携帯端末42といったネットワーク接続が可能な各種のデバイスを含んでいる。同様に、サプライヤ端末60は、コンピュータ装置61又は携帯端末62等のデバイスを含んでいる。
【0011】
取引支援サーバ20は、複数のコンピュータとしてのサーバユニット21が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニット21により取引支援サーバ20が構成されていてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的に取引支援サーバ20が構成されていてもよい。取引支援サーバ20は、ユーザ端末40からユーザを識別するユーザ識別情報を受け取って認証してもよい。また、取引支援サーバ20は、サプライヤ端末60からサプライヤを識別するサプライヤ識別情報を受け取って認証してもよい。
【0012】
さらに、取引支援サーバ20は、認証したユーザ又はサプライヤがアップロードした各種データを保存してもよい。この場合、取引支援サーバ20は、保存しているデータを、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60に提供してもよい。また、取引支援サーバ20は、ユーザが注文したサービスの手配、製品の配送、サービスの提供に対する料金の請求といった処理を行ってもよい。そして、取引支援サーバ20は、サプライヤによるサービスの提供に対する料金をユーザから徴収してもよい。さらに、取引支援サーバ20は、取引支援システム100を利用する手数料をユーザ又はサプライヤから徴収してもよい。
【0013】
ネットワーク50は、取引支援サーバ20に対してユーザ端末40及びサプライヤ端末60をそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、LAN52が、取引支援サーバ20とインターネット51とを接続している。そして、WANとしてのインターネット51とLAN52とが、ルータ53を介して接続されている。ユーザ端末40及びサプライヤ端末60も、インターネット51に接続されるように構成されている。また、ネットワーク50は、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。取引支援サーバ20のサーバユニット21は、LAN52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。
【0014】
ユーザ端末40及びサプライヤ端末60は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、取引支援サーバ20による支援をユーザ及びサプライヤに享受させることが可能である。また、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60は、ディスプレイ又はタッチパネル等の表示装置である表示部を備えているか、又は表示部に有線若しくは無線接続されている。なお、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60は、ブック型のパーソナルコンピュータ、又は携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置であってもよい。
【0015】
取引支援サーバ20は、サプライヤとユーザとの取引の成立させるために必要な各種の手順をユーザ端末40及びサプライヤ端末60を介して案内する。一例として、取引支援サーバ20は、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60からのアクセスに応じて各種のウェブページをユーザ端末40及びサプライヤ端末60上に表示させるウェブサーバとして構成される。以下では、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60がウェブブラウザを使用してウェブページを表示する場合を例に挙げて説明する。
【0016】
[案内される手順の概略]
一例として、取引支援サーバ20は、以下のような手順を案内する。まず、ユーザは、ユーザ端末40から取引支援サーバ20が提供するウェブページにアクセスする。そして、取引支援サーバ20は、予め取得していたユーザ識別情報及びパスワード等のユーザ毎に記憶されているユーザ情報を利用してユーザ端末40を認証する。また、取引支援サーバ20は、ユーザに対して提供可能な複数の物品関連サービスを含んだサービス候補群を提示する。サービス候補群を構成する各サービスは、サービスの選択に関して利用される各サービスのサービス情報と対応付けられている。一例として、取引支援サーバ20は、サービス候補群を構成するサービスとして、各カードを識別するカード識別情報を介してサービス情報と対応付けられた仮想カード(以下、「サービスカード」ともいう。)を、ユーザ端末40の表示部に並べて表示させる。
【0017】
ユーザは、表示されたサービス候補群の中から、求めるサービスに対応するサービスカードを見つけ出す。例えば、ユーザがサービスカードを指定すると、取引支援サーバ20は、サービス情報の少なくとも一部を表示させる。一例として、サービス情報は、サービスカードに対応付けられたサービスの内容を示す内容情報、各サービスを提供するサプライヤをユーザに把握させるためのサプライヤ情報、サプライヤによって提供されるサービスの事例を示す事例情報を含んでいる。そして、ユーザは、サービス情報を利用して、求めるサービスに対応するサービスカードを選択する。なお、本明細書において、ユーザによる指定は、アイコン等に対するタッチ操作又はクリック操作等の入力装置を介した操作による指定に加えて、音声入力等による指定、又は何らかのユーザ操作に付随してシステムが自動的に行う指定を含む。
【0018】
ユーザによる選択操作に応じて、取引支援サーバ20は、サービスカードを選択してユーザ情報に関連付ける。一例として、取引支援サーバ20は、カード識別情報をユーザ識別情報と関連付けて記憶する。そして、ユーザが選択したサービスカードを利用する操作を行うと、取引支援サーバ20は、選択したサービスカードを、提供要件を確定する複数の処理(又はタスク)を管理する単位となるプロジェクトの少なくとも一つに含める。ここで、取引支援サーバ20は、新たに作成したプロジェクトにサービスカードを含めてもよく、すでに作成されているプロジェクトにサービスカードを含めてもよい。
【0019】
ユーザがプロジェクトを選択すると、取引支援サーバ20は、提供要件を確定するためにサプライヤが必要とする情報項目を表示させる。情報項目は、選択されたプロジェクトに含まれる各サービスカード、すなわち選択された各サービスに対応して設定されている。ユーザは、情報項目に対して、ユーザの要求を特定するための要求情報(例えば、製品仕様)を入力する。そして、ユーザは、サプライヤに対して見積もりを依頼する操作を行う。また、取引支援サーバ20は、要求情報を保存して、見積もりが依頼されたことをサプライヤに対して通知する。
【0020】
サプライヤ(サプライヤの担当者を含む)は、取引支援サーバ20からの通知を確認して、サプライヤ端末60から取引支援サーバ20が提供するウェブページにアクセスする。そして、取引支援サーバ20は、予め取得していたサプライヤ識別情報及びパスワード等のサプライヤ毎に記憶されているサプライヤ情報を利用してサプライヤ端末60を認証する。また、取引支援サーバ20は、見積もりが依頼されたプロジェクトを含むプロジェクト一覧を、サプライヤ端末60の表示部に表示させる。見積もりが依頼されたプロジェクトをサプライヤが選択すると、取引支援サーバ20は、ユーザが入力した要求情報を表示させる。そして、サプライヤは、要求情報を確認して見積もりを入力して、ユーザに回答する。また、取引支援サーバ20は、見積もり内容を記憶して、見積回答されたことをユーザに対して通知する。なお、必要に応じて、ユーザ又はサプライヤは、後述するコミュニケーション機能を利用して相互に連絡することができる。
【0021】
[取引支援サーバ]
図2及び
図3を参照して、取引支援サーバ20の制御系について説明する。取引支援サーバ20は、取引支援サーバ20を制御するサーバ制御部23と、支援プログラムPGを記憶した記憶手段の一例であるサーバメモリ22とを備えている。サーバ制御部23は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、取引支援サーバ20は、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60とデータを送受信する通信装置の一例であるサーバ通信部27を備えている。なお、クラウド型のデータベースが、記憶手段として機能してもよい。
【0022】
