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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139644
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11582 20170101AFI20220915BHJP
   H01L 27/11556 20170101ALI20220915BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040124
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100121843
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 賢郎
(72)【発明者】
【氏名】越智 悠介
(72)【発明者】
【氏名】勝又 竜太
(72)【発明者】
【氏名】福田 真大
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083MA06
5F083MA19
5F083PR21
5F083ZA01
5F083ZA12
5F101BA02
5F101BA45
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】従来よりも小型化することのできる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置10は、z方向に積層された複数の導電体層40と、y方向に複数並ぶように形成されたビット線BLと、ビット線BLに接続されているピラー50と、複数のピラー50が配置された領域を、複数のセル領域CARに区分するように設けられた絶縁体91、92と、を備える。末端列LNeに含まれており互いに隣接するピラー50同士の間隔が、少なくとも一部において、内部列LNiに含まれており互いに隣接するピラー50同士の間隔よりも拡大されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に積層された複数の導電体層と、
前記第1方向に対し交差する第2方向に伸びており、前記第1方向及び前記第2方向の両方に対し交差する第3方向に並ぶ複数のビット線と、
前記第1方向に前記複数の導電体層を貫通し、前記複数のビット線と電気的に接続された半導体層を含み、前記第3方向に並ぶことで第1列を構成する複数の第1ピラーと、
前記複数の第1ピラーの前記第2方向に隣接し、前記第1方向に前記複数の導電体層を貫通し、前記複数のビット線と電気的に接続された半導体層を含み、前記第3方向に並ぶことで第2列を構成する複数の第2ピラーと、
前記複数の第2ピラーの前記第2方向に設けられ、前記複数の導電体層内を前記第1方向および前記第3方向に伸び、前記複数の導電体層を前記第2方向に分割する絶縁体と、を備え、
前記第2列に含まれる前記複数の第2ピラーのうちの少なくとも一部の隣接する前記第2ピラー同士の間隔が、前記第1列に含まれる前記複数の第1ピラーのうちの隣接する前記第1ピラー同士の間隔よりも拡大された、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1方向に前記導電体層を貫通しており、前記ビット線には接続されていないダミーピラーを更に備え、
第1方向に沿って見た場合において、前記絶縁体が前記ダミーピラーと重なっている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記絶縁体には、
前記第2列に含まれる前記複数の第2ピラーのうちの隣接する前記第2ピラー同士の間隔が拡大された部分、に向けて突出する凸部が形成されている、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記絶縁体を挟んで互いに隣り合う一対の領域のうち、一方を第1セル領域とし、他方を第2セル領域としたときに、
前記絶縁体には、
前記第1セル領域の前記第2列に含まれる前記複数の第2ピラーうちの少なくとも一部の隣接する前記第2ピラー同士の間隔が拡大されている部分、に向けて突出する第1凸部と、
前記第2セル領域の前記第2列に含まれる前記複数の第2ピラーうちの少なくとも一部の隣接する前記第2ピラー同士の間隔が拡大されている部分、に向けて突出する第2凸部と、が形成されており、
前記第1凸部と前記第2凸部とが、前記第3方向で互いに異なる位置に配置されている、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1列は前記第2方向に複数並んでおり、
互いに隣り合う一対の前記第1列のうち、一方の前記第1列に含まれる前記第1ピラーは、他方の前記第1列に含まれる前記第1ピラーに対し、前記第3方向にずれた位置に配置されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第2列に含まれる前記第2ピラーは、当該第2列と隣接する前記第1列に含まれる前記第1ピラーに対し、前記第3方向にずれた位置に配置されている、請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記絶縁体によって分割された領域内における前記第1列及び前記第2列の合計数が、4列よりも多く且つ6列以下であり、
前記複数の第1ピラー及び前記複数の第2ピラーには、その直上を3本の前記ビット線が通っているものが含まれる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
第1方向に積層された複数の導電体層と、
前記第1方向に対し交差する第2方向に伸びており、前記第1方向及び前記第2方向の両方に対し交差する第3方向に並ぶ複数のビット線と、
前記第1方向に前記複数の導電体層を貫通し、前記複数のビット線と電気的に接続された半導体層を含み、前記第3方向に並ぶことで列を構成する複数のピラーと、
前記複数の導電体層内を前記第1方向および前記第3方向に延び、前記複数の導電体層を前記第2方向に分割する絶縁体と、を備え、
前記絶縁体によって分割された領域のそれぞれは、
第1領域と、前記第2方向に前記第1領域と並ぶ第2領域と、を有し、
前記第1領域における前記列の数は、前記第2領域における前記列の数よりも1つ少ない、半導体記憶装置。
【請求項9】
第1方向に積層された複数の導電体層と、
前記第1方向に対し交差する第2方向に伸びており、前記第1方向及び前記第2方向の両方に対し交差する第3方向に並ぶ複数のビット線と、
前記第1方向に前記複数の導電体層を貫通し、前記複数のビット線と電気的に接続された半導体層を含み、前記第3方向に並ぶことで第1列を構成する複数の第1ピラーと、
前記複数の第1ピラーの前記第2方向に隣接し、前記第1方向に前記複数の導電体層を貫通し、前記複数のビット線と電気的に接続された半導体層を含み、前記第3方向に並ぶことで第2列を構成する複数の第2ピラーと、
前記複数の第2ピラーの前記第2方向に設けられ、前記複数の導電体層内を前記第1方向および前記第3方向に延び、前記複数の導電体層を前記第2方向に分割する絶縁体と、を備え、
前記絶縁体によって分割された領域の数をnとしたときに、
前記第2列に含まれる前記第2ピラーの数の合計値は、前記第1列に含まれる前記第1ピラーの数に、(n-1)/nを乗じて得られる値に等しい、半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばNAND型フラッシュメモリのような半導体記憶装置では、複数のピラーと、複数のビット線とが設けられる。ビット線は、ピラーの上方側において、所定のピッチで並ぶように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-205302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のピラーのそれぞれには、いずれか1つのビット線が接続される。従って、ビット線の配置ピッチは、小型化等の目的で任意の大きさに設定することはできず、ピラーの配置によって制約を受ける。
【0005】
