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特開2022-139568建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造およびシャッターカーテンの連結方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139568
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造およびシャッターカーテンの連結方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/171 20060101AFI20220915BHJP
   E04G 21/18 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E06B9/171
E04G21/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040017
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000252034
【氏名又は名称】株式会社鈴木シャッター
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】深川 大樹
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA03
2E174CA38
2E174DA21
2E174DA32
2E174EA02
(57)【要約】
【課題】躯体側に回転自在に支持された巻き取りドラムにシャッターカーテンの上端部を連結するにあたり、連結作業の容易化、作業効率の向上を図る。
【解決手段】巻き取りドラム4にシャッターカーテン3の上端部を連結する場合に、シャッターカーテン3の上部を巻き取りドラム4に当接させた状態で、該シャッターカーテン3の上部を、基端側が躯体側に揺動自在に取り付けられ、先端側がシッターカーテン3の上部に係脱自在に係止するストッパー14によって仮保持し、該仮保持された状態で連結作業を行うようにした。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉するシャッターカーテンと、開口部上方の躯体側に回転自在に支持されてシャッターカーテンを巻き取り、繰り出し自在に巻装する巻き取り体とを備えてなる建物用シャッター装置において、躯体側に回転自在に支持された巻き取り体にシャッターカーテンの上端部を連結するにあたり、シャッターカーテンの上部を巻き取り体に当接させた状態で、該シャッターカーテンの上部を、基端側が躯体側に揺動自在に取り付けられ、先端側がシッターカーテンの上部に係脱自在に係止するストッパーによって仮保持することを特徴とする建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造。
【請求項2】
シャッターカーテンの上端部と巻き取り体との連結部同士の位置合わせは、シャッターカーテンを仮保持した状態で巻き取り体を回転させて行うことを特徴とする請求項1記載の建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造。
【請求項3】
シャッターカーテンは、複数のスラットを上下方向にインターロック結合して構成されるものとする一方、シャッターカーテンの仮保持時に、ストッパーの先端側はインターロック結合部に係止することを特徴とする請求項1または2記載の建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造。
【請求項4】
巻き取り体の左右端部は、躯体側に固定される左右のブラケットに支持される一方、該左右のブラケットにシャッターカーテンの仮置場を組み付け、該仮置場にシャッターカーテンを載置した状態で、シャッターカーテンの上端部と巻き取り体との連結作業を行うことを特徴とする請求項1乃至3記載の建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造。
【請求項5】
開口部を開閉するシャッターカーテンと、開口部上方の躯体側に回転自在に支持されてシャッターカーテンを巻き取り、繰り出し自在に巻装する巻き取り体とを備えてなる建物用シャッター装置において、躯体側に回転自在に支持された巻き取り体にシャッターカーテンの上端部を連結する方法であって、該連結方法は、シャッターカーテンの上部を巻き取り体に当接させた状態で、該シャッターカーテンの上部を、基端側が躯体側に揺動自在に取り付けられ、先端側がシッターカーテンの上部に係脱自在に係止するストッパーによって仮保持する工程と、シャッターカーテンを仮保持した状態で巻き取り体を回転させてシャッターカーテンの上端部と巻き取り体との連結部同士の位置合わせを行う工程と、該位置合わせされた状態でシャッターカーテンの上端部と巻き取り体とを連結する工程とを含むことを特徴とする建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの連結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル、住宅等の建物の出入り口等の開口部に建て付けられる建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造およびシャッターカーテンの連結方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、住宅等の建物の出入り口等の開口部に、開口部の左右に設けられるガイドレールに案内されて開口部を開閉するシャッターカーテンを備えた建物用シャッター装置を建て付けることがあるが、このような建物用シャッター装置を建て付ける場合に、シャッターカーテンが巻装された状態の巻き取り体(巻き取りドラム、巻き取りホイール)を、フォークリフトのような揚上装置により天井部位に持ち上げて躯体側に取り付けるようにしたものが提唱されている(例えば特許文献1参照。)。
しかしながらシャッターカーテンが巻装された巻き取り体は重量が重いうえ嵩張るため、躯体側への取り付け作業が困難であるうえ、建て付け現場にこのような重量物を揚上する能力のある揚上装置がない場合、前記持ち上げ作業ができないという問題がある。
これに対し、天井部に取り付けた巻き取り体にシャッターカーテンの上端縁部を連結した後、シャッターカーテンを巻き取り体に巻装するようにし、これによってシャッターカーテンが巻装された重い巻き取り体を持上げる必要がないようにしてシャッター装置の取り付けをするようにしたものが知られている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-165199号公報
【特許文献2】特開2019-190021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで前記躯体側に取り付けた巻き取り体にシャッターカーテンを連結する場合に、シャッターカーテンは、巻き取り体に対して上端縁部を左右複数個所で連結することになるが、この連結作業は、シャッターカーテンの上端縁部を巻き取り体部位に持ち上げて行われることになる。この場合、持ち上げられたシャッターカーテンの上端縁部には、持上げられた部位のシャッターカーテンの自重が働くことになってズレ落ちようとする負荷が働くことになり、この結果、この負荷に抗する状態での連結作業が強いられることになるが、斯かる連結作業は高所作業になることもあって作業性に劣る等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、開口部を開閉するシャッターカーテンと、開口部上方の躯体側に回転自在に支持されてシャッターカーテンを巻き取り、繰り出し自在に巻装する巻き取り体とを備えてなる建物用シャッター装置において、躯体側に回転自在に支持された巻き取り体にシャッターカーテンの上端部を連結するにあたり、シャッターカーテンの上部を巻き取り体に当接させた状態で、該シャッターカーテンの上部を、基端側が躯体側に揺動自在に取り付けられ、先端側がシッターカーテンの上部に係脱自在に係止するストッパーによって仮保持することを特徴とする建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造である。
請求項2の発明は、シャッターカーテンの上端部と巻き取り体との連結部同士の位置合わせは、シャッターカーテンを仮保持した状態で巻き取り体を回転させて行うことを特徴とする請求項1記載の建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造である。
請求項3の発明は、シャッターカーテンは、複数のスラットを上下方向にインターロック結合して構成されるものとする一方、シャッターカーテンの仮保持時に、ストッパーの先端側はインターロック結合部に係止することを特徴とする請求項1または2記載の建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造である。
請求項4の発明は、巻き取り体の左右端部は、躯体側に固定される左右のブラケットに支持される一方、該左右のブラケットにシャッターカーテンの仮置場を組み付け、該仮置場にシャッターカーテンを載置した状態で、シャッターカーテンの上端部と巻き取り体との連結作業を行うことを特徴とする請求項1乃至3記載の建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの仮保持構造である。