一例として、サーバ制御部23のプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、サーバメモリ22に記憶されたプログラムに基づいて、取引支援サーバ20の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、サーバメモリ22は、コンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体である。当該記憶媒体は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。以下では、プロセッサが、ROM又はHDDに記憶されたコンピュータプログラムの一例である支援プログラムPGに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する場合を例に説明する。当該支援プログラムPGは、コンピュータの一例であるサーバ制御部23を、各機能部として機能させる。
【0023】
サーバ制御部23には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含むインターフェースが、有線又は無線接続されている。また、サーバ制御部23には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示するモニタが、有線又は無線接続されている。さらに、サーバ制御部23は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0024】
図3を参照して、サーバ制御部23についてさらに説明する。サーバ制御部23は、サービス設定手段の一例であるサービス設定部31と、情報項目設定手段の一例である情報項目設定部32と、サービス選択手段の一例であるサービス選択部33と、取得手段の一例である要求取得部34とを備えている。また、サーバ制御部23は、物品提示手段の一例である物品画像提示部34Aと、注記データ生成手段の一例である注記データ生成部34Bと、注記データ取得手段の一例である注記データ取得部34Cとを含んでいる。また、サーバ制御部23は、コミュニケーション手段の一例であるコミュニケーション部36Aと、注記提示手段の一例である注記画像提示部36Bとを含んでいる。さらに、サーバ制御部23は、管理手段の一例である管理部37と、各種の情報をユーザ又はサプライヤに提示する情報提示手段の一例である情報提示部38を備えている。
【0025】
サービス設定部31、情報項目設定部32、サービス選択部33、要求取得部34、物品画像提示部34A、注記データ生成部34B、注記データ取得部34C、コミュニケーション部36A、注記画像提示部36B、管理部37、及び情報提示部38は、サーバ制御部23が支援プログラムPGを実行することによって、それぞれ機能部として機能する。各機能部は、コンピュータハードウエアとソフトウエアとの協働によって実現される論理的装置である。なお、機能部の少なくとも一部は、ユーザ端末40又はサプライヤ端末60に設けることもできる。さらに、機能部の少なくとも一部は、外部のコンピュータ装置に設けてもよい。この場合、各装置のプログラムが協働して、支援プログラムPGとして機能する。
【0026】
[サービス設定手段]
サービス設定部31は、ユーザに対して提供可能な複数の物品関連サービスを含んだサービス候補群を、サービスの選択に関して利用される各サービスのサービス情報と対応付けて設定する。例えば、サービス設定部31は、サプライヤ又は取引支援サーバ20の管理者が入力したサービスから構成されるサービス候補群を、サービス情報と対応付けて設定する。ユーザは、サービス情報を参照することによってサービス情報を利用して、サービスを選択できる。さらに、機械学習によって作成されるAIが、ユーザから取得した情報(例えば検索に用いるキーワード及び過去の取引履歴等)に基づいて、サービス情報を参照してサービスを自動的に選択することもできる。
【0027】
また、サービス設定部31は、各サービスをユーザに把握させるための情報をサービス情報として設定する。一例として、サプライヤは、サービス候補群に含めるサービスと、当該サービスに対応するサービス情報とを、サプライヤ端末60を介して取引支援サーバ20に送る。そして、サービス設定部31は、受け取ったサービス情報と対応付けて、サービスをサービス候補群の一部として設定する。また、サービス設定部31は、各サービスをユーザに把握させるための情報の媒体として、サービスカードを設定する。他の例として、各サービスをユーザに把握させるための情報は、サービス名、画像、又は各サービスの概要を示す文字列であってもよい。
【0028】
サービス選択部33は、サービス候補群に含まれる少なくとも一部のサービスを、サービスの選択における選択肢としてユーザに提示する。一例として、サービス選択部33は、サービス候補群を構成する各サービスを示すサービスカードをユーザに提示する。ただし、サービス選択部33は、各サービスをユーザに把握させるための情報として、サービスに対応する画像又はサービス名等を複数並べて提示してもよい。一例として、物品関連サービスは、製造、加工、データ作成、又は測定等の、物品に関連したサプライヤの作業を必要とするサービスである。また、物品関連サービスは、サプライヤによる物品の製造を作業として必要とする物品製造サービスを含む。
【0029】
また、サービス情報の一例としてのカードデータ24が、サーバメモリ22に記憶されている(
図2)。カードデータ24は、サービスカードに対応付けられたサービスの内容を示す内容情報24A、各サービスを提供するサプライヤをユーザに把握させるためのサプライヤ情報24B、サプライヤによって提供されるサービスの事例を示す事例情報24Cを含んでいる。さらに、内容情報24A、事例情報24C及びサプライヤ情報24Bは、サービスカードを介してそれぞれが関連付けられている。例えば、内容情報24A、事例情報24C及びサプライヤ情報24Bは、カード識別情報と関連付けられて記憶されている。また、カードデータ24は、サービスカードを表示するために必要な各種情報、例えば、サービスに関連する画像、サービスカードの構成、及びサービスカードの表示位置等の情報を含んでいる。
【0030】
ユーザが所定の操作を行うと、内容情報24Aは、情報提示部38によって表示される。例えば、情報提示部38は、ユーザがサービスカードを指定するクリック操作等をすると、当該操作に応じたウェブページを、ユーザ端末40の表示部に表示させる。なお、情報提示部38は、ウェブページを新たなウェブページとして表示させてもよく、表示されているウェブページと同じ画面に並べて又は重ねて表示させてもよい。一例として、情報提示部38は、内容情報24Aを提示するサービス内容画面、サプライヤ情報24Bを提示するサプライヤ画面、又は事例情報24Cを提示する事例画面を表示させる。
【0031】
[情報項目設定手段]
情報項目設定部32は、提供要件を確定するためにサプライヤが必要とする情報項目を、サービス候補群に含まれる物品関連サービスごとに設定する。例えば、情報項目設定部32は、サービスを提供するサプライヤの指示に基づいて情報項目を設定する。具体的に、情報項目設定部32は、サプライヤ又は取引支援サーバ20の管理者が入力した情報項目を、ユーザがデータをアップロード、入力又は選択できる項目として設定する。例えば、サーバメモリ22が記憶している要件データ26には、各サービスの情報項目を示す情報項目データ26Aが含まれている。そして、各情報項目は、カード識別情報及びサプライヤ識別情報と関連付けた状態で、情報項目データ26Aに含まれている。サプライヤは、情報項目に対してユーザが入力又は選択した情報に基づいて、提供要件に応じることができるか否かを判断できる。これにより、サプライヤは、ユーザに対して情報の提供を繰り返し要求する必要がない。したがって、サプライヤとユーザとの間のコミュニケーション回数を低減でき、取引を成立させるための調整作業を簡素化できると共に、取引成立後に不一致が発覚することを防止できる。
【0032】
例えば、サプライヤは、サービスに対応する情報項目を、サプライヤ端末60を介して取引支援サーバ20に送る。そして、情報項目設定部32は、受け取った情報項目をカード識別情報と関連付けてサービスごとに設定して情報項目データ26Aに含める。一例として、情報項目は、ユーザの名称、連絡先、担当者名、希望価格、希望納期、サイズ、公差、色、形状、数量、サービスカテゴリ、用途、工法、材質、加工内容、後処理の有無、後処理の内容、前処理の有無、前処理の内容、及び加工等に使用する装置等である。ユーザは、プルダウン又は入力装置を介して求める物品の数量を入力又は選択できる。さらに、ユーザは、情報項目に対して3次元モデルデータ等をアップロードすることもできる。
【0033】
また、情報項目設定部32は、物品関連サービスに対してサプライヤが必要とする情報項目として、物品を特定するための3次元モデルデータ及び当該物品に対してサプライヤが行うべき作業の条件を指定する作業条件を設定する。例えば、情報項目設定部32は、3次元モデルデータをアップロードする情報項目を設定する。この場合、要求取得部34は、情報項目設定部32が設定した情報項目に対してアップロードされた3次元モデルデータを、要求情報として取得する。また、情報項目設定部32は、作業条件として、例えば、物品の製造又は加工の工法、測定方法、物品の材質、後処理の有無、後加工の有無、物品の製造又は加工に使用する装置、及び測定装置等の項目を設定する。
【0034】