開示された実施形態によれば、従来よりも小型化することのできる半導体記憶装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る半導体記憶装置は、第1方向に積層された複数の導電体層と、第1方向に対し交差する第2方向に伸びており、第1方向及び第2方向の両方に対し交差する第3方向に並ぶ複数のビット線と、第1方向に複数の導電体層を貫通し、複数のビット線と電気的に接続された半導体層を含み、第3方向に並ぶことで第1列を構成する複数の第1ピラーと、複数の第1ピラーの第2方向に隣接し、第1方向に複数の導電体層を貫通し、複数のビット線と電気的に接続された半導体層を含み、第3方向に並ぶことで第2列を構成する複数の第2ピラーと、複数の第2ピラーの第2方向に設けられ、複数の導電体層内を第1方向および第3方向に伸び、複数の導電体層を第2方向に分割する絶縁体と、を備える。この半導体記憶装置では、第2列に含まれる複数の第2ピラーのうちの少なくとも一部の隣接する第2ピラー同士の間隔が、第1列に含まれる複数の第1ピラーのうちの隣接する第1ピラー同士の間隔よりも拡大されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係るメモリシステムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の等価回路を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
図7図7は、第1実施形態におけるピラー等の配置を示す図である。
図8図8は、比較例におけるピラー等の配置を示す図である。
図9図9は、比較例におけるピラー等の配置を示す図である。
図10図10は、第2実施形態におけるピラー等の配置を示す図である。
図11図11は、第3実施形態におけるピラー等の配置を示す図である。
図12図12は、第4実施形態におけるピラー等の配置を示す図である。
図13図13は、第4実施形態におけるピラーの配置を模式的に示す図である。
図14図14は、第5実施形態におけるピラー等の配置を示す図である。
図15図15は、第5実施形態におけるピラーの配置を模式的に示す図である。
図16図16は、第6実施形態におけるピラー等の配置を示す図である。
図17図17は、変形例におけるピラー等の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0009】
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る半導体記憶装置10は、NAND型フラッシュメモリとして構成された不揮発性の記憶装置である。図1には、半導体記憶装置10を含むメモリシステムの構成例がブロック図として示されている。このメモリシステムは、メモリコントローラ1と、半導体記憶装置10とを備える。尚、半導体記憶装置10は、図1のメモリシステムにおいて実際には複数設けられているのであるが、図1においてはそのうちの1つのみが図示されている。半導体記憶装置10の具体的な構成については後に説明する。このメモリシステムは、不図示のホストと接続可能である。ホストは、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末等の電子機器である。
【0010】
メモリコントローラ1は、ホストからの書き込みリクエストに従って半導体記憶装置10へのデータの書き込みを制御する。また、メモリコントローラ1は、ホストからの読み出しリクエストに従って半導体記憶装置10からのデータの読み出しを制御する。
【0011】
メモリコントローラ1と半導体記憶装置10との間では、チップイネーブル信号/CE、レディービジー信号/RB、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、データである信号DQ<7:0>、データストローブ信号DQS、/DQS、の各信号が送受信される。
【0012】
チップイネーブル信号/CEは、半導体記憶装置10をイネーブルにするための信号である。レディービジー信号/RBは、半導体記憶装置10がレディ状態であるか、ビジー状態であるかを示すための信号である。「レディ状態」とは、外部からの命令を受け付ける状態である。「ビジー状態」とは、外部からの命令を受け付けない状態である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、信号DQ<7:0>がコマンドであることを示す信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、信号DQ<7:0>がアドレスであることを示す信号である。ライトイネーブル信号/WEは、受信した信号を半導体記憶装置10に取り込むための信号であり、メモリコントローラ1によりコマンド、アドレス、及びデータを受信する都度アサートされる。メモリコントローラ1は、信号/WEが“L(Low)”レベルである間に信号DQ<7:0>を取り込むよう半導体記憶装置10に指示する。
【0013】
リードイネーブル信号RE、/REは、メモリコントローラ1が、半導体記憶装置10からデータを読み出すための信号である。これらは例えば、信号DQ<7:0>を出力する際の半導体記憶装置10の動作タイミングを制御するために使用される。ライトプロテクト信号/WPは、データ書き込み及び消去の禁止を半導体記憶装置10に指示するための信号である。信号DQ<7:0>は、半導体記憶装置10とメモリコントローラ1との間で送受信されるデータの実体であり、コマンド、アドレス、及びデータを含む。データストローブ信号DQS、/DQSは、信号DQ<7:0>の入出力のタイミングを制御するための信号である。
【0014】
メモリコントローラ1は、RAM301と、プロセッサ302と、ホストインターフェイス303と、ECC回路304と、メモリインターフェイス305と、を備える。RAM301、プロセッサ302、ホストインターフェイス303、ECC回路304、及びメモリインターフェイス305は、互いに内部バス306で接続されている。
【0015】
ホストインターフェイス303は、ホストから受信したリクエスト、ユーザデータ(書き込みデータ)等を内部バス306に出力する。また、ホストインターフェイス303は、半導体記憶装置10から読み出されたユーザデータ、プロセッサ302からの応答等をホストへ送信する。
【0016】
メモリインターフェイス305は、プロセッサ302の指示に基づいて、ユーザデータ等を半導体記憶装置10へ書き込む処理、及び、半導体記憶装置10から読み出す処理を制御する。
【0017】
プロセッサ302は、メモリコントローラ1を統括的に制御する。プロセッサ302は、例えばCPUやMPU等である。プロセッサ302は、ホストからホストインターフェイス303経由でリクエストを受けた場合に、そのリクエストに従った制御を行う。例えば、プロセッサ302は、ホストからのリクエストに従って、半導体記憶装置10へのユーザデータ及びパリティの書き込みをメモリインターフェイス305へ指示する。また、プロセッサ302は、ホストからのリクエストに従って、半導体記憶装置10からのユーザデータ及びパリティの読み出しをメモリインターフェイス305へ指示する。
【0018】
プロセッサ302は、RAM301に蓄積されるユーザデータに対して、半導体記憶装置10上の格納領域(メモリ領域)を決定する。ユーザデータは、内部バス306経由でRAM301に格納される。プロセッサ302は、メモリ領域の決定を、書き込み単位であるページ単位のデータ(ページデータ)に対して実施する。半導体記憶装置10の1ページに格納されるユーザデータのことを、以下では「ユニットデータ」とも称する。ユニットデータは、一般的には符号化されて、符号語として半導体記憶装置10に格納される。本実施形態では、符号化は必須ではない。メモリコントローラ1は、符号化せずにユニットデータを半導体記憶装置10に格納してもよいが、図1では、一構成例として符号化を行う構成を示している。メモリコントローラ1が符号化を行わない場合には、ページデータはユニットデータと一致する。また、1つのユニットデータに基づいて1つの符号語が生成されてもよいし、ユニットデータが分割された分割データに基づいて1つの符号語が生成されてもよい。また、複数のユニットデータを用いて1つの符号語が生成されてもよい。
【0019】
プロセッサ302は、ユニットデータごとに書き込み先の半導体記憶装置10のメモリ領域を決定する。半導体記憶装置10のメモリ領域には物理アドレスが割当てられている。プロセッサ302は、ユニットデータの書き込み先のメモリ領域を、物理アドレスを用いて管理する。プロセッサ302は、決定したメモリ領域(物理アドレス)を指定してユーザデータを半導体記憶装置10へ書き込むようメモリインターフェイス305へ指示する。プロセッサ302は、ユーザデータの論理アドレス(ホストが管理する論理アドレス)と物理アドレスとの対応を管理する。プロセッサ302は、ホストからの論理アドレスを含む読み出しリクエストを受信した場合は、論理アドレスに対応する物理アドレスを特定し、物理アドレスを指定してユーザデータの読み出しをメモリインターフェイス305へ指示する。
【0020】
ECC回路304は、RAM301に格納されたユーザデータを符号化して、符号語を生成する。また、ECC回路304は、半導体記憶装置10から読み出された符号語を復号する。
【0021】
