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  • 特開-動力伝達装置および動力伝達方法 図1
  • 特開-動力伝達装置および動力伝達方法 図2
  • 特開-動力伝達装置および動力伝達方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013955
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】動力伝達装置および動力伝達方法
(51)【国際特許分類】
   F16D 11/04 20060101AFI20220112BHJP
   F16D 11/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
F16D11/04 A
F16D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018202202
(22)【出願日】2018-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】508195419
【氏名又は名称】イースロジック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123489
【弁理士】
【氏名又は名称】大平 和幸
(72)【発明者】
【氏名】宮永 義鎮
【テーマコード(参考)】
3J056
【Fターム(参考)】
3J056AA53
3J056CC03
3J056CC39
3J056DA04
3J056GA02
3J056GA12
3J056GA26
(57)【要約】
【課題】新規な軸の移動装置および方法を提供する。
【解決手段】軸に直接または間接的に接触した方向舵の方向を変えることにより、軸を移動させる方法。前記軸が、駆動軸である方法。前記駆動軸にクラッチが連結している方法。前記方向舵が車輪である方法。軸に直接または間接的に接触する、向きを変更可能な方向舵を有する装置。前記軸が、駆動軸である装置。前記駆動軸にクラッチが連結している装置。前記方向舵が車輪である装置。本発明によれば、軸を移動させる新規な方法および装置を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸に直接または間接的に接触した方向舵の方向を変えることにより、軸を移動させる方法。
【請求項2】
前記軸が、駆動軸である請求項1の方法。
【請求項3】
前記駆動軸にクラッチが連結している請求項1または2の方法。
【請求項4】
前記方向舵が車輪である、請求項1~3のいずれかの方法。
【請求項5】
軸に直接または間接的に接触する、向きを変更可能な方向舵を有する装置。
【請求項6】
前記軸が、駆動軸である請求項5の装置。
【請求項7】
前記駆動軸にクラッチが連結している請求項5または6の装置。
【請求項8】
前記方向舵が車輪である、請求項5~7のいずれかの装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチ等の軸を移動させて動力を伝達する装置および方法に関する。より詳しくは、方向舵を用いて軸を移動させて動力を伝達する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クラッチを接続、分離するための仕組みとしては、クラッチペダルを踏むことで油圧等により軸に連結されたクラッチ盤を移動させて接続、分離する仕組みがあった(例えば、特許文献1)。この場合、ペダルの踏み込み方や戻し方によっては接続がスムーズに行かずエンジンがストップ(エンスト)してしまうという問題があった。
そこで、ペダルで踏み込む以外のクラッチ接続システムが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-121734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新規な軸の移動装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)軸に直接または間接的に接触した方向舵の方向を変えることにより、軸を移動させる方法。
(2)前記軸が、駆動軸である(1)の方法。
(3)前記駆動軸にクラッチが連結している(1)または(2)の方法。
(4)前記方向舵が車輪である、(1)~(3)のいずれかの方法。
(5)軸に直接または間接的に接触する、向きを変更可能な方向舵を有する装置。
(6)前記軸が、駆動軸である(5)の装置。
(7)前記駆動軸にクラッチが連結している(5)または(6)の装置。
(8)前記方向舵が車輪である、(5)~(7)のいずれかの装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、軸を移動させる新規な方法および装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の装置で軸を移動させない場合の概略図である。