請求項5の発明は、開口部を開閉するシャッターカーテンと、開口部上方の躯体側に回転自在に支持されてシャッターカーテンを巻き取り、繰り出し自在に巻装する巻き取り体とを備えてなる建物用シャッター装置において、躯体側に回転自在に支持された巻き取り体にシャッターカーテンの上端部を連結する方法であって、該連結方法は、シャッターカーテンの上部を巻き取り体に当接させた状態で、該シャッターカーテンの上部を、基端側が躯体側に揺動自在に取り付けられ、先端側がシッターカーテンの上部に係脱自在に係止するストッパーによって仮保持する工程と、シャッターカーテンを仮保持した状態で巻き取り体を回転させてシャッターカーテンの上端部と巻き取り体との連結部同士の位置合わせを行う工程と、該位置合わせされた状態でシャッターカーテンの上端部と巻き取り体とを連結する工程とを含むことを特徴とする建物用シャッター装置におけるシャッターカーテンの連結方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、シャッターカーテンの上端部と巻き取りドラムとの連結作業の容易化、作業効率の向上に大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、連結部同士の位置合わせを簡単かつ素早く行うことができる。
請求項3の発明とすることにより、インターロック結合部を利用してストッパーを簡単にシャッターカーテンに係止せしめることができる。
請求項4の発明とすることにより、シャッターカーテンの仮保持時においてストッパーとシャッターカーテンとの係止部にかかる負荷を低減できる。
請求項5の発明とすることにより、シャッターカーテンの上端部と巻き取りドラムとの連結作業を容易かつ効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】シャッター装置の概略正面図である。
図2】載置台に載せたシャッターカーテンを吊り上げた状態を示す背面図である。
図3】載置台に載せたシャッターカーテンを吊り上げた状態を示す側面図である。
図4】載置台に載せたシャッターカーテンを仮置場に置いた状態を示す背面図である。
図5】載置台に載せたシャッターカーテンを仮置場に置いた状態を示す側面図である。
図6】索条体で巻き取りドラムと最上端スラットとを連結した状態を示す背面図である。
図7】索条体で巻き取りドラムと最上端スラットとを連結した状態を示す側面図である。
図8】索条体とともにシャッターカーテンを巻き取っている状態を示す側面図である。
図9】ストッパーによりシャッターカーテンを仮保持している状態を示す背面図である。
図10】(A)はストッパーによりシャッターカーテンを仮保持している状態を示す側面図、(B)はストッパーをインターロック結合部に差し込んでいる部分の拡大図である。
図11】最上端スラットを巻き取りドラムに連結固定した後にストッパーを取り外した状態を示す側面図である。
図12】シャッターカーテンを全て巻き取った状態を示す背面図である。
図13】シャッターカーテンを全て巻き取った状態を示す側面図である。
図14】(A)、(B)、(C)はそれぞれ載置台の側面図、正面図、平面図である。
図15】(A)は仮置場の背面図、(B)は(A)のA-A矢視図、(C)は(A)のB矢視図、(D)は(C)のC矢視図である。
図16】(A)、(B)、(C)はそれぞれストッパーの正面図、側面図、分解正面図、(D)、(E)はストッパーの基端側半部に対して先端側半部を上下方向、左右方向に位置変更して締結した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はビル、住宅等の建物の出入り口等の開口部Eに建て付けられる建物用のシャッター装置であって、該シャッター装置1は、開口部Eの左右に設けられるガイドレール2、該ガイドレール2に案内されて開口部Eの開閉をするシャッターカーテン3、該シャッターカーテン3を巻き取り、繰り出し自在に巻装するべく開口部Eの上方に配設される巻き取りドラム(本発明の巻き取り体に相当する)4、該巻き取りドラム4の左右両端部を支持する状態で躯体側に固定される左右のブラケット5等の各種の部材装置を用いて構成されていること等は何れも従来通りである。
因みに本実施の形態のシャッター装置1は、電動式の開閉機6を備えたものであって、該開閉機6の駆動に基づいて巻き取りドラム4を正逆回動させる構成になっているが、開閉機6のない手動式のものであっても勿論本発明を実施することができる。
【0009】
前記シャッターカーテン3は、左右方向長尺状のスラット3aをインターロック結合3bにより上下方向に複数連装して形成されるものであって、該シャッターカーテン3の上端部(本実施の形態では最上端のスラット3at)は、後述するように吊元ボルト7を介して巻き取りドラム4に連結されており、これにより、巻き取りドラム4の正逆回動に伴いシャッターカーテン3が巻き取りドラム4に巻き取り、繰り出されて開口部Eを開閉するようになっている。尚、図中、3cはシャッターカーテン3の最下端に取り付けられる座板である。また、以下の説明では、シャッターカーテン3の面方向と直交する方向(シャッターカーテン3の厚み方向)を前後方向とするが、この場合に、便宜上、巻き取りドラム4に対してシャッターカーテン3の繰り出し側(図3図5図7図8図10図11図13における左側)を正面側(前側)とし、シャッターカーテン3の反繰り出し側(図3図5図7図8図10図11図13における右側)を背面側(後側)とするが、これに限定されるものではない。
