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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139632
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】紙幣処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/16 20190101AFI20220915BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20220915BHJP
【FI】
G07D11/16 101C
G07D11/00 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040109
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 勝
(72)【発明者】
【氏名】小吉 明彦
【テーマコード(参考)】
3E040
3E141
【Fターム(参考)】
3E040AA01
3E040AA02
3E040BA06
3E040CA16
3E040EA06
3E040FG11
3E141AA01
3E141AA02
3E141BA06
3E141CA16
3E141EA06
3E141FG11
(57)【要約】
【課題】作業が煩雑になることを抑制できる紙幣処理装置を提供する。
【解決手段】制御部8は、操作部に金種カセット35~37内のバラ紙幣の全収集の操作入力が行われると、金種カセット35~37からバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて保留部39に所定枚数保留させると共に、金種カセット35~37からバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて整列部19,20に指定枚数集積させる毎に結束部22で結束させることによって、金種カセット35~37内のバラ紙幣を全て繰り出させ、その際に、整列部19,20に集積させたバラ紙幣が指定枚数に対し不足する場合には、当該不足する分のバラ紙幣を保留部39から整列部19,20に補充させて結束部22で結束させ、結束部22で作成された小束を小束排出部61で装置外へ取り出し可能に排出させると共に、保留部39に残ったバラ紙幣をバラ紙幣排出部11で装置外へ取り出し可能に排出させる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定金種のバラ紙幣を収納する金種カセットと、
前記金種カセットから一枚ずつ繰り出されたバラ紙幣を指定枚数集積させる整列部と、
前記整列部にて前記指定枚数集積されたバラ紙幣を結束して小束を作成する結束部と、
前記結束部で作成された小束を装置外へ取り出し可能に排出する小束排出部と、
前記金種カセットから一枚ずつ繰り出されたバラ紙幣を保留する保留部と、
前記保留部に保留したバラ紙幣を装置外へ取り出し可能に排出するバラ紙幣排出部と、
操作入力が行われる操作部と、
前記操作部への操作入力に基づいて制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記操作部に前記金種カセット内のバラ紙幣の全収集の操作入力が行われると、
前記金種カセットからバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて前記保留部に所定枚数保留させると共に、前記金種カセットからバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて前記整列部に前記指定枚数集積させる毎に前記結束部で結束させることによって、前記金種カセット内のバラ紙幣を全て繰り出させることになり、
前記金種カセット内のバラ紙幣を全て繰り出させた際に、前記整列部に集積させたバラ紙幣が前記指定枚数に対し不足する場合には、当該不足する分のバラ紙幣を前記保留部から前記整列部に補充させることにより前記整列部のバラ紙幣を前記指定枚数として前記結束部で結束させ、前記結束部で作成された小束を前記小束排出部で装置外へ取り出し可能に排出させると共に、前記保留部に残ったバラ紙幣を前記バラ紙幣排出部で装置外へ取り出し可能に排出させることを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記所定枚数は前記指定枚数から1減算した値以上かつ前記保留部の最大保留可能枚数以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記保留部は装置内でバラ紙幣を保留するプールカセットまたは少なくとも当該プールカセットを含む部位であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣処理装置においては、金種カセットに収納されているバラ紙幣を整列部に繰り出し、整列部の集積紙幣を結束部で結束して束出金口から外部に収集する小束紙幣収集処理を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、運用上、操作部からの指定入力による小束紙幣収集処理が行われると、金種カセットに収納されているバラ紙幣を100枚毎に小束にできる分は全て結束して束出金口から外部へ収集するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-081677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術においては、金種カセットに収納されているバラ紙幣の実際の在高は、理論上の在高と必ずしも一致している訳ではなく、さらに金種カセットからバラ紙幣を繰り出して搬送する際には紙幣リジェクトが発生する場合もある。このため、金種カセットのバラ紙幣を空になるまで全て繰り出す結果、最後のバラ紙幣繰り出し分で整列部には100枚に満たない所謂、端数枚数のバラ紙幣が残ってしまうことがある。そして、当該端数枚数のバラ紙幣を整列部から抜き取るためには、操作員が整列部ユニットを筐体外へ引き出して整列部からバラ紙幣を抜き取らざるを得ず、その作業が煩雑になってしまう。
【0005】
本発明は、作業が煩雑になることを抑制できる紙幣処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る一態様は、所定金種のバラ紙幣を収納する金種カセットと、前記金種カセットから一枚ずつ繰り出されたバラ紙幣を指定枚数集積させる整列部と、前記整列部にて前記指定枚数集積されたバラ紙幣を結束して小束を作成する結束部と、前記結束部で作成された小束を装置外へ取り出し可能に排出する小束排出部と、前記金種カセットから一枚ずつ繰り出されたバラ紙幣を保留する保留部と、前記保留部に保留したバラ紙幣を装置外へ取り出し可能に排出するバラ紙幣排出部と、操作入力が行われる操作部と、前記操作部への操作入力に基づいて制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記操作部に前記金種カセット内のバラ紙幣の全収集の操作入力が行われると、前記金種カセットからバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて前記保留部に所定枚数保留させると共に、前記金種カセットからバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて前記整列部に前記指定枚数集積させる毎に前記結束部で結束させることによって、前記金種カセット内のバラ紙幣を全て繰り出させることになり、前記金種カセット内のバラ紙幣を全て繰り出させた際に、前記整列部に集積させたバラ紙幣が前記指定枚数に対し不足する場合には、当該不足する分のバラ紙幣を前記保留部から前記整列部に補充させることにより前記整列部のバラ紙幣を前記指定枚数として前記結束部で結束させ、前記結束部で作成された小束を前記小束排出部で装置外へ取り出し可能に排出させると共に、前記保留部に残ったバラ紙幣を前記バラ紙幣排出部で装置外へ取り出し可能に排出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業が煩雑になることを抑制できる紙幣処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を含む出納機を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を概略的に示す側断面図である。