図2図2は、本発明の装置において車輪の向きを変えることにより軸を移動させる場合の概略図である。
図3図3は、本発明の装置の別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によれば、軸に直接または間接的に接触する方向舵(車輪など)の方向を変えることにより、軸を移動させることができる。好ましくは、軸に直接ではなく、図1および2に記載のように、軸にスライド用ドラム4を設置し、それに方向舵の摩擦車12を接触させることで、軸に対して間接的に接触させる。
【0009】
摩擦車をスライド用ドラムに接触させる場合、図2のように摩擦車の先端の向きを向かって上方向に向けて回転させると、軸は上側に向かう力を受けるため、上に向かって移動する。逆に摩擦車の先端の向きを向かって下方向に向けて回転させると、軸は下方向に移動する。
【0010】
この場合、摩擦車の車輪は自力で回転する必要はなく、軸の回転により受動的に回転してもよい。その場合でも、車輪の向きにより、軸を移動させることができる。
【0011】
本発明においては、軸またはスライド用ドラムに接触できるのであれば、摩擦車の位置は軸の上に限らず、下側、左右いずれかの側面、その中間等どの位置に車輪を設置してもよい。
【0012】
すなわち、本発明の装置によれば、単に方向舵(車輪、摩擦車)の方向を変えるだけで、軸を移動させることができ、それにより、軸に取り付けたクラッチ板を接触させたり、分離させたりすることができる。
【0013】
さらに、より強く接触させる必要がある場合は、出力動力伝達軸15に角度をつけることで、より強く押し付けることができる(図3)。この場合、軸に角度を付ける機構としては、ラダーが好ましく用いられるがこれに限られず、軸の角度を付けられるものであれば特に制限なく使用できる。
【0014】
本発明において、軸またはスライド用ドラムに接触させる摩擦車の材質は滑りやすいものは不向きで、摩擦があり、それにより、軸を移動させる力が十分伝わるものを用いるのが好ましい。そのような材質としては、ゴム、樹脂等が好ましい。
【0015】
スライド用ドラムの材質は、摩擦車の材質との兼ね合いで方向舵の機能が発揮できる十分な摩擦が得られる限り特に制限はないが、例えば、金属、プラスチックおよびゴムなどが好ましく用いられる。
【0016】
車輪の向きを制御する方法としては、車輪の向きを変える回転装置を用いることが好ましい。図1および2ではサーボモータを用いて方向舵の方向を制御しているが、電磁石などにより方向舵の方向を制御してもよい。要するに、方向舵の角度を制御でき、軸を移動させられるものであれば、特に制限されない。
【0017】
サーボモータを用いて方向舵の方向を制御する場合、制御は角度入力が可能なので「サーボモータに対し適切な角度(例えば、5度)を入力することにより方向舵の角度を付けることができる。
【0018】
電磁石を用いて方向舵の方向を制御する場合、あらかじめ方向舵の稼働有効角度を、例えば、+5度、-3度等適切な角度に設定し、電磁石の非通電状態を、例えば-3度(図1および2では下方向に移動するのでクラッチ解放状態)、電磁石の通電時に、例えば+5度(上方向に移動しクラッチ接続状態)とすることにより制御できる。
【0019】
本発明においては、円錐形の台形(円錐の上部を切り取った形状)のものをクラッチとして使用することが好ましい(図1~3)が、必ずしも円錐形の台形である必要はなく、通常のクラッチディスクの制御にも使用できる。
【0020】
クラッチと接続して動力を伝える摩擦車(歯車)は、動力が伝達できる限りクラッチに接触する角度に制限はないが、円錐台形の上面(横から見て台形の上底)および下面(台形の下底)と平行であってもよく角度がついていてもよい。軸の移動方向に向けて角度をつけることで、軸が摩擦車に押し付けられ、より強固に接続させることができる。摩擦車がクラッチと接触する好ましい角度は、軸方向に対して下限は70度以上が好ましく、より好ましくは75度以上、さらに好ましくは80度であり、上限は、95度以下が好ましく、より好ましくは90度以下、さらに好ましくは85度以下である。角度を付けすぎるとクラッチの開放を行う際に抵抗となる。
【実施例0021】
(実施例1)
図1は、本発明の動力伝達装置で、軸2が移動せずクラッチ3が摩擦車14(歯車等)と離れている状態を示す。図2は、方向舵12の角度を図1と変えることで、軸2が上方に移動し、クラッチ3と摩擦車14が接触し、出力動力部16に動力が伝達されることを示している。
【0022】
すなわち、主動力8を主動力回転方向(右)Aに回転させると動力伝達軸7、動力伝達部6および5を伝わり、動力伝達軸2およびスライド用ドラム4、クラッチ部3が伝達軸(スライド)回転方向(左)Bに回転する。
【0023】
方向舵用サーボ9をドラム回転方向に対し垂直にしている場合、動力伝達軸2は上下にスライドすることなくクラッチは解放状態となる(図1)。