【0010】
また、左右のブラケット5は、矩形プレート状の本体部5a、該本体部5aの前縁部から左右内方に向けて折曲形成され、躯体側に固定される固定片5b、本体部5aの上下縁部から左右外方に向けて折曲形成される上下折曲片5c、5d等を備えて構成されている。そして、本体部5aの中央部に、巻き取りドラム4の左右両端部が軸受(図示せず)を介して回転自在に軸承されるようになっている。
【0011】
次に、前記シャッターカーテン3を巻き取りドラム4に連結する工程、方法について図2図13に基づいて説明するが、これら工程を示す図面のうち、図2図4図6図9図12はシャッター装置1の背面側から視た図であり、図3図5図7図8図10図11図13は左右内方側から視た側面図である。
まず、シャッターカーテン3を巻き取りドラム4に連結する前の段階で、躯体側に固定された左右のブラケット5に巻き取りドラム4の左右両端部を支持せしめる。この場合、左右のブラケット5の固定片5bを開口部E上方の躯体側にボルト等の固定部材(図示せず)を用いて固定するとともに、左右のブラケット5の本体部5aの前側上部間、後上端部間にそれぞれアングル材からなる補強材8を架設する。しかる後、チェーンブロック等の吊り上げ装置を用いて巻き取りドラム4を吊り上げ、該吊り上げた巻き取りドラム4の左右両端部を、前記躯体側に固定された左右のブラケット5の本体部5aに軸受を介して回転自在に支持せしめる。
【0012】
次いで、予め座板3cも含めて渦巻き状に巻回されて載置台10に載置された状態のシャッターカーテン3を、チェーンブロック等吊り上げ装置9で吊り上げ(図2図3参照)、左右のブラケット5の下端位置よりも上方に位置せしめる。この場合に、シャッターカーテン3は載置台10と共に吊り上げられるが、該載置台10は、上側および左右両側が開口した側面視凵形状のものであって、その左右長さはシャッターカーテン3の左右幅よりも若干短く設定されている。この載置台10の内面には、渦巻状に懸回されたシャッターカーテン3の外面に当接する複数の回転自在なローラ11が取り付けられており、該ローラ11によって載置台10に載置された状態でのシャッターカーテン3の巻き出しをスムーズに行えるようになっている。
【0013】
次いで、前記左右のブラケット5に、シャッターカーテン3を巻き取りドラム4に連結するときに載置台10に載置された状態のシャッターカーテン3の左右両側を載置するための左右の仮置場12を組み付ける。
前記仮置場12は、複数のL字形アングル材を溶接等により一体的に固定して形成されるものであって、前記左右のブラケット5の下側折曲片5dの下面に沿うように設けられ、該下側折曲片5dにボルト5fにより止着される第一アングル材12A、該第一アングル材12Aの前後部から垂下される第二、第三アングル材12B、12C、これら第二、第三アングル材12B、12Cの下部間に架設され、第一アングル材12Aと上下方向に並行状となる第四アングル材12D、該第四アングル材12Dの左右内方側に固着される四角枠状の底部12a、該底部12aの左右前後枠を形成する第五~第八アングル材12E~12H、底部12aの左右内方側後部から後側補強材8に至るように立設される第九アングル材12I、底部12aの後枠を形成する第八アングル材12Hの左右内方側端部と第三アングル材12Cの上部との間に傾斜状に架設される第十アングル材12J、底部12aの左右枠を形成する第五,第六アングル材12E、12Fの前後方向中間部間に架設される第十一アングル材12K、該第十一アングル材12Kに取り付けられ、底部12aから上方に突出して底部12aに載置された載置台10の位置決めを行う第十二アングル材12L等を用いて構成されている。そして、該仮置場12は、第一アングル材12Aを左右のブラケット5の下側折曲片5dにボルト5fを介して止着することで、左右のブラケット5に着脱自在に組み付けられるようになっている。
そして、仮置場12の左右のブラケット5への組付けが完了したら、該仮置場12の底部12aに、前記吊り上げ装置9を用いて、載置台10に載置された状態のシャッターカーテン3の左右両側を載置する(図4図5参照)。
【0014】
次いで、前記仮置場12の載置台10に載置されたシャッターカーテン3の上端部を、前記左右のブラケット5に支持された巻き取りドラム4に連結する作業を行うが、この場合、まず、シャッターカーテン3の最上端スラット3atと巻き取りドラム4とを、ワイヤーやロープ等の索条体13を介して連結する(図6図7参照)。この連結は、索条体13の一端側を、巻き取りドラム4に取り付けた吊元ボルト7に係止し、他端側を、最上端スラット3atに穿設された吊元ボルト用のボルト孔3dに係止することで行われる。尚、前記吊元ボルト7、ボルト孔3dは、巻き取りドラム4、最上端スラット3atの左右方向複数箇所に設けられており、そのうちの適宜箇所(本実施の形態では四箇所)を索条体13を介して連結する。
【0015】