図3】同紙幣処理装置の側断面図であって、バラ紙幣入金処理のルートを太線で示すものである。
図4】同紙幣処理装置の側断面図であって、バラ紙幣収納処理のルートを太線で示すものである。
図5】同紙幣処理装置の側断面図であって、バラ紙幣返却処理のルートを太線で示すものである。
図6】同紙幣処理装置の側断面図であって、バラ紙幣出金処理のルートを太線で示すものである。
図7】同紙幣処理装置の側断面図であって、結束出金処理のルートを太線で示すものである。
図8】同紙幣処理装置の側断面図であって、結束収納処理のルートを太線で示すものである。
図9】同紙幣処理装置の側断面図であって、小束補充処理のルートを太線で示すものである。
図10】同紙幣処理装置の側断面図であって、収納束出金処理のルートを太線で示すものである。
図11】同紙幣処理装置の側断面図であって、バラ紙幣自己精査処理のルートを太線で示すものである。
図12】同紙幣処理装置の側断面図であって、小束自己精査処理のルートを太線で示すものである。
図13】同紙幣処理装置の側断面図であって、ローカル整理処理のルートを太線で示すものである。
図14】同紙幣処理装置の側断面図であって、全収集処理の全収集保留処理のルートおよび全収集結束処理のルートを太線で示すものである。
図15】同紙幣処理装置の側断面図であって、全収集処理の全収集補充処理のルートを太線で示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。図1は、紙幣および硬貨等を取り扱う出納機を示している。この出納機は、銀行等の金融機関の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
【0010】
出納機は、紙幣についての入出金処理等を行う本実施形態に係る紙幣処理装置1と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置2と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置3とが左右に並設されて構成されている。出納機は、硬貨処理装置3の上部に、操作者によって操作入力が行われる操作部4と、操作者に対して視覚表示を行うモニタおよび音声を発生させる音声発生装置からなる表示部5とを有している。
【0011】
次に、本実施形態に係る紙幣処理装置1の全体構成を図2を参照して説明する。以下の説明における前後左右は、操作者側を前、操作者とは反対側を後、操作者から見て左右を左右とする。
【0012】
紙幣処理装置1には、操作部4への操作入力等に基づいて紙幣処理装置1の作動の制御を行う制御部8と、制御データ等を記憶する記憶部9とが設けられている。また、紙幣処理装置1は、その前面側の上下方向中間部に、装置外からバラ紙幣が投入されると共に装置内から出金用のバラ紙幣が繰り出されるバラ入出金部11(バラ紙幣排出部)が設けられている。
【0013】
バラ入出金部11は、バラ紙幣が装置外から直接セットされると共にバラ紙幣を装置外に直接取り出し可能に排出する部分である。バラ入出金部11は、図1に示すシャッタ10を開いた状態でバラ紙幣が装置外から投入され、投入されたバラ紙幣をシャッタ10を閉じた状態で装置内に取り込む。また、バラ入出金部11は、シャッタ10を閉じた状態でバラ紙幣が装置内から繰り出され、その後、シャッタ10を開くことでバラ紙幣が装置外に取り出し可能となる。
【0014】
図2に示すように、バラ入出金部11は、その底部を構成する載置板12が後下がりに傾斜した姿勢で昇降可能に設けられており、その奥側の支承面13が載置板12と直交するように後上がりに傾斜して設けられている。バラ入出金部11には、バラ紙幣が長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢で載置板12上に集積されることになり、バラ紙幣は載置板12の傾斜により後端縁が支承面13に当接する。バラ入出金部11の上部の後側には、載置板12上に集積されたバラ紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて装置内へ繰り出すと共に装置内からのバラ紙幣をバラ入出金部11に繰り出す繰出部11aが設けられている。なお、紙幣処理装置1内では、バラ紙幣が、常に長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢とされる。
【0015】
バラ入出金部11の下側には、紙幣処理装置1の前面位置に、受け付け不可と判定されたバラの入金リジェクト紙幣が装置内から繰り出される入金リジェクト部16が設けられている。入金リジェクト部16もバラ紙幣を装置外に直接取り出し可能に排出する部分である。バラ入出金部11および入金リジェクト部16の後側には、出金不可と判定されたバラの出金リジェクト紙幣を収納する出金リジェクト部17が設けられており、出金リジェクト部17の後方の下部にはバラ紙幣を識別するバラ識別部18が設けられている。
【0016】
また、出金リジェクト部17の後方の上部には、それぞれがバラ紙幣を整列させながら水平姿勢で鉛直方向に指定の結束単位枚数(指定枚数(例えば100枚))集積させる上下二つの整列部19,20が設けられており、これら整列部19,20の後方には、整列部19,20から水平状態のまま後方に送り出された集積紙幣を載置させて鉛直上方に上昇搬送する上昇搬送部21が設けられている。
【0017】
整列部19,20の上方には、整列部19,20にて指定の結束単位枚数集積され上昇搬送部21で上昇搬送されて水平状態のまま前方に送り出された集積紙幣を結束テープで結束して小束紙幣(以下、小束と称す)を作成する結束部22が設けられている。
【0018】
結束部22は、一束ずつ小束を作成するもので、上昇搬送部21から前方に送り出された集積紙幣を上下から挟持してV字状に屈曲させる挟持部材23,24を有しており、挟持部材23,24で集積紙幣を挟持しつつ、結束テープを周囲に巻き回して接着・切断した後、挟持部材23,24を結束テープから引き抜くことで小束を作成する。紙幣処理装置1内では、小束も、バラ紙幣同様、常に長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢とされる。
【0019】
結束部22の前方には、結束部22で上記のように結束された後、水平状態のまま前方に送り出された小束の結束不良の有無を検知する結束検知部25が設けられている。また、結束検知部25の前方には、結束検知部25による検知後の小束を移送する束移送部26が設けられている。束移送部26は、紙幣処理装置1の前面上部に設けられた束出金口27に向けて小束を移送したり、束出金口27の後側に前後方向に並べられた複数具体的には四つの束収納部28~31に小束を移送したりする。束出金口27は、前方に開口し後方に凹む形状をなしている。束出金口27の前部開口位置には、これを開閉するシャッタ32が設けられており、束出金口27に小束が出し入れされる際にシャッタ32が開かれる。束出金口27および束収納部28~31は、上下左右の位置を合わせている。