さらに、サービス候補群に上述した物品製造サービスが含まれる場合、情報項目設定部32は、物品の製造に対して指示されるべき製造条件を作業条件として設定する。例えば、情報項目設定部32は、物品の製造又は加工の工法、物品の材質、後処理の有無、後加工の有無、物品の製造又は加工に使用する装置等の製造条件を作業条件の項目として設定する。
【0035】
一例として、ユーザがサービスカードの選択を完了した場合、プロジェクト一覧画面が表示される。そして、プロジェクト一覧画面には、データをアップロードさせるために設定されている情報項目として、アップロード欄が設けられている。ユーザは、ドラッグ操作及びドロップ操作、又はファイルを指定する操作等によって、所望のデータをアップロードできる。さらに、プロジェクト一覧画面において、ユーザがプロジェクトを選択すると、
図4に示すプロジェクト詳細画面が表示される。なお、選択されたプロジェクトにおいて複数のサービスカードが選択されている場合、プロジェクト詳細画面が複数表示されてもよい。または、プロジェクト詳細画面が切り替え可能に表示されてもよい。
図4は、プロジェクトAが選択された場合のプロジェクト詳細画面を示している。そして、プロジェクト詳細画面には、情報項目欄16Aが表示されており、設定されている情報項目が情報項目欄16Aに含まれている。
図4においては、情報項目欄16Aに、情報項目として、数量、サービスカテゴリ、用途、工法、材質、後処理の有無、後加工の有無、及び装置等の作業条件の項目が表示されている。なお、作業条件以外の情報項目としては、連絡先、依頼者名、依頼の案件を識別する案件識別情報(例えば、管理番号又は案件ID)、及び物品の型番等がある。
【0036】
[サービス選択手段]
サービス選択部33は、ユーザの求めに応じて提供される物品関連サービスをサービス候補群から選択する。また、サービス選択部33は、サービス情報と、ユーザの指示に基づいて取得した選択情報とを利用して物品関連サービスを選択する。具体的に、サービス選択部33は、サービス候補群に含まれる少なくとも一部のサービスを、サービスの選択における選択肢としてユーザに提示する。このとき、サービス選択部33は、選択肢の提示と対応付けてサービス情報がユーザに提示されるように、サービス情報を利用する。例えば、サービス選択部33は、サービスカードの一部にサービス情報を表示することによって、ユーザにサービス情報を提示する。
【0037】
さらに、サービス選択部33は、ユーザが選択したサービスを特定するサービス特定情報を選択情報として取得する。一例として、サービス特定情報は、サービスカードを識別するカード識別情報である。例えば、サービス選択部33は、ユーザがサービスカードを指定すると、指定されたサービスカードのカード識別情報を取得してサービスを選択する。そして、サービス選択部33は、指定されたサービスカードのカード識別情報をサーバメモリ22に記憶させる。
【0038】
また、サービス選択部33は、AIがサービス情報を利用して自動的にサービスを選択する場合、AIの選択によって特定されるサービス特定情報に従ってサービスを選択してもよい。この場合、サービス選択部33は、ユーザにサービスカードを選択肢として提示しなくともよい。例えば、サービスカードが提示されていない状態で、ユーザがサービスカード一覧画面において入力したキーワードによってAIがサービスを特定してもよい。または、ユーザが取引支援システム100にログインして、サービスカードが提示されていない状態で、AIがユーザの情報(例えば過去の取引履歴)を利用してサービスを特定してもよい。AIがサービスカードを特定すると、サービス選択部33は、特定されたサービスカードのカード識別情報を取得する。
【0039】
サービスカードの選択が完了すると、管理部37は、サービス選択部33によるサービスの選択と対応付けてプロジェクトを発生させる。例えば、管理部37は、プロジェクトを識別するプロジェクト識別情報にカード識別情報を関連付けてサーバメモリ22に記憶させる。これにより、発生したプロジェクトに選択されたサービスが含まれる。なお、管理部37は、既に作成されている既存プロジェクトに、サービス選択部33によって選択されたサービスを対応付けてもよい。
【0040】
[取得手段]
要求取得部34は、物品の3次元モデルデータをユーザの指示に基づいて取得する。さらに、要求取得部34は、物品に対してサプライヤが行うべき作業の条件を指定する作業条件を、ユーザの指示に基づいて取得してもよい。例えば、要求取得部34は、プロジェクト一覧画面を介してアップロードされた3次元モデルデータと、プロジェクト詳細画面を介して選択又は入力された作業条件とを取得する。作業条件は、物品に対してサプライヤが行うべき作業の条件を指定する情報である。例えば、物品製造サービスにおいて、作業条件は製造の工法等の製造条件である。
【0041】
また、要求取得部34は、他の要求情報をユーザの指示に基づいて取得してもよい。要求情報は、サービス選択部33によって選択されたサービスに対応して設定されている情報項目に対するユーザの要求を特定するための情報である。例えば、要求情報は、プロジェクト詳細画面(
図4)において情報項目に対してユーザが選択又は入力することによって指示した情報(例えば、製品仕様)である。なお、ユーザの指示は、アップロード、選択、又は入力の操作による指示には限定されない。ユーザの指示は、システムによって自動的に選択若しくは入力された情報又は初期設定されている情報を、ユーザが確認する操作による指示であってもよい。
【0042】
[物品提示手段]
物品画像提示部34Aは、要求取得部34が取得した3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した物品を表現した物品画面をユーザ及びサプライヤの一方に提示する。なお、物品画像提示部34Aが、サプライヤに物品画面を提示する例については後述する。
【0043】
物品画面をユーザに提示する例として、
図4に示すプロジェクト詳細画面では、情報項目欄16Aの
図4中左側に物品画面の一例であるモデル表示欄16Bが表示されている。そして、モデル表示欄16Bには、3次元モデル16Cが表示されている。ユーザは、モデル表示欄16Bの視点アイコン16Dを指定することによって、3次元モデル16Cを観察する視点を変更できる。代替的に、3次元モデル16Cを観察する視点は、ユーザが3次元モデル16Cを動かす操作によって変更されてもよい。そして、物品画像提示部34Aは、3次元モデルデータに基づいて所定の視点から観察した物品を表す物品画像を表示する物品画面をユーザに提示する。ここで、物品画像は、所定の視点から観察した3次元モデル16Cを表す画像である。なお、視点を変更できるように3次元モデル16Cを表示するビューワソフトは、予めユーザ端末40及びサプライヤ端末60に配布されていてもよく、ウェブブラウザ上で動作するウェブアプリケーションであってもよい。
【0044】
また、物品画像提示部34Aは、ユーザ又はサプライヤの指示に基づいて、先に表示されている物品画像における観察の視点とは異なる他の視点から観察した物品を表示してもよい。一例として、先に表示されている物品画像における観察の視点が変更された場合、物品画像提示部34Aは、他の視点として変更された視点から観察した物品を表す物品画像を表示する物品画面ユーザに提示する。代替的に、物品画面は、予め設定されている所定の視点から観察した物品を表す2次元座標系の物品画像を表示する画面であってもよい。物品画像提示部34Aは、3次元モデル16Cに代えて又は加えて、2次元座標系の物品画像を表示する物品画面をユーザに提示してもよい。
【0045】
[注記データ生成手段]
注記データ生成部34Bは、物品画像提示部34Aによって提示された物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを生成する。一例として、注記情報は、作業条件の少なくとも一部に関するユーザの要求を示す情報である。また、物品製造サービスが選択されている場合、注記情報は、物品の製造に対して指示されるべき製造条件の少なくとも一部に関するユーザの要求を示してもよい。ここで、注記データ生成部34Bは、物品画面において表示されている物品を観察する視点を特定する視点情報を含むように、注記データを生成する。また、サプライヤ端末60又はユーザ端末40において注記画面を表示させるために、注記データ生成部34Bは、当該視点から観察した物品を表現した物品画像と、物品画像と共に提示される注記情報とを含むように、注記データを生成する。
【0046】
サプライヤに対する注記を作成したい場合、ユーザは、プロジェクト詳細画面の画像作成アイコン16Eを指定する。そして、注記データ生成部34Bは、
図5に示す注記画面を表示させる。注記画面には、注記データ生成部34Bが提供する機能として注記ツール17Eが含まれている。一例として、
図5に示す注記画面の画像表示欄17Bには、3次元モデル17Cが表示されている。ユーザは、注記データ生成部34Bが提供する機能として注記ツール17E及び編集ツール17Fを用いて注記情報を追加する。具体的に、注記データ生成部34Bは、注記画面に注記ツール17E及び編集ツール17Fを表示させ、ユーザはツールの各アイコンを指定して注記情報を追加する。その後、ユーザは、画像のキャプチャ若しくは取り出しを行い、注記データ生成部34Bが注記データを生成する。
