(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013954
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】とろみ自動調理販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 13/06 20060101AFI20220112BHJP
G07F 13/10 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G07F13/06 101
G07F13/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018202173
(22)【出願日】2018-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000126849
【氏名又は名称】株式会社アペックス
(74)【代理人】
【識別番号】100092107
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 達也
(72)【発明者】
【氏名】清水 重雄
(72)【発明者】
【氏名】石原 豊史
(72)【発明者】
【氏名】中川 徹也
(72)【発明者】
【氏名】中根 潤之介
【テーマコード(参考)】
3E047
【Fターム(参考)】
3E047AA02
3E047AA04
3E047BA01
3E047BA02
3E047DB06
3E047EA04
3E047GA01
3E047GA06
3E047HA01
(57)【要約】
【課題】、従来のとろみサーバー機や、飲料供給装置では不可能であった出来上がりの温度が3℃~65℃の幅で、カップ式自動販売機で販売可能な製品に、とろみを付けて提供することができ、容量も10cc~500ccの間で調整が可能なとろみ自動調理販売機を提供することを目的とする。
【解決手段】調理工程を利用者に提供するカップ内への原料投入→湯注入→一時保留→カップ内で撹拌→氷投入→撹拌→撹拌機構の洗浄→提供といった流れになるように、撹拌を行うインペラ機構の回転の強さ、時間、タイミングの設定ができるコントロールボックスで制御する制御装置によって制御し、商品の原料の増量ボタン8、減量ボタン9、とろみ切換ボタン10、とろみ増量ボタン11、とろみ減量ボタン12のファンクションボタンが設けられ、とろみの必要な方にも、とろみを必要としない方にも飲料を提供可能にしたとろみ自動調理販売機
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ機構、豆キャニスター、クリームキャニスター、砂糖キャニスター、原料一時保留装置、カップ搬送機構、パウダー調理用湯供給装置、カップ内に挿入、排出できるようにした上下動可能な撹拌機構、水・冷水供給装置、洗浄装置を有するとろみ自動調理機において、調理工程を利用者に提供するカップ内への原料投入→湯注入→一時保留→カップ内で撹拌→氷投入→撹拌→撹拌機構の洗浄→提供といった流れになるように、撹拌を行うインペラ機構の回転の強さ、時間、タイミングの設定ができるコントロールボックスで制御する制御装置によって制御し、嚥下障害者用の、氷の量は極めて0に近づけられるように湯と氷と冷水の比率、また氷と冷水の投入タイミングの調整ができるように制御装置で制御し、3℃~65℃の温度帯の飲料を提供可能にし、商品の原料の増量ボタン、減量ボタン、とろみ切換ボタン、とろみ増量ボタン、とろみ減量ボタンのファンクションボタンが設けられたことを特徴とするとろみ自動調理販売機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体にとろみ成分を混合するとろみ自動調理販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、病院、介護施設等で飲食を取る際に、特に嚥下障害者用の場合は、食事にとろみを持たせることが必要である。これを従来のカップ式飲料自動販売機を応用して提供できないかを、試行錯誤して開発したものである。
一般的には、とろみの調理は手作業で行われていることがほとんどであり、飲料一杯毎に手作業で計量、撹拌が行われていることが多い。これは手間が掛かるのは勿論、人の手による計量ミス、完成した製品の品質のブレ等が発生する可能性が高い。従来技術である「筒状の抽出容器の下端部と液受部の上端部との間にフィルタが設けられ、前記抽出容器内への原料及び水の供給により抽出された飲料を、前記フィルタを介して前記液受部内に流下させて飲料流通路を通じてカップ内に供給する飲料供給装置」(特許文献1参照)、あるいは他のとろみサーバー機では、一杯毎に洗浄等のメンテナンスを行う必要がある。これを自動で調理する機械として、カップ式飲料自動販売機を採用することで、作業員の手間やムラを軽減するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-49257号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び
