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特開2022-139693情報処理サーバ、および、仮想空間提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139693
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】情報処理サーバ、および、仮想空間提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220915BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040191
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】名塚 一郎
(72)【発明者】
【氏名】稲地 隆志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】仮想空間での活動において、現実との繋がりを感じられやすくすることを可能とした情報処理サーバおよび仮想空間提供システムを提供する。
【解決手段】情報処理サーバ30は、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する仮想空間内で、第1空間RS1内での販売員ユーザP1の移動に応じて第1アバターを移動させ、第2空間RS2の顧客ユーザP2の指示に応じて第2アバターを移動させる。さらに、情報処理サーバ30は、第1アバターおよび第2アバターが介在した販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話を成立させる処理を行い、仮想空間の画像と、第1空間RS1の状況を示す表示とを表示させるための表示データを顧客端末21に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1空間に位置する装置から出力される第1情報であって、前記第1空間内の第1ユーザの位置を特定可能な情報である位置特定情報と、前記第1ユーザの発言を示す第1会話情報とを少なくとも含む前記第1情報を受信する第1受信部と、
第2空間内の第2ユーザに操作される表示端末から出力される第2情報であって、前記第2ユーザの指示を示す指示情報と、前記第2ユーザの発言を示す第2会話情報とを少なくとも含む前記第2情報を受信する第2受信部と、
前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内で、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記第1ユーザの移動に応じて第1のオブジェクトである第1アバターを移動させ、前記指示情報に基づき前記第2ユーザの指示に応じて第2のオブジェクトである第2アバターを移動させる仮想空間生成部と、
前記第1会話情報と前記第2会話情報とを用い、前記第1アバターおよび前記第2アバターが介在した前記第1ユーザと前記第2ユーザとの会話を成立させる処理を行う会話処理部と、
前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データを前記表示端末に送信する送信部と、
を備える情報処理サーバ。
【請求項2】
前記第1空間は、展示物を用いたサービスの提供が行われる空間であり、
前記第1ユーザは、前記サービスにおける接客担当者であり、
前記第2ユーザは、前記仮想空間を通じて前記サービスの提供を受ける者である
請求項1に記載の情報処理サーバ。
【請求項3】
前記第1会話情報は動画データからなり、
前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1会話情報に基づく前記第1ユーザの映像を含む
請求項1または2に記載の情報処理サーバ。
【請求項4】
前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1空間での前記第1ユーザの作業状況を示す表示を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理サーバ。
【請求項5】
前記第1情報は、前記第1空間における前記第1ユーザの接客状況を判定可能な情報である判定用情報を含み、
前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1ユーザが前記第1空間において接客中であることを示す接客中表示であって、前記第1アバターに関連付けられて表示される前記接客中表示を含み、
前記表示データ生成部は、前記判定用情報に基づき前記第1ユーザが接客中であると判定されるとき、前記接客中表示を含む画像を表示させるための前記表示データを生成する
請求項2に記載の情報処理サーバ。
【請求項6】
前記第1情報は、前記第1空間内の撮影データからなる撮影情報を含み、
前記第1空間の状況を示す表示は、前記撮影情報に基づく前記第1空間内の画像を含む
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理サーバ。
【請求項7】
前記第1空間に位置する装置は、前記撮影情報を生成する撮影装置であって、前記第1空間内を移動可能に構成された前記撮影装置を含み、
前記第2情報は、前記撮影装置の動きの指示を示す情報である操作情報を含み、
前記送信部は、前記操作情報に従った前記撮影装置の動きの指示を前記撮影装置に送信する
請求項6に記載の情報処理サーバ。
【請求項8】
前記表示データは、前記仮想空間の画像と、前記第1空間の状況を示す表示とを1つの画面に表示させるためのデータである
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理サーバ。
【請求項9】
前記第1会話情報および前記第2会話情報の各々は音声データを含み、
前記会話処理部は、前記第1アバターと前記第2アバターとの間の距離が大きいほど、前記第1会話情報に基づいて出力される音声の大きさを小さく設定し、
前記送信部は、前記会話処理部の設定に従った音量で前記第1会話情報に基づく音声を出力させる指示を前記表示端末に送信する
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理サーバ。
【請求項10】
前記会話処理部は、前記第1アバターと前記第2アバターとの間の距離に応じて会話の可否を決定し、前記距離が所定値以下である場合に前記会話を成立させる処理を行う
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理サーバ。
【請求項11】
第1空間で第1情報を取得する第1取得部であって、前記第1空間内の第1ユーザの位置を特定可能な情報である位置特定情報と、前記第1ユーザの発言を示す第1会話情報とを少なくとも含む前記第1情報を取得する前記第1取得部と、
第2空間で第2情報を取得する第2取得部であって、前記第2空間内の第2ユーザの表示端末に対する操作に基づく指示を示す指示情報と、前記第2ユーザの発言を示す第2会話情報とを少なくとも含む前記第2情報を取得する前記第2取得部と、
前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内で、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記第1ユーザの移動に応じて第1のオブジェクトである第1アバターを移動させ、前記指示情報に基づき前記第2ユーザの指示に応じて第2のオブジェクトである第2アバターを移動させる仮想空間生成部と、
前記第1会話情報と前記第2会話情報とを用い、前記第1アバターおよび前記第2アバターを介在させた前記第1ユーザと前記第2ユーザとの会話を成立させる処理を行う会話処理部と、
前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを前記表示端末に表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、
を備える仮想空間提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想現実を利用したコミュニケーションに用いられる情報処理サーバ、および、仮想空間提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想現実を利用したコミュニケーションのためのシステムの開発が進められている。こうしたシステムの用途は、ゲームに留まらず、サービスの提供等の新たな用途にまで広がっている。サービスの提供の一例は、商品の販売である。例えば、特許文献1,2には、仮想空間内のアバターを利用して、販売員と顧客とが意思疎通を行うことのできるシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-205661号公報
【特許文献2】特開2012-8638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間を提供するシステムの上記新たな用途は、仮想空間内での進行を前提としているゲーム等の用途とは異なり、本来は現実空間で行われる活動の代替を目的としている。現実空間での活動を仮想空間の活動で代替できれば、交通手段や時間の制約あるいは外出の制限等の理由で、現実空間での活動の場に行くことが困難であるユーザにとって、利便性が高い。一方で、仮想空間での活動では、現実との繋がりが感じられ難いため、現実空間の活動の代替としては不十分な点が未だ多い。例えば、対面での会話や商品等の実物の観察で得られる感覚のように、現実空間での活動で視覚や聴覚を通じて得られる感覚が、仮想空間での活動では損なわれてしまうため、現実との繋がりが感じられ難くなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための情報処理サーバは、第1空間に位置する装置から出力される第1情報であって、前記第1空間内の第1ユーザの位置を特定可能な情報である位置特定情報と、前記第1ユーザの発言を示す第1会話情報とを少なくとも含む前記第1情報を受信する第1受信部と、第2空間内の第2ユーザに操作される表示端末から出力される第2情報であって、前記第2ユーザの指示を示す指示情報と、前記第2ユーザの発言を示す第2会話情報とを少なくとも含む前記第2情報を受信する第2受信部と、前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内で、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記第1ユーザの移動に応じて第1のオブジェクトである第1アバターを移動させ、前記指示情報に基づき前記第2ユーザの指示に応じて第2のオブジェクトである第2アバターを移動させる仮想空間生成部と、前記第1会話情報と前記第2会話情報とを用い、前記第1アバターおよび前記第2アバターが介在した前記第1ユーザと前記第2ユーザとの会話を成立させる処理を行う会話処理部と、前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、前記表示データを前記表示端末に送信する送信部と、を備える。