【0047】
注記画面においても、ユーザは、視点アイコン17Hを指定することによって、3次元モデル17Cを観察する視点を変更することができる。そして、物品画像提示部34Aは、他の視点として変更後の視点から見た物品画像を表示するするように画像表示欄17Bをユーザに提示する。ユーザは、注記ツール17Eの各アイコンを指定して要素の追加、削除及び変更等の編集を行うことができる。
【0048】
一例として、矩形アイコン11Aにより矩形要素の追加ができ、テキストアイコン11Bによりテキスト要素の追加ができ、及び円アイコン11Cにより円又は楕円要素の追加ができる。また、直線アイコン11Dにより直線要素の追加ができ、矢印アイコン11Eにより矢印要素の追加ができ、及び色アイコン11Fにより追加した又は追加する要素の色の変更ができる。さらに、削除アイコン11Gにより追加した要素の削除ができ、及びキャプチャアイコン11Hにより注記画像17Dのキャプチャ若しくは取り出しができる。そして、編集が完了すると、注記データ生成部34Bは、物品画像及び注記情報を含む注記画像17Dを、タイトルを付してサーバメモリ22に記憶させることができる。また、注記画像17Dは、コミュニケーション部36Aが提供するコミュニケーション機能によって作成されるメッセージに添付されてもよい。この場合、注記データ生成部34Bは、注記画像17Dがキャプチャ又は取り出されると、コミュニケーション部36Aによって当該注記画像17Dをメッセージに添付させる。
【0049】
また、ユーザは、注記ツール17Eの各アイコンを指定して設計製造情報の追加、削除並びに変更、及び2次元図面の作成等の編集を行うことができる。一例として、情報削除アイコン12Aにより設計製造情報の削除ができ、及び切替アイコン12Bにより設計製造情報の表示と非表示の切替ができる。また、一括追加アイコン12Cにより寸法の一括追加ができ、個別追加アイコン12Dにより寸法の個別追加ができ、及び設定アイコン12Eにより設計原点の設定ができる。さらに、変更アイコン12Fによりフォントサイズの変更ができ、及び図面作成アイコン12Hにより簡易的な2次元図面の作成ができる。なお、設計製造情報は、例えば寸法、原点、及び公差等の設計又は製造に利用するための情報である。
【0050】
図5の例では、ユーザが円アイコン11Cを指定して円要素を追加し、矢印アイコン11Eを指定して矢印要素を追加し、且つテキストアイコン11Bを指定してテキスト要素を追加している。ユーザは、「矢印で示す向きに負荷がかかります」というテキスト要素と矢印要素とを追加することによって、サプライヤに負荷のかかる位置及び方向を伝えることができる。さらに、ユーザは、円要素を追加することによって、加工を施す面の位置をサプライヤに伝えることができる。そして、編集が完了してユーザがキャプチャアイコン11Hを指定すると、注記データ生成部34Bは、物品画像と追加された各要素からなる注記情報とを含む注記画像17Dと、物品画像に対する視点を特定する視点情報とを含むように、注記データを生成する。そして、ユーザは、注記データにタイトルを付してサーバメモリ22に保存することができる。なお、ユーザによる指示に応じて、物品画像提示部34Aは、注記画像17Dを再提示させることができる。例えば、物品画像提示部34Aは、注記画像17Dのサムネイル画像をプロジェクト詳細画面に表示させる。そして、ユーザが、当該サムネイル画像を指定すると、物品画像提示部34Aは、注記画像17Dを再提示させる。また、注記画像17Dの再提示後に、ユーザが画像表示欄17Bの視点アイコン17Hを指定することによって、視点を変えることができてもよい。この場合、物品画像提示部34Aは、別の視点から観察した物品の物品画像を再提示する。
【0051】
さらに、注記データ生成部34Bは、視点情報が複数の視点を特定するように注記データを生成してもよい。例えば、注記データ生成部34Bは、一の視点から物品を観察した状態の一の注記画像17Dと、他の視点から物品を観察した状態の他の注記画像17Dとを含み、これらの注記画像17Dに対応する複数の視点を特定する視点情報を少なくとも含むように、注記データを生成する。この場合、一の注記画像17Dが一の視点に対応する注記情報を含み、他の注記画像17Dが他の視点に対応する注記情報を含んでいてもよい。また、注記データ生成部34Bは、一の視点から物品を観察した状態の一の注記画像17Dが、一の視点に対応する注記情報と他の視点に対応する注記情報とを含むように、注記データを生成してもよい。この場合も、注記データ生成部34Bは、一の注記画像17Dに対応する複数の視点を特定する視点情報を含むように注記データを生成する。これにより、サプライヤに対して、複数の視点のそれぞれから観察した状態の注記画像17Dを提示できる。また、ユーザは、異なる視点から観察した状態の複数の物品画像に対して、それぞれ注記情報を追加できる。
【0052】
[注記データ取得手段]
注記データ取得部34Cは、注記データ生成部34Bによって生成された注記データを取得する。一例として、ユーザは、所望の視点に対応して表示されている物品画像に対する要素の追加等の編集が完了すると、注記ツール17Eのキャプチャアイコン11Hを指定して、注記画像17Dのキャプチャ若しくは取り出しを行う。そして、物品画像提示部34Aが注記画像17Dを保存して、注記データ生成部34Bは注記画像17D、注記情報、及び視点情報を含む注記データを生成する。さらに、注記データ生成部34Bは、生成した注記データをサーバメモリ22に記憶させる。そして、注記データ取得部34Cは、生成された注記データを取得する。
【0053】
なお、支援プログラムPGとは別の注記プログラムが、ユーザ端末制御部45又はサーバ制御部23を、物品画像提示部34A又は注記データ生成部34Bとして機能させてもよい。さらに、物品画像提示部34A又は注記データ生成部34Bが、取引支援サーバ20とは別の外部サーバに設けられていてもよい。この場合、注記データ取得部34Cは、注記データ生成部34Bが生成した注記データを外部サーバから取得する。
【0054】
[提供要件の確定]
ここで、提供要件の確定について説明すると、サプライヤが物品関連サービスを提供するための提供要件は、要求取得部34が取得した要求情報に基づいて確定できる。例えば、サーバ制御部23は、ユーザが要求情報の入力を完了させると、サービスカードを介してプロジェクトに対応付けられているサプライヤのサプライヤ端末60に、提供要件を確定させるための確定依頼の一例である見積依頼を通知する。確定依頼は、コミュニケーション部36Aが提供するコミュニケーション機能によるメッセージ、又は電子メール等の他のコミュニケーション手段によってサプライヤ端末60に通知できる。サプライヤは、要求情報を参照して見積内容を作成してユーザに対する見積回答の操作を行う。そして、サーバ制御部23は、見積回答をユーザ端末40に通知する。ユーザは、ユーザ端末40において取引支援サーバ20から見積回答に対する回答として、例えば見積書及び製品仕様書をダウンロードして確認する。そして、見積書に含まれる見積内容をユーザが確認して、要件確定又は発注等の確定操作を行うと、サーバ制御部23は、確定した提供要件を示す確定情報の一例である製品仕様書をサーバメモリ22に保存する。
【0055】
また、サプライヤは、サプライヤ端末60を介して取引支援システム100にログインすることによって、見積依頼の通知を確認できる。一例として、サプライヤが取引支援システム100にログインしたときには、案件一覧画面が表示される。サーバ制御部23は、案件一覧画面に見積依頼がなされているプロジェクトを表示させることによってサプライヤに通知する。そして、サプライヤは、案件一覧画面に表示されるプロジェクトをチェックして確定依頼の通知を確認する。
【0056】
また、サプライヤは、案件一覧画面に表示される回答アイコンを指定して、確定依頼としての見積依頼に対する回答を作成できる。一例として、サプライヤは、
図6に示す案件詳細画面において回答を作成できる。サプライヤが回答アイコンを指定すると、サーバ制御部23は案件詳細画面を表示させ、案件詳細画面に要求情報欄19Aを表示させる。そして、サーバ制御部23は、要求情報欄19Aに表示させることによって、要求取得部34が取得した要求情報をサプライヤに提示する。ユーザは、提供要件を確定するためにサプライヤが必要とする情報項目に対して、要求情報を選択又は入力している。そのため、サプライヤは、自らが必要とする情報を選択又は入力するようにユーザを導くことができる。これにより、サプライヤは、ユーザに対して問い合わせる事態が生じる可能性を低減させることができる。
【0057】
また、
図6において上部右側には、プロジェクトの内容を示すプロジェクト内容欄19Bが表示されている。サプライヤは、プロジェクト内容欄19Bを確認して、プロジェクトのステータス等を認識できる。さらに、