RAM301は、ホストから受信したユーザデータを半導体記憶装置10へ記憶するまでに一時格納したり、半導体記憶装置10から読み出したデータをホストへ送信するまでに一時格納したりする。RAM301は、例えば、SRAMやDRAM等の汎用メモリである。
【0022】
図1では、メモリコントローラ1が、ECC回路304とメモリインターフェイス305をそれぞれ備える構成例が示されている。しかしながら、ECC回路304がメモリインターフェイス305に内蔵されていてもよい。また、ECC回路304が、半導体記憶装置10に内蔵されていてもよい。図1に示される各要素の具体的な構成や配置は、特に限定されない。
【0023】
ホストから書き込みリクエストを受信した場合、図1のメモリシステムは次のように動作する。プロセッサ302は、書き込み対象となるデータをRAM301に一時記憶させる。プロセッサ302は、RAM301にストアされたデータを読み出し、ECC回路304に入力する。ECC回路304は、入力されたデータを符号化し、符号語をメモリインターフェイス305に入力する。メモリインターフェイス305は、入力された符号語を半導体記憶装置10に書き込む。
【0024】
ホストから読み出しリクエストを受信した場合、図1のメモリシステムは次のように動作する。メモリインターフェイス305は、半導体記憶装置10から読み出した符号語をECC回路304に入力する。ECC回路304は、入力された符号語を復号し、復号されたデータをRAM301にストアする。プロセッサ302は、RAM301にストアされたデータを、ホストインターフェイス303を介してホストに送信する。
【0025】
半導体記憶装置10の構成について説明する。図2に示されるように、半導体記憶装置10は、メモリセルアレイ430と、センスアンプ440と、ロウデコーダ450と、入出力回路401と、ロジック制御回路402と、シーケンサ421と、レジスタ422と、電圧生成回路423と、入出力用パッド群411と、ロジック制御用パッド群412と、電源入力用端子群413と、を備えている。
【0026】
メモリセルアレイ430は、データを記憶する部分である。メモリセルアレイ430は、複数のビット線BL及び複数のワード線WLに関連付けられた複数のメモリセルトランジスタMTを有している。メモリセルアレイ430の具体的な構成については、図3図6を参照しながら後に説明する。
【0027】
センスアンプ440は、ビット線BLに印加される電圧を調整したり、ビット線BLの電圧を読み出してデータに変換したりするための回路である。センスアンプ440は、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出された読み出しデータを取得し、取得した読み出しデータを入出力回路401に転送する。センスアンプ440は、データの書き込み時には、ビット線BLを介して書き込まれる書き込みデータをメモリセルトランジスタMTに転送する。センスアンプ440の動作は、シーケンサ421により制御される。
【0028】
ロウデコーダ450は、ワード線WLのそれぞれに電圧を印加するための、不図示のスイッチ群として構成された回路である。ロウデコーダ450は、レジスタ422からブロックアドレス及びロウアドレスを受け取り、当該ブロックアドレスに基づいて対応するブロックを選択するとともに、当該ロウアドレスに基づいて対応するワード線WLを選択する。ロウデコーダ450は、選択されたワード線WLに対して電圧生成回路423からの電圧が印加されるよう、上記のスイッチ群の開閉を切り換える。ロウデコーダ450の動作はシーケンサ421により制御される。
【0029】
入出力回路401は、メモリコントローラ1との間で、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSを送受信する。入出力回路401は、信号DQ<7:0>内のコマンド及びアドレスをレジスタ422に転送する。また、入出力回路401は、書き込みデータ及び読み出しデータを、センスアンプ440との間で送受信する。
【0030】
ロジック制御回路402は、メモリコントローラ1からチップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、及びライトプロテクト信号/WPを受信する。また、ロジック制御回路402は、レディービジー信号/RBをメモリコントローラ1に転送して、半導体記憶装置10の状態を外部に通知する。
【0031】
シーケンサ421は、メモリコントローラ1から入出力回路401及びロジック制御回路402へと入力された制御信号に基づいて、メモリセルアレイ430を含む各部の動作を制御する。
【0032】
レジスタ422は、コマンドやアドレスを一時的に保持する部分である。レジスタ422には、書き込み動作や読み出し動作、及び消去動作等を指示するコマンドが保持される。当該コマンドは、メモリコントローラ1から入出力回路401に入力された後、入出力回路401からレジスタ422に転送され保持される。
【0033】
また、レジスタ422は、上記のコマンドに対応するアドレスも保持される。当該アドレスは、メモリコントローラ1から入出力回路401に入力された後、入出力回路401からレジスタ422に転送され保持される。
【0034】
更に、レジスタ422は、半導体記憶装置10の動作状態を示すステータス情報も保持する。ステータス情報は、メモリセルアレイ430等の動作状態に応じて、シーケンサ421によって都度更新される。ステータス情報は、メモリコントローラ1からの要求に応じて、状態信号として入出力回路401からメモリコントローラ1へと出力される。
【0035】
電圧生成回路423は、メモリセルアレイ430におけるデータの書き込み動作、読み出し動作、及び、消去動作のそれぞれに必要な電圧を生成する部分である。このような電圧には、例えば、それぞれのワード線WLに印加される電圧や、それぞれのビット線BLに印加される電圧等が含まれる。電圧生成回路423の動作はシーケンサ421によって制御される。
【0036】
入出力用パッド群411は、メモリコントローラ1と入出力回路401との間で各信号の送受信を行うための、複数の端子(パッド)が設けられた部分である。それぞれの端子は、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSのそれぞれに対応して個別に設けられている。
【0037】
ロジック制御用パッド群412は、メモリコントローラ1とロジック制御回路402との間で各信号の送受信を行うための、複数の端子(パッド)が設けられた部分である。それぞれの端子は、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、及び、レディービジー信号/RBのそれぞれに対応して個別に設けられている。
【0038】
電源入力用端子群413は、半導体記憶装置10の動作に必要な各電圧の印加を受けるための、複数の端子が設けられた部分である。それぞれの端子に印加される電圧には、電源電圧Vcc、VccQ、Vpp、及び接地電圧Vssが含まれる。
【0039】
電源電圧Vccは、動作電源として外部から与えられる回路電源電圧であり、例えば3.3V程度の電圧である。電源電圧VccQは、例えば1.2Vの電圧である。電源電圧VccQは、メモリコントローラ1と半導体記憶装置10との間で信号を送受信する際に用いられる電圧である。電源電圧Vppは、電源電圧Vccよりも高圧の電源電圧であり、例えば12Vの電圧である。
【0040】
メモリセルアレイ430の具体的な構成について説明する。図3には、メモリセルアレイ430の構成が等価回路図として示されている。同図に示されるように、メモリセルアレイ430は、複数のストリングユニットSU0~SU3を含む。それぞれのストリングユニットSU0~SU3は、複数のセルストリングSRを含む。更に、それぞれのセルストリングSRは、例えば、8つのメモリセルトランジスタMT0~MT7、及び、2つのセレクトトランジスタSTD、STSを含む。セルストリングSRに含まれるメモリセルトランジスタやセレクトトランジスタの数は、図1の例とは異なっていてもよい。
【0041】
複数のストリングユニットSU0~SU3は、全体で1つのブロックを構成しており、このようなブロックがメモリセルアレイ430には複数設けられている。図3においては単一のブロックのみが図示されており、その他のブロックについては図示が省略されている。
【0042】
以下の説明においては、ストリングユニットSU0~SU3のそれぞれを区別せず「ストリングユニットSU」とも表記することがある。同様に、メモリセルトランジスタMT0~MT7のそれぞれを区別せず「メモリセルトランジスタMT」とも表記することがある。
【0043】
それぞれのストリングユニットSUには、N本設けられたビット線BL0~BL(N-1)と同じ数のセルストリングSRが含まれる。Nは正の整数である。セルストリングSRは、メモリセルトランジスタMT0~MT7、及びセレクトトランジスタSTD、STSが、直列に並ぶように形成されている。後に説明するように、セルストリングSRは、図4のメモリホールMHの内側にあるピラー50に沿って形成されるものである。ピラー50は略円柱形状の柱状体であり、「メモリピラー」とも称されるものである。