次いで、巻き取りドラム4をシャッターカーテン巻き取り方向(図8において右回り方向)に回転させる。これに伴い、索条体13が巻き取りドラム4に巻き付けられるとともに、該索条体13に引っ張られることによりシャッターカーテン3が引き上げられて巻き取りドラム4に巻かれ始める(図8参照)。そして、最上端スラット3atの先端が巻き取りドラム4の最上位置を超えてから更に1/4回転ほど巻き取りドラム4を巻取り方向に回転させると、最上端スラット3atおよび該最上端スラット3atに続く複数枚のスラット3a(図10では最上端スラット3atを含めて三枚のスラット3a)が巻き取りドラム4の上半部に当接した状態となるが、この状態で、ストッパー14を用いてシャッターカーテン3を仮保持する(図9図10参照)。
【0016】
前記ストッパー14は、矩形板状のものであって、基端側縁部が蝶番14aを介して前記左右のブラケット5の前側上端部間に支架される補強材8に揺動自在に取り付けられる。そして、該ストッパー14の先端側縁部を、巻き取りドラム4に当接しているスラット3a同士(本実施の形態では、上から2番目のスラット3aと3番目のスラット3a)のインターロック結合部3bの隙間に差し込んで係止する(図10参照)。この場合、ストッパー14の先端部が係止するインターロック結合部3bの位置を、蝶番14aの揺動中心と巻き取りドラム4の回転中心とを結ぶ仮想線Lよりもシャッターカーテン3の巻き取り側に位置せしめることにより、所謂支点越えの構成としている。これにより、引き上げられた部位のシャッターカーテン3にズレ落ちようとする負荷が働いても、シャッターカーテン3がズレ落ちてしまうことなく、しかしてシャッターカーテン3は、ストッパー14により巻き取り、繰り出し側の移動が規制された仮保持状態となる。このストッパー14は、本実施の形態では、補強材8の左右方向中央部、左右両端部の三箇所に取り付けられていて、シャッターカーテン3の左右方向中央部、左右両端部の三箇所に係止するように構成されている。
【0017】
ここで、本実施の形態のストッパー14は、基端側半部14bと先端側半部14cとに二分割されているとともに、これら基端側半部14bと先端側半部14cとはボルト14dにより連結されている。この場合に、基端側半部14bに形成されるボルト孔14eはH形状をしていて、ボルト14dの締結位置を左右方向および上下方向に調整できるようになっており、これにより、基端側半部14bに対する先端側半部14cの上下方向および左右方向の位置調整を行えるようになっている。また、ストッパー14の先端側縁部(先端側半部14cの先端側縁部)は基端側に向けて折り返された状態となっており、これによりストッパー14の先端縁部をシャッターカーテン3に係止させるときに該ストッパー14がシャッターカーテン3を傷つけたりしないように配慮されている。
【0018】
そして、前記ストッパー14を用いてシャッターカーテン3を仮保持した状態で、索条体13を吊元ボルト7、ボルト孔3dから取り外す。この場合、索条体13を取り外しても、シャッターカーテン3はストッパー14によって仮保持された状態になっているため、巻き取り、繰り出し側に移動することなく仮保持された位置に保持される。
【0019】
次いで、巻き取りドラム4をシャッターカーテン巻き取り方向あるいは繰り出し方向に回転させて、最上端スラット3atのボルト孔3dと巻き取りドラム4の吊元ボルト7との位置合わせを行い、しかる後、吊元ボルト7を用いて巻き取りドラム4に最上端スラット3atを固定連結する。そして、吊元ボルト7による固定が完了したら、前記ストッパー14によるシャッターカーテン3の仮保持を解除し、さらにストッパー14を補強材8から取外す(図11参照)。
【0020】
このようにして最上端スラット3atを巻き取りドラム4に連結した後は、巻き取りドラム4を回転させて、該巻き取りドラム4にシャッターカーテン3を巻き取る(図12図13参照)。しかる後、載置台10、仮置場12を取外すことで、シャッターカーン3の巻き取りドラム4への取り付け作業が完了する。
さらに、左右の何れか一方のブラケット5に開閉機6を取り付ける、該開閉機6と巻き取りドラム4との間に動力伝動機構(駆動スプロケット、従動スプロケット、伝動チェーン等、何れも図示せず)を連結する、開口部Eの左右両側にガイドレール2を立設する、開口部Eの上部にまぐさ部材を固定する等の各種部材の組み付けを行い、さらには、電気的な配線等の必要な作業が順次なされて、シャッター装置1の建て付け作業が完了するように構成されている。
【0021】
叙述の如く構成された本実施の形態において、建物用シャッター装置1は、開口部Eを開閉するシャッターカーテン3と、開口部E上方の躯体側に固定された左右のブラケット5に回転自在に支持されてシャッターカーテン3を巻き取り、繰り出し自在に巻装する巻き取りドラム4等を備えて構成されるが、このものにおいて、躯体側に支持された巻き取りドラム4にシャッターカーテン3の上端部を連結する場合には、シャッターカーテン3の上部を巻き取りドラム4に当接させた状態で、該シャッターカーテン3の上部を、基端側が左右のブラケット5および補強材8を介して躯体側に揺動自在に取り付けられ、先端側がシッターカーテン3の上部に係脱自在に係止するストッパー14によって仮保持することになる。