【0020】
束移送部26は、結束検知部25から搬送されてきた小束をステージ51上に載置させステージ51を上昇させて束出金口27へ搬送する縦方向搬送部52と、縦方向搬送部52で上方搬送された小束を束出金口27の後側に向けて水平搬送する水平搬送部53と、束出金口27と束収納部28との間に設けられ、小束の画像データ等を検出して金種の識別および計数を行う束識別部54とを有している。縦方向搬送部52は、ステージ51上に複数束の小束を載置させて昇降搬送可能となっている。水平搬送部53は、小束を一束ずつ水平搬送する。
【0021】
束出金口27、シャッタ32およびステージ51が、結束部22で作成された小束および束収納部28~31に収納されている小束を装置外へ取り出し可能に排出する小束排出部61を構成している。
【0022】
また、紙幣処理装置1の下部には、奥側から順に、入金確定後の所定の単一金種のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する金種カセット35、同様の金種カセット36、同様の金種カセット37、入金確定後のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する混合カセット38、および例えば入金された入金確定前のバラ紙幣を上下に集積させた状態で保留するプールカセット39(保留部)が、上下左右の位置を合わせて前後方向に配列されている。プールカセット39は、入金された入金確定前のバラ紙幣に加えて、入金確定後に金種カセット35~37および混合カセット38から繰り出されたバラ紙幣も保留可能となっている。
【0023】
金種カセット35の上部には、その内部にバラ紙幣を繰り出すと共に内部のバラ紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して繰り出す繰出部35aが設けられており、金種カセット36の上部にも同様の繰出部36aが、金種カセット37の上部にも同様の繰出部37aが、混合カセット38の上部にも同様の繰出部38aが、プールカセット39の上部にも同様の繰出部39aが、それぞれ設けられている。
【0024】
上記したバラ入出金部11は、金種カセット35~37および混合カセット38に収納しているバラ紙幣やプールカセット39に保留したバラ紙幣を装置外へ取り出し可能に排出する。整列部19,20は、それぞれが、例えば金種カセット35~37のうちの選択された一つから一枚ずつ繰り出されたバラ紙幣を指定の結束単位枚数(例えば100枚)整列させて集積させる。
【0025】
紙幣処理装置1の内部には、バラ紙幣を搬送する紙幣搬送路41が各部を適宜繋ぐように設けられている。紙幣搬送路41は、繰出部11aから後上がりに延出した後、後下がりに延出し、さらに鉛直下方に延出し、その後、前側に一旦延出した後、下側にて後側に折り返し、後方に延出し、途中上側に凸状に屈曲してバラ識別部18を通って下方に延出し前方に延出して前端から下方に延出してプールカセット39に接続される搬送路41Aを有している。
【0026】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aの途中から分岐して金種カセット35に繋がる搬送路41Bと、搬送路41Aの搬送路41Bよりもプールカセット39側から分岐して金種カセット36に繋がる搬送路41Cと、搬送路41Aの搬送路41Cよりもプールカセット39側から分岐して金種カセット37に繋がる搬送路41Dと、搬送路41Aの搬送路41Dよりもプールカセット39側から分岐して混合カセット38に繋がる搬送路41Eと、搬送路41Aの搬送路41Eよりもプールカセット39側から分岐して上方に延出して搬送路41Aのバラ入出金部11とバラ識別部18との間に繋がる搬送路41Fとを有している。
【0027】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aの搬送路41Eの分岐位置と搬送路41Fの分岐位置との間位置から分岐して上方に延出して搬送路41Fの途中位置に繋がる搬送路41Gと、搬送路41Fにおける搬送路41Gの接続位置と搬送路41Aへの接続位置との間位置から分岐して入金リジェクト部16に繋がる搬送路41Hと、搬送路41Aにおける搬送路41Fの接続位置とバラ入出金部11との間位置から分岐し前方に延出して搬送路41Hの途中位置に繋がる搬送路41Iと、搬送路41Hにおける搬送路41Iの接続位置と入金リジェクト部16との間位置から上方に分岐し後上がりに延出して出金リジェクト部17に繋がる搬送路41Jとを有している。
【0028】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aにおけるバラ入出金部11と搬送路41Iの分岐位置との間位置と、搬送路41Fの接続位置とバラ識別部18との間位置とを繋ぐ搬送路41Kと、搬送路41Aにおける搬送路41Kの接続位置とバラ入出金部11との間位置から後方に分岐して整列部19に繋がる搬送路41Lと、搬送路41Aにおける搬送路41Kの接続位置と搬送路41Lの接続位置との間から後方に分岐して整列部20に繋がる搬送路41Mとを有している。搬送路41Kには、バラ紙幣の表裏を反転させる表裏反転部43が設けられている。
【0029】
ここで、上記した搬送路41A~41Fは正逆両方向にバラ紙幣を搬送可能となっており、搬送路41G~41Mは一方向にのみバラ紙幣を搬送可能となっている。
【0030】
上部にあるバラ入出金部11、入金リジェクト部16、出金リジェクト部17、バラ識別部18、整列部19,20、上昇搬送部21、結束部22、結束検知部25、束移送部26、束収納部28~31および表裏反転部43は、本体45内に配置されており、その下部にある、金種カセット35~37、混合カセット38およびプールカセット39が、本体45から紙幣処理装置1の前後方向に沿って前面側に引き出し可能な引出体46内に配置されている。
【0031】
「バラ紙幣入金処理」
図3の太線は、装置外からバラ入出金部11に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別および計数するバラ紙幣入金処理のルートを示している。つまり、バラ入出金部11の載置板12上にバラ紙幣が載置されて、操作部4にバラ紙幣入金処理を行う旨の入力操作がなされると、制御部8が、バラ紙幣入金処理を開始し、繰出部11aによってバラ入出金部11の載置板12上のバラ紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、搬送路41Aで搬送させることになる。搬送路41Aでの搬送中にバラ識別部18がバラ紙幣を識別および計数することになり、バラ識別部18で受け入れ可能と判定したバラ紙幣(取り扱い可能な金種のバラ紙幣)を、制御部8は、図3に太実線で示すように、搬送路41Aでプールカセット39に搬送させる一方、バラ識別部18で受け入れ不可と判定したバラ紙幣を、図3に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41G,41F,41Hで入金リジェクト部16に搬送させる。これにより、受け入れ可能なバラ紙幣がプールカセット39に保留され、受け入れ不可なバラ紙幣が入金リジェクト部16に放出される。
【0032】