【0006】
上記課題を解決する仮想空間提供システムは、第1空間で第1情報を取得する第1取得部であって、前記第1空間内の第1ユーザの位置を特定可能な情報である位置特定情報と、前記第1ユーザの発言を示す第1会話情報とを少なくとも含む前記第1情報を取得する前記第1取得部と、第2空間で第2情報を取得する第2取得部であって、前記第2空間内の第2ユーザの表示端末に対する操作に基づく指示を示す指示情報と、前記第2ユーザの発言を示す第2会話情報とを少なくとも含む前記第2情報を取得する前記第2取得部と、前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内で、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記第1ユーザの移動に応じて第1のオブジェクトである第1アバターを移動させ、前記指示情報に基づき前記第2ユーザの指示に応じて第2のオブジェクトである第2アバターを移動させる仮想空間生成部と、前記第1会話情報と前記第2会話情報とを用い、前記第1アバターおよび前記第2アバターを介在させた前記第1ユーザと前記第2ユーザとの会話を成立させる処理を行う会話処理部と、前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを前記表示端末に表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、表示端末に、仮想空間の画像と、第1空間の状況を示す表示とが表示される。したがって、仮想空間の画像のみが表示される場合と比較して、第2ユーザは、仮想空間での活動において、現実との繋がりを感じやすくなる。
【0008】
上記構成において、前記第1空間は、展示物を用いたサービスの提供が行われる空間であり、前記第1ユーザは、前記サービスにおける接客担当者であり、前記第2ユーザは、前記仮想空間を通じて前記サービスの提供を受ける者であってもよい。
【0009】
展示物を用いたサービスの提供とその享受は、従来は現実空間で行われていた活動であり、これを仮想空間で行う場合には、現実空間での活動に近い感覚が得られることが、サービスの受け手の満足度を高めるためにも重要である。上記仮想空間提供システムが、展示物を用いたサービスの提供に用いられることにより、第2ユーザには、現実空間での活動に近い感覚が得られて現実との繋がりが感じられやすいため、サービスの受け手である第2ユーザの満足度を好適に高めることができる。
【0010】
上記構成において、前記第1会話情報は動画データからなり、前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1会話情報に基づく前記第1ユーザの映像を含んでもよい。
上記構成によれば、第2ユーザは、アバターを介在させた第1ユーザとの会話において、対面での会話に近い感覚を得ることができる。したがって、仮想空間での活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0011】
上記構成において、前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1空間での前記第1ユーザの作業状況を示す表示を含んでもよい。
上記構成によれば、第2ユーザは、第1空間での第1ユーザの状況を把握できるため、会話のタイミングの調整等が可能であり、仮想空間での活動を効率よく進めることができる。また、第1アバターが第1空間で実際に活動している人物の分身であることを、第2ユーザが感じ取りやすい。したがって、仮想空間での活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0012】
上記構成において、前記第1情報は、前記第1空間における前記第1ユーザの接客状況を判定可能な情報である判定用情報を含み、前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1ユーザが前記第1空間において接客中であることを示す接客中表示であって、前記第1アバターに関連付けられて表示される前記接客中表示を含み、前記表示データ生成部は、前記判定用情報に基づき前記第1ユーザが接客中であると判定されるとき、前記接客中表示を含む画像を表示させるための前記表示データを生成してもよい。
【0013】
上記構成によれば、第2ユーザは、第1ユーザが、会話の要求に応えられる状況か否かを容易に把握できるため、会話のタイミングの調整等が可能であり、仮想空間での活動を効率よく進めることができる。また、第1アバターが、仮想空間内でのみ接客を行うキャラクターではなく、現実空間の店舗で実際に接客を行っている人物の分身であることを、第2ユーザが感じ取りやすい。したがって、仮想空間での活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0014】
上記構成において、前記第1情報は、前記第1空間内の撮影データからなる撮影情報を含み、前記第1空間の状況を示す表示は、前記撮影情報に基づく前記第1空間内の画像を含んでもよい。
【0015】
上記構成によれば、第2ユーザは、第1空間内の物品の外観を確認することができる。したがって、第1空間を実際に訪れた場合に近い感覚を得ることができる。それゆえ、仮想空間での活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0016】
上記構成において、前記第1空間に位置する装置は、前記撮影情報を生成する撮影装置であって、前記第1空間内を移動可能に構成された前記撮影装置を含み、前記第2情報は、前記撮影装置の動きの指示を示す情報である操作情報を含み、前記送信部は、前記操作情報に従った前記撮影装置の動きの指示を前記撮影装置に送信してもよい。
【0017】
上記構成によれば、第2ユーザによる撮影装置の遠隔操作が可能であるため、表示端末に表示される第1空間の画像に第2ユーザの意志がより強く反映される。したがって、第2ユーザの意図に沿って第1空間内の物品の外観の確認を進めやすくなり、第2ユーザは、第1空間を実際に訪れた場合により近い感覚を得ることができる。
【0018】
上記構成において、前記表示データは、前記仮想空間の画像と、前記第1空間の状況を示す表示とを1つの画面に表示させるためのデータであってもよい。
上記構成によれば、第2ユーザは、仮想空間で活動している感覚と、現実空間での体験に近い感覚とを一緒に得ることができる。それゆえ、これらの感覚の融合により、仮想空間での活動で得られる感覚として、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。したがって、仮想空間での活動において、現実との繋がりがより感じられやすくなる。
【0019】
上記構成において、前記第1会話情報および前記第2会話情報の各々は音声データを含み、前記会話処理部は、前記第1アバターと前記第2アバターとの間の距離が大きいほど、前記第1会話情報に基づいて出力される音声の大きさを小さく設定し、前記送信部は、前記会話処理部の設定に従った音量で前記第1会話情報に基づく音声を出力させる指示を前記表示端末に送信してもよい。
【0020】
上記構成によれば、現実空間で人物間の距離が会話の音量に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の音量に影響を及ぼす。そのため、第2ユーザは、仮想空間での活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0021】
上記構成において、前記会話処理部は、前記第1アバターと前記第2アバターとの間の距離に応じて会話の可否を決定し、前記距離が所定値以下である場合に前記会話を成立させる処理を行ってもよい。
【0022】
上記構成によれば、現実空間で人物間の距離が会話の可否に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の可否に影響を及ぼす。そのため、第2ユーザは、仮想空間での活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、仮想空間での活動において、現実との繋がりを感じられやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態の仮想空間提供システムの全体構成を示すブロック図。
図2】一実施形態の仮想空間提供システムが生成する仮想空間の一例を示す図。
図3】一実施形態の仮想空間提供システムの基本機能における処理の流れを示すシーケンス図。
図4】一実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
図5】一実施形態の仮想空間提供システムの会話機能における処理の流れを示すシーケンス図。
図6】一実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
図7】一実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
図8】一実施形態の仮想空間提供システムにおける会話可否決定処理の流れを示すフローチャート。
図9】一実施形態の仮想空間提供システムの会話音量調整処理における処理の流れを示すシーケンス図。
図10】一実施形態の仮想空間提供システムの接客状況表示機能における処理の流れを示すフローチャート。
図11】一実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
図12】一実施形態の仮想空間提供システムの室内撮影機能における処理の流れを示すシーケンス図。
図13】一実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
図14】一実施形態の仮想空間提供システムの試用機能における処理の流れを示すシーケンス図。
図15】一実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1図15を参照して、情報処理サーバおよび仮想空間提供システムの一実施形態を説明する。