この結果、シャッターカーテン3の上端部と巻き取りドラム4との連結作業を、シャッターカーテン3の上部がストッパー14によって仮保持された状態で行えることになって、シャッターカーテン3から手を離してもシャッターカーテン3がズレ落ちてしまうようなことなく、連結作業の容易化、作業効率の向上に大きく貢献できる。
【0022】
このものにおいて、シャッターカーテン3の上端部と巻き取りドラム4とを連結する場合には連結部同士の位置合わせが必要となるが、この場合には、シャッターカーテン3を仮保持した状態で巻き取りドラム4を回転させることで、簡単かつ素早く位置合わせすることができる。
【0023】
さらにこのものにおいて、シャッターカーテン3は、複数のスラット3aを上下方向にインターロック結合することにより構成されているが、シャッターカーテン3の仮保持時には、該インターロック結合部3bにストッパー14の先端側を係止せしめる構成であるから、別途シャッターカーテン3にストッパー14の係止受け部を設けることなく、インターロック結合部3bを利用してストッパー14を簡単にシャッターカーテン3に係脱自在に係止せしめることができる。
【0024】
また、巻き取りドラム4の左右端部は、躯体側に固定される左右のブラケット5に支持される一方、該左右のブラケット5にシャッターカーテン3の仮置場12を組み付け、該仮置場12にシャッターカーテン3を載置した状態で、シャッターカーテン3の巻き取りドラム4への連結作業を行うことになる。これにより、巻き取りドラム4にシャッターカーテン3を近接させた状態で、連結作業を行うべくシャッターカーテン3の上部がストッパー14によって仮保持されることになって、ストッパー14とシャッターカーテン3との係止部にかかる負荷を低減できる。尚、本発明は、仮置場を設けない構成であっても実施できる。
【0025】
そして、このものは、躯体側に回転自在に支持された巻き取りドラム4にシャッターカーテン3の上端部を連結する工程として、シャッターカーテン3の上部を巻き取りドラム4に当接させた状態で、該シャッターカーテン3の上部を、基端側が躯体側に揺動自在に取り付けられ、先端側がシッターカーテン3の上部に係脱自在に係止するストッパー14によって仮保持する工程と、シャッターカーテン3を仮保持した状態で巻き取りドラム4を回転させてシャッターカーテン3の上端部と巻き取りドラム4との連結部同士の位置合わせを行う工程と、該位置合わせされた状態でシャッターカーテン3の上端部を巻き取りドラム4に連結する工程とを含む。これにより、シャッターカーテン3の上端部と巻き取りドラム4との連結作業を、容易かつ効率良く行うことができる。
【0026】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、上記実施の形態では、ストッパー14の基端側は、左右のブラケット5の前側上部間に架設される補強材8に取り付けられているが、左右のブラケット5の後側上部間に架設される補強材8に取り付ける構成にすることもでき、また、補強材以外の他の部材を介して躯体側に取り付ける構成にすることもできる。
また、上記実施の形態では、ストッパーは、シャッターカーテンのスラット同士のインターロック結合部に係止する構成になっているが、別途シャッターカーテンにストッパーの係止受け部を設けることもできる。
さらに、上記実施の形態では、シャッターカーテンの最上端スラットを巻き取りドラムに連結する構成になっているが、最上端に巻き取りドラム連結用の吊元金具が設けられているシャッターカーテンであっても本発明を実施できることは勿論である。
また、上記実施の形態において、載置台10の左右幅はシャッターカーテン3の左右幅の略全長に亘る長さに設定されていて、シャッターカーテン3は載置台10とともに吊り上げられる構成になっているが、これに限定されることなく、例えばシャッターカーテンの左右幅が狭くて(開口部の開口幅が狭くて)、シャッターカーテンの左右方向中央部を支持しなくてもシャッターカーテンが撓んでしまう惧れがないような場合には、左右の仮置場の左右幅と略同寸法の左右の載置台を用いることもできる。この場合には、左右のブラケットに左右の仮置場を組み付けた後に、該左右の仮置場に載置台を載せるように構成する、あるいは、予め仮置場に載置台を一体的に備えておき、該載置台を備えた左右の仮置場を左右のブラケットに組み付けるように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、ビル、住宅等の建物の出入り口等の開口部に建て付けられる建物用シャッター装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 シャッター装置
3 シャッターカーテン
3a スラット
3b インターロック結合部
4 巻き取りドラム
5 左右のブラケット
12 仮置場
14 ストッパー
E 開口部
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