「バラ紙幣収納処理」
図4の太線は、バラ紙幣入金処理にてプールカセット39に保留したバラ紙幣を、操作部4への承認操作が入力されたことを条件に、確定して、金種カセット35~37および混合カセット38の対応するものに収納するバラ紙幣収納処理のルートを示している。バラ紙幣収納処理では、制御部8は、プールカセット39のバラ紙幣を上端のものから繰出部39aで一枚ずつ繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、図4に太実線で示すように、搬送路41A,41Fでバラ識別部18に搬送させ、バラ識別部18の識別結果に基づいて、搬送路41Aおよび搬送路41B~41Eの対応するものによって金種カセット35~37および混合カセット38の対応するものに搬送させる。これにより、金種カセット35~37および混合カセット38の対応するものにバラ紙幣を収納する。なお、制御部8は、バラ紙幣収納処理にてバラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、図4に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41G,41F,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送させ、出金リジェクト部17に収納させる。
【0033】
「バラ紙幣返却処理」
図5の太線は、バラ紙幣入金処理にてプールカセット39に保留したバラ紙幣を、操作部4へのキャンセル操作が入力されたことを条件に、バラ入出金部11に繰り出すバラ紙幣返却処理のルートを示している。制御部8は、バラ紙幣返却処理では、プールカセット39のバラ紙幣を上端のものから繰出部39aで一枚ずつ繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、搬送路41Aによってバラ入出金部11に搬送させる。これにより、バラ入出金部11にバラ紙幣が返却される。
【0034】
「バラ紙幣出金処理」
図6の太線は、操作部4へ入力されたバラ紙幣出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものからバラ紙幣を出金するバラ紙幣出金処理のルートを示している。バラ紙幣出金処理では、制御部8は、図6に太実線で示すように、金種カセット35~37の指定された金種のものに収納されているバラ紙幣を上端のものから繰出部35a~37aの対応するもので一枚ずつ繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、搬送路41B~41Dの対応するものと、搬送路41Aとでバラ識別部18に搬送させ、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41Aでバラ入出金部11に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41Aでバラ入出金部11に、それぞれ搬送させる。これにより、バラ紙幣出金操作に基づくバラ紙幣をバラ入出金部11に繰り出させる。なお、出金処理にてバラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、制御部8が、図6に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41I,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送させ、出金リジェクト部17に収納させる。
【0035】
「結束出金処理」
図7の太線は、操作部4へ入力された結束出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものからのバラ紙幣を結束して出金する結束出金処理のルートを示している。結束出金処理では、制御部8は、図7に太実線で示すように、金種カセット35~37のうち指定された金種のものに収納されているバラ紙幣を上端のものから繰出部35a~37aの対応するもので一枚ずつ繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、搬送路41B~41Dの対応するものと、搬送路41Aとでバラ識別部18に搬送させる。そして、制御部8は、バラ識別部18の識別および計数結果に基づいて、整列部19に集積させるバラ紙幣の場合、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Lで整列部19に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Lで整列部19に搬送させる。また、整列部20に集積させるバラ紙幣の場合、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Mで整列部20に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Mで整列部20に搬送させる。これにより、指定された単一金種のバラ紙幣を結束単位枚数だけ整列部19あるいは整列部20に集積させる。
【0036】
そして、制御部8は、整列部19および整列部20に集積された集積紙幣を、それぞれ結束単位枚数になる都度、上昇搬送部21で結束部22に搬送させ、結束部22で結束させて、結束検知部25で結束状態を検知させた後、束移送部26のステージ51上に載置させる。このような処理を指定された金種毎に指定された束数分行うことになる。そして、指定された束数分、ステージ51上に小束が積み重ねられると、制御部8はステージ51を束出金口27の位置まで移動させてシャッタ32を開く。すると、束出金口27を介してステージ51上の小束が装置外へ取り出される。
【0037】
ここで、整列部19,20は、例えば、複数束の小束を結束して出金する際に、整列部19でバラ紙幣が結束単位枚数集積されると、整列部19から結束部22への搬送および結束部22での結束と並行して、整列部20に次の結束のためのバラ紙幣を集積させることになり、整列部20でバラ紙幣が結束単位枚数集積されると、整列部20から結束部22への搬送および結束部22での結束と並行して、整列部19に次の結束のためのバラ紙幣を集積させることになる。なお、結束出金処理においてバラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、制御部8が、図7に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41I,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送させ、出金リジェクト部17に収納させる。
【0038】
また、結束出金処理において、結束検知部25で結束不良が発生していると判断された場合、制御部8は、例えば小束を結束検知部25に位置させたまま小束の搬送を停止して表示部5により結束不良が発生した旨の報知を行わせる。なお、結束不良が発生していると判断した場合、制御部8は、結束不良の小束の搬送を停止せずに、図1に示す表示部5に結束不良が発生した旨の報知を行わせると共に、結束不良のない小束と同様に小束排出部61の束出金口27へ移送して、束出金口27から装置外へ取り出させるようにしても良い。
【0039】
ここで、結束出金処理時に、出金する小束が一束のみである場合、制御部8は、結束検知部25から搬送されてきた小束を、縦方向搬送部52がステージ51上に載置させステージ51を上昇させて束出金口27へ搬送させ、シャッタ32を開く。すると、束出金口27を介してステージ51上の小束が装置外へ取り出される。