【0044】
セルストリングSRに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7は、セレクトトランジスタSTDのソースと、セレクトトランジスタSTSのドレインと、の間において直列に配置されている。セレクトトランジスタSTDのドレインはいずれかのビット線BL0等に接続されている。セレクトトランジスタSTSのソースはソース線SLに接続されている。以下の説明においては、ビット線BL1~BL(N-1)のそれぞれを区別せず「ビット線BL」とも表記することがある。
【0045】
後に説明するように、それぞれのメモリセルトランジスタMTは、ゲート部分に電荷蓄積層を有するトランジスタとして構成されている。当該電荷蓄積層に蓄積された電荷量が、メモリセルトランジスタMTに保持されるデータに対応したものとなる。メモリセルトランジスタMTは、電荷蓄積層として例えば窒化シリコン膜等を用いたチャージトラップ型のものであってもよく、電荷蓄積層として例えばシリコン膜等を用いたフローティングゲート型のものであってもよい。
【0046】
ストリングユニットSU0に含まれる複数のセレクトトランジスタSTDのゲートは、いずれもセレクトゲート線SGD0に接続されている。セレクトゲート線SGD0は、各セレクトトランジスタSTDの開閉を切り換えるための電圧が印加される線である。ストリングユニットSU1~SU3についても同様に、それぞれのストリングユニットSUに対応して、セレクトトランジスタSTDに電圧を印加するためのセレクトゲート線SGD1~SGD3が設けられている。
【0047】
ストリングユニットSU0に含まれる複数のセレクトトランジスタSTSのゲートは、いずれもセレクトゲート線SGS0に接続されている。セレクトゲート線SGS0は、各セレクトトランジスタSTSの開閉を切り換えるための電圧が印加される線である。ストリングユニットSU1~SU3についても同様に、それぞれのストリングユニットSUに対応して、セレクトトランジスタSTSに電圧を印加するためのセレクトゲート線SGS1~SGS3が設けられている。尚、1つのブロックを構成するストリングユニットSU0~SU3間においてセレクトゲート線SGSが共有され、ストリングユニットSU0~SU3に含まれる全てのセレクトトランジスタST2のゲートが共通のセレクトゲート線SGSに接続されていてもよい。
【0048】
メモリセルトランジスタMT0~MT7のそれぞれのゲートは、ワード線WL0~WL7に接続されている。ワード線WL0~WL7は、メモリセルトランジスタMT0~MT7の開閉を切り換えたり、メモリセルトランジスタMT0~MT7の各電荷蓄積層に蓄積された電荷量を変化させたりする等の目的で、電圧が印加される線である。
【0049】
半導体記憶装置10におけるデータの書き込み及び読み出しは、いずれかのストリングユニットSUにおける、いずれかのワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTに対して、「ページ」と称される単位ごとに一括して行われる。一方、半導体記憶装置10におけるデータの消去は、ブロックに含まれる全てのメモリセルトランジスタMTに対して、一括して行われる。このようなデータの書き込み、読み出し、及び消去を行うための具体的な方法としては、公知となっている様々な方法を採用することができるので、その詳細な説明については省略する。
【0050】
図4には、半導体記憶装置10のうち、メモリセルアレイ430及びその近傍の部分の構成が模式的な斜視図として示されている。同図に示されるように、半導体記憶装置10は、基板20と、絶縁体層21と、半導体層22と、複数の絶縁体層30及び導電体層40と、を備えている。
【0051】
基板20は、図4のz方向側において平坦な面を有する板状の部材であって、例えばシリコンウェハである。以下に説明する絶縁体層21、半導体層22、絶縁体層30、及び導電体層40等は、基板20の上面側において、例えばCVD成膜により形成された複数層の膜となっている。基板20の表面には、例えば、素子分離領域20iが設けられている。素子分離領域20iは、例えば、シリコン酸化物を含む絶縁領域であり、その一部において、トランジスタTrのソース及びドレイン領域を区画する部分である。
【0052】
絶縁体層21は、例えば酸化シリコンのような絶縁性の材料により形成された層である。基板20の表面側には、例えば上記のトランジスタTrや、配線LIN等を含む周辺回路が形成されている。この周辺回路は、図2に示されるセンスアンプ440やロウデコーダ450等を構成するものである。絶縁体層21は、これら周辺回路の全体を覆っている。
【0053】
半導体層22は、図3のソース線SLとして機能する層である。半導体層22は、例えば、不純物がドープされた多結晶シリコンのような、シリコンを含む材料により形成されている。半導体層22は、メモリセルアレイ430の下方側となる部分において、上記の絶縁体層21に埋め込まれている。
【0054】
尚、半導体層22は、その全体がシリコンのような半導体材料により形成されていてもよいのであるが、図4の例のように、半導体層22aと導電層22bからなる2層構造になっていてもよい。半導体層22aは例えばシリコンのような半導体材料により形成された層であり、導電層22bは例えばタングステンのような金属材料により形成された層である。
【0055】
絶縁体層30及び導電体層40は、半導体層22の上方側においてそれぞれ複数形成されており、図4のz方向に交互に並ぶように配置されている。
【0056】
導電体層40は、例えばタングステンを含む材料により形成された、導電性を有する層である。それぞれの導電体層40は、図3におけるワード線WL0~WL7やセレクトゲート線SGS1、SGD1等として用いられるものである。絶縁体層30は、互いに隣り合う導電体層40の間となる位置に配置され、両者の間を電気的に絶縁するものである。絶縁体層30は、例えば、酸化シリコンを含む材料により形成されている。
【0057】
複数の絶縁体層30及び導電体層40がz方向に積層されている領域には、これらをz方向に貫くように複数のメモリホールMHが形成されており、メモリホールMHの内側に、略円柱形状のピラー50が形成されている。それぞれのピラー50は、最もz方向側にある絶縁体層30から、半導体層22に至るまでの範囲において形成されている。
【0058】
図5には、ピラー50を、その長手方向に沿った中心軸を通る面(y-z平面)で切断した場合の断面が示されている。また、図6には、ピラー50を、その中心軸に対し垂直な面(x-y平面)であり、且つ導電体層40を通る面で切断した場合の断面が示されている。
【0059】
図6に示されるように、ピラー50は、円形若しくは楕円形の断面形状を有している。ピラー50は、ボディ51と、積層膜52と、を有している。
【0060】
ボディ51は、コア部51aと半導体層51bとを有している。半導体層51bは、例えばアモルファスシリコンからなる材料によって形成されており、メモリセルトランジスタMT等のチャンネルが形成される部分である。コア部51aは、例えば酸化シリコンのような絶縁性の材料により形成されており、半導体層51bの内側に設けられている。尚、ボディ51の全体が半導体層51bとなっており、内側のコア部51aが設けられていない構成としてもよい。
【0061】
積層膜52は、ボディ51の外周を覆うように形成された複数層の膜である。積層膜52は、例えば、トンネル絶縁膜52aと、電荷捕獲膜52bと、を有している。トンネル絶縁膜52aは最も内側に形成された膜である。トンネル絶縁膜52aは、例えば、シリコン酸化物、又は、シリコン酸化物とシリコン窒化物とを含む。トンネル絶縁膜52aは、ボディ51と電荷捕獲膜52bとの間の電位障壁である。例えば、ボディ51から電荷捕獲膜52bへ電子を注入するとき(書き込み動作)、及び、ボディ51から電荷捕獲膜52bへ正孔を注入するとき(消去動作)、電子および正孔が、それぞれトンネル絶縁膜52aの電位障壁を通過(トンネリング)する。
【0062】
電荷捕獲膜52bは、トンネル絶縁膜52aの外側を覆うように形成された膜である。電荷捕獲膜52bは、例えば、シリコン窒化物を含み、膜中に電荷をトラップするトラップサイトを有する。電荷捕獲膜52bのうち、ワード線WLである導電体層40とボディ51との間に挟まれた部分は、先に述べた電荷蓄積層として、メモリセルトランジスタMTの記憶領域を構成する。メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は、電荷捕獲膜52bにおける電荷の有無、又は、当該電荷の量によって変化する。これにより、メモリセルトランジスタMTは、情報を保持する。