図6において中央部には、メッセージに添付されたデータ、例えば、コミュニケーション部36Aによって添付された注記画像等の添付データをダウンロードするための添付データダウンロードアイコン19Cが表示されている。サプライヤは、添付データダウンロードアイコン19Cを指定して、添付データを取引支援サーバ20からサプライヤ端末60にダウンロードできる。
【0058】
さらに、
図6においてプロジェクト内容欄19Bの下側には、サプライヤが見積内容を入力するための入力欄19Dが表示されている。サーバ制御部23は、サプライヤに対して見積内容を入力させる項目を入力欄19Dに表示させる。
図6の例では、サプライヤが、見積内容として、物品の単価と、提供までに要する時間としての実働日数と、必要な備考とを入力する。なお、数量は、数量に応じた単価がある場合に入力される。例えば、1から5個と、5個以上とで単価が異なるような場合に、サプライヤは数量を入力する。
図6の例では、数量1に対してのみ単価及び実働日数を入力するようになっている。しかし、複数種類の数量条件又は範囲に対して、それぞれ単価及び実働日数を入力するように入力欄19Dが構成されていてもよい。また、サプライヤは、備考欄19Hにおいて、ユーザに対する回答、質問、又は提案等を示す文字列を入力できる。
【0059】
入力欄19Dにおいて、サプライヤは、数量、単価、及び実働日数等を、範囲を指定する態様で入力できる。例えば、実働日数については、提供できるまでの予定期間に幅があることがある。このような場合、サプライヤは、5から6日等のレンジを入力できる。これにより、入力される内容に幅があるような場合であっても、ユーザに対して幅があることを連絡することなく見積りを入力できる。
【0060】
また、
図6中の下部には、アイコン欄19Eが表示されている。サプライヤは、各アイコンを指定することによって、例えば、サプライヤ端末60の表示部に見積書をプレビュー表示させることができる。さらに、サプライヤによるアイコンの指定によって、製品仕様書をプレビュー表示させること、入力した見積内容を一時的に保存すること、及び見積内容を確認のために表示させることができる。見積内容を表示させて最終確認が完了すると、見積内容を表示する画面(不図示)において、サプライヤはユーザに対する見積回答の操作を行う。そして、サーバ制御部23は、見積内容としての見積書と、提供要件を示す製品仕様書とをサーバメモリ22に保存して、見積回答をユーザ端末40に通知する。
【0061】
また、サーバ制御部23は、確定した提供要件を示す確定情報を、ユーザ及びサプライヤが確認できるように所定のサーバメモリ22に保存する。例えば、見積回答に対して回答するために、ユーザは、取引支援サーバ20から、見積書と製品仕様書とをユーザ端末40にダウンロードして確認する。そして、ユーザは、見積書と製品仕様書とを確認して、要件確定の指示として確定操作を行う。確定操作に応じて、サーバ制御部23は、確定した提供要件を示す確定情報としての製品仕様書を、ユーザ及びサプライヤが確認できるようにサーバメモリ22に保存する。また、サーバ制御部23は、製品仕様書と併せて、ユーザ及びサプライヤが確認できるように、見積書をサーバメモリ22に保存する。
【0062】
なお、ユーザは、確認の結果、修正した見積書又は製品仕様書を要求情報としてアップロード又はメッセージに添付してもよい。修正された見積書又は製品仕様書は、要求取得部34が取得して、他の要求情報と同様にサーバ制御部23がサプライヤに提示する。サプライヤは、サプライヤ端末60において、取引支援サーバ20から修正された見積書又は製品仕様書をダウンロードして確認する。そして、サプライヤは、修正された見積書又は製品仕様書を確認して、要件確定の指示として確定操作を行う。確定操作に応じて、サーバ制御部23は、確定した提供要件を示す確定情報としての製品仕様書を、ユーザ及びサプライヤが確認できるようにサーバメモリ22に保存する。また、サーバ制御部23は、製品仕様書と併せて、ユーザ及びサプライヤが確認できるように、見積書をサーバメモリ22に保存する。
【0063】
[注記提示手段]
注記画像提示部36Bは、ユーザ及びサプライヤの一方の指示に基づいて生成された注記データに含まれている視点情報に対応する視点から、取得された注記データに基づく注記画面を、ユーザ及びサプライヤの他方に提示する。注記データには、3次元データ座標系における視点を特定する視点情報が含まれる。そのため、サプライヤが注記画像17Dを閲覧する際に、注記画像提示部36Bは、ユーザの視点と同じ視点で注記画像17Dを表示できる。このとき、注記情報が物品画像とともに表示されるので、サプライヤは、ユーザが注記情報を追加した時と同じ視点で注記情報及び物品画像を閲覧できる。すなわち、ユーザ端末40において表示されていた注記画像17Dと同じ観察方向において、サプライヤ端末60においても、物品画像と注記情報とが表示される。これにより、物品画像にユーザが注記情報を書き加えて得られる注記画像を、注記データを利用してサプライヤに提示できる。そのため、ユーザとサプライヤとが、物品に関する正しい情報を簡便なコミュニケーションで共有できる。なお、注記画像提示部36Bが、ユーザに注記画面を提示する例については後述する。
【0064】
次に、
図6を参照して、注記画面を表示させる流れについて説明する。
図6において、添付データダウンロードアイコン19Cの下側には、注記データ欄19Fが表示されている。サプライヤは、注記データ欄19Fに表示されている注記画像17Dを示すサムネイル画像を指定する。そして、注記画像提示部36Bは、注記画像17Dを表示する注記画面をサプライヤ端末60の表示部に表示させることによってサプライヤに提示する。このとき、注記画像提示部36Bが提示する注記画像17Dは、
図5が示す注記画面においてユーザが編集して、注記データ生成部34Bがサーバメモリ22に記憶させた状態で表示される。
【0065】
すなわち、注記画像提示部36Bは、
図5に示すような注記画面をサプライヤ端末60の表示部に表示させる。このとき、注記画像提示部36Bは、注記データの視点情報を利用して、
図5と同様の注記画像17Dを注記画面に表示させる。すなわち、注記画像提示部36Bは、サーバメモリ22に記憶されている注記データに含まれている視点情報に対応する視点からの注記画像17Dをサプライヤに提示する。例えば、注記画像提示部36Bは、注記データの視点情報を参照するとともに、要求取得部34が取得した3次元モデルデータを利用して、当該視点情報によって特定される視点から見た物品画像を含むように注記画像17Dを提示する。なお、注記画像17Dには、ユーザが編集によって追加した注記情報、例えば、追加した要素及びテキスト等が含まれる。そのため、注記画像提示部36Bは、これらの情報を物品画像と同時に表示させる。また、注記画像提示部36Bは、注記画面を表示させる時に、注記データの視点情報によって特定される視点から観察した物品の物品画像を自動的に表示させる。代替的に、注記画像提示部36Bは、注記画面に表示される視点アイコン17Hの指定、又は注記画面に表示される注記情報の指定等に応じて、当該視点から観察した物品の物品画像を表示させてもよい。この場合、注記画像提示部36Bは、注記画面を表示させる時に表示される物品画像に対応する視点から、注記データの視点情報によって特定される視点へと、視点を変更してもよい。
【0066】
また、注記データ欄19Fには、注記画像17Dを製品仕様書に追加するための追加アイコン19Gが含まれている。サプライヤが追加アイコン19Gを指定すると、サーバ制御部23は、製品仕様書に注記画像17Dを追加する。一例として、サーバ制御部23は、
図7に示すような製品仕様書の下部の注記画像欄19Rに注記画像17Dが含まれるように、製品仕様書をサーバメモリ22に保存する。これにより、サーバメモリ22に記憶されている注記画像17Dが、製品仕様書に添付される。このとき、複数の注記画像17Dがある場合、サプライヤは、製品仕様書に添付する注記画像17Dを選択してもよい。なお、製品仕様書は、作業条件を示すデータであり、物品仕様書、仕様書、製造仕様書、又は加工仕様書等の名称であってもよい。
図7の例では、製品仕様書には、提供要件とプロジェクトの内容とが示されるプロジェクト内容欄19Sと、備考欄19Tとが含まれている。備考欄19Tには、サプライヤが案件詳細画面(
図6)の入力欄19Dにおいて入力した備考の内容が示される。また、製品仕様書は、サプライヤが確認又は修正した提供要件等の情報が含まれるように、サーバ制御部23が自動的に作成してもよい。また、サプライヤが、製品仕様書を作成してもよい。
【0067】
また、注記画像提示部36Bは、サプライヤの指示に基づいて、注記データに含まれている視点情報とは異なる視点から物品が表示されるように、注記画像17Dの提示態様を変更可能であってもよい。例えば、サプライヤは、サプライヤ端末60に表示される注記画面において、視点アイコン17Hを指定することによって、3次元モデル17Cを観察する視点を変更できる。そして、注記画像提示部36Bは、変更後の視点、すなわち注記データの視点情報によって特定される視点とは異なる他の視点から見た物品画像を表示する物品画面として、画像表示欄17Bをユーザに提示する。このとき、ユーザが編集によって追加した注記情報は、提示態様が変更されてもよい。具体的に、注記画像提示部36Bは、要素の位置又は姿勢を変更するか、又は要素を非表示にしてもよい。