【0040】
また、結束出金処理時、所定の複数束の小束を、小束排出部61の束出金口27から出金する場合、制御部8は、結束検知部25から一束ずつ搬送されてきた小束を縦方向搬送部52でステージ51上に所定の複数束積み上げさせた後、束出金口27へ搬送させ、シャッタ32を開く。すると、束出金口27を介してステージ51上の所定の複数束の小束が装置外へ取り出される。
【0041】
なお、結束出金処理時、指定された束数が、小束排出部61のステージ51上に一度に積み重ね可能な最大束数を超える場合、ステージ51上に最大束数が結束検知部25からステージ51上に積み重ねられると、一旦、結束検知部25から小束排出部61への小束の繰り出しおよび結束部22の結束動作等を適宜停止させてシャッタ32を開き、ステージ51上の小束が束出金口27から装置外へ取り出されたことを検知すると、シャッタ32を閉じて結束検知部25から小束排出部61への小束の繰り出しおよび結束部22の結束動作等を再開させる。
【0042】
「結束収納処理」
図8の太線は、操作部4へ入力された結束収納操作に基づいて、あるいは金種カセット35~37のいずれかが満杯となったタイミングで、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものからのバラ紙幣を繰り出し結束部22で結束して束収納部28~31に収納する結束収納処理のルートを示している。結束収納処理では、制御部8は、結束出金処理と同様にして結束部22で結束され結束検知部25で結束状態が検知された小束を、縦方向搬送部52および水平搬送部53で束収納部28~31の適宜のものに搬送させ収納させる。なお、束収納部28~31のうち最も前側の束収納部28を除く束収納部29~31は金種別に小束を収納することになり、束収納部28は、束収納部29~31に収納しきれない小束等を金種混合で収納する。勿論、束収納部28~31のすべてを金種別の束収納部とすることも可能である。
【0043】
図8に示す束収納部28~31は、いずれも小束を水平状態に配置し鉛直方向に集積させて収納するもので、水平搬送部53から小束を受け取って収納可能であり、収納した小束を水平搬送部53に受け渡し可能となっている。結束収納処理において、水平搬送部53で小束を一束ずつ後方に移動させる最中に、束識別部54が小束の画像データ等から金種を識別する。制御部8は、この識別結果に基づいて、小束が適正である場合、水平搬送部53で、束収納部28~31のうちの収納先となる束収納部に搬送し、この束収納部に収納させる。
【0044】
ここで、一度の結束収納処理において、小束を結束部22で複数束結束して束収納部28~31の対応するものに収納させる場合、制御部8は、結束部22で結束した小束を束移送部26により一束ずつ搬送させ、その際の束識別部54の識別結果に基づいて束収納部28~31の対応するものに収納させる作動を繰り返し行う。なお、一度の結束出金処理において縦方向搬送部52でステージ51上に一旦複数束の小束を載置させた後、水平搬送部53で一束ずつ受け取って搬送し、その際の束識別部54の識別結果に基づいて束収納部28~31の対応するものに収納させるようにしても良い。
【0045】
結束収納処理において、束識別部54の識別結果から、水平搬送部53で搬送する小束が束収納部28~31のいずれかに収納する金種であると判別できない場合、制御部8は、結束不良等の可能性があるため、水平搬送部53による搬送を停止させて表示部5によりアラームを発生させる。
【0046】
「小束補充処理」
図9の太線は、操作部4へ入力された小束補充操作に基づいて、束出金口27に外から直接投入された小束を束収納部28~31に収納する小束補充処理のルートを示している。小束補充処理では、制御部8は、束出金口27からステージ51上に直接装填された複数束の小束をステージ51を含む縦方向搬送部52で上側に搬送させた後、水平搬送部53で一束ずつ後方に搬送させ、その際の束識別部54の識別結果に基づいて束収納部28~31の適宜のものに収納させる。なお、水平搬送部53で搬送する小束の金種識別が束識別部54でできなかった場合、制御部8は、水平搬送部53による搬送を停止させて表示部5によりアラームを発生させる。
【0047】
「収納束出金処理」
図10の太線は、操作部4へ入力された収納束出金操作に基づいて、束収納部28~31に収納されている小束を小束排出部61の束出金口27に出金する収納束出金処理のルートを示している。収納束出金処理では、制御部8は、束収納部28~31に収納されている小束のうち操作部4へ入力で指定されたものを、水平搬送部53で一束ずつ前方に搬送させ束識別部54で識別させて、縦方向搬送部52のステージ51上に集積させた後、シャッタ32を開く。すると、束出金口27を介してステージ51上の所定の複数束の小束が装置外に取り出される。なお、束識別部54の識別結果から、水平搬送部53で搬送する小束が束収納部29の金種であると識別できない場合、制御部8は、この小束を、金種混合の束収納部28に収納させる。ここで、収納束出金処理で、束収納部28~31に収納に収納されている小束では出金する小束が不足する場合、制御部8は、収納束出金処理と、上記した結束出金処理とを組み合わせて小束を出金させる。
【0048】
「バラ紙幣自己精査処理」
図11(a)の太線は、操作部4へ入力されたバラ紙幣自己精査操作に基づいて、金種カセット35~37および混合カセット38の対応するもののバラ紙幣を自己精査するバラ紙幣自己精査処理の往路ルートを示している。バラ紙幣自己精査処理では、制御部8は、図11(a)に太実線で示すように、金種カセット35~37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されているバラ紙幣を上端のものから繰出部35a~38aの対応するもので一枚ずつ繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、搬送路41B~41Eの対応するものと、搬送路41Aとでバラ識別部18に搬送させ、バラ識別部18で識別計数させた後、搬送路41F,41Aによってプールカセット39に搬送させる。そして、金種カセット35~37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されていたバラ紙幣をすべて繰り出させる。なお、この搬送中、バラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、制御部8は、図11(a)に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41I,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送させ、出金リジェクト部17に収納させる。
【0049】
図11(b)の太線は、バラ紙幣自己精査処理の復路ルートを示している。上記したようにプールカセット39に一旦移したバラ紙幣を、制御部8は、図11(b)に太実線で示すように、搬送路41A,41Fによって、バラ識別部18に搬送させ、バラ識別部18で識別計数させた後、バラ識別部18の識別結果に基づいて、搬送路41A,41B~41Eの対応するものによって、金種カセット35~37および混合カセット38の対応する金種のものに収納させる。なお、この搬送中、バラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、制御部8は、図11(b)に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41G,41F,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送させ、出金リジェクト部17に収納させる。