図1、
図2、
図6、
図7を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のとろみサーバー機や、飲料供給装置では不可能であった、出来上がりの温度が3℃~65℃の幅で、カップ式自動販売機で販売可能な製品に、とろみを付けて提供することができ、炭酸を追加した清涼飲料水にもとろみを付けて提供することを可能にし、容量も10cc~500ccの間で調整が可能なものが望まれている。
通常のカップ式飲料自動販売機の調理工程は、粉粒体→湯→撹拌→氷→冷水→撹拌→提供といった流れになる。しかし、この流れのタイミングでは、氷が飲料の中に残った状態で提供されてしまうことになる。通常の飲料であれば問題はないが、嚥下障害者用の場合、氷の量は、極めて0に近づけなければならない。
これを今回工夫して出来上がったカップ式のとろみ自動調理販売機は、湯と氷と冷水の比率、また氷、冷水の投入タイミングを変更し、少ないお湯で氷を溶かし、そこに冷水を投入することで、氷の塊を残すことなく、3℃~20℃の温度帯の飲料を提供するものである。
このようにとろみ飲料は、粘度のある飲料のため、定期的なオペレート作業が必須となる。また、医療に関することが多くなるため、定期巡回が必須であり、しかも定量で提供できることが大切で、定量吐出のチェックや、チェックの結果、制御系の再設定作業が必要である。このオペレート作業は、従来のカップ式飲料自動販売機で採用している定期巡回できるオペレートによるオペレート作業を行う方式が有効に機能するものである。
すなわち、本発明のとろみ自動調理販売機は、飲み込みが難しい方にも、ワンボタンでとろみ付きの飲料を提供でき、とろみを必要とする方にも、とろみが必要でない方にも、カップに一杯ずつ提供できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成することができる本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとろみ自動調理販売機であり、次のようなものである。
カップ機構、豆キャニスター、クリーム(とろみ材)キャニスター、砂糖キャニスター、原料一時保留装置、カップ搬送機構、パウダー調理用湯供給装置、カップ内に挿入、排出できるようにした上下動可能な撹拌機構、水・冷水供給装置、洗浄装置を有するとろみ自動調理機において、調理工程を利用者に提供するカップ内への原料投入→湯注入→一時保留→カップ内で撹拌→氷投入→撹拌→撹拌機構の洗浄→提供といった流れになるように、撹拌を行うインペラ機構の回転の強さ、時間、タイミングの設定ができるコントロールボックスで制御する制御装置によって制御し、嚥下障害者用の、氷の量は極めて0に近づけられるように湯と氷と冷水の比率、また氷と冷水の投入タイミングの調整ができるように制御装置で制御し、3℃~65℃の温度帯の飲料が提供でき、とろみ切換ボタンを設け、このとろみ切換ボタンで、自動調理し、調理が出来上がり次第、カップに入った商品を取り出せる自動開閉取り出し口を設け、上記とろみ切換ボタンには、とろみの濃さを、薄いとろみ、中間のとろみ、濃いとろみの三段階に切り換えができるとろみの濃さ調整ボタンを設け、とろみ調整を選択でき、さらにとろみ有無ボタンを設け、とろみ有り飲料・とろみなし飲料の両方ともを選択提供可能にする構成である。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るとろみ自動調理販売機は、上記説明のような構成を有するので、以下に記載する効果を奏する。
(1)とろみ飲料の調理をカップ内で完結できる。
(2)カップ内で調理できるので、衛生的な商品を提供することができる。
(3)従来技術では、とろみ調理に関しては、ミキシングボールの調理する箇所は不動で、その中に粉、お湯が入り撹拌、調理するので、ミキシングボール内に粘度が付くため、飲料を吐出するホースに、一つ前に調理した飲料が残ることから、毎業務終了時にミキシングボール機構、ホースなどの清掃業務が必要で、使用者による一日一回のメンテナンスが必要になるが、本発明では、カップ内で撹拌調理を行うため、調理毎の洗浄の必要がないものである。また、機器の管理からメンテナンスまで、オペレーションを行うシステムを利用するので、その日々のメンテナンスは設置先の従業員が行う必要がないように解決したものである。
(4)計量ミス、製品の品質のブレ等の発生が極めて少なくなる。
(5)炭酸を追加した清涼飲料水にもとろみを付けて提供することができる。
(6)容量を10cc~500ccの間で調整が可能である。
(7)嚥下障害者に品質の安定したとろみ飲料を提供することができる。
(8)カップ内でとろみ飲料のとろみを衛生的に行うことができる。
(9)本発明のとろみ自動調理販売機でとろみ飲料を調理する際、調理前にとろみの度合いをボタンにより選択することができるので、最適なとろみのレベルで、誤嚥を防止するために各嚥下障害者の嚥下能力に応じたとろみ飲料を提供することができる。