【0068】
例えば、サプライヤによって、矢印要素によって示される部位が観察できない視点に変更された場合、注記画像提示部36Bは、当該矢印要素を表示させないか、又は要素の位置若しくは姿勢を変更させてもよい。この場合、注記データ生成部34Bは、新たな注記データを生成してサーバメモリ22に保存させてもよく、注記データを上書き保存させてもよい。注記画像提示部36Bは、当該注記データに含まれている視点情報に対応する視点からの注記画像17Dをサプライヤに提示する。なお、サプライヤ端末60に表示される注記画面においては、注記ツール17E及び編集ツール17Fが表示されない。代替的に、サプライヤが、サプライヤ端末60から注記情報を追加できてもよい。この場合、注記データ生成部34Bは、サプライヤ端末60に表示される注記画面において、
図5に示すような注記画面と同様に注記ツール17E及び編集ツール17Fを表示させる。
【0069】
注記データの視点情報が複数の視点を特定する場合、注記画像提示部36Bは、ユーザ又はサプライヤの指示に基づいて、複数の視点の中から特定される特定視点から物品が表示されるように注記画面の提示態様を変更可能であってもよい。例えば、注記画像提示部36Bは、一の視点から物品を観察した状態の一の注記画像17Dと、他の視点から物品を観察した状態の他の注記画像17Dとを切り替え可能に表示させる。この場合、注記画像提示部36Bは、注記画面に表示される視点アイコン17Hの指定、又は注記画面に表示される注記情報の指定等に応じて、複数の視点の中から選択される視点から観察した物品の物品画像を表示させてもよい。このとき、注記画像提示部36Bが選択する視点は、視点アイコン17Hを指定する度に所定の順番で切り替わってもよい。例えば、注記画像提示部36Bは、最も早く作成されている物品画像、又は最も遅く作成されている物品画像から順に物品画像を選択し、選択された物品画像に対応する視点を順に選択する。または、注記画像提示部36Bは、ユーザが指定している注記情報に対応する視点を選択する。例えば、注記画像提示部36Bは、一の視点に対応する注記情報と、他の視点に対応する注記情報とを切り替え可能に表示させる。
【0070】
[コミュニケーション手段]
コミュニケーション部36Aは、ユーザとサプライヤとに対して、コミュニケーションの機能(本明細書においてはコミュニケーション機能ともいう)を提供する。また、コミュニケーション部36Aは、提供要件の確定を調整するためのコミュニケーション機能を、ユーザと、選択されたサービスに対応して設定されているサプライヤとに対して提供する。一例として、コミュニケーション機能は、テキスト、音声、画像又はその他のデータを、ユーザとサプライヤとの間で相互に送信する機能である。
【0071】
例えば、
図4が示すプロジェクト詳細画面の下部には、ユーザチャットアイコン16Fが表示されている。ユーザがユーザチャットアイコン16Fを指定すると、コミュニケーション部36Aは、ユーザからサプライヤへ送信するデータを入力又はアップロードするためのユーザチャット領域17Lを表示させる。一例として、コミュニケーション部36Aは、
図4に示すようにユーザチャット領域17Lを表示させる。
図4の例では、ユーザチャット領域17Lに、ユーザメッセージ欄17M、ユーザチャットツール17N、ユーザトピックツール17P、及びユーザ送信アイコン17Qが含まれている。ユーザは、ユーザメッセージ欄17Mにメッセージを入力でき、サプライヤが入力したメッセージがユーザメッセージ欄17Mに表示される。これにより、サプライヤとユーザとは、相互にコミュニケーションをとることができる。
【0072】
また、ユーザは、ユーザチャットツール17Nの添付アイコン13Aを用いて、データを選択してメッセージに添付できる。そして、ユーザは、キャプチャアイコン13Bを用いて物品画像をキャプチャ若しくは取り出して保存でき、及びツールアイコン13Cを用いて注記ツール17Eを起動できる。さらに、ユーザは、ユーザトピックツール17Pを用いて新たなトピックを作成できる。コミュニケーション部36Aは、ユーザとサプライヤとのメッセージをトピック毎に表示させる。そのため、サプライヤとユーザとは、トピック毎にメッセージで相互通信できる。そして、メッセージを作成すると、ユーザは、ユーザ送信アイコン17Qを指定して、コミュニケーション部36Aはメッセージをサプライヤへ送信する。
【0073】
また、サプライヤ端末60に表示される画面の場合、
図6に示すように、コミュニケーション部36Aは、サプライヤからユーザへ送信するデータを入力又はアップロードするためのサプライヤチャット領域19Lを表示させる。
図6の例では、サプライヤチャット領域19Lに、サプライヤメッセージ欄19M、サプライヤチャットツール19N、サプライヤトピックツール19P、及びサプライヤ送信アイコン19Qが含まれている。サプライヤは、サプライヤメッセージ欄19Mにメッセージを入力でき、ユーザが入力したメッセージがサプライヤメッセージ欄19Mに表示される。これにより、サプライヤとユーザとは、相互にコミュニケーションをとることができる。
【0074】
また、サプライヤは、サプライヤチャットツール19Nを用いて、データを選択してメッセージに添付できる。さらに、サプライヤは、サプライヤトピックツール19Pを用いて新たなトピックを作成できる。コミュニケーション部36Aは、ユーザとサプライヤとのメッセージをトピック毎に表示させる。そして、メッセージを作成すると、サプライヤは、サプライヤ送信アイコン19Qを指定して、コミュニケーション部36Aはメッセージをユーザへ送信する。
【0075】
また、提供要件が、サービスに関する納期及び見積の少なくともいずれか一方をサプライヤの応諾条件として含んでいる場合、コミュニケーション部36Aは、ユーザに応諾条件を提示する機会をサプライヤに与えるように、コミュニケーション機能を提供する。
図6の例ではユーザが入力した納期に関する質問メッセージと、サプライヤが入力した回答メッセージとがサプライヤメッセージ欄19Mに表示されている。ここで、「1週間」がサプライヤの応諾条件であり、コミュニケーション部36Aは、応諾条件を含んだメッセージをユーザへ送信する。これにより、コミュニケーション部36Aは、ユーザに応諾条件を提示する機会をサプライヤに与える。なお、納期は、上述した実働日数を含む。
【0076】
また、応諾条件としての見積は、数量、単価、品質、又は合計金額等を含み、コミュニケーション部36Aは、見積を含んだメッセージをユーザへ送信する。代替的に、コミュニケーション部36Aは、納期の内容又は見積の内容を示すデータをメッセージに添付する態様で、ユーザへ送信してもよい。なお、コミュニケーション部36Aによるメッセージの相互通信は、ユーザ端末40とサプライヤ端末60との間で直接リアルタイムに行われてもよく、取引支援サーバ20を介して行われてもよい。また、支援プログラムPGとは別のコミュニケーションプログラムが、ユーザ端末制御部45又はサーバ制御部23を、コミュニケーション部36Aとして機能させてもよい。さらに、コミュニケーション部36Aが、取引支援サーバ20とは別の外部サーバに設けられていてもよい。この場合、メッセージの相互通信は、外部サーバを介して行われる。
【0077】
[管理手段]
管理部37は、サービス選択部33によるサービスの選択と対応付けてプロジェクトを発生させる。また、管理部37は、ユーザ及びサプライヤのそれぞれが、プロジェクトを選択してコミュニケーションを図ることができるように、コミュニケーション部36Aを介したコミュニケーションを、プロジェクトごとに区別して管理する。一例として、管理部37は、プロジェクトデータ25(
図2)を生成して、プロジェクト識別情報を付与してサーバメモリ22に記憶させる。そして、管理部37は、要求情報25A、確定情報25B,3次元モデルデータ25C、及び注記データ25Dとともに、メッセージデータ25Eをプロジェクトデータ25に含める。さらに、管理部37は、管理番号等のプロジェクトの内容を示す情報をプロジェクトデータ25に含めてもよい。
【0078】
ユーザ又はサプライヤが、プロジェクトを選択してコミュニケーション機能を利用する場合、コミュニケーション部36Aは、選択されたプロジェクトのプロジェクト識別情報を利用して、プロジェクトデータ25に含まれるメッセージデータ25Eを参照する。これにより、コミュニケーション部36Aは、選択されたプロジェクトにおいて作成されたメッセージをユーザ及びサプライヤに提示できる。また、ユーザ又はサプライヤが新たなメッセージを作成すると、管理部37は、メッセージデータ25Eに含めてサーバメモリ22に記憶させる。これにより、管理部37は、プロジェクトごとに区別してコミュニケーションを管理する。
【0079】
[記憶手段]
サーバメモリ22は、サプライヤが物品関連サービスを提供するための提供要件を示し且つ注記情報を含む確定情報25Bを、ユーザ及びサプライヤが確認できるように保存する。一例として、確定情報25Bは、
図7に示す製品仕様書を構成するデータであり、注記情報は製品仕様書の注記画像に含まれる。また、