【0050】
以上により、バラ識別部18の計数結果と、金種カセット35~37および混合カセット38の自己精査処理を行ったものに収納されたバラ紙幣の枚数とが一致することになり、このような自己精査処理を、金種カセット35~37および混合カセット38のうちの設定されたものについて、それぞれ個別に行うことになる。なお、金種カセット35~37および混合カセット38にそれぞれ収納されたバラ紙幣の合計枚数がプールカセット39の最大収納枚数以下であった場合には、上記のバラ紙幣自己精査処理をそれぞれ個別に行う必要はなく、すべて一括して行うこともできる。
【0051】
「小束自己精査処理」
図12(a)の太線は、操作部4へ入力された小束自己精査操作に基づいて、束収納部28~31の対応するものの小束を自己精査する小束自己精査処理の往路ルートを示しており、図12(b)の太線は、小束自己精査処理の復路ルートを示している。小束自己精査処理では、制御部8は、束収納部28~31のうちの設定されたものについて、収納されている小束を全て、水平搬送部53および縦方向搬送部52でステージ51上に一旦移動させた後、ステージ51上の小束を、縦方向搬送部52および水平搬送部53で搬送させ、その際に、束識別部54で識別させ、その結果に基づいて、束収納部28~31の対応するものに戻す。
【0052】
「ローカル整理処理」
図13(a)の太線は、装置外からバラ入出金部11に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数するローカル整理処理の往路ルートを示している。ローカル整理処理では、バラ入出金部11の載置板12上にバラ紙幣が載置されて、操作部4にローカル整理処理を行う旨の入力操作が金種指定と共になされると、制御部8は、繰出部11aによってバラ入出金部11の載置板12上のバラ紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離させて所定の間隔をあけて繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、図13(a)に太実線で示すように、搬送路41Aで搬送させることになる。制御部8は、搬送路41Aでの搬送中にバラ識別部18でバラ紙幣を識別計数させることになり、バラ識別部18で指定金種と判定されたバラ紙幣を、搬送路41Aでプールカセット39に搬送させる一方、バラ識別部18で指定金種以外と判定したバラ紙幣を、図13(a)に太実線および太破線で示すように、搬送路41Aから搬送路41G,41F,41Hで入金リジェクト部16に搬送させる。これにより、指定金種のバラ紙幣のみをプールカセット39に保留させ、指定金種以外のバラ紙幣(重送等を含む)を入金リジェクト部16に放出させる。
【0053】
図13(b)の太線は、ローカル整理処理の復路ルートを示している。制御部8は、上記したようにプールカセット39に一旦収納させた指定金種のバラ紙幣を、上端のものから繰出部39aによって繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、図13(b)の太線で示すように、搬送路41Aでバラ識別部18に搬送させる。その後は、結束出金処理と同様の処理を行う。すなわち、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないバラ紙幣は、搬送路41A,41Lで整列部19に、あるいは搬送路41A,41Mで整列部20に、表裏反転が必要なバラ紙幣は、搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Lで整列部19に、あるいは搬送路41A,41Mで整列部20に、それぞれ搬送させる。このようにして、指定された単一金種のバラ紙幣を結束単位枚数だけ整列部19,20に繰り出させる。
【0054】
そして、制御部8は、整列部19,20のバラ紙幣が結束単位枚数になる都度、集積紙幣を、上昇搬送部21で結束部22に搬送させ、結束部22で結束を行わせて、結束出金処理と同様に、小束排出部61に繰り出させる。このような処理を結束単位枚数が整列部19,20に集積される限り繰り返させる。なお、結束単位枚数に満たない、端数紙幣が整列部19,20に集積された場合にも、これを結束し端数紙幣であることを示す識別をつけて小束排出部61に繰り出させる。なお、ローカル整理処理の復路ルートにてバラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、制御部8が、図13(b)に太実線および太破線で示すように、搬送路41Aによってバラ入出金部11に搬送させ、バラ入出金部11に放出させる。
【0055】
「全収集処理」
図14の太線は、操作部4へ入力された全収集操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものから全てのバラ紙幣を出金し、その際にできる限り結束単位枚数の小束として出金する全収集処理の全収集保留処理のルートおよび全収集結束処理のルートを示しており、図15の太線は、全収集処理の全収集補充処理のルートを示している。
【0056】
ここでは、操作部4に金種カセット35内のバラ紙幣の全収集の操作入力が行われた場合を例にとり説明する。金種カセット36内のバラ紙幣の全収集の操作入力が行われた場合および金種カセット37内のバラ紙幣の全収集の操作入力が行われた場合も、バラ紙幣を繰り出す繰り出し元および出金対象金種が異なるだけで、他は同様である。
【0057】
全収集処理では、制御部8は、まず、全収集保留処理を行う。全収集保留処理では、制御部8は、金種カセット35に収納されているバラ紙幣を上端のものから繰出部35aで一枚ずつ繰り出させることになり、図14に太実線および太一点鎖線で示す全収集保留処理のルートによって、繰り出されたバラ紙幣を、予め設定された所定の補充準備枚数(所定枚数)だけプールカセット39に保留させる。すなわち、金種カセット35から繰り出されたバラ紙幣を、搬送路41Bと、搬送路41Aとでバラ識別部18に搬送させ、バラ識別部18の識別計数結果に基づいて、予め設定された所定の補充準備枚数を、搬送路41A,41F,41Aでプールカセット39に搬送させてプールカセット39に保留させる。制御部8は、全収集保留処理を、予め設定された所定の補充準備枚数のバラ紙幣がバラ識別部18で計数されるまで行う。言い換えれば、制御部8は、金種カセット35からバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させてプールカセット39に所定の補充準備枚数保留させる。なお、全収集保留処理において、バラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、制御部8は、図14に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41I,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送させ、出金リジェクト部17に収納させる。
【0058】