(10)ボタン一つでとろみの自動調理ができる。
(11)とろみの濃さが選択でき、しかもとろみの有無ボタンにより、とろみを必要とする方も必要としない方にも対応した商品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のとろみ自動調理販売機の正面の表示板の一実施例を示す概略正面図である。
【
図2】本発明のとろみ自動調理販売機のカップミキシング調理システムの一実施例を示す概略正面図である。
【
図3】(a)は従来のとろみ材を調理するミキシングボール調理システムの概略正面図、(b)は従来の(a)で示すとろみ材を調理したものにお茶パウダーを加えて調理をするミキシングボール調理システムの概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
カップ機構、豆キャニスター、クリーム(とろみ材)キャニスター、砂糖キャニスター、原料一時保留装置、カップ搬送機構、パウダー調理用湯供給装置、カップ内に挿入、排出できるようにした上下動可能な撹拌機構、水・冷水供給装置、洗浄装置を有するとろみ自動調理機において、調理工程を利用者に提供するカップ内への原料投入→湯注入→一時保留→カップ内で撹拌→氷投入→撹拌→撹拌機構の洗浄→提供といった流れになるように、撹拌を行うインペラ機構の回転の強さ、時間、タイミングの設定ができるコントロールボックスで制御する制御装置によって制御し、嚥下障害者用の、氷の量は極めて0に近づけられるように湯と氷と冷水の比率、また氷と冷水の投入タイミングの調整ができるように制御装置で制御し、3℃~65℃の温度帯の飲料を提供可能にし、商品の原料の増量ボタン、減量ボタン、とろみ切換ボタン、とろみ増量ボタン、とろみ減量ボタンのファンクションボタンが設けられたとろみ自動調理販売機である。
【実施例0009】
以下、図面を用いて本発明の一実施例に関して説明する。
図1は、本発明の一実施例を示すとろみ自動調理販売機の正面表示板の概略正面図、
図2は本発明の一実施例を示す概略斜視図、
図3は従来技術のミキシングボール調理システムを示す概略正面図である。
先ず、
図3に基づいて従来技術のミキシングボール調理システムを簡単に説明する。
図3(a)に示す通り、撹拌容器に、お湯ととろみ材を投入して撹拌し、その撹拌した製品をカップ内に投入し、さらに
図3(b)に示す通り、撹拌容器にお湯とお茶パウダーを投入して撹拌し、そのお湯とお茶パウダーの撹拌されたものを
図3(a)で調理されたお湯ととろみ材の入っているカップに投入し、手作業で撹拌してとろみ茶を得るものである。
【0010】
次に、本発明のとろみ自動調理販売機について
図1、
図2に基づいて詳細に説明する。
本発明のとろみ自動調理販売機には、
図1に示すように正面表示板には、従来のカップ式飲料自動販売機と同様に、ファンクションボタンが設けられており、商品種類の選択ボタンや商品の取り出し扉、紙幣硬貨投入口、販売中・準備中・10円釣銭切れ・100円釣銭切れ・1000円釣銭切れ・投入金額・「℃」・「¥」・「秒」等の表示の従来のものに加えて、商品の原料の増量ボタン8、減量ボタン9、とろみ切換ボタン10、とろみ増量ボタン11、とろみ減量ボタン12のファンクションボタンが設けられている。
選択ボタンにより選択された商品に合わせて豆キャニスター、茶葉キャニスター、クリーム(とろみ材)キャニスター、砂糖キャニスターから選択されたものが準備され、選択されたこれらを受け入れるカップを準備するカップ機構、これら準備された原料を一時保留する原料一時保留装置、前記カップを搬送する機構をX軸、Y軸に動作させてカップを所定位置に搬送するカップ搬送機構、ミルモーター、抽出湯を供給し、コーヒーブルワーで撹拌、むらし、抽出湯を排出する。加えて、ポンプ、撹拌機構を上下動作し、1次撹拌、2次撹拌し、さらに回転させ、この状態の撹拌されたとろみ飲料の入ったカップに氷、冷水を注入し、販売口扉を開放し、カップが取り出されると販売口扉は閉止する。さらに、使用された各部位をポンプを介して湯又は冷水で洗浄するものである。
選択ボタンで選択された例えば、ホットとコールド、容量大・中・小、砂糖入りかブラックか、クリームあり・なし、氷あり・なし、とろみあり・なし(この際、とろみ度合いも選択することができる)を選択することで、その選択に合ったカップをカップ機構から供給し、ミックスキャニスター、クリームキャニスター、砂糖キャニスターからの注出で、この原料らを一時保留して、とろみを持たせた飲料を一時保留装置で一時保留させ、一時保留しながらカップ搬送機構でX軸、Y軸によって、搬送され、この搬送されるカップにパウダー湯を注入し、各種原材料とパウダー湯の混入されたカップ内に撹拌機構が下降して、1次撹拌し、さらに氷、冷水を投入して2次撹拌を撹拌機構で行い、調理が終了すると、販売口扉が開口し、カップを取り出すと閉止される。その際、撹拌機構は上昇するものである。(なお、撹拌機構は再度降下し、洗浄湯、または洗浄冷水を抽出して撹拌羽根を回転させながら洗浄するものである。)
【0011】