[仮想空間提供システムの全体構成]
図1を参照して、仮想空間提供システム100の全体構成を説明する。本実施形態では、一例として、仮想空間提供システム100が商品の販売に用いられる場合を説明する。
【0026】
第1空間RS1と第2空間RS2とは、互いに離れた現実の空間である。第1空間RS1は、店頭に陳列された商品を販売する店舗内の空間であり、第1空間RS1には、第1ユーザである販売員ユーザP1が位置する。販売員ユーザP1は、商品の販売員であり、第1空間RS1を実際に訪れた顧客に対し商品の販売業務を行っている。
【0027】
第2空間RS2には、第2ユーザである顧客ユーザP2が位置する。顧客ユーザP2は、仮想空間提供システム100が提供する仮想空間を通じた商品の購入を予定する人物である。第2空間RS2は、任意の空間であり、例えば、顧客ユーザP2の自宅内の空間等であればよい。
【0028】
仮想空間提供システム100においては、第1空間RS1を模した仮想空間である仮想店舗に、販売員ユーザP1に対応するアバターと、顧客ユーザP2に対応するアバターとが配置される。そして、これらのアバターを利用して、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との間で、商品の売買に関するコミュニケーションが行われる。
【0029】
図1が示すように、仮想空間提供システム100は、情報処理サーバ30と、第1空間RS1に位置する第1装置10と、第2空間RS2に位置する第2装置20とを備える。第1装置10は、位置情報収集装置11と、販売員端末12と、撮影装置13とを含む。第2装置20は、顧客端末21を含む。
【0030】
第1装置10および第2装置20と情報処理サーバ30とは、ネットワークNWを通じて、相互にデータの送信および受信を行う。第1装置10および第2装置20が含む各装置と情報処理サーバ30との通信に利用されるネットワークNWは、インターネット等の汎用通信回線であってもよいし、各装置の通信のための専用通信回線であってもよい。また、ネットワークNWは、独立した複数のネットワークを含んでいてもよいし、共通した1つのネットワークであってもよい。
【0031】
位置情報収集装置11は、第1空間RS1における販売員ユーザP1の位置を特定可能な情報である位置特定情報Ipを取得する。位置情報収集装置11は、位置特定情報Ipを情報処理サーバ30に送信する。
【0032】
位置特定情報Ipに基づき特定される位置は、第1空間RS1内の基準位置に対する相対的な位置であってもよいし、緯度および経度を利用した絶対的な位置であってもよい。位置情報収集装置11は、販売員ユーザP1の位置を所望の方式にて検出可能な機器を含む。位置の検出方式に応じて、位置情報収集装置11を構成する各機器は、第1空間RS1内の所定位置に配置されていてもよいし、販売員ユーザP1に携帯されていてもよい。
【0033】
例えば、位置情報収集装置11はカメラを含み、当該カメラによって撮影された画像の解析によって販売員ユーザP1の位置が特定されてもよい。販売員ユーザP1の識別は、販売員ユーザP1の顔の識別や、予め販売員ユーザP1に装着させたマーカーの識別等によって行われればよい。
【0034】
また例えば、位置情報収集装置11は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応した発信機と受信機とを含み、販売員ユーザP1が携帯する発信機からの電波を受信機が受信したその受信状況から、販売員ユーザP1の位置が特定されてもよい。
【0035】
なお、位置特定情報Ipは、販売員ユーザP1の位置に加えて向きを特定可能な情報であってもよい。この場合、位置情報収集装置11は、モーションセンサや、ヘッドトラッキングやフェイストラッキングのシステムを構成する機器を含んでいてもよい。
【0036】
位置情報収集装置11が収集した情報に基づく販売員ユーザP1の位置の特定は、位置情報収集装置11にて行われてもよいし、情報処理サーバ30にて行われてもよい。すなわち、位置特定情報Ipは、販売員ユーザP1の位置の特定結果を示す情報であってもよいし、位置特定情報Ipを用いた演算によって販売員ユーザP1の位置を特定可能とする情報であってもよい。
【0037】
販売員端末12は、販売員ユーザP1が、顧客ユーザP2との会話のために利用する装置である。販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話は、文字、音声、および、動画のいずれかによって行われる。販売員端末12は、会話手段に応じた機器を含んでいればよい。すなわち、販売員端末12は、文字の入力と表示、音声の入力と出力、および、動画の撮影と表示の少なくとも1つが可能な装置であればよい。例えば、販売員端末12は、ヘッドセット、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、ビデオ通話のための装置等である。
【0038】
販売員端末12には、販売員ユーザP1の発言を示す情報である第1会話情報Ic1が入力される。販売員端末12は、第1会話情報Ic1を情報処理サーバ30に送信する。第1会話情報Ic1は、会話手段に応じた、文字、音声、動画のいずれかのデータから構成される。
【0039】
撮影装置13は、第1空間RS1内の画像を撮影する。撮影装置13は動画を撮影可能であることが好ましい。撮影装置13は、例えば、第1空間RS1内の所定位置に固定されたカメラを含む。カメラは、例えば、商品を撮影可能な位置に配置される。あるいは、撮影装置13は第1空間RS1内を移動可能であって、かつ、撮影装置13の動きの遠隔操作が可能であってもよい。遠隔操作が可能な撮影装置13の一例は、テレプレゼンスロボットである。
【0040】
撮影装置13は、第1空間RS1内の撮影データからなる撮影情報Ivを生成して、撮影情報Ivを情報処理サーバ30に送信する。また、撮影装置13の遠隔操作が可能である場合には、撮影装置13は、情報処理サーバ30からの指示を受けて、撮影位置や撮影方向を変更する。
【0041】
第1装置10が出力する情報、言い換えれば、位置情報収集装置11、販売員端末12、撮影装置13の各々が出力する情報は、第1空間RS1の状況を示す情報である第1情報If1である。すなわち、第1情報If1には、位置特定情報Ip、第1会話情報Ic1、および、撮影情報Ivが含まれる。仮想空間提供システム100において、第1装置10は、第1空間RS1で第1情報If1を取得する第1取得部として機能する。
なお、1つの装置が、位置情報収集装置11、販売員端末12、および、撮影装置13の2以上の装置を兼ねていてもよい。
【0042】
顧客端末21は、画像を表示する表示部を備えた表示端末である。顧客端末21は、顧客ユーザP2に操作される。顧客端末21は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。顧客端末21は、情報処理サーバ30から受信した表示データに基づく画像を表示する。顧客端末21の表示内容には、仮想空間の画像と、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示とが含まれる。
【0043】
また、顧客端末21には、仮想空間に対する顧客ユーザP2の指示を示す情報である指示情報Isが入力される。指示情報Isは、顧客ユーザP2に対応するアバターの移動を指示する情報を含む。指示情報Isは、顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。
【0044】
さらに、顧客端末21には、顧客ユーザP2の発言を示す情報である第2会話情報Ic2が入力される。第2会話情報Ic2は、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話手段に応じた、文字、音声、動画のいずれかのデータから構成される。顧客端末21は、会話手段に応じた、文字の入力と表示、音声の入力と出力、動画の撮影と表示の機能を有している。第2会話情報Ic2は、顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。
【0045】
また、顧客端末21に対する顧客ユーザP2の操作に応じて、顧客端末21から情報処理サーバ30へ、第1空間RS1の画像の要求、および、商品の試用の要求が送られる。撮影装置13の遠隔操作が可能である場合、第1空間RS1の画像の要求に際して、顧客端末21には、撮影装置13の動きの指示を示す情報である操作情報Ioが入力され、操作情報Ioは、顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。
【0046】
なお、仮想空間提供システム100における顧客端末21の機能は、例えば、顧客端末21にインストールされたアプリケーションソフトウェアによって具体化される。こうしたアプリケーションソフトウェアの具体例は、仮想店舗でのショッピングアプリである。
【0047】
第2装置20が出力する情報、言い換えれば、顧客端末21が出力する情報は、第2情報If2である。すなわち、第2情報If2には、指示情報Is、第2会話情報Ic2、および、操作情報Ioが含まれる。仮想空間提供システム100において、第2装置20は、第2空間RS2で第2情報If2を取得する第2取得部として機能する。
【0048】
情報処理サーバ30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備えている。
通信部31は、ネットワークNWを通じて、情報処理サーバ30と第1装置10および第2装置20が含む各装置との接続処理を実行し、接続した装置間でデータの送信および受信を行う。通信部31は、第1装置10から第1情報If1を受信する第1受信部、および、第2装置20から第2情報If2を受信する第2受信部として機能する。また、通信部31は、顧客端末21への表示データの送信、および、撮影装置13への動きの指示の送信を行う送信部として機能する。
【0049】
制御部32は、CPU、および、RAM等の揮発性メモリを含む構成を有する。制御部32は、記憶部33に記憶されたプログラムやデータに基づいて、通信部31による処理の制御、記憶部33における情報の読み出しや書き込み、各種の演算処理等、情報処理サーバ30が備える各部の制御を行う。制御部32は、仮想空間提供システム100において、仮想空間生成部32a、会話処理部32b、接客状況判定部32c、撮影指示部32d、試用実行部32e、および、表示データ生成部32fとして機能する。
【0050】