そして、予め設定された所定の補充準備枚数のバラ紙幣がバラ識別部18で識別および計数されると、制御部8は、それより後にバラ識別部18で識別および計数されるバラ紙幣については、結束出金処理と同様の処理である、全収集結束処理を行う。この全収集結束処理では、制御部8は、図14に太実線で示す全収集結束処理のルートによって、整列部19あるいは整列部20にバラ紙幣を集積させる。すなわち、制御部8は、バラ識別部18を通過後のバラ紙幣を、搬送路41Aおよび搬送路41L,41Mのいずれか一方で整列部19,20のいずれか一方に搬送させて集積させる。バラ紙幣を整列部19に集積させる場合、制御部8は、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Lで整列部19に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Lで整列部19に搬送させる。また、バラ紙幣を整列部20に集積させる場合、制御部8は、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Mで整列部20に、表裏反転が必要なものは搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Mで整列部20に搬送させる。これにより、指定された単一金種のバラ紙幣を結束単位枚数だけ整列部19あるいは整列部20に集積させる。
【0059】
そして、制御部8は、整列部19あるいは整列部20にバラ紙幣を指定枚数集積させる毎に、この集積紙幣を、上昇搬送部21で結束部22に搬送させ、結束部22で結束させて、結束検知部25で結束状態を検知させた後、縦方向搬送部52で小束排出部61の束出金口27に取り出し可能に繰り出させる。すなわち、金種カセット35を対象とする全収集結束処理では、制御部8は、金種カセット35からバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて整列部19,20に指定枚数集積させる毎に結束部22で結束させる。このような処理を金種カセット35に収納されているバラ紙幣がなくなるまで適宜繰り返して、金種カセット35内のバラ紙幣を全て繰り出させることになる。なお、全収集結束処理においても、バラ識別部18で重送等と識別したバラ紙幣については、制御部8は、図14に太実線および太破線で示すように、搬送路41A,41I,41H,41Jによって出金リジェクト部17に搬送させ、出金リジェクト部17に収納させる。
【0060】
金種カセット35に収納されているバラ紙幣がなくなり、金種カセット35に収納されていたバラ紙幣がすべて、プールカセット39あるいは整列部19あるいは整列部20あるいは出金リジェクト部17に搬送されると、制御部8は、バラ識別部18の識別結果に基づいて、整列部19,20のうち最後にバラ紙幣を集積させたものについて、集積させているバラ紙幣の枚数を割り出す。この枚数が、指定の結束単位枚数に対し不足する場合(例えば、結束単位枚数100枚に対して88枚集積し12枚不足する場合)に、制御部8は、図15に太実線で示す全収集補充処理のルートによって、不足分(例えば、前記12枚)をプールカセット39から補充する全収集補充処理を行う。例えば、整列部19,20のうち最後にバラ紙幣を集積させたものが整列部19であって、整列部19に集積させているバラ紙幣の枚数が、指定の結束単位枚数に対し不足する場合の全収集補充処理について説明する。整列部19,20のうち最後にバラ紙幣を集積させたものが整列部20であって、整列部20に集積させているバラ紙幣の枚数が、指定の結束単位枚数に対し不足する場合も、プールカセット39から補充するバラ紙幣の補充先が整列部20になるだけで、他は同様である。
【0061】
全収集補充処理では、制御部8は、プールカセット39に保留されているバラ紙幣を、上端のものから繰出部39aで一枚ずつ繰り出させることになり、繰り出されたバラ紙幣を、図15の太線で示すように、搬送路41Aでバラ識別部18に搬送させ、バラ識別部18の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは、搬送路41A,41Lで整列部19に、表裏反転が必要なものは、搬送路41Kを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Lで整列部19に、それぞれ搬送させる。制御部8は、このような処理を、整列部19における結束単位枚数に対して不足する不足枚数分がバラ識別部18で識別および計数されるまで行う。このようにして、制御部8は、この不足枚数分のバラ紙幣を整列部19に集積させる。これにより、不足枚数分が補われ、結束単位枚数となった整列部19の集積紙幣を、制御部8は、結束出金処理と同様に、上昇搬送部21で結束部22に搬送させ、結束部22で結束を行わせて、小束排出部61に繰り出させる。
【0062】
全収集補充処理において、上記のように不足枚数分のバラ紙幣がバラ識別部18で識別および計数されると、制御部8は、それより後にバラ識別部18で識別および計数されるバラ紙幣については、全収集排出処理を行う。すなわち、全収集排出処理では、制御部71は、バラ紙幣を、図5に太線で示すバラ紙幣返却処理のルートと同様のルートによって搬送路41Aによりバラ入出金部11に搬送させる。これにより、プールカセット39に保留されていたバラ紙幣のうち、整列部19に補充後、残ったバラ紙幣がバラ入出金部11に装置外に取り出し可能に排出される。そして、最後に、バラ入出金部11のシャッタ10を開くことで、バラ入出金部11に繰り出された残りのバラ紙幣が装置外に取り出される。
【0063】
すなわち、金種カセット35を対象とする全収集処理において、制御部8は、金種カセット35内のバラ紙幣を全て繰り出させた際に、整列部19に集積させたバラ紙幣が指定の結束単位枚数に対し不足する場合には、当該不足する分のバラ紙幣を、予め紙幣を保留させていたプールカセット39から整列部19に補充させることにより整列部19のバラ紙幣を結束単位枚数として結束部22で結束させ、結束部22で作成された小束を小束排出部61で装置外へ取り出し可能に排出させると共に、プールカセット39に残ったバラ紙幣をバラ入出金部11で装置外へ取り出し可能に排出させる。
【0064】
なお、全収集処理においても、指定された束数が、小束排出部61のステージ51上に一度に積み重ね可能な最大束数を超える場合、ステージ51上に最大束数が結束検知部25からステージ51上に積み重ねられると、一旦、結束検知部25から小束排出部61への小束の繰り出しおよび結束部22の結束動作等を適宜停止させてシャッタ32を開き、ステージ51上の小束が束出金口27から装置外へ取り出されたことを検知すると、シャッタ32を閉じて結束検知部25から小束排出部61への小束の繰り出しおよび結束部22の結束動作等を再開させる。
【0065】
また、全収集結束処理を行った後、整列部19,20のいずれにも端数紙幣が残っていなければ、制御部8は、全収集補充処理は行わずに全収集排出処理を行って、プールカセット39に保留されているバラ紙幣を全てバラ紙幣返却処理のルートと同様のルートによってバラ入出金部11に搬送させる。
【0066】
また、全収集処理において、上記のように、全収集保留処理を行った後、全収集結束処理を行う場合には限らない。例えば、全収集処理の直前に金種カセット35に収納されていたバラ紙幣の枚数の理論値に基づいて、全収集結束処理の途中で全収集保留処理を行っても良い。例えば、この理論値に基づいて、小束排出部61から一度に装置外に取り出し可能な最大束数を超える束数が、全収集結束処理において作成されると予想される場合、小束排出部61に最大束数の小束を積み重ねた後、これら小束が小束排出部61から取り出されるのを待機する待機時間において、全収集保留処理を行っても良い。すなわち、全収集処理において、全収集補充処理前に所定の補充準備枚数のバラ紙幣がプールカセット39に搬送される形態であれば良い。
【0067】
ここで、上記した所定の補充準備枚数は、指定の結束単位枚数から1減算した値以上かつプールカセット39の最大保留可能枚数以下に設定される。具体的には、指定の結束単位枚数が100枚である場合に、例えば、100枚から1減算した99枚に設定される。