【0063】
図5に示されるように、ワード線WLである導電体層40は、その外周面をバリア膜45及びブロック絶縁膜46で覆われている。バリア膜45は、導電体層40とブロック絶縁膜46との密着性を向上させるための膜である。バリア膜45は、例えば、導電体層40がタングステンである場合、窒化チタンとチタンとの積層構造膜が選ばれる。
【0064】
ブロック絶縁膜46は、導電体層40から積層膜52側への電荷のバックトンネリング
を抑制するための膜である。ブロック絶縁膜46は、例えば、シリコン酸化物膜又は金属酸化物膜である。金属酸化物の1つの例は、アルミニウム酸化物である。
【0065】
絶縁体層30と電荷捕獲膜52bとの間には、カバー絶縁膜31が設けられている。カバー絶縁膜31は、例えば、シリコン酸化物を含む。カバー絶縁膜31は、犠牲層を導電体層40に置き換えるリプレイス工程において、電荷捕獲膜52bがエッチングされないように保護するための膜である。導電体層40の形成にリプレイス工程が利用されない場合には、カバー絶縁膜31はなくてもよい。
【0066】
以上のように、ピラー50のうち、それぞれの導電体層40が接続されている部分の内側は、トランジスタとして機能する。つまり、それぞれのピラー50は、図3に示されるセルストリングSRの一部となっており、その長手方向に沿って複数のトランジスタが直列に接続された状態となっている。それぞれの導電体層40は、積層膜52を介して、各トランジスタのゲートに接続されている。トランジスタの内側にある半導体層51bは、当該トランジスタのチャネルとして機能する。
【0067】
ピラー50の長手方向に沿って、上記のように直列に並ぶそれぞれのトランジスタは、その一部が、図3における複数のメモリセルトランジスタMTとして機能する。また、直列に並ぶ複数のメモリセルトランジスタMTの両側に形成されたトランジスタは、図3におけるセレクトトランジスタSTD、STSとして機能する。
【0068】
図4に戻って説明を続ける。同図に示されるように、それぞれのピラー50の上方側には、複数のビット線BLが設けられている。それぞれのビット線BLは、図4のx方向に伸びる直線状の配線として形成されており、同図のy方向に沿って並ぶように配置されている。ピラー50の上端は、コンタクトCbを介して、いずれかのビット線BLに接続されている。これにより、各ピラー50の半導体層51bが、ビット線BLに対し電気的に接続されている。
【0069】
ピラー50のうち下方側の端部においては、積層膜52が除去されており、半導体層51bが半導体層22に対して接続されている。これにより、ソース線SLとして機能する半導体層22と、各トランジスタのチャネルとが電気的に接続されている。
【0070】
積層された導電体層40及び絶縁体層30は、スリットSTによって複数に分断されている。スリットSTは、図4のy方向に伸びるように形成された直線状の溝であり、例えば、半導体層22まで達する深さまで形成されている。スリットSTの内面には不図示の絶縁スペーサが形成されており、当該絶縁スペーサを介して不図示の導電性材料が充填されている。絶縁スペーサは例えば酸化シリコンであり、導電性材料は例えばタングステンやポリシリコンである。このような構成により、スリットSTを、例えば、半導体層22の電位を調整するための配線として用いることができる。スリットSTの内面に形成された上記絶縁スペーサのことを、以下では「絶縁体91」とも称する。
【0071】
また、積層された導電体層40及び絶縁体層30の上方側部分は、スリットSHEによって分断されている。スリットSHEは、図4のy方向に伸びるように形成された浅い溝である。スリットSHEは、複数の導電体層40のうち、セレクトゲート線SGDとして設けられたもののみを分断する深さまで形成されている。スリットSHEの内側には、例えば絶縁性材料が充填されている。スリットSHEの内側に充填された絶縁スペーサのことを、以下では「絶縁体92」とも称する。
【0072】
以降においては、図4に示されるx方向、y方向、z方向を用いて、各部の構成について説明する。z方向は、下方から上方に向かう方向であり、複数の導電体層40が積層されている方向である。x方向は、z方向に対し交差する方向であって、それぞれのビット線BLが伸びている方向である。y方向は、z方向及びx方向の両方に対し交差する方向であって、複数のビット線BLが並んでいる方向である。z方向、x方向、及びy方向は、それぞれ、本実施形態における「第1方向」、「第2方向」、「第3方向」に該当する。
【0073】
図7を参照しながら、本実施形態におけるピラー50等の具体的な配置について説明する。図7では、メモリセルアレイ430のうち一対のスリットSTの間の部分の構成、すなわち、一対の絶縁体91の間の部分の構成が、上面視で模式的に示されている。
【0074】
図7に示されるように、上面視において複数のピラー50が配置されている領域は、スリットSTの絶縁体91や、スリットSHEの絶縁体92によって複数の領域に区分されている。このように区分されたそれぞれの領域のことを、以下では「セル領域CAR」とも称する。また、それぞれのセル領域CARを互いに区別して、「セル領域CAR1」、「セル領域CAR2」のように称することもある。図7の例では、x方向側のスリットSTと、その-x方向側にあるスリットSHEとの間の部分がセル領域CAR1となっている。また、-x方向側のスリットSTと、そのx方向側にあるスリットSHEとの間の部分がセル領域CAR2となっている。
【0075】
スリットST及びスリットSHEは、それぞれの内側に設けられた絶縁体91、92によって、複数のピラー50が配置されている領域を、x方向に並ぶ複数のセル領域CARに区分するように設けられている。絶縁体91、92は、いずれも、複数の導電体層40内をz方向およびy方向に伸びており、複数の導電体層40をy方向に分割している。
【0076】
それぞれのピラー50は、先に述べたように、複数の導電体層40をz方向に貫通している。1つのセル領域CARに含まれる一群のピラー50は、共通のストリングユニットSUに属している。
【0077】
各セル領域CARにおいて、それぞれのピラー50は、コンタクトCbを介して、複数のビット線BLのうちいずれか1つに接続されている。換言すれば、それぞれのビット線BLは、図7のように上面視で2次元的に配置された複数のピラー50のそれぞれに対し、1本ずつ接続されている。
【0078】
本実施形態では、一対のスリットSTの間にある領域の一部に、ダミーピラー50Dが形成されている。ダミーピラー50Dは、ピラー50と同様の構成を有しており、ピラー50と同様に、z方向に導電体層40を貫通している。ただし、ダミーピラー50Dは、コンタクトCbを介してビット線BLに接続されていないので、データの記憶には用いられない。図7に示されるように、z方向に沿って見た場合においては、スリットSHT及びその内側の絶縁体92は各ダミーピラー50Dと重なる位置を通るように形成されている。図7では、ダミーピラー50Dをピラー50から区別し得るよう、ダミーピラー50Dにハッチングが付してある。
【0079】
説明の便宜上、ピラー50がx方向に直線状に並ぶことにより形成された列のことを、以下では「列LN」とも称する。各セル領域CARでは、列LNが、x方向に複数並んでいる。
【0080】
複数の列LNのうち、x方向において絶縁体91、92(スリットSTやスリットSHE)に最も近い位置にあるもののことを、以下では特に「末端列LNe」とも称する。また、複数の列LNのうち、x方向において末端列LNeとは異なる位置にあるもののことを、以下では特に「内部列LNi」とも称する。内部列LNiは、本実施形態における「第1列」に該当する。内部列LNiを構成する複数のピラー50は、本実施形態における「第1ピラー」に該当する。末端列LNeは、本実施形態における「第2列」に該当する。末端列LNeを構成する複数のピラー50は、本実施形態における「第2ピラー」に該当する。1つのセル領域CARにおいて、内部列LNiは複数設けられており、複数の内部列LNiの一部が末端列LNeに隣接している。
【0081】
図7に示されるように、本実施形態では、第1列である内部列LNiはx方向に複数並んでいる。x方向に互いに隣り合う一対の内部列LNiのうち、一方の内部列LNiに含まれるピラー50は、他方の内部列LNiに含まれるピラー50に対し、y方向にずれた位置に配置されている。また、第2列である末端列LNeに含まれるピラー50は、当該末端列LNeと隣接する内部列LNiに含まれるピラー50に対し、y方向にずれた位置に配置されている。
【0082】
図7に示されるように、内部列LNiに含まれる各ピラー50は、y方向に沿って概ね等間隔の配置ピッチで並んでいる。一方、絶縁体92(スリットSHE)側にある末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチは、一部(具体的には、ダミーピラー50Dが配置されている部分)において、内部列LNiに含まれる各ピラー50の配置ピッチよりも拡大されている。ここでいう「配置ピッチ」とは、y方向に隣接するピラー50同士の間隔のことである。