仮想空間生成部32aは、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する1つの仮想空間内に、第1アバターA1および第2アバターA2を含むオブジェクトの位置を設定する。第1アバターA1は、販売員ユーザP1に対応するアバターであり、第2アバターA2は、顧客ユーザP2に対応するアバターである。これにより、第1アバターA1および第2アバターA2を構成要素に含む仮想空間VSが生成される。図2は、仮想空間VSの一例を示す。仮想空間VSの構成要素には商品Gdを示すオブジェクトも含まれる。
【0051】
仮想空間生成部32aは、第1情報If1に含まれる位置特定情報Ipに基づいて、第1アバターA1の位置を変更する。また、仮想空間生成部32aは、第2情報If2に含まれる指示情報Isに基づいて、第2アバターA2の位置を変更する。すなわち、仮想空間生成部32aは、位置特定情報Ipに基づいて第1アバターA1を移動させ、指示情報Isに基づいて第2アバターA2を移動させる。
【0052】
会話処理部32bは、第1情報If1に含まれる第1会話情報Ic1と、第2情報If2に含まれる第2会話情報Ic2とを用いて、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話を成立させる処理である会話実行処理を行う。
【0053】
また、会話処理部32bは、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離に応じて会話の可否を決定する会話可否決定処理を行う。さらに、会話処理部32bは、会話手段が音声または動画である場合、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離に応じて会話の音量を調整する会話音量調整処理を行う。
【0054】
接客状況判定部32cは、第1情報If1を用いて、販売員ユーザP1が、第1空間RS1において、第1空間RS1を実際に訪れている顧客の接客中であるか否かを判定する。販売員ユーザP1が接客中であると判定された場合、接客状況判定部32cは、第1アバターA1が接客中であることを示す表示を、顧客端末21への表示データの表示内容に含めさせる。
【0055】
撮影指示部32dは、顧客端末21からの要求に応じて、撮影装置13に対する指示を出力する。撮影装置13に対する指示には、撮影装置13が生成した撮影情報Ivの送信の指示が含まれる。また、撮影装置13の遠隔操作が可能である場合、撮影装置13に対する指示には、第2情報If2に含まれる操作情報Ioに基づいた撮影装置13の動きの指示が含まれる。
【0056】
試用実行部32eは、顧客端末21からの要求に応じて、第2アバターA2に商品を試用させる処理を行う。商品の試用には、例えば、衣服やアクセサリーである商品の試着や、乗り物である商品の試乗が含まれる。
【0057】
表示データ生成部32fは、顧客端末21における表示内容を規定する表示データを生成する。表示データは、仮想空間VSの画像と、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示とを、顧客端末21に表示させるためのデータである。第1状況表示は、その時点における第1空間RS1の状況を示す表示であって、販売員ユーザP1や商品の画像といった第1空間RS1内の画像、および、販売員ユーザP1の接客状況といった作業状況を示す表示を含む。
【0058】
記憶部33は、不揮発性メモリを含む構成を有し、制御部32が実行する処理に必要なプログラムやデータを記憶している。具体的には、記憶部33は、仮想空間VSの生成に用いられるデータである仮想空間データ33aを格納している。
【0059】
仮想空間データ33aは、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する基礎空間のデータと、仮想空間VS内で移動するオブジェクトのデータとを含む。
基礎空間は、商品等の展示物、展示物の陳列台や棚、柱、壁等の固定されたオブジェクトを含む仮想空間である。基礎空間は、第1空間RS1の人物の移動経路を再現可能に、第1空間RS1を模していればよく、第1空間RS1と基礎空間との構造物の配置は完全に一致していなくてよい。例えば、基礎空間は、第1空間RS1と一致した間取り、すなわち第1空間RS1と一致した通路の配置を有していればよく、基礎空間における展示物の配置は第1空間RS1と完全に一致していなくてもよい。
【0060】
基礎空間のデータは、例えば、基礎空間に対して設定される三次元直交座標系の情報、上述の固定されたオブジェクトの位置情報、基礎空間の位置と第1空間RS1の位置とを対応付けるデータ、基礎空間の描画のためのデータを含む。また、オブジェクトのデータは、第1アバターA1および第2アバターA2の描画のためのデータを含む。
【0061】
なお、制御部32における各部の機能は、複数のCPUや、RAM等からなるメモリ等の各種のハードウェアと、これらを機能させるソフトウェアとによって各別に具体化されてもよく、あるいは、共通する1つのハードウェアに複数の機能を与えるソフトウェアによって具体化されてもよい。こうしたソフトウェアは、仮想空間提供プログラムとして、記憶部33に記憶されている。
【0062】
[仮想空間提供システムの動作]
図3図15を参照して、仮想空間提供システム100の動作を説明する。仮想空間提供システム100の機能には、基本機能、会話機能、接客状況表示機能、室内撮影機能、試用機能が含まれる。以下、各機能における仮想空間提供システム100の動作を順に説明する。
【0063】
<基本機能>
基本機能は、仮想空間VSにおけるアバターA1,A2の配置と移動、および、こうした仮想空間VSの顧客端末21への表示の機能である。
【0064】
図3が示すように、位置情報収集装置11は、位置特定情報Ipを取得して、情報処理サーバ30に送信する(ステップS10)。位置特定情報Ipを受信すると、情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、仮想空間データ33aを用いて、位置特定情報Ipに基づき特定される第1空間RS1の位置に対応する仮想空間VSの位置に、第1アバターA1の位置を設定する(ステップS11)。
【0065】
これにより、第1空間RS1での構造物に対する販売員ユーザP1の位置関係と、仮想空間VSでの構造物に対する第1アバターA1の位置関係とが対応するように、第1アバターA1の位置が設定される。ステップS10およびステップS11の処理が所定の間隔で繰り返されることにより、第1空間RS1での販売員ユーザP1の移動に従って、仮想空間VS内での第1アバターA1の位置が変化する。
【0066】
一方、顧客ユーザP2が、仮想店舗の表示を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、仮想空間VSの表示の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS12)。所定の操作は、例えば、仮想店舗でのショッピングアプリを顧客端末21で起動することによって表示される画面の所定領域を選択する操作である。
【0067】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、仮想空間データ33aを用いて、仮想空間VS内の所定の位置に、第2アバターA2の位置を設定する(ステップS13)。所定の位置は、例えば、仮想店舗の入口に対応する位置である。
【0068】
情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、仮想空間データ33aおよび仮想空間生成部32aが設定したアバターA1,A2の位置情報を用いて、表示データを生成する。表示データは、通信部31から、顧客端末21に送信される(ステップS14)。
【0069】
表示データを受信すると、顧客端末21は、表示データに基づいた画像を表示部に表示する。これにより、顧客端末21に、基本画面200が表示される(ステップS15)。すなわち、基本機能にてステップS14の処理で生成される表示データは、基本画面200を表示させるデータである。図4は、基本画面200の一例を示す。基本画面200は、顧客ユーザP2が、第2アバターA2を移動させることにより仮想空間VS内の商品を見て回るための画面である。
【0070】
基本画面200に対して顧客ユーザP2が各種の操作を行うことにより、顧客端末21に指示情報Isが入力され、指示情報Isが顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS16)。具体的には、例えば基本画面200でのドラッグにより、第2アバターA2の移動方向と移動量とを指示する情報が指示情報Isとして顧客端末21に入力される。
【0071】
指示情報Isを受信すると、情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、指示情報Isに従って、仮想空間VSの構成を変更する(ステップS17)。具体的には、仮想空間生成部32aは、指示情報Isに従って、第2アバターA2の位置を変更する。
【0072】
表示データ生成部32fは、仮想空間生成部32aが変更した情報を用いて表示データを生成し、表示データは、通信部31から、顧客端末21に送信される(ステップS18)。
【0073】
顧客端末21が表示データに基づいた画像を表示部に表示することにより、基本画面200にて指示情報Isに応じた変更が反映される(ステップS19)。具体的には、第2アバターA2の位置が移動する。
【0074】
図4を参照して、基本画面200の詳細を説明する。基本画面200は、仮想空間VSの画像が表示される仮想領域210と、各種の設定変更や機能利用のための操作を受け付ける操作領域220とを含む。仮想領域210の画像は、第2アバターA2の背後等、第2アバターA2の周囲に設定された視点から仮想空間VSを見た画像であってもよいし、第2アバターA2の視点から仮想空間VSを見た画像であってもよい。また、これらの視点が切り替え可能であってもよい。
【0075】
仮想領域210内の商品Gdが位置する箇所には、商品に関する情報を示す商品表示211が位置する。商品に関する情報は、例えば、商品の説明や商品の購入者からの評価である。なお、商品表示211は、商品Gdの位置する箇所を選択したときに表示されてもよい。商品表示211は、仮想空間VSの構成要素であってもよい。あるいは、商品表示211は、仮想空間VSの構成要素でなくてもよく、仮想空間VSの画像内の特定の箇所に商品表示211が表示されるように、表示データが構成されていてもよい。商品表示211の描画に要するデータは、予め記憶部33に記憶されている。