【0068】
以上に述べた本実施形態の紙幣処理装置1によれば、制御部8は、操作部4に金種カセット35~37のうちの指定された第1金種カセット内のバラ紙幣の全収集の操作入力が行われると、この第1金種カセットからバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させてプールカセット39に所定の補充準備枚数保留させると共に、この第1金種カセットからバラ紙幣を一枚ずつ繰り出させて整列部19,20に指定の結束単位枚数集積させる毎に結束部22で結束させることによって、この第1金種カセット内のバラ紙幣を全て繰り出させることになる。そして、制御部8は、このように第1金種カセット内のバラ紙幣を全て繰り出させた際に、整列部19,20のいずれか一方である第1整列部に集積させたバラ紙幣が指定の結束単位枚数に対し不足する場合には、当該不足する分のバラ紙幣をプールカセット39からこの第1整列部に補充させることにより、この第1整列部のバラ紙幣を指定の結束単位枚数として結束部22で結束させ、結束部22で作成された小束を小束排出部61で装置外へ取り出し可能に排出させると共に、プールカセット39に残ったバラ紙幣をバラ入出金部11で装置外へ取り出し可能に排出させる。したがって、全収集処理において、整列部19,20に結束単位枚数に対し不足する端数枚数のバラ紙幣が残ってしまうことがなくなる。言い換えれば、プールカセット39に保留した所定の補充準備枚数のバラ紙幣が担保となって、整列部19,20に端数のバラ紙幣が残らないようにすることができる。その結果、端数枚数のバラ紙幣を、整列部19,20から抜き取る必要がなくなり、バラ入出金部11から取り出すことができる。よって、作業が煩雑になることを抑制できる。
【0069】
また、制御部8は、所定の補充準備枚数を、指定の結束単位枚数から1減算した値以上かつプールカセット39の最大保留可能枚数以下に設定するため、より一層、整列部19,20に端数のバラ紙幣が残らないようにすることができる。
【0070】
また、所定の補充準備枚数を、装置内でバラ紙幣を保留するプールカセット39に保留させるため、全収集処理の全収集保留処理においてのみバラ紙幣を保留する専用の保留部を設ける場合と比べて、コスト増を抑制することができる。
【0071】
なお、全収集処理において、上記実施形態にかえて、以下の制御を行っても良い。すなわち、まず、金種カセット35~37のうちの指定された金種カセットのバラ紙幣をバラ紙幣自己精査処理の往路の動作(図11(a)の太線参照)にてプールカセット39へ搬送してこの金種カセットを空にし、その際のバラ識別部18の識別計数結果からプールカセット39に保留したバラ紙幣の保留枚数を割り出す。その後、ローカル整理の復路の動作(図13(b)の太線参照)にて小束の作成を、割り出した保留枚数に基づいて所定の補充準備枚数だけバラ紙幣がプールカセット39に残った状態となるまで行う。そして、その時点で、整列部19,20に端数のバラ紙幣が残っていたら、不足分をプールカセット39から補充して小束を作成し小束排出部61へ排出すると共に、補充後の残りのバラ紙幣をバラ入出金部11へ搬送する。ただし、全てのバラ紙幣をプールカセット39へ搬送するのでは、処理時間が長くかかってしまう。また、「プールカセットの容量≧金種カセットの容量」の条件設定が必須となってしまう。よって、端数のカバーを担保できる所定の補充準備枚数のみをプールカセット39へ搬送する上記実施形態の動作仕様の方が好ましい。
【0072】
また、実施形態では、全収集処理において、小束を装置外へ排出する部位が束出金口27を含む小束排出部61である場合を説明したが、これに限らずとも良い。例えば、紙幣処理装置が、複数束の小束を一括収納して装置外へ取り出し可能な一括カセットを備えている構成であれば、全収集処理において、この一括カセットに小束を収納して、小束を一括カセット毎、装置外へ排出するようにしても良い。
【0073】
また、実施形態では、全収集保留処理において所定の補充準備枚数を保留させる部位として、プールカセット39のみを例に挙げて説明したが、これに限らずとも良い。例えば、プールカセット39のみならずバラ紙幣を保留すると共に一枚ずつ繰り出して整列部19,20へ搬送可能な部位が他に備えられていれば、当該他の部位を全収集保留処理において所定の補充準備枚数を保留させる部位として適用しても良い。さらには、全収集保留処理において所定の補充準備枚数を保留させる部位として当該他の部位とプールカセット39の両方を適用するようにしても良い。そして、その際にはバラ紙幣の補充準備枚数は、例えば当該他の部位には、所定の補充準備枚数の一部(例えば50枚)を保留させ、プールカセット39に所定の補充準備枚数の残りの一部(例えば49枚)を保留させるようにしても良い。すなわち、プールカセットと他の部位とを含めた部分に、全収集保留処理において所定の補充準備枚数を保留させるようにしても良い。言い換えれば、少なくともプールカセットを含む部位に、全収集保留処理において所定の補充準備枚数を保留させるようにしても良い。要は、バラ紙幣を保留すると共に一枚ずつ繰り出して整列部19,20へ搬送可能な部位でさえあれば、プールカセットに加えて他の部位を併用しても良い。
【0074】
また、実施形態では、金種カセットの数は金種カセット35~37の3つとし、また、整列部の数は整列部19,20の2つ配設される構成で説明したが、むろん、これに限らずとも良い。本発明の特徴を逸脱しない範囲であれば、適宜、構成を変えて実施できることになる。
【0075】
また、実施形態では、整列部の数は整列部19,20の2つ配設される構成であり、当該2つの整列部19,20への集積動作では、同一金種のバラ紙幣100枚を片方の例えば整列部19へ集積させた後、次の100枚のバラ紙幣を他方の例えば整列部20へ集積させるように、2つの整列部19,20への搬送を結束単位枚数(100枚)毎に交互に切り替える制御である。しかしながら、これに限ることはなく、例えば、2つの整列部19,20を別金種のバラ紙幣の集積場所として活用する2金種同時結束処理を行わせても良い。この場合には、それぞれの整列部19,20が受け入れるバラ紙幣の金種について、所定の補充準備枚数分のバラ紙幣をそれぞれの金種でプールカセット39へ保留させる必要がある。なお、この場合、所定の補充準備枚数を保留させる部位は2つあることが望ましいが、1つでも混合で保留させることで対応可能である。
【0076】
すなわち、例えば、整列部19にA金種、整列部20にB金種を集積させる場合、全収集保留処理においてプールカセット39に例えばA金種のバラ紙幣を所定の補充準備枚数分保留させた後、B金種のバラ紙幣を所定の補充準備枚数分保留させる。それと共に、全収集結束処理をA金種およびB金種の両方について行う。そして、整列部19,20の両方で端数のバラ紙幣が生じるため、整列部20に対して、全収集補充処理を行って、プールカセット39で後に保留させたB金種のバラ紙幣を補充した後、残りのB金種のバラ紙幣をバラ入出金部11に排出させる。その後、整列部19に対して、全収集補充処理を行って、プールカセット39で先に保留させたA金種のバラ紙幣を補充した後、残りのA金種のバラ紙幣をバラ入出金部11に排出させる。
【符号の説明】
【0077】
1 紙幣処理装置
4 操作部
8 制御部
11 バラ入出金部(バラ紙幣排出部)
19,20 整列部
22 結束部
35~37 金種カセット
39 プールカセット(保留部)
61 小束排出部
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