【0083】
このような構成となっている理由について説明するために、図8及び図9を参照しながら、比較例に係る構成について説明する。
【0084】
図8の比較例では、ダミーピラー50Dがy方向に直線状に並ぶように配置されている。また、その直上においては、スリットSHE及び絶縁体92もy方向に直線状に伸びるように形成されている。この比較例においては、末端列LNeを含む全ての列LNにおいて、ピラー50が概ね等間隔の配置ピッチで並んでいる。
【0085】
図8の例では、一つのセル領域CARにおいて、列LNがx方向に沿って4つ設けられている。つまり、セル領域CARにおける列LNの数を「連数」と定義すれば、図8の例における連数は4となっている。
【0086】
先に述べたように、それぞれのビット線BLは、セル領域CARに配置された複数のピラー50のそれぞれに対し、1本ずつ接続される必要がある。ここで、ビット線BLの配置ピッチの1/2のことを「BLHP」(Bit Line Half Pitch)と定義すると、BLHPは以下の式(1)で算出される。
BLHP=(y方向におけるピラー50の配置ピッチ)/連数/2・・(1)
【0087】
例えば、y方向におけるピラー50の配置ピッチが152nmであり、図8のように連数が4の場合には、BLHPの値は、152/4/2=19nmとなる。
【0088】
図8に示される範囲AR11は、y方向におけるピラー50の配置ピッチの1つ分と同じ幅を持つ範囲である。セル領域CARのうち、この範囲AR11の内側においては、x方向に4つ(つまり連数)のピラー50が並んでいるので、ビット線BLも、これと同じ数だけ範囲AR11に配置する必要がある。式(1)において、BLHPが連数の関数となっているのはこのような理由による。
【0089】
半導体記憶装置10を小型化するためには、ピラー50の配置ピッチか、BLHPのうち少なくとも一方を小さくする必要がある。仮に、ピラー50の配置ピッチが限界まで小さくされており、これ以上小さくすることが難しい場合には、連数を増加させてBLHPの方を小さくすることが考えられる。
【0090】
図9には、図8の構成から、連数を5に増加させた場合の例が示されている。図9に示される範囲AR12は、上記のAR11と同様に、y方向におけるピラー50の配置ピッチの1つ分と同じ幅を持つ範囲である。図9の例では、この範囲に5本のビット線BLが配置されており、その結果としてBLHPが小さくなっている。図8の例におけるBLHPの値が、152/4/2=19nmであったのに対し、図9の例におけるBLHPの値は、152/5/2=15.2nmとなる。
【0091】
このように、BLHPの縮小を目的として連数を1だけ増加させると、BLHPの値は、19nmから15.2nmへと大きく低下してしまう。その結果、ビット線BLの加工の難易度が急激に上がってしまい、現実には連数を増加させることが難しい場合があった。このように、従来の構成においては、連数を1つずつ変化させる必要があったので、BLHPを小さくして半導体記憶装置10を小型化することが難しい場合があった。
【0092】
図7を参照しながら説明したように、本実施形態では、絶縁体92(スリットSHE)側にある末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが、一部において拡大されている。図7に示される範囲AR1、AR2は、いずれも、y方向におけるピラー50の配置ピッチの1つ分と同じ幅を持つ範囲である。このうち、範囲AR1は、末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが拡大されている部分、に対応する範囲となっている。また、範囲AR2は、末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが拡大されていない部分、に対応する範囲となっている。
【0093】
このため、セル領域CAR1のうち、範囲AR1の内側においては連数が4となっており、範囲AR2の内側においては連数が5となっている。このように、本実施形態では、末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチを拡大することで、全体における連数を4と5の中間にしたような構成となっている。セル領域CAR1のうち範囲AR1にある領域は、本実施形態における「第1領域」に該当し、範囲AR2にある領域は、本実施形態における「第2領域」に該当する。第1領域における列LNの数(本実施形態では4)は、第2領域における列LNの数(本実施形態では5)よりも1つ少なくなっている。このような第1領域及び第2領域は、セル領域CAR1以外のセル領域CARでも同様に定義することができる。
【0094】
本実施形態では、末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが拡大されている部分と、拡大されていない部分とが、y方向に沿った寸法において互いに概ね同一となっている。このため、全体の連数は4.5と見なすことができるので、式(1)により算出されるBLHPの値は、152/4.5/2=16.88nmとなる。
【0095】
このように、本実施形態の構成によれば、BLHPの値を、連数が4の場合における19nmよりも小さく、且つ、連数が5の場合における15.2nmよりも大きな値(16.88nm)とすることができる。つまり、ビット線BLの加工の難易度が急激には上がらない範囲で、BLHPを小さくし、半導体記憶装置10を小型化することが可能となっている。
【0096】
本実施形態では、スリットSHTの内側にある絶縁体92がy方向に沿った直線状とはなっておらず、x方向に向けて突出する凸部921と、-x方向に向けて突出する凸部922と、を有する形状となっている。
【0097】
凸部921は、x方向側にあるセル領域CAR1の、末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが拡大されている部分に向けて、当該部分に入り込むように突出している。また、凸部922は、-x方向側にあるセル領域CAR2の、末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが拡大されている部分に向けて、当該部分に入り込むように突出している。
【0098】
本実施形態においては、スリットSHEの絶縁体92を挟んで互いに隣り合うように、一対のセル領域CAR1、セル領域CAR2が設けられている。一方のセル領域CAR1は、本実施形態における「第1セル領域」に該当する。他方のセル領域CAR2は、本実施形態における「第2セル領域」に該当する。
【0099】
両者の間にある絶縁体92(スリットSHE)には、上記のように凸部921、922が形成されている。凸部921は、セル領域CAR1の末端列LNeに含まれるピラー50の配置ピッチが拡大されている部分、に向けて突出する部分であって、本実施形態における「第1凸部」に該当する。また、凸部922は、セル領域CAR2の末端列LNeに含まれるピラー50の配置ピッチが拡大されている部分、に向けて突出する部分であって、本実施形態における「第2凸部」に該当する。
【0100】
これら第1凸部及び第2凸部は、y方向において互いに異なる位置に配置されている。このような構成とすることで、セル領域CAR1、CAR2のx方向に沿った寸法が小さくなるので、半導体記憶装置10をさらに小型化することが可能となる。
【0101】
ピラー50の直上を通るビット線BLの本数は、セル領域CAR内における内部列LNi及び末端列LNeの合計数、すなわち、連数に応じて変化する。本実施形態では、絶縁体91、92によって分割されたセル領域CARのそれぞれにおける内部列LNi及び末端列LNeの合計数が5となっている。このような構成においては、ピラー50の直上を通るビット線BLの本数が概ね3となる。ピラー50の直上を通るビット線BLの本数が概ね3となるのは、連数が4を超えており且つ6以下の場合である。このため、本実施形態においては、複数のピラー50には、その直上を3本のビット線BLが通っているものが含まれることとなる。
【0102】
第2実施形態について説明する。以下では、上記の第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0103】
図10には、本実施形態におけるピラー50等の配置が、図7と同様の方法で模式的に示されている。図10に示されるように、本実施形態の絶縁体92(スリットSHE)も、第1実施形態と同様に、凸部921と凸部922とを有している。ただし、本実施形態では、メモリセルアレイ430においてダミーピラー50Dが設けられていない。本実施形態の絶縁体92は、セル領域CAR1の末端列LNeに含まれるピラー50と、セル領域CAR2の末端列LNeに含まれるピラー50と、の間を通るように配置されている。