【0076】
また、仮想領域210内の任意の箇所を選択することにより、当該箇所の拡大表示が可能であってもよい。仮想空間VSの広い範囲を表示させて第2アバターA2の移動のための操作を行い、拡大表示にて商品Gdを選択する操作を行えば、各操作を効率よく行うことができる。こうした表示の切り替えは、顧客端末21が表示データからデータを生成することにより、情報処理サーバ30との情報の授受を行わずに顧客端末21にて行われてもよい。あるいは、表示の切り替えを指示する情報が指示情報Isに含まれて顧客端末21から情報処理サーバ30に送られ、指示情報Isに従った変更が反映された表示データを情報処理サーバ30から顧客端末21が受信することに基づいて、表示が切り換えられてもよい。
【0077】
なお、販売員端末12が画像の表示機能を有する場合、販売員端末12にも仮想空間VSの画像が表示可能であってもよい。すなわち、販売員端末12からの要求に応じて、情報処理サーバ30は、仮想空間VSの画像を表示させるためのデータを販売員端末12に送信してもよい。
【0078】
<会話機能>
会話機能は、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話を実現する機能である。例えば、顧客ユーザP2が、商品について販売員ユーザP1に質問したい場合に利用される。まず、会話機能における仮想空間提供システム100の基本動作を説明する。
【0079】
図5が示すように、顧客ユーザP2が、第1アバターA1に会話を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、選択された第1アバターA1を対象とする会話の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS20)。所定の操作は、例えば、基本画面200に表示される第1アバターA1および会話の開始を指示する領域を選択する操作である。第1アバターA1の選択によって、基本画面200には、第1アバターA1に対応する販売員ユーザP1の紹介が表示されてもよい。
【0080】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の会話処理部32bは、通信部31を介して、対象となっている第1アバターA1に対応する販売員ユーザP1の販売員端末12を呼び出す(ステップS21)。これにより、販売員端末12では音声や振動で着信の通知が行われる。なお、第1アバターA1と販売員端末12との対応付けは情報処理サーバ30にて予め行われればよい。
【0081】
販売員ユーザP1が、呼び出しに応答する操作を販売員端末12にて行うと(ステップS22)、顧客端末21、販売員端末12、情報処理サーバ30の各々で会話実行処理が行われる(ステップS23,S24,S25)。
【0082】
すなわち、販売員端末12に入力された第1会話情報Ic1は、情報処理サーバ30を介して顧客端末21に送信され、第1会話情報Ic1に基づく出力が顧客端末21で行われる。また、顧客端末21に入力された第2会話情報Ic2は、情報処理サーバ30を介して販売員端末12に送信され、第2会話情報Ic2に基づく出力が販売員端末12で行われる。これにより、一方の端末に、文字、音声、動画のいずれかで入力された発言が、他方の端末で出力され、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話が成立する。
【0083】
このように、会話処理部32bによる会話実行処理には、販売員端末12から受けた第1会話情報Ic1の顧客端末21への送信、および、顧客端末21から受けた第2会話情報Ic2の販売員端末12への送信を、通信部31に指示する処理が含まれる。
【0084】
販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話の成立までには、会話対象の第1アバターA1の選択、第1アバターA1がいる領域への第2アバターA2の移動といった、アバターA1,A2に対する顧客ユーザP2の操作が生じる。また、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話中には、第1アバターA1や第2アバターA2が発話していることを示す表示が顧客端末21に表示されることが好ましい。このように、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話には、会話に関わる操作あるいは表示について、第1アバターA1および第2アバターA2が介在する。
【0085】
なお、会話の開始形態は、顧客端末21からの要求を受けて情報処理サーバ30が販売員端末12を呼び出す形態に限られない。例えば、会話の時刻や順番の予約を顧客端末21から情報処理サーバ30が受け付け、予約に従って、顧客端末21、販売員端末12、情報処理サーバ30の各々で会話実行処理が開始されてもよい。
【0086】
具体的には、情報処理サーバ30の記憶部33は、予約者および予約時間を含むテーブル等から構成される予約データを記憶しており、予約データに基づく情報が情報処理サーバ30から顧客端末21に送信されることに基づき、顧客端末21にて販売員ユーザP1との会話の予約状況が確認可能とされる。顧客ユーザP2が予約状況にて空いている時間を指定すると予約の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送られ、会話処理部32bは、顧客ユーザP2による販売員ユーザP1との会話の予約として、指定された時間の予約を予約データに登録する。そして、予約データにおける予約に従って、会話が開始される。このように、会話の予約が可能であれば、顧客ユーザP2が販売員ユーザP1と会話したいと思ったときに、販売員ユーザP1が接客中等であって直ぐに対応できない場合であっても、その後に会話できる時間を予め確保できる。したがって、顧客ユーザP2にとって利便性が高められる。
【0087】
また、販売員端末12からの要求を受けて情報処理サーバ30が顧客端末21を呼び出すことに基づき、会話が開始されてもよい。また、会話手段は顧客端末21や販売員端末12にて選択可能であってもよい。
【0088】
図6および図7は、会話手段が動画である場合に、会話実行処理の実施中に顧客端末21に表示される会話画面201の一例を示す。会話画面201は、上述した仮想領域210および操作領域220に加えて、販売員端末12が撮影した会話中の販売員ユーザP1の映像が表示される映像領域230を含む。映像領域230に表示される映像は、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示300の一例である。この場合、第1状況表示300は、第1情報If1のうちの第1会話情報Ic1に基づく第1空間RS1の状況を示す。第1会話情報Ic1は動画データから構成される。
【0089】
会話中に販売員ユーザP1の映像が表示されることにより、顧客ユーザP2は、仮想空間VSを通したコミュニケーションの最中でありながら、対面での会話に近い感覚を得ることができる。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0090】
図6が示すように、会話画面201では、仮想領域210を主として、仮想領域210の一部に映像領域230が重ねられるように、仮想領域210と映像領域230とが配置されてもよい。反対に、図7が示すように、映像領域230を主として、映像領域230の一部に仮想領域210が重ねられるように、仮想領域210と映像領域230とが配置されてもよい。また、仮想領域210と映像領域230とのいずれを主とするかが選択可能であってもよい。
【0091】
いずれの場合であれ、仮想領域210と映像領域230とは、1つの画面に同時に表示される。すなわち、会話実行処理が行われている間、情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、会話画面201を表示させる表示データとして、仮想領域210と映像領域230とを1つの画面に表示させるデータを生成し、通信部31を介して顧客端末21に送信する。この場合、第1会話情報Ic1は、会話処理部32bの指示に基づき、表示データに含められて、顧客端末21に送信される。
【0092】
仮想領域210と映像領域230とが1つの画面に同時に表示されることにより、顧客ユーザP2は、仮想空間VSで買い物をしている感覚と、現実空間での会話に近い感覚とを一緒に得ることができる。それゆえ、これらの感覚の融合により、仮想空間VSでの活動で得られる感覚として、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。したがって、現実との繋がりがより感じられやすくなる。
【0093】
なお、会話手段が動画である場合、販売員端末12には、顧客端末21が撮影した顧客ユーザP2の映像のみが表示されてもよいし、顧客ユーザP2の映像と仮想空間VSの画像とが表示されてもよい。
【0094】
続いて、会話処理部32bによる会話可否決定処理について説明する。会話機能においては、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離に応じて会話の可否が決定されてもよい。この場合、先の図5のステップS20の処理による顧客端末21からの会話の要求を受けると、会話処理部32bは、会話可否決定処理を行う。
【0095】
図8は、会話決定処理の手順を示す。会話決定処理において、会話処理部32bは、まず、ステップS30の処理として、仮想空間VSにおける第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離Lを算出する。
【0096】
次に、会話処理部32bは、ステップS31の処理として、距離Lが所定の閾値以下であるか否かを判定する。所定の閾値は、第1空間RS1内での距離に換算した場合に、2人の人物間で会話が可能である距離に設定される。
【0097】
距離Lが閾値以下である場合(ステップS31で肯定判定)、会話処理部32bは、ステップS32の処理として会話を許可することを決定し、会話可否決定処理を終了する。会話が許可される場合、会話処理部32bは、先の図5のステップS21以降の処理を進める。
【0098】
距離Lが閾値を超えている場合(ステップS31で否定判定)、会話処理部32bは、ステップS33の処理として会話を許可しないことを決定し、会話可否決定処理を終了する。会話が許可されない場合、会話処理部32bは、通信部31を介して、顧客端末21に、アバター間の距離が遠いために会話ができないことを通知し、こうした通知が顧客端末21に表示される。
【0099】