以上説明したように、従来のカップ式飲料自動販売機の機構を最大限に活用し、カップ内で撹拌用ミキサーで撹拌し、ポンプを利用し、お湯で撹拌ミキサーの洗浄を可能にしたもので、一例としてお茶パウダーにとろみ材を加え、それにお湯、水を注入してカップ内で撹拌するものを示したものである。
【0012】
以上説明したように、通常のカップ式飲料自動販売機の調理工程は、粉→湯→撹拌→氷→冷水→撹拌→提供といった流れになっているが、この調理工程のタイミングでは、氷が飲料の中に残った状態で提供される。通常の場合は問題ないが、嚥下障害者用の場合、氷の量は極めて0に近づけなければならない。
今回の本発明のとろみ自動調理販売機は、湯と氷と冷水の比率、また氷、冷水の投入タイミングを変更し、少ないお湯で氷を溶かし、そこに冷水を投入することで氷の塊を残すことなく、3℃~20℃の温度帯の飲料の提供が可能になったものである。
これは、カップ式飲料自動販売機の原料は、冷水では溶け難いため、冷たい飲料でも先にお湯で溶かす必要がある。これを発想の転換でカップミキシング機械をとろみ調理に初めて使われた技術である。従来のサーバー機に搭載されているミキシングボール機構と比較して、優れている点は、調理がカップの中で完結するため、衛生的な商品を提供できるものである。
【0013】
従来のミキシングボール機は、調理するミキシングボールは不動で、その中に粉、お湯が入り、撹拌調理される。とろみ調理に関しては、粘度が高くなるため、飲料を吐出するホースに、一つ前に調理した飲料が残ることから、使用者による一日一回のメンテナンスが必要になる。すなわち、サーバー機は毎業務終了時にミキシングボール機構、ホース等の清掃業務が必要となる。
カップ式飲料自動販売機は通常、日常的にオペレーターが巡回して機器の管理からメンテナンス(清掃は、毎回の販売が完了すると自動的に撹拌機構は洗浄される。)を行うシステムを採用しているので、施設の従業員の日常的なオペレーション負荷は発生しない。
乳成分、塩分が入ると、とろみが若干付き難い傾向があることが判明したので、出来上がりの量は同じでも、原料によってとろみ材の投入量を調整する必要がある。
また、嚥下能力の程度によって、最適なとろみのレベルというものが存在する。それは人それぞれであり、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の分類では、濃い~中間~薄いの3段階に分けられている。誤嚥を防止するためにも、各患者の嚥下能力に応じたとろみでの提供が必須となるものである。
従って、本願発明のとろみ自動調理販売機には、とろみ切換ボタン10を設けてある。従来のサーバー機は「濃いとろみ」、「中間とろみ」、「薄いとろみ」がそれぞれ商品ボタン毎にボタンが設けられているのに比べて商品のボタンは一つである。とろみの増減ボタン11、12が別にあり、薄い~中間~濃いの調整も、そのボタンで可能になっている。その結果、ボタンの数が減り、同じ商品で何個もメニュー棚を埋めることなく、バリエーションに富んだメニューが提供できる。
【0014】
また、従来のとろみサーバーも、自動計量、自動調理はサーバーで対応が可能であるが、ココアや炭酸水等の豊富なメニュー、衛生的な調理ライン、専任者の定期訪問という点において、本発明のとろみ自動調理販売機の方が、サーバーより優れているものである。
また、カップ式のドリンクでは、原料によっては使用量が多く、溶かすお湯の下限値が高い商品もあり、その際に、冷水だけで目標とする温度(3℃~65℃)を提供することは、不可能であり、氷を添加し、急激に温度を下げることによって可能にしたものである。
使用するとろみ原料についても、造粒してあり、カップ式飲料自動販売機への適性は全く問題ない。オペレートにあたっても、とろみ材が固まったり、排水が詰まったりすることもないものである。
また、とろみの濃度は、温度、時間が関係している。温度が高い時は、とろみは薄くなるし、時間が経過するにつれて、とろみ濃度は高くなる。これを一定にする解決手段として、ムラなく混ぜる撹拌が必要となる。さらに、カップ式の自動調理販売機のメリットの一つとして、カップ7内で調理が完了することから、とろみの濃度が一定した状態で提供することができる。
撹拌を行うインペラ機構は、コントロールボックスで制御されており、回転の強さ、時間、タイミングは設定した値からずれることはない。結果、出来上がり時のとろみ濃度が安定する。
なお、実験をしている中で、コーンプレート型回転粘度計を用いて、出来上がり1分後、30分後での粘度測定を行い、「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013とろみ早見表」における粘度の範囲内に入っていることを確認した。
以上のように、学術的根拠のあるとろみの調合を管理することができ、また商品ごとに細かく設定したスロー表でレシピを管理し、全国統一の味、商品を提供することができるものである。
とろみを持たせるために液体と粉体だけでなく、粘度の違う液体と液体や、粉体と粉体で撹拌混合する場合など、負荷の大きいものの撹拌混合に利用することができるものである。