【0104】
本実施形態でも、セル領域CAR1の末端列LNeでは、一部においてピラー50の配置ピッチが拡大されており、この拡大された部分に向けて入り込むように第1凸部(凸部921)が形成されている。また、セル領域CAR2の末端列LNeでは、一部においてピラー50の配置ピッチが拡大されており、この拡大された部分に向けて入り込むように第2凸部(凸部922)が形成されている。本実施形態では、ダミーピラー50Dが設けられていないことにより、セル領域CAR1の末端列LNeと、セル領域CAR2の末端列LNeと、の間におけるx方向に沿った距離が、第1実施形態に比べて短くなっている。このような構成でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
【0105】
第3実施形態について説明する。以下では、上記の第2実施形態と異なる点について主に説明し、第2実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0106】
図11には、本実施形態におけるピラー50等の配置が、図10と同様の方法で模式的に示されている。図11に示されるように、本実施形態では、それぞれの絶縁体92(スリットSHE)が、y方向に沿った直線状となるように形成されている。一方、絶縁体91(スリットST)は、第2実施形態(図10)における絶縁体92と同様に第1凸部(凸部911)と第2凸部(凸部912)とを有している。
【0107】
本実施形態では、絶縁体91を挟んで隣り合う一対のセル領域CARのそれぞれが、セル領域CAR1(第1セル領域)、及びセル領域CAR2(第2セル領域)となっている。また、各セル領域CARにおいては、絶縁体91側にある末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが、一部において、内部列LNiに含まれる各ピラー50の配置ピッチよりも拡大されている。このような構成でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
【0108】
第4実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0109】
図12には、本実施形態におけるピラー50等の配置が、図7と同様の方法で模式的に示されている。図12に示されるように、本実施形態では、一対の絶縁体91(スリットST)の間の領域が、2つの絶縁体92(スリットSHE)によって3つのセル領域CAR1、CAR2、CAR3に区分されている。各セル領域CARにおいては、絶縁体92側にある末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが、一部において、内部列LNiに含まれる各ピラー50の配置ピッチよりも拡大されている。
【0110】
セル領域CAR1のうち、スリットSHE側にある末端列LNeでは、2つのピラー50と、1つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の2/3となっている。
【0111】
セル領域CAR2のうち、x方向側にある末端列LNeでは、1つのピラー50と、2つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の1/3となっている。
【0112】
セル領域CAR2のうち、-x方向側にある末端列LNeでも、1つのピラー50と、2つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数も、内部列LNiに含まれるピラー50の数の1/3となっている。
【0113】
従って、セル領域CAR2において、末端列LNeに含まれるピラー50の数の合計値は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の2/3となっている。
【0114】
セル領域CAR3のうち、スリットSHE側にある末端列LNeでは、2つのピラー50と、1つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の2/3となっている。
【0115】
以上のように、本実施形態において設けられた3つのセル領域CAR1、CAR2、CAR3のいずれにおいても、末端列LNeに含まれるピラー50の数の合計値が、1つの内部列LNiに含まれるピラー50の数の2/3となっている。本実施形態における各セル領域CARの連数は、4+2/3、すなわち4.66と見なすことができるので、式(1)により算出されるBLHPの値は、152/4.66/2=16.28nmとなる。
【0116】
図13では、3つのセル領域CAR1、CAR2、CAR3において複数のピラー50がどのように分配されるのかが、模式的に図示されている。同図において符号110が付されているのは、セル領域CAR1のうち、スリットSHE側にある末端列LNeを除く部分に配置されたピラー50を表している。また、符号111が付されているのは、セル領域CAR1のうち、スリットSHE側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。
【0117】
符号120が付されているのは、セル領域CAR2のうち、2つの末端列LNeを除く部分(つまり、それぞれの内部列LNi)に配置されたピラー50を表している。また、符号121が付されているのは、セル領域CAR2のうち、-x方向側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。更に、符号122が付されているのは、セル領域CAR2のうち、x方向側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。
【0118】
符号130が付されているのは、セル領域CAR3のうち、スリットSHE側にある末端列LNeを除く部分に配置されたピラー50を表している。また、符号132が付されているのは、セル領域CAR3のうち、スリットSHE側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。
【0119】
先に述べたように、符号111が付されている部分に含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の2/3である。また、符号122が付されている部分に含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の1/3である。符号111が付されている部分と、符号122が付されている部分は、内部列LNiの1列分のピラー50を、セル領域CAR1とセル領域CAR2とで分け合っている部分、ということができる。同様に、符号121が付されている部分と、符号132が付されている部分は、内部列LNiの1列分のピラー50を、セル領域CAR2とセル領域CAR3とで分け合っている部分、ということができる。
【0120】
x方向に並ぶセル領域CARの数、すなわち、絶縁体91、92によって分割されたセル領域CARの数を「n」(本実施形態ではn=3)とすれば、各セル領域CARの末端列LNeに含まれるピラー50の数の合計値が、1つの内部列LNiに含まれるピラー50の数×(n-1)/nとなるように、末端列LNeにおけるピラー50の配置ピッチ等を調整すればよい。尚、図7の第1実施形態は、上記においてn=2とした場合に該当する。以上のような構成でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
【0121】
第5実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0122】
図14には、本実施形態におけるピラー50等の配置が、図7と同様の方法で模式的に示されている。図14に示されるように、本実施形態では、一対の絶縁体91(スリットST)の間の領域が、3つの絶縁体92(スリットSHE)によって4つのセル領域CAR1、CAR2、CAR3、CAR4に区分されている。各セル領域CARにおいては、スリットSHE側にある末端列LNeに含まれる各ピラー50の配置ピッチが、一部において、内部列LNiに含まれる各ピラー50の配置ピッチよりも拡大されている。
【0123】
セル領域CAR1のうち、スリットSHE側にある末端列LNeでは、3つのピラー50と、1つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の3/4となっている。
【0124】
セル領域CAR2のうち、x方向側にある末端列LNeでは、1つのピラー50と、3つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の1/4となっている。