上記構成によれば、顧客ユーザP2が販売員ユーザP1に話しかけたい場合には、第2アバターA2を第1アバターA1に近づける必要がある。また、顧客ユーザP2が販売員ユーザP1から話しかけられることを避けたい場合には、第2アバターA2を第1アバターA1から遠ざければよい。このように、現実の店舗で顧客と販売員との間の距離が会話の可否に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の可否に影響を及ぼす。そのため、顧客ユーザP2は、仮想空間VSでの活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0100】
次に、会話処理部32bによる会話音量調整処理について説明する。会話手段が音声または動画である場合、会話機能においては、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離に応じて会話の音量が調整されてもよい。この場合、会話処理部32bは、会話実行処理に先立ち、会話音量調整処理を行う。
【0101】
図9は、会話音量調整処理が行われる場合の仮想空間提供システム100の処理の流れの一部を示す。会話音量調整処理では、会話処理部32bは、まず、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離Lを算出する(ステップS40)。そして、会話処理部32bは、距離Lに応じた会話音量を設定する(ステップS41)。詳細には、会話処理部32bは、距離Lが大きいほど、会話音量を小さく設定する。
【0102】
その後、会話処理部32bは、設定した会話音量で会話実行処理を進める。すなわち、販売員端末12に入力された第1会話情報Ic1が送信されると(ステップS42)、会話処理部32bは、設定した会話音量での音声の出力の指示と共に、第1会話情報Ic1を、通信部31を介して顧客端末21に送信する(ステップS43)。この場合、第1会話情報Ic1は、音声データから構成されるか、動画データの一部として音声データを含む。これにより、顧客端末21では、第1会話情報Ic1に基づき、設定された会話音量で販売員ユーザP1の発言が出力される(ステップS44)。
【0103】
上記構成によれば、現実の店舗で顧客と販売員との間の距離が会話の音量に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の音量に影響を及ぼす。そのため、顧客ユーザP2は、仮想空間VSでの活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0104】
会話音量調整処理を、会話実行処理を開始した後にも所定の間隔で実施する、あるいは、第1会話情報Ic1を顧客端末21へ送信する機会ごとに実施することにより、会話中にアバター間の距離Lが変化すると、その変化に伴って会話音量が変化する。これにより、顧客ユーザP2は、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
なお、販売員端末12における会話音量は、顧客端末21と同様に第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離Lに応じて変更されてもよいし、一定であってもよい。
【0105】
<接客状況表示機能>
接客状況表示機能は、販売員ユーザP1の第1空間RS1での接客状況が第1アバターA1の表示に反映される機能である。販売員ユーザP1は、第1空間RS1を実際に訪れた顧客に対しても接客を行っているため、販売員ユーザP1が第1空間RS1で接客中であるとき、販売員ユーザP1は、仮想空間VSを通じた顧客ユーザP2からの会話の要求に応えることができない。接客状況表示機能により、仮想空間VSで第1アバターA1を利用した販売員ユーザP1による接客が可能か否かを、顧客ユーザP2は容易に把握することができる。
【0106】
図10は、接客状況表示機能における情報処理サーバ30の処理の手順を示す。まず、ステップS50の処理として、情報処理サーバ30の通信部31は、第1装置10から、販売員ユーザP1の接客状況を判定可能な情報である判定用情報Ijを受信する。判定用情報Ijを受信すると、情報処理サーバ30の接客状況判定部32cは、ステップS51の処理として、判定用情報Ijに基づき、第1空間RS1で販売員ユーザP1が接客中か否かを判定する。
【0107】
例えば、位置情報収集装置11がカメラを含み、位置特定情報Ipを用いた販売員ユーザP1の位置の特定の際に、撮影された画像の解析によって販売員ユーザP1が識別される場合、同様の画像の解析によって、販売員ユーザP1から所定の範囲内に他の人物が位置するかが判定される。この場合、位置情報収集装置11から出力される情報が、判定用情報Ijとして機能する。判定用情報Ijは、第1情報If1に含まれる。上記所定の範囲は、販売員ユーザP1と他の人物とが会話しているときに、他の人物が位置すると想定される範囲に設定される。接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1から所定の範囲内に他の人物が位置するとき、販売員ユーザP1が接客中であると判定する。
【0108】
販売員ユーザP1が接客中であると判定される場合(ステップS51で肯定判定)、ステップS52の処理にて、表示データ生成部32fは、第1アバターA1が接客中であることを示す接客中表示を含む基本画面200を表示させる表示データを生成する。この表示データに基づく基本画面200が顧客端末21にて表示されることにより、接客中表示が仮想空間VSの画像と共に顧客端末21に表示される。
【0109】
販売員ユーザP1が接客中でないと判定される場合(ステップS51で否定判定)、ステップS53の処理にて、表示データ生成部32fは、接客中表示を含まない基本画面200を表示させる表示データを生成する。
【0110】
図11は、接客中表示212を含む基本画面200の一例を示す。図11では、第1アバターA1および第2アバターA2とは異なる第3アバターA3が第1アバターA1の付近に配置され、第1アバターA1と第3アバターA3との間にこれらが会話中であることを示す表示が付されている。こうした第1アバターA1が第3アバターA3と会話中であることを示す表示が、接客中表示212である。
【0111】
接客中表示212は、上記例に限らず、第1アバターA1に接客中であることを示す札を付すことや、第1アバターA1の色を変化させること等であってもよい。接客中表示212は、第1アバターA1に関連付けられて表示されればよい。接客中表示212は、第1アバターA1が接客中であることを示すとともに、販売員ユーザP1が第1空間RS1において接客中であることを示す機能を有する。接客中表示212は、仮想空間VSの構成要素であってもよいし、あるいは、接客中表示212は、仮想空間VSの構成要素ではなく、第1アバターA1の付近に接客中表示212が表示されるように、表示データが構成されていてもよい。接客中表示212の描画に要するデータは、予め記憶部33に記憶されている。
【0112】
接客中表示212によって、顧客ユーザP2は、第1アバターA1に対応する販売員ユーザP1が、会話の要求に応えられない状態であることを容易に把握できる。そのため、第1アバターA1に話しかけるタイミングの調整等が可能であり、仮想空間VSでの活動を効率よく進めることができる。
【0113】
そして、接客中表示212によって、仮想空間VS内で、第1空間RS1での顧客ユーザP2の接客状況が示されるため、第1アバターA1が、仮想空間VS内でのみ接客を行うキャラクターではなく、現実空間の店舗で実際に接客を行っている販売員の分身であることを、顧客ユーザP2が感じ取りやすい。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0114】
また、仮想空間VSの画像と接客中表示212とが、1つの画面に同時に表示されるため、仮想空間VSでの活動と現実との繋がりがより感じられやすくなる。
接客中表示212は、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示300の一例であり、かつ、販売員ユーザP1の作業状況を示す表示である。この場合、第1状況表示300は、判定用情報Ijに基づく第1空間RS1の状況を示す。
【0115】
なお、販売員ユーザP1が接客中か否かの判定は、位置情報収集装置11が出力した情報に限らず、第1装置10に含まれるいずれかの装置が出力した情報に基づき行われればよい。言い換えれば、判定用情報Ijは、第1装置10が出力した情報であれば、位置情報収集装置11が出力した情報でなくてもよい。
【0116】
例えば、販売員ユーザP1は、第1空間RS1で接客を開始するとき、販売員端末12に対して所定の操作を行う。これにより、販売員端末12から情報処理サーバ30へ、販売員ユーザP1が接客中であることを示す情報が判定用情報Ijとして送信される。当該情報を受信することに基づき、接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1が接客中であると判定する。
【0117】
また、販売員ユーザP1が第1空間RS1を訪れた顧客への対応を行っている場合に限らず、例えば販売員ユーザP1が電話中であるときも、接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1が接客中であると判定し、接客中表示212の表示が行われてもよい。例えば、販売員ユーザP1は、電話に応答するときに、販売員端末12に対して所定の操作を行う。これにより、販売員端末12から情報処理サーバ30へ判定用情報Ijが送信され、接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1が接客中であると判定する。
【0118】
また、接客中に限らず、販売員ユーザP1が第1空間RS1での作業のために仮想空間VSを通じた会話の要求に応えられないときに、第1状況表示300として、販売員ユーザP1が会話の要求に応えられない状態であることを示す表示が、顧客端末21に表示されてもよい。こうした表示も、販売員ユーザP1の作業状況を示す表示に含まれる。
【0119】
<室内撮影機能>
室内撮影機能は、商品の画像等、第1空間RS1内の画像を撮影して顧客端末21に表示する機能である。室内撮影機能は、例えば、顧客ユーザP2が商品の実物の色や形状を確認したい場合に利用される。
【0120】