図2に示すように、サーバメモリ22は、支援プログラムPG、カードデータ24、プロジェクトデータ25、及び要件データ26を記憶している。カードデータ24は、サプライヤ又は取引支援サーバ20の管理者が作成し、
図2の例では、内容情報24A、サプライヤ情報24B及び事例情報24Cを含んでいる。また、プロジェクトデータ25は、要求情報25A、確定情報25B,3次元モデルデータ25C、注記データ25D、及びメッセージデータ25Eを含んでいる。要件データ26は、情報項目データ26Aを含んでいる。
【0080】
[ユーザ端末及びサプライヤ端末]
ユーザ端末40は、ユーザ端末40を制御するユーザ端末制御部45と、不図示の制御プログラムを記憶したユーザ端末記憶部の一例であるユーザ端末メモリ44とを備えている。ユーザ端末制御部45は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、ユーザ端末40は、取引支援サーバ20が生成するウェブページを表示する表示部の一例であるユーザ端末ディスプレイ46を備えている。
【0081】
さらに、ユーザ端末40は、取引支援サーバ20とデータを送受信する通信装置の一例であるユーザ端末通信部47を備えている。ユーザ端末40は、ユーザ端末通信部47によってサプライヤ端末60と直接データを送受信してもよい。また、ユーザ端末40は、指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む入力装置の一例である入力部(不図示)を備えている。なお、タッチパネルなどの表示部が入力部として機能してもよい。
【0082】
サプライヤ端末60は、サプライヤ端末60を制御するサプライヤ端末制御部65と、不図示の制御プログラムを記憶したサプライヤ端末記憶部の一例であるサプライヤ端末メモリ64とを備えている。サプライヤ端末制御部65は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、サプライヤ端末60は、取引支援サーバ20が生成するウェブページを表示する表示部の一例であるサプライヤ端末ディスプレイ66を備えている。
【0083】
さらに、サプライヤ端末60は、取引支援サーバ20とデータを送受信する通信装置の一例であるサプライヤ端末通信部67を備えている。サプライヤ端末60は、サプライヤ端末通信部67によってユーザ端末40とデータを直接送受信してもよい。また、サプライヤ端末60は、指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む入力装置の一例である入力部(不図示)を備えている。なお、タッチパネルなどの表示部が入力部として機能してもよい。
【0084】
ユーザ端末制御部45とサプライヤ端末制御部65とは、CPU等のプロセッサを含むコンピュータとして構成されている点で、サーバ制御部23と同様である。また、ユーザ端末メモリ44とサプライヤ端末メモリ64とは、ROM又はHDD等を含むコンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体として構成されている点で、サーバメモリ22と同様である。よって、ユーザ端末制御部45とサプライヤ端末制御部65、及びユーザ端末メモリ44とサプライヤ端末メモリ64の詳細な説明は省略する。
【0085】
[支援フロー]
図8を参照して、取引支援システム100による支援フローの一例を説明する。まず、サプライヤ又は取引支援サーバ20の管理者は、サービス候補群に含める物品関連サービスと、当該サービスに対応するサービス情報とを、取引支援サーバ20に入力する。そして、サービス設定部31は、入力されたサービスをユーザに把握させるための情報としてのサービスカードを、サービス情報と対応付けて設定する。これにより、サービス設定部31は、複数のサービスを含んだサービス候補群を、各サービスのサービス情報と対応付けて設定する。
【0086】
また、サプライヤ又は取引支援サーバ20の管理者は、設定されているサービスカードごとに情報項目を入力する。そして、情報項目設定部32は、入力された情報項目を、ユーザが要求情報を入力又は選択できる項目として設定する。これにより、情報項目設定部32は、情報項目をサービス候補群に含まれるサービスごとに設定する。続いて、サービス選択部33は、ユーザがアクセスするウェブページのサービスカード一覧画面において、複数のサービスカードを含むサービス候補群を表示させる。これにより、サービス選択部33は、サービス候補群に含まれる各サービスを、サービスの選択における選択肢としてユーザに提示する。
【0087】
ユーザは、キーワードを用いた検索、又はサービスカードを指定して表示されるサービス内容画面、サプライヤ画面、若しくは事例画面を参照する。そして、ユーザは提示されている複数のサービスカードの中から、求めるサービスに対応するサービスカードを選択する。当該選択に応じて、サービス選択部33は、ユーザが選択したサービスを特定するサービス特定情報(例えばカード識別情報)を取得する。そして、サービス選択部33は、サービス特定情報によって特定されるサービスを、サービス候補群から選択する。
【0088】
サービスカードの選択が完了すると、ユーザは、サービスカード一覧画面においてサービスカードを確定する。そして、管理部37は、サービス選択部33によるサービスの選択と対応付けてプロジェクトを発生させる。これにより、選択されたサービスがプロジェクトに含まれる。そして、管理部37が発生させたプロジェクトを含むプロジェクト一覧画面がユーザ端末40に表示される。さらに、プロジェクト一覧画面においてユーザがプロジェクトを選択すると、プロジェクト詳細画面(
図4)が表示される。ユーザは、プロジェクト一覧画面において3次元モデルデータをアップロードするとともに、プロジェクト詳細画面に表示される情報項目に対して要求情報を選択又は入力する。
【0089】
要求取得部34は、3次元モデルデータを取得するとともに(S101)、ユーザが選択又は入力した情報を取得する。これにより、ユーザとサプライヤとのコミュニケーションを円滑化できる。サプライヤとのコミュニケーションを望む場合、ユーザは、プロジェクト詳細画面においてユーザチャットアイコン16Fを指定する。そして、コミュニケーション部36Aは、コミュニケーション機能を起動させて、ユーザチャット領域17L(
図4)を表示させる。ユーザが、メッセージを入力してユーザ送信アイコン17Qを指定すると、コミュニケーション部36Aは、メッセージをサプライヤへ送信する。
【0090】
また、ユーザが、注記画像17Dの作成を望む場合(S102でYES)、ユーザは、プロジェクト詳細画面において画像作成アイコン16Eを指定する。そして、物品画像提示部34Aは、注記画面(
図5)を表示させる。注記画面には、注記データ生成部34Bが提供する機能として注記ツール17Eが含まれている。注記画面において、物品画像提示部34Aは、所定の視点から観察した状態の物品画像を表示させる(S103)。また、ユーザが、3次元モデル17Cを観察する視点を変更すると、物品画像提示部34Aは、変更後の視点から観察した状態の物品画像を表示させる。
【0091】
さらに、ユーザは、注記ツール17Eを用いて必要な要素を追加する。その後、ユーザは、注記ツール17Eを操作して画像のキャプチャ若しくは取り出しを行い、注記データ生成部34Bは注記画像17Dをサプライヤ端末60において表示するための注記データを生成する(S104)。そして、注記データ取得部34Cが、生成された注記データを取得する(S105)。なお、サプライヤとのコミュニケーションと注記画像17Dの作成とは、ユーザが任意に行うことできる。また、コミュニケーション機能によるコミュニケーションと、注記データの作成とは、どちらが先に行われてもよい。
【0092】
その後、要求情報の入力を完了させると、サーバ制御部23は、確定依頼として見積もりの依頼をサプライヤ端末60に通知する(S106)。サプライヤは、案件一覧画面において、見積もりの依頼があったプロジェクトを把握する。そして、サプライヤは案件一覧画面の回答アイコンを指定して、サーバ制御部23は案件詳細画面(
図6)を表示させる。案件詳細画面には要求情報欄19Aが表示されており、サプライヤがユーザに更なる情報を要求することが避けられる。これにより、ユーザの正確な要望を最小限の処理でサプライヤに提示できる。なお、案件詳細画面において、注記データ欄19Fに表示されている注記画像17Dを示すサムネイル画像を、サプライヤが指定すると、注記画像提示部36Bは注記画像17Dを提示する。また、サプライヤは、サプライヤチャット領域19Lを利用してユーザとコミュニケーションを取ることもできる。
【0093】
サプライヤは、入力欄19Dを介して見積内容を入力する。さらにサプライヤは、追加アイコン19Gを指定して、製品仕様書に注記画像17Dを追加してもよい。見積りが完了すると、サプライヤはユーザに対する見積回答の操作を行う。そして、サーバ制御部23は、見積内容としての見積書と、提供要件を示す製品仕様書とをサーバメモリ22に保存して、見積回答をユーザ端末40に通知する(S108)。ユーザは、取引支援サーバ20から、見積書と製品仕様書とをユーザ端末40にダウンロードして確認する。問題がなければ、ユーザは、要件確定の指示として確定操作を行う。そして、サーバ制御部23は、確定した提供要件を示す確定情報としての製品仕様書を、ユーザ及びサプライヤが確認できるようにサーバメモリ22に保存する。これにより、処理が終了する。なお、ユーザによる確定操作は、サービスの提供を注文する操作であってもよい。当該操作は、サーバ制御部23が表示する注文画面(不図示)で行うことができる。