【0024】
方向舵用サーボ9をドラム回転方向に対しサーボモータ回転方向(上)C方向に角度を付けると、摩擦車12(ゴム等)の回転に伴い、摩擦車12がスライド用ドラム4の表面をドラムの下方向(右斜め下)Dに移動し、接合されている動力伝達軸2およびクラッチ部3も伝達軸スライド方向(上)Eにスライドする。クラッチ部3が上方向にスライドすることにより摩擦車14と接触し、出力動力伝達軸15が出力動力伝達軸回転方向(右)Fに回転する。この状態がクラッチの接合状態である(図2)。
【0025】
クラッチを接続させた後、摩擦車12の角度を小さくするか、0度(図1の状態)に戻してもよいが、そのままの角度で軸を押し続けてもよい。押し続けることでより強固にクラッチが接続すると考えられる。より早くクラッチを接続させたい場合や、より強くクラッチを押し付ける必要がある場合は、摩擦車12の(0度からの)角度をより大きくしてもよい。逆に半クラッチのようにゆっくり接続させる場合は、摩擦車12の角度を小さくすることでより遅く接続させることができる。
【0026】
クラッチを接続後、解放する場合は、摩擦車12の向きを逆向き(-)にして、軸をクラッチから遠ざかるように移動させてクラッチを解放させる。解放状態の定位置まで軸が移動した後は、摩擦車12の向きを0度に戻してもよく、摩擦車12を逆向きの角度のままにするか、角度をより0度側に近づけてもよい。
【0027】
クラッチの接続、解放の状態はセンサを付けて検出するようにしてもよいが、時間により推定してもよい。その場合、軸の回転速度、スライド用ドラムの直径、摩擦車の角度および解放状態から接続状態までの軸の移動距離により何秒で解放状態から接続状態に移行するかが計算できるので、その時間に応じて摩擦車の角度を制御してもよい。この場合、確実に接続、解放が行われるように、ある程度(数秒~数十秒)の時間を付加して制御してもよい。
【0028】
サーボモータの場合、制御は角度入力が可能なのでサーボモータに対し適切な角度(例として5度)を入力することにより方向舵の角度を付けることができる。
【0029】
電磁石で制御する場合、例えば、あらかじめ方向舵の稼働有効角度を+5度、-3度等適切な角度に設定し、電磁石の非通電状態を-3度(下方向に移動するのでクラッチ解放状態)、電磁石の通電時に+5度(上方向に移動しクラッチ接続状態)とすればよい。
【0030】
方向舵の好ましい角度は、クラッチ接続状態で、下限の角度は1度以上が好ましく、より好ましくは3度以上、さらに好ましくは5度以上であり、上限の角度は、30度以下が好ましく、より好ましくは20度以下、さらに好ましくは15度以下である。最も好ましくは7度である。クラッチ解放時の方向舵の好ましい角度は、上限が0度以下、より好ましくは-1度以下、さらに好ましくは-3度以下であり、下限は、-30度以上、より好ましくは-10度以上、さらに好ましくは-3度以上である。
【0031】
(実施例2)
図3は、クラッチ部3と摩擦車14の接合をより強固にするための実施形態の概略図である。本実施形態では、方向舵用軸受け11に接続されたラダー17により出力動力軸受け18に角度が付く。回転しているクラッチ部3(円錐)に接触した摩擦車14は摩擦車進行方向Gに進むため円錐部の厚みのある部分に食い込み強固に接続される。
本実施形態ではラダーにしているが、方向舵軸受の角度により摩擦車14の角度を変えられる機構であれば特に制限されない。
【0032】
方向舵軸受の角度が変化すると、ラダー17が上下にずれるため摩擦車14にも角度がつく。円錐部はドラムの上に移動した距離だけ上に移動するが、摩擦車に角度を付けない場合、接触した時点の食い込み以上は食い込まない。これはドラムを上に押し上げる力のみで食い込んでいるためである。角度がある場合、摩擦車自体の進行方向に進もうとする力で食い込むのでより厚みのある部分まで食い込むため、より強固に接続できる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、自動車産業、ロボット産業等で利用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 シャーシー
2 動力伝達軸(スライド)
3 クラッチ部(円錐台形ゴム等)
4 スライド用ドラム
5 動力伝達(ギヤー等)
6 動力伝達(ギヤー等)
7 動力伝達軸
8 主動力(モーター等)
9 方向舵用サーボ(電磁石等でも可能)
10 方向舵用回転軸
11 方向舵用軸受け
12 摩擦車(ゴム等)
13 摩擦車用車軸
14 摩擦車(歯車等)
15 出力動力伝達軸
16 出力動力部
17 ラダー
18 出力動力軸受け
19 回転軸受け
A 主動力回転方向(右)
B 伝達軸(スライド)回転方向(左)
C サーボモーター回転方向(上)
D ドラム移動方向(右斜め)
E 伝達軸スライド方向(上)
F 出力動力伝達軸回転方向(右)
G 摩擦車進行方向
図1
図2
図3