【0125】
セル領域CAR2のうち、-x方向側にある末端列LNeでは、2つのピラー50と、2つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の2/4となっている。
【0126】
従って、セル領域CAR2において、末端列LNeに含まれるピラー50の数の合計値は、1つの内部列LNiに含まれるピラー50の数の3/4となっている。
【0127】
セル領域CAR3のうち、x方向側にある末端列LNeでは、2つのピラー50と、2つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の2/4となっている。
【0128】
セル領域CAR3のうち、-x方向側にある末端列LNeでは、1つのピラー50と、3つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の1/4となっている。
【0129】
従って、セル領域CAR3において、末端列LNeに含まれるピラー50の数の合計値は、1つの内部列LNiに含まれるピラー50の数の3/4となっている。
【0130】
セル領域CAR4のうち、スリットSHE側にある末端列LNeでは、3つのピラー50と、1つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並んでいる。このため、この末端列LNeに含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の3/4となっている。
【0131】
以上のように、本実施形態において設けられた4つのセル領域CAR1、CAR2、CAR3、CAR4のいずれにおいても、末端列LNeに含まれるピラー50の数の合計値が、1つの内部列LNiに含まれるピラー50の数の3/4となっている。本実施形態における各セル領域CARの連数は、4+3/4、すなわち4.75と見なすことができるので、式(1)により算出されるBLHPの値は、152/4.75/2=16nmとなる。
【0132】
図15では、4つのセル領域CAR1、CAR2、CAR3、CAR4において複数のピラー50がどのように分配されるのかが、図13と同様の方法で模式的に図示されている。同図において符号110が付されているのは、セル領域CAR1のうち、スリットSHE側にある末端列LNeを除く部分に配置されたピラー50を表している。また、符号111が付されているのは、セル領域CAR1のうち、スリットSHE側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。
【0133】
符号120が付されているのは、セル領域CAR2のうち、2つの末端列LNeを除く部分(つまり、それぞれの内部列LNi)に配置されたピラー50を表している。また、符号121が付されているのは、セル領域CAR2のうち、-x方向側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。更に、符号122が付されているのは、セル領域CAR2のうち、x方向側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。
【0134】
符号130が付されているのは、セル領域CAR3のうち、2つの末端列LNeを除く部分(つまり、それぞれの内部列LNi)に配置されたピラー50を表している。また、符号131が付されているのは、セル領域CAR3のうち、-x方向側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。更に、符号132が付されているのは、セル領域CAR3のうち、x方向側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。
【0135】
符号140が付されているのは、セル領域CAR4のうち、スリットSHE側にある末端列LNeを除く部分に配置されたピラー50を表している。また、符号142が付されているのは、セル領域CAR4のうち、スリットSHE側にある末端列LNeに配置されたピラー50を表している。
【0136】
先に述べたように、符号111が付されている部分に含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の3/4である。また、符号122が付されている部分に含まれるピラー50の数は、内部列LNiに含まれるピラー50の数の1/4である。符号111が付されている部分と、符号122が付されている部分は、内部列LNiの1列分のピラー50を、セル領域CAR1とセル領域CAR2とで分け合っている部分、ということができる。同様に、符号121が付されている部分と、符号132が付されている部分は、内部列LNiの1列分のピラー50を、セル領域CAR2とセル領域CAR3とで分け合っている部分、ということができる。更に、符号131が付されている部分と、符号142が付されている部分は、内部列LNiの1列分のピラー50を、セル領域CAR3とセル領域CAR4とで分け合っている部分、ということができる。
【0137】
第4実施形態でも述べたように、x方向に並ぶセル領域CARの数、すなわち、絶縁体91、92によって分割されたセル領域CARの数を「n」とすれば、各セル領域CARの末端列LNeに含まれるピラー50の数の合計値が、1つの内部列LNiに含まれるピラー50の数×(n-1)/nとなるように、末端列LNeにおけるピラー50の配置ピッチ等を調整すればよい。本実施形態は、上記においてn=4とした場合に該当する。以上のような構成でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
【0138】
第6実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0139】
図16には、本実施形態におけるピラー50等の配置が、図7と同様の方法で模式的に示されている。図16に示されるように、本実施形態では、一対の絶縁体91(スリットST)の間の領域が、3つの絶縁体92(スリットSHE)によって4つのセル領域CAR1、CAR2、CAR3、CAR4に区分されている。
【0140】
本実施形態では、x方向における中央のスリットSHEが、y方向に沿った直線状となるように形成されている。また、その直下では、ダミーピラー50Dがy方向に直線状に並ぶように配置されている。
【0141】
上記以外の2つのスリットSHEの形状は、第1実施形態(図7)におけるスリットSHEの形状と同じである。また、当該スリットSHEの直下におけるダミーピラー50Dの配置も、第1実施形態と同じである。
【0142】
本実施形態のうちセル領域CAR1、CAR2の部分の構成は、第1実施形態の構成と同様であるから、連数を4.5と見なすことのできる構成となっている。本実施形態のうちセル領域CAR3、CAR4の部分の構成は、第1実施形態の構成をy-z平面について反転させたものと同様であるから、やはり連数を4.5と見なすことのできる構成となっている。このような構成でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
【0143】
尚、スリットSTやスリットSHEの形状(つまり、絶縁体91、92の形状)としては、以上の各実施形態で説明した例に限られず、種々の形状を採用することができる。図17には、スリットSHEの形状を変更した変形例が示されている。例えば図17(A)に示されるように、末端列LNeにおいて、1つのピラー50と、1つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並ぶ構成とした上で、それぞれのダミーピラー50Dの直上を通るようにスリットSHEを形成してもよい。この例のように、末端列LNeに含まれるピラー50の配置ピッチが、一部のみではなく全ての間隔において、内部列LNiに含まれるピラー50の配置ピッチよりも拡大されている構成としてもよい。
【0144】
また、図17(B)に示されるように、末端列LNeにおいて、3つのピラー50と、3つのダミーピラー50Dとが、y方向に交互に並ぶ構成とした上で、それぞれのダミーピラー50Dの直上を通るようにスリットSHEを形成してもよい。
【0145】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0146】
10:半導体記憶装置、40:導電体層、BL:ビット線、50:ピラー、50D:ダミーピラー、91,92:絶縁体、911,912,021,922:凸部、CAR,CAR1,CAR2,CAR3,CAR4:セル領域、LNe:末端列、LNi:内部列。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17