【0094】
[変形形態]
変形形態として、物品画像提示部34Aがサプライヤに物品画面を提示する例と、注記画像提示部36Bがユーザに注記画面を提示する例とについて説明する。なお、変形形態においては、サプライヤ端末60において注記画像17Dが作成される。ただし、上述した実施形態においても、サプライヤ端末60において注記画像17Dが作成できてもよい。
【0095】
サプライヤ端末60には、
図6に示す案件詳細画面が表示される。例えば、サプライヤが案件詳細画面の表示アイコン14Aを指定すると、物品画像提示部34Aは、要求取得部34が取得した3次元モデルデータに基づいて、物品画面をサプライヤ端末60に表示させる。このとき、物品画像提示部34Aは、所定の視点から観察した物品を表現した物品画面を表示させる。当初の視点とは異なる他の視点から観察した物品を表示してもよい。一例として、先に表示されている物品画像における観察視点が変更された場合、物品画像提示部34Aは、他の視点として変更された視点から観察した物品を表す物品画像を表示する物品画面をユーザに提示する。
【0096】
また、変形形態において、注記データ生成部34Bは、物品画像提示部34Aによって提示された物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを生成する。一例として、注記情報は、作業条件の少なくとも一部に関連する情報であり、サプライヤが提供できる作業条件の提案、又は追加的に必要となった使用条件に対する質問等を示す。例えば、注記情報が質問を示す場合、質問内容は、サプライヤが必要とする作業条件を示す点で、作業条件の少なくとも一部に関連する。ここで、注記データ生成部34Bは、物品画面において表示されている物品を観察する視点を特定する視点情報を含むように、注記データを生成する。また、ユーザ端末40において注記画面を表示させるために、注記データ生成部34Bは、当該視点から観察した品を表現した物品画像と、物品画像と共に提示される注記情報とを含むように、注記データを生成する。そして、注記データ取得部34Cは、注記データ生成部34Bによって生成された注記データを取得する。
【0097】
一例として、ユーザに対する注記を作成したい場合、サプライヤは、表示アイコン14Aを指定して表示される画面において、
図4に示すような画像作成アイコン16Eを指定する。変形形態において、当該画像作成アイコン16Eは、モデル表示欄16Bとともに表示される。これにより、注記データ生成部34Bは、
図5に示す注記画面を表示させる。注記画面には、注記データ生成部34Bが提供する機能として注記ツール17Eが含まれている。また、注記画面の画像表示欄17Bには、3次元モデル17Cが表示されている。そして、サプライヤは、注記データ生成部34Bが提供する機能として注記ツール17E及び編集ツール17Fを用いて注記情報を追加する。その後、サプライヤは、画像のキャプチャ若しくは取り出しを行い、注記データ生成部34Bが注記データを生成する。注記画面においても、サプライヤは、視点アイコン17Hを指定することによって、3次元モデル17Cを観察する視点を変更することができる。そして、物品画像提示部34Aは、他の視点として変更後の視点から見た物品画像を表示する物品画面として、画像表示欄17Bをサプライヤに提示する。
【0098】
注記画像提示部36Bは、サプライヤの指示に基づいて生成された注記データに含まれている視点情報に対応する視点から、取得された注記データに基づく注記画面を、ユーザに提示する。例えば、変形形態において、ユーザ端末40に表示されるプロジェクト詳細画面には、
図6に示すような注記データ欄19Fが含まれている。そして、ユーザは、注記データ欄19Fに表示されている注記画像17Dを示すサムネイル画像を指定する。注記画像提示部36Bは、注記画像17Dを表示する注記画面をユーザ端末40の表示部に表示させることによってユーザに提示する。このとき、注記画像提示部36Bが提示する注記画像17Dは、サプライヤが編集して、注記データ生成部34Bがサーバメモリ22に記憶させた状態で表示される。そのため、ユーザが注記画像17Dを閲覧する際に、注記画像提示部36Bは、サプライヤの視点と同じ視点で注記画像17Dを表示できる。
【0099】
さらに、変形形態において、注記データの視点情報が複数の視点を特定する場合、注記画像提示部36Bは、ユーザの指示に基づいて、複数の視点の中から特定される特定視点から物品が表示されるように注記画面の提示態様を変更可能であってもよい。
【0100】
上述した実施形態に係る取引支援システム100によれば、物品画像にユーザ及びサプライヤの一方が注記情報を書き加えて得られる注記画像を、注記データを利用してユーザ及びサプライヤの他方に提示できる。そのため、ユーザとサプライヤとが、物品に関する正しい情報を簡便なコミュニケーションで共有できる。
【0101】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0102】
例えば、支援システムは、コミュニケーションが行われるシステムであればよく、取引の成立を支援する取引支援システム100には限られない。一例として、支援システムは、3次元モデルデータを共有するために、ユーザが3次元モデルデータ及び注記データをサプライヤに送信するためのデータ共有システムであってもよい。この場合、3次元モデルデータ及び注記データは、データ共有システムにおいて一時的に保存されてもよい。また、支援システムは、サプライヤに閲覧させるために、ユーザがアップロードした3次元モデルデータ及び注記データを保存するデータ保存システムであってもよい。
【0103】
また、取引支援サーバ20が備える各機能部の一部が、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60の少なくとも一方に設けられてもよい。一例として、ユーザ端末40に要求取得部34が設けられ、ユーザ端末40が、取得した要求情報を取引支援サーバ20又はサプライヤ端末60に送信してもよい。また、取引支援サーバ20が備える各機能部の一部が、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60の少なくとも一方に設けられる場合、支援プログラムPGと、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60の少なくとも一方の制御プログラムとが協働して、取引支援システム100のコンピュータプログラムとして機能する。そして、取引支援システム100は、取引支援サーバ20と、ユーザ端末40及びサプライヤ端末60の少なくとも一方とによって構成される。
【0104】
また、取引支援サーバ20は、自動的に見積内容を作成する機能をさらに有していてもよい。サプライヤは、当該機能によって作成された見積りを確認して、必要な修正を加えた上で見積回答を行うことができる。
【0105】
なお、本明細書において、物品は、複数の部品を組み合わせて構成される物、又は一つのまとまった物であってもよい。また、物品は、完成品に組み込まれて機能を発揮するモジュール、ユニット等の組立体であってもよい。
【0106】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0107】
[付記1]
物品に関連した作業を必要とする物品関連サービスを提供するサプライヤと、前記物品関連サービスの提供を求めるユーザとの間のコミュニケーションを支援するためのサーバ装置であって、
前記物品の3次元モデルデータを前記ユーザの指示に基づいて取得する取得手段と、
前記3次元モデルデータに基づいて、所定の視点から観察した前記物品を表現した物品画面を前記ユーザ及び前記サプライヤの一方に提示する物品提示手段と、
提示された前記物品画面に対して注記情報を書き込んだ注記画面を表示するための注記データを、前記視点を特定する視点情報を含むように生成する注記データ生成手段と、
前記生成された注記データを取得する注記データ取得手段と、
前記注記データに含まれている前記視点情報に対応する視点から、前記取得された注記データに基づく前記注記画面を、前記ユーザ及び前記サプライヤの他方に提示する注記提示手段と、を備えるサーバ装置。
【符号の説明】
【0108】
22 :サーバメモリ(記憶手段)
23 :サーバ制御部(コンピュータ)
34 :要求取得部(取得手段)
34A :物品画像提示部(物品提示手段)
34B :注記データ生成部(注記データ生成手段)
34C :注記データ取得部(注記データ取得手段)
36A :コミュニケーション部(コミュニケーション手段)
36B :注記画像提示部(注記提示手段)
100 :取引支援システム(支援システム)
PG :支援プログラム(コンピュータプログラム)