図12が示すように、顧客ユーザP2が、第1空間RS1内の撮影を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、撮影の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS60)。所定の操作は、例えば、基本画面200に表示される撮影を指示する領域を選択する操作である。
【0121】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の撮影指示部32dは、撮影装置13に対する撮影の指示を出力する。撮影の指示は、通信部31から撮影装置13に送られる(ステップS61)。撮影の指示を受けると、撮影装置13は撮影処理を行う(ステップS62)。撮影処理には、第1空間RS1内の撮影により撮影情報Ivを生成して、撮影情報Ivを情報処理サーバ30に送信する処理が含まれる。
【0122】
撮影装置13の遠隔操作が可能である場合、顧客端末21には操作情報Ioが入力され、操作情報Ioが顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。この場合、撮影指示部32dは、操作情報Ioに従った動きの指示を含む撮影の指示を出力する。そして、撮影装置13の撮影処理には、情報処理サーバ30からの指示に従った位置や向きの変更が含まれる。
【0123】
例えば、顧客端末21に表示されている仮想空間VSの画像中に、撮影装置13の位置を示す表示が含まれ、この表示に対するドラッグ等の操作により、撮影装置13の移動方向と移動量を指示する情報が、操作情報Ioとして顧客端末21に入力される。撮影装置13の位置は、例えば、位置情報収集装置11が撮影した画像の解析によって販売員ユーザP1の位置が特定される場合、同様の画像の解析によって特定されてもよい。あるいは、撮影装置13が、自身の位置情報を取得して情報処理サーバ30に送信する機能を有し、撮影装置13からの位置情報に基づいて、撮影装置13の位置が特定され、顧客端末21での表示に反映されてもよい。
【0124】
情報処理サーバ30が撮影装置13から撮影情報Ivを受信すると、情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、撮影装置13が撮影した画像を含む観察画面202を表示させるための表示データを生成する。表示データは、通信部31から、顧客端末21に送信される(ステップS63)。
表示データを受信すると、顧客端末21は、表示データに基づいた画像を表示部に表示する。これにより、顧客端末21に、観察画面202が表示される(ステップS64)。
【0125】
図13は、観察画面202の一例を示す。観察画面202は、仮想領域210および操作領域220に加えて、撮影装置13が撮影した画像が表示される撮影領域240を含む。撮影領域240に表示される画像は、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示300の一例である。この場合、第1状況表示300は、第1情報If1のうちの撮影情報Ivに基づく第1空間RS1の状況を示す。
【0126】
観察画面202では、図13が示すように、仮想領域210を主として、仮想領域210の一部に撮影領域240が重ねられるように、仮想領域210と撮影領域240とが配置されてもよい。あるいは、撮影領域240を主として、撮影領域240の一部に仮想領域210が重ねられるように、仮想領域210と撮影領域240とが配置されてもよい。また、仮想領域210と撮影領域240とのいずれを主とするかが選択可能であってもよい。いずれの場合であれ、仮想領域210と撮影領域240とは、1つの画面に同時に表示される。すなわち、観察画面202の表示のための表示データは、仮想領域210と撮影領域240とを1つの画面に表示させるデータである。
【0127】
撮影装置13が撮影した画像が顧客端末21に表示されることによって、顧客ユーザP2は、商品の色や形状を確認できる。そのため、顧客ユーザP2は、こうした商品の外観を参考にしながら、購入する商品を選択することができる。したがって、商品の適切な選択が可能であるとともに、現実空間で商品を見て選ぶことに近い感覚を得ることができる。それゆえ、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0128】
さらに、撮影装置13の遠隔操作が可能であれば、撮影領域240に表示される画像に顧客ユーザP2の意志がより強く反映される。したがって、顧客ユーザP2の意図に沿って商品の選択を進めやすくなり、顧客ユーザP2は、現実空間での商品の選択により近い感覚を得ることができる。
【0129】
また、仮想領域210と撮影領域240とが1つの画面に同時に表示されることにより、顧客ユーザP2は、仮想空間VSで買い物をしている感覚と、現実空間で商品を選んでいる感覚とを一緒に得ることができる。それゆえ、これらの感覚の融合により、仮想空間VSでの活動で得られる感覚として、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。したがって、現実との繋がりがより感じられやすくなる。
【0130】
なお、撮影装置13の遠隔操作が可能な場合には、撮影装置13の使用の予約が可能であってもよい。これにより、顧客ユーザP2にとって利便性が高められる。具体的には、情報処理サーバ30の記憶部33は、予約者および予約時間を含むテーブル等から構成される予約データを記憶しており、予約データに基づく情報が情報処理サーバ30から顧客端末21に送信されることに基づき、顧客端末21にて撮影装置13の使用の予約状況が確認可能とされる。顧客ユーザP2が予約状況にて空いている時間を指定すると予約の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送られ、撮影指示部32dは、顧客ユーザP2による撮影装置13の使用の予約として、指定された時間の予約を予約データに登録する。そして、予約データにおける予約に従って、撮影装置13の使用が開始される。
【0131】
<試用機能>
試用機能は、仮想的に商品の試用を行う機能である。
図14が示すように、顧客ユーザP2が、商品の試用を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、試用の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS70)。所定の操作は、例えば、基本画面200に表示される商品およびその試用を指示する領域を選択する操作である。
【0132】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の試用実行部32eは、試用処理を行う(ステップS71)。試用処理は、例えば、商品が衣服やアクセサリーであれば、顧客ユーザP2に対応する第2アバターA2に商品を装着させたデータを生成する処理であり、商品が乗り物であれば商品に第2アバターA2を乗せたデータを生成する処理である。その他、試用処理は、第2アバターA2に商品を持たせたデータを生成する処理であってもよく、要は、選択された商品を第2アバターA2に試用させたデータを生成する処理であればよい。
【0133】
続いて、情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、試用実行部32eが生成したデータを用いて、第2アバターA2が商品を試用している画像を含む試用画面203を表示させるための表示データを生成する(ステップS72)。
【0134】
表示データを受信すると、顧客端末21は、表示データに基づいた画像を表示部に表示する。これにより、顧客端末21に、試用画面203が表示される(ステップS73)。
図15は、試用画面203の一例を示す。試用画面203は、操作領域220と、商品Gdを試用している第2アバターA2が表示される試用領域250とを含む。
【0135】
試用領域250の背景は、仮想空間VSの画像であってもよいし、仮想空間VSとは異なる画像であってもよい。また、顧客端末21が撮影機能を有している場合、試用領域250の背景は、顧客端末21が撮影した第2空間RS2の画像であってもよい。すなわち、試用機能は、拡張現実(AR:Augmented Reality)を利用していてもよい。
【0136】
第2アバターA2が商品Gdを試用している画像が表示されることにより、顧客ユーザP2は、自分が商品を使用した場合の様子や、複数の商品を組み合わせて使用したときのバランス等をイメージしやすい。また、乗り物等のように現実空間の店舗では試用が難しい商品であっても、商品を第2アバターA2に試用させることで、商品の使用のイメージを容易に得ることができる。また、ARが使用される場合には、商品Gdを第2空間RS2で使用したときの様子をイメージしやすい。したがって、購入する商品の選択について的確な判断が可能である。なお、ARが使用される場合には、第2アバターA2は表示されず、商品Gdのみが表示されてもよい。
【0137】
顧客ユーザP2が購入する商品を決定すると、決済処理が行われる。決済処理は、情報処理サーバ30によって行われてもよいし、第1空間RS1の店舗が運営するECサイトと仮想空間提供システム100とが連携することにより、ECサイトのサーバで行われてもよい。
【0138】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)顧客端末21に、仮想空間VSの画像と、第1空間RS1の状況を示す第1状況表示300とが表示される。したがって、仮想空間VSの画像のみが表示されて第1状況表示300が表示されない場合と比較して、顧客ユーザP2が、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりを感じやすくなる。これにより、顧客ユーザP2が第1空間RS1に行くことが困難である場合にも、仮想空間VSでの活動によって第1空間RS1での活動に近い感覚を得ることができる。それゆえ、仮想空間提供システム100が商品の販売に用いられる場合には、顧客ユーザP2の購買意欲の向上も可能である。
【0139】
(2)第1会話情報Ic1が動画データからなり、第1状況表示300が第1会話情報Ic1に基づく会話中の販売員ユーザP1の映像の表示を含む。これによれば、顧客ユーザP2は、仮想空間VSを通した販売員ユーザP1との会話において、対面での会話に近い感覚を得ることができる。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0140】
(3)第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離が大きいほど、第1会話情報Ic1に基づいて顧客端末21にて出力される音声の大きさが小さく設定される。これによれば、現実の店舗で顧客と販売員との間の距離が会話の音量に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の音量に影響を及ぼす。そのため、顧客ユーザP2は、仮想空間VSでの活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0141】
(4)第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離に応じて会話の可否が決定され、当該距離が所定値以下である場合に会話を成立させる処理が行われる。これによれば、現実の店舗で顧客と販売員との間の距離が会話の可否に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の可否に影響を及ぼす。そのため、顧客ユーザP2は、仮想空間VSでの活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0142】
(5)第1状況表示300が、販売員ユーザP1が第1空間RS1において接客中であることを示す接客中表示212を含む。これによれば、顧客ユーザP2は、販売員ユーザP1が、会話の要求に応えられる状況か否かを容易に把握できるため、第1アバターA1に話しかけるタイミングの調整等が可能であり、仮想空間VSでの活動を効率よく進めることができる。また、第1アバターA1が、仮想空間VS内でのみ接客を行うキャラクターではなく、現実空間の店舗で実際に接客を行っている販売員の分身であることを、顧客ユーザP2が感じ取りやすい。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0143】
(6)第1状況表示300が、撮影情報Ivに基づく第1空間RS1内の画像を含む。これによれば、顧客ユーザP2は、商品の色や形状を確認して、購入する商品を選択することができる。したがって、商品の適切な選択が可能であるとともに、現実空間で商品を見て選ぶことに近い感覚を得ることができる。それゆえ、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0144】
(7)撮影装置13が第1空間RS1内を移動可能に構成され、顧客端末21からの操作情報Ioに従った動きの指示が情報処理サーバ30から撮影装置13に送信される。これによれば、顧客ユーザP2による撮影装置13の遠隔操作が可能であるため、顧客端末21に表示される第1空間RS1の画像に顧客ユーザP2の意志がより強く反映される。したがって、顧客ユーザP2の意図に沿って商品の選択を進めやすくなり、顧客ユーザP2は、現実空間での商品の選択により近い感覚を得ることができる。
【0145】
(8)顧客端末21にて、仮想空間VSの画像と、第1状況表示300とが1つの画面に表示される。これによれば、顧客ユーザP2は、仮想空間VSで活動している感覚と、現実空間での体験に近い感覚とを一緒に得ることができる。それゆえ、これらの感覚の融合により、仮想空間VSでの活動で得られる感覚として、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりがより感じられやすくなる。
【0146】
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・仮想空間VSの画像と第1状況表示300とは、顧客端末21において1つの画面に表示されなくてもよい。例えば、仮想領域210と、第1状況表示300である、販売員ユーザP1の映像が表示される映像領域230や撮影装置13が撮影した画像が表示される撮影領域240とが、切り替えて表示されてもよい。こうした構成であっても、仮想空間VSの画像のみが表示されて第1状況表示300が表示されない形態と比べると、顧客ユーザP2には、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0147】
・仮想空間提供システム100は、上記実施形態で説明した機能のすべてを備えていなくてもよい。仮想空間提供システム100は、アバターを介在させた会話により販売員ユーザP1と顧客ユーザP2とのコミュニケーションを可能とするシステムであって、仮想空間VSの画像と少なくとも1つの第1状況表示300とを顧客端末21に表示させるシステムであればよい。
【0148】
・情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、第1空間RS1を実際に訪れている顧客に対応するアバターを仮想空間VSに配置してもよい。顧客の位置は、例えば、位置情報収集装置11が撮影した画像の解析に基づき特定されて、仮想空間VS内のアバターの位置に反映される。こうした構成によれば、仮想空間VSでの、第1空間RS1の顧客に対応するアバターの数や位置によって、顧客ユーザP2は、第1空間RS1での店舗の賑わいの程度や、人気のある商品等を知ることができる。
【0149】
・情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、仮想空間VS内のアバターの数を所定の範囲内に制御してもよい。例えば、顧客に対応するアバターの数が少なすぎると、顧客ユーザP2が賑わいを感じ難くなる一方で、顧客に対応するアバターの数が多すぎると、仮想空間VS内が混雑して顧客ユーザP2は第2アバターA2の移動や商品の選択を行い難くなる。仮想空間VS内のアバターの数が一定程度に制御されれば、これらの問題の発生が抑えられる。例えば、仮想空間生成部32aは、第1空間RS1の顧客のうちの一部に対応するアバターを仮想空間VSに配置することで、仮想空間VS内のアバターの数を所定の範囲内にとどめてもよい。あるいは、仮想空間生成部32aは、第1空間RS1には存在しない顧客のアバターを仮想空間VSに配置することで、仮想空間VS内のアバターの数を所定の範囲内まで増加させてもよい。
【0150】
・基本画面200の表示後、仮想空間VS内での第1アバターA1および第2アバターA2の移動に際し、情報処理サーバ30と顧客端末21との間では、アバターA1,A2の位置情報のみが授受され、アバターA1,A2の位置の変更を反映させた仮想空間VSの画像を生成する処理は、顧客端末21が行ってもよい。言い換えれば、情報処理サーバ30は、アバターA1,A2の位置情報の変化を管理し、アバターA1,A2の移動は顧客端末21で行われる。
【0151】
この場合、第1アバターA1の位置の移動は、位置特定情報Ipに基づいて情報処理サーバ30から顧客端末21に送信された第1アバターA1の変更後の位置を示す情報に基づいて行われ、第2アバターA2の位置の移動は、顧客端末21に入力された指示情報Isに基づいて行われる。こうした形態においては、顧客端末21が、仮想空間VS内でアバターA1,A2を移動させる仮想空間生成部として機能する。また、この場合、表示データを生成する機能の一部を顧客端末21が担ってもよい。すなわち、情報処理サーバ30の制御部32および顧客端末21が表示データ生成部として機能してもよい。
【0152】
・仮想空間提供システム100の用途は、商品の販売に限られない。すなわち、第1空間RS1は店舗内の空間でなくてもよいし、第1ユーザは販売員でなくてもよいし、第2ユーザは顧客でなくてもよい。第1空間RS1で行われる活動と同種の活動を、第1空間RS1に実際に存在する第1ユーザのアバターを交えながら、仮想空間VSで第2ユーザのアバターが実施できればよい。例えば、第1空間RS1は、オフィスや観光地であってもよい。
【0153】
なかでも、仮想空間提供システム100は、展示物を用いたサービスの提供に用いられることが好ましい。展示物は、売買される商品、商品の見本、売買の対象でない展示品等、第1空間RS1に配置されてサービスの提供に用いられる物品であれば、特に限定されない。展示物を用いたサービスは、例えば、商品の販売や、展示物の紹介等である。第1空間RS1は、例えば、店舗、ショールーム、展示会の会場、各種の催事の会場等である。第1ユーザは、第1空間RS1の来訪者に対して接客を行う接客担当者であり、第2ユーザは、仮想空間VSを通じてサービスの提供を受ける者、言い換えれば、接客を受ける者である。
【0154】
展示物を用いたサービスの提供とその享受は、従来は現実空間で行われていた活動であり、これを仮想空間で行う場合には、現実空間での活動に近い感覚が得られることが、サービスの受け手の満足度を高めるためにも重要である。そこで、仮想空間提供システム100が、展示物を用いたサービスの提供に用いられれば、現実空間での活動に近い感覚が得られて現実との繋がりが感じられやすいため、サービスの受け手の満足度を好適に高めることができる。
【0155】
・1つの第1空間RS1に対し、複数の仮想空間VSが生成されてもよい。各仮想空間VSは、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する。例えば、一緒に買い物を行う家族や友人のように、第2ユーザが属するグループごとに、当該グループの第2ユーザに対応するアバターを含む仮想空間VSが生成されてもよい。これにより、グループごとに仮想空間VS内での活動をゆったりと楽しむことができる。複数の仮想空間VSの各々には、同一の第1ユーザのアバターが配置されてもよいし、複数の第1ユーザが存在する場合、仮想空間VSごとに異なる第1ユーザのアバターが配置されてもよい。なお、第1空間RS1に存在する接客担当者のすべてが第1ユーザとして仮想空間VSのアバターに反映される必要はない。
【符号の説明】
【0156】
A1…第1アバター
A2…第2アバター
Gd…商品
Ic1…第1会話情報
Ic2…第2会話情報
If1…第1情報
If2…第2情報
Ij…判定用情報
Io…操作情報
Ip…位置特定情報
Is…指示情報
Iv…撮影情報
P1…販売員ユーザ
P2…顧客ユーザ
RS1…第1空間
RS2…第2空間
VS…仮想空間
10…第1装置
11…位置情報収集装置
12…販売員端末
13…撮影装置
20…第2装置
21…顧客端末
30…情報処理サーバ
31…通信部
32…制御部
32a…仮想空間生成部
32b…会話処理部
32c…接客状況判定部
32d…撮影指示部
32e…試用実行部
32f…表示データ生成部
33…記憶部
33a…仮想空間データ
100…仮想空間提供システム
200…基本画面
201…会話画面
202…観察画面
203…試用画面
210…仮想領域
211…商品表示
212…接客中表示
220…操作領域
230…映像領域
240…撮影領域
250…試用領域
300…第1状